JP2015204801A - 植物栽培方法 - Google Patents

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    • A01G7/02Treatment of plants with carbon dioxide

Abstract

【課題】赤色光と青色光とを交互に照射する植物栽培方法において、植物の成長をより一層促進する方法を提供する。【解決手段】(A)赤色光を植物に照射する工程と、(B)青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)における赤色光の光合成光量子束密度が150μmol/m2sよりも大きく、工程(B)における青色光の光合成光量子束密度が50μmol/m2sよりも大きく、かつ工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1300ppm以上であることを特徴とする植物栽培方法。【選択図】図2

Description

本発明は、植物栽培方法に関する。より詳しくは、人工光である赤色光と青色光とを交互に照射して植物の成長を促進する植物栽培方法に関する。
従来、植物栽培において、植物苗に人工光を照射して育苗を促す技術が取り入れられている。植物の生長を促進することで、栽培期間を短縮して、同一場所での収穫回数を増やすことができる。また、同じ栽培期間であっても、植物をより大きく生長させることができ、収穫量を増やすことができる。
そのような人工光照射により植物の成長を促進する植物栽培方法として、特許文献1には、青色光(400−480mm)を放射する発光ダイオードと赤色光 (620−700mm)を放射する発光ダイオードを同時もしくは交互に点灯することにより、植物の培養、生育、栽培及び組織培養のための光エネルギーを照射する植物栽培用光源が開示されている。この植物栽培用光源は、葉緑素の光吸収ピーク (450nm付近及び660nm付近)に一致する波長の光のみを照射することによって、エネルギー効率良く植物を栽培しようとするものである。特許文献1では、青色光の照射手順と赤色光の照射手順とを交互に行うことは記載されておらず、そのように照射した場合の生長促進効果は確認されていない。
特許文献2には、赤色光照明光を植物に照射するステップと、青色光照明光を植物に照射するステップと、を一定期間内に別個独立に行う植物栽培方法が開示されている。この植物栽培方法は発明者の名前に因んで執行法(Shigyo Method)とも呼ばれており、特許文献2の植物栽培方法によれば、赤色光照明光を植物に照射するステップと、青色光照明光を植物に照射するステップとを交互に連続して行なうことにより、蛍光灯により同一積算光量を照射しながら同一期間栽培を行なった場合と比較して、より多くの収穫量を得ることができる。
一方、特許文献3には、炭酸ガス(CO2)濃度を高めた環境下で植物を栽培することにより効率的な促成栽培を実現する植物栽培システムが開示されている。特許文献3では主に植物栽培環境の炭酸ガス濃度を1,000ppm程度に調整することが最も効率的とされている。
特開平8−103167 WO2013/021952 特開平10−191787
本発明の目的は、赤色光と青色光とを交互に照射する植物栽培方法において、植物の成長をより一層促進する方法を提供することである。
本発明者らは、期せずして、赤色光と青色光とを交互に照射する植物栽培方法では、植物栽培環境の炭酸ガス濃度が、栽培に従来最も効率的と考えられていた1,000ppm程度を超える1300ppm以上である場合に植物の生育効果が大きく、また炭酸ガス濃度による生育効果が、栽培環境の光量が大きいほど顕著になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1](A)赤色光を植物に照射する工程と、(B)青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)における赤色光の光合成光量子束密度が150μmol/m2sよりも大きく、工程(B)における青色光の光合成光量子束密度が50μmol/m2sよりも大きく、かつ工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1300ppm以上であることを特徴とする植物栽培方法。
[2]工程(A)における赤色光の光合成光量子束密度が200μmol/m2s以上であり、工程(B)における青色光の光合成光量子束密度が120μmol/m2s以上である[1]に記載の植物栽培方法。
