JP2015205154A - 超音波血圧計測装置及び超音波血圧計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波を用いた血圧計測において、最高血圧(心収縮期血圧)及び最低血圧(拡張期血圧)の速やか且つ連続的な測定の実現。【解決手段】超音波血圧計測装置10は、血管に対して送信した超音波の反射波を受信し、少なくとも一心拍時間分の前記超音波の反射波に基づいて前記血管の血管壁の変位度合を計測する。そして、予め設定された前記血管の血管径と血圧との相関関係を用いて、血管壁の変位度合の極大期に対して後に現れる血管径の最大値、及び、前記極大期に対して前に現れる血管径の最小値から、心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、超音波を用いて血圧を計測する超音波血圧計測装置等に関する。
被検者の血圧を非侵襲に計測する手法として、超音波を用いて被検者の血管の血管径を計測し、血管径から推定的に血圧を求める技術が知られている。例えば、特許文献1には、血管径と血圧との関係を非線形関数として捉え、血管の硬さを示すスティフネスパラメーターβと血管径とから、血圧を算出する方法が開示されている。
一般的に、血圧計測では、最高血圧(心収縮期血圧)及び最低血圧(心拡張期血圧)を計測する。つまり、上述のような血管径と血圧との関係を用いて血圧を算出する場合には、先ずは最高血圧(心収縮期血圧)となるときの血管径である心収縮期血管径と、最低血圧(心拡張期血圧)となるときの血管径である心拡張期血管径とを測定する必要がある。
また、従来の血圧測定に用いられるカフ型の加圧血圧計では、計測に数十秒程度の時間を要する、連続的な計測ができないといった短所があり、速やか且つ連続的な血圧計測が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波を用いた血圧計測において、最高血圧(心収縮期血圧)及び最低血圧(心拡張期血圧)の速やか且つ連続的な測定を可能とすることである。
上記課題を解決するための第1の発明は、超音波を血管に対して送信し、反射する反射波を受信する送受信部と、少なくとも一心拍時間分の前記超音波の反射波に基づいて前記血管の血管壁の変位度合を計測する変位度合計測部と、前記反射波に基づいて前記血管の血管径を計測する血管径計測部と、前記血管壁の変位度合の極大期を算出する極大期算出部と、前記血管壁の変位度合の極大期に対して後に現れる前記血管径の最大値を心収縮期血管径とし、前記極大期に対して前に現れる前記血管径の最小値を心拡張期血管径として取得する血管径取得部と、予め設定された前記血管の血管径と血圧との相関関係を用いて、前記心収縮期血管径及び前記心拡張期血管径から心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出する血圧算出部と、を備えた超音波血圧計測装置である。
また、他の発明として、血管に対して送信した超音波の反射波を受信し、少なくとも一心拍時間分の前記超音波の反射波に基づいて前記血管の血管壁の変位度合を計測することと、前記反射波に基づいて前記血管の血管径を計測することと、前記血管壁の変位度合の極大期を算出することと、予め設定された前記血管の血管径と血圧との相関関係を用いて、前記血管壁の変位度合の極大期に対して後に現れる前記血管径の最大値、及び、前記極大期に対して前に現れる前記血管径の最小値から、心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出することと、を含む超音波血圧計測方法を構成しても良い。
この第1の発明等によれば、一心拍毎に心収縮期血圧及び心拡張期血圧を計測することができる。血管は、心臓の拍動によって拡張及び収縮を繰り返しており、この拡張及び収縮に合わせて血管壁の位置(深さ位置)が変化する。例えば、動脈の場合、血管壁の位置の変化は、心収縮期が急激であるのに対して、心拡張期は緩やかという特徴がある。つまり、心収縮期における血管壁の変位度合が拡張期のそれに比較して大きく、血管壁の変位度合の極大期は心収縮期に現れる。これにより、血管壁の変位度合の極大期に対して前に現れる血管径の最小値を心拡張期血管径、血管壁の変位度合の極大期に対して後に現れる血管径の最大値を心収縮期血管径として取得することができる。よって、一拍毎に現れる心収縮期血圧及び心拡張期血圧を計測することができるため、最高血圧(心収縮期血圧)及び最低血圧(心拡張期血圧)の速やか且つ連続的な測定が可能となる。
第2の発明は、第1の発明の超音波血圧計測装置であって、前記変位度合計測部は、前記血管壁の変位速度を前記変位度合として計測する、超音波血圧計測装置である。
この第2の発明によれば、血管壁の変位度合として変位速度が計測される。
第3の発明は、第1の発明の超音波血圧計測装置であって、前記変位度合計測部は、前記血管壁の変位加速度を前記変位度合として計測する、超音波血圧計測装置である。
