JP2014117745A - はんだ付け用フラックスおよびそれを用いたプリント配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のはんだ付け用フラックスは、(A)ロジン系樹脂と、(B)溶剤と、(C)活性剤と、(D)チクソ剤とを含有するフラックスであって、前記(B)成分が、(B1)グリコール系溶剤と、(B2)テルペン系溶剤とを含有し、前記(B2) 成分の配合量が、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上15質量%以下であり、前記(D)成分の配合量が、前記フラックス100質量%に対して、6質量%以上7.5質量%以下であることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明のはんだ付け用フラックスは、(A)ロジン系樹脂と、(B)溶剤と、(C)活性剤と、(D)チクソ剤とを含有するフラックスであって、前記(B)成分が、(B1)グリコール系溶剤と、(B2)テルペン系溶剤とを含有し、前記(B2) 成分の配合量が、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上15質量%以下であり、前記(D)成分の配合量が、前記フラックス100質量%に対して、6質量%以上7.5質量%以下であることを特徴とするものである。
本発明のはんだ付け用フラックスにおいては、前記(B2) 成分は、イソボルニルシクロヘキサノールであることが好ましい。
本発明のプリント配線基板は、前記はんだ付け用フラックスを用いて作製されることを特徴とするものである。
本発明に用いる(A)ロジン系樹脂としては、ロジンおよびロジン誘導体が挙げられる。ロジン誘導体としては、変性ロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジンなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂の中でも、フラックス残渣の淡色化の観点から、変性ロジン、水添ロジンが好ましい。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる(B)溶剤は、(B1)グリコール系溶剤と、(B2)テルペン系溶剤とを含有することが必要である。(B)成分が(B1)成分を含有しない場合には、フラックスの印刷充填性とスキージ付着抑制性とを両立できない。また、(B)成分が(B2)成分を含有しない場合には、フラックスの印刷充填性とスキージ付着抑制性とを両立できず、また、ミッシングパンプを十分に防止できない。
本発明に用いる(C)活性剤としては、適宜公知のものを用いることができる。この(C)成分としては、ハロゲン化化合物(2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、トリブロモネオペンチルアルコール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2−ブタノールなど)、アミン類およびアミン塩類(エチレンジアミンなどのポリアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミンなどのアミンの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸などの鉱酸塩))、有機酸類(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など)、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いる(D)チクソ剤としては、適宜公知のものを用いることができ、例えば、オレフィン系ワックス、脂肪酸アミド、置換尿素ワックス、高分子化合物、トリグリセリドなどが挙げられる。これらの中でも、チクソ性の付与とミッシングバンプの低減の観点から、オレフィン系ワックス、脂肪酸アミドが好ましく、オレフィン系ワックスがより好ましい。
オレフィン系ワックスとしては、カスターワックス(硬化ひまし油=水添ひまし油)、蜜ロウ、カルナウバロウなどが挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸ビスアミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスべヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスべヘン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
高分子化合物としては、1,2−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
トリグリセリドとしては、例えば12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドが挙げられる。
これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
フラックスの粘度は、30Pa・s以上125Pa・s以下であることが好ましく、50Pa・s以上100Pa・s以下であることがより好ましい。
フラックスの粘度は、0.35以上0.5以下であることが好ましく、0.4以上0.45以下であることがより好ましい。
本発明のプリント配線基板は、前述した本発明のはんだ付け用フラックスを用いて作製されることを特徴とするものである。このプリント配線基板は、印刷充填性およびスキージ付着抑制性が共に優れ、かつミッシングバンプを防止できる本発明のはんだ付け用フラックスを用いているため、ミッシングバンプが十分に防止されたプリント配線基板となる。
