JP2009255615A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りタイヤの優れたベルトの耐久性を維持した上で、小突起乗り越し性能の一層の改善を図る。
【解決手段】一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤであって、
1.上記傾斜ベルト層の少なくとも1層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くする、
2.周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、該幅方向端部域に配置されたコードの弾性率を該幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低くする、
3.上記周方向ベルト層を上記傾斜ベルト層の径方向外側に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、重荷重用空気入りタイヤの用途に供して好適な空気入りタイヤに関し、特に、その耐久性の向上と共に小突起乗り越し性能の低下の抑制を図ろうとするものである。
近年、車両の高速化や低床化の要求により、装着タイヤはより扁平化され、これに伴って標準内圧付与時のトレッド部の径方向成長量は一層増大してゆく傾向にある。このトレッド部における径方向成長量の増加は、ベルト端部での応力集中を増幅して当該部分での耐久性の低下を招くため、特にベルトエンドセパレーションを早期に発生させる要因となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術について、特許文献1には、カーカスの周りにタイヤ赤道に対し、10〜40゜の傾斜角にて互いにタイヤ赤道を挟み交差する多数のコード又はフィラメントを補強要素とする、少なくとも2層の傾斜ベルトを有し、さらに傾斜ベルトの下に位置する、少なくとも1層よりなり、波形もしくはジグザグ形をなす多数のコード又はフィラメントの補強要素を全体としてタイヤ赤道に沿う配向としたストリップによる周方向ベルト層を有する構造が開示されている。
特開平2−208101号公報
しかし、更に扁平比が小さくなった場合、具体的には、タイヤの断面幅に対する断面高さの比である扁平比が0.70以下の場合には、周方向ベルト層の幅を更に広げないと、所期した径成長の抑制が困難となる。ところが、周方向ベルト層幅を広げることは、以下の新たな問題をまねくことになる。
すなわち、周方向ベルト層幅を広げると、タイヤ走行に伴い、接地領域において周方向ベルト層の幅方向端部が周方向に曲げ変形してベルト層が周方向に伸びる結果生じる、引張入力(以下、引張振幅入力)が繰り返し強く作用することになり、その結果、周方向ベルト層の幅方向端部において、コードが疲労破断し易くなる。
このように、周方向ベルト層を広くした場合、最も問題となるのが、周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの疲労破断である。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張振幅入力が作用するためであり、引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
上記の問題を解決するものとして、出願人会社は先に、「周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、さらに、周方向ベルト層において、その幅方向端部側に配置されたコードの弾性率が当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低いことを特徴とする空気入りタイヤ」を開発し、特願2006−349481号明細書において開示した。
この技術は、周方向ベルト層に埋設したコードの幅方向の弾性率を調整することによって、コードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性の向上を図ろうとするものである。
本発明は、上記した特願2006−349481号明細書に開示の空気入りタイヤの改良に係るもので、優れたベルトの耐久性を維持した上で、小突起乗り越し性能の一層の改善を目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、傾斜ベルト層と周方向ベルト層の配置を改善することが、所期した目的の達成に極めて有効であることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
1.一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した少なくとも2層の傾斜ベルト層とを配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤであって、
(1)上記傾斜ベルト層の少なくとも1層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くする、
(2)周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、該幅方向端部域に配置されたコードの弾性率を該幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低くする、
(3)上記周方向ベルト層を上記傾斜ベルト層の径方向外側に配置する
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
2.上記周方向ベルト層の幅は、タイヤの総幅の60%以上90%以下であることを特徴とする上記1に記載の空気入りタイヤ。
