JP2015205479A - 空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤ Download PDF

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【課題】短冊プライ片をタイヤ周方向に隔置させてベルトプライを形成したタイヤにおいて、バンドコードに高モジュラスの有機繊維を用いた際の耐久性の低下を抑制する。【解決手段】複数の短冊プライ片17Pをタイヤ周方向に間隔を隔てて並置させることによりベルトプライ7Aを形成する工程K2と、長尺のプライテープ19をタイヤ周方向に螺旋状に巻回させることによりバンドプライ9Aを形成する工程K3とを含む。バンドコード9Cは、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランド30と、低モジュラスの有機繊維からなりかつ第1ストランド30よりも細い第2ストランド31とを撚り合わせた複合コード32からなる。【選択図】図4

Description

本発明は、短冊プライ片をタイヤ周方向に隔置させてベルトプライを形成したタイヤにおいて、バンドコードに高モジュラスの有機繊維を用いた際の耐久性の低下を抑制した空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤに関する。
高速走行用の空気入りラジアルタイヤでは、ベルト層の半径方向外側に、バンドプライからなるバンド層を設けた構造のものが広く知られている。前記バンドプライは、バンドコード又はその配列体がゴム被覆された巾狭のプライテープをタイヤ周方向に螺旋状に巻回させることにより形成される。これにより、ベルト層に対する拘束力が高められて高速耐久性が向上するとともに、トレッド剛性の増加により操縦安定性が向上する。
そして近年、車両の高性能化に伴い、タイヤの高速耐久性や操縦安定性のいっそうの改善が望まれており、そのため、バンドコードとしてアラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維等の高モジュラスの有機繊維コード(以下「高モジュラス繊維コード」という場合がある。)を採用することが提案されている。
他方、タイヤのユニフォーミティを向上させるために、剛性中子を用いたタイヤ形成方法(以下「中子工法」という場合がある。)が提案されている。前記剛性中子は、加硫済みタイヤの内腔形状に近似した外形形状を有し、この剛性中子上でタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより、生タイヤが形成される。又生タイヤは、剛性中子ごと加硫金型内に投入され、剛性中子と加硫金型との間に挟まれて加硫が行われる。
そして下記の特許文献1には、前記中子工法において、ベルトプライを精度良く形成する方法が提案されている。この方法では、図8に示すように、ベルトコードの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さの複数の短冊プライ片a1を用い、前記短冊プライ片a1を、タイヤ周方向に互いに間隔dを隔てて並置させることによりベルトプライaが形成される。
しかし、このようなベルトプライaの半径方向外側にバンドプライを形成した場合、接地の際、前記間隔dの位置で、バンドコードに圧縮歪みが局部的に発生する。そのため、もしバンドコードとして、前述の高モジュラス繊維コードを用いた場合には、この高モジュラス繊維コードが低モジュラス繊維コードよりも耐圧縮疲労性に劣るため、前記間隔dの位置で圧縮疲労を起こしてしまい、破断損傷し易くなってタイヤの耐久性を逆に低下させるという新たな問題が発生する。
特開2012−171183号公報
そこで本発明は、短冊プライ片をタイヤ周方向に隔置させてベルトプライを形成したタイヤにおいて、バンドコードに高モジュラスの有機繊維を用いた場合のバンドコードの破断損傷を抑制しうる空気入りタイヤの製造方法、及び空気入りタイヤを提供することを課題としている。
本願第1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルトプライからなるベルト層と、このベルト層の半径方向外側に配されるバンドプライからなるバンド層とを具える空気入りタイヤの製造方法であって、
フォーマ上で、ベルトコードの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さの複数の短冊プライ片を、タイヤ周方向に互いに間隔を隔てて並置させることによりベルトプライを形成するベルトプライ形成工程と、