この第3の発明によれば、血管壁の変化度合として変位加速度が計測される。
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明の超音波血圧計測装置であって、前記相関関係を設定する相関関係設定部、を更に備えた超音波血圧計測装置である。
この第4の発明によれば、血管径と血圧との相関関係が設定される。血管径と血圧との相関関係は、個人によって差異がある。このため、例えば、別途計測した血圧を用いて血管径と血圧との相関関係を設定することで、被検者に適合した校正を実現できる。
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明の超音波血圧計測装置であって、前記血管は動脈である、超音波血圧計測装置である。
この第5の発明によれば、動脈血管の血圧を計測することができる。
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明の超音波血圧計測装置であって、前記相関関係を前記血管径と前記血圧とのルックアップテーブルとして記憶する記憶部を更に備え、前記血圧算出部が、前記ルックアップテーブルを参照して、前記心収縮期血管径及び前記心拡張期血管径から心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出する、超音波血圧計測装置を構成してもよい。
この第6の発明によれば、血管径と血圧との相関関係をルックアップテーブルとして記憶することができる。従って血圧を算出する際の演算負荷を低減することができる。
[全体構成]
図1は、本実施形態における超音波血圧計測装置10の適用例を示す図である。超音波血圧計測装置10は、超音波を利用して非加圧で被検者2の血圧を計測する装置であり、本体装置20と、超音波プローブ30とを備える。
図1は、本実施形態における超音波血圧計測装置10の適用例を示す図である。超音波血圧計測装置10は、超音波を利用して非加圧で被検者2の血圧を計測する装置であり、本体装置20と、超音波プローブ30とを備える。
超音波プローブ30は、例えば数MHz〜数十MHzの超音波のパルス信号或いはバースト信号を送信及び受信する超音波振動子32(図2参照)を有し、受信信号を本体装置20に出力する。この超音波プローブ30は、例えば、被検者2の頸動脈の直上に超音波振動子32が位置するように被検者2の頸部皮膚面に貼付される。ここで“直上”とは、理解を容易にするために超音波プローブ30を操作する上での操作マニュアル的な表現で用いているものであり、正確にいうと、超音波振動子32から照射される超音波の照射直線上に頸動脈が位置する位置関係のことである。
本体装置20は、超音波プローブ30と有線接続されており、超音波プローブ30を用いて被検者2の血圧を計測する。具体的には、超音波プローブ30を用いて被検者2の血管(例えば、頸動脈)に向けて超音波を照射し、その反射波の受信信号に基づいて血管壁の位置及び血管径を測定し、測定した血管壁の位置及び血管径をもとに被検者2の血圧を算出する。特に、本実施形態では、一心拍毎に、心収縮期血圧(最高血圧)及び心拡張期血圧(最低血圧)を測定・出力することを特徴としている。一般的には、単に収縮期血圧及び拡張期血圧と呼ばれることがあるが、本実施形態では血管の収縮及び拡張についても扱うため、混同を避けるために心収縮期血圧及び心拡張期血圧と呼ぶこととする。
なお、血管径に基づく血圧の算出にあたっては、血管径とは別に、校正用に血圧を計測する必要がある。この血圧計測のために、本実施形態では加圧血圧計40を用いることとする。加圧血圧計40は、加圧用のカフ42を被検者2の上腕部に巻き付けて被検者2の腕動脈の血圧を計測する。校正後は、カフ42は被検者2から取り外され、以降は、超音波プローブ30を用いて被検者2の非加圧、すなわち非侵襲の血圧計測が行われる。
[原理]
(1)血管壁の位置及び血管径の測定
先ず、超音波を利用した血管壁の位置及び血管径の測定について説明する。血管径は、血管壁の位置、より具体的には血管の前壁及び後壁の深さ位置(以下単に「位置」ともいう)から算出することができる。このため、血管の前壁及び後壁の深さ位置を測定すれば、自ずと血管径を求めることができる。図2は、超音波による血管壁の位置及び血管径の測定を説明する図であり、血管4の長軸方向の断面図を示している。図2に示すように、測定にあたり、超音波プローブ30は、超音波振動子32が血管4の直上の皮膚面3に密着するように被検者2の首に貼付される。
(1)血管壁の位置及び血管径の測定
先ず、超音波を利用した血管壁の位置及び血管径の測定について説明する。血管径は、血管壁の位置、より具体的には血管の前壁及び後壁の深さ位置(以下単に「位置」ともいう)から算出することができる。このため、血管の前壁及び後壁の深さ位置を測定すれば、自ずと血管径を求めることができる。図2は、超音波による血管壁の位置及び血管径の測定を説明する図であり、血管4の長軸方向の断面図を示している。図2に示すように、測定にあたり、超音波プローブ30は、超音波振動子32が血管4の直上の皮膚面3に密着するように被検者2の首に貼付される。
