JP2011168095A - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】右旋回時と左旋回時のトラクション性能の差を無くして旋回性能を向上させうる自動二輪車用タイヤを提供する。
【解決手段】バンド層7は、タイヤ軸芯を水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道Cよりも左側に配される第1のバンドプライ片7Aと、右側に配される第2のバンドプライ片7Bとからなる。第1、第2のバンドプライ片7Aは、第1、第2のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて螺旋状に巻回させた。第1のバンドストリップのスチールコードは、S撚りコードとし、かつ第2のバンドストリップのスチールコードは、Z撚りコードとした。
【選択図】図2
【解決手段】バンド層7は、タイヤ軸芯を水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道Cよりも左側に配される第1のバンドプライ片7Aと、右側に配される第2のバンドプライ片7Bとからなる。第1、第2のバンドプライ片7Aは、第1、第2のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて螺旋状に巻回させた。第1のバンドストリップのスチールコードは、S撚りコードとし、かつ第2のバンドストリップのスチールコードは、Z撚りコードとした。
【選択図】図2
Description
本発明は、スチールコードをトッピングゴム中に埋設したバンドストリップを螺旋状に巻回することによりバンド層を形成した自動二輪車用タイヤにおいて、前記スチールコードの配列乱れを抑えて旋回性能を向上させる自動二輪車用タイヤに関する。
高速安定性が重要視される自動二輪車用タイヤでは、カーカスの半径方向外側に、バンドコードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回させた所謂パラレル構造のバンド層を形成したものが多用されている。そして近年、特に大型の自動二輪車用タイヤにおいては、旋回走行に際してのタイヤ剛性不足を補い、旋回時のトラクションを十分に確保するために、前記バンドコードとして有機繊維コードに代えてスチールコードを採用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
ここで、前記パラレル構造のバンド層は、一般に、互いに平行に引き揃えられたバンドコードをトッピングゴム中に埋設した小巾帯状のバンドストリップを螺旋状に巻回することにより形成される。そして従来においては、巻回時間を短縮させるため、図8(A)に示すように、2本の同一のバンドストリップaを用い、例えば一方のバンドストリップを、一方のトレッド端側b1からタイヤ赤道側b2まで巻回させ、かつ他方のバンドストリップaを、タイヤ赤道側b2から他方のトレッド端側b3まで同方向に巻回させている。
しかしながら、自動二輪車用タイヤでは、トレッド曲率半径が四輪車用タイヤに比して小である。そのため、小なトレッド曲率半径に沿って螺旋状に巻回されたバンドストリップaでは、図8(B)に示すように、トレッド端側のコードfがその巻回直径d1を、タイヤ赤道側のコードfの巻回直径d2と同径に戻そうとする向きのモーメントM1が強く発生する。さらにバンドコードfにスチールコードを採用した場合、バンドストリップaにはコードfの撚りを戻そうとする向きのモーメントM2も強く発生する。
そのため、タイヤ赤道Cの一方側(図8(A)では左側)に配されるバンドプライe1では、前記モーメントM1とモーメントM2とが逆向きに作用して打ち消し合うため特に問題は生じないが、タイヤ赤道Cの他方側(図8(A)では右側)に配されるバンドプライe2では、前記モーメントM1とモーメントM2とが同向きに作用して加算されるため、特にトレッドショルダ領域において、バンドストリップaのトレッド端側の側縁が浮き上がって段差状に変形するなどコード配列に乱れが発生する。その結果、右旋回、左旋回のトラクション性能に差異が生じて旋回性能を低下させるという問題が生じる。
そこで本発明は、一方のバンドストリップに上撚りをS撚りとしたスチールコードを用い、かつ他方のバンドストリップに上撚りをZ撚りとしたスチールコードを用いることを基本として、タイヤ赤道両側のバンドプライにおいて、モーメントM1とモーメントM2とを逆向きに作用させることができ、コード配列乱れを抑制し、右旋回時と左旋回時のトラクション性能の差を無くして旋回性能を向上させうる自動二輪車用タイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるバンド層とを具える自動二輪車用タイヤであって、
