JP2015208727A - 塗布処理装置、清掃処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

塗布処理装置、清掃処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルの清掃処理において、清掃対象物の掻き取りムラを生じさせない。【解決手段】基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、基板の幅方向に延伸するノズルと、ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有し、ノズルの清掃を行うパッド50と、パッド50とノズルとをノズルの長手方向に沿って相対的に移動させるパッド移動機構と、ノズルとパッド50とを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、塗布処理装置は、パッド50を、シリンダ内部に流体を流入させることで動作するアクチュエータでノズルに対して押圧する押圧機構51を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、塗布処理装置、基板に塗布液を吐出するノズルの清掃処理方法、塗布処理装置に清掃処理方法を実行させるプログラム及びプログラムを格納したコンピュータ記憶媒体に関する。
例えば液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造プロセスではスリットコーターと呼ばれる塗布処理装置を用いて塗布処理が行われる。スリットコーターでは、スリットノズルを水平移動させながらノズル下面に形成されたスリット状の吐出口から基板に塗布液を吐出して塗布処理を行う。
スリットコーターを用いて複数枚の基板に対して連続的に塗布処理を行う場合には、各基板の塗布処理を行う毎に、スリットノズルのプライミング処理を行うことが一般的となっている。プライミング処理とは、ノズル下面やノズル下面に隣接する隣接面(以下、「リップ面」という)に付着する異物(除去対象物)を除去する処理である。このプライミング処理によって異物を除去することで、スリットノズルから均一に塗布液を塗布し、基板に形成される塗布膜の膜厚を均一にすることができる。なお、除去対象物とは、例えば、直前に行われた基板の塗布処理においてノズル下面やリップ面に残存した塗布液である。
具体的なプライミング処理方法としては、例えば特許文献1に開示提案されているように、例えばノズルの長手方向端部(プライミング処理開始位置)において、シリコンゴム等から成るパッドをノズル下面及びリップ面(以下、「ノズル先端部」という場合もある)に当接させ、その状態でパッドをノズル長手方向に沿って移動させる方法がある。このプライミング処理方法によれば、パッドのノズル先端部との接触部分(以下、「掻き取り部」という)が、パッドの移動と共にノズル先端部の除去対象物が掻き取られる。これにより、基板の塗布処理を行うスリットノズル先端部が清掃され清浄な状態に保たれる。
なお、スリットノズル先端部を清掃して清浄に維持する工程としては、各基板の塗布処理前に毎回行われる上記のプライミング処理工程の他に、例えば所定枚数(2枚以上)の基板の塗布処理を行う毎にノズル先端部を洗浄する洗浄処理工程もある。洗浄処理工程とは、ノズル先端部に付着した洗浄対象物(乾燥固化した塗布液等)を除去する工程であり、パッドに洗浄液(シンナー等)を噴霧し、パッドをノズル先端部に当接させてノズル長手方向に移動させる工程である。これにより、ノズル先端部の洗浄対象物が掻き取られる。このような洗浄処理工程を所定枚数の基板の塗布処理を行う毎に行い、その洗浄処理工程の終了後、プライミング処理工程が行われる。
特開2013−165137号公報
ところで、上述のプライミング処理や洗浄処理(以下、プライミング処理及び洗浄処理、またはそのいずれかを総称して「清掃処理」という場合がある)は、パッドとノズル先端部を所定の圧力で当接させた状態で行われる。パッドとノズル先端部とを当接させる圧力は、例えばパッドのノズルと対向する面と反対側の面をバネなどの弾性部材により支持することで調整されている。
しかしながら、清掃処理を繰り返すと、パッドとノズル先端部との摩擦により、パッドが徐々に摩耗して変形してしまう。また、パッド内に塗布液や洗浄液が浸潤し、パッドが膨潤して変形してしまうこともある。そうすると、パッドとノズル先端部との接触状態が変化し、パッドをノズル方向に押圧するバネの伸びに変化が生じてしまう。そうすると、パッドとノズル先端部との接触圧力に変化が生じてしまい、ノズル先端部の清掃処理を適正な圧力で行うことができなくなる。その結果、パッドとノズル先端部との均一な接触が失われ、除去対象物や洗浄対象物(以下、除去対象物及び洗浄対象物、またはそのいずれかを総称して「清掃対象物」という場合がある)の掻き取りムラが生じることとなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ノズルの清掃処理において、パッドに変形が生じても、清掃対象物の掻き取りムラが生じることを抑制すること目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルと、前記ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有するパッドと、前記パッドを前記ノズルの長手方向に沿って移動させるパッド移動機構と、前記ノズルと前記パッドとを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、前記パッドを、シリンダ内部に流体を流入させることで動作するアクチュエータで前記ノズルに対して押圧する押圧機構を有することを特徴としている。
