JP2015209118A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】偏平率の低下に伴うトレッド部のショルダー側の偏摩耗の悪化を抑制できる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】カーカス14のタイヤ径方向外側に、第1傾斜ベルトプライ16、周方向ベルトプライ18、及び第2傾斜ベルトプライ20の順に配置したベルト22を設け、各々の幅をW1,W2,W3としたときに、W1<W2<W3とする。ベルト22のタイヤ径方向外側部分の周方向の圧縮歪みがショルダー側にて抑制され、トレッド部24のショルダー側にて、蹴り出し側の路面に対する引き摺りを抑制することができる。これにより、空気入りタイヤ10の低偏平化に伴うトレッド部24のショルダー側の偏摩耗を抑制することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、偏摩耗を抑えた空気入りタイヤに関する。
トラックやバス等に用いられる空気入りタイヤとして、例えば特許文献1に示す空気入りタイヤが知られている。
このような空気入りタイヤに対し、トレッド部のショルダー側で生ずる偏摩耗を抑制する対策が施されているが、偏平率が低くなると偏摩耗が悪化する傾向にある。
本発明は上記事実を考慮し、偏平率の低下に伴うトレッド部のショルダー側の偏摩耗の悪化を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、一方のビード部から他方のビード部に跨るカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられ、路面に接地するトレッド部と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対する角度が45°以上に設定された複数本のコードを含む第1傾斜ベルトプライ、前記第1傾斜ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置され、螺旋状に巻回されてタイヤ周方向に対する角度が5°以下に設定されたコードを含み、前記第1傾斜ベルトプライよりも幅広に形成された周方向ベルトプライ、及び前記周方向ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定された複数本のコードを含み、幅が前記周方向ベルトプライよりも広く、かつトレッド部の接地幅に対して80%以上に設定された第2傾斜ベルトプライ、を備えたベルトと、を有する。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、周方向ベルトプライがタイヤ周方向に対して5°以下で傾斜するコードを含んで構成されているため、ベルトのタイヤ周方向の面外曲げ剛性を高め、ベルトのタイヤ周方向の面外曲げ変形を抑えることができる。これにより、ベルトのタイヤ径方向外側部分の周方向圧縮歪みの増加を抑制することができ、トレッド部の蹴り出し側におけるベルトのタイヤ径方向外側部分の伸張も抑えられる。したがって、ベルトのタイヤ径方向外側に配置されるトレッド部の路面に対する引き摺りを抑えることができ、低偏平化に伴うトレッド部のショルダー側の偏摩耗の悪化が抑制される。
ベルトに対し、ベルトの面に交差する方向の荷重が作用すれば、変形後のベルトは元の面上にはない。本発明では、このような変形を面外曲げ変形とよび、面外曲げ変形に対する剛性を面外曲げ剛性とよぶ。
第2傾斜ベルトプライのコードの角度をタイヤ周方向に対して30°以下とすることで、ベルトの周方向面外曲げ剛性を高めてベルトのタイヤ周方向の面外曲げ変形を抑制することができ、周方向ベルトプライと同様に、ベルトの周方向圧縮歪みの増加を抑え、トレッド部のショルダー側の偏摩耗を抑制することができる。
第2傾斜ベルトプライは、コードの角度がタイヤ周方向に対して5°よりも大きく設定されているため、周方向ベルトプライに比較して、タイヤ周方向の面外曲げ剛性は低くなっている。周方向ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置される第2傾斜ベルトプライの幅を、周方向ベルトプライの幅よりも広く設定している理由は、周方向ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置される第2傾斜ベルトプライの幅が、周方向ベルトプライの幅よりも広く設定されていないと、周方向ベルトプライのタイヤ幅方向外側でタイヤ周方向の面外曲げ剛性の段差が大きくなってしまい、周方向ベルトプライのタイヤ幅方向外側、即ち、トレッド部のショルダー側での偏摩耗性が低下してしまうからである。
このため、周方向ベルトプライよりもタイヤ周方向の面外曲げ剛性が低く設定された第2傾斜ベルトプライの幅を周方向ベルトプライの幅よりも広く設定し、第2傾斜ベルトプライを周方向ベルトプライの幅方向両端部よりもタイヤ幅方向外側へ延ばすことで、周方向ベルトプライのタイヤ幅方向外端からトレッド部の接地端に向けて剛性を緩やかに変化させることができ、剛性の急激な変化に伴う偏摩耗性の低下を抑制することができる。
また、第2傾斜ベルトプライの幅をトレッド部の接地幅に対して80%以上に設定することで、第2傾斜ベルトプライの幅方向端がトレッド部の接地端に近づき、第2傾斜ベルトプライによるタイヤ周方向の面外曲げ剛性を高める効果を接地端付近まで及ぼすことができる。
