JP2015208718A - 気液反応方法及びアミノシランの製造方法 - Google Patents

気液反応方法及びアミノシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反応生成物を得る際に副生成物が生じる反応に適用した場合でも、反応流路を閉塞させることなく連続して反応させることが可能な気液反応方法を提供する。
【解決手段】流路型反応器4に、原料ガスを含む気相成分と原料物質を有機溶媒に溶解させた液相成分とを流通させ、流路型反応器4内で原料ガスと原料物質とを反応させて反応生成物と固体状の副生成物とを得る気液反応方法であって、流路型反応器4内の反応流路の直径を、0.1mm以上2mm以下とし、反応流路内に気相成分と液相成分とを連続して供給して、反応流路中の全体にわたって、気相成分と液相成分とを栓状に交互に流通させる気液反応方法を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、気液反応方法及びアミノシランの製造方法に関するものである。
半導体デバイスの微細化及び高集積化に伴い、ゲート長の短縮も求められており、不純物の拡散をより厳格に防ぐ必要性等から、化学気相成長法(CVD;Chemical Vapor Deposition法、以下、単に「CVD法」という)による低温でのSiN(窒化シリコン)成膜が指向されている。なお、CVD法では、基板が載置されたチャンバ内に気体状態とされた原料分子を供給し、基板の表面における化学反応によって薄膜を形成する。
低温でのSiN成膜にあたり、原料としてアミノシランを用いたCVD法による成膜が検討されている。ここで、原料であるアミノシランのうち、低温で反応するものは活性が高いため、保管時の劣化が不可避であるという課題があった。そこで、経時変化のあるアミノシランについて、使用箇所で合成・精製して供給する方法が検討されてきた(特許文献1を参照)。
ところで、ガス状物質と溶液とを原料とする合成プロセスでは、工程数の増加や収率の低下、特殊な設備が必要など、様々な課題がある。例えば、アミノシランの合成においては、原料であるジクロロシランの溶液を調整して反応させる方法や、アミン溶液のある圧力容器にジクロロシランを加えて反応させる方法が一般的に用いられる(特許文献2を参照)。
しかしながら、原料であるジクロロシランの溶液を調整して反応させる方法では、工程数が増えてしまい、コスト増につながるという課題があった。一方、アミン溶液のある圧力容器にジクロロシランを加えて反応させる方法では、気体と液体との界面で反応するために生成物であるアミノシランの収率が悪く、さらには内面処理された圧力容器が必要となるためにコスト増を招いてしまうという課題があった。
ここで、ガス状物質と溶液とを原料とする気液反応方法としては、特許文献3が開示されている。この特許文献3には、微小管状反応器(流路型反応器、マイクロリアクターともいう)を用いて、反応基質を含む液体と反応気体との気液共存系における反応を効率的に行うために、プラグ流やスラグ流を用いた気液反応方法が開示されている。
特開2011−243620号公報 米国特許出願公開第2004/0138491号明細書 特開2007−105668号公報
しかしながら、特許文献3に開示された気液反応方法では、気液共存系における反応の効率化についてのみ言及されるものであり、固体状の反応副生成物がある場合についての課題や解決方法については何ら開示されていない。
特に、マイクロリアクターを用いた気液反応方法によってアミノシランを合成しようとした場合、アミノシランは活性が高く、逐次反応や合成時の副反応が起こりやすいため、固体状の反応副生成物が生成してマイクロリアクターの配管内を閉塞させるおそれがあった。
さらに、マイクロリアクターを用いたアミノシランの合成では、目的物質が不均化反応も起こしてしまうため、反応時間や反応温度の高度に制御して副反応を抑制できなければ、収率が落ちてしまうという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、反応生成物を得る際に副生成物が生じる反応にマイクロリアクターを用いた気液反応方法を適用した場合でも、反応流路を閉塞させることなく連続して反応させることが可能な気液反応方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、マイクロリアクターを用いた気液反応方法を適用したアミノシランの製造方法であって、反応流路を閉塞させることなくアミノシランを連続して合成することが可能なアミノシランの製造方法を提供することを課題とする。
本発明は以下の構成を有する。
請求項1にかかる発明は、流路型反応器に、原料ガスを含む気相成分と原料物質を有機溶媒に溶解させた液相成分とを流通させ、前記流路型反応器内で前記原料ガスと前記原料物質とを反応させて反応生成物と固体状の副生成物とを得る気液反応方法であって、
前記流路型反応器内の反応流路の直径を、0.1mm以上2mm以下とし、前記反応流路内に前記気相成分と前記液相成分とを連続して供給して、当該反応流路中の全体にわたって、当該気相成分と当該液相成分とを栓状に交互に流通させることを特徴とする気液反応方法である。
請求項2にかかる発明は、前記反応流路にT字状又はY字状に分岐された混合流路を設けるとともに、前記混合流路において前記気相成分と前記液相成分とを混合することを特徴とする請求項1に記載の気液反応方法である。
請求項3にかかる発明は、前記気相成分が、前記原料ガスに不活性ガスを混合して希釈したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の気液反応方法である。
請求項4にかかる発明は、前記反応生成物が、気体である場合に、
前記流路型反応器の後段において、気体状の前記反応生成物と前記副生成物を含む溶液とに気液分離して当該反応生成物を単離することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の気液反応方法である。
請求項5に係る発明は、前記反応生成物を含む溶液を、前記流路型反応器内の一部において加熱、又は当該流路型反応器の後段において加熱して、前記反応生成物を単離し、精製することを特徴とする請求項4に記載の気液反応方法である。
請求項6にかかる発明は、前記混合流路における最小の直径をφとし、
前記混合流路よりも後段の前記反応流路における最小の直径をφとし、
前記気液分離する流路における最少の直径をφとした際に、
φ≦φ≦φの関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の気液反応方法である。
請求項7にかかる発明は、前記反応流路内の圧力を、ゲージ圧力で0kPa超200kPa以下に制御するとともに、当該圧力下において1sccm以上100sccm以下の流量で前記気相成分を前記混合流路内に連続して供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の気液反応方法である。