本発明によれば、押圧機構として、シリンダ内部に流体を流入させて動作するアクチュエータを用いるので、押圧機構によりパッドを押圧する荷重はシリンダ内部に流入させる流体の圧力に依存することとなる。そのため、パッドとノズル先端部との摩擦によりパッドが徐々に摩耗して変形した場合や、パッド内への塗布液や洗浄液の浸潤により膨潤して変形した場合であっても、換言すれば、例えばパッドとノズル先端部との上下方向の相対的な位置関係が変形前の位置関係と異なっていても、シリンダ内部に流入させる流体の圧力を一定に維持していれば、パッドとノズル先端部との接触圧力を一定に保つことができる。したがって、パッドに変形が生じた場合でも、清掃対象物の掻き取りムラが生じることを抑制し、適切に清掃処理を行うことができる。
別の観点による本発明は、基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルと、前記ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有するパッドと、前記パッドを前記ノズルの長手方向に沿って移動させるパッド移動機構と、前記ノズルと前記パッドとを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、前記相対移動機構を制御して、前記パッドを押圧する荷重を補正するように前記ノズルと前記パッドとの相対的な上下方向の位置を制御する制御部を有することを特徴としている。
本発明によれば、ノズルとパッドとの相対的な上下方向の位置を制御することによりパッドを押圧する荷重を補正するので、摩耗または膨潤によりパッドが変形してパッドとノズル先端部との接触圧力に変化が生じても、ノズル先端部の清掃処理を適正な圧力に補正して行うことができる。したがって、パッドに変形が生じた場合でも、清掃対象物の掻き取りムラが生じることを抑制し、適切に清掃処理を行うことができる。
別の観点による本発明は、基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルと、前記ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有するパッドと、前記パッドを前記ノズルの長手方向に沿って移動させるパッド移動機構と、前記ノズルと前記パッドとを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、前記パッドを支持するパッド固定部材を有し、前記パッド固定部材は、前記パッドの外側面における、前記ノズルの下面と当接する面よりも下方の位置を支持することを特徴としている。
本発明によれば、ノズルの下面と当接する面よりも下方の位置でパッドを支持するので、パッドの膨潤による変形を外側に逃がすことができる。その結果、パッドとノズル先端部との接触圧力の変化を低減し、清掃性能を維持することができる。また、パッドの早期摩耗を抑制することができる。
別な観点による本発明は、基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルに対し、当該ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接するパッドを前記ノズルの長手方向に沿って相対的に移動させて、前記ノズルの下面及び前記隣接面に付着する清掃対象物を除去する清掃処理方法であって、前記パッドを、シリンダ内部に流体を流入させることで動作するアクチュエータを用いて前記ノズルに対して押圧することを特徴としている。
また、別な観点による本発明は、前記清掃処理方法を塗布処理装置によって実行させるように、当該塗布処理装置の制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
さらに、別な観点による本発明は、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、ノズルの清掃処理において、パッドに変形が生じても、清掃対象物の掻き取りムラが生じることを抑制できる。
本発明の実施形態に係る塗布処理装置を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係る塗布処理装置を示す概略側面図である。 スリットノズルの形状を示す概略図である。 パッドの形状を示す三面図である。 押圧機構の構成の概略を示す概略縦断面図である。 洗浄液噴出器による洗浄液の噴出状態を示す概略図である。 プライミング処理工程におけるスリットノズルとパッドの動作を示す説明図である。 プライミング処理工程におけるスリットノズルとパッドの動作を示す説明図である。 清掃処理の繰り返しにより変形したパッドの状態を示す説明図である。 清掃処理の繰り返し回数と、パッドを押圧する荷重の補正値を求める工程を示すフローチャートである。 清掃処理の繰り返しにより膨潤したパッドの状態を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる押圧機構の構成の概略を示す概略縦断面図である。 清掃処理の繰り返しにより膨潤したパッドの状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態をガラス基板Gの塗布処理を行う塗布処理装置1に基づいて説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