周方向ベルトプライは、第1傾斜ベルトプライと第2傾斜ベルトプライとの間に挟まれている。第1傾斜ベルトプライと第2傾斜ベルトプライとが重なった部分(ベルト平面視で)は、重なっていない部分(第1傾斜ベルトプライのみの部分、または第2傾斜ベルトプライのみの部分)に比較して周方向の剛性が高いため、内圧充填時、及び負荷転動時のタイヤ周方向の張力を負担する割合が高い。第1傾斜ベルトプライの幅を、周方向ベルトプライの幅よりも広く設定すると、周方向ベルトプライの全幅が第1傾斜ベルトプライと第2傾斜ベルトプライとの両方のベルトプライに挟まれることになり、第1傾斜ベルトプライと第2傾斜ベルトプライに作用する張力が周方向ベルトプライの全幅に作用することとなり、周方向ベルトプライの負担が大きくなる。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、第1傾斜ベルトプライの幅を周方向ベルトプライの幅よりも狭く設定することで、周方向ベルトプライは、第1傾斜ベルトプライと第2傾斜ベルトプライとの両方で挟まれて第1傾斜ベルトプライ及び第2傾斜ベルトプライからの張力を受ける部分の幅が狭くなって張力の負担が少なくなるため、耐久性を向上することができる。
周方向ベルトプライは、コードが周方向に延びているため、タガ効果が高く、内圧充填時、及び負荷転動時の径成長を抑えることができる。周方向ベルトプライのコードには大きな張力が作用するため、路面からの入力、またはトレッド部を貫通する異物等によるコードの損傷を抑制したい。請求項1の空気入りタイヤでは、周方向ベルトプライのタイヤ径方向外側に第2傾斜ベルトプライが配置されているので、第2傾斜ベルトプライによって周方向ベルトプライの損傷を抑制することができる。
また、請求項1に記載の空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に対する角度が45°以上に設定された複数のコードを含んで構成された第1傾斜ベルトプライをベルトの内でカーカスに最も近い1層目に配置しているので、空気入りタイヤのプランジャー耐久性を確保することができる。
なお、周方向ベルトプライのコードのタイヤ周方向に対する角度が5°を超えると、内圧保持性が低下し、内圧成長量、走行成長量が大きくなり、グルーブクラックの増大、ベルト耐久性の低下に至る。
第2傾斜ベルトプライのコードのタイヤ周方向に対する角度が5°以下になると、内圧保持性が低下する、内圧成長量、走行成長量が大きくなり、グルーブクラックの増大、ベルト耐久性の低下に至る。一方、第2傾斜ベルトプライのコードのタイヤ周方向に対する角度が30°を超えると、第2傾斜ベルトプライのタイヤ周方向の面外曲げ剛性が不足し、周方向ベルトプライのタイヤ幅方向外端から接地端に向けて剛性を緩やかに変化させることが困難となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記第1傾斜ベルトプライのコードと前記第2傾斜ベルトプライのコードとは、タイヤ周方向に対して反対方向に傾斜している。
タイヤ周方向に対して、第2傾斜ベルトプライのコードと第1傾斜ベルトプライのコードとを互いに反対方向に傾斜させることで、第2傾斜ベルトプライと第1傾斜ベルトプライベルトとで交錯ベルト層が構成され、ベルトの剛性を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記第2傾斜ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置され、前記第2傾斜ベルトプライのコードとタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜し、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定された複数のコードを含む第3傾斜ベルトプライを有する。
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、第2傾斜ベルトプライのタイヤ径方向外側に、第2傾斜ベルトプライのコードとタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜し、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定された複数のコードを含んで構成された第3傾斜ベルトプライを配置したので、第2傾斜ベルトプライと第3傾斜ベルトプライとでベルト交錯層が形成され、ベルトの面内剪断剛性、及びタイヤ周方向の面外曲げ剛性を向上することができる。
なお、第2傾斜ベルトプライのコードのタイヤ周方向に対する角度が5°以下になると、トレッド端部に向けて緩やかに周方向の面外曲げ剛性を低下することができず、曲げ剛性に段差が生じてしまう。その結果トレッド端部の偏摩耗が増大してしまう。
一方、第2傾斜ベルトプライのコードのタイヤ周方向に対する角度が30°を超えると、周方向の面外曲げ剛性が不十分となり、トレッド端部の偏摩耗が増大してしまう。
一方、第2傾斜ベルトプライのコードのタイヤ周方向に対する角度が30°を超えると、周方向の面外曲げ剛性が不十分となり、トレッド端部の偏摩耗が増大してしまう。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記周方向ベルトプライの前記コードは、破断時の伸度が4.5〜5.5%の伸長性を有する伸張性コードである。
