JP6618401B2 - 乳化体臭抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は体臭抑制剤に関する。詳しくは、皮膚に塗布することなどにより、腋臭などの体臭に対して優れた防臭効果を発揮する乳化体臭抑制剤に関する。
大衆に不快感を与える、腋臭、足臭、汗臭等の体臭は、主に、皮脂等の脂質と汗との混合物が皮膚常在菌により分解されることにより生じる。例えば、腋臭は、腋窩に存在するアポクリン汗腺から分泌される分泌物に含まれる脂質の分解物である脂肪酸の臭気等に起因する。
このような体臭を抑制するために、従来、殺菌、制汗や消臭などの様々な手法が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、消臭成分として、酸化亜鉛を用いたデオドラント組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、近年、より一層の体臭抑制機能向上が求められてきており、例えば、より一層優れた消臭機能を有する消臭成分が求められてきている。
上記要求に対して、本発明者らは、酸化亜鉛などの従来一般的に知られている消臭成分と比べて、活性炭が極めて優れた消臭機能を有することを見出し、さらに活性炭が塗布対象を黒く汚す欠点を解消し、酸化チタン被覆活性炭を含有する、体臭抑制効果と実用特性に優れた体臭抑制剤を完成させた(特許文献2参照)。
特開2011−148785号公報 国際公開第2014/088039号
光井武夫編、「新化粧品学」、第2版、株式会社南山堂、2001年、p.510−515
しかしながら、上記酸化チタン被覆活性炭を含有する体臭抑制剤は、皮膚に塗布する際の滑り性が十分でなく塗布性が不十分となる場合や、皮膚に塗布した後に白い残留物が残ってみえる現象(所謂、白浮き)が生じる場合があることがわかった。また、体臭抑制剤の塗布後に発汗すると、酸化チタン被覆活性炭が汗により流れ落ちる懸念があった。このため、これらを改良し、より一層高品質な体臭抑制剤を得ることが課題であった。
従って、本発明の目的は、酸化チタン被覆活性炭を含有する体臭抑制効果に優れた体臭抑制剤の品質をより一層向上させ、皮膚に塗布する際の滑り性に優れ、さらに塗布後の白浮きが抑制された体臭抑制剤を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、酸化チタン被覆活性炭を含有する体臭抑制剤において、ポリエーテル変性シリコーン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、エタノール、水、環状シリコーン、並びに、高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、炭化水素油、及びシリコーン油からなる群より選ばれた油分を配合することによって、皮膚に塗布する際には滑り性に優れ、さらに塗布後の白浮きが抑制された体臭抑制剤を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dと、下記成分Eと、下記成分Fと、下記成分Gとを含有することを特徴とする乳化体臭抑制剤を提供する。
成分A:ポリエーテル変性シリコーン
成分B:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー
成分C:活性炭と、前記活性炭の表面に存在する酸化チタンとを含む酸化チタン被覆活性炭
成分D:環状シリコーン
成分E:高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、炭化水素油、及び上記成分D以外のシリコーン油からなる群より選ばれた油分
成分F:エタノール
成分G:水
上記成分AのHLB値は2.0〜4.5が好ましい。
上記成分Cにおける、上記活性炭の平均粒径は15.0〜50.0μmであることが好ましく、上記酸化チタンの平均粒径は0.01〜0.5μmであることが好ましい。
上記乳化体臭抑制剤は、さらに、下記成分H及び/又は下記成分Jを含むことが好ましい。
成分H:制汗剤
成分J:殺菌剤
上記乳化体臭抑制剤は、ジェル状またはクリーム状であることが好ましい。
本発明の乳化体臭抑制剤(以下、単に「本発明の体臭抑制剤」とも称する)は、酸化チタン被覆活性炭を含有することにより、優れた体臭抑制効果を有する。また、本発明の体臭抑制剤は、ポリエーテル変性シリコーンと(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとを用いて形成した、油中水型(所謂、W/Si型)の乳化系であり、上記構成を有することにより、皮膚に塗布する際に滑り性に優れ、塗布性が向上する。さらに、塗布後の白浮きが抑制され、実用性も向上する。さらに、本発明の体臭抑制剤は、W/Si型の乳化系であるにも関わらず、べたつきが十分に抑制されている。従って、本発明によれば、酸化チタン被覆活性炭を含有する体臭抑制剤の品質をより一層優れたものとすることができる。
本発明の体臭抑制剤は、ポリエーテル変性シリコーン;(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー;酸化チタン被覆活性炭;環状シリコーン;高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、炭化水素油、及び環状シリコーン以外のシリコーン油からなる群より選ばれた油分;エタノール;水を必須の成分として含有する。なお、本明細書においては、上記ポリエーテル変性シリコーンを「成分A」;上記(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーを「成分B」;上記酸化チタン被覆活性炭を「成分C」;上記環状シリコーンを「成分D」;上記高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、炭化水素油、及び環状シリコーン以外のシリコーン油からなる群より選ばれた油分を「成分E」;上記エタノールを「成分F」;上記水を「成分G」と称する場合がある。また、成分Cである酸化チタン被覆活性炭を構成する活性炭を、「活性炭(a)」と称する場合がある。また、成分Cである酸化チタン被覆活性炭を構成する酸化チタンを「酸化チタン(b)」と称する場合がある。
また、本発明の体臭抑制剤は、制汗剤及び/又は殺菌剤を含むことが好ましく、制汗剤及び殺菌剤を含むことがより好ましい。なお、本明細書においては、上記制汗剤を「成分H」;上記殺菌剤を「成分J」と称する場合がある。
