JP2018121589A - 人工光による植物苗の栽培方法 - Google Patents

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隆史 渡辺
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裕紀 山口
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Abstract

【課題】徒長が無く、茎の太い、定植後にも生育が良好な苗を栽培できる植物苗の栽培方法を提供する。【解決手段】本発明の植物苗の栽培方法は、植物苗に人工光を照射して生育を促進させる植物苗の栽培方法であって、青色照明光を連続的に照射する期間(A)を有し、前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の30以上80%未満が、青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)である。【選択図】なし

Description

本発明は、植物苗の栽培方法に関し、詳しくは植物苗に人工光を照射する植物苗の栽培方法に関する。
従来、植物栽培において、植物苗に人工光を照射して育苗を促す技術が取り入れられている。植物の苗は、環境の影響を受けやすい為、人工光を用いた閉鎖型の設備内で行う利点がある。また、生長を促進することで、栽培期間を短縮して、同一場所での収穫回数を増やすことができる。大きな苗は、圃場植え替え後の栽培期間を短縮でき、圃場全体の収穫量を増やすことができる。
従来から植物に人工光を照射する植物栽培方法が多数知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、連続光障害を発生する植物に対して、主光源による連続光を24時間照射しながら、さらに青色光源からなる補助光源を1〜23時間連続照射し、その後補助光源による照射を行わない植物栽培方法が提案されている。
特許文献2では、発芽後の抑制の必要な時期に、緑色光を豊富に含み、青色光と赤色光の少なくとも一方を光合成用として必要量含む光を照射して胚軸の伸張を抑制する苗の伸長のコントロール方法が提案されている。
特許文献3では、赤色照明光を植物に照射するステップと、青色照明光を植物に照射するステップとを、各ステップ3時間以上48時間未満で交互に連続して行う、植物栽培方法が提案されている。
特開2015‐167544号公報 特開2010‐104260号公報 国際公開第2013/021952号
これまでの人工光を照射する植物苗栽培の知見によると、蛍光灯を用いた技術が実用化されている。
しかし、近年、省電力の効果が大きい発光ダイオード(LED)が用いられるようになった。
省エネだけでなく、LEDは狙った波長の光を植物の光応答に合わせて、高効率かつ必要最小限に照射できるため、より効果的な光照射方法を可能にする技術である。
しかしながら、例えばLEDを用いた赤色光の単独照射では苗が徒長し、葉焼けが起こることが報告されている。また、青色光の単独照射では生育不良になるか、花芽の分化が抑制される傾向がある。一方、赤と青の同時照射では、徒長は抑制され、蛍光灯を使用した苗と同等の品質が得られている。また、赤色光と青色光の交互照射は、定植後の植物体においては良好な生育を促すが、植物苗では徒長する傾向がみられる。
蛍光灯を用いて栽培された植物苗や、赤と青の同時照射によって栽培された植物苗の品質は、太陽光下で栽培された植物苗と比較すると、アントシアニンが多く含まれ、葉が赤色の植物苗であり生育および外観の改善が求められていた。
本発明は、人工光を照射する育苗においても、徒長を抑え、アントシアニンの少ない、緑色の葉を有する安定した植物苗を育て、定植後にも生育が良好となる高品質の植物苗を育成することが可能な、植物苗の栽培方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、人工光を照射して生育を促進させる植物苗の栽培方法について鋭意検討を行った結果、特定の方法で青色照明光と、赤色照明光とを照射することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[20]を含む。
[1] 植物苗に人工光を照射して生育を促進させる植物苗の栽培方法であって、
青色照明光を連続的に照射する期間(A)を有し、
前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の30%以上80%未満が、
青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)である植物苗の栽培方法。
[2] 前記青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)が一回あたり1〜20時間である[1]に記載の植物苗の栽培方法。
[3] 光を照射しない期間(B)を有する[1]または[2]に記載の植物苗の栽培方法。
[4] 前記光を照射しない期間(B)が一回あたり1〜12時間である[3]に記載の植物苗の栽培方法。
[5] 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)の時間を100%としたとき、前記光を照射しない期間(B)の時間が、4〜50%である[3]または[4]に記載の植物苗の栽培方法。