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、周方向ベルトプライのコードを、破断時の伸度が4.5〜5.5%の伸張性を有する伸長性コードとしたので、コードが破断し難くなり、周方向ベルトプライの耐久性を向上することができる。
以上説明したように請求項1に記載の空気入りタイヤによれば、偏平率の低下に伴うトレッド部のショルダー側の偏摩耗の悪化を抑制できる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の空気入りタイヤによれば、ベルトの剛性を高めることができ、偏摩耗の抑制効果を高めることができる。
請求項3に記載の空気入りタイヤによれば、ベルトの剛性を高めることができ、トレッド部の中央側とショルダー側との径差を低減してトレッド部のショルダー側の偏摩耗をより抑制することができ、また、操縦安定性を向上することもできる。
請求項4に記載の空気入りタイヤによれば、周方向ベルトプライの耐久性を向上することができる。
[第1の実施形態]
図1にしたがって、本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。なお、図1において、矢印Wはタイヤ幅方向、矢印Rはタイヤ径方向を示している。本実施形態の空気入りタイヤ10は、一例として、タイヤサイズが355/50R22.5のトラック及びバス用タイヤであり、装着するリムのリム径が11.75インチ、内圧900kpaで使用されるものであるが、本発明は他のサイズ、及び他の種類のタイヤにも適用できる。
図1にしたがって、本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。なお、図1において、矢印Wはタイヤ幅方向、矢印Rはタイヤ径方向を示している。本実施形態の空気入りタイヤ10は、一例として、タイヤサイズが355/50R22.5のトラック及びバス用タイヤであり、装着するリムのリム径が11.75インチ、内圧900kpaで使用されるものであるが、本発明は他のサイズ、及び他の種類のタイヤにも適用できる。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10は、一方のビード部12と他方のビード部12に跨る1枚以上のラジアルカーカスプライからなるカーカス14を備えている。本実施形態のカーカスプライは、コードがタイヤ側面視でラジアル方向に延びており、トレッド平面視でタイヤ周方向に対して直角方向に延びているものである。
カーカス14のタイヤ径方向外側には、タイヤ径方向内側から第1傾斜ベルトプライ16、周方向ベルトプライ18、第2傾斜ベルトプライ20が順に配置されており、これら第1傾斜ベルトプライ16、周方向ベルトプライ18、第2傾斜ベルトプライ20によってベルト22が構成されている。ベルト22のタイヤ径方向外側には、路面と接地するトレッド部24を構成するトレッドゴム層26が配置されている。なお、トレッド部24には、排水用の溝25が形成されている。
(第1傾斜ベルトプライ)
第1傾斜ベルトプライ16は、互いに平行に並べられた複数本のコードをゴム被覆したものである。第1傾斜ベルトプライ16のコードは、プランジャー性能を確保するため、タイヤ周方向に対して45°以上の角度で傾斜している。なお、第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度の上限は、70°とすることが好ましい。第1傾斜ベルトプライ16のコードとしては、スチールコード、有機繊維コード等を用いることが出来る。有機繊維コードとしては、一例として、ナイロンコード、芳香族ポリアミドコード等を上げることができる。
第1傾斜ベルトプライ16は、互いに平行に並べられた複数本のコードをゴム被覆したものである。第1傾斜ベルトプライ16のコードは、プランジャー性能を確保するため、タイヤ周方向に対して45°以上の角度で傾斜している。なお、第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度の上限は、70°とすることが好ましい。第1傾斜ベルトプライ16のコードとしては、スチールコード、有機繊維コード等を用いることが出来る。有機繊維コードとしては、一例として、ナイロンコード、芳香族ポリアミドコード等を上げることができる。
第1傾斜ベルトプライ16の幅W1は、トレッド部24の接地幅TWの40%〜75%の範囲内に設定することが好ましい。
ここで、接地幅TWとは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、静止した状態で水平な平板に対して回転軸が平行となるように配置し、最大の負荷能力に対応する質量を加えたときのトレッド部の路面と接地している部分の幅(トレッド部の一方の接地端から他方の接地端までの距離)である。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
(周方向ベルトプライ)
周方向ベルトプライ18は、1または複数本のゴム被覆したコードを螺旋状に巻回することで構成されている。周方向ベルトプライ18のコードのタイヤ周方向に対する角度は、タガ効果を得るため、また、ベルト22のタイヤ周方向面外変形を抑えるために第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度よりも小さく設定されている。このため、周方向ベルトプライ18のコードのタイヤ周方向に対する角度は、5°以下に設定されている。
