JP2008132818A - 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの良否の判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤショルダー部の偏磨耗を防止することにより、タイヤショルダー部の耐摩耗性の向上を図ることができ、同時に、ベルトの耐久性の向上も図ることができる。
【解決手段】少なくとも1枚以上の金属からなる周方向ベルト8を有し、かつ、偏平率が60パーセント以下であって、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さLが、以下の式で表される条件を満たす。
(1−α)L≦L≦(1+α)L
【選択図】図1

Description

本発明は、車両などに装着されて用いられる空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの良否の判定方法に関する。
従来、空気入りのラジアルタイヤにおいて、プライコードは、タイヤを真横から車軸方向に見たときに放射状に配置されており、基本的に、車軸に平行なタイヤ径方向断面に沿って円弧状に配置される(例えば、特許文献1参照)。
このようにプライコードは、車軸に平行なタイヤ径方向断面に沿って滑らかな円弧状に配置されるのが理想であるが、図2に示すように、実際には、プライコード20が平面状に沿って滑らかな円弧状に配置されず、タイヤ径方向あるいはタイヤ周方向に波打った状態で配置される場合がある(図中Zで示す)。
この原因は種々考えられる。中でも、プライコード20はもともとフラットな状態で金型にセットされ、その後、ゴム材と一体的に所定のタイヤ形状となるように、外側の金型内周面に押し付けられながら3次元的に膨らまされて成形されるが、そのときの膨らみ代を正確に把握するのが難しく、プライコード20の余長分が波打ってしまう。また、プライコード20は、ゴム材と一体的に金型の内周面の所定箇所に順に接触しながら成形されるが、このとき、最終的に金型内周面に接触する部分のゴム材が、それまで金型の各内周面に接触した部分へのゴム材の位置ずれの総和の関係にあって、予め予定した箇所から最も大きな位置ずれを起こすおそれがあり、このときにゴム材から受ける圧力によって、プライコード20が波打つように配置されてしまうことが主要な原因と考えられる。
特開平5−246208号公報
このようにプライコード20が、平面状に沿って滑らかな円弧状に配置されず、タイヤ径方向あるいはタイヤ周方向に波打って配置される場合には、タイヤ内に空気を入れて実際に走行するときに、プライコード20がストレート状に延びようとする。ここで、プライコード20の外側に周方向に延びるスパイラル状の周方向ベルト21がある場合には、この周方向ベルト21によってプライコード20の外方への変形が抑えられるため、プライコード20は、周方向ベルト21が存しない箇所で外方へ膨らむように変形しようとする。このため、例えば、周方向ベルト21が存しないタイヤのショルダー部22では、プライコード20から外方へ膨らむような力を受けることとなり、結果的に、タイヤのショルダー部22の偏磨耗を来たして耐摩耗性が悪くなる、また、プライコード20の変形を抑えようとするベルトの耐久性が悪くなるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ショルダー部の偏磨耗を防止することにより、ショルダー部の耐摩耗性の向上を図ることができ、同時に、ベルトの耐久性の向上も図ることができる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの良否の判定方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の請求項1に係る空気入りタイヤは、少なくとも1枚以上の金属からなる周方向ベルトを有し、かつ、偏平率が60パーセント以下の空気入りタイヤであって、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さLが、
(1−α)L≦L≦(1+α)L
の式で表される条件を満たすことを特徴とする。
1つのタイヤであっても、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さは、場所が異なれば種々異なる。本発明の請求項1に係る空気入りタイヤでは、この異なるプライのペリフェリ長さを、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さを基準として、ある範囲内に収めているので、範囲外にある、プライのペリフェリ長さが所定値よりも短いタイヤあるいは逆にプライのペリフェリ長さが所定値よりも長いタイヤは除かれる。つまり、プライ内に含まれるプライコードが波打って配置されたりあるいはショートカット気味に配置されるタイヤは除かれることとなる。
このため、例えば、タイヤ内に予め波打った状態で配置されるプライコードが、タイヤ使用中に、徐々にストレート状に延びようとして、金属からなる周方向ベルトが存しないショルダー部を外方へ膨らませるような力を与えるといった事態が生じにくく、結果的に、タイヤのショルダー部の偏磨耗を来たすのを防止できる。また、前述したように、タイヤ内に予め波打った状態で配置されるプライコードが、タイヤ使用中に、徐々にストレート状に延びようとしてタイヤを外方へ膨らませるような力を与えるといった事態が生じにくいことから、プライコードからベルトに不要な力が作用せず、このため、ベルトの耐久性を向上させることができる。また、ショートカット気味に配置されたプライコードからベルトが内方へ剥離されるような力を受ける事態も生じにくく、この点からも、ベルトの耐久性を向上させることができる。