請求項8にかかる発明は、前記反応流路の直径をD(mm)、前記気相成分における原料ガスの体積分率をX(%)、前記気相成分の供給流量をQ(sccm)、前記反応流路内のゲージ圧力をP(kPa)とした際に、
1≦2000Q/{3π(P+100)D}≦60
かつ
1≦(10000−100X)Q/{15π(P+100)D}≦60
の関係を満たすように前記気相成分を供給することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の気液反応方法である。
請求項9にかかる発明は、で前記液相成分が、前記原料物質の濃度が0.1〜5mol/lであり、1cc/min以上20cc/min以下の流量で前記液相成分を前記混合流路内に連続して供給することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の気液反応方法ある。
請求項10にかかる発明は、前記有機溶媒が、前記反応生成物よりも高い沸点を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の気液反応方法である。
請求項11にかかる発明は、請求項1に記載の気液反応方法を用いてアミノシランを製造する方法であって、
前記原料ガスがクロロシラン[SiCl4n−m−2(n、mは1以上の整数)]、前記原料物質がアルキルアミン[NHR(Rは炭素数1以上の炭化水素基、Rは水素または炭素数1以上の炭化水素基)]、前記反応生成物がアルキルアミノシラン及び前記副生成物がアルキルアミン塩酸塩であることを特徴とするアミノシランの製造方法である。
請求項12にかかる発明は、である。請求項1に記載の気液反応方法を用いてアミノシランを製造する方法であって、
前記原料ガスがアルキルアミン[NHR(Rは炭素数1以上の炭化水素基、Rは水素または炭素数1以上の炭化水素基)]、前記原料物質がクロロシラン[SiCl4n−m−2(n、mは1以上の整数)]、前記反応生成物がアルキルアミノシラン及び前記副生成物がアルキルアミン塩酸塩であることを特徴とするアミノシランの製造方法。
本発明の気液反応方法は、流路型反応器内の反応流路の直径を0.1mm以上2mm以下とし、反応流路内に気相成分と液相成分とを連続して供給して、当該反応流路中の全体にわたって、当該気相成分と当該液相成分とを栓状に交互に流通させるため、反応生成物を得る際に固体状の副生成物が生じる反応にマイクロリアクターを用いた気液反応方法を適用した場合でも、反応流路を閉塞させることなく連続して運転、供給することができる。
本発明のアミノシランの製造方法は、上述したマイクロリアクターを用いた気液反応方法を適用するため、反応流路を閉塞させることなくアミノシランを連続して合成するができる。
本実施形態の気液反応方法に用いることが可能な気液反応装置の構成の一例を模式的に示す系統図である。 本実施形態の気液反応装置を構成する混合器の内部を示す拡大断面図である。 気液二相流の具体的な態様について示す断面模式図であり、(a)が気泡流、(b)がプラグ流、(c)が層状流を示している。 本実施形態の気液反応方法に用いることが可能な気液反応装置の構成の他の例を模式的に示す系統図である。 本発明の実施例における生成物のフーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)の分析結果を示すスペクトル図であり、(a)は全体図、(b)は、1200cm−1〜2200cm−1の範囲の拡大図を示している。
以下、本発明を適用した一実施形態である気液反応方法について、それに用いる気液反応装置の構成とともに図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
また、本発明を適用した一実施形態である気液反応方法について、アミノシランの製造方法に適用する場合を例として説明する。
<気液反応装置>
先ず、本実施形態の気液反応方法に用いることが可能な気液反応装置の構成について説明する。図1は、本実施形態の気液反応方法に用いることが可能な気液反応装置の構成を模式的に示す系統図である。
図1に示すように、気液反応装置1は、気相成分供給源2、液相成分供給源3から、それぞれ原料ガスを含む気相成分、原料物質を有機溶媒に溶解させた液相成分を流路型反応器であるマイクロリアクター4に連続して送給されるように構成されている。このような気液反応装置1としては、具体的には、例えば、アミノシランの合成装置(製造装置)が挙げられる。
液相成分供給源3からの液相成分(原料溶液)は、気相成分供給源2からの気相成分と混合器5で合流し、気相成分と液相成分との気液二相流(気液混相流ともいう)がマイクロリアクター4に供給される。マイクロリアクター4内で気液反応した後の気液二相流はマイクロリアクター4から流出し、背圧弁6を備える気液分離器7によって気体状の反応生成物と副生成物を含む溶液とに気液分離される。その後、分離された気体状の反応生成物は気液分離器7の後段に供給され、副生成物を含む溶液は貯留槽8に貯留される。
気相成分供給源2から混合器5までの供給経路には、マスフローコントローラー(質量流量計;MFC)9、開閉弁10及び逆止弁11が設けられており、混合器5に供給する気相成分の流量を制御可能とされている。
液相成分供給源3から混合器5までの供給経路には、液送ポンプ12、開閉弁13及び逆止弁14が設けられており、混合器5に供給する液相成分の流量を制御可能とされている。
マイクロリアクター4は、流路型反応器である。材質としては特に限定されるものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene,PTFE)製の配管から構成することができる。
マイクロリアクター4の反応流路の直径(すなわち、配管の直径)Dは、0.1mm以上2mm以下であることが好ましい。ここで、生成される固体(副生成物)の粒径は数μmから数十μm程度であることから、反応流路の直径Dが0.1mmよりも小さい直径では閉塞が起きてしまい、連続して合成することができない。一方、気液反応における反応速度は、反応流路の直径Dとした際、液体の体積V=πD/4と気液界面の面積S=πD/2との比率S/V=2/Dに比例する。すなわち、反応流路の直径Dが2mmの場合に比べて10mmの場合では反応速度が5倍遅くなることとなる。このため、反応流路の直径Dが大きい場合では、流路型反応器の利点が生かせない。
さらに、表1に、反応流路の直径と、反応流路内にプラグ流を形成するために必要な液体流量下限の関係を示す(なお、プラグ流に関しては後述する)。表1に示すように、反応流路の直径が3mm以上の範囲では、プラグ流を形成するために大量の液体が必要になることがわかる。一方で、気相成分中の原料ガスと液相成分中の原料物質との反応においては化学量論を保持する必要がある。すなわち、反応流路の直径Dが大きい場合、プラグ流の形成と化学量論の保持とを両立させるためには原料物質を大量の有機溶媒で希釈した反応溶液を調製し、これを液相成分とする必要がある。その結果、気液反応の反応速度も遅くなってしまうため、実用に向かない。
Figure 2015208718