周方向ベルトプライ18は、1または複数本のゴム被覆したコードを螺旋状に巻回することで構成されている。周方向ベルトプライ18のコードのタイヤ周方向に対する角度は、タガ効果を得るため、また、ベルト22のタイヤ周方向面外変形を抑えるために第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度よりも小さく設定されている。このため、周方向ベルトプライ18のコードのタイヤ周方向に対する角度は、5°以下に設定されている。
周方向ベルトプライ18の幅W2は、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1よりも幅広に設定されている。周方向ベルトプライ18は、第1傾斜ベルトプライ16の全体を覆っている。また、周方向ベルトプライ18の幅W2は、接地幅TWの50%〜85%の範囲内とすることが好ましい。
周方向ベルトプライ18のコードには、周方向ベルトプライ18の耐久性を確保するために、伸張性コード(ハイエロンゲーションコードとも呼ばれる)が用いられている。なお、ここでいう伸張性コードとは、破断時に至るまでのトータル伸張量が多く、例えば、破断時の伸度が4.5〜5.5%の範囲のコードをいうものとする。「破断時の伸度」とは、JIS Z 2241に準拠した引張り試験を行って測定した結果によって算出した値を意味する。周方向ベルトプライ18のコードとしては、例えば、スチールコード、有機繊維コード等を用いることができる。
(第2傾斜ベルトプライ)
第2傾斜ベルトプライ20は、互いに平行に並べられた複数本のコードをゴム被覆したものである。第2傾斜ベルトプライ20のコードは、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜している。このため、単位幅当たりで比較すると、第2傾斜ベルトプライ20は周方向ベルトプライ18よりもタイヤ周方向の面外曲げ剛性は低くなっている。タイヤ周方向に対して、第2傾斜ベルトプライ20のコードは第1傾斜ベルトプライ16のコードと同方向に傾斜していても良く、反対方向に傾斜していても良い。タイヤ周方向に対して、第2傾斜ベルトプライ20のコードと第1傾斜ベルトプライ16のコードとを互いに反対方向に傾斜させることで、交錯ベルト層が形成され、コードが交錯している部分でベルト22の剛性を高めることができる。本実施形態では、第2傾斜ベルトプライ20のコードと第1傾斜ベルトプライ16のコードとがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜している。
第2傾斜ベルトプライ20は、互いに平行に並べられた複数本のコードをゴム被覆したものである。第2傾斜ベルトプライ20のコードは、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜している。このため、単位幅当たりで比較すると、第2傾斜ベルトプライ20は周方向ベルトプライ18よりもタイヤ周方向の面外曲げ剛性は低くなっている。タイヤ周方向に対して、第2傾斜ベルトプライ20のコードは第1傾斜ベルトプライ16のコードと同方向に傾斜していても良く、反対方向に傾斜していても良い。タイヤ周方向に対して、第2傾斜ベルトプライ20のコードと第1傾斜ベルトプライ16のコードとを互いに反対方向に傾斜させることで、交錯ベルト層が形成され、コードが交錯している部分でベルト22の剛性を高めることができる。本実施形態では、第2傾斜ベルトプライ20のコードと第1傾斜ベルトプライ16のコードとがタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜している。
第2傾斜ベルトプライ20のコードとしては、スチールコード、有機繊維コード等を用いることが出来る。この第2傾斜ベルトプライ20の幅W3は、周方向ベルトプライ18の幅W2よりも幅広に設定されている。第2傾斜ベルトプライ20は、周方向ベルトプライ18の全体を覆っている。なお、第2傾斜ベルトプライ20の幅W3は、トレッド部24の接地幅TWの80%以上105%以下に設定することが好ましい。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ10では、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1、周方向ベルトプライ18の幅W2、及び第2傾斜ベルトプライ20の幅W3の関係がW1<W2<W3を満足している。また、本実施形態では、第1傾斜ベルトプライ16、周方向ベルトプライ18、及び第2傾斜ベルトプライ20は、各々タイヤ赤道面CLに対して左右対称形状に配置されている。
第1傾斜ベルトプライ16の幅W1は、周方向ベルトプライ18の幅W2の60〜95%の範囲内とすることが好ましい。(W2−W1)/2、即ち、第1傾斜ベルトプライ16のタイヤ幅方向端から周方向ベルトプライ18のタイヤ幅方向端までのベルト幅方向に沿って計測した実寸法は、5mm以上とすることが好ましい。
第2傾斜ベルトプライ20のW3は、周方向ベルトプライ18の幅W2の105〜160%の範囲内とすることが好ましい。(W3−W2)/2、即ち、周方向ベルトプライ18のタイヤ幅方向端から第2傾斜ベルトプライ20のタイヤ幅方向端までのベルト幅方向に沿って計測した実寸法は、15mm以上とすることが好ましい。
更に、本実施形態の空気入りタイヤ10では、第1傾斜ベルトプライ16の単位幅当たりのタイヤ周方向の面外曲げ剛性をG1、周方向ベルトプライ18の単位幅当たりのタイヤ周方向の面外曲げ剛性をG2、第2傾斜ベルトプライ20の単位幅当たりのタイヤ周方向の面外曲げ剛性をG3としたときに、G2>G3>G1の関係を満足している。