前記バンド層は、タイヤ軸芯を水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道よりも左側に配される第1のバンドプライ片と、タイヤ赤道よりも右側に配される第2のバンドプライ片からなり、
しかも前記第1のバンドプライ片は、小巾帯状の第1のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて、タイヤ赤道側の始端部からトレッド端側の終端部まで螺旋状に巻回させることにより形成され、
かつ前記第2のバンドプライ片は、小巾帯状の第2のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて、タイヤ赤道側の始端部からトレッド端側の終端部まで螺旋状に巻回させることにより形成される一方、
前記第1、第2のバンドストリップは、互いに平行に引き揃えられかつトッピングゴム中に埋設されたバンドコード有し、かつ各前記バンドコードは、複数本の素線を下撚りにて撚り合わせたストランドの複数本を上撚りにて撚り合わせたスチールコードからなるとともに、
前記第1のバンドストリップのスチールコードは、少なくとも前記上撚りをS撚りとしたS撚りコードとし、かつ第2のバンドストリップのスチールコードは、少なくとも前記上撚りをZ撚りとしたZ撚りコードとしたことを特徴としている。
前記バンド層は、タイヤ軸芯を水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道よりも左側に配される第1のバンドプライ片と、タイヤ赤道よりも右側に配される第2のバンドプライ片からなり、
しかも前記第1のバンドプライ片は、小巾帯状の第1のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて、タイヤ赤道側の始端部からトレッド端側の終端部まで螺旋状に巻回させることにより形成され、
かつ前記第2のバンドプライ片は、小巾帯状の第2のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて、タイヤ赤道側の始端部からトレッド端側の終端部まで螺旋状に巻回させることにより形成される一方、
前記第1、第2のバンドストリップは、互いに平行に引き揃えられかつトッピングゴム中に埋設されたバンドコード有し、かつ各前記バンドコードは、複数本の素線を下撚りにて撚り合わせたストランドの複数本を上撚りにて撚り合わせたスチールコードからなるとともに、
前記第1のバンドストリップのスチールコードは、少なくとも前記上撚りをS撚りとしたS撚りコードとし、かつ第2のバンドストリップのスチールコードは、少なくとも前記上撚りをZ撚りとしたZ撚りコードとしたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記S撚りコードは前記上撚りと下撚りとをS撚りとし、かつ前記Z撚りコードは前記上撚りと下撚りとをZ撚りとしたことを特徴としている。
本発明は叙上の如く、バンド層を、タイヤ軸芯を水平としたトレッド面側から見た正面視において、第1のバンドストリップを、タイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて螺旋状に巻回させることにより形成したタイヤ赤道よりも左側に配される第1のバンドプライ片と、第2のバンドストリップを、タイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて螺旋状に巻回させることにより形成したタイヤ赤道よりも右側に配される第2のバンドプライ片とにより形成している。
そして、第1のバンドストリップに用いるバンドコードとして、少なくとも上撚りをS撚りとしたスチールコードを採用するとともに、第2のバンドストリップに用いるバンドコードとして、少なくとも上撚りをZ撚りとしたスチールコードを採用している。
このように構成することにより、第1、第2のバンドストリップの双方において、スチールコードの撚りに起因するモーメントM2を、バンドストリップが同径に戻ろうとする向きのモーメントM1に対して打ち消し合う向きに作用させることができる。その結果、バンドコードのコード配列の乱れを抑制でき、右旋回時と左旋回時のトラクション性能の差を無くして旋回性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は、タイヤ軸芯iを水平としてサイドウォール3側から見た側面視のタイヤ1を示し、図2は前記図1のA−A断面図、即ちタイヤ軸芯iを水平としてトレッド面2S側から見た正面視のタイヤ1を、タイヤ軸芯iを通る垂直面Sで切断した時の断面の正面側から見た断面図である。