請求項2に係る空気入りタイヤは、前記周方向ベルトの幅が、前記プライの最大幅に対して0.3〜0.8の比率範囲に設定されていることを特徴とする。
このように周方向ベルト幅を規制したのは、周方向ベルトの幅がプライの最大幅に対して0.3より小さい比率であると、周方向ベルトがトレッド部の一部つまり中央部分のみを覆うこととなり、この場合、そもそもショルダー部の偏磨耗という問題が生じにくいからである。また、周方向ベルトの幅が、プライの最大幅に対して0.8より大きい比率であると、ショルダー部も周方向ベルトが覆うこととなり、この場合にも、ショルダー部の偏磨耗という問題が生じにくいからである。
請求項3に係る空気入りタイヤの良否の判定方法は、少なくとも1枚以上の金属からなる周方向ベルトを有し、かつ、偏平率が60パーセント以下の空気入りタイヤの良否の判定方法であって、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さLが、
(1−α)L≦L≦(1+α)L
の式で表される条件を満たすか否かで良否の判定を行うことを特徴とする。
このような判定方法であると、プライ内に含まれるプライコードが波打って配置されたりあるいはショートカット気味に配置されるタイヤを予め知ることができ、このため、タイヤの品質管理が容易になる。
本発明によれば、タイヤ内に予め波打った状態で配置されるプライコードが、タイヤ使用中に、徐々にストレート状に延びようとして、金属からなる周方向ベルトが存しないショルダー部を外方へ膨らませるような力を与えるといった事態が生じにくく、タイヤのショルダー部の偏磨耗を来たすのを防止することができる。また、前述したように、タイヤ内に予め波打った状態で配置されるプライコードが、タイヤ使用中に、徐々にストレート状に延びようとしてタイヤを外方へ膨らませるような力を与えるといった事態が生じにくいことから、プライコードからベルトへ不要な力を作用させることがなく、ベルトの耐久性を向上させることができる。
以下、この発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図1の図面を参照して説明する。
図1に示すように、空気入りタイヤ1(以下、「タイヤ1」と略称する)は、ビード部2に配置された1対のビードコア3,3と、1対のビードコア3,3にトロイド状に跨り、ビード部2、サイド部4、ショルダー部5、クラウン部6に亘って配置されたカーカスプライ7を備えている。このカーカスプライ7は、タイヤ1を真横から車軸方向に見たときに放射方向に延びるプライコード7aをゴム被覆して構成される。つまり、このタイヤ1は、ラジアルタイヤである。カーカスプライ7は、ビードコア3の回りをタイヤ幅方向内側から外側へ向けて折り返されて配置されている。
なお、この実施の形態では、放射方向に延びるプライコード7aを有するカーカスプライ7を1枚としたが、これに限られることなく、カーカスプライ7は、2枚以上であってもよい。
タイヤ1のクラウン部5において、カーカスプライ7のタイヤ径方向外側には、内側のスパイラル状の金属からなる周方向ベルト8、その外方の中間ベルト9、さらに外方の外側ベルト10がそれぞれ配設されている。スパイラル状の周方向ベルト8は、例えば、複数本並列に配置された金属製の補強コード8aを一体的にゴムで被覆してなるリボン状のコードストリップを、タイヤ赤道面となす角度が例えば5度以下になるように所定ピッチで、スパイラル状に巻き付けて構成される。また、中間ベルト9および外側ベルト10は、タイヤ赤道面に対して所定角度で配置される互いのベルトコード9a、10aが交錯さするように配置されている。
なお、この実施の形態では、周方向ベルト8は一枚だけであるが、これに限られることなく2枚以上あってもよい。
前記周方向ベルト8の幅Wは、カーカスプライ7の最大幅SWに対して0.3〜0.8の比率範囲に設定されている。
また、このタイヤ1は偏平率が60パーセントに設定されている。なお、偏平率は必ずしも60パーセントに設置される必要はなく、60パーセント以下であれば足りる。
また、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターAからビード部内側Bまでのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターからビート部内側までのカーカスプライ7のペリフェリ長さLが、以下の(1)式で表される条件を満たしている。
(1−α)L≦L≦(1+α)L (1)
つまり、タイヤセンターAからビート部内側Bまでのカーカスプライ7のペリフェリ長さLは、タイヤ周方向に沿って種々異なるが、いずれの場所のカーカスプライのペリフェリ長さLにおいても、上記(1)式で表される条件を満たすように設定されている。
なお、タイヤセンターAからビート部内側Bまでのカーカスプライ7のペリフェリ長さLは、タイヤセンターAからビート部内側Bに至る、カーカスプライ7内のプライコード7aの実際のペリフェリ長さとほぼ同じであり、ここでは、測定のしやすさから、あえてプライコード7aのペリフェリ長さではなく、カーカスプライ7のペリフェリ長さをとりあげている。
上記構成の空気入りタイヤの作用について説明する。