(作用、効果)
先ず最初に、トレッド部のショルダー側で偏摩耗が生ずるメカニズムを説明する。空気入りタイヤのトレッド部は、タイヤ周方向、及びタイヤ幅方向に曲率を有しているため、トレッド部のタイヤ幅方向中央部の径は、トレッド部のショルダー側の径よりも大きくなっている。したがって、トレッド部のタイヤ幅方向中央部の周長は、トレッド部のショルダー側の周長よりも長くなる。このため、空気入りタイヤが路面を転動すると、トレッド部表面には、ショルダー側に径差に伴うブレーキング方向の剪断力が作用する。さらに、摩耗初期に摩耗核が発生したところでは、ブレーキング方向の剪断力が増加していくため、自励摩耗により摩耗が進展し易くなる。
先ず最初に、トレッド部のショルダー側で偏摩耗が生ずるメカニズムを説明する。空気入りタイヤのトレッド部は、タイヤ周方向、及びタイヤ幅方向に曲率を有しているため、トレッド部のタイヤ幅方向中央部の径は、トレッド部のショルダー側の径よりも大きくなっている。したがって、トレッド部のタイヤ幅方向中央部の周長は、トレッド部のショルダー側の周長よりも長くなる。このため、空気入りタイヤが路面を転動すると、トレッド部表面には、ショルダー側に径差に伴うブレーキング方向の剪断力が作用する。さらに、摩耗初期に摩耗核が発生したところでは、ブレーキング方向の剪断力が増加していくため、自励摩耗により摩耗が進展し易くなる。
また、空気入りタイヤは、偏平率が小さくなるにしたがってトレッド部のショルダー側の偏摩耗が悪化することが発明者らの種々の実験検討により明らかになった。この偏摩耗の悪化は、以下のようなメカニズムによって生じることと考えられる。
先ず、偏平率が小さくなることで、タイヤ側部の径方向長さ(タイヤ断面高さ)が短くなり、タイヤ側部の剛性がトレッド部の剛性対比で相対的に高くなることで、タイヤ回転軸直下において、タイヤ側部の変形が小さくなる代わりに、ベルトの周方向面外変形が大きくなる。
先ず、偏平率が小さくなることで、タイヤ側部の径方向長さ(タイヤ断面高さ)が短くなり、タイヤ側部の剛性がトレッド部の剛性対比で相対的に高くなることで、タイヤ回転軸直下において、タイヤ側部の変形が小さくなる代わりに、ベルトの周方向面外変形が大きくなる。
トレッド部のショルダー側が路面に接地し、ベルトのタイヤ周方向の面外曲げ変形が大きくなると、ベルトはタイヤ径方向外側部分が周方向の圧縮を受けて周方向圧縮歪みが増加する。トレッド部が路面から離間する部分、即ち、トレッド部の蹴り出し側では、周方向に圧縮を受けていたベルトのタイヤ径方向外側部分が伸張し、これに伴い、ベルトのタイヤ径方向外側のトレッド部がタイヤ周方向に伸張して接地面が路面に対して引き摺りを起し、摩耗が悪化する。
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、ベルト22が、タイヤ周方向に対する角度が5°以下に設定されたコードを含む周方向ベルトプライ18と、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定されたコードを含む第2傾斜ベルトプライ20を備えているので、ベルト22のタイヤ周方向の面外曲げ剛性が高められている。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、ベルト22が、タイヤ周方向に対する角度が5°以下に設定されたコードを含む周方向ベルトプライ18と、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定されたコードを含む第2傾斜ベルトプライ20を備えているので、ベルト22のタイヤ周方向の面外曲げ剛性が高められている。
そして、第2傾斜ベルトプライ20を周方向ベルトプライ18よりも幅広とし、第2傾斜ベルトプライ20の幅W3をトレッド部24の接地幅TWに対して80%以上に設定しているので、第2傾斜ベルトプライ20によるタイヤ周方向の面外曲げ剛性を高める効果をトレッド部24の接地端24E付近(ショルダー27付近)まで及ぼすことができる。
これにより、ベルト22のタイヤ径方向外側部分の周方向の圧縮歪みが抑制されてトレッド部24の蹴り出し側の路面に対する引き摺りを抑制することができ、空気入りタイヤ10の低偏平化に伴うトレッド部24のショルダー側の偏摩耗を抑制することができる。
なお、周方向ベルトプライ18のタイヤ径方向外側には、周方向ベルトプライ18よりもタイヤ周方向の面外曲げ剛性が低く設定された第2傾斜ベルトプライ20が周方向ベルトプライ18の幅方向両端部よりもタイヤ幅方向外側へ延ばされているので、周方向ベルトプライ18のタイヤ幅方向外端から接地端24Eに向けて剛性が緩やかに変化しており、剛性の急激な変化に伴う偏摩耗性の低下が抑制されている。
また、周方向ベルトプライ18のタイヤ径方向外側に第2傾斜ベルトプライ20が配置されているため、路面からの入力、またはトレッド部24を貫通する異物等による周方向ベルトプライ18のコードの損傷を抑制することができ、周方向ベルトプライ18の耐久性を向上することができる。
第1傾斜ベルトプライ16の幅W1を周方向ベルトプライ18の幅W2よりも狭く設定することで、第1傾斜ベルトプライ16と第2傾斜ベルトプライ20とで構成される交錯ベルト部分の幅が周方向ベルトプライ18の幅よりも狭くなる。したがって、周方向ベルトプライ18は、交錯ベルト部分からの張力の負担が少なくなり、耐久性を向上することができる。