[3]工程(A)の赤色光の光量の工程(B)の青色光の光量に対する比が1:1〜3:1である[1]または[2]に記載の植物栽培方法。
[4](A)赤色光を植物に照射する工程と、(B)青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1500ppmよりも高いことを特徴とする植物栽培方法。
[5]工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも2000ppm以上5000ppm以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項の植物栽培方法。
[6]工程(A)および工程(B)における照射時間をそれぞれ0.1時間以上48時間以下とすることを特徴とする請求項[1]〜[5]のいずれか一項に記載の植物栽培方法。
[7]工程(A)および工程(B)における照射時間をそれぞれ3時間以上24時間以下とすることを特徴とする[6]に記載の植物栽培方法。
本発明によれば、赤色光と青色光とを交互に照射する植物栽培方法において、赤色光の光合成量子束密度が150μmol/m2sより大きく、青色光の光合成量子束密度が50μmol/m2sより大きい光量の下、1300ppm以上の二酸化炭素濃度を用いることにより、優れた成長促進効果を得ることが可能となる。また、成長促進効果は二酸化炭素濃度が1500ppmよりも高い場合により顕著である。
植物栽培装置の制御部による制御パターンの一例を示す略図。 本発明の試験群3−7の栽培試験結果を示すグラフ。
本発明において、「植物」には、葉菜類、果菜類、及び穀類が少なくとも含まれ、藻類およびコケ類なども広く包含されるものとする。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明の一つの植物栽培方法は、(A)赤色光を植物に照射する工程と、(B)青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)における赤色光の光合成光量子束密度が150μmol/m2sよりも大きく、工程(B)における青色光の光合成光量子束密度が50μmol/m2sよりも大きく、かつ工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1300ppm以上であることを特徴とする。なお、本明細書において、ppmは体積百万分率を指す。
本発明の別の植物栽培方法は、(A)赤色光を植物に照射する工程(以下、赤色光照射工程)と、(B)青色光を植物に照射する工程(以下、青色光照射工程)とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1500ppmよりも高いことを特徴とする。
赤色光としては、中心波長が570〜730nmの赤色光が挙げられ、好ましくは中心波長が645〜680nmの赤色光である。青色光としては、中心波長が400〜515nmの青色光が挙げられ、好ましくは中心波長が400〜460nmの青色光である。赤色光と青色光の波長は、各照射工程の一つの照射サイクルにおいて上記波長域の範囲内で変化させてもよいし、ある照射サイクルと別のある照射サイクル間で変化させてもよい。赤色光を照射する場合の照明光は、赤色光を含んでいればよく、上記赤色光と異なる波長の光を含んでいてもよいが、上記の青色光を含まないことが好ましい。青色光を照射する場合の照明光は、青色光を含んでいればよく、上記青色光と異なる波長の光を含んでいてもよいが、上記の赤色光を含まないことが好ましい。赤色光を照射する場合の照明光が青色光を含まず、青色光を照射する場合の照明光が赤色光を含まないことが好ましく、赤色光を照射する場合の照明光は赤色光のみ、青色光を照射する場合の照明光は青色光のみである場合が特に好ましい。通常、赤色光を照射する場合の総光量に対する赤色光の割合は60%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは100%である。通常、青色光を照射する場合の総光量に対する青色光の割合は60%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは100%である。