本発明の体臭抑制剤は、上記成分A、成分B、成分C、成分D、成分E、成分F、成分G、成分H、成分J以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の体臭抑制剤に含まれる各成分、例えば、成分A〜Jやそれ以外の成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の体臭抑制剤は乳化組成物であり、特に、油中水型(W/Si型)の乳化組成物であることが好ましい。成分Aと成分Bとを用いて形成した、油中水型(所謂、W/Si型)の乳化組成物であることにより、べたつきが少なく使用感に優れる。また、撥水性の膜を形成して成分Cの肌への付着性を高め、汗などによる流れ落ちを防止することが期待される。
[成分A:ポリエーテル変性シリコーン]
上記成分Aは、シロキサン骨格(シリコーン鎖)とポリエーテル基(ポリエーテル鎖)を含むシリコーン化合物である。成分Aは、主鎖内にポリエーテル鎖とシリコーン鎖を含むブロック共重合体タイプや末端変性タイプのシリコーン化合物であってもよいし、シロキサン骨格の側鎖としてポリエーテル基が結合した側鎖変性タイプのシリコーン化合物であってもよい。成分Aは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記シロキサン骨格(シリコーン鎖)としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられる。中でも、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
上記ポリエーテル基(ポリエーテル鎖)としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基などが挙げられる。中でも、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が好ましい。特に好ましくは、成分Aは、ポリエーテル基として、ポリオキシエチレン基のみを含む、又は、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを含む。成分Aにおけるオキシアルキレン(例えば、オキシエチレン)の平均付加モル数は、特に限定されないが、3〜50が好ましく、より好ましくは3〜36である。
成分AのHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、特に限定されないが、本発明の体臭抑制剤が適切な粘弾性のジェル状又はクリーム状となり、塗布しやすく垂れ落ちにくくなり使用性が向上する観点から、1.0〜5.0が好ましく、より好ましくは2.0〜4.5である。なお、上記HLB値は、グリフィン(Griffin)法により算出することができる。
成分Aの具体例としては、例えば、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG−3ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン、ポリシリコーン−13、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン等が挙げられる。
上記PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.2473):PEG−9 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONEで表記される化合物である。上記PEG−3ジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.2384):PEG−3 DIMETHICONEで表記される化合物である。上記PEG−9メチルエーテルジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.2454):PEG−9 METHYL ETHER DIMETHICONEで表記される化合物である。セチルPEG/PPG−10/1ジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第1巻,Personal Care Products Council,2014年,p.671):CETYL PEG/PPG−10/1 DIMETHICONEで表記される化合物である。ラウリルPEG/PPG−18/18メチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.1868−1869):LAURYL PEG/PPG−18/18 METHICONEで表記される化合物である。ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.1869):LAURYL PEG−10 TRIS(TRIMETHYLSILOXY)SILYLETHYL DIMETHICONEで表記される化合物である。ポリシリコーン−13は、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.2799):POLYSILICONE−13で表記される化合物である。ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.1868):LAURYL PEG−9 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONEで表記される化合物である。PEG/PPG−19/19ジメチコンは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,Personal Care Products Council,2014年,p.2486):PEG/PPG−19/19 DIMETHICONEで表記される化合物である。
