JP2015208770A - はんだ付け用フラックス組成物およびそれを用いた電子基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだ付け性に優れ、はんだ付け後にべたつきが十分に抑制され、かつ外観の見栄えが良いはんだ付け用フラックス組成物を提供すること。【解決手段】本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、(A)溶剤と、(B)ロジン系樹脂と、(C)活性剤とを含有し、前記(A)成分は、(A1)炭素数4〜8のジカルボン酸と炭素数1〜7のアルコールからなるジカルボン酸エステル、(A2)760mmHgにおける沸点が220℃以上のグリコール系溶剤、および(A3)760mmHgにおける沸点が145℃以下の炭化水素系溶剤を含有することを特徴とするものである。【選択図】なし

Description

本発明は、はんだ付け用フラックス組成物および電子基板に関する。
電子基板と電子部品とのはんだ付け方法としては、いわゆるリフローはんだ付け法の他に、電子基板に仮留めした電子部品を噴流する溶融はんだに接触させることによりはんだ付けする方法、いわゆるフローはんだ付け法も採用されている。このフローはんだ付け法では、噴流する溶融はんだに接触させる前に、例えば特許文献1に記載のようなフラックス組成物が用いられる。このフローはんだ付け法におけるフラックス組成物としては、はんだ付け性だけでなく、はんだ付け後にべたつきがないことや外観の見栄えが良いことが求められる。また、特にパレット治具(電子基板の一部が溶融はんだに接触しないようにマスクがされている治具)を用いる場合には、はんだ付け後のパレット治具のべたつきが問題となっている。
特開平8−243787号公報
特許文献1に記載のようなフラックス組成物では、組成物中のロジンの配合量が多いために、フラックス残さが多くなり、はんだ付け後のべたつきや外観が問題となりやすい。一方で、ロジン量を少なくすると、ブリッジやつららといった問題が発生してはんだ付け性が低下する傾向にある。さらに、このはんだ付け性を補うために、活性剤の配合量を多くすると、フラックス残さの絶縁信頼性が低下するといった問題もある。また、活性剤では、はんだ表面の再酸化を十分に抑制できないため、はんだ付け性の向上には限界がある。このように、はんだ付け性と、はんだ付け後のべたつきや外観とはトレードオフの関係にあり、従来はこれらを両立させることは困難であった。
そこで、本発明は、はんだ付け性に優れ、はんだ付け後にべたつきが十分に抑制され、かつ外観の見栄えが良いはんだ付け用フラックス組成物、およびそれを用いた電子基板を提供することを目的とする。
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなはんだ付け用フラックス組成物および電子基板を提供するものである。
すなわち、本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、(A)溶剤と、(B)ロジン系樹脂と、(C)活性剤とを含有し、前記(A)成分は、(A1)炭素数4〜8のジカルボン酸と炭素数1〜7のアルコールからなるジカルボン酸エステル、(A2)760mmHgにおける沸点が220℃以上のグリコール系溶剤、および(A3)760mmHgにおける沸点が145℃以下の炭化水素系溶剤を含有することを特徴とするものである。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、前記(A2)成分が、オキシプロピレン基およびフェノキシ基のうちの少なくともいずれかの基を有することが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、前記(A3)成分が、イソオクタンを主成分とすることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、前記(B)成分の配合量が、当該フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、当該フラックス組成物100質量%に対する、前記(A1)成分の配合量が、0.01質量%以上10質量%以下であり、前記(A2)成分の配合量が、0.1質量%以上12質量%以下であり、前記(A3)成分の配合量が、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、フローはんだ付けに用いられることが好ましい。
本発明の電子基板は、前記はんだ付け用フラックス組成物を用いて作製されることを特徴とするものである。
なお、本発明のはんだ付け用フラックス組成物が、はんだ付け性に優れ、はんだ付け後にべたつきが十分に抑制され、かつ外観の見栄えが良い理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