混合器5は、図2に示すように、T字状に分岐された流路の合流点なっている。そして、この混合器5の内部が気相成分と液相成分とを混合する混合流路となっている。具体的には、分岐流路5aから気相成分が、分岐流路5bから液相成分がそれぞれ供給されて、気液二相流となって流路5cからマイクロリアクター4に流出する。なお、混合器5の分岐形状は、特にT字状に限定されるものではなく、例えばY字状に分岐される形状であってもよい。
気液分離器7には、図1に示すように、ヒーター等の加熱手段15が設けられており、マイクロリアクター4から供給される反応生成物を含む溶液を加熱して、気体状の反応生成物を単離し、精製することが可能とされている。なお、反応生成物を含む溶液は、マイクロリアクター(流路型反応器)4の後段の気液分離器6加熱して、単離・精製する場合に限定されるものではなく、マイクロリアクター4内の一部において加熱して、反応生成物を単離し、精製する構成としてもよい。
また、気液装置7の排気経路には、背圧弁6が設けられている。また、背圧弁6の後段の排気経路には、フーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)16が設けられた分析経路が設けられていることが好ましい。これにより、排気ガス中の成分の分析が可能となっている。
本実施形態の気液分離装置(アミノシランの合成装置)1は、混合器5内の混合流路における最小の直径(管径)をφとし、混合流路よりも後段のマイクロリアクター4における最小の直径(管径)をφとし、気液分離する流路(すなわち、気液分離器7以降の流路)における最少の直径(管径)をφとした際に、φ≦φ≦φの関係を満たすことが好ましい。このような関係とすることにより、気液反応の際に固体の副生成物が生じた場合であっても、配管内が閉塞することを抑制することができる。
<気液反応方法>
次に、本実施形態の気液反応方法について説明する。
本実施形態の気液反応方法は、マイクロリアクター(流路型反応器)4に、原料ガスを含む気相成分と原料物質を有機溶媒に溶解させた液相成分とを流通させ、マイクロリアクター4内で原料ガスと原料物質とを反応させて気体状の反応生成物と固体状の副生成物とを得る気液反応方法であって、マイクロリアクター4内の反応流路の直径を0.1mm以上2mm以下とし、混合器5を介して反応流路内に気相成分と液相成分とを連続して供給して、当該反応流路中の全体にわたって、当該気相成分と当該液相成分とを栓状に交互に流通させるとともに、マイクロリアクター4の後段の気液分離器7において、気体状の反応生成物と副生成物を含む溶液とに気液分離して当該反応生成物を単離するものである。
(気液二相流の形態)
ここで、マイクロリアクター4内の反応流路のような微小な配管内に、気相成分と液相成分とがそれぞれ供給された場合、一般的に配管内では気液二相流が形成される。図3は、気液二相流の具体的な態様について示す断面模式図であり、(a)が気泡流、(b)がプラグ流、(c)が層状流を示している。
本実施形態の気液反応方法において、配管内を流通する気液二相流の形態としては、気体プラグ、液体プラグが交互に流れるプラグ流(plug flow)、気体プラグと液体スラグが交互に流れるスラグ流(slug flow)を適用することができる。特に、図3(b)に示すような、微小な配管の断面をほぼ満たすような大きい気体プラグを有するプラグ流又はスラグ流とし、反応流路中の全体にわたって配管内を気相成分と液相成分とを栓状に交互に流通させることにより、気液反応によって生成する固体状の副生成物が配管内を閉塞することを抑制することができる。
また、本実施形態の気液反応方法では、反応流路内にプラグ流を形成するために、気相成分の供給流量Q(standard cc/min;以下、「sccm」という)と、液相成分の供給流量Q(cc/min)とを所要の条件に制御する必要がある。同時に、気相成分中の原料ガスと液相成分中の原料物質との反応においては化学量論を保持する必要があるため、気相成分中の原料ガスの濃度(体積%)と、液相成分中の原料物質の濃度(mol/l)とを所要の条件に制御する必要がある。以下に、各流体の供給条件と、各原料流体の調整条件とを説明する。
(流体の供給条件)
先ず、本実施形態の気液反応方法に用いる気液反応装置(アミノシランの合成装置)1では、図2に示すように、T字状に分岐された混合器5に気相成分と液相成分とが供給され、混合器5内の混合流路で混合される。また、気液反応装置1は、図1に示すように、背圧弁6によって反応流路内の全体の圧力が所要の圧力に制御されている。この反応流路内の圧力によって、当該反応流路内にプラグ流を形成するための、気相成分の供給流量Qと液相成分の供給流量Qとの供給条件は異なるものとなる。
本実施形態の気液反応方法では、マイクロリアクター4の反応流路内の圧力を、ゲージ圧力で0kPa超200kPa以下に制御することが好ましい。ここで、反応流路内のゲージ圧が0kPa以下であると、気相成分を供給する際の圧力制御が難しく、しばしば液相が供給される分岐流路5bから気相が供給される分岐流路5aに向かって逆流が生ずるために好ましくない。一方、200kPaを超えると、気相が供給される分岐流路5aから液相が供給される分岐流路5bに向かって逆流が生ずるために好ましくない。これに対して、反応流路内のゲージ圧が上記範囲内であれば、気液プラグ流形態をとれる流量範囲が広くとなるために好ましい。
混合器5への気相成分の供給流量Q(図2を参照)は、反応流路内の圧力がゲージ圧力で0kPa超200kPa以下において、1sccm以上100sccm以下とすることが好ましい。ここで、供給流量Qが1sccm未満であると、気相の流速が遅すぎて気泡流となるために好ましくない。一方、100sccmを超えると、気相の流速が速くなりすぎて層状流となるために好ましくない。これに対して、供給流量Qが上記範囲内であれば、気相の流速が気液プラグ流を形成しやすくなるために好ましい。
混合器5への液相成分の供給流量Q(図2を参照)は、1cc/min以上20cc/min以下とすることが好ましい。ここで、供給流量Qが1cc/min未満であると、液相の流速が遅すぎて分離流もしくは層状流となるために好ましくない。一方、20cc/minを超えると、液相の流速が速すぎて気泡流となるために好ましくない。これに対して、供給流量Qが上記範囲内であれば、液相の流速が気液プラグ流を形成しやすくなるために好ましい。
(原料流体の調製条件)
混合器5を介してマイクロリアクター4内に供給する気相成分は、当該気相成分における原料ガスの濃度(体積%)が所要の範囲となるように、原料ガスに不活性ガスを混合して希釈して調製したものを用いることが好ましい。
具体的には、反応流路の直径をD(mm)、前記気相成分における原料ガスの体積分率の濃度をX(体積%)、前記気相成分の供給流量をQ(sccm)、前記反応流路内のゲージ圧力をP(kPa)とした際に、下記式(1)かつ下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
1≦2000Q/{3π(P+100)D}≦60 ・・・(1)
1≦(10000−100X)Q/{15π(P+100)D}≦60 ・・・(2)
原料ガスを希釈するために用いる不活性ガスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、窒素ガスやアルゴンガス等を用いることができる。