3.上記幅方向端部域に配置された低弾性率のコードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、前記幅方向中央域に配置された高弾性率のコードは、非伸張性の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものであることを特徴とする上記1または2に記載の空気入りタイヤ。
4.上記幅方向端部域に配置された低弾性率のコードが有機繊維コードであり、前記幅方向中央域に配置された高弾性率のコードが金属コードであることを特徴とする上記1ないし3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
5.上記幅方向端部域に配置された低弾性率のコードおよび前記幅方向中央域に配置された高弾性率のコードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする上記1ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
6.上記周方向ベルト層のコードの弾性率が低い幅方向端部域の幅が周方向ベルト層の全幅の5〜20%であることを特徴とする上記1ないし5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
7.上記周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したゴム被覆材を前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回してなることを特徴とする上記1ないし6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、ベルトの耐久性の向上は勿論のこと、周方向ベルト層および傾斜ベルト層の配置を改善することによって、小突起乗り越し性能の一層の改善を図ることができる。
以下に、本発明を具体的に説明する。
本発明は、一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した少なくとも2層の傾斜ベルト層とを配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤを基本とする。
以下、上記したタイヤの基本構造を踏まえて本発明の特徴的構成につき、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に従う空気入りタイヤの幅方向断面である。符号1はカーカスであり、カーカス1は、一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨っており、図示例では、カーカス1のクラウン部を示す。2aおよび2bは周方向ベルト層であり、周方向ベルト層2aおよび2bは、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴム被覆してなり、少なくとも1層、図示例では2層を示す。3aおよび3bは傾斜ベルト層であり、傾斜ベルト層3aおよび3bは、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴム被覆してなり、少なくとも2層、図示例では2層を示す。なお、本発明では、傾斜ベルト層3aおよび3bを層間でコード相互が交差する向きに配置する。4は周方向ベルト層2a、2bおよび傾斜ベルト層3a、3bからなるベルト、5はベルト4の径方向外側に配置したトレッドを示す。
さて、本発明では、図1(a)に示したように、傾斜ベルト層の少なくとも1層(図示例では傾斜ベルト層3a)の幅(BW3a)を周方向ベルト層(2a,2b)の幅(BW)よりも広い構成とする。というのは、上記の構成とすることにより、特願2006−349481号明細書にも記載したとおりタイヤの耐摩耗性およびコーナーリング性能に必要なトレッド部の面内剪断剛性が向上するからである。
なお、残る傾斜ベルト層(3b)の幅(BW3b)も、周方向ベルト層(2a、2b)の幅(BW)よりも広くすることが、トレッド部の面内剪断剛性およびタイヤの耐摩耗性を向上させる上で好ましい。図示したように、傾斜ベルト層3aの幅と同3bの幅を異なる幅に設定することにより、急激な剛性変化が避けられ、ベルト層端部での耐セパレーション性が確保できるからである。
次に、本発明では、周方向ベルト層を幅方向中央域と幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、幅方向端部域に配置されたコードの弾性率を幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低い構成とする。
すなわち、図1(b)に示したように、幅方向端部域2E,2Eに配置したコードの弾性率を幅方向中央域2Cに配置したコードの弾性率より低くすることによって、内圧充填時の径方向成長量の増加が同じになるため、タイヤの接地面における、周方向ベルト層の幅方向端部域の応力振幅を効果的に抑制することができる。その結果、コードの疲労破断を抑制することができる。
なお、周方向ベルト層の幅方向端部域に配置されたコードの弾性率は、幅方向中央域側に配置されたコードの弾性率に対して、0.3〜0.8倍であることが、上記引張応力の振幅抑制に有効である。
さらに本発明では、周方向ベルト層を、上記傾斜ベルト層の径方向外側に配置した構成とする。
すなわち、図1(a)に示したように、周方向ベルト層2a,2bを、傾斜ベルト層3a,3bの径方向外側に配置することによって、タイヤが、小さな突起を乗り越してベルト層に曲げ変形が生じた際、幅方向張力負担の大きいカーカス近傍に幅方向張力を分担できる、傾斜ベルト層が配置されるため、小突起乗り越し性能の低下を抑制することができる。