塗布処理装置1には、例えば図1及び図2に示すように搬送ラインAに沿ったX方向に延伸するステージ10と、ステージ10の上方に設けられたスリットノズル11が設けられている。ステージ10には、塗布処理装置1の外部に設けられた搬送機構によりガラス基板Gが搬入される搬入ステージ10aと、スリットノズル11によりガラス基板Gに対して塗布処理を行う塗布ステージ10bと、塗布処理後のガラス基板Gを搬送機構(図示せず)により搬出する搬出ステージ10cが、搬送ラインAの上流側(X方向負方向側)から下流側(X方向正方向側)に向けて順に設けられている。ステージ10は、ガラス基板Gを搬送ラインAに沿った水平方向に搬送可能に構成されている。
ガラス基板Gに塗布液を吐出するスリットノズル11は、塗布ステージ10bの上方に設けられている。スリットノズル11の上部には、塗布液供給源12に通じる塗布液供給管13が接続されている。
スリットノズル11は、例えば図1及び図3に示すようにガラス基板Gの幅方向(X方向)、換言すれば、搬送ラインAに沿った方向に延伸する略直方体形状に形成されている。スリットノズル11のX方向の長さは、例えばガラス基板GのX方向の幅Wよりも長く形成されている。また、図3に示すように、スリットノズル11を長手方向(X方向)に見た側面視において、スリットノズル11の下部は鉛直方向下方に向けてテーパ状に縮小している。即ち、スリットノズル11の下部は略V字形状を有している。さらにスリットノズル11の下面11aには、当該スリットノズル11の長手方向に沿ってスリット状の吐出口11bが形成されている。なお、以下の説明においては、上述したV字形状を有するスリットノズル11のテーパ状に形成された面をリップ面11cという場合がある。
図1に示すようにスリットノズル11の両側には、Y方向に延伸する一対のガイドレール20が形成されている。スリットノズル11は、塗布ステージ10bのX方向の両側に亘って架け渡された門型のアーム21によって支持されている。また、アーム21は、ガイドレール20に取り付けられた駆動機構22により支持されており、ガイドレール20上を移動自在となっている。したがって、スリットノズル11は、アーム21と共にガイドレール20に沿ってY方向に移動できる。また、駆動機構22はアーム21を昇降動させ、後述するパッド50に対してスリットノズル11を相対的に上下方向移動させる相対移動機構としても機能する。そのため、スリットノズル11は、このアーム21により、所定の高さに昇降できる。かかる構成により、スリットノズル11は、ガラス基板Gに塗布液を吐出する塗布位置と、それよりもY方向負方向側にある、後述する待機バス30及びノズル洗浄装置40との間を移動できる。
図1及び図2に示すようにスリットノズル11の塗布位置のY方向負方向側には、スリットノズル11の待機バス30が設けられている。この待機バス30には、例えばスリットノズル11の乾燥を防止する機能が設けられている。具体的には、例えば待機バス30には、内部に塗布液の溶剤(気体状)を貯留する溶剤供給源(図示せず)が連通している。そして、待機バス30にスリットノズル11を待機させる際、待機バス30の内部は溶剤雰囲気に維持され、スリットノズル11の吐出口11bにおける塗布液の吐出状態を維持することができる。
待機バス30のさらにY方向負方向側には、スリットノズル11のプライミング処理や洗浄処理を行うノズル洗浄装置40が設けられている。ノズル洗浄装置40は、上面が開口した容器41を有している。容器41は、スリットノズル11の長手方向(X方向)に沿って、スリットノズル11よりも長く延伸し形成されている。また、容器41の下面には、スリットノズル11を清掃処理(プライミング処理及び洗浄処理、またはそのいずれか)する際に除去された塗布液や洗浄液等を排出するための排出口(図示せず)が形成されている。
図1、図2に示すように、容器41の内部には、スリットノズル11の下面11aやリップ面11cに当接可能な形状を有するパッド50が設けられている。パッド50は、当該パッド50をスリットノズル11に対して所定の荷重で押圧する押圧機構51の上面に、パッド固定部材50aを介して固定されている。パッド固定部材50aは、例えばパッド50の側面及び底面を支持するように、凹形状を有している。押圧機構51は、例えば支持部材52によりその下面を支持されている。支持部材52は、鉛直上方に延伸する鉛直部材53に設けられ、当該鉛直部材53に設けられたキャリッジ54により、例えばその側面を支持されている。
容器41の底面には、X方向に延伸する、換言すれば、スリットノズル11の長手方向に沿って延伸するレール55が設けられている。レール55には、当該レール55に沿って移動自在なパッド移動機構56が設けられている。鉛直部材53は、例えば下端部をパッド移動機構56により支持されている。したがって、パッド50は、スリットノズル11の長手方向沿って移動できる。
図4に示すように、パッド50は、直方体の上部にスリットノズル11の下面11a及びリップ面11cに係合するような略V字状の凹部60を有する形状となっている。斜め上方に向けて延伸する凹部60の斜面60aは、リップ面11cの全面を覆う大きさを有しており、後述するスリットノズル11のプライミング処理や洗浄処理を行う際には、凹部60の底面60bがスリットノズル11の下面11aに当接し、凹部60の斜面60aがリップ面11cに当接する。以下、パッド50の凹部60を「掻き取り部」という。なお、パッド50の材質は、例えばシリコンゴムである。