さらに、本実施形態の空気入りタイヤ10では、タイヤ周方向に対する角度が45°以上60°以下に設定された複数のコードを含んで構成された第1傾斜ベルトプライ16をベルト22の内で最もカーカス14に近い1層目に配置しているので、トレッド部24の突起物の包み込み性能を向上させることができ、空気入りタイヤ10のプランジャー耐久性を確保することができる。
第1傾斜ベルトプライ16の幅W1がトレッド部24の接地幅TWの40%未満になるとトレッド部24のショルダー側でプランジャー耐久性を確保できない。
一方、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1がトレッド部24の接地幅TWの85%を超えるとその結果、周方向ベルトプライ18を幅広にせざるを得ず、周方向ベルトプライ18の幅方向端部が接地端24Eに近付き過ぎてしまう。
一方、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1がトレッド部24の接地幅TWの85%を超えるとその結果、周方向ベルトプライ18を幅広にせざるを得ず、周方向ベルトプライ18の幅方向端部が接地端24Eに近付き過ぎてしまう。
第1傾斜ベルトプライ16の幅W1が、周方向ベルトプライ18の幅W2の60%未満になると、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1が狭くなり過ぎトレッド部24のショルダー側でプランジャー耐久性を確保できない。
一方、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1が、周方向ベルトプライ18の幅W2の95%を超えると、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1が広くなり過ぎてしまい、ベルト耐久性が低下してしまう。
一方、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1が、周方向ベルトプライ18の幅W2の95%を超えると、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1が広くなり過ぎてしまい、ベルト耐久性が低下してしまう。
第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度が45°未満になると、第1傾斜ベルトプライ16のタイヤ周方向の剛性が高くなって突起物の包み込み性能が低下してプランジャー耐久性が確保できなくなる虞がある。
一方、第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度が70°を超えると、カーカスプライのコードと同方向の成分が強くなり、第2傾斜ベルトプライ20のコードと交錯(交錯角度が90°に近づく)して突起物の包み込み性能が低下してしまう。
一方、第1傾斜ベルトプライ16のコードのタイヤ周方向に対する角度が70°を超えると、カーカスプライのコードと同方向の成分が強くなり、第2傾斜ベルトプライ20のコードと交錯(交錯角度が90°に近づく)して突起物の包み込み性能が低下してしまう。
周方向ベルトプライ18の幅W2が、接地幅TWの50%未満になると、内圧保持性が低下し、内圧成長量、走行成長量が大きくなり、グルーブクラックの増大、ベルト耐久性の低下に至る。また、周方向ベルトプライ18の幅W2が、接地幅TWの85%を超えると、周方向ベルトプライ18の幅方向端部がトレッド部24の接地端24Eに近付き過ぎ、周方向ベルトプライ18の幅方向端部と第2傾斜ベルトプライ20の幅方向端部とが揃ってしまう虞が高く、幅方向での剛性段差が大きくなるため、周方向ベルトプライ18の幅方向端部、及び第2傾斜ベルトプライ20の幅方向端部からセパレーション、その他の故障が発生し易くなる。
周方向ベルトプライ18のタイヤ周方向に対する角度が5°を超えると、ベルト22のタイヤ周方向の面外曲げ剛性を向上することが出来なくなる。
第2傾斜ベルトプライ20の幅W3が周方向ベルトプライ18の幅W2の105%未満になると、第2傾斜ベルトプライ20の幅が狭くなり過ぎ、十分な面外曲げ剛性を確保できず、トレッド端部の偏摩耗が増大してしまう。
なお、第2傾斜ベルトプライ20の幅W3の上限は、実用的には周方向ベルトプライ18の幅W2の160%である。
なお、第2傾斜ベルトプライ20の幅W3の上限は、実用的には周方向ベルトプライ18の幅W2の160%である。
第2傾斜ベルトプライ20のコードのタイヤ周方向に対する角度が5°以下になると、トレッド端部に向けて緩やかに周方向の面外曲げ剛性を低下することができず、曲げ剛性に段差が生じてしまう。その結果トレッド端部の偏摩耗が増大してしまう。
一方、第2傾斜ベルトプライ20のコードのタイヤ周方向に対する角度が30°を超えると、第2傾斜ベルトプライ20のタイヤ周方向の面外曲げ剛性が不足し、第2傾斜ベルトプライ20によって接地端24E付近のタイヤ周方向の面外曲げ剛性を向上させる効果が望めなくなる。
一方、第2傾斜ベルトプライ20のコードのタイヤ周方向に対する角度が30°を超えると、第2傾斜ベルトプライ20のタイヤ周方向の面外曲げ剛性が不足し、第2傾斜ベルトプライ20によって接地端24E付近のタイヤ周方向の面外曲げ剛性を向上させる効果が望めなくなる。
[第2の実施形態]