ここで、「一定期間」とは、植物栽培中の任意時間長の期間を意味する。この期間は最長で栽培全期間である。また、最短の期間は、本発明の効果が奏される限りにおいて任意に設定できる。この期間は、例えば時間 (hr)を時間長の単位とするものであってよく、さらにより長い時間長単位 (例えば日 (day))あるいはより短い時間長単位 (例えば分 (minutes))とするものであってもよい。
本発明の植物栽培方法は、種子が発芽した直後あるいは苗を植えた直後から収穫までの植物の栽培全期間において、任意のタイミングで開始あるいは終了され、任意時間長で適用され得るものとする。
また、「別個独立」とは、上記一定期間内に、赤色光照射工程と青色光照射工程とが別々に存することを意味する。赤色光照射工程と青色光照射工程とは、上記一定期間内に少なくとも1つの工程がそれぞれ含まれていればよいが、2つ以上の工程がそれぞれ含まれることが好ましい。
また、赤色光照射工程と青色光照射工程は交互に連続して行ってもよいし、両工程の間に、赤色光および青色光を植物に同時照射する工程を挟んで不連続に繰り返して行うか、または植物の光照射を休止する工程を挟んで不連続に繰り返して行ってもよい。ただし、植物成長効果を高めるためには交互に連続して行なうことが好ましい。赤色光照射工程および青色光照射工程のいずれを先に行なうかは任意である。これらの照射パターンはWO2013/021952に記載されているように公知である。
赤色光を植物に照射する照射サイクルの時間および青色光を植物に照射する照射サイクルの時間はそれぞれ任意に設定でき、それぞれ通常0.1時間以上48時間未満とし、好ましくは3時間以上とする。高い植物成長効果を得るため、赤色光の照射時間および青色光の照射時間はそれぞれ3時間以上24時間以下とすることが最も好ましい。例えば赤色光照射工程と青色光照射工程は交互に連続して行い、一つの照射サイクルを一日とする場合、赤色光照射工程を12時間、青色光照射工程を12時間とすることができる。また例えば、一日に照射サイクルを4回繰り返す場合、一つの照射サイクルは6時間となり、赤色光照射工程を3時間、青色光照射工程を3時間とすることができる。一つの照射サイクルの時間は、ある照射サイクルと別の照射サイクルとの間で変化させてもよい。また、ある一つの照射サイクルにおいて、赤色光の照射時間および青色光の照射時間の時間比は同じであっても異なっていてもよく、「12時間・12時間(1:1)」、「16時間・8時間(2:1)」「21時間・3時間(7:1)」などのように任意に設定し得る。
赤色光を植物に照射する工程、青色光を植物に照射する工程、および赤色光および青色光を植物に同時照射する工程における赤色光および青色光の光量(強度)は特に限定されないが、例えば光合成光量子束密度(Photosynthetic Photon Flux Density: PPFD)で、それぞれ1〜1000μmol/m2s、好ましくは10〜500μmol/m2sである。赤色光の光合成光量子束密度は、通常150μmol/m2sよりも大きく、より好ましくは160μmol/m2s以上、170μmol/m2s以上、180μmol/m2s以上、190μmol/m2s以上、または200μmol/m2s以上であり、上限値は500μmol/m2s以下、より好ましくは250μmol/m2s以下とする。青色光の光合成光量子束密度は、通常50μmol/m2sよりも大きく、より好ましくは60μmol/m2s以上、70μmol/m2s以上、80μmol/m2s以上、90μmol/m2s以上、100μmol/m2s以上、110μmol/m2s以上、または120μmol/m2s以上であり、上限値は500μmol/m2s以下、より好ましくは250μmol/m2s以下とする。一実施形態では、赤色光の光合成光量子束密度が200μmol/m2s以上であり、青色光の光合成光量子束密度が120μmol/m2s以上である。このような高い赤色光および青色光の光合成光量子束密度では、二酸化炭素の濃度上昇に伴う植物の生育効果がより一層高められ得る。
また、赤色光を植物に照射する工程および青色光を植物に照射する工程において照射する光の1日当たりの合計の積算光量は、好ましくは7.2mol/m2以上であり、より好ましくは10.8mol/m2以上である。
赤色光照射工程における赤色光の青色光照射工程における青色光に対する光量(強度)の比は、任意に設定され得るが、「赤:青」あるいは「青:赤」で1:1〜20:1程度の範囲が好ましい。光量比は、具体的には、「赤:青」あるいは「青:赤」で例えば1:1、5:3、2:1、3:1、4:1、10:1、20:1などのように設定され得る。光量比は、特に好ましくは「赤:青」で1:1〜3:1である。かかる範囲の場合、植物の成長がより促進され得る。また、赤色光および青色光の光量は上記範囲内で変化されてもよく、例えばある照射サイクル内で光量を変化させてもよく、ある照射サイクルと別のある照射サイクル間で光量を変化させてもよい。これらの照射パターンはWO2013/021952に記載されているように公知である。