押圧機構51は、例えば図5に示すように、上部が開口した円筒形状のシリンダ部51aと、当該シリンダ部51aの開口を塞ぐように設けられた円盤状の押圧部材51bを有している。パッド50の下面は、この押圧部材51bの上面により支持されている。押圧部材51bの外周面には例えばOリングなどの円環状のシール部材61が設けられている。これにより押圧部材51bは、シリンダ部51aとの間を気密に維持した状態でシリンダ部51aの内部を昇降動できる。シリンダ部51aの底部には、流体供給管51cが接続されている。流体供給管51cは、例えば図示しない圧縮空気供給源に接続されており、シリンダ部51aと押圧部材51bとで囲まれた空間F内に作動流体として圧縮空気を供給することで、押圧部材51bを昇降させると共に、当該押圧部材51bを所定の圧力でパッド50の方向に押圧するアクチュエータとして機能する。この際、押圧部材51bをパッド50方向に押圧する荷重は、シリンダ部51aの内部に流入する圧縮空気の圧力に依存する。したがって、押圧機構51は、例えばシリンダ部51aに供給する圧縮空気の圧力を保っている状態においては、押圧部材51bのシリンダ部51aに対する上下方向の相対的な位置関係によらず一定に保たれる。なお、作動流体としては、圧縮空気以外にも窒素ガス等、所定の圧力で押圧部材51bを押圧できるものであれば、任意に選定できる。
また、図1に示すように、容器41の内部におけるX方向負方向側の端部には、洗浄液を噴出させる洗浄液噴出器70が設けられている。パッド50は、パッド移動機構56により洗浄液噴出器70の下方空間に移動することができる。洗浄液噴出器70は、例えば図6に示すように、洗浄液噴出ノズル70aの先端斜面部70bからパッド50の掻き取り部60に向けて洗浄液CLを噴出できるように構成されている。なお、洗浄液としては、例えばシンナーやベグミアなどの溶剤が用いられる。
以上の塗布処理装置1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部200aを有している。プログラム格納部には、ガラス基板Gの搬送機構や移動機構等の駆動系の動作及び塗布液の吐出や洗浄液の噴出等を制御して、塗布処理装置1におけるプライミング処理や塗布処理等を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部200にインストールされたものであってもよい。
次に、上記構成を有する塗布処理装置1を用いたスリットノズル11のプライミング処理及び洗浄処理方法について説明する。図7、図8は、本実施形態のプライミング処理に係る正面視(X方向視)及び側面視(Y方向視)におけるスリットノズル11とパッド50の一連の動作を示す図である。プライミング処理は、あるガラス基板Gの塗布処理後、次のガラス基板Gの塗布処理前に行われる。
まず、プライミング処理を開始する前に、図7(a)に示すように、スリットノズル11の吐出口11bから少量の塗布液Lを吐出する、いわゆるプリディスペンス動作が行われる。このとき、吐出される塗布液Lの量は、自重により落下しない程度の量であり、塗布液Lは表面張力によってスリットノズル11の吐出口11bから露出した状態で吐出口11b周辺に留まった状態となる。
次に、図7(b)に示すように、パッド50をスリットノズル11の長手方向に沿って所定の位置まで移動させる。「所定の位置」とは、後述するパッド50のバックスキャンが完了するまでに、吐出口11bから露出した塗布液Lによりパッド50の掻き取り部60を十分濡らすことができる位置である。具体的な位置は、塗布液Lの粘度やパッド50の掻き取り部60の形状、バックスキャンスピード等の条件により適宜変更される。
パッド50を所定の位置まで移動させた後、図7(c)に示すように、スリットノズル11を下降させて、パッド50とスリットノズル11を近接させる。この動作により、パッド50の掻き取り部60の底部(掻き取り部60の底面120a及び掻き取り部60の斜面120bの一部)が吐出口11bから露出した塗布液Lに接触することとなる。なお、互いに近接した掻き取り部60とスリットノズル11との隙間は、塗布液Lの粘度等により適宜変更される。
続いて、図7(d)に示すように、パッド50の掻き取り部60の底部と吐出口11bから露出した塗布液Lとを接触させた状態でプライミング処理開始位置(スリットノズル11の長手方向端部)までパッド50を移動させる。本明細書では、このときの動作を「バックスキャン」という。バックスキャン中においては、吐出口11bから露出している塗布液Lは、掻き取り部60とノズル先端部の隙間Cに次々に流入することになるが、塗布液Lの粘度が大きいために、パッド50の進行方向前面側から隙間Cに流入する塗布液Lの量は、パッド50の進行方向後面側から排出される塗布液Lの量よりも多くなる。その結果、図7(d)の正面視に示す通り掻き取り部60の底部に接触していた塗布液Lが掻き取り部60の斜面60aを上って行くようにして流れる。
そして、図7(e)に示すように、パッド50をプライミング処理開始位置まで移動させた段階では、掻き取り部60の底面60b及び掻き取り部60の斜面60a全体が塗布液Lに接触した状態となっている。即ち、プライミング処理を開始する段階においては、パッド50の掻き取り部全体が濡れた状態となっている。