図2において、本実施形態の自動二輪車用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるバンド層7とを具える。なお前記トレッド部2は、タイヤ赤道Cからトレッド端Teに向かって凸円弧状に湾曲してのびるトレッド面2Sを有し、前記トレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向距離であるトレッド巾TWがタイヤ最大巾をなすことにより、大きなバンク角での旋回走行を可能としている。
前記カーカス6は、例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維のカーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば60〜90°の角度で配列した1〜4枚、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るトロイド状のプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを有する。又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に向かって先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配置されている。
次に、前記バンド層7は、タイヤ軸芯iを水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道Cよりも左側に配される第1のバンドプライ片7Aと、タイヤ赤道Cよりも右側に配される第2のバンドプライ片7Bとから形成される。本例では、第1、第2のバンドプライ片7A、7Bが、タイヤ赤道C上で距離Dを隔てて離間している場合が示されているが、前記距離Dを0として互いに接して形成することが望ましい。なお前記距離Dは、直進走行性の観点から最大3.0mm以下にする必要がある。又第1、第2のバンドプライ片7A、7Bの外端間のタイヤ軸方向距離であるバンド巾BWは、前記トレッド巾TWの80〜95%の範囲が好ましく、これによりトレッド部2の略全巾をタガ効果を有して補強し、高速安定性と旋回性能とを高めている。
又前記第1のバンドプライ片7Aは、前記正面視においてタイヤの下方側Lから後方側Rを通って上方側Uに至る巻回方向K(図1に示す)にて、図3に略示するように、小巾帯状の第1のバンドストリップ10Aを、タイヤ赤道C側の始端部PA1からトレッド端Te側の終端部PA2まで螺旋状に巻回させることにより形成される。又第2のバンドプライ片7Bも同様に、前記正面視においてタイヤの下方側Lから後方側Rを通って上方側Uに至る巻回方向K(図1に示す)にて、小巾帯状の第2のバンドストリップ10Bを、タイヤ赤道C側の始端部PB1からトレッド端Te側の終端部PB2まで螺旋状に巻回させることにより形成される。なお図3には、螺旋の方向(タイヤ赤道側→トレッド端側)を明瞭とするため、バンドストリップの側縁部同士を重ね合わせて螺旋巻きした場合が例示されているが、バンドストリップは、その側縁部の端面同士を突き合わせて螺旋巻きすることも、又側縁部の端面同士を互いに離間させて螺旋巻きすることもできる。
ここで、前記第1のバンドストリップ10Aは、図4(A)に示すように、互いに平行に引き揃えられ、かつトッピングゴムG中に埋設された第1のバンドコード11Aを有し、又第2のバンドストリップ10Bは、図4(B)に示すように、互いに平行に引き揃えられ、かつトッピングゴムG中に埋設された第2のバンドコード11Bを有する。各第1、第2のバンドコード11A、11Bは、図5に示すように、複数(m)本の素線12を下撚りにて撚り合わせたストランド13の複数(n)本を、さらに上撚りにて撚り合わせたn×m構造のスチールコードから形成される。同図には、3本の素線12を撚り合わせたストランド13の3本をさらに撚り合わせた3×3構造のスチールコードが例示されている。
そして前記第1、第2のバンドコード11A、11Bの相違点は、図6(A)、(B)に示すように、第1のバンドコード11Aが、少なくとも前記上撚りをS撚りとしたS撚りコード16Aであるのに対して、第2のバンドコード11Bが、少なくとも前記上撚りをZ撚りとしたZ撚りコード16Bであることである。このS撚りコード16Aでは、コードの撚りを戻そうとする左回りのモーメントM2aが発生し、又前記Z撚りコード16Bでは、コードの撚りを戻そうとする右回りのモーメントM2bが発生する。