混合器5を介してマイクロリアクター4内に供給する液相成分は、当該液相成分における原料物質の濃度が0.1〜5mol/lの範囲となるように、原料物質を有機溶媒に溶解したものを用いることが好ましい。ここで、液相成分中の原料物質の濃度が0.1mol/l未満となると、反応速度が遅すぎて収率が低くなり、収率を高くしようとすればマイクロリアクターの流路が長くなり、圧力損失が大きくなりすぎるために好ましくない。一方、液相成分中の原料物質の濃度が上記範囲内であれば、反応が速すぎて閉塞することもなく、適切な速度で反応が進行してアミノシランが形成されるために好ましい。
原料物質を溶解させるために用いる有機溶媒としては、気液反応で生成する反応生成物よりも高い沸点を有するものであれば、特に限定されるものではない。このような有機溶媒としては、具体的には、例えば、ヘプタン、オクタン、デカン、o−キシレン、トルエン、p−キシレン、m−キシレン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。また、有機溶媒として、不揮発性の液体である、ヘキサフルオロリン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム等のイオン液体を用いてもよい。
上述したように、気相成分の供給流量Qと、液相成分の供給流量Q(cc/min)とを所要の条件に制御することにより、反応流路中の全体にわたって、気相成分と液相成分とを栓状に交互に流通させることができる。そして、同時に、気相成分中の原料ガスと液相成分中の原料物質との反応においては化学量論を保持することにより、マイクロリアクター4内の気液界面において、原料ガスと原料物質とが効率的に反応して、気体状の反応生成物と固体状の副生成物とが得られる。
(反応生成物の単離、精製)
次に、気液反応によって得られた反応生成物と副生成物との混合液中から、反応生成物を単離して精製する。具体的には、図1に示すように、マイクロリアクター4の後段に設けられた気液分離器7に気液反応後の混合液を送り、この気液分離器7おいて当該混合液をヒーター15で加熱する。ここで、上述したように液相に用いる有機溶媒は、目的物である反応生成物の沸点よりも高いものであるので、気液分離器7において反応混合液を加熱することにより、気体状の反応生成物と副生成物を含む溶液とに気液分離して当該反応生成物を濃縮して取り出すことができる。気液分離器を複数直列に接続する、もしくは気液分離器内に冷却による再液化と分留機能を持たせることによって、当該反応生成物を単離し、99.99%まで精製することができる。
<アミノシランの製造方法>
次に、本実施形態の気液反応方法について、アミノシランの製造方法(合成方法)を適用した場合について説明する。
具体的には、原料ガスがクロロシラン[SiCl4n−m−2(n、mは1以上の整数)]、原料物質がアルキルアミン[NHR(Rは炭素数1以上の炭化水素基、Rは水素または炭素数1以上の炭化水素基)]、反応生成物がアルキルアミノシラン及び副生成物がアルキルアミン塩酸塩となる。
図1に示すアミノシランの製造装置1においては、アミノシランを例えば窒素ガスであらかじめ希釈したものを気相成分供給源2として用いることができる。また、アルキルアミンのテトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調製したアルキルアミン−デカン溶液を液相成分供給源3として用いることができる。
ところで、従来のアミノシランの合成においては、反応に固有な副生成物として、固体のアルキルアミン塩酸塩が生じてしまい、配管内を閉塞させてしまう虞があった。また、アミノシランは、経時変化による品質劣化を管理するため、使用箇所で合成・単離・精製する必要があった。
本実施形態のアミノシランの製造方法によれば、マイクロリアクターを用いた気液反応に際し、原料気体を不活性ガスによって希釈して気相成分を、原料物質を有機溶媒に溶解して液相成分をそれぞれ調整しておき、これらの気相成分と液相成分とを同時に微細流路(マイクロリアクター)に流通させて、その中で連続反応させる。これにより、効率よく気液界面の反応が進行し、反応時間、温度を制御できるため、高い収率で目的物質であるアミノシランを得ることができる。
また、気相成分と液相成分とをそれぞれ適切な条件に制御してマイクロリアクターの反応流路に供給して流通させることにより、反応流路中の全体にわたって気液二相流をプラグ流もしくはスラグ流状態にすることができる。これにより、配管の各所で圧力変動を起こすことができるため、副生成物として生成する固体のアルキルアミン塩酸塩が配管内に体積して、当該配管が閉塞することを防ぐことができる。
さらに、液相成分を調整する際、有機溶媒として生成物であるアミノシランよりも沸点の高い溶媒を利用することにより、気液分離によって連続してアミノシランを単離・精製することできる。これにより、使用個所においてアミノシランのその場合成・単離・精製ができるため、アミノシラン製造後に保管する必要がなく、アミノシランの安定した供給が可能となる。
以上説明したように、本実施形態の気液反応方法によれば、マイクロリアクター(流路型反応器)4内の反応流路の直径Dを0.1mm以上2mm以下とし、反応流路内に気相成分と液相成分とを連続して供給して、当該反応流路中の全体にわたって、当該気相成分と当該液相成分とを栓状に交互に流通させる(すなわち、反応流路中の全体にわたって気液二相流をプラグ流もしくはスラグ流状態にする)とともに、マイクロリアクター4の後段に設けた気液分離器7において、気体状の反応生成物と副生成物を含む溶液とに気液分離して当該反応生成物を単離する構成となっている。このため、反応生成物を得る際に副生成物が生じる反応にマイクロリアクターを用いた気液反応方法を適用した場合でも、反応流路を閉塞させることなく連続して反応させることができる。
本実施形態のアミノシランの製造方法は、上述したマイクロリアクター4を用いた気液反応方法を適用するため、反応流路を閉塞させることなくアミノシランを連続して合成するができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明の気液反応方法に適用できる気液反応装置としては、上記実施形態で説明した気液反応装置1の構成に限定されるものでなく、例えば、図4に示すように、一段構成の気液分離器7にかえて、二段構成の気液分離器27A,27Bを備えた気液反応装置21を用いてもよい。また、気液分離器を3台以上設けた構成としてもよい。なお、図4に示す気液反応装置21のように、フーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)16および分析経路を省略する構成であってもよい。
また、本発明は、上記実施形態で説明したアミノシランの製造方法の構成に限定されるものではない。例えば、原料ガスがアルキルアミン[NHR(Rは炭素数1以上の炭化水素基、Rは水素または炭素数1以上の炭化水素基)]、原料物質がクロロシラン[SiCl4n−m−2(n、mは1以上の整数)]、反応生成物がアルキルアミノシラン及び副生成物がアルキルアミン塩酸塩である構成であってもよい。