超音波振動子32からは、図2において下に向かう方向に超音波が送信される。超音波は、媒質の境界面で大きく反射する特性がある。つまり、超音波振動子32の直下に血管4が位置している場合、当該超音波振動子32から送信された超音波は、その一部が血管4の前壁4a及び後壁4bにおいて反射し、当該超音波振動子32における反射波信号には、前壁4a及び後壁4bそれぞれで反射した強い反射波が現れる。超音波の送信タイミングから前壁4a及び後壁4bそれぞれの反射波が現れるまでの時間差と、超音波の伝搬速度とから、前壁4a及び後壁4bそれぞれの位置を測定することができる。そして、前壁4a及び後壁4bの位置が判明したことで血管径Dが求められる。超音波を用いた血管壁の位置及び血管径の測定は、例えば数ミリ秒〜数十ミリ秒等の所定周期で繰り返し実行される。測定単位を、以下「フレーム」と呼ぶ。
(2)血管径と血圧との相関関係
次に、血管径に基づく血圧の測定について説明する。図3は、血管径Dと血圧Pとの対応関係を示すグラフである。図3に示すように、血管径Dと血圧Pとの相関関係は非線形の関係があり、次式(1)に示す相関式で表すことができることが知られている。
P=Pd・exp[β(D/Dd−1)] ・・(1)
但し、β=ln(Ps/Pd)/(Ds/Dd−1) ・・(2)
式(1),(2)において、「Pd」は心拡張期血圧(最低血圧)、「Dd」は心拡張期血圧のときの血管径である心拡張期血管径、「Ps」は心収縮期血圧(最大血圧)、「Ds」は心収縮期血圧のときの血管径である心収縮期血管径、「β」はスティフネスパラメーターと呼ばれる血管弾性指標値である。
次に、血管径に基づく血圧の測定について説明する。図3は、血管径Dと血圧Pとの対応関係を示すグラフである。図3に示すように、血管径Dと血圧Pとの相関関係は非線形の関係があり、次式(1)に示す相関式で表すことができることが知られている。
P=Pd・exp[β(D/Dd−1)] ・・(1)
但し、β=ln(Ps/Pd)/(Ds/Dd−1) ・・(2)
式(1),(2)において、「Pd」は心拡張期血圧(最低血圧)、「Dd」は心拡張期血圧のときの血管径である心拡張期血管径、「Ps」は心収縮期血圧(最大血圧)、「Ds」は心収縮期血圧のときの血管径である心収縮期血管径、「β」はスティフネスパラメーターと呼ばれる血管弾性指標値である。
但し、この相関式(1)を用いて血管径Dから血圧Pを求めるためには、式(1),(2)の定数でなる心拡張期血圧Pd、心拡張期血管径Dd、心収縮期血圧Ps、心収縮期血管径Ds、及び、スティフネスパラメーターβを定めて、相関式(1)を定義する校正を行う必要がある。そこで本実施形態では、超音波プローブ30を用いて心拡張期血管径Dd及び心収縮期血管径Dsを計測するとともに、加圧血圧計40を用いて心拡張期血圧Pd及び心収縮期血圧Psを計測し、これらの計測値Dd,Ds,Pd,Psによってスティフネスパラメーターβを求めることで、相関式(1)を定義する。なお、校正のための心拡張期血圧Pd及び心収縮期血圧Psの計測は、加圧血圧計40である必要はなく、別の計測手段で計測することとしてもよいのは勿論である。
校正後は、測定した血管径Dに基づき、この相関式(1)から血圧Pを推定的に求めることができる。すなわち、本実施形態では、超音波測定によって心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1を測定し、測定した心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1に基づき、相関式(1)から心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出する。
(3)心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1の測定
続いて、超音波による心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1の測定について説明する。血管は、心臓の拍動によって概ね等方的に収縮及び拡張を繰り返す。つまり、血管径は血圧と略同一の変動をする。
続いて、超音波による心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1の測定について説明する。血管は、心臓の拍動によって概ね等方的に収縮及び拡張を繰り返す。つまり、血管径は血圧と略同一の変動をする。