前記ベルトプライ上で、バンドコード又はその配列体がゴム被覆された巾狭かつ長尺のプライテープを、タイヤ周方向に螺旋状に巻回させることによりバンドプライを形成するバンドプライ形成工程とを含むとともに、
前記バンドコードは、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランドと、低モジュラスの有機繊維からなりかつ前記第1ストランドよりも細い第2ストランドとを撚り合わせた複合コードからなることを特徴としている。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記高モジュラスの有機繊維はアラミド繊維であり、前記低モジュラスの有機繊維はナイロン繊維であることが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記バンドコードは、複数本の第1ストランドと1本の第2ストランドとからなることが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記ベルトプライは、タイヤ周方向で隣り合う冊プライ片間のタイヤ赤道上での間隔Dcが、3.1mm以下であることが好まし。
本願第2の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルトプライからなるベルト層と、このベルト層の半径方向外側に配されるバンドプライからなるバンド層とを具える空気入りタイヤであって、
前記ベルトプライは、ベルトコードの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さの複数の短冊プライ片が、タイヤ周方向に互いに間隔を隔てて並置されることにより形成され、 かつ前記バンドプライは、バンドコード又はその配列体がゴム被覆された巾狭かつ長尺のプライテープが、タイヤ周方向に螺旋状に巻回されることにより形成されるとともに、 前記バンドコードは、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランドと、低モジュラスの有機繊維からなりかつ前記第1ストランドよりも細い第2ストランドとを撚り合わせた複合コードからなることを特徴としている。
本発明は叙上の如く、複数の短冊プライ片を、タイヤ周方向に互いに間隔を隔てて並置することによりベルトプライを形成している。
そのため、特許文献1の場合と同様、巾広帯状のプライ材料を一周巻きしてベルトプライを形成する際のステッチダウンが不要となり、該ステッチダウンに起因するプライ材料の皺や波打ちなどの歪みを抑制できる。しかもタイヤ周方向で隣り合う短冊プライ片同士を離間させることで、段差状の重なりが排除される。そのため、この重なりに起因する剛性の不均一化も抑制され、前記歪みの抑制と相俟ってユニフォミティの向上を達成しうる。
しかし前記構造のベルトプライの場合、その外側にバンドプライを形成した際、接地時に、短冊プライ片間の間隔の位置で、バンドコードに圧縮歪みが局部的に発生するという特有の問題が生じる。この圧縮歪は、バンドコードがナイロンコード等の低モジュラス繊維コードの場合には、特に問題はない。しかし、高モジュラス繊維コードを用いた場合には、この高モジュラス繊維コードが耐圧縮疲労性に劣るため、前記間隔の位置で圧縮疲労を起こしてしまい、破断損傷し易くなってタイヤの耐久性を逆に低下させるという問題が発生する。
そこで本発明ではバンドコードとして、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランドと、低モジュラスの有機繊維から第2ストランドとを撚り合わせた複合コードを使用している。これにより、圧縮疲労に起因するバンドコードの破断損傷を抑制することが可能になる。そのメカニズムとして以下の如く推測される。例えば、第1ストランド同士で撚り合わせた高モジュラス繊維コードの場合、圧縮歪みによってストランド間で生じるフィラメント同士の擦れが大きくなり、フィラメントがフレッティングを起こしてコード強度を低下させる。これに対して、第2ストランドを介在させることで、フレッティングが緩和され、コード強度の低下が抑えられると推測される。この効果は、第2ストランドが介在すれば、第1ストランドが複数本であっても発揮される。
この第2ストランドは、フレッティングの抑制のために用いられるため、第1ストランドよりも小径のものが使用される。