さらに、上記実施形態で説明した気液反応方法では、気体状の反応生成物である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、固体状の反応生成物であってもよい。更にまた、気体状の反応生成物と副生成物を含む溶液とに気液分離して反応生成物を単離する場合について説明したが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
以下、具体例を示す。
本発明の効果を検証するために、合成システム(気液反応装置)として図1に示す構成の装置を用い、以下に示す実施例及び比較例を行った。また、気相成分と液相成分との合流部となる混合器5内の混合流路における最少の配管直径φを1mm、マイクロリアクター4の反応流路における最小の直径φを1.5mmとし、マイクロリアクター4の材質として半透明のPTFEを利用した。
<実施例1>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。半透明のマイクロリアクター内を観察し、気体(気相成分)と液体(液相成分)とが交互に栓状に流れることを確認した。
なお、気相成分(ガス)と、液相成分(溶液)との調整条件と供給流量は、下記の通りであった。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:5cc/min
上述の気液反応によって得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、核磁気共鳴(NMR)分析を用いて定量を試みた。その際、4.6ppmに現れるビス(ジメチルアミノ)シランのSi−H由来のピーク面積と3.6〜3.8ppmに現れるテトラヒドロフランのC−H由来のピーク面積との比率から収率を求めた。ここで、収率100%においては、ピーク面積比が2:101になるが、本実施例では、1.5:101であったことから、収率は70%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<実施例2>
密閉容器を用いてデカン1Lを0℃に冷却し、そこにジメチルアミンガス9gを吹き込んで0.2mol/Lジメチルアミンデカン溶液を調整した。また、ジクロロシランガスを窒素ガスによって希釈し、50体積%のジクロロシランガスを調製した。
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、上述のように調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。半透明のマイクロリアクター内を観察し、気体(気相成分)と液体(液相成分)とが交互に栓状に流れることを確認した。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:5cc/min
上述の気液反応によって得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いてビス(ジメチルアミノ)シランが生成されたことを確認した。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<実施例3>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。半透明のマイクロリアクター内を観察し、気体(気相成分)と液体(液相成分)とが交互に栓状に流れることを確認した。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:20sccm
溶液:2mol/Lターシャリーブチルアミン−テトラヒドロフラン(BTBAS)溶液をデカンで希釈して調整した、0.41mol/Lターシャリーブチルアミン−デカン溶液、流量:4cc/min
上述の気液反応によって得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みた。その際、4.5および4.7ppmに現れるビス(ターシャリーブチルアミノ)シランのSi−H由来の2本のピークの面積和と3.6〜3.8ppmに現れるテトラヒドロフランのC−H由来のピーク面積との比率から収率を求めた。収率100%においては、ピーク面積比が2:101になるが、本実施例では、1.4:101であったことから、収率は70%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<比較例1>
図2に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内の温度25℃に保ち、下記の溶液を混合して反応させた。
溶液A:ジクロロシランを冷却して液化し、デカンに溶解させて調整した、0.10mol/Lジクロロシラン−デカン溶液、流量:4cc/min
溶液B:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.41mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:4cc/min
2種の反応溶液をマイクロリアクター内に供給して1分経過したしたところで、混合部が閉塞し、液体が流通しなくなった。
<比較例2>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:100体積%ジクロロシランガス、流量:5sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:5cc/min
マイクロリアクター4の材質として半透明のPTFEを用いて、マイクロリアクター4内の気液の流通形態を観察したところ、混合開始直後は、気液が栓状に流通していたが、1分後、析出した固体によりマイクロリアクター(流路型反応器)内部で閉塞し、気体および液体が流通しなくなった。
<比較例3>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター4で反応させた。
ガス:80体積%ジクロロシラン−20体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.10mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:30cc/min
マイクロリアクター4の材質として半透明のPTFEを用いて、マイクロリアクター4内の気液の流通形態を観察したところ、混合開始直後は、気泡流状態(流体が気液交互ではなくほとんど液体の状態、図3(a)を参照)であることを確認したが、反応溶液とガスを流した1分後、混合部で閉塞し、液体が流通しなくなった。
<比較例4>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター4で反応させた。
ガス:17体積%ジクロロシラン−83体積%窒素混合ガス、流量:30sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.41mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:2cc/min