これに対し、傾斜ベルト層の少なくとも1層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くすることおよび周方向ベルト層の幅方向端部域に配置されたコードの弾性率を幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低くすることの要件は満足していても、周方向ベルト層を傾斜ベルト層の径方向外側に配置する要件を満足していない場合には、十分な効果は得られない。
一方、図2に示すように、傾斜ベルト層3a,3bの径方向内側に周方向ベルト層2a,2bを配置する構成とした場合、カーカス近傍に幅方向張力を負担することのできる部材が、配置されておらず、タイヤが径方向内側へ大きく撓むため、小突起乗り越し性能が低下する。
ここで、例えば、走行中のタイヤが鋭利な突起を踏み付けた際、その突起がタイヤ内部に貫通して、タイヤ内の充填気体が洩れるおそれがあり、かような充填気体の洩れ対する耐久性、いわゆる小突起乗り越し性能の低下を抑制することが、特に工業製品において推奨される。
次に、本発明では、周方向ベルト層の幅は、タイヤの総幅TWの60%以上、好ましくは、70%以上に設定することがより望ましい。というのは、径成長の大きい領域は、タイヤ総幅の60%〜70%の領域であることから、その領域には、径成長を抑制する周方向ベルト層を配置することが有利だからである。周方向ベルト層の幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
なお、傾斜ベルト層の幅はタイヤの総幅の65%以上であることが好ましい。というのは、耐摩耗性を向上させるには、タイヤ総幅の65%以上の範囲で傾斜ベルト層3aのコードと同3bのコードとを交差させることが有利だからである。ここに、傾斜ベルト層の幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
また、傾斜ベルト層のコードは、タイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、耐摩耗性と耐久性を両立することが可能となる。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ走行中の接地領域において、傾斜ベルトの周方向変形が大きくなり、これにより、ゴムが破壊されてタイヤの耐久性が低下するおそれがあるからである。
さらに、幅方向端部域に配置する低弾性率のコードとしては、初期伸びを有する伸長性の金属コードであり、幅方向中央域に配置する高弾性率のコードとしては、非伸長性の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものが好ましい。
低弾性率のコードとしては、金属製の弾性コードが好ましい。例えば、4×0.28mm+6×0.25mmの複撚り構造を有するハイエロンゲーションコードが好適である。
一方、高弾性率コードとしては、金属製の非伸張性コードが好ましい。例えば、(3+9+15)×0.23mmの層撚り構造を有するコードが好適である。さらに、非伸長性の金属コードを波状もしくはジグザグ状に型付けを施したもの、いわゆる波形コード(図1(b)における周方向ベルト層の構造を参照)を用いるようにしてもよい。
また、幅方向端部域に有機繊維コード、一方、幅方向中央域に金属製コードを配置する組み合わせとすることもできる。
本発明においては、幅方向端部域に配置する低弾性率のコードおよび幅方向中央域に配置する高弾性率のコードの引張り歪み1.8%における、弾性率を、それぞれ40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にすることが好ましい。
ここで、弾性率について、引張り歪み1.8%における値を基準とした理由は、接地面内におけるコードの引張歪はおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているからである。
ここに、コードの弾性率は、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除することにより求めることができる。
低弾性率のコードの弾性率が40GPaより低い場合、内圧充填による径成長を抑制できないおそれがあり、一方、100GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断し、タイヤ内圧を保持することが難しくなるおそれがある。
また、高弾性率のコードの弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長を抑制できないおそれがあり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなるおそれがある。
また、周方向ベルト層のコードの弾性率が低い幅方向端部域の幅は、周方向ベルト層の全幅の5〜20%とすることが好ましい。というのは、全幅の5%未満では、周方向ベルト層への応力振幅の大きい領域に弾性率の高いコードが存在してしまうために未だ破断するおそれがあり、一方、全幅の20%を超えると、径成長の増大を抑制するのが難しくなるからである。
さらに、周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したゴム被覆材をカーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して形成することが好ましい。というのは、タイヤの製造過程の周方向ベルト層を製造するに当たり、タイヤの製造時間を短縮することができ、結果的にコストを抑制することができるからである。
表1および表2に示す仕様の下、図1(a)に示したベルト構造を有するサイズ495/45R22.5のトラック及びバス用タイヤを試作した。得られた各試作タイヤについて、耐久性、耐摩耗性、小突起乗り越し性能を調査した。
いずれの試作タイヤも2層の傾斜ベルト層を有している。発明例1〜4と比較例1〜5は、周方向ベルト層として、幅方向端部域に低弾性率コードを、一方、幅方向中央域に高弾性率コードを配置したものである。従来例は、周方向ベルト層として、高弾性率コードを全幅にわたって配置したものである。