すなわち、本発明のはんだ付け用フラックス組成物においては、はんだ付け性を(A)成分中の(A1)成分および(A2)成分により補っている。そのため、フラックス組成物中のロジン量の配合量が少なくでき、はんだ付け後のべたつきを抑制できる。一方で、フラックス組成物中のロジン量の配合量が少なくなると、フラックス残さのばらつきが目立ち易くなる。これに対し、はんだ付け後の外観の見栄えについては、フラックス組成物のぬれ広がりや溶融はんだに接触した際の流動性の影響が大きいという知見を本発明者らは見出した。そして、本発明においては、比較的に表面張力が低い炭化水素系溶剤である(A3)成分を含有するため、フラックス組成物を塗布した際のぬれ広がりを向上できる。また、この(A3)成分は、比較的に低沸点であるため、溶融はんだに接触させる前には殆ど揮発してしまい、比較的に高沸点の(A1)成分および(A2)成分の影響が大きくなる。そして、溶融はんだに接触した際にも、高沸点の(A1)成分および(A2)成分によりフラックス組成物は流動性を発揮し、基板上の残さが少なくなるように流動する。また、フラックス組成物ははんだフィレットに追従するように流動するため、はんだ付け性を損なわない。このようにして、フラックス組成物中のロジン量の配合量を少なくしても、はんだ付け後の外観の見栄えを良好にできる。以上のようなメカニズムにより、本発明では、はんだ付け性に優れ、はんだ付け後にべたつきが十分に抑制され、かつ外観の見栄えが良いものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、はんだ付け性に優れ、はんだ付け後にべたつきが十分に抑制され、かつ外観の見栄えが良いはんだ付け用フラックス組成物、およびそれを用いた電子基板を提供できる。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、以下説明する(A)溶剤、(B)ロジン系樹脂および(C)活性剤を含有するものである。
[(A)成分]
本発明に用いる(A)溶媒は、以下説明する(A1)成分、(A2)成分および(A3)760mmHgにおける沸点が145℃以下の炭化水素系溶剤を含有するものである。
前記(A1)成分は、炭素数4〜8のジカルボン酸と炭素数1〜7のアルコールからなるジカルボン酸エステルであり、市販品を入手可能である。この(A1)成分の原料となるジカルボン酸およびアルコールの炭素数が前記範囲内であれば、はんだ付け性の向上に寄与できる。また、はんだ付け性の観点からは、ジカルボン酸の炭素数が4〜6であることが好ましく、アルコールの炭素数が1〜4であることが好ましい。
ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸などが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなどが挙げられる。
前記(A1)成分の配合量は、はんだ付け性や外観の見栄えなどのバランスの観点から、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A2)成分は、760mmHgにおける沸点が220℃以上のグリコール系溶剤であり、市販品を入手可能である。また、はんだ付け性の観点からは、(A2)成分の沸点が230℃以上であることが好ましく、240℃以上であることが好ましい。さらに、銅板腐食性の観点からは、(A2)成分が、オキシプロピレン基(−OC−)またはフェノキシ基(−OC)を有することが好ましい。
この(A2)成分としては、例えば、プロピレングリコール系溶剤(トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなど)、フェニルグリコール系溶剤(フェニルプロピレングリコール、フェニルグリコール、フェニルジグリコール、ベンジルグリコール、ベンジルジグリコールなど)、エチレングリコール系溶剤(トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなど)が挙げられる。これらの中でも、銅板腐食性や外観の見栄えの観点から、プロピレングリコール系溶剤、フェニルグリコール系溶剤が好ましく、プロピレングリコール系溶剤がより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A2)成分の配合量は、はんだ付け性やフラックス組成物の引火性などのバランスの観点から、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.1質量%以上12質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A3)成分は、760mmHgにおける沸点が145℃以下の炭化水素系溶剤であり、市販品を入手可能である。また、外観の見栄えの観点からは、(A3)成分の沸点が140℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。なお、炭化水素系溶剤の沸点は、上限値と下限値の幅が大きいが、(A3)成分については、沸点の上限値のことを沸点という。
この(A3)成分としては、イソオクタンを主成分とするイソパラフィンなどが挙げられる。なお、イソオクタンを主成分とするとは、(A3)成分中のイソオクタンの含有量が50質量%以上であることをいう。また、(A3)成分中のイソオクタンの含有量は、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
前記(A3)成分の配合量は、はんだ付け後のべたつきおよび外観の見栄えのバランスとの観点から、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上7質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A)成分は、前記(A1)成分〜前記(A3)成分の他に、(A4)その他の有機溶剤を含有していてもよい。