従って、第1のバンドプライ片7Aでは、図7(A)に示すように、S撚りコード16Aによる撚りを戻そうとする向きのモーメントM2aを、トレッド曲率半径に起因して第1のバンドストリップ10Aが同径に戻ろうとする向きのモーメントM1aに対して打ち消し合う向きに作用させることができる。他方、第2のバンドプライ片7Bにおいても、図7(B)に示すように、Z撚りコード16Bによる撚りを戻そうとする向きのモーメントM2bを、トレッド曲率半径に起因して第2のバンドストリップ10Bが同径に戻ろうとする向きのモーメントM1bに対して打ち消し合う向きに作用させることができる。即ち第1、第2のバンドプライ片7A、7Bの双方で、バンドコードのコード配列の乱れを抑制することが可能となり、右旋回時と左旋回時のトラクション性能の差を無くして旋回性能を向上させることができる。
そのためには、S撚りコード16Aでは前記上撚りと下撚りとを共にS撚りとし、かつZ撚りコード16Bでは前記上撚りと下撚りとを共にZ撚りとし、前記モーメントM2a、M2bをより大きく発生させて、前記モーメントM1a、M1bとの差を減じることが好ましい。
なお右旋回、左旋回でのトラクション性能の差を無くすために、前記S撚りコード16AとZ撚りコード16Bとは、撚り方向のみが相違し、それ以外、例えば撚り数、素線の材質、素線径、素線の本数、ストランドの本数などは全て同構成で形成される。又第1、第2のバンドストリップ10A、10Bにおいても、それぞれ前述のS撚りコード16A、Z撚りコード16Bコードを採用する以外、例えばストリップの巾、コードの埋設ピッチなどは全て同構成で形成され、又第1、第2のバンドストリップ10A、10Bは、同じ螺旋ピッチにて、タイヤ赤道両側に巻回される。
自動二輪車用タイヤ1では、前記バンド層7とカーカス6との間に、有機繊維のブレーカコードをタイヤ周方向に対して例えば60〜90°の角度で配列した1、2枚のブレーカプライを配することもできる。このブレーカプライとしては、前記カーカスプライ6Aと同じプライ材料が好適に使用できる。
又本発明の前記自動二輪車用タイヤ1を背面側から見た場合、即ち図1の後方側Rを正面として正面視した場合、前記第1のバンドプライ片7Aは、タイヤ赤道Cよりも右側に現れ、かつ第1のバンドストリップ10Aの前記巻回方向Kは、タイヤの下方側Lから前方側を通って上方側Uに至る方向として現れる。又前記第2のバンドプライ片7Bは、タイヤ赤道Cよりも左側に現れ、かつ第2のバンドストリップ10Bの前記巻回方向Kも、タイヤの下方側Lから前方側を通って上方側Uに至る方向として現れる。
従って、本発明は、バンド層7が、タイヤ軸芯iを水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道Cよりも右側に配される第1のバンドプライ片7Aと、タイヤ赤道Cよりも左側に配される第2のバンドプライ片7Bとからなり、
しかも第1のバンドプライ片7Aが、第1のバンドストリップ10Aを、前記正面視においてタイヤの下方側Lから前方側を通って上方側Uに至る巻回方向Kにて、タイヤ赤道側の始端部PA1からトレッド端側の終端部PA2まで螺旋状に巻回させることにより形成され、
かつ前記第2のバンドプライ片7Bが、第2のバンドストリップ10Bを、前記正面視においてタイヤの下方側Lから前方側を通って上方側Uに至る巻回方向Kにて、タイヤ赤道側の始端部PB1からトレッド端側の終端部PB2まで螺旋状に巻回させることにより形成される一方、
前記第1、第2のバンドストリップ10A、10Bが、互いに平行に引き揃えられかつトッピングゴムG中に埋設されたバンドコード11有し、かつ各前記バンドコード11が、複数本の素線12を下撚りにて撚り合わせたストランド13の複数本を上撚りにて撚り合わせたスチールコードからなるとともに、
前記第1のバンドストリップ10Aのスチールコードを、少なくとも前記上撚りをS撚りとしたS撚りコード16Aとし、かつ第2のバンドストリップ10Bのスチールコードを、少なくとも前記上撚りをZ撚りとしたZ撚りコード16Bとした自動二輪車用タイヤとは同一である。
しかも第1のバンドプライ片7Aが、第1のバンドストリップ10Aを、前記正面視においてタイヤの下方側Lから前方側を通って上方側Uに至る巻回方向Kにて、タイヤ赤道側の始端部PA1からトレッド端側の終端部PA2まで螺旋状に巻回させることにより形成され、
かつ前記第2のバンドプライ片7Bが、第2のバンドストリップ10Bを、前記正面視においてタイヤの下方側Lから前方側を通って上方側Uに至る巻回方向Kにて、タイヤ赤道側の始端部PB1からトレッド端側の終端部PB2まで螺旋状に巻回させることにより形成される一方、
前記第1、第2のバンドストリップ10A、10Bが、互いに平行に引き揃えられかつトッピングゴムG中に埋設されたバンドコード11有し、かつ各前記バンドコード11が、複数本の素線12を下撚りにて撚り合わせたストランド13の複数本を上撚りにて撚り合わせたスチールコードからなるとともに、