本発明の製造方法によって形成された空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 生タイヤ形成工程を示す断面図である。 (A)〜(D)はカーカスプライ形成ステップを説明する概念図である。 (A)〜(C)はベルトプライ形成ステップを説明する概念図である。 (A)〜(C)はバンドプライ形成ステップを説明する概念図である。 複合コードを示す斜視図である。 (A)、(B)は本発明の他の製造方法を説明する概念図である。 従来のベルトプライの一例を示す斜視図である。 圧縮疲労テストを説明する概念図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法によって形成された空気入りタイヤ1の一例を示す断面図である。図1において、前記空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつ前記トレッド部2の内部に配されるベルト層7と、該ベルト層7の半径方向外側に配されるバンド層9とを具える。
前記カーカス6は、カーカスコードをラジアル配列させた少なくとも1枚、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、ビード部4、4間を跨るトロイド状をなすとともに、その両端は、本例の場合、ビード部4に配されるビードコア5の廻りで折り返されることなく該ビードコア5内に挟まれて係止される。具体的には、前記ビードコア5は、タイヤ軸方向内外のコア片5i、5oからなり、この内外のコア片5i、5o間で前記カーカスプライ6Aの両端部が狭持される。
前記内外のコア片5i、5oは、非伸張性のビードワイヤをタイヤ周方向に渦巻き状に巻き付けることにより形成される。これにより、ビードワイヤの総巻回数を規制しながらカーカスプライ6Aの吹き抜け抑制効果を高めている。図中の符号8は、ゴム硬度が例えば80〜100度の硬質のゴムからなるビードエーペックスであり、各コア片5i、5oから先細状に立ち上がり、ビード剛性を高める。本明細書においてゴム硬度は、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより、23℃の環境下で測定したデュロメータA硬さを意味する。
前記ベルト層7は、例えばスチール製のベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列した少なくとも1枚、本例では2枚のベルトプライ7A、7Aから形成される。このベルト層7は、各ベルトコードがベルトプライ7A、7A間相互で交差することにより曲げ剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強する。
又前記バンド層9は、タイヤ周方向に螺旋状に巻回するバンドコードを有する少なくとも1枚、本例では1枚のバンドプライ9Aから形成される。
次に、前記空気入りタイヤ1の製造方法を説明する。前記製造方法として、本例では中子工法が採用される。具体的には、図2に略示するように、剛性中子20上でタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより、生タイヤ1Nを前記空気入りタイヤ1に近い形状で形成する生タイヤ形成工程Kと、この生タイヤ1Nを、前記剛性中子20ごと加硫金型内に投入して加硫成形する加硫工程(図示しない。)とを具える。
前記生タイヤ形成工程Kでは、剛性中子20上でカーカスプライ6Aを形成するカーカスプライ形成工程K1(図3に示す。)と、カーカスプライ6A上でベルトプライ7Aを形成するベルトプライ形成工程K2(図4に示す。)と、ベルトプライ7A上でバンドプライ9Aを形成するバンドプライ形成工程K3(図5に示す。)とを含む。本例では、フォーマ21として前記剛性中子20が使用され、従って、ベルトプライ7Aは、フォーマ21上で、カーカスプライ6Aを介して形成されることになる。
本例のカーカスプライ形成工程K1では、図3(A)に示すように、長さ方向に引き揃えたカーカスコード6Cの配列体をトッピングゴムにて被覆した巾狭かつ長尺のカーカス用のプライテープ16が用いられる。このプライテープ16を、所定長さL1で順次切断することにより、カーカスコード6Cの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さL1の複数の短冊プライ片16Pが形成される。
図3(B)、(C)に示すように、各前記短冊プライ片16Pは、カーカスコード6Cがタイヤ周方向に対して略90°となる向きで、剛性中子20上で、タイヤ周方向に順次貼り付けられる。これにより、カーカスプライ6Aが形成される。本例では図3(D)に示すように、タイヤ周方向で隣り合う短冊プライ片16P、16P同士が、互いに重なり部Gを有して配される場合が示される。そしてタイヤ赤道Co上での重なり巾Wg、及びタイヤ周方向の貼り付け枚数nなどを調整することにより、カーカスプライ6Aを、複数のタイヤサイズに適合させている。なお要求により、タイヤ赤道Co側において、隣り合う短冊プライ片16P、16P間に間隔を設けることもできる。カーカスコード6Cとして、例えばポリエステルコード等の従来のものが好適に採用しうる。