その後、図8(a)に示すように、スリットノズル11を下降させて、パッド50の掻き取り部60をスリットノズル11の先端部(ノズル下面11a及びリップ面11c)に当接させる。この際、押圧機構51内部の空間Fには、予め所定の圧力で圧縮空気が供給されており、押圧機構51の押圧部材51bには、スリットノズル11の方向に向けて押圧する力が作用する。それにより、パッド50がスリットノズル11の先端部に所定の荷重で押圧される。このとき、押圧機構51によりパッドを押圧する荷重はシリンダ内部に流入させる流体の圧力に依存するため、例えばパッド50とスリットノズル11の先端部との摩擦によりパッド50が摩耗し、スリットノズル11と押圧機構51との上下方向の相対的な位置関係が変化した場合であっても、パッド50をスリットノズル11方向に押圧する荷重は、一定に保たれる。
なお、パッド50をスリットノズル11方向に押圧する荷重は3〜8N(ニュートン)程度とすることが好ましく、本実施の形態における押圧荷重は例えば4N(ニュートン)であり、空間Fに供給される圧縮空気の圧力はこの荷重を得られるように調整されている。そして、その状態で、図8(b)に示すように、パッド50をスリットノズル11の長手方向に移動させてプライミング処理を行う。これにより、スリットノズル11先端部の除去対象物(残存する塗布液等)を掻き取り除去することができる。なお、パッド50に掻き取られた除去対象物は、容器41の内部に落下する。
プライミング処理の終了後には、ガラス基板Gの塗布処理が行われる。具体的には、図2に示すように、プライミング処理を終えたスリットノズル11を待機バス30まで移動させ、ガラス基板Gを図1に示す塗布ステージ10bに搬送するまでの間、スリットノズル11を待機させる。その後、塗布ステージ10bにガラス基板Gを搬送し、スリットノズル11を待機バス30から所定の塗布位置まで移動させる。そして、ガラス基板Gに対して塗布液を吐出して塗布処理を行う。
なお、所定枚数、例えば2枚以上のガラス基板Gの塗布処理後には、スリットノズル11の洗浄処理が行われる。スリットノズル11を洗浄処理するにあたっては、まず、パッド50を洗浄液噴出器70の下方に移動させ、図6に示すようにパッド50の掻き取り部60に向けて洗浄液CLを噴出する。その後、パッド50をスリットノズル11の長手方向端部に移動させる。続いて、スリットノズル11を下降させて、パッド50の掻き取り部60をノズル先端部に当接させる。その状態でパッド50をノズル長手方向に沿って移動させる。この洗浄処理においても、上述のプライミング処理と同様に、押圧機構51内部の空間Fには、予め所定の圧力で圧縮空気が供給されており、押圧機構51の押圧部材51bによりパッド50がスリットノズル11の方向に向けて押圧される。これにより、ノズル先端部の洗浄対象物(乾燥固化した塗布液等)が洗浄除去される。そして、スリットノズル11の洗浄後、プリディスペンス動作及び上記プライミング処理を行い、後続のガラス基板Gに対して一連の塗布処理が繰り返し行われる。
そして、塗布処理に伴うプライミング処理や洗浄処理が繰り返し行われると、パッド50の掻き取り部60がスリットノズル11の先端部との摩擦により、例えば図9に示すように、経時的に掻き取り部60の斜面60a及び底面60bが変形してしまう。但し、本実施の形態においては、押圧機構51の内部の空間Fに圧縮空気を供給することで押圧部材51bを押圧しているので、掻き取り部60が変形した場合であっても、押圧部材51bがスリットノズル11方向に追従して、所定の荷重でパッド50とスリットノズル11との接触を維持することができる。
ところで、掻き取り部60の変形が大きくなるにつれて、当初の押圧荷重4Nではパッド50とスリットノズル11との接触を適正に維持することが困難となる場合がある。かかる場合、制御部200では、必要に応じて、押圧機構51の内部の空間Fに供給する圧縮空気の圧力を変化させて、パッド50とスリットノズル11との接触荷重を変化させるようにしてもよい。この際、制御部200による圧縮空気の圧力変化は、パッド50によるスリットノズル11の洗浄回数と、押圧機構51によりパッド50を押圧する荷重の補正値との相関関係に基づいて行われる。この相関関係は、例えば予め行われる試験により求められる。
具体的には、既述の通り、プライミング処理や洗浄処理が繰り返し行われると、パッド50の掻き取り部60がスリットノズル11の先端部との摩擦により変形する。そうすると、パッド50によるスリットノズル11の清掃性能が徐々に低下する。したがって、試験においては先ず、パッド50によるスリットノズル11の清掃処理(プライミング処理や洗浄処理)を繰り返し行い(図10の工程S1)、清掃回数と清掃性能の低下の度合いを、押圧機構51による押圧荷重を一定に保った状態で求める(図10の工程S2)。次いで、清掃処理の繰り返しにより清掃性能が所定の性能を下回ると、清掃性能を回復させるために、押圧機構51による押圧荷重を増加させる。即ち、押圧機構51の空間Fに供給する圧縮空気の圧力を上昇させる(図10の工程S3)。
これにより清掃性能が回復すれば、この際の押圧荷重の増加分、即ち圧縮空気の圧力の増加分が補正値として算出され(図10の工程S4)、この補正値と清掃処理の繰り返しとの相関関係が制御部200の例えばプログラム格納部200aに記憶される。清掃性能が回復しない場合、清掃性能が回復するまでさらに押圧荷重を増加させ、所定の補正値を算出する。そして、この作業を繰り返し行い、清掃回数と押圧荷重の補正値の関係を、所定の清掃回数分まで求める。なお、所定の洗浄回数とは、例えばパッド50の変形が進み、押圧荷重の調整によっては清掃能力が回復しない程度の回数であり、任意に設定が可能である。