マイクロリアクター4の材質として半透明のPTFEを用いて、マイクロリアクター4内の気液の流通形態を観察したところ、混合開始直後は、層状流状態(気体が流路中心部、液体が壁面部を同時に流れる状態、図3(c)を参照))であることを確認したが、反応溶液とガスの反応によって析出した固体物質が混合部に堆積し、流通開始後1分経過した時点で、混合部が閉塞し気体が流通しなくなった。
<実施例4>
上記実施例2によって得られた反応溶液を40℃で加熱し、窒素でバブリングして、バブリング後のガスをフーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)で観測したところ、図5(a)及び図5(b)に示すスペクトルが得られた。ここで、図5(b)に示すように、波数1360cm−1のピークはデカン由来のものであり、2200cm−1のピークはビスジメチル(アミノ)シラン由来のものである。また、それぞれのピーク強度をI1360、I2200とする。それぞれのモル吸光係数をε(デカン)、ε(BDMAS)とすると、ε(デカン):ε(BDMAS)は20:220になることから、デカンの濃度を1とした場合のビス(ジメチルアミノ)シランの濃度(CBDMAS/Cデカン)は(I2200/I1360)×(20/220)で与えられ、下記表2の結果となった。なお、表2のうち、溶液中の濃度はNMRによって得られた濃度比である。
Figure 2015208718
表2に示す結果から、本発明によれば、ビス(ジメチルアミノ)シランは気相中に80倍に濃縮されることを確認した。
<比較例5>
上記実施例2において、デカンにかえてヘキサンを用いた以外は同様の条件を用い、実施例2と同様にビス(ジメチルアミノ)シランを合成後、得られた反応溶液を40℃で加熱し、窒素でバブリングして、バブリング後のガスをFT−IRで観測した。
上記実施例6と同様に、ビス(ジメチルアミノアミノ)シランおよびヘキサンの濃度を調べた結果を、下記表3に示した。
Figure 2015208718
表3に示すように、原料物質を溶解させる溶媒として、デカンにかえてヘキサンを用いた場合では、ビス(ジメチルアミノ)シランの濃縮が進まず、単離が困難であることを確認した。
<実施例5>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路(直径φ=1.5mm)で混合し、直径φ=1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。その後、気液分離器7で気体と溶液とに分けた。なお、気液分離器7の流路におけるもっとも直径の小さな箇所は、1.5mm(φ=1.5mm)であった。また、半透明のマイクロリアクター内を観察したところ、気体(気相成分)と液体(液相成分)とが交互に栓状に流れることを確認した。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:5cc/min
結果、φ≦φ≦φの関係を満たす場合では、24時間連続で合成しても反応流路のいずれも閉塞することなく、合成が実施できることを確認した。また、収率は70%であった。
<比較例6>
図1に記載の気液反応装置を用いて、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路(直径φ=1.5mm)で混合し、直径φ=1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。その後、気液分離器7で気体と溶液とに分けた。ここで、気液分離器7の入口の直径を1.0mm(φ=1.0mm)とした。また、半透明のマイクロリアクター内を観察したところ、気体(気相成分)と液体(液相成分)とが交互に栓状に流れることを確認した。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:5cc/min
反応溶液とガスを流したところ、気液分離器7の入口部分でジメチルアミン塩酸塩の固体が徐々に析出し、3分後には気体液体ともに流通しなくなった。
<実施例6>
図1に記載の気液反応装置1において、気相成分として窒素を1sccmから100sccmの流量で流通させているところに、液相成分としてデカンを1〜20cc/minの流量で同時に流通させた。マイクロリアクター4の材質として半透明のPTFEを用いて、マイクロリアクター4内の気液二相流の形態を目視で観察した。目視で観察した結果、図3(a)の場合を気泡流、図3(b)の場合をプラグ流、図3(c)の場合を層流として、分類を実施した。
なお、気液反応装置1において、背圧弁6の圧力をゲージ圧3kPa、30kPa、100kPaにした場合、それぞれ表4、表5、表6の結果となることを確認した。
Figure 2015208718
Figure 2015208718
Figure 2015208718
<実施例7>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:5sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:2cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表5によれば、プラグ流状態に相当するものである。
得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みたところ、収率は60%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<実施例8>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力100kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:20体積%ジクロロシラン−80体積%窒素混合ガス、流量:30sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.1mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:12cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表6によれば、プラグ流状態に相当するものである。
得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みたところ、収率は70%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<比較例7>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:10体積%ジクロロシラン−90体積%窒素混合ガス、流量:150sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.41mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:6cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表4によれば、層状流状態に相当するものである。