前記第1のバンドストリップ10Aのスチールコードを、少なくとも前記上撚りをS撚りとしたS撚りコード16Aとし、かつ第2のバンドストリップ10Bのスチールコードを、少なくとも前記上撚りをZ撚りとしたZ撚りコード16Bとした自動二輪車用タイヤとは同一である。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本願発明の効果を確認するため、図2に示すタイヤ構造を有すれるタイヤサイズ180/55ZR17の自動二輪車用タイヤ(後輪用)をそれぞれ、表1の仕様に基づき試作するとともに、自動二輪車に装着して実車走行テストを行い、そのときの高速安定性、右旋回、左旋回でのトラクション性能についてテストし互いに比較した。表1に記載以外は、実質的に同仕様である。
<カーカス>
・プライ枚数 −−−表1に記載
・コード角度 −−−表1に記載
・コード構成 −−−1400dtex/2、ナイロン
・コードエンズ −−−35本/5cm
<ブレーカ層>
・プライ枚数 −−−表1に記載
・コード角度 −−−表1に記載
・コード構成 −−−1400dtex/2、ナイロン
・コードエンズ −−−35本/5cm
<バンド層>
・バンドストリップ −−−巾4.2mm、厚さ1.15mmの矩形断面、ゴム中に3本のバンドコードが1.4mmピッチで配列
・バンドコード −−−3×3×0.17HT(スチールコード)
・S撚りコードは、上撚り、下撚り共にS撚りとし、かつZ撚りコードは、上撚り、下撚り共にZ撚りとした。
・バンドストリップの巻回方向は、正面視において、タイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る向きである。
・バンドストリップの螺旋の方向:
第1のバンドプライ片は、比較例、実施例共に、タイヤ赤道側→トレッド端側に螺旋巻き。
第2のバンドプライ片は、比較例では、トレッド端側→タイヤ赤道側、実施例ではタイヤ赤道側→トレッド端側に螺旋巻き。
・プライ枚数 −−−表1に記載
・コード角度 −−−表1に記載
・コード構成 −−−1400dtex/2、ナイロン
・コードエンズ −−−35本/5cm
<ブレーカ層>
・プライ枚数 −−−表1に記載
・コード角度 −−−表1に記載
・コード構成 −−−1400dtex/2、ナイロン
・コードエンズ −−−35本/5cm
<バンド層>
・バンドストリップ −−−巾4.2mm、厚さ1.15mmの矩形断面、ゴム中に3本のバンドコードが1.4mmピッチで配列
・バンドコード −−−3×3×0.17HT(スチールコード)
・S撚りコードは、上撚り、下撚り共にS撚りとし、かつZ撚りコードは、上撚り、下撚り共にZ撚りとした。
・バンドストリップの巻回方向は、正面視において、タイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る向きである。
・バンドストリップの螺旋の方向:
第1のバンドプライ片は、比較例、実施例共に、タイヤ赤道側→トレッド端側に螺旋巻き。
第2のバンドプライ片は、比較例では、トレッド端側→タイヤ赤道側、実施例ではタイヤ赤道側→トレッド端側に螺旋巻き。
(1)実車走行テスト:
試供タイヤを、リム(MT5.5×17)、内圧(250kPa)の条件で、大型自動二輪車(750CC)の後輪に装着して、ドライアスファルトのタイヤテストコースを実車走行し、その時の直進時の高速安定性、直進から旋回への過渡特性、及び旋回時のトラクション性能を、それぞれドライバーの官能評価により5点法で評価した。指数の大きい方が良好である。
なお前輪には、下記の仕様の市販のタイヤを、リム(MT3.5×17)、内圧(250kPa)の条件で使用した。
・ タイヤサイズ:120/70ZR17、
<カーカス>:プライ枚数(2枚)、コード角(+88°/−88°)、コード構成(1400dtex/2、ナイロン)、コードエンズ(41本/5cm)、
<ベルト層>:プライ枚数(2枚)、コード角(+17°/−17°)、コード構成(1670dtex/2アラミド)、コードエンズ(35本/5cm)、
の仕様の市販のタイヤを、リム(MT3.5×17)、内圧(250kPa)の条件で使用した。
試供タイヤを、リム(MT5.5×17)、内圧(250kPa)の条件で、大型自動二輪車(750CC)の後輪に装着して、ドライアスファルトのタイヤテストコースを実車走行し、その時の直進時の高速安定性、直進から旋回への過渡特性、及び旋回時のトラクション性能を、それぞれドライバーの官能評価により5点法で評価した。指数の大きい方が良好である。
なお前輪には、下記の仕様の市販のタイヤを、リム(MT3.5×17)、内圧(250kPa)の条件で使用した。
・ タイヤサイズ:120/70ZR17、