成分Aの市販品としては、例えば、商品名「KF−6028」(HLB値=4.0,PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;信越化学工業社製)、商品名「KF−6015」(HLB値=4.5,PEG−3ジメチコン;信越化学工業社製)、商品名「KF−6016」(HLB値=4.5,PEG−9メチルエーテルジメチコン;信越化学工業社製)、商品名「KF−6048」(HLB値=3.5,セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン;信越化学工業社製)、商品名「KF−6017」(HLB値=4.5,PEG−10ジメチコン;信越化学工業社製)、商品名「KF−6038」(HLB値=3.0,ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;信越化学工業社製)、商品名「5200 Formulation Aid」(HLB値=2.0,ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン;東レ・ダウコーニング社製)、商品名「ES−5300 Formulation Aid」(HLB値=3.0,ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、商品名「FZ−2233」(HLB値=2.5,ポリシリコーン−13;東レ・ダウコーニング社製)、商品名「SS2910」(HLB値=4.0,PEG−10ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、商品名「BY22−008M」(HLB値=2.0,PEG/PPG−19/19ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)、商品名「BY25−337」(HLB値=2.0,PEG/PPG−19/19ジメチコン;東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
本発明の体臭抑制剤中の成分Aの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、0.5〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜8.0質量%である。成分Aの含有量が0.5質量%以上であることにより、乳化安定性が向上するため好ましい。また、べたつき低減とコスト低減の観点から、成分Aの含有量は10.0質量%以下であることが好ましい。上記成分Aの含有量は、本発明の体臭抑制剤中の全ての成分Aの含有量の合計量である。
[成分B:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー]
上記成分Bは、ビニルジメチルポリシロキサンで架橋されたジメチルポリシロキサンである共重合体である。成分Bとしては、例えば、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第1巻,Personal Care Products Council,2014年,p.1074−1075):DIMETHICONE/VINYL DIMETHICONE CROSSPOLYMERで表記される、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーと称される化合物が挙げられる。成分Bは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分Bの市販品としては、例えば、信越化学工業社製、商品名「KSG−15」;信越化学工業社製、商品名「KSG−16」;信越化学工業社製、商品名「KSG−1510」;信越化学工業社製、商品名「KSG−1610」などが挙げられる。
本発明の体臭抑制剤中の成分Bの含有量は、特に限定されないが、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、0.5〜8.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜4.5質量%である。成分Bの含有量が0.5質量%以上であることにより、乳化安定性が向上するため好ましい。また、コスト低減の観点から、成分Bの含有量は8.0質量%以下であることが好ましい。上記成分Bの含有量は、本発明の体臭抑制剤中の全ての成分Bの含有量の合計量である。
[成分C:酸化チタン被覆活性炭]
上記成分Cである酸化チタン被覆活性炭は、活性炭の表面に酸化チタンが存在する構造を有する複合体である。すなわち、成分Cは、活性炭(a)と、活性炭(a)の表面に存在する酸化チタン(b)を少なくとも含む。成分Cは、活性炭(a)、酸化チタン(b)以外の成分を含んでいてもよい。成分Cは優れた消臭効果を有するため、成分Cを配合することにより、本発明の体臭抑制剤の体臭抑制効果が向上する。また、W/Si型の乳化組成物は特有のべたつきが生じるが、本発明の体臭抑制剤においては、成分Cを配合することにより、上記べたつきが抑制され使用感が向上する。成分Cは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。また、活性炭(a)、酸化チタン(b)、および活性炭(a)、酸化チタン(b)以外の成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記活性炭(a)は、特に限定されないが、多孔質の炭素質物質である。活性炭(a)は、炭素以外にも、水素、酸素、無機成分等を含んでいてもよい。活性炭(a)は、特に限定されないが、粉末活性炭が好ましい。
上記活性炭(a)の原料としては、特に限定されず、活性炭の原料として一般的に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ヤシ殻、木材、おが屑、石炭、フェノール樹脂、レーヨン、アクリロニトリル、石炭ピッチ、石油ピッチなどが挙げられる。中でも、ヤシ殻、木材、フェノール樹脂、石炭が好ましい。
上記活性炭(a)の平均粒径(平均粒子径)は、特に限定されないが、15.0〜50.0μmが好ましく、より好ましくは18.0〜45.0μm、さらに好ましくは20.0〜42.0μmである。活性炭(a)の平均粒径が上記範囲内であることにより、成分Cが白色となり、本発明の体臭抑制剤を塗布した際に塗布対象である皮膚等を黒く汚すこと(以下、「塗布汚れ」と称する場合がある)が防止される効果がより一層向上し、なおかつ、体臭抑制効果もより一層向上するため好ましい。さらに、皮膚に塗布して用いる場合の使用感がより一層向上するため好ましい。上記平均粒径が15.0μm未満では、白色化するために十分な量の酸化チタンを被覆させると吸着能が低下する場合があり、塗布汚れ防止と体臭抑制効果を両立できなくなる場合がある。一方、上記平均粒径が50.0μmを超えると、体臭抑制剤を皮膚に塗布した場合にざらつきが生じ、使用感が低下する場合がある。
なお、上記「活性炭(a)の平均粒径」は、成分Cを構成する活性炭全体の平均粒径を意味する。また、本明細書において、活性炭(a)の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定することができ、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分析計「MT3300」(日機装株式会社製)により測定することができる。