この(A4)成分としては、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、(A1)成分以外のエステル系溶剤、(A2)成分以外のグリコール系溶剤、(A3)成分以外の炭化水素系溶剤などが挙げられる。これらの中でも、アルコール系溶剤が好ましく、特に安全性の観点からは、エタノールがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)成分の合計配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、80質量%以上98質量%以下であることが好ましく、86質量%以上98質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上96質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記範囲内であれば、フラックス組成物の塗布性を適宜調整できる。
[(B)成分]
本発明に用いる(B)ロジン系樹脂としては、ロジン類およびロジン系変性樹脂が挙げられる。ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、水素添加ロジンおよびこれらの誘導体などが挙げられる。ロジン系変性樹脂としては、ディールス・アルダー反応の反応成分となり得る前記ロジン類の不飽和有機酸変性樹脂((メタ)アクリル酸などの脂肪族の不飽和一塩基酸、フマル酸、マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、桂皮酸などの芳香族環を有する不飽和カルボン酸等の変性樹脂)およびこれらの変性物などのアビエチン酸、並びに、これらの変性物を主成分とするものなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記(B)成分の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上5質量%以下であることが特に好ましい。(B)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ付け性が低下し、ブリッジやつららが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス残さが多くなり、べたつきが生じやすくなる傾向にある。
[(C)成分]
本発明に用いる(C)活性剤としては、有機酸、非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤、アミン系活性剤などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、はんだ付け性の観点から、有機酸と非解離型活性剤とを併用することがより好ましく、ジカルボン酸とハロゲン化アルコールとを併用することが更により好ましく、コハク酸、グルタル酸およびアジピン酸のうちのいずれか1つジカルボン酸と臭素化アルコールとを併用することが特に好ましい。
前記有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
前記非解離性のハロゲン化化合物からなる非解離型活性剤としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられる。このハロゲン化化合物としては、塩素化物、臭素化物、フッ化物のように塩素、臭素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよいが、塩素、臭素およびフッ素の任意の2つまたは全部のそれぞれの共有結合を有する化合物でもよい。これらの化合物は、水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールやハロゲン化カルボキシルのように水酸基やカルボキシル基などの極性基を有することが好ましい。ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、トランス−2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、トリブロモネオペンチルアルコールなどの臭素化アルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2−ブタノールなどの塩素化アルコール、3−フルオロカテコールなどのフッ素化アルコール、その他これらに類する化合物が挙げられる。ハロゲン化カルボキシルとしては、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、2−ヨードプロピオン酸、5−ヨードサリチル酸、5−ヨードアントラニル酸などのヨウ化カルボキシル、2−クロロ安息香酸、3−クロロプロピオン酸などの塩化カルボキシル、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸、2−ブロモ安息香酸などの臭素化カルボキシル、その他これらに類する化合物が挙げられる。
前記アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。具体的には、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩(塩酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、セバシン酸塩など)、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、これらのアミンの臭化水素酸塩などが挙げられる。