<カーカス>:プライ枚数(2枚)、コード角(+88°/−88°)、コード構成(1400dtex/2、ナイロン)、コードエンズ(41本/5cm)、
<ベルト層>:プライ枚数(2枚)、コード角(+17°/−17°)、コード構成(1670dtex/2アラミド)、コードエンズ(35本/5cm)、
の仕様の市販のタイヤを、リム(MT3.5×17)、内圧(250kPa)の条件で使用した。
(2)タイヤ仕上がりの左右の均一性:
タイヤを解体し、タイヤ赤道を中心としたバンドコード配列の左右の均一性を目視により評価した。
○は仕上がりが左右均一であり、△は左右にやや差があることを示す。
タイヤを解体し、タイヤ赤道を中心としたバンドコード配列の左右の均一性を目視により評価した。
○は仕上がりが左右均一であり、△は左右にやや差があることを示す。
実施例のタイヤは、右旋回時と左旋回時のトラクション性能の差を無くすことができ、高速安定性を維持しながら旋回性能を向上しうるのが確認できる。
1 自動二輪車用タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7A 第1のバンドプライ片
7B 第2のバンドプライ片
7 バンド層
10A 第1のバンドストリップ
10B 第2のバンドストリップ
11 バンドコード
12 素線
13 ストランド
16A S撚りコード
16B Z撚りコード
C タイヤ赤道
G トッピングゴム
i タイヤ軸芯
K 巻回方向
L 下方側
PA1、PB1 始端部
PA2、PB2 終端部
R 後方側
U 上方側
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7A 第1のバンドプライ片
7B 第2のバンドプライ片
7 バンド層
10A 第1のバンドストリップ
10B 第2のバンドストリップ
11 バンドコード
12 素線
13 ストランド
16A S撚りコード
16B Z撚りコード
C タイヤ赤道
G トッピングゴム
i タイヤ軸芯
K 巻回方向
L 下方側
PA1、PB1 始端部
PA2、PB2 終端部
R 後方側
U 上方側
Claims (2)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるバンド層とを具える自動二輪車用タイヤであって、
前記バンド層は、タイヤ軸芯を水平としたトレッド面側から見た正面視において、タイヤ赤道よりも左側に配される第1のバンドプライ片と、タイヤ赤道よりも右側に配される第2のバンドプライ片とからなり、
しかも前記第1のバンドプライ片は、小巾帯状の第1のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて、タイヤ赤道側の始端部からトレッド端側の終端部まで螺旋状に巻回させることにより形成され、
かつ前記第2のバンドプライ片は、小巾帯状の第2のバンドストリップを、前記正面視においてタイヤの下方側から後方側を通って上方側に至る巻回方向にて、タイヤ赤道側の始端部からトレッド端側の終端部まで螺旋状に巻回させることにより形成される一方、
前記第1、第2のバンドストリップは、互いに平行に引き揃えられかつトッピングゴム中に埋設されたバンドコード有し、かつ各前記バンドコードは、複数本の素線を下撚りにて撚り合わせたストランドの複数本を上撚りにて撚り合わせたスチールコードからなるとともに、
前記第1のバンドストリップのスチールコードは、少なくとも前記上撚りをS撚りとしたS撚りコードとし、かつ第2のバンドストリップのスチールコードは、少なくとも前記上撚りをZ撚りとしたZ撚りコードとしたことを特徴とする自動二輪車用タイヤ。 - 前記S撚りコードは前記上撚りと下撚りとをS撚りとし、かつ前記Z撚りコードは前記上撚りと下撚りとをZ撚りとしたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用タイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010031498A JP2011168095A (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 自動二輪車用タイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010031498A JP2011168095A (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 自動二輪車用タイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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