マイクロリアクター4内に反応溶液とガスを流したところ、徐々に気体が流通しなくなり、3分後には、混合部が閉塞し気体が流通しなくなった。
<比較例8>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力100kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:80体積%ジクロロシラン−20体積%窒素混合ガス、流量:0.67sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.10mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量2cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表6によれば、気泡流状態に相当するものである。
マイクロリアクター4内に反応溶液とガスを流したところ、混合部が閉塞し、液体が流通しなくなり、ビス(ジメチルアミノ)シランを得ることはできなかった。
<実施例9>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:3sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.12mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:2cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表5によれば、プラグ流状態に相当するものである。
得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みたところ、収率は60%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<比較例9>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:90体積%ジクロロシラン−10体積%窒素混合ガス、流量:3sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.21mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:2cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表5によれば、プラグ流状態に相当するものである。
マイクロリアクター4内に反応溶液とガスを流したところ、混合開始直後は、反応溶液が得られたが、1分後、析出した固体により流路型反応器内部で閉塞し、気体および液体が流通しなくなった。
<実施例10>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:50体積%ジクロロシラン−50体積%窒素混合ガス、流量:2sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.2mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:1cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表5によれば、プラグ流状態に相当するものである。
得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みたところ、収率は55%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<実施例11>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力100kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:40体積%ジクロロシラン−60体積%窒素混合ガス、流量:30sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.1mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:20cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表6によれば、プラグ流状態に相当するものである。
得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みたところ、収率は70%であった。なお、24時間連続で合成しても反応流路のいずれにも閉塞は生じなかった。
<比較例10>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力3kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:10体積%ジクロロシラン−90体積%窒素混合ガス、流量:15sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.41mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:0.6cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表4によれば、層状流状態に相当するものである。
マイクロリアクター4内に反応溶液とガスを流したところ、徐々に気体が流通しなくなり、3分後には、混合部が閉塞し気体が流通しなくなった。
<比較例11>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:80体積%ジクロロシラン−20体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.10mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:30cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表5によれば、気泡流状態に相当するものである。
マイクロリアクター4内に反応溶液とガスを流したところ、混合部で閉塞し、液体が流通しなくなり、ビス(ジメチルアミノ)シランを得ることはできなかった。
<比較例12>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力30kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:10体積%ジクロロシラン−90体積%窒素混合ガス、流量:10sccm