図4(1)は、一心拍期間における頸動脈の血管径の時間変化を示す血管径変動波形である。図4(1)において、横方向は時刻t、縦方向は血管径Dである。一心拍期間は、心収縮期と心拡張期とから構成される。すなわち、頸動脈血管は、心臓の拍動に応じて心収縮期から急激に血管径が拡大して膨らみ、心拡張期では緩やかに血管径が縮小して元の太さに戻る。よって、血管径変動波形は、心収縮期においては血管径が急激に増加するので急激に立ち上がるが、心拡張期においては血管径が緩やかに減少するのでなだらかに下降する。この血管径変動波形において、血管径の最小値が心拡張期血管径Dd1であり、最大値が心収縮期血管径Ds1である。本実施形態においては、この心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1を、血管壁の変位度合を用いることで取得する。
図4(2)は、血管壁のうちの前壁の変位加速度を示す波形である。図4(2)において、横方向は図4(1)と共通の時刻tであり、縦方向は変位加速度である。縦方向のうち、上方向が深さ位置が浅くなる方向であり、下方向が深くなる方向である。変位加速度は、血管壁の変位度合の一例であり、例えば、連続する複数のフレーム間の血管壁の深さ位置をフレームレートに基づいて時間方向に二回微分することで得られる。なお、変位加速度の測定対象とする血管壁を、皮膚側に面した血管の前壁として説明するが、後壁としても良い。その場合には、図4(2)の波形は上下反転した形状となる。
頸動脈血管は、心収縮期において急激に膨らみ、心拡張期において緩やかに元の太さに戻る。つまり、頸動脈血管の前壁の深さ位置は、心収縮期において急激に浅くなる方向に変化した後、心拡張期において緩やかに深くなる方向に変化する。このため、血管壁の前壁の変位加速度波形では、心収縮期において、正のピーク(極大値)M1と、負のピーク(極小値)M2とが順に現れている。また、心拡張期においても正のピーク(極大値)及び負のピーク(極小値)が現れているが、心収縮期と比較して血管径の変化が緩やかであるため、ピークの値は小さい。
つまり、心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1は、血管壁の変位加速度波形の心収縮期におけるピークM1の前後に現れる。詳細には、ピークM1は血管径の極大期を示しており、心収縮期血管径Ds1はピークM1に後続する直後の血管径の最大値として現れ、心拡張期血管径Dd1はピークM1に先行する直前の血管径の最小値として現れる。
このため、血管壁の変位加速度波形のピークM1を含む所定期間Twを定め、この所定期間Twにおける血管径Dの最大値を心収縮期血管径Ds1とし、最小値を心拡張期血管径Dd1として検出する。所定期間Twは、血管径変動波形の最大値(心収縮期血管径Ds1)及び最小値(心拡張期血管径Dd1)を含むように定められる。具体的には、心収縮期の長さより長く、且つ、一心拍期間よりも短い期間として定められ、数百ミリ程度、例えば「100〜300ミリ秒程度」に定めることができる。
また、血管壁の変位加速度波形におけるピークM1は、変位加速度が所定の閾値Aを超えたことで検出し、ピークM1を検出した時点を極大期と判断する。所定の閾値Aは、変位加速度波形における心収縮期のピークM1より小さく、且つ、心拡張期に現れ得るピークより大きい値となるように定められる。なお、被検者2によって血管壁の変位加速度波形が異なる。このため、例えば、校正時等に予め取得した血管壁の深さ位置の波形から変位加速度波形を求め、この変位加速度波形における正のピークの大きさに応じて閾値Aを定めることとしても良い。
心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1の算出は、所定期間Twが終了した後に行われる。つまり、超音波測定において所定期間Twが経過した後、当該所定期間Twにおける血管径の最大値である心収縮期血管径Ds1、及び、最小値である心拡張期血管径Dd1を算出し、式(1)から心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出することで血圧を算出する。この演算処理に要する時間はたかだか「100〜200ミリ秒程度」である。よって、一心拍毎に、当該心拍における心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を、次の心拍が到来する前までに即座に算出・出力することができ、速やか且つ連続的な測定を実現できる。
[機能構成]
図5は、超音波血圧計測装置10の機能構成図である。図5に示すように、超音波血圧計測装置10は、超音波プローブ30と、本体装置20とを備えて構成される。本体装置20は、操作部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
図5は、超音波血圧計測装置10の機能構成図である。図5に示すように、超音波血圧計測装置10は、超音波プローブ30と、本体装置20とを備えて構成される。本体装置20は、操作部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