図2にしたがって、本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤ10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10では、第2傾斜ベルトプライ20のタイヤ径方向外側に第3傾斜ベルトプライ28が配置されている。
図2にしたがって、本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤ10を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10では、第2傾斜ベルトプライ20のタイヤ径方向外側に第3傾斜ベルトプライ28が配置されている。
第3傾斜ベルトプライ28は、互いに平行に並べられた複数本のコードをゴム被覆したものである。第3傾斜ベルトプライ28のコードは、タイヤ周方向に対して5°よりも大きく30°以下の角度で傾斜しており、タイヤ周方向に対して、第2傾斜ベルトプライ20のコードとは反対方向に傾斜している。これにより、第3傾斜ベルトプライ28と第2傾斜ベルトプライ20とで交錯ベルト層が形成されている。第3傾斜ベルトプライ28のコードとしては、スチールコード、有機繊維コード等を用いることが出来る。
本実施形態の第3傾斜ベルトプライ28の幅W4は、第1傾斜ベルトプライ16の幅W1よりも広く、周方向ベルトプライ18の幅W2よりも狭く設定されており、第3傾斜ベルトプライ28のタイヤ幅方向の端部と、他のプライの幅方向端部とをタイヤ幅方向に離間させて重ならないようにしている。
なお、第3傾斜ベルトプライ28の幅W4は、トレッド部24の接地幅TWの20〜70%の範囲内に設定することが好ましい。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、第2傾斜ベルトプライ20のタイヤ径方向外側に、第2傾斜ベルトプライ20のコードとタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜し、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく30°以下に設定された複数のコードを含んで構成された第3傾斜ベルトプライ28を配置したので、第2傾斜ベルトプライ20と第3傾斜ベルトプライ28とでベルト交錯層が形成され、ベルト22の面内剪断剛性を向上することができる。
これにより、トレッド部24の中央側とショルダー側との径差を低減することができ、トレッド部24のショルダー側の偏摩耗をより抑制することができ、また、ベルト22の面内剪断剛性向上によりコーナリングパワーを向上させることができ、これによって操縦安定性を向上することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
周方向ベルトプライ18のコードのピッチは、タイヤ幅方向に一定であっても良く、タイヤ幅方向に変化させても良い。例えば、周方向ベルトプライ18のコードの幅方向両側のピッチを幅方向中央側のピッチよりも狭く設定し、幅方向両側のタイヤ周方向の面外曲げ剛性を高める構成としても良い。ベルト22のショルダー側のタイヤ周方向の面外曲げ剛性を高めることができ、ショルダー側の偏摩耗の抑制効果を向上することも可能となる。
(試験例1)
図3のグラフは、偏平率と、トレッド部のトレッド端付近の周方向剪断力との関係を示したものであり、偏平率が小さくなるほど周方向剪断力がブレーキング方向(回転が遅くなる方向)に大きくなっていることが分かる。
図3のグラフは、偏平率と、トレッド部のトレッド端付近の周方向剪断力との関係を示したものであり、偏平率が小さくなるほど周方向剪断力がブレーキング方向(回転が遅くなる方向)に大きくなっていることが分かる。
試験方法:特開平7−63658号公報に記載のタイヤ踏面の接地部測定装置を用いて計測。
周方向剪断力がブレーキング方向に大きくなると、トレッド部の路面に対する引き摺りが大きくなり、偏摩耗を悪化させる。したがって、試験結果を示すグラフから、本発明は、偏平率が低いほど、例えば、偏平率が65%以下になるほど、トレッド部のショルダー側の偏摩耗抑制に対して高い効果が得られることが分かる。
(試験例2)
周方向ベルトプライの幅W2に対する第2傾斜ベルトプライの幅W3の比率を変えた試験用の供試タイヤを複数試作し、プランジャー耐久性、ベルト層端部耐久性、及びショルダー側偏摩耗性の比較を行った。
周方向ベルトプライの幅W2に対する第2傾斜ベルトプライの幅W3の比率を変えた試験用の供試タイヤを複数試作し、プランジャー耐久性、ベルト層端部耐久性、及びショルダー側偏摩耗性の比較を行った。
供試タイヤは、周方向ベルトプライの幅W2を152mm(周方向ベルトプライの幅W2の好ましい範囲の下限値)としたタイヤ1〜4と、周方向ベルトプライの幅W2を260mm(周方向ベルトプライの幅W2の好ましい範囲の上限値)としたタイヤ5〜8を試作し、各供試タイヤにおいて第2傾斜ベルトプライの幅W3を変更した。なお、その他の構成は前述した実施形態と同様である。
タイヤサイズ:355/50R22.5
トレッド部の接地幅TW:305mm
リムサイズ:11.75inch
内圧:900kpa
荷重4000kg
トレッド部の接地幅TW:305mm
リムサイズ:11.75inch
内圧:900kpa
荷重4000kg
<プランジャー耐久性試験>
JIS D 4230で規定する破壊エネルギー試験に基づき、トレッド部にプランジャーを押し付けて、タイヤが破壊される直前のプランジャーの押し込み力と移動距離を調べ、両者の積をとり、タイヤ2における試験結果を100として指数化して相対評価した。評価結果を表1に示す。なお、数値が大きい程プランジャー耐久性に優れる。