本発明の植物栽培方法を実施可能な植物栽培装置は、赤色光および青色光を植物に照射する光照射部と、赤色光照射工程と青色光照射工程とを一定期間内に別個独立に実行する制御部とを備えている。光照射部には赤色光および青色光を放射する光源が含まれ、光源には波長選択が容易で、有効波長域の光エネルギーの占める割合が大きい光を放射する発光ダイオード(LED)や、レーザーダイオード(LD)、エレクトロルミネッセンス (EL)素子などの光半導体素子を用いることが好ましい。EL素子を用いる場合、有機EL素子であってもよいし、無機EL素子であってもよい。好ましくは光源は、中心波長が570〜730nm、好ましくは中心波長が645〜680nmの赤色LED素子と、中心波長が400〜515nm、好ましくは中心波長が400〜460nmの青色LED素子とからなる。複数の赤色LED素子および複数の青色LED素子の個数を調節することにより、赤色光の発光強度、青色光の発光強度ならびにこれらの両者の光の光量(強度)比を調節することが可能である。
制御部は、光照射部から発射される赤色光および青色光の光量(強度)、波長および/または照射時間を所定値に維持するか、あるいは所定のパターンで変化させる。制御部は汎用のコンピュータを用いて構成することができる。そのような光照射部および制御部を備えた植物栽培装置は公知であり、例えばWO2013/021952に記載された植物栽培装置または特開2013−201903に記載された植物栽培用LEDランプ等を使用することが可能である。
図1は、制御部による制御パターンの一例を示す略図である。この実施形態では、制御部は、赤色光照射工程と、青色光照射工程とを交互に連続して行なうよう光照射を制御する。
図中、符号S1は赤色光照射工程、符号S2は青色光照射工程を示す。本実施形態では、赤色光照射工程S1と青色光照射工程S2が交互に連続して行われ、赤色光照射工程と青色光照射工程S2とからなる照射サイクルが繰り返し行われる。また、C1は第1回目の照射サイクル、C2は第2回目の照射サイクルであるが、各照射サイクルは赤色光および青色光の照射サイクルの時間について上述したように必要に応じて設定することが可能である。
このように、植物に対して赤色光と青色光を交互に照射することにより、生長を顕著に促進することができる(試験例参照)。また、徒長を抑制して、収穫量を向上させることも可能である。
大気中の二酸化炭素は約350ppmであるが、植物工場等の閉鎖空間内で植物を育成する場合は二酸化炭素濃度を高めることで生育効果が高まることが知られている。本発明の方法によれば、赤色光照射工程および青色光照射工程における植物栽培環境の二酸化炭素濃度はいずれも1300ppm以上、より好ましくは1500ppm以上、さらに好ましくは2000ppm以上である。上限値は通常5000pmm以下である。一実施形態では、赤色光照射工程および青色光照射工程における植物栽培環境の二酸化炭素濃度はいずれも1300ppm以上3000ppm以下である。別の実施形態では、当該二酸化炭素濃度は1500ppmを超え2500ppm以下である。さらに別の実施形態では、当該二酸化炭素濃度は3500ppm以上4500ppm以下である。
赤色光照射工程および青色光照射工程における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1300ppm以上1500ppm以下の場合には、上述のように、赤色光の光合成光量子束密度が150μmol/m2sよりも大きく、青色光の光合成光量子束密度が50μmol/m2sよりも大きくする必要がある。赤色光の光合成光量子束密度が150μmol/m2sよりも大きく、青色光の光合成光量子束密度が50μmol/m2sよりも大きい場合、二酸化炭素濃度が比較的低くとも、植物の生育効果が高められ得る。赤色光照射工程および青色光照射工程における植物栽培環境の二酸化炭素濃度が1500ppmを超える場合、赤色光および青色光の光合成光量子束密度が上記の値を満たさなくとも植物の生育効果が高められ得る。好ましくは、赤色光照射工程および青色光照射工程における植物栽培環境の二酸化炭素濃度は2000ppm以上5000ppm以下である。