上記活性炭(a)の中心細孔径は、特に限定されないが、成分Cの吸着能を向上させ体臭抑制効果を向上させる観点から、0.1〜10.0nmが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0nmである。活性炭(a)の中心細孔径は、特に限定されないが、例えば、BET法により測定することができ、例えば、細孔分布測定装置「Belsorp」(日本ベル株式会社製)により測定することができる。
上記活性炭(a)のヨウ素吸着量は、特に限定されないが、成分Cの吸着能を向上させ体臭抑制効果を向上させる観点から、100〜3000mg/gが好ましく、より好ましくは500〜2000mg/gである。本明細書において、活性炭(a)のヨウ素吸着量は、滴定法(JIS K 1417)により測定することができる。
上記活性炭(a)は、公知の製造方法により製造することができる。例えば、公知の活性炭を粉砕および分級する方法により製造することができる。また、活性炭(a)は市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「太閤A」(フタムラ化学株式会社製)などが挙げられる。
上記酸化チタン(b)としては、特に限定されず、公知の酸化チタン(二酸化チタン)を用いることができる。上記酸化チタン(b)としては、特に限定されないが、例えば、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の酸化チタンが挙げられる。
上記酸化チタン(b)の平均粒径は、特に限定されないが、0.001〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μm、さらに好ましくは0.2〜0.3μmである。酸化チタン(b)の平均粒径が上記範囲内であることにより、成分Cを白色化する効果が向上するため、本発明の体臭抑制剤の塗布汚れを防止する効果がより一層向上するため好ましい。上記平均粒径が0.001μm未満では、酸化チタン被覆活性炭が灰色から黒色の範囲の色調となり、塗布汚れが生じ体臭抑制剤の実用適性が低下する場合がある。
なお、上記「酸化チタン(b)の平均粒径」は、成分Cを構成する酸化チタン全体の平均粒径を意味する。また、本明細書において、酸化チタン(b)の平均粒径(球相当径)は、BET法(又は簡易BET法)により測定される比表面積より算出することができる。
上記酸化チタン(b)は市販品を用いることができる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「タイペークCR−50」(石原産業株式会社製)、商品名「MT−700B」(テイカ株式会社製)などが挙げられる。
成分Cは、樹脂を含んでいてもよい。上記樹脂は、特に限定されないが、バインダー樹脂として用いられる。上記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。中でも、アクリル樹脂(特に、水性アクリル樹脂)が好ましく、例えば、アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。
成分Cは、特に限定されないが、金属塩などを含んでいてもよい。
成分Cにおいて、活性炭(a)100質量部に対する、酸化チタン(b)の質量割合は、特に限定されないが、10〜10000質量部が好ましく、より好ましくは100〜5000質量部、より好ましくは500〜2000質量部、より好ましくは500〜1500質量部、より好ましくは550〜1050質量部、さらに好ましくは600〜1000質量部である。すなわち、[活性炭(a):酸化チタン(b)](質量比)は、1:0.1〜1:100が好ましく、より好ましくは1:1〜1:50、より好ましくは1:5〜1:20、より好ましくは1:5〜1:15、より好ましくは1:5.5〜1:10.5、さらに好ましくは1:6〜1:10である。活性炭(a)に対する酸化チタン(b)の割合が上記範囲よりも小さい(酸化チタン(b)が少ない)場合には、酸化チタン被覆活性炭が灰色から黒色の範囲の色調となり、塗布汚れが生じ体臭抑制剤の実用適性が低下する場合がある。一方、活性炭(a)に対する酸化チタン(b)の割合が上記範囲よりも大きい(酸化チタン(b)が多い)場合には、酸化チタン被覆活性炭の吸着能が低下し、体臭抑制剤の体臭抑制効果が低下する場合がある。
成分C中の、活性炭(a)の含有量と酸化チタン(b)の含有量の合計量は、特に限定されないが、成分C100質量%に対して、50.0質量%以上(50.0〜100質量%)が好ましく、より好ましくは70.0質量%以上、さらに好ましくは80.0質量%以上である。また、上限値は特に限定されず、好ましくは99.95質量%以下である。90.0質量%以下であってもよく、85.0質量%以下であってもよい。
成分C中の、上記樹脂の含有量は、特に限定されないが、活性炭(a)に対する酸化チタン(b)の付着性向上等の観点から、成分C100質量%に対して、0.005〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1.0質量%である。
成分Cにおいて、酸化チタン(b)は、活性炭(a)の表面に存在する。すなわち、成分C(酸化チタン被覆活性炭)は、活性炭(a)が酸化チタン(b)により被覆された構造を有している。なお、成分Cにおいては、活性炭(a)の表面の全面が酸化チタン(b)によって被覆されていてもよいし、活性炭(a)の表面の一部のみが酸化チタン(b)によって被覆されていてもよい。
成分Cは、活性炭(a)の表面上に、酸化チタン(b)を付着させることにより形成される。好ましくは、活性炭(a)の表面上に、上記樹脂を介して酸化チタン(b)を付着させることにより形成される。
成分Cの製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることが可能で、例えば、特開平4−256436号公報に記載の白色活性炭の製造方法、特開2005−263610号公報に記載の酸化チタン被覆活性炭の製造方法を用いることができる。
成分Cの具体的な製造方法としては、例えば、以下のとおりである。活性炭(a)、酸化チタン(b)、および上記樹脂のエマルションを混合し、活性炭(a)の表面を酸化チタン(b)で被覆する。次いで、得られた酸化チタン(b)で被覆された活性炭(a)を乾燥し、さらに必要に応じて、粒状に解砕して、成分C(酸化チタン被覆活性炭)を得る。
本発明の体臭抑制剤中の成分Cの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜5.0質量%である。白色活性炭の含有量が0.1質量%以上であることにより、本発明の体臭抑制剤の体臭抑制効果がより一層向上する。また、成分Cの含有量が10.0質量%以下であることにより、本発明の体臭抑制剤の塗布時の滑り性や白浮きの抑制効果がより一層となるため好ましい。上記成分Cの含有量は、本発明の体臭抑制剤中の全ての成分Cの含有量の合計量である。