そして、上述のプライミング処理や洗浄処理においてスリットノズル11の清掃が繰り返し行われると(図10の工程T1)、清掃処理の実施回数と、プログラム格納部200aに記憶された補正値との相関関係に基づいて、適宜押圧機構51による押圧荷重が補正される(図10の工程T2)。これにより、パッド50とスリットノズル11との接触状態が常に適正な状態に維持され、清掃処理の繰り返し回数によらず、スリットノズル11先端部の清掃対象物を十分に掻き取ることができる。なお、図10において、破線で囲まれた工程S1〜S4は、予め行う試験の工程であり、工程T1、T2は、実際の清掃処理における工程である。
なお、本発明者らによれば、パッド50の変形の要因としては、パッド50とスリットノズル11との摩擦以外にも、パッド50の膨潤による変形が確認されている。即ち、例えばシリコンゴムで構成されたパッド50にプライミング処理において塗布液Lを供給したり、後述する洗浄処理で洗浄液CLを供給したりすることで、当該塗布液Lや洗浄液CLがシリコンゴム内に浸潤する。そして、塗布液Lや洗浄液CLを繰り返し供給することで、徐々にパッド50が膨潤し、例えば図11に示すように、掻き取り部60の表面積が減少する方向に変形してしまう。この場合も、パッド50とスリットノズル11の先端部との接触状態が変化してしまうため、清掃性能の低下が生じてしまう。しかしながら、このような清掃性能の低下も、上述の工程S1〜S4の試験結果に反映される。そして、本実施の形態の塗布処理装置においては、制御部200により清掃処理の繰り返し回数に応じて、工程S1〜S4の試験結果により算出された補正値に基づいて押圧荷重が調整される。
以上の実施形態によれば、押圧機構51として、シリンダ部51aに流体を流入させて動作するアクチュエータを用いるので、押圧機構51によりパッドを押圧する荷重はシリンダ部51aに流入させる流体の圧力に依存することとなる。そのため、パッド50とスリットノズル11の先端部との摩擦によりパッド50が徐々に摩耗して変形した場合や、パッド50内への塗布液Lや洗浄液CLの浸潤により膨潤して変形した場合であっても、換言すれば、例えばパッド50を押圧する押圧機構51とスリットノズル11の先端部との上下方向の相対的な位置関係が変形前の位置関係と異なっていても、シリンダ部51aの内部に流入させる流体の圧力を一定に維持していれば、パッド50とスリットノズル11先端部との接触圧力を一定に保つことができる。したがって、パッド50に変形が生じた場合でも、清掃対象物の掻き取りムラが生じることを抑制し、適切に清掃処理を行うことができる。
また、以上の実施形態によれば、予め求められた、パッド50によるスリットノズル11の清掃回数と、押圧機構51によりパッド50を押圧する荷重の補正値との相関関係に基づいて、パッド50を押圧する荷重を補正するので、パッド50とスリットノズル11先端部との摩擦により、パッド50が徐々に摩耗して変形した場合や、塗布液Lや洗浄液CLの浸潤によりパッド50が膨潤して変形した場合であっても、パッド50とスリットノズル11先端部との均一な接触を維持することができる。したがって、パッド50に経時変形が生じた場合で、あっても清掃対象物の掻き取りムラが生じることを抑制できる。その結果、ガラス基板Gに膜厚が均一な塗布膜を形成することができる。
また、以上の実施の形態においては、塗布液Lや洗浄液CLにより予めパッド50を濡れた状態にしてプライミング処理や洗浄処理を開始することができるため、パッド50の掻き取り部60とノズル先端部との接触部分の摩擦を小さくすることができる。これにより、パッド50とスリットノズル11先端部との間でびびり振動が発生してノズル先端部の除去性能が低下することを防止し、清掃処理開始当初からノズル先端部の清掃対象物を十分に掻き取ることができるので、掻き取りムラを抑えることができる。加えて、予めパッド50を濡れた状態にし、パッド50とスリットノズル11先端部との摩擦を抑えることで、パッド50そのものの摩耗による経時変化も抑えることができる。
また、本実施形態では、パッド50を濡らす液体としてスリットノズル11から吐出される塗布液を用いるため、ガラス基板Gに形成される塗布膜に塗布液成分以外の成分が混入するおそれがなく、塗布膜の品質を向上させることができる。
以上の実施の形態では、相対移動機構としての駆動機構22により、アーム21を昇降させることでパッド50とスリットノズル11との上下方向の相対的な位置を調整したが、相対移動機構の実施の態様としては、本実施の形態の内容に限定されるものではない。例えば、相対移動機構としてキャリッジ54を昇降させる昇降機構を設け、これによりパッド50とスリットノズル11との相対的な位置の調整を行うようにしてもよい。
なお、以上の実施の形態では、押圧機構51として例えば空気圧を利用したアクチュエータを用いたが、図10に示すように、押圧荷重を補正する場合、押圧機構51としては、パッド50を押圧する荷重を調整できるものであれば、本実施の形態の内容に限定されるものではなく、例えば図12に示すように、押圧部材51bの下面に、バネなどの弾性部材80を設け、この弾性部材80を介して押圧部材51bによる押圧荷重を調整する構造として押圧機構90を用いてもよい。かかる場合、例えば駆動機構22により押圧機構90に対するスリットノズル11の高さ方向の位置を適宜調整することで、弾性部材80のストローク、即ち弾性部材80による押圧荷重が調整される。この場合の高さ方向の位置調整についても、予め図10に示す工程S1〜S4にかかる試験を行い、適宜押圧荷重が最適になるように補正することが好ましい。なお、工程S3で押圧機構51による押圧荷重を増加させる場合、圧縮空気の圧力上昇に代えて、スリットノズル11とパッド50との相対的な上下方向の距離を近づける、換言すれば、弾性部材80による押圧荷重が増加するように駆動機構22が制御制御される。また、押圧機構51の空間Fに供給する流体として圧縮流体であるガスに限られず、例えば非圧縮流体である液体を用いてもよい。