前記(C)成分の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上6質量%以下であることが特に好ましい。(C)成分の配合量が前記下限未満では、はんだ付け性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス組成物の絶縁性が低下する傾向にある。
本発明のフラックス組成物には、前記(A)成分〜前記(C)成分の他に、必要に応じて、チクソ剤、酸化防止剤、消泡剤、防錆剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤の配合量としては、前記フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
[電子基板]
次に、本発明の電子基板について説明する。本発明の電子基板は、以上説明したフラックス組成物を用いて、例えば電子部品をプリント配線基板などに実装することで作製できる電子基板である。なお、前記本発明のフラックス組成物は、フローはんだ付け用のフラックス組成物として好適なものであるので、ここでは、フローはんだ付けにより電子基板を作製する方法を例に挙げて説明する。
フローはんだ付けでは、電子基板に電子部品を仮留めした後に、フラックス組成物を塗布し、その後、はんだ付け装置により噴流する溶融はんだに接触させる。
フラックス組成物の塗布装置としては、スプレーフラクサー、発泡式フラクサーなどを採用できる。フラックス組成物の塗布量は、通常、50〜150mL/mであればよい。
フローはんだ付けの条件は、はんだの融点に応じて適宜設定すればよい。例えば、Sn−Au−Cu系のはんだ合金を用いる場合には、溶融はんだの温度は、230〜260℃に設定すればよい。また、プリヒートとしては、加熱温度90〜120℃に設定すればよい。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
((A1)成分)
ジカルボン酸エステルA:コハク酸ジイソプロピル
ジカルボン酸エステルB:コハク酸ジメチル
ジカルボン酸エステルC:コハク酸ジブチル
ジカルボン酸エステルD:アジピン酸ジブチル
((A2)成分)
グリコール系溶剤A:トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点:274℃)
グリコール系溶剤B:トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:242.4℃)
グリコール系溶剤C:フェニルプロピレングリコール(沸点:242.7℃)
グリコール系溶剤D:フェニルグリコール(沸点:244.7℃)
グリコール系溶剤E:トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:271.2℃)
グリコール系溶剤F:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:230.6℃)
((A3)成分)
炭化水素系溶剤A:イソパラフィン(沸点:96.5〜100℃、主成分:イソオクタン)
炭化水素系溶剤B:イソパラフィン(沸点:73〜140℃、主成分:イソオクタン)
((A4)成分)
アルコール系溶剤A:イソプロピルアルコール
アルコール系溶剤B:エチルアルコール
ジカルボン酸エステルE:アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)
ジカルボン酸エステルF:マロン酸ジブチル
炭化水素系溶剤C:ミネラルスピリット(沸点:150℃以上)
炭化水素系溶剤D:イソパラフィン(沸点:166〜202℃)
炭化水素系溶剤E:イソパラフィン(沸点:213〜262℃)
((B)成分)
ロジン系樹脂A:生ロジン、商品名「中国ロジンX」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂B:ガムロジン、商品名「USロジン」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂C:完全水添ロジン、商品名「フォーラルAX」、イーストマンケミカルジャパン社製
ロジン系樹脂D:超淡色ロジン、商品名「パインクリスタル KR−612」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂E:超淡色ロジン、商品名「パインクリスタル KR−614」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂F:不均化ロジン、商品名「ロンジスR」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂G:フェノール変性メチロールロジン、商品名「FG−90」、ハリマ化成社製
ロジン系樹脂H:フェノール変性ロジン
((C)成分)
活性剤A:コハク酸
活性剤B:アジピン酸
活性剤C:ジブロモブテンジオール
[実施例1]
ジカルボン酸エステルA0.3質量%、グリコール系溶剤A3質量%、炭化水素系溶剤A5質量%、ロジン系樹脂A3質量%、活性剤A2質量%、活性剤C0.7質量%およびアルコール系溶剤A86質量%を容器に投入し、混合してフラックス組成物を得た。
[実施例2〜31]
表1〜表3に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物を得た。
[比較例1〜11]
表4に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物を得た。
<フラックス組成物の評価>