JIS D 4230で規定する破壊エネルギー試験に基づき、トレッド部にプランジャーを押し付けて、タイヤが破壊される直前のプランジャーの押し込み力と移動距離を調べ、両者の積をとり、タイヤ2における試験結果を100として指数化して相対評価した。評価結果を表1に示す。なお、数値が大きい程プランジャー耐久性に優れる。
<ベルト層端部耐久性試験>
供試タイヤをアウトサイドドラム型試験機に装着して、20000km走行した後、トレッド部を分解してベルト端付近に発生している亀裂の長さを測定し、該長さの逆数をそれぞれの供試タイヤで比較することにより、ベルト層端部耐久性を評価した。タイヤ2の試験結果を100とした際の評価結果を表1に示す。なお、数値が大きい程ベルト層端部耐久性に優れる。
供試タイヤをアウトサイドドラム型試験機に装着して、20000km走行した後、トレッド部を分解してベルト端付近に発生している亀裂の長さを測定し、該長さの逆数をそれぞれの供試タイヤで比較することにより、ベルト層端部耐久性を評価した。タイヤ2の試験結果を100とした際の評価結果を表1に示す。なお、数値が大きい程ベルト層端部耐久性に優れる。
<ショルダー側偏摩耗性試験>
供試タイヤを車両のステアリング軸に装着し、該車両を実際の公道で10万km走行させた後、トレッド端部の摩耗量(タイヤ径方向高さの変化量、以下同じ)とセンターブロックの摩耗量(ショルダー主溝の深さの変化量)をそれぞれ測定し、両摩耗量の差の逆数をそれぞれの供試タイヤで比較することにより、耐ショルダーエッジ摩耗性を評価した。タイヤ2,5の試験結果を100とした差異の評価結果を表1,2に示す。なお、数値が大きい程、耐ショルダーエッジ摩耗性に優れる。
試験結果から、周方向ベルトプライの幅W2よりも第2傾斜ベルトプライの幅W3を大きくすることで、ベルト層端部耐久性を向上させることができ、また、トレッド部のショルダー側の偏摩耗を抑制できることが分かる。
供試タイヤを車両のステアリング軸に装着し、該車両を実際の公道で10万km走行させた後、トレッド端部の摩耗量(タイヤ径方向高さの変化量、以下同じ)とセンターブロックの摩耗量(ショルダー主溝の深さの変化量)をそれぞれ測定し、両摩耗量の差の逆数をそれぞれの供試タイヤで比較することにより、耐ショルダーエッジ摩耗性を評価した。タイヤ2,5の試験結果を100とした差異の評価結果を表1,2に示す。なお、数値が大きい程、耐ショルダーエッジ摩耗性に優れる。
10・・・空気入りタイヤ、12・・・ビード部、14・・・カーカス、16・・・第1傾斜ベルトプライ、18・・・周方向ベルトプライ、20・・・第2傾斜ベルトプライ、22・・・ベルト、24・・・トレッド部、28・・・第3傾斜ベルトプライ
Claims (4)
- 一方のビード部から他方のビード部に跨るカーカスと、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に設けられ、路面に接地するトレッド部と、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対する角度が45°以上に設定された複数本のコードを含む第1傾斜ベルトプライ、前記第1傾斜ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置され、螺旋状に巻回されてタイヤ周方向に対する角度が5°以下に設定されたコードを含み、前記第1傾斜ベルトプライよりも幅広に形成された周方向ベルトプライ、及び前記周方向ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定された複数本のコードを含み、幅が前記周方向ベルトプライよりも広く、かつトレッド部の接地幅に対して80%以上に設定された第2傾斜ベルトプライ、を備えたベルトと、
を有する空気入りタイヤ。 - 前記第1傾斜ベルトプライのコードと前記第2傾斜ベルトプライのコードとは、タイヤ周方向に対して反対方向に傾斜している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第2傾斜ベルトプライのタイヤ径方向外側に配置され、前記第2傾斜ベルトプライのコードとタイヤ周方向に対して反対方向に傾斜し、タイヤ周方向に対する角度が5°よりも大きく、30°以下に設定された複数のコードを含む第3傾斜ベルトプライを有する、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記周方向ベルトプライの前記コードは、破断時の伸度が4.5〜5.5%の伸長性を有する伸張性コードである、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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- 2014-04-25 JP JP2014091694A patent/JP2015209118A/ja active Pending
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- 2015-04-15 WO PCT/JP2015/061596 patent/WO2015163213A1/ja active Application Filing
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