本例のベルトプライ形成工程K2では、図4(A)に示すように、長さ方向に引き揃えたベルトコード7Cの配列体をトッピングゴムにて被覆した巾狭かつ長尺のベルト用のプライテープ17が用いられる。このプライテープ17を、長さ方向に対して例えば10〜35゜の角度θで、かつ所定長さL2で順次切断することにより、ベルトコード7Cの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さL2の複数の短冊プライ片17Pが形成される。
図4(B)に示すように、各前記短冊プライ片17Pは、そのベルトコード7Cがタイヤ周方向に対して前記角度θと等しい角度となる向きにて、剛性中子20上で、タイヤ周方向に順次貼り付けられる。これによりベルトプライ7Aが形成される。このとき、各短冊プライ片17Pは、タイヤ周方向に互いに間隔Dを隔てて並置される。この間隔Dは、タイヤ赤道Co側からベルト端7E側に向かって漸減する。これにより、タイヤ赤道Co側とベルト端7E側との間の周長差を吸収でき、皺や波打ちなどの歪みの発生を抑制できる。又タイヤ周方向で隣り合う短冊プライ片17P同士の重なり部を排除しているため、この重なり部に起因する剛性の不均一化も抑制でき、前記歪みの抑制と相俟ってユニフォミティの向上を達成しうる。なおベルト端7Eでは前記間隔Dは無くても良い。
前記短冊プライ片17Pの貼り付け方法として、図4(C)に示すように、剛性中子20をその軸心20i廻りで回転させながら、該剛性中子20をその軸心20i方向に平行移動させ、短冊プライ片17Pをリード角α(≒θ)にてタイヤ周方向に螺旋巻きすることにより行いうる。具体的には、短冊プライ片17Pを、その長さ方向Yに沿って一定速度で供給する。又剛性中子20は、そのタイヤ赤道Coが前記長さ方向Yに対して前記角度θと実質的に等しい角度αとなる傾斜状態で支持される。そして前記剛性中子20を、その軸心20i廻りで一定速度V1(周速度)で回転させながら、その軸心20i方向に一定速度V2で平行移動させる。このとき、比V2/V1= tanα とすることにより、短冊プライ片17Pをタイヤ周方向に対して前記角度αで傾けて貼り付けできる。なお貼り付け方法としては、手動による手貼りであっても良い。
本例のバンドプライ形成工程K3では、図5(A)に示すように、バンドコード9C、又はバンドコード9Cを長さ方向に引き揃えた配列体をトッピングゴムにて被覆した巾狭かつ長尺のバンド用のプライテープ19が用いられる。図5(B)、(C)に示すように、前記プライテープ19は、前記ベルトプライ7A上で、タイヤ周方向に螺旋状に巻回され、これによりバンドプライ9Aが形成される。
このときバンドコード9Cは、図6に示すように、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランド30と、低モジュラスの有機繊維からなりかつ前記第1ストランド30よりも細い第2ストランド31とを撚り合わせた複合コード32から形成される。ベルト層7への拘束力を高める観点から、本例の如く、複数本(例えば2本)の第1ストランド30と、1本の第2ストランド31とを撚り合わすことが好ましい。
ここで、ベルトプライ7Aが前記構造をなす場合、タイヤが接地する際、前記間隔Dの位置で、バンドコード9Cに圧縮歪みが発生する。そのため、もしバンドコード9Cとして、第1ストランド30のみを撚り合わせた従来的な高モジュラス繊維コードを用いた場合、前記間隔Dの位置で圧縮疲労を起こしてしまい、破断損傷し易くなる。
これに対して、前記複合コード32の場合、第2ストランド31が介在することで、圧縮疲労に起因する破断損傷を抑制することが可能になる。
表1に、本発明者が行った、複合コード32と非複合コードとの圧縮疲労試験の結果を示す。複合コード32は、アラミド繊維からなる2本の第1ストランド30とナイロン繊維からなる1本の第2ストランド31とを撚り合わせた本発明に係わるコードである。又非複合コードはアラミド繊維からなる2本の第1ストランド30のみを撚り合わせた従来的な高モジュラス繊維コードである。表1に示されるように、非複合コードにおける圧縮疲労テスト後の強度保持率が15%であったものが、複合コード32では、強度保持率が30%にまで向上されるのが確認できる。
Figure 2015205479