[成分D:環状シリコーン]
上記成分Dは、環状シリコーンである。本発明の体臭抑制剤においては、成分Dを配合することにより、べたつきが抑制され使用感が向上する。成分Dは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分Dの気圧1atmにおける沸点は、特に限定されないが、100〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜230℃である。成分Dとしては、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサンなどが挙げられる。
本発明の体臭抑制剤中の成分Dの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、5.0〜25.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜20.0質量%である。成分Dの含有量が上記範囲であることにより、体臭抑制剤のべたつきがより一層低減するため好ましい。上記成分Dの含有量は、本発明の体臭抑制剤中の全ての成分Dの含有量の合計量である。
[成分E:高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、炭化水素油、及び成分D以外のシリコーン油からなる群より選ばれた油分]
上記成分Eは高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、エステル油、炭化水素油、及び成分D以外のシリコーン油からなる群より選ばれた油分(少なくとも1種の油分)である。本発明の体臭抑制剤においては、成分Eを配合することにより、白浮きが抑制され、塗布時(特に体臭抑制剤の乾き際)の滑り性が向上する。成分Eは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
成分Eの気圧1atmにおける沸点は、特に限定されないが、250℃を超えることが好ましく、より好ましくは、280〜400℃である。
成分Eは、体臭抑制剤の塗布性向上の観点から、エステル油、炭化水素油、成分D以外のシリコーン油が好ましく、より好ましくはエステル油である。白浮き抑制効果、滑り性向上効果の観点から、上記成分Eはエステル油を必須成分として含むことが好ましい。
上記エステル油としては、特に限定されないが、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、オクタン酸イソセチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、コハク酸ジオクチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸ポリグリセリル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、オレイン酸エチルなどが挙げられる。
上記成分D以外のシリコーン油としては、特に限定されないが、例えば、メチルポリシロキサン、平均重合度が650〜7000である高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン;アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などのアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどの変性シリコーンなどが挙げられる。
上記炭化水素油としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワレン、スクワランなどが挙げられる。
上記高級脂肪酸としては、特に限定されないが、例えば、炭素数12〜22の脂肪酸が挙げられ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。好ましくは、イソステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸などの分枝脂肪酸や不飽和脂肪酸が挙げられる。
上記高級アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、炭素数6〜22の高級アルコールが挙げられ、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、べへニルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどが挙げられる。中でも、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどの分枝アルコールや不飽和アルコールが好ましい。
上記油脂としては、マカデミアンナッツ油、ユーカリ油、ヤシ油、アボガド油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ククイナッツ油、シアバター、アーモンド油、ヒマワリ油、ローズヒップ油、オリーブスクワラン、シュガースクワラン、カメリアオイル、キウイフルーツシード油、ツバキ油、杏仁油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、ヒマシ油、ヘーゼルナッツ油、メドホーム油、ハッカ油、カロットオイル、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、菜種油、米ぬか油、カポック油、乳脂、ラード、魚油、鯨油などが挙げられる。
本発明の体臭抑制剤中の成分Eの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、5.0〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは8.0〜15.0質量%である。成分Eの含有量が5.0質量%以上であることにより、白浮きの抑制効果がより一層向上するため好ましい。また、成分Fの含有量が20.0質量%以下であることにより、塗布時のべたつきの抑制効果がより一層向上するため好ましい。
本発明の体臭抑制剤中のエステル油の含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、1.0〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜10.0質量%である。
[成分F:エタノール]