上記構成の空気入りタイヤ1にあっては、タイヤセンターAからビート部内側Bまでのカーカスプライ7のペリフェリ長さLが、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さLを基準として、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率αを考慮しつつ、ある範囲内に収めているので、範囲外にある、カーカスプライ7のペリフェリ長さが所定値よりも短いタイヤあるいは逆にカーカスプライ7のペリフェリ長さが所定値よりも長いタイヤは除かれる。つまり、カーカスプライ内に含まれるプライコードが許容限度以上波打って配置されたりあるいは許容限度以上ショートカット気味に配置されたりするタイヤは除かれることとなる。
このため、例えば、タイヤ1内に予め波打った状態で配置されるプライコード7aが、タイヤ使用中に、徐々にストレート状に延びようとして、周方向ベルトが存しないショルダー部5を外方へ膨らませるような力を与えるといった事態が生じにくい。このため、ショルダー部5近傍のベルト8,9,10に加わる張力を減じることができ、ショルダー部5の走行成長を抑制することができる。この結果、ショルダー部5の偏磨耗を来たすのを防止することができる。また、前述したように、タイヤ1内に予め波打った状態で配置されるプライコード7aが、タイヤ使用中に、徐々にストレート状に延びようとしてタイヤを外方へ膨らませるような力を与えるといった事態が生じにくいことから、プライコード7aからベルト8,9,10に不要な力が作用せず、もって、ベルト8,9,10の耐久性を向上させることができる。また、ショートカット気味に配置されたプライ内のプライコード7aによってベルト8,9,10が内方へ剥離されるような力を受ける事態も生じにくく、この点においても、ベルト8,9,10の耐久性を向上させることができる。
ちなみに、タイヤセンターAからビート部内側Bまでのカーカスプライ7のペリフェリ長さLが、以下の(1)式で表される条件を満たさないときには、カーカスプライ7内に含まれるプライコード7aが許容限度以上波打って配置されたりあるいは許容限度以上ショートカット気味に配置されたりすることとなる。この場合には、従来例で説明したように、タイヤ内に空気を入れて実際に走行するときに、許容限度以上波打って配置されたプライコード7aがストレート状に延びようとし、例えば、周方向ベルト8が存しないショルダー部5が、プライコード7aから外方へ膨らむような力を受けることとなり、結果的に、ショルダー部5の偏磨耗を来たして耐摩耗性が悪くなる、また、プライコードの変形を抑えようとするベルト8,9,10の耐久性が悪くなるという問題が生じてしまう。
また、上記空気入りタイヤ1では、偏平率が60パーセント以下と設定しているが、偏平率が60パーセントを超える場合には、タイヤの走行成長は、ショルダー部に限らずタイヤ径方向にも及ぶこととなり、ショルダー部5の偏磨耗という問題が生じにくい。このことは、逆に言うと、プライコード7aが波打って配置されることに起因するショルダー部5の偏磨耗の問題は、タイヤ偏平率が60パーセント以下になるときに、初めて顕著な問題になることを意味する。
また、上記空気入りタイヤ1では、周方向ベルト8の前記周方向ベルト8の幅Sは、カーカスプライ7の最大幅SWに対して0.3〜0.8の比率範囲に設定されている。これは、前記と同様の理由である。つまり、周方向ベルト8の幅Sがカーカスプライ7の最大幅SWに対して0.3より小さい比率であると、周方向ベルト8がトレッド部の一部つまり中央部分のみを覆うこととなり、この場合、そもそもショルダー部5の偏磨耗という問題が生じにくいからである。また、周方向ベルト8の幅が、カーカスプライの最大幅SWに対して0.8より大きい場合であると、ショルダー部5も周方向ベルト8が覆うこととなり、この場合にも、ショルダー部5の偏磨耗という問題が生じにくいからである。
また、上述に説明した条件をもとにタイヤの良否を判定することも可能である。
すなわち、少なくとも1枚以上の周方向ベルトを有し、かつ、偏平率が60パーセント以下の空気入りタイヤの良否の判定するにあたり、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターAからビード部内側Bまでのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターAからビート部内側Bまでのカーカスプライのペリフェリ長さLが、前記(1)式で表される条件を満たすか否かで判定することができる。
つまり、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さLが上記(1)式で表される条件を満たすタイヤは「良」、満たさないタイヤは「否」と判定することができる。
このような判定方法であると、カーカスプライ7内に含まれるプライコード7aが波打って配置されたりあるいはショートカット気味に配置されるタイヤを知ることができ、このため、タイヤの品質管理が容易になる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、金属からなる周方向ベルト8の外側に、中間ベルト9および外側ベルト10をそれぞれ配設しているが、これは必ずしも必要な部材ではなく、なくしても良く、逆に3枚以上配設してもよい。
本発明をトラック・バス用の高性能タイヤに適用した実施例について説明する。
タイヤサイズ315/60R22.5のものを用い、本発明に係る実施例1,2と比較
例1、2、3を用意し、これらを比べた。