以上の実施の形態では、押圧荷重の補正を、パッド50によるスリットノズル11の清掃回数と、押圧機構51によりパッド50を押圧する荷重の補正値との相関関係に基づいて行ったが、押圧荷重の補正の方法は本実施の形態の内容に限定されるものではない。例えば、摩耗や膨潤によりパッド50が変形すると、例えば押圧機構51によるパッド50の押圧荷重を一定に保った状態であっても、パッド50とスリットノズル11先端部との摩擦力が変化する。そうすると、パッド50をスリットノズル11に押し付けながらパッド移動機構56によりパッド50をスキャンする際に、パッド移動機構56を駆動する例えばモータの駆動トルクも変化する。具体的には、例えばパッド50が膨潤すると、例えば図11に示すように、パッド50がスリットノズル11を挟み込むように変形するため、スリットノズル11とパッド50との摩擦力が増加する。そうすると、パッド移動機構56を駆動するモータの駆動トルクが増加するので、このトルク増加を検出し、スリットノズル11とパッド50の接触状態(摩擦力)を膨潤変形前と同等にするように、押圧機構51による押圧荷重を減少させてもよい。また、その反対に、例えばパッド50が摩耗により変形すると、パッド50との接触が徐々に失われ、スリットノズル11との摩擦力が徐々に減少する。そうすると、パッド移動機構56を駆動するモータの駆動トルクが減少するので、このトルク減少を検出し、スリットノズル11とパッド50の接触状態(摩擦力)を摩耗変形前と同等にするように、押圧機構51による押圧荷重を増加させてもよい。
以上の実施の形態では、パッド50はパッド固定部材50aにより支持されていたが、パッド固定部材50aは、例えば図13に示すように、例えばパッド50の底面60bよりも下方の位置を支持するように構成してもよい。例えばパッド50の側面の概ね全面をパッド固定部材50aで支持した場合、パッド50とスリットノズル11とを接触させたときに、パッド50が外側、即ちパッド固定部材50a側に逃げることを防ぎ、パッド50とスリットノズル11との接触が失われることを防止するように機能する。その一方、パッドが膨潤により変形すると、図11に示すように、掻き取り部60の表面積が減少する方向に変形する。そうすると、パッド50とスリットノズル11との摩擦力が過剰に増加し、清掃性能が低下すると共に、パッド50の摩耗を早める要因となっていた。そこで、図13に示すように、パッド固定部材50aを、パッド50の底面60bよりも下方の位置を支持するように構成することで、図13に破線で示すように、膨潤による変形をパッド50の外側に逃がすことができる。その結果、パッド50とスリットノズル11との摩擦力の過剰な増加を抑制し、清掃性能を維持すると共に、パッド50の早期摩耗を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、パッド50のバックスキャンを行う際に、スリットノズル11のプリディスペンス動作を行った後にパッド50とスリットノズル11を近接させることとしたが、プリディスペンス動作を行う前にパッド50とスリットノズル11を近接させても良い。その場合、パッド50とスリットノズル11を近接させる際には、パッド50の掻き取り部60が、これからノズル吐出口11bから少量吐出される塗布液L(露出する塗布液)に接触可能となる位置まで近接させれば良い。
また、上記実施形態では、反射防止膜用の塗布液の塗布処理を例に採って説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばSOG(Spin On Glass)膜、SOD(Spin On Dielectric)膜などを形成する塗布液の塗布処理やレジスト液の塗布処理等にも適用できる。また、本発明は、LCD基板以外の基板例えばフォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
また、上記実施形態では、塗布液を吐出するノズルとしてスリット状の吐出口11bを有するスリットノズル11を用いた場合の例について説明したが、ノズルの種類はこれに限定されることはなく、例えば、ホール状の吐出口がノズル下面においてノズル長手方向に沿って点在したノズルを用いても良い。
また、上記実施形態では、パッド50の掻き取り部60がノズル先端部に対して面接触するような形状を有していたが、掻き取り部60の形状はこれに限定されるものではない。例えば、掻き取り部60がノズル先端部に対して線接触するような形状を有していても良い。また、プライミング処理時において、線接触する掻き取り部60がパッド50の進行方向に沿って前傾する姿勢となるように掻き取り部60の形状やパッド50の取り付け方法を定めても良い。即ち、掻き取り部60の形状や、掻き取り部60とノズル先端部とのプライミング処理時における接触の仕方は、塗布液の粘度やパッド50の移動速度等に応じて適宜変更されるものであり、パッド50や掻き取り部60の形状に応じて、上述の相関関係を求めることで、上記したように、ノズル先端部の清掃対象物を十分に掻き取ることができる。
本発明は、スリットコーターの清掃処理に有用である。
1 塗布処理装置
10 ステージ
11 スリットノズル
20 ガイドレール
21 アーム
22 駆動機構
30 待機バス
40 ノズル洗浄装置
50 パッド