操作部110は、ボタンスイッチやタッチパネル、各種センサー等の入力装置によって実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現され、処理部200からの表示信号に応じた各種表示を行う。音出力部130は、スピーカー等の音出力装置によって実現され、処理部200からの音信号に基づく各種音出力を行う。通信部140は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線通信装置によって実現され、外部装置(主に、加圧血圧計40)との通信を行う。
処理部200は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、IC(Integrated Circuit)メモリー等の電子部品によって実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部110からの操作信号等に基づいて各種演算処理を実行して、超音波血圧計測装置10の動作を制御する。また、処理部200は、超音波測定制御部210と、血管壁位置・血管径算出部220と、相関関係設定部230と、変位度合計測部240と、血管径特徴値取得部250と、血圧算出部260とを有し、血圧計測プログラム310に従った血圧計測処理(図6参照)を実行する。
超音波測定制御部210は、超音波プローブ30における超音波の送受信を制御する。具体的には、所定周期の送信タイミングで、超音波プローブ30から超音波を送信させる。また、超音波プローブ30にて受信された超音波の反射波の信号の増幅等を行う。この超音波プローブ30による反射波の受信信号をもとに、AモードやBモード、Mモードといった各モードの超音波測定データ320が生成される。
血管壁位置・血管径算出部220は、超音波プローブ30による超音波の反射波の受信信号をもとに、血管壁の位置及び血管径を算出する。すなわち、受信信号の信号強度から、血管4の前壁4a及び後壁4bそれぞれからの反射波の受信を判定する。そして、超音波の送信タイミングから、前壁4a及び後壁4bそれぞれの反射波の受信タイミングまでの時間差を用いて、前壁4a及び後壁4bそれぞれの位置(深さ位置)を算出する。そして、前壁4a及び後壁4bそれぞれの位置から血管径を算出する。また、この血管壁の位置及び血管径の算出は、超音波プローブ30による超音波の送信及び反射波の受信が随時実行されることから、所定時間(例えば、数ミリ秒〜数10ミリ秒等のほぼリアルタイムといえる時間間隔)毎に繰り返し実行する。これにより、血管径の変動を示す波形(図4(1)参照)が得られる。血管壁位置・血管径算出部220によって得られた血管径は、測定時刻と対応付けて、血管径測定データ350として蓄積記憶される。
相関関係設定部230は、血管壁位置・血管径算出部220の算出結果と、加圧血圧計40の計測結果とをもとに、血管径Dと血圧Pとの相関関係を設定する。すなわち、心収縮期血圧Ps、心拡張期血圧Pd、心収縮期血管径Ds及び心拡張期血管径Ddから、式(2)で与えられるスティフネスパラメーターβを求めることで、血管径と血圧との相関関係を示す相関式(1)を設定・定義する。相関関係設定部230は、血管径と血圧との相関関係を校正する校正部ともいえる。
心収縮期血圧Ps及び心拡張期血圧Pdは、加圧血圧計40によって計測される。加圧血圧計40による血圧計測には、数秒〜十数秒程度の時間を要する。また、心収縮期血管径Ds及び心拡張期血管径Ddは、加圧血圧計40による血圧計測に並行して行われた血管壁位置・血管径算出部220によって算出された血管径から求める。すなわち、一心拍毎の血管径の最大値及び最小値を検出し、最大値を心収縮期血管径Dsとするとともに、最小値を心拡張期血管径Ddとする。
なお、加圧血圧計40により計測された血圧は、計測時刻と対応付けて血圧測定データ340として記憶される。また、相関関係設定部230によって設定された血管径と血圧との相関関係は、相関関係設定データ330として記憶される。詳細には、相関関係設定データ330は、相関式(1)を定義するパラメーターDs,Dd,Ps,Pd,βの値を格納している。
変位度合計測部240は、血管壁の変位度合である血管の前壁の変位加速度を計測する。すなわち、血管壁位置・血管径算出部220によって算出された血管の前壁4aの位置の時間変化から、変位加速度を算出する。
血管径特徴値取得部250は、血管壁位置・血管径算出部220によって算出された血管径から、血管径の特徴値である心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1を求める。すなわち、変位度合計測部240によって計測された血管壁の変位加速度が所定の閾値を超えた時点の変位加速度をピークM1(極大期の値:極大値)とみなし、ピークM1の時点を基準として所定期間Twを設定する。そして、設定した所定期間Twにおける血管径の最大値及び最小値を判定し、判定した最大値を心収縮期血管径Ds1とし、最小値を心拡張期血管径Dd1とする。この血管径特徴値取得部250が、極大期算出部及び血管径取得部に該当する。血管径特徴値取得部250によって算出された血管径の特徴値(心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1)は、血管径特徴値データ360として記憶される。