上記成分Fは、エタノールである。成分Fは、体臭抑制剤の速乾性を向上する役割を有する。本発明の体臭抑制剤中の成分Fの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、5.0〜40.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0〜30.0質量%である。成分Fの含有量が5.0質量%以上であることにより、速乾性がより一層向上するため好ましい。また、成分Fの含有量が40.0質量%以下であることにより、低刺激性がより一層向上するため好ましい。
[成分G:水]
上記成分Gとしては、特に限定されないが、精製水が好ましい。本発明の体臭抑制剤中の成分Gの含有量は、特に限定されないが、乳化安定性向上の観点から、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、10.0〜80.0質量%が好ましく、より好ましくは20.0〜70.0質量%、さらに好ましくは30.0〜65.0質量%である。
[成分H:制汗剤]
上記成分Hは、制汗剤である。制汗剤は、例えば、皮膚を収斂することにより汗の発生を抑制する薬剤である。成分Hとしては、特に限定されないが、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。中でも、クロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛が好ましい。上記成分Hは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の体臭抑制剤中の成分Hの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、0.1〜50.0質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜15.0質量%である。成分Hの含有量が0.1質量%以上であることにより、制汗効果による本発明の体臭抑制剤の体臭抑制効果がより一層向上する。また、成分Hの含有量が50.0質量%以下であることにより、べたつきがより一層抑制され、使用感がより一層向上するため好ましい。上記成分Hの含有量は、本発明の体臭抑制剤中の全ての成分Hの含有量の合計量である。
[成分J:殺菌剤]
上記成分Jは殺菌剤である。殺菌剤は、例えば、体臭の原因となる物質を生成する皮膚常在菌の増殖を抑制する薬剤である。成分Jとしては、特に限定されないが、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、フェノール、トリクロロカルバニリド、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、トリクロカルバン、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、サリチル酸、ソルビン酸、塩化リゾチームなどが挙げられる。中でも、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノールが好ましい。上記成分Jは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の体臭抑制剤中の成分Jの含有量は、本発明の体臭抑制剤100質量%に対して、0.05〜1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。成分Jの含有量が0.05質量%以上であることにより、殺菌効果による本発明の体臭抑制剤の体臭抑制効果がより一層向上する。また、成分Jの含有量が1.0質量%以下であることにより、体臭抑制剤の低刺激性がより一層向上するため好ましい。上記成分Jの含有量は、本発明の体臭抑制剤中の全ての成分Jの含有量の合計量である。
本発明の体臭抑制剤は、体臭抑制効果をより一層向上させる観点から、成分H及び/又は成分Jを含むことが好ましく、成分H及び成分Jを含むことがより好ましい。
[その他の成分]
本発明の体臭抑制剤は、上記成分A〜J以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、成分A以外の界面活性剤、ロウ類、多価アルコール、ステロール類、保湿剤、増粘剤、pH調整剤、無機顔料、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、美白剤、動植物抽出物、金属イオン封鎖剤、防腐剤、成分C以外の消臭剤、清涼化剤、香料等が挙げられる。
本発明の体臭抑制剤は、成分C以外の消臭剤を含有してもよい。上記消臭剤は、例えば、臭いを発する物質と反応したり、臭いを発する物質を吸着したり、臭いをマスクしたりして、臭いを消す効果を有する薬剤である。上記消臭剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛などの金属酸化物、シリカ、アルキルジエタノールアミド、ヒドロキシアパタイト、茶抽出物、香料、酸化防止剤などが挙げられる。
上記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールなどが挙げられる。
上記界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、グリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、シリコーン界面活性剤などのノニオン界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩などのアニオン界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
上記清涼化剤としては、特に限定されないが、例えば、メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、ハッカ油、ペパーミント油、カンファー、イシリンなどが挙げられる。上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、トコフェロール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体などが挙げられる。上記金属イオン封鎖剤としては、特に限定されないが、例えば、エデト酸塩、リン酸、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。
本発明の体臭抑制剤は、特に限定されないが、クリーム、ジェル、ローションなどの剤型であることが好ましい。中でも、本発明の体臭抑制剤は、ジェル状またはクリーム状であることが好ましい。なお、本発明の体臭抑制剤の製剤化は、一般に知られている製造方法により行うことができる。