51 押圧部材
52 支持部材
53 鉛直部材
54 キャリッジ
56 パッド移動機構
60 掻き取り部(凹部)
70 洗浄液噴出器
200 制御部
C 掻き取り部とノズル先端部の隙間
G ガラス基板
L 塗布液
CL 洗浄液

Claims (14)

  1. 基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルと、前記ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有し、前記ノズルの清掃を行うパッドと、前記パッドと前記ノズルとを前記ノズルの長手方向に沿って相対的に移動させるパッド移動機構と、前記ノズルと前記パッドとを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、
    前記パッドを、シリンダ内部に流体を流入させることで動作するアクチュエータで前記ノズルに対して押圧する押圧機構を有することを特徴とする、塗布処理装置。
  2. 前記パッドを押圧する荷重を補正するように前記シリンダ内部に流入させる流体の圧力を制御する制御部を有することを特徴とする、請求項1に記載の塗布処理装置。
  3. 前記制御部は、予め求められた、前記パッドによる前記ノズルの清掃回数と、前記押圧機構により前記パッドを押圧する荷重の補正値との相関関係に基づいて、前記パッドを押圧する荷重を補正することを特徴とする、請求項2に記載の塗布処理装置。
  4. 前記制御部は、前記パッド移動機構の駆動トルク値に基づいて、前記パッドを押圧する荷重を補正することを特徴とする請求項2に記載の塗布処理装置。
  5. 前記パッドを支持するパッド固定部材を有し、
    前記パッド固定部材は、前記パッドの外側面における、前記ノズルの下面と当接する面よりも下方の位置を支持することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布処理装置。
  6. 前記パッドの前記ノズルと当接する面に液体を供給するプリウェット機構を有し、
    前記制御部は、前記パッドを前記ノズルに当接させる前に前記液体を供給するように前記プリウェット機構を制御することを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の塗布処理装置。
  7. 基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルと、前記ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有し、前記ノズルの清掃を行うパッドと、前記パッドと前記ノズルとを前記ノズルの長手方向に沿って相対的に移動させるパッド移動機構と、前記ノズルと前記パッドとを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、
    前記相対移動機構を制御して、前記パッドを押圧する荷重を補正するように前記ノズルと前記パッドとの相対的な上下方向の位置を制御する制御部を有することを特徴とする、塗布処理装置。
  8. 基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルと、前記ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接可能な形状を有し、前記ノズルの清掃を行うパッドと、前記パッドと前記ノズルとを前記ノズルの長手方向に沿って相対的に移動させるパッド移動機構と、前記ノズルと前記パッドとを相対的に上下方向移動させる相対移動機構とを備えた、基板に塗布液を塗布する塗布処理装置であって、
    前記パッドを支持するパッド固定部材を有し、
    前記パッド固定部材は、前記パッドの外側面における、前記ノズルの下面と当接する面よりも下方の位置を支持することを特徴とする、塗布処理装置。
  9. 基板に塗布液を吐出する吐出口が下面に形成された、前記基板の幅方向に延伸するノズルに対し、当該ノズルの下面及び前記下面に隣接する隣接面に当接するパッドを前記ノズルの長手方向に沿って相対的に移動させて、前記ノズルの下面及び前記隣接面に付着する清掃対象物を除去する清掃処理方法であって、
    前記パッドを、シリンダ内部に流体を流入させることで動作するアクチュエータを用いて前記ノズルに対して押圧することを特徴とする、清掃処理方法。
  10. 前記パッドを押圧する荷重を補正するように前記シリンダ内部に流入させる流体の圧力を制御することを特徴とする、請求項9に記載の清掃処理方法。
  11. 前記パッドを押圧する荷重の補正は、予め求められた、前記パッドによる前記ノズルの清掃回数と、前記パッドを押圧する荷重の補正値との相関関係に基づいて行うことを特徴とする、請求項10に記載の清掃処理方法。
  12. 前記パッドと前記ノズルとの前記ノズルの長手方向に沿った相対的な移動はパッド移動機構により行われ、
    前記パッドを押圧する荷重の補正は、前記パッド移動機構のトルク値に基づいて行われることを特徴とする請求項10に記載の清掃処理方法。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の清掃処理方法を塗布処理装置によって実行させるように、当該塗布処理装置の制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。

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