なお圧縮疲労テストは、図9に示すように、サンプルコードAを2層並べたゴムシートBを作成する。各層ともコードAの打ち込み密度(エンド数)は一定。そして前記ゴムシートBを円柱状の試験台Cにて2時間擦りつけることで、内側層のコードに圧縮歪みを繰り返し作用させる。テスト条件は、ストローク45mm、荷重340N、37500サイクル。
なお強度保持率が向上するメカニズムとして以下の如く推測される。例えば、第1ストランド30のみで形成された従来的な高モジュラス繊維コードの場合、圧縮歪みによってストランド間で生じるフィラメント同士の擦れが大きくなり、フィラメントがフレッティングを起こしてコード強度を低下させる。これに対して、第2ストランド31が介在することで、フレッティングが緩和され、コード強度の低下が抑えられると推測される。この効果は、表1の如く第2ストランド31が介在すれば、第1ストランド30が複数本(例えば2本)であっても発揮される。
従って複合コード32では、第1ストランド30による高モジュラスにより高い拘束力が発揮され、優れた操縦安定性をうることができる。又破断損傷の抑制により、高速耐久性を含むタイヤの耐久性を高く確保することが可能となる。
なお前記第2ストランド31は、フレッティングの緩和抑制のために用いられる。そのため、複合コード32に占める第2ストランド31の割合が少ない方が、複合コード32の太さ当たりのモジュラスを高めて拘束力を向上させる上で好ましい。そのため、第2ストランド31の総繊度を、複合コード32の総繊度の40%以下、さらには25%以下とするのが好ましい。
各ストランド30、31の下撚り方向及び下撚り数、並びに上撚り方向及び上撚り数は、特に規制されるものではなく、慣例に従って適宜定めることができる。又複数本の第1ストランド30と1本の第2ストランド31とを撚り合わす場合、例えば複数本の第1ストランド30同士を予め撚り合わせて1本の中間ストランドを形成し、この中間ストランドと第2ストランド31と撚り合わせて複合コード32を形成することもできる。
第1ストランド30をなす前記高モジュラスの有機繊維として、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維等を挙げることができ、特にモジュラスが高いアラミド繊維が好適に採用される。又第2ストランド31をなす前記低モジュラスの有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等を挙げることができ、特に耐摩耗性に優れるナイロン繊維が好適に採用される。
他方、前記複合コード32においても、耐圧縮疲労性には限界があり、短冊プライ片17P、17P間の間隔Dが大きすぎる場合には、圧縮歪み自体が大きくなって破断損傷を十分抑制することができなくなる。本発明者の実験の結果、従来的な高モジュラス繊維コードの場合、前記間隔Dcが0.4mmを越えると破断損傷がし易くなる。従って、従来的な高モジュラス繊維コードの場合には、破断損傷を抑制するためには間隔Dcを0.4mm以下に減じる必要があり、生産時のバラツキを考慮すると、短冊プライ片17Pによってベルトプライ7Aを形成することは実質的に難しい。これに対して、前記複合コード32を用いた場合、間隔Dcの範囲を3.1mmまで広げることが可能となり、ベルトプライ7Aの形成を容易に行うことが可能となる。なお間隔Dcは、2.2mm以下がより好ましい。
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、中子方法に限定されるものではなく、例えば図7(A)に模式的に示すように、トレッド部2と、それ以外の部位である台タイヤ10とを別々に作成し、これらをシェーピングドラムF上でドッキングさせることで生タイヤ1Nを形成する従来的方法も採用しうる。この場合、図7(B)に示すように、トレッド形成ドラム11がフォーマ21を構成し、ベルトプライ7Aがフォーマ21上に直接形成されることになる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す内部構造を有する空気入りタイヤ(タイヤサイズ245/45R18)を、図3〜5に示すカーカスプライ形成工程K1と、ベルトプライ形成工程K2と、バンドプライ形成工程K3)とを含む製造方法に基づいて表2の仕様にて試作した。そして各試供タイヤの操縦安定性、耐久性能(バンドコード破断性)についてテストし、互いに比較した。表2に記載以外は実質的に同仕様である。カーカス、ベルト層、バンド層の共通仕様は、以下の通りである。
・カーカス
プライ数:2枚、
カーカスコード:1100dtex/2(PET)、
コード角:90度、
・ベルト層
プライ数:2枚、
ベルトコード:1×3×0.27HT(スチール)、
コード角:+20度/−20度、
短冊プライ片の巾W:28mm