[6] 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)および光を照射しない期間(B)を交互に繰り返し行う、[3]〜[5]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[7] 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)と、前記光を照射しない期間(B)との間に、赤色照明光のみを連続的に照射する期間(C)を、0時間を超えて5時間以下有する、[3]〜[6]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[8] 赤色照明光のみを連続的に照射する期間(C)を有さない、[3]〜[6]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[9] 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)が一回あたり2〜24時間である、[3]〜[8]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[10] 前記青色照明光の波長範囲が400〜515nm、中心波長が430〜470nmである[1]〜[9]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[11] 前記赤色照明光の波長範囲が570〜730nm、中心波長が640〜680nmである[1]〜[10]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[12] 前記青色照明光の光量が、植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度で40〜200μmol/(m2・s)である[1]〜[11]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[13] 前記赤色照明光の光量が、植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度で40〜500μmol/(m2・s)である[1]〜[12]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[14] 前記青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)において、赤色照明光の植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度が、青色照射光の光合成有効光量子束密度の100〜1000%である[1]〜[13]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[15] 栽培時の湿度が、39〜90%である[1]〜[14]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[16] 栽培時の温度が、16〜28℃である[1]〜[15]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[17] 前記植物苗が、果菜類の苗である[1]〜[16]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[18] 前記植物苗が、ナス科の植物の苗である[1]〜[16]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[19] 前記植物苗が、トマトの苗である[1]〜[16]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法。
[20] [1]〜[19]のいずれかに記載の植物苗の栽培方法で栽培した植物苗を、圃場に定植し、自然光を利用して栽培する植物の栽培方法。
本発明により、徒長が無く、アントシアニンの少ない、緑色の葉を有し、定植後にも生育が良好な植物苗を栽培できる植物苗の栽培方法が提供される。
本発明の植物苗の栽培方法は、植物苗に人工光を照射して生育を促進させる植物苗の栽培方法であって、青色照明光を連続的に照射する期間(A)を有し、前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の30%以上80%未満が、青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)であることを特徴とする。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明においては、照明光を連続的に照射するが、「連続的に照射する」とは、照明光を通常は連続照射するが、短い時間であれば照明光を照射しない時間を有していてもよいことを意味する。なお、短い時間とは、通常は30分以下、好ましくは5分以下、より好ましくは1分以下を意味する。
本発明の栽培方法は、青色照明光を連続的に照射する期間(A)を有する。
本発明における青色照明光は通常、波長範囲が400〜515nmの青色光を含む照明光である。青色照明光は、前記青色光を含んでいればよく、前記青色光と異なる波長域の光を含んでいてもよいが、後述の赤色光を実質的に含まない。青色照明光は、特に好ましくは、前記青色光のみを含む。