溶液:2mol/Lジメチルアミン−テトラヒドロフラン溶液をデカンで希釈して調整した、0.065mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:5cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表5によれば、プラグ流状態に相当するものである。
得られた反応溶液を重水素化クロロホルムで希釈し、NMR分析を用いて定量を試みたところ、収率は20%であった。
24時間連続で合成しても閉塞は生じなかったが、収率は20%であった。
<比較例13>
図1に記載の気液反応装置1において、マイクロリアクター4の材質としてSUS316を用い、反応流路内を圧力100kPa、温度25℃に保ち、下記のガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた。
ガス:75体積%ジクロロシラン−25体積%窒素混合ガス、流量:30sccm
溶液:実施例2と同様に調整した5mol/Lジメチルアミン−デカン溶液、流量:2cc/min
ここで、上記の流量条件は、実施例6の結果である表6によれば、プラグ流と層状流との遷移領域に相当するものである。
マイクロリアクター4内に反応溶液とガスを流したところ、すぐさま混合部で閉塞し、液体が流通しなくなり、ビス(ジメチルアミノ)シランを得ることはできなかった。
<実施例12>
図1に記載の気液反応装置1を用いて、反応流路内を圧力100kPa、温度25℃に保ち、下記の窒素で希釈調整したガス並びに溶液をT字型の混合器5内の混合流路で混合し、直径1.5mmのマイクロリアクター(流路型反応器)4で反応させた後、気液分離器7で気体と液体とに分離した。マイクロリアクター4の材質として半透明のPTFEを用い、当該マイクロリアクター4内の気液二相流の流通形態を観察し、気体(気相成分)と液体(液相成分)とが交互に栓状に流れることを確認した。
ガス:67体積%ジメチルアミン−33体積%窒素混合ガス、流量:30sccm
溶液:0.1mol/Lジクロロシラン−デカン溶液、流量:3cc/min
結果、24時間連続で合成しても反応流路のいずれも閉塞することなく、合成が実施できることを確認した。また、収率は70%であった。
1,21・・・気相反応装置(アミノシランの合成装置、製造装置)
2・・・気相成分供給源
3・・・液相成分供給源
4・・・マイクロリアクター(流路型反応器)
5・・・混合器
6・・・背圧弁
7,27A,27B・・・気液分離器
8・・・貯留槽
9・・・マスフローコントローラー(MFC)
10,13・・・開閉弁
11,14・・・逆止弁
12・・・液送ポンプ
15・・・ヒーター(加熱手段)
16・・・フーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)

Claims (12)

  1. 流路型反応器に、原料ガスを含む気相成分と原料物質を有機溶媒に溶解させた液相成分とを流通させ、前記流路型反応器内で前記原料ガスと前記原料物質とを反応させて反応生成物と固体状の副生成物とを得る気液反応方法であって、
    前記流路型反応器内の反応流路の直径を、0.1mm以上2mm以下とし、前記反応流路内に前記気相成分と前記液相成分とを連続して供給して、当該反応流路中の全体にわたって、当該気相成分と当該液相成分とを栓状に交互に流通させることを特徴とする気液反応方法。
  2. 前記反応流路にT字状又はY字状に分岐された混合流路を設けるとともに、前記混合流路において前記気相成分と前記液相成分とを混合することを特徴とする請求項1に記載の気液反応方法。
  3. 前記気相成分が、前記原料ガスに不活性ガスを混合して希釈したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の気液反応方法。
  4. 前記反応生成物が、気体である場合に、
    前記流路型反応器の後段において、気体状の前記反応生成物と前記副生成物を含む溶液とに気液分離して当該反応生成物を単離することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の気液反応方法。
  5. 前記反応生成物を含む溶液を、前記流路型反応器内の一部において加熱、又は当該流路型反応器の後段において加熱して、前記反応生成物を単離し、精製することを特徴とする請求項4に記載の気液反応方法。
  6. 前記混合流路における最小の直径をφとし、
    前記混合流路よりも後段の前記反応流路における最小の直径をφとし、
    前記気液分離する流路における最少の直径をφとした際に、
    φ≦φ≦φの関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の気液反応方法。
  7. 前記反応流路内の圧力を、ゲージ圧力で0kPa超200kPa以下に制御するとともに、当該圧力下において1sccm以上100sccm以下の流量で前記気相成分を前記混合流路内に連続して供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の気液反応方法。
  8. 前記反応流路の直径をD(mm)、前記気相成分における原料ガスの体積分率をX(%)、前記気相成分の供給流量をQ(sccm)、前記反応流路内のゲージ圧力をP(kPa)とした際に、
    1≦2000Q/{3π(P+100)D}≦60
    かつ
    1≦(10000−100X)Q/{15π(P+100)D}≦60
    の関係を満たすように前記気相成分を供給することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の気液反応方法。
  9. 前記液相成分が、前記原料物質の濃度が0.1〜5mol/lであり、1cc/min以上20cc/min以下の流量で前記液相成分を前記混合流路内に連続して供給することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の気液反応方法。
  10. 前記有機溶媒が、前記反応生成物よりも高い沸点を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の気液反応方法。
  11. 請求項1に記載の気液反応方法を用いてアミノシランを製造する方法であって、
    前記原料ガスがクロロシラン[SiCl4n−m−2(n、mは1以上の整数)]、前記原料物質がアルキルアミン[NHR(Rは炭素数1以上の炭化水素基、Rは水素または炭素数1以上の炭化水素基)]、前記反応生成物がアルキルアミノシラン及び前記副生成物がアルキルアミン塩酸塩であることを特徴とするアミノシランの製造方法。
  12. 請求項1に記載の気液反応方法を用いてアミノシランを製造する方法であって、
    前記原料ガスがアルキルアミン[NHR(Rは炭素数1以上の炭化水素基、Rは水素または炭素数1以上の炭化水素基)]、前記原料物質がクロロシラン[SiCl4n−m−2(n、mは1以上の整数)]、前記反応生成物がアルキルアミノシラン及び前記副生成物がアルキルアミン塩酸塩であることを特徴とするアミノシランの製造方法。
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