本発明の体臭抑制剤は、体臭を抑制する目的で用いられる防臭剤(消臭剤、デオドラント剤とも称する)である。本発明の体臭抑制剤は、特に限定されないが、塗布汚れを防止する効果を有する観点から、皮膚に対して用いられる皮膚用の体臭抑制剤、衣類に対して用いられる衣類用の体臭抑制剤、または、履物に対して用いられる履物用の体臭抑制剤であることが好ましい。さらに、皮膚、衣類または履物に塗布(特に直接塗布)して用いる体臭抑制剤であることが好ましい。特に、白浮きの防止効果、滑り性に優れる観点から、皮膚に直接塗布して用いる体臭抑制剤であることが好ましい。本発明の体臭抑制剤を、身体に塗布する場合の塗布部としては、特に限定されないが、例えば、腋下、腕、足、足裏、首、胸、臀部などが挙げられる。上記衣類としては、特に限定されないが、例えば、ジャケット、ワイシャツ、コート、Tシャツ、トレーナー、セーター、ジャージ、ズボン、スラックス、ジーンズ、スカート、ワンピース、ドレス、下着、パジャマ、浴衣、帽子、スカーフ、バンダナ、マフラー、ネクタイ、手袋、帯、ベルト、靴下、足袋、レッグウォーマー、タイツなどが挙げられる。上記履物としては、特に限定されないが、例えば、靴、スニーカー、ハイヒール、パンプス、ミュール、ブーツ、サンダル、スリッパ、下駄などが挙げられる。
上記特許文献(国際公開第2014/088039号)に記載のとおり、本発明者らは、酸化チタン被覆活性炭(成分C)が従来の体臭抑制剤に用いられている消臭成分と比較して格段に優れた体臭抑制効果を有することを見出し、さらに体臭抑制剤に配合した場合に塗布汚れを引き起こさないことを見出し、酸化チタン被覆活性炭を含有することを特徴とする体臭抑制剤を発明するに至った。
しかしながら、酸化チタン被覆活性炭を含有する体臭抑制剤は、活性炭の表面に被覆した酸化チタンの影響によって、皮膚に塗布する際に皮膚上での滑り性が悪くなり塗布性や塗布時の感触が低下したり、皮膚に塗布した後に皮膚上に白い残留物が残ってみえる現象(白浮き)が生じたりする場合があった。また、体臭抑制剤の塗布後に発汗すると、酸化チタン被覆活性炭が汗により流れ落ちる懸念があった。
この課題に対して、本発明においては、ポリエーテル変性シリコーン(成分A)と(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(成分B)を用いた油中水型(所謂、W/Si型)の乳化系に、酸化チタン被覆活性炭(成分C)を配合し、さらに特定の油分(成分E)を配合することによって、滑り性と白浮き抑止性を向上させている。
また、成分Cと環状シリコーン(成分D)により、W/Si型の乳化組成物に特有のべたつきが低減されるため、使用感が向上する。
これらの効果により、体臭抑制剤の滑り性や白浮き、使用感を改善し、極めて高品質の体臭抑制剤を得ることに成功した。
本発明の体臭抑制剤は、さらに制汗剤や殺菌剤を含有することにより、体臭抑制効果をより一層向上することができる。このため、本発明の体臭抑制剤は、優れた体臭抑制効果を発揮することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り、有効成分の配合量であり、「質量%」で表す。
酸化チタン被覆活性炭の製造例
活性炭(商品名「GW−B32/60」、クラレケミカル株式会社製)を解砕機を用いて破砕し、さらに分級して、平均粒径:40.9μmの活性炭(粉末活性炭)を得た。
45%アクリル酸アルキル共重合体液(商品名「ヨドゾールGH800F」、アクゾノーベル(AkzoNobel)社製)0.1gに、精製水5.1gを加え、十分に撹拌し、混合液(1)を得た。
混合液(1)2.7gを撹拌しながら、混合液(1)を上記で得られた活性炭(平均粒径:40.9μm)1.8gに混合し、混合液(2)を得た。
得られた混合液(2)に酸化チタン(商品名「CR−50」、石原産業株式会社製、平均粒径:0.25μm)10.8gを混合し、混合液(3)を得た。
次いで、得られた混合液(3)を115℃で2時間乾燥し、さらに、乾燥物を解砕機にて粉状に解砕して酸化チタン被覆活性炭を得た。
実施例1〜18
上記酸化チタン被覆活性炭を用い、表に示した組成(配合量)に従い、各成分を混合し、乳化体臭抑制剤を調製した。なお、得られた乳化体臭抑制剤の性状は、いずれもジェル状であった。
なお、表に記載の各成分の詳細は、以下の通りである。
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:商品名「KF−6028」、信越化学工業社製
PEG−3ジメチコン:商品名「KF−6015」、信越化学工業社製
セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン:商品名「KF−6048」、信越化学工業社製
ラウリルPEG/PPG−18/18メチコン:商品名「5200 Formulation Aid」、東レ・ダウコーニング社製
ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン:商品名「ES−5300 Formulation Aid」、東レ・ダウコーニング社製
ポリシリコーン−13:商品名「FZ−2233」、東レ・ダウコーニング社製
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー:商品名「KSG−15」および商品名「KSG−16」、いずれも信越化学工業社製、(なお、実施例1〜3及び6〜18ではKSG−15とKSG−16を質量比1:1で併用した。また、実施例4〜5ではKSG−16のみを用いた。)
クロルヒドロキシアルミニウム:商品名「PAC♯1000」、多木化学社製
(評価)
実施例で得られた各乳化体臭抑制剤約0.2gを、前腕外側部に手で塗布し、以下のとおり、塗布時のべたつき、塗布時の滑り性、塗布後の白浮きのなさについて評価し、結果を表に記載した。
評価は、専門評価員3名により、25℃、湿度50%RHの恒温恒湿の条件下で実施した。
(1)塗布時のべたつき
乳化体臭抑制剤の塗布時の肌の感触から、べたつきを下記の基準で評価した。
<べたつきの評価基準>
◎(優れる):べたつきが極めてはやく消失する。
○(良好):べたつきがはやく消失する。
×(不良):べたつきがなくなるまでに時間がかかり、使用に適さない。
(2)塗布時の滑り性
乳化体臭抑制剤の塗布時(乾き際)の肌の感触から、滑り性を下記の基準で評価した。
<滑り性の評価基準>
◎(優れる):指が引っ掛かる感触が全くなく、滑り性が良好である。
○(良好):指が引っ掛かる感触を僅かに感じるが、実用上全く気にならない。
△(使用可能):指が引っ掛かる感触を感じるが、使用可能である。
×(不良):指が引っ掛かる感触を強く感じ、使用に適さない。
(3)塗布後の白浮き
乳化体臭抑制剤を塗布して乾いた後の肌の白浮きの有無を下記の基準で評価した。
<白浮きの評価基準>