((A)成分)
ロジン系樹脂:水添レジン、商品名「フォーラルAX」、Eastan chemical社製
((B1)成分)
グリコール系溶剤:ヘキシルジグリコール、日本乳化剤社製
((B2)成分)
テルペン系溶剤:イソボルニルシクロヘキサノール、商品名「テルソルブMTPH」、日本テルペン化学社製
((C)成分)
活性剤A:コハク酸、日本触媒社製
活性剤B:2,3−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、Jain Speciality Fine Chemicals社製
((D)成分)
チクソ剤:水添ひまし油、KFトレーディング社製
ロジン系樹脂57.7質量%、グリコール系溶剤32.6質量%、テルペン系溶剤1質量%、活性剤A1.2質量%、活性剤B1質量%およびチクソ剤6.5質量%を容器に投入し、らいかい機を用いて混合してフラックスを得た。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックスを得た。
[比較例1〜9]
表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックスを得た。
フラックスの特性(粘度、チクソ指数、ミッシングバンプ、印刷充填性、スキージ付着抑制性)を以下のような方法で評価した。実施例について得られた結果を表1に示し、比較例について得られた結果を表2に示す。
(1)粘度および(2)チクソ指数
フラックスを室温(25℃)で2〜3時間放置した。フラックスの容器の蓋をあけ、スパチュラで空気の混入を避けるようにして丁寧に1〜2分間かき混ぜたものを試料とする。その後、試料をスパイラル型粘度計(マルコム社製、PCU−205型)にセットして、回転数を10rpm、温度を25℃にして、6分間ローターを回転させる。そして、一旦回転を停止させ、温度調整した後に、回転数を10rpmに調整し、3分後の粘度値を読み取った。
また、上記と同様にして、回転数を30rpmに調整した場合の粘度値(30rpm粘度)と、回転数を3rpmに調整した場合の粘度値(3rpm粘度)とを読み取った。そして、下記式に基づいて、チクソ指数を算出した。
チクソ指数=log[(3rpm粘度)/(30rpm粘度)]
Pad(70μmφ)を2800個有するNiPdAuメッキ基板にフラックスを印刷し、山陽精工社製SMTスコープSK5000を用いて加熱し試験片を作製した。
加熱は昇温速度2.5℃/秒、220℃以上で13秒以上である三角プロファイル、酸素濃度100ppm以下で行った。
作製した試験片を、CARTON光学社製実体顕微鏡DSZ-44Fを用いて倍率20でミッシングバンプの有無を確認した。そして、以下の判定基準に従い、ミッシングバンプを評価した。
○:ミッシングバンプが無い。
×:ミッシングバンプが有る。
(4)印刷充填性
Pad(70μmφ)を2800個有するNiPdAuメッキ基板にフラックスを、自動印刷機(Panasonic社製の「SP−60L」)を用いて、連続印刷した。印刷枚数4枚目、8枚目、12枚目の印刷状態について、CARTON光学社製実体顕微鏡DSZ−44Fを用いて倍率20で拡大観察し、未充填箇所の有無を確認した。そして、以下の判定基準に従い、印刷充填性を評価した。
○:未充填箇所が無く、充填良好である。
×:未充填箇所が有る。
(5)スキージ付着抑制性
Pad(70μmφ)を2800個有するNiPdAuメッキ基板にフラックスを、自動印刷機(Panasonic社製の「SP−60L」)を用いて、連続印刷した。印刷枚数4枚目、8枚目、12枚目でのフラックスのスキージ付着の有無を目視にて確認した。そして、以下の判定基準に従い、スキージ付着抑制性を評価した。
○:スキージ付着が無い。
×:スキージ付着が有る。
これに対し、(B2)成分が欠けるフラックスを用いた場合(比較例1〜4)には、ミッシングバンプを防止できず、また、印刷充填性およびスキージ付着抑制性の両立ができなかった。また、(B2)成分が多すぎる場合(比較例5、6)や(D)成分が少なすぎる場合(比較例6〜8)には、連続印刷時に未充填箇所が発生した。さらに、(D)成分が少なすぎる場合(比較例9)には、連続印刷時にスキージ付着が発生した。
Claims (4)
- (A)ロジン系樹脂と、(B)溶剤と、(C)活性剤と、(D)チクソ剤とを含有するフラックスであって、
前記(B)成分が、(B1)グリコール系溶剤と、(B2)テルペン系溶剤とを含有し、
前記(B2) 成分の配合量が、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上15質量%以下であり、
前記(D)成分の配合量が、前記フラックス100質量%に対して、6質量%以上7.5質量%以下である
ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。 - 請求項1に記載のはんだ付け用フラックスにおいて、
前記(B2) 成分の30℃における粘度が52Pa・s以上78Pa・s以下である
ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。 - 請求項1または請求項2に記載のはんだ付け用フラックスにおいて、
前記(B2) 成分は、イソボルニルシクロヘキサノールである
ことを特徴とするはんだ付け用フラックス。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のはんだ付け用フラックスを用いて作製されることを特徴とするプリント配線基板。
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