二酸化炭素濃度がかかる高濃度の場合、同一積算光量を蛍光灯で照射しながら植物を同一期間栽培した場合と比較して、より生育が良好となり、より大きな収穫重量が得られる。このように、赤色光照射工程と青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行う植物栽培方法において、赤色光と青色光の光合成光量子束密度が大きい場合には植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1300ppm以上1500ppm以下の場合でも植物の生育効果が高められ、1500ppmを超えた場合にも二酸化炭素濃度が1000ppmや1300ppmの場合に比べて植物の収穫重量が増大する点は、本発明者らの予想外の知見である。特に1500ppmを超える高濃度に設定することで、本発明の植物栽培方法による植物の成長促進とCO2富化による成長促進が相乗効果をもたらし、一定期間においてより大きな植物を育成することが可能となる。植物の生長が促進されるため、一定の収穫重量を得るための育成期間が短縮される。これにより同一区画における収穫回数を増やすことができるため、いわゆる植物工場などに適用した際の採算性向上につながる。
一つの実施形態では、植物栽培環境の二酸化炭素濃度は、本発明の植物栽培中の全期間、上記の値に維持される。別の実施形態では、赤色光照射工程および青色光照射工程以外の時間に、植物栽培環境の二酸化炭素濃度が、赤色光照射工程の二酸化炭素濃度および青色光照射工程における植物栽培環境の二酸化炭素濃度よりも低い値、例えば1300ppm未満に低下される期間があってもよい。また、赤色光照射工程の二酸化炭素濃度と青色光照射工程の二酸化炭素濃度はほぼ同じであってもよいし、異なる濃度に変化させてもよい。
所望の植物栽培環境の二酸化炭素濃度を提供する方法は特に限定されず、植物栽培において二酸化炭素を供給可能な公知の二酸化炭素供給装置および供給される二酸化炭素の流量を制御することが可能な公知の二酸化炭素濃度制御装置を用いて提供し得る。
本発明に係る植物栽培方法等が対象とする栽培植物は、特に限定されることなく、野菜類、いも類、きのこ類、果実類、豆粒、穀物類、種実類、観賞用植物類、シダ類、コケ類などとできる。また、これらの植物の栽培形態も、特に限定されることなく、水耕栽培、土耕栽培、養液栽培、固形培地耕などであってよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<試験例>
本発明に係る植物栽培方法に関して、蛍光灯および波長の異なるLEDの交互照射における生育環境の二酸化炭素濃度の異なる試験群1〜7(表1)を比較することによって、各照明条件における二酸化炭素濃度の生長促進効果との相関を検証した。
A.材料と方法
(材料)
本試験例では、生育状態の観察対象としてリーフレタス(品種:サマーサージ)を用いた。生育は播種〜育苗、仮植、定植〜収穫の3つの過程に分けておこなった。
播種〜育苗の過程では、まず養液の入った容器に市販品のくぼみのついたウレタンキューブを設置し、種子を15粒、ウレタンキューブのくぼみに播種し、温度、湿度、照明および二酸化炭素濃度を所定の条件に設定した人工気象器内に置いて14日間生育させた。
仮植の過程では、養液をためたプラスチックコンテナに穴のあいた発泡スチロールを浮かべて湛液式の水耕栽培を行った。播種した15株全体のなかで著しく生育の遅い、もしくは早いものを除いて無作為に選んだ10株を、根が市販の養液に浸かるように発泡スチロールの穴に設置し、12日間生育させた。
定植〜収穫の過程では、仮植した10株全体のなかで著しく生育の遅い、もしくは早いものを除いて無作為に選んだ5株を残し栽培を継続した。人工気象器(エスペックミック株式会社製)の環境は、光条件、二酸化炭素濃度以外、各条件すべて同一として、気温20±2℃、湿度60±10%とした。
二酸化炭素濃度は、各試験群で人工気象器内の二酸化炭素濃度が以下の表3の値となるようにエスペックミック(株)のセル苗試験育成チャンバー(TGC-1―2S)の炭酸ガス制御機能を用いて生育の開始時(播種時)から収穫まで供給した。
(光源)
本試験例の光環境のための光源には、蛍光灯と類似形状の直管型LED灯具で、赤色LED(中心波長:660nm、波長域650〜670nm)180個からなる赤色発光素子と、青色LED(中心波長:450nm、波長域430〜470nm)60個からなる青色発光素子とを有する光照射部と、光照射部を制御して、赤色発光素子と青色発光素子とを別個独立に点灯・消灯させる制御部とを備えるものおよび蛍光灯を用いた。各光源における光合成光量子束密度(PPFD、μmol/m2s)の、栽培個所の中心付近の3点における平均値が表2に示す値になるよう設定した。