血圧算出部260は、血管径特徴値取得部250によって算出された血管径の特徴値である心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1をもとに、相関関係設定部230によって設定された相関式(1)に従って、心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出する。血圧算出部260によって算出された心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1は、測定時刻と対応付けて、血圧算出データ370として蓄積記憶される。
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶装置によって実現され、処理部200が超音波血圧計測装置10を統合的に制御するためのプログラムやデータを記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が実行した演算結果や、操作部110からの操作データ等が一時的に記憶される。本実施形態では、記憶部300には、血圧計測プログラム310と、超音波測定データ320と、相関関係設定データ330と、血圧測定データ340と、血管径測定データ350と、血管径特徴値データ360と、血圧算出データ370とが記憶される。
[処理の流れ]
図6は、血圧計測処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が血圧計測プログラム310を実行することで実現される。
図6は、血圧計測処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、処理部200が血圧計測プログラム310を実行することで実現される。
図6によれば、先ず、超音波測定制御部210が超音波プローブ30に超音波を送受信させる制御を開始するとともに、血管壁位置・血管径算出部220が超音波の反射波の受信信号に基づく血管壁の位置及び血管径の測定を開始することで、超音波による血管壁の位置血管径の測定を開始する(ステップS1)。
次いで、処理部200は、校正が必要であるか否かを判断する。例えば、被検者2が初めて当該装置での血圧計測を行う場合や、前回の校正から所定時間が経過しているといった場合に、校正が必要と判断する。校正が必要ならば(ステップS3:YES)、表示部120にメッセージを表示する等して、被検者2に対してカフ42を装着し加圧血圧計40による血圧計測を指示し、加圧血圧計40による被検者2の血圧計測を開始する(ステップS5)。加圧血圧計40による血圧計測が終了し、最大血圧(心収縮期血圧)Ps及び最小血圧(心拡張期血圧)Pdが計測されると、相関関係設定部230が、超音波測定による血管径と、加圧血圧計40によって計測された血圧とから、スティフネスパラメーターβを求めて、血管径と血圧との相関式(1)を算出する(ステップS7)。ここまでが校正である。
校正が終了すると、変位度合計測部240が、血管壁位置・血管径算出部220により毎フレーム測定される血管壁の位置から血管壁の変位加速度の算出を開始する(ステップS9)。そして、血管径特徴値取得部250が、算出される変位加速度を所定の閾値Aと比較し、変位加速度が所定の閾値Aを超えたならば(ステップS11:YES)、当該時点を含む所定期間Twを設定し、この所定期間Twにおける血管径の最大値及び最小値を算出する(ステップS13)。そして、最大値を心収縮期血管径Ds1とし、最小値を心拡張期血管径Dd1とする(ステップS15)。
次いで、血圧算出部260が、求められた心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1をもとに、相関式(1)から、心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出する(ステップS17)。続いて、算出した心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を、表示部120に表示出力するとともに、血圧算出データ370として記憶する(ステップS19)。
その後、処理部200は、超音波による血圧計測を終了するか否かを判断し、終了しないならば(ステップS21:NO)、ステップS11に戻り、次の心拍期間についての血圧測定を行う。一方、血圧測定を終了するならば(ステップS21:YES)、超音波測定制御部210に超音波プローブ30による超音波の送受信を終了させて超音波による血管径の測定を終了した後(ステップS23)、本処理を終了する。