フラックス組成物の特性(はんだ付け後の残さおよびべたつき、はんだブリッジ、はんだぬれ性、銅板腐食性)を以下のような方法で評価した。実施例について得られた結果を表1に示し、比較例について得られた結果を表2に示す。
(試験基板作製条件)
基板:FR−4(大きさ:150mm×100mm、厚み:1.6mm、はんだ付けポイント数:576箇所)
はんだの合金組成:Sn/0.3Ag/0.7Cu
はんだ付け装置:タムラ製作所社製の「HC33−36NF」
フラックス塗布装置:スプレーフラクサー(タムラ製作所社製の「TAF33−12PV」)
フラックス塗布量:80〜130mL/m
プリヒート温度:100℃
(1)はんだ付け後の残さおよびべたつき
フローはんだ付後のフラックス残さの状態を目視により評価するとともに、指蝕によりべたつきを評価した。そして、下記の基準に従って、はんだ付け後の残さおよびべたつきを評価した。
◎:残さが少なく均一で、べたつきが少ない。
○:残さが少ないが、若干不均一である。
△:残さが不均一であるが、実用上は許容できる。
×:残さが若干多く均一性に欠ける。
××:残さが多く均一性に欠け、べたつきも大きい。
(2)はんだブリッジ
はんだ付け後の基板におけるブリッジ箇所を測定した。そして、下記の基準に従って、はんだブリッジを評価した。
○:基板1枚あたりのブリッジ発生数が、10箇所以下である。
△:基板1枚あたりのブリッジ発生数が、11箇所以上20箇所以下である。
×:基板1枚あたりのブリッジ発生数が、21箇所以上である。
(3)はんだぬれ性(メニスコグラフ)
メニスコグラフ法を用い(試験装置:ソルダチェッカーSAT−5100、試験片:130℃20分間の酸化劣化後の銅板)、ゼロクロス時間(ぬれ作用力がゼロになるまでの時間)を測定した。そして、下記の基準に従って、はんだぬれ性を評価した。
○:ゼロクロス時間が2秒以下である。
△:ゼロクロス時間が2秒超3秒未満である。
×:ゼロクロス時間が3秒以上である。
(4)銅板腐食性
JIS Z 3197に記載の方法により、下記の基準に従って、銅板腐食性を評価した。
○:合格
△:合格判定ではあるが、僅かに銅板腐食性が劣る。
×:不合格
Figure 2015208770
Figure 2015208770
Figure 2015208770
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比較例
表1〜表4に示す結果からも明らかなように、本発明のフラックス組成物を用いた場合(実施例1〜31)には、はんだ付け後の残さおよびべたつき、はんだブリッジ、およびはんだぬれ性の全てが良好であることが分かった。従って、はんだ付け性に優れ、はんだ付け後にべたつきが十分に抑制され、かつ外観の見栄えが良いことが確認された。
これに対し、(A1)成分〜(A3)成分、(B)成分および(C)成分のいずれか1つ以上を含有しない場合(比較例1〜11)には、はんだ付け後の残さやべたつき、はんだブリッジ、およびはんだぬれ性のいずれか1つ以上が不十分となることが確認された。
また、実施例1および実施例9〜13の結果から、(A2)成分におけるグリコール系溶剤の中でも、銅板腐食性の観点からは、オキシプロピレン基やフェノキシ基を有するものが好ましいことが分かった。
本発明のはんだ付け用フラックス組成物は、フローはんだ付け用のフラックス組成物として好適に用いることができ、パレット治具を用いたフローはんだ付けに特に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. (A)溶剤と、(B)ロジン系樹脂と、(C)活性剤とを含有し、
    前記(A)成分は、(A1)炭素数4〜8のジカルボン酸と炭素数1〜7のアルコールからなるジカルボン酸エステル、(A2)760mmHgにおける沸点が220℃以上のグリコール系溶剤、および(A3)760mmHgにおける沸点が145℃以下の炭化水素系溶剤を含有する
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  2. 請求項1に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    前記(A2)成分が、オキシプロピレン基およびフェノキシ基のうちの少なくともいずれかの基を有する
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    前記(A3)成分が、イソオクタンを主成分とする
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    前記(B)成分の配合量が、当該フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    当該フラックス組成物100質量%に対する、
    前記(A1)成分の配合量が、0.01質量%以上10質量%以下であり、
    前記(A2)成分の配合量が、0.1質量%以上12質量%以下であり、
    前記(A3)成分の配合量が、0.5質量%以上20質量%以下である
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物において、
    フローはんだ付けに用いられる
    ことを特徴とするはんだ付け用フラックス組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックス組成物を用いて作製されることを特徴とする電子基板。
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