また、青色照明光は、中心波長が430〜470nmであることが、光合成反応に対する効率が高く、特に徒長抑制などの形態制御に効果が大きいため好ましい。
青色照明光は、本発明の効果を高める観点から、中心波長が440〜460nmの青色が最適である。
本発明の栽培方法では、青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の30%以上80%未満が、青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)である。
本発明における赤色照明光は通常、波長範囲が570〜730nmの赤色光を含む照明光である。赤色照明光は、前記赤色光を含んでいればよく、前記赤色光と異なる波長域の光を含んでいてもよいが、前述の青色光を実質的に含まない。赤色照明光は、特に好ましくは、前記赤色光のみを含む。
また、赤色照明光は、中心波長が640〜680nmであることが、光合成反応に対する効率が高く、特に成育速度の向上に効果が大きいため好ましい。
期間(A−1)では、前記赤色照明光が前記赤色光のみであり、青色照明光が前記青色光のみであることが好ましい。
前記青色照明光および赤色照明光の光源としては、従来公知の人工光源を用いることができるが、波長の選択が容易で、有効波長域の光エネルギーの占める割合が大きい光を放射することから、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)等の光半導体素子を用いることが好ましい。また、青色LEDと赤色蛍光体とを組み合わせた光源でもよい。エレクトロルミネッセンス(EL)を用いる場合、ELは、有機ELであってもよいし、無機ELであってもよい。発光効率の点から、LEDが最も望ましい。特に、赤色照明光の光源としては、高い発光効率のAlGaInP発光層を用いたLEDが最適である。また、青色照明光の光源としては、高い発光効率のInGaN発光層を用いたLEDが最適である。
本発明の栽培方法では、前述のように青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の30%以上80%未満が、青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)であるが、期間(A)を行う時間の40〜65%が、期間(A−1)であることが好ましい。期間(A−1)の長さが、80%を上回ると植物苗の生育が悪くなり、30%を下回ると植物苗が徒長する傾向があるため、前記範囲が好ましい。
なお、青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)以外の期間(A)としては、青色照明光を連続的に照射し、赤色照明光を照射しない期間(A−2)が挙げられる。本発明では、期間(A)を行う時間が、期間(A−1)を行う時間および期間(A−2)を行う時間の合計と一致することが好ましい。すなわち、青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の、20〜70%、好ましくは35〜60%が、青色照明光を連続的に照射し、赤色照明光を照射しない期間(A−2)である。なお、期間(A−2)としては、青色照明光のみを連続的に照射する期間(A’−2)であることが好ましい。
本発明では、前記期間(A−1)が一回あたり1〜20時間であることが好ましく、6〜16時間であることがより好ましい。前記範囲内では植物苗の形態が良好であるため好ましい。
また、本発明では、前記期間(A−2)が一回あたり1〜20時間であることが好ましく、4〜16時間であることがより好ましい。前記範囲内では植物苗の形態が良好であるため好ましい。
本発明の栽培方法では、光を照射しない期間(B)(暗期)を有していてもよい。植物苗の種類によっては、常に光を照射しながら栽培を行うと、連続光障害を発生するものがある。このような植物苗の場合には、暗期を設けることが好ましい。
本発明の栽培方法が、光を照射しない期間(B)を有する場合には、一回あたり1〜12時間であることが好ましく、2〜6時間であることがより好ましい。
本発明の栽培方法が、前記期間(B)を有する場合には、前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)および光を照射しない期間(B)を交互に繰り返し行うことが好ましい。この場合には、期間(A)から初めてもよく、期間(B)から始めてもよい。また、本発明の栽培方法は、期間(A)で終わりにしてもよく、期間(B)で終わりにしてもよい。
また、本発明の栽培方法が、光を照射しない期間(B)を有する場合には、前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)の時間を100%としたとき、前記光を照射しない期間(B)の時間が、4〜50%であることが好ましく、4〜25%であることがより好ましい。なお、本発明の栽培方法が期間(A)および期間(B)を交互に繰り返し行う場合には、各回における期間(A)および期間(B)の時間が、上記範囲であることが好ましい。また、本発明の栽培方法全体においても、期間(A)および期間(B)の時間が、上記範囲であることが好ましい。
なお、期間(A)、期間(A−1)、期間(A−2)、期間(B)等において、一回あたりの時間とは、該期間を一回行う時間を意味する。すなわち、期間(A−2)、期間(A−1)、期間(B)を繰りかえし行う場合には、本発明の栽培方法において、各期間は複数回行われるが、各回における期間(A−2)、(A−1)、(B)の時間が、一回あたりの時間である。