◎(優れる):使用後の肌に白浮きがない。
○(良好) :使用後の肌にわずかな白浮きを生じるが、実用上全く気にならない。
△(使用可能):使用後の肌に白浮きを生じるが、使用可能である。
×(不良):使用後の肌に白浮きが顕著に生じ、使用に適さない。
Figure 0006618401
以下に、本発明の体臭抑制剤の処方例を示す。
以下に、本発明の体臭抑制剤(デオドラントジェルクリーム)の処方例を示す。
処方例1
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 5.0質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.45質量%
酸化チタン被覆活性炭 3.0質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 17.75質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 6.0質量%
メチルポリシロキサン 3.8質量%
エタノール 12.0質量%
クロルヒドロキシアルミニウム 10.0質量%
精製水 残部
処方例2
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.5質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.45質量%
酸化チタン被覆活性炭 0.5質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 17.75質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 4.0質量%
メチルポリシロキサン 3.8質量%
エタノール 11.0質量%
クロルヒドロキシアルミニウム 9.3質量%
ポリエチレングリコール400 3.0質量%
グリセリン 5.0質量%
精製水 残部
処方例3
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 4.5質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.8質量%
酸化チタン被覆活性炭 1.0質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 17.75質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 4.5質量%
メチルポリシロキサン 4.0質量%
エタノール 9.0質量%
クロルヒドロキシアルミニウム 11.0質量%
メントール 0.1質量%
香料 0.4質量%
精製水 残部
処方例4
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 6.0質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.45質量%
酸化チタン被覆活性炭 2.0質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 17.75質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 4.0質量%
メチルポリシロキサン 3.8質量%
エタノール 10.0質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.1質量%
パラフェノールスルホン酸亜鉛 0.3質量%精製水 残部
処方例5
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.0質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.45質量%
酸化チタン被覆活性炭 1.0質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 5.0質量%
メチルポリシロキサン 3.8質量%
エタノール 12.0質量%
トリクロサン 0.3質量%
塩化ベンザルコニウム 0.1質量%
精製水 残部
処方例6
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 4.5質量%
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 1.45質量%
酸化チタン被覆活性炭 1.0質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 17.75質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 4.0質量%
メチルポリシロキサン 5.0質量%
エタノール 40.0質量%
クロルヒドロキシアルミニウム 4.65質量%
精製水 残部

Claims (5)

  1. 下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cと、下記成分Dと、下記成分Eと、下記成分Fと、下記成分Gとを含有し、
    前記成分(A)の含有量が、0.5〜10.0質量%であり、
    前記成分(B)の含有量が、0.5〜8.0質量%であり、
    前記成分(E)の含有量が、1.0〜15.0質量%であることを特徴とする乳化体臭抑制剤。
    成分A:HLB値が1.0〜5.0であるポリエーテル変性シリコーン
    成分B:(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー
    成分C:活性炭と、前記活性炭の表面に存在する酸化チタンとを含む酸化チタン被覆活性炭
    成分D:環状シリコーン、
    成分E:エステル油
    成分F:エタノール
    成分G:水
  2. 前記成分AのHLB値が2.0〜4.5である請求項1に記載の乳化体臭抑制剤。
  3. 前記成分Cにおける、前記活性炭の平均粒径が15.0〜50.0μmであり、前記酸化チタンの平均粒径が0.01〜0.5μmである請求項1又は2に記載の乳化体臭抑制剤。
  4. さらに、下記成分H及び/又は下記成分Jを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化体臭抑制剤。
    成分H:制汗剤
    成分J:殺菌剤
  5. ジェル状またはクリーム状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化体臭抑制剤。
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