[作用効果]
このように、本実施形態の超音波血圧計測装置10によれば、一心拍毎に、心収縮期血圧(最高血圧)及び心拡張期血圧(最低血圧)を計測することができる。すなわち、超音波によって測定した血管の血管壁の位置(深さ位置)の変位加速度を求め、この変位加速度を所定の閾値Aと比較することで変位加速度のピークM1を検出し、このピークM1を基準として含む所定期間Twを設定する。そして、所定期間Twにおける血管径の最小値を心拡張期血管径Dd1とし、最大値を心収縮期血管径Ds1とする。そして、血管径Dと血圧Pとの相関式(1)から、心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出する。よって、一拍毎に現れる心収縮期血圧及び心拡張期血圧を、次の心拍が到来する前に計測できるため、最高血圧(心収縮期血圧)及び最低血圧(心拡張期血圧)の速やか且つ連続的な測定が可能となる。
このように、本実施形態の超音波血圧計測装置10によれば、一心拍毎に、心収縮期血圧(最高血圧)及び心拡張期血圧(最低血圧)を計測することができる。すなわち、超音波によって測定した血管の血管壁の位置(深さ位置)の変位加速度を求め、この変位加速度を所定の閾値Aと比較することで変位加速度のピークM1を検出し、このピークM1を基準として含む所定期間Twを設定する。そして、所定期間Twにおける血管径の最小値を心拡張期血管径Dd1とし、最大値を心収縮期血管径Ds1とする。そして、血管径Dと血圧Pとの相関式(1)から、心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出する。よって、一拍毎に現れる心収縮期血圧及び心拡張期血圧を、次の心拍が到来する前に計測できるため、最高血圧(心収縮期血圧)及び最低血圧(心拡張期血圧)の速やか且つ連続的な測定が可能となる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)
上述の実施形態では、「血管壁の変位度合」として「血管壁の変位加速度」を用いることとしたが、「血管壁の変位速度」としても良い。
上述の実施形態では、「血管壁の変位度合」として「血管壁の変位加速度」を用いることとしたが、「血管壁の変位速度」としても良い。
図7(1)は、一心拍期間における頸動脈の血管径の時間変化を示す血管径変動波形である。図7(2)は、血管壁の変化度合の一例である変位速度Vを示す波形である。この血管壁の変位速度波形は、例えば、連続する複数のフレーム間の血管壁の位置を、フレームレートに基づいて時間方向に一回微分することで得られる。また、図7(2)は、図4(2)の変位加速度と同様、血管の前壁を測定対象とし、上方向を前壁の位置が浅くなる方向(正)としている。
図7(2)に示すように、血管壁の変位速度には、心収縮期において正のピークM3が現れている。また、心拡張期において負のピークが現れているが、心収縮期と比較して血管径の変化が緩やかであるため、ピークの値が小さい。つまり、心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1は、ピークM3の前後に現れる。詳細には、ピークM3は血管径の極大期を示しており、心収縮期血管径Ds1はピークM3に後続する直後の血管径の極大値として現れ、心拡張期血管径Dd1はピークM3に先行する直前の血管径の極小値として現れる。このため、血管壁の変位速度のピークM3を基準として含む所定期間Twを定め、この所定期間Twにおける血管径Dの最大値を心収縮期血管径Ds1とし、最小値を拡張期血管径Dd1として検出することができる。
また、血管壁の変位速度におけるピークM3は、変位速度が所定の閾値Bを超えたことで検出し、ピークM3を検出した時点を極大期と判断する。所定の閾値Bは、心収縮期のピークM3より小さい値となるように定められる。
(B)
また、超音波血圧計測装置10と加圧血圧計40との通信方式を有線通信としたが、無線通信としても良い。また、被検者2に、例えば加圧血圧計40を用いて血圧計測を行わせ、その計測値を被検者2が超音波血圧計測装置10に手入力するように構成しても良い。
また、超音波血圧計測装置10と加圧血圧計40との通信方式を有線通信としたが、無線通信としても良い。また、被検者2に、例えば加圧血圧計40を用いて血圧計測を行わせ、その計測値を被検者2が超音波血圧計測装置10に手入力するように構成しても良い。
(C)
また、計測対象の血管を頸動脈としたが、橈骨動脈などの他の動脈を計測対象としてもよいことは勿論である。
また、計測対象の血管を頸動脈としたが、橈骨動脈などの他の動脈を計測対象としてもよいことは勿論である。
(D)