短冊プライ片間の間隔Dc:表2の通り
・バンド層
プライ数:1枚(フルバンド)、
バンドコード:表1の通り、
(1)操縦安定性:
タイヤをリム(18×8J)、内圧(230kPa)にて乗用車(国産4300cc、FR車)の全輪に装着し、ドライアスファルトのタイヤテストコースを走行したときに操縦安定性を比較例1を100とする指数で表示した。数値が大なほど優れている。
(2)耐久性能:
ドラム試験機を用い、タイヤをリム(18×8J)、内圧(80pKa)、荷重(正規荷重)の条件にて、ドラム上を速度60km/hにて4万km走行させた。走行後、タイヤを解体して、バンドコードの破断状況を目視によって確認した。評価は、破断がない場合を◎、破断箇所が5箇所以下の場合を○、破断箇所が5箇所を越え10箇所以下の場合を△、破断箇所が10箇所を越える場合を×としている。なお括弧内は、破断箇所の「個数」、或いは状況を示し、「散発的」とは破断箇所が10箇所以上で全体の70%未満の隙間で破断している。「全周」とは破断箇所が10箇所以上で全体の70%以上の隙間で破断している。
Figure 2015205479
表2に示すように、比較例の場合、破断損傷を抑制するためには間隔Dcを1.3mm以下に減じる必要があるのに対して、実施例では、バンドコードの耐圧縮疲労性が向上し、間隔Dcを約3.1mmまで広げることが可能となるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
6 カーカス
7 ベルト層
7A ベルトプライ
7C ベルトコード
9 バンド層
9A バンドプライ
9C バンドコード
17P 短冊プライ片
19 プライテープ
21 フォーマ
30 第1ストランド
31 第2ストランド
32 複合コード
D 間隔
K2 ベルトプライ形成工程
K3 バンドプライ形成工程

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルトプライからなるベルト層と、このベルト層の半径方向外側に配されるバンドプライからなるバンド層とを具える空気入りタイヤの製造方法であって、
    フォーマ上で、ベルトコードの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さの複数の短冊プライ片を、タイヤ周方向に互いに間隔を隔てて並置させることによりベルトプライを形成するベルトプライ形成工程と、
    前記ベルトプライ上で、バンドコード又はその配列体がゴム被覆された巾狭かつ長尺のプライテープを、タイヤ周方向に螺旋状に巻回させることによりバンドプライを形成するバンドプライ形成工程とを含むとともに、
    前記バンドコードは、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランドと、低モジュラスの有機繊維からなりかつ前記第1ストランドよりも細い第2ストランドとを撚り合わせた複合コードからなることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記高モジュラスの有機繊維はアラミド繊維であり、前記低モジュラスの有機繊維はナイロン繊維であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記バンドコードは、複数本の第1ストランドと1本の第2ストランドとからなることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記ベルトプライは、タイヤ周方向で隣り合う短冊プライ片間のタイヤ赤道上での間隔Dcが、3.1mm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルトプライからなるベルト層と、このベルト層の半径方向外側に配されるバンドプライからなるバンド層とを具える空気入りタイヤであって、
    前記ベルトプライは、ベルトコードの配列体がゴム被覆された巾狭かつ所定長さの複数の短冊プライ片が、タイヤ周方向に互いに間隔を隔てて並置されることにより形成され、 かつ前記バンドプライは、バンドコード又はその配列体がゴム被覆された巾狭かつ長尺のプライテープが、タイヤ周方向に螺旋状に巻回されることにより形成されるとともに、 前記バンドコードは、高モジュラスの有機繊維からなる第1ストランドと、低モジュラスの有機繊維からなりかつ前記第1ストランドよりも細い第2ストランドとを撚り合わせた複合コードからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
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