各性能は次のようにして評価した。
(1)耐久性
これら試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、荷重:5800kgおよびドラム回転速度:60.0km/hの条件にてドラム走行を30000kmの距離で実施し、その後、タイヤを解剖して周方向ベルト層におけるコードの疲労破断本数を確認することによって疲労強度を測定した。疲労強度は、従来例のタイヤの強度を100として指数で表し、数値が大きいほど疲労強度が大きい、すなわち、耐久性に優れていることを示している。
(2)耐摩耗性
同時に、トレッド摩耗量を測定した。トレッド摩耗量は、従来例タイヤの摩耗量を100としてその逆数を指数で表し、数値が大きいほど摩耗量が少ない、すなわち、耐摩耗性が良好であることを示している。
(3)小突起乗り越し性能
試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、直径25mmの丸型突起物をトレッド部に1箇所、30kNの力で押し当て、丸型突起物の最大押込量を測定した。押込量は従来例のタイヤの押込量を100として指数で表し、数値が大きいほど押込量が少ない、すなわち、小突起乗り越し性能が良好であることを示している。
なお、コードの弾性率は、インストロン型引張試験機にてコードの引張試験を行い、そのときの引張歪1.8%でのコード弾性率で表示した。
傾斜ベルト層としては、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを、24.5本/50mm打ち込んだものを用いた。
また、周方向ベルト層の幅方向端部域に4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の波形の高伸長性コードを20本/50mm打ち込み、幅方向中央域には(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長性コードを22.5本/50mm打ち込んだものを用いた。
Figure 2009255615
Figure 2009255615
表1および表2に示したとおり、本発明に従い、傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、また、周方向ベルト層の幅方向端部域に低弾性コードを、一方、幅方向中央域には高弾性コードをそれぞれ適用し、さらに、周方向ベルト層を傾斜ベルト層間に配置することにより、耐久性が向上は勿論のこと、小突起乗り越し性能が維持されていることがわかる。
(a)は本発明に従うタイヤの幅方向断面を示す図であり、(b)、(c)はベルトの平面を展開した図を示す。 本発明と比較する空気入りタイヤの幅方向断面を示す図である。
符号の説明
1 カーカス
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E、2E 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6 低弾性率コード
7 高弾性率コード
CL タイヤ赤道

Claims (7)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した少なくとも2層の傾斜ベルト層とを配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置した空気入りタイヤであって、
    (1)上記傾斜ベルト層の少なくとも1層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くする、
    (2)周方向ベルト層を幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、該幅方向端部域に配置されたコードの弾性率を該幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低くする、
    (3)上記周方向ベルト層を上記傾斜ベルト層の径方向外側に配置する
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記周方向ベルト層の幅は、タイヤの総幅の60%以上90%以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記幅方向端部域に配置された低弾性率のコードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、前記幅方向中央域に配置された高弾性率のコードは、非伸張性の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記幅方向端部域に配置された低弾性率のコードが有機繊維コードであり、前記幅方向中央域に配置された高弾性率のコードが金属コードであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記幅方向端部域に配置された低弾性率のコードおよび前記幅方向中央域に配置された高弾性率のコードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記周方向ベルト層のコードの弾性率が低い幅方向端部域の幅が周方向ベルト層の全幅の5〜20%であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したゴム被覆材を前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回してなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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