試験群1〜2は4時間を1サイクルとし、3時間の蛍光灯照射時間と1時間の休止時間とを繰り返した。試験群3〜7では、レタスに赤色光(660nm)と青色光(450nm)を12時間ずつ交互に照射した。試験群3〜7においては、何も光を照射しない時間は設けていない。蛍光灯(試験群1〜2)とLED(試験群3〜7)の場合において、1日当たりの合計の積算光量は同じとなるように調整した。
B.結果
上述の試験群1〜7を、試験を開始してから40日後(±6時間以内)の時点で地上部を採取し、新鮮重量を測定して比較を行った(表3、4)。
試験群1において得られる二酸化炭素濃度1000ppm下でのレタスの地上部新鮮重は79.3gであったのに対し、試験群2においては二酸化炭素濃度2000ppmへの増加にもかかわらずレタスの地上部新鮮重は70.56gとなり、重量の増加はみられなかった。以上より、蛍光灯下での生育は、二酸化炭素濃度を1000ppmから2000ppmに上げても生育促進効果の向上はみられないことがわかった。
試験群3の二酸化炭素濃度1000ppm下でのレタスの地上部新鮮重は64.72gであったのに対し、二酸化炭素濃度を1300ppm(試験群4)、1500ppm(試験群5)、および2000ppm(試験群6)へ増加することによって73.32g、86.68g、および148.00gへとそれぞれ増加した。新鮮重の増加は二酸化炭素濃度に対し比例関係ではなく、二酸化炭素濃度が1300ppm以上の濃度においてより増加する傾向がみられた(図2)。
試験群7の二酸化炭素濃度4000ppmでは新鮮重は120.02gとなり、二酸化炭素濃度1500ppm以下の場合よりも大きい値であるものの、二酸化炭素濃度2000ppmでの重量に対し、より生育が促進する効果はみられなかった。
以上より、LED交互照射下での生育は、二酸化炭素濃度2000ppmまで生育を促進する効果があり、とくに1300ppm以上の二酸化炭素濃度では飛躍的に生育速度を高められることが示された。
本試験例の結果から、赤色光照射工程と青色光照射工程とを交互に行なう本発明の植物栽培方法では、従来栽培に最も効率的と考えられていた1000ppmを超える1300ppm以上の高い濃度にすることによって、飛躍的に生育を促進することが示された。

Claims (7)

  1. (A)赤色光を植物に照射する工程と、(B)青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)における赤色光の光合成光量子束密度が150μmol/m2sよりも大きく、工程(B)における青色光の光合成光量子束密度が50μmol/m2sよりも大きく、かつ工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1300ppm以上であることを特徴とする植物栽培方法。
  2. 工程(A)における赤色光の光合成光量子束密度が200μmol/m2s以上であり、工程(B)における青色光の光合成光量子束密度が120μmol/m2s以上である請求項1に記載の植物栽培方法。
  3. 工程(A)の赤色光の光量の工程(B)の青色光の光量に対する比が1:1〜3:1である請求項1または2に記載の植物栽培方法。
  4. (A)赤色光を植物に照射する工程と、(B)青色光を植物に照射する工程とを一定期間内に別個独立に行なう工程とを含む植物栽培方法であって、工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも1500ppmよりも高いことを特徴とする植物栽培方法。
  5. 工程(A)および工程(B)における植物栽培環境の二酸化炭素濃度がいずれも2000ppm以上5000ppm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項の植物栽培方法。
  6. 工程(A)および工程(B)における照射時間をそれぞれ0.1時間以上48時間以下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の植物栽培方法。
  7. 前記照射時間をそれぞれ3時間以上24時間以下とすることを特徴とする請求項6に記載の植物栽培方法。
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