なお、実施例1,2のタイヤおよび比較例1,2,3のタイヤとも、1枚の金属からなる周方向ベルトを有し、これらの周方向ベルトの幅を、カーカスプライの最大幅に対して0.3〜0.8の比率範囲内、具体的には0.5の比率に設定した。
また、実施例1,2のタイヤおよび比較例1、2、3のタイヤは、それぞれ自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さLが360mm、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率αが0.5%のものを用意した。また、タイヤセンターからビート部内側までのカーカスプライのペリフェリ長さLは、実施例1が360mm、実施例2が361mm、比較例1が365mm、比較例2が355mm、比較例3が358mmとなる部分について、ショルダー部の径成長と耐摩耗性についてそれぞれ調べた。
なお、ショルダー部の径成長と耐摩耗性は、比較例1をそれぞれ100とし、それに対してどのように変化するかについて調べた。表1はその結果を示す。
Figure 2008132818
ショルダー部の径成長は、ドラム試験機にて、100%荷重のもと、速度60km/hで5000kmを走行したときに、ショルダー部の径がどれだけ大きくなっているかを示し、数字が小さいほど径が変化せず、良好であることを示している。比較例1が100であるのに対し、比較例2,3はそれぞれ90、95、実施例1、2はそれぞれ95、96となっていて、いずれも比較例1に比べて良好になっていることがわかった。
これは、比較例2,3および実施例1,2のタイヤセンターからビート部内側までのカーカスプライのペリフェリ長さLが、362mm以下であって、この部分のプライコードは波打って配置されていないことが推定される一方、比較例1では、タイヤセンターからビート部内側までのカーカスプライのペリフェリ長さLが365mmと、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さLが360mmであるのに比べ、径成長率α(この場合;0.5)を加味した値(1+α)L=361.8(mm)以上に大きくなり、この部分のプライコードが波打って配置されていることが予測され、これに起因して、タイヤ走行試験のときに外方へ膨らむ力が与えられたことが原因であると推測される。
また、耐摩耗性は、上記所定の走行条件下での試験終了後、ショルダー部の磨耗がどの程度進んでいるかを示すもので、数字が大きいほど磨耗が進まず、良好であることを示している。
比較例1が100であるのに対し、比較例2は90であって比較例1よりも悪化し、また比較例3も98と比較例1よりも悪化しているのがわかった。また、実施例1,2はそれぞれ106、106で、比較例1に比べ良好であることがわかった。
これは、比較例2では、前述したように、タイヤセンターからビート部内側までのカーカスプライのペリフェリ長さLが355mmと、自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さLが360mmであるのに比べ、径成長率α(この場合;0.5)を加味した値(1−α)L=358.2(mm)より大きく下回っており、この部分のプライコードがショートサーキット気味に配置されていることが予測され、これに起因して、カーカスプライのプライコードによる内側からの良好な支持力が得られなくなっていることが原因であると推測される。
以上の結果から、実施例1,2は、タイヤセンターからビート部内側までのカーカスプライのペリフェリ長さLが上述した(1)式で表される条件を満たしており、その結果、ショルダー部の径成長および耐摩耗性いずれも、良好な値をしめすことが確認された。
本発明の実施形態の空気入りタイヤを示す一部を断面した斜視図である。 従来の空気入りタイヤを示す一部を断面した斜視図である。
符号の説明
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
2 ビード部
3 ビードコア
4 サイド部
5 ショルダー部
6 クラウン部
7 カーカス
8 プライコード
8 周方向ベルト
8a コード
9 中間ベルト
10 外側ベルト

Claims (3)

  1. 少なくとも1枚以上の金属からなる周方向ベルトを有し、かつ、偏平率が60パーセント以下の空気入りタイヤであって、
    自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さLが、以下の式で表される条件を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
    (1−α)L≦L≦(1+α)L
  2. 前記周方向ベルトの幅が、前記プライの最大幅に対して0.3〜0.8の比率範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 少なくとも1枚以上の金属からなる周方向ベルトを有し、かつ、偏平率が60パーセント以下の空気入りタイヤの良否の判定方法であって、
    自然平衡形状時のタイヤ内周面のセンターからビード部内側までのペリフェリ長さをL、正規内圧時のタイヤセンターの径成長率をαとしたとき、タイヤセンターからビート部内側までのプライのペリフェリ長さLが、以下の式で表される条件を満たすか否かで良否の判定を行うことを特徴とする空気入りタイヤの良否の判定方法。
    (1−α)L≦L≦(1+α)L
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