また、上述の実施形態では、相関関係設定データ330を、相関式(1)を定義する各パラメーターの値を記憶するデータであるとして説明したが、別の形式としてもよい。例えば、各パラメーターの値を求めて相関式(1)を導出した後に、相関式(1)から血管径と血圧との対応関係を定めた図8に示すようなルックアップテーブルを求め、これを相関関係設定データ330としてもよい。このルックアップテーブルを求める機能部が相関関係設定部となる。なお、ルックアップテーブルとする血管径の間隔は、任意に定めることができ、例えば、数μm〜数約μm単位とすることができる。
また、上述の実施形態では、相関関係設定データ330を、相関式(1)を定義する各パラメーターの値を記憶するデータであるとして説明したが、別の形式としてもよい。例えば、各パラメーターの値を求めて相関式(1)を導出した後に、相関式(1)から血管径と血圧との対応関係を定めた図8に示すようなルックアップテーブルを求め、これを相関関係設定データ330としてもよい。このルックアップテーブルを求める機能部が相関関係設定部となる。なお、ルックアップテーブルとする血管径の間隔は、任意に定めることができ、例えば、数μm〜数約μm単位とすることができる。
そして、血圧算出部260は、このルックアップテーブルを参照して、血管径特徴値取得部250によって算出された心収縮期血管径Ds1及び心拡張期血管径Dd1から、心収縮期血圧Ps1及び心拡張期血圧Pd1を算出することができる。これにより、血圧算出部260が血圧を算出する際の演算負荷を低減することができる。
2 被検者、10 超音波血圧計測装置、20 本体装置、110 操作部、120 表示部、130 音出力部、140 通信部、200 処理部、210 超音波測定制御部、220 血管壁位置・血管径算出部、230 相関関係設定部、240 変位度合計測部、250 血管径特徴値取得部、260 血圧算出部、300 記憶部、310 血圧計測プログラム、320 超音波測定データ、330 相関関係設定データ、340 血圧測定データ、350 血管径測定データ、360 血管径特徴値データ、370 血圧算出データ、30 超音波プローブ、32 超音波振動子、40 加圧血圧計、42 カフ
Claims (7)
- 超音波を血管に対して送信し、反射する反射波を受信する送受信部と、
少なくとも一心拍時間分の前記超音波の反射波に基づいて前記血管の血管壁の変位度合を計測する変位度合計測部と、
前記反射波に基づいて前記血管の血管径を計測する血管径計測部と、
前記血管壁の変位度合の極大期を算出する極大期算出部と、
前記血管壁の変位度合の極大期に対して後に現れる前記血管径の最大値を心収縮期血管径とし、前記極大期に対して前に現れる前記血管径の最小値を心拡張期血管径として取得する血管径取得部と、
予め設定された前記血管の血管径と血圧との相関関係を用いて、前記心収縮期血管径及び前記心拡張期血管径から心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出する血圧算出部と、
を備えた超音波血圧計測装置。 - 前記変位度合計測部は、前記血管壁の変位速度を前記変位度合として計測する、
請求項1に記載の超音波血圧計測装置。 - 前記変位度合計測部は、前記血管壁の変位加速度を前記変位度合として計測する、
請求項1に記載の超音波血圧計測装置。 - 前記相関関係を設定する相関関係設定部、
を更に備えた請求項1〜3の何れか一項に記載の超音波血圧計測装置。 - 前記血管は動脈である、
請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波血圧計測装置。 - 前記相関関係を前記血管径と前記血圧とのルックアップテーブルとして記憶する記憶部を更に備え、
前記血圧算出部は、前記ルックアップテーブルを参照して、前記心収縮期血管径及び前記心拡張期血管径から心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出する、
請求項1〜5の何れか一項に記載の超音波血圧計測装置。 - 血管に対して送信した超音波の反射波を受信し、少なくとも一心拍時間分の超音波の反射波に基づいて前記血管の血管壁の変位度合を計測することと、
前記反射波に基づいて前記血管の血管径を計測することと、
前記血管壁の変位度合の極大期を算出することと、
予め設定された前記血管の血管径と血圧との相関関係を用いて、前記血管壁の変位度合の極大期に対して後に現れる前記血管径の最大値、及び、前記極大期に対して前に現れる前記血管径の最小値から、心収縮期血圧及び心拡張期血圧を算出することと、
を含む超音波血圧計測方法。
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JP2014081925 | 2014-04-11 | ||
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CN110559015B (zh) * | 2019-08-26 | 2020-12-22 | 清华大学 | 血管生理参数测量方法、设备、计算机设备和存储介质 |
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