また、本発明の栽培方法は、一回の期間(A)の中で、期間(A−1)を複数回有していてもよく、期間(A−2)を複数回有していてもよい。
本発明の栽培方法は、青色照明光を連続的に照射する期間(A)のみでもよいが、期間(B)を有する場合には、期間(A)が一回あたり2〜24時間であることが好ましく、12〜22時間であることがより好ましい。前記範囲内では、植物苗の生育が良好であり、好ましい。
また、本発明の栽培方法は、期間(A)および期間(B)を交互に繰り返し行う場合には、一回の期間(A)と、期間(B)との合計時間が、3〜36時間であることが好ましく、14〜28時間であることがより好ましい。
本発明の栽培方法は、前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)と、前記光を照射しない期間(B)との間に、赤色照明光のみを連続的に照射する期間(C)を有していてもよい。期間(C)を有する場合には、植物苗の徒長を抑制する観点から、好ましくは0時間を超えて5時間以下であり、より好ましくは0時間を超えて3時間未満であり、さらに好ましくは0時間を超えて1時間以下である。なお、該時間は、期間(C)一回当たりの時間である。また、本発明の栽培方法は、植物苗の徒長を抑制する観点から、赤色照明光のみを連続的に照射する期間(C)を有さないことも好ましく、実質的に期間(A)のみ、または期間(A)および期間(B)のみであることも好ましい。
本発明では、青色照明光の光量が、植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度で、好ましくは40〜200μmol/(m2・s)であり、より好ましくは80〜180μmol/(m2・s)であり、さらに好ましくは100〜160μmol/(m2・s)である。赤色照明光の光量が、植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度で、好ましくは40〜500μmol/(m2・s)であり、より好ましくは120〜400μmol/(m2・s)であり、さらに好ましくは200〜300μmol/(m2・s)である。光合成有効光量子束密度が、前記範囲を下回ると、植物苗の生育が悪くなる場合があり、前記範囲を上回っても、植物苗の生育に変化は無く、エネルギーを無駄に消費する傾向にある。
また、本発明では、青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)において、赤色照明光の植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度が、青色照射光の光合成有効光量子束密度の100〜1000%であることが好ましく、100〜500%であることがより好ましく、100〜350%であることが更に好ましい。上記範囲内では、光合成が良好であるため好ましい。
なお、本発明において、植物の栽培面とは、植物苗を栽培するためのポットやセルトレイ等の支持体に敷き詰めた培地の上面を意味し、光量は栽培面にセンサーを載せて測定する。なお、土やロックウール、ヤシがらなどの培地を使用せず、水耕栽培、ミスト栽培等によって、植物苗を栽培する場合には、植物苗が定植されるパネル上を意味する。
本発明の栽培方法では、植物苗の生育が促進されるが、植物苗としては、植物の苗であればよく、特に限定は無いが、例えば以下の植物の苗が挙げられる。
前記植物としては、葉菜類、果菜類、根菜類、果樹類、穀類、コケ類、シダ類、観葉植物類、薬草類等が挙げられる。また、これらの植物の栽培形態も、特に限定されることなく、水耕栽培、土耕栽培、養液栽培、固形培地耕などであってよい。
葉菜類としては、アブラナ科のミズナ、コマツナ、カラシミズナ、カラシナ、ワサビナ、クレソン、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、ルッコラ、ピノグリーンなど;キク科のレタス類、サラダナ、シュンギク、フキ、ロロロッサ、レッドロメイン、チコリーなど;ユリ科のタマネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガスなど;セリ科のパセリ、イタリアンパセリ、ミツバ、セルリー、セリ、ディルなど;シソ科のシソ、バジル、ローズマリーなど;ネギ科のネギなど;ウコギ科のウドなど;ショウガ科のミョウガなどが挙げられる。
前記レタス類としては、結球性レタス、非結球レタス及び半結球レタスなどが含まれ、例えば、リーフレタス、フリルレタス、ロメイン、グリーンウェーブ、グリーンリーフ、レッドリーフ、フリルアイス(登録商標)、リバーグリーン(登録商標)、フリルリーフ、フリンジグリーン、ノーチップ、モコレタス、サンチュ、チマ・サンチュが挙げられる。
果菜類としては、ウリ科のメロン、キュウリ、カボチャ、スイカ、シロウリ、マクワウリ、ニガウリ、ズッキーニ、トウガンなど;マメ科のサヤインゲン、ソラマメ、サヤエンドウ、エダマメなど;ナス科のトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、トウガラシ、パプリカなど;バラ科のイチゴなど;アオイ科のオクラなど;イネ科のトウモロコシなどが挙げられる。
根菜類としては、アブラナ科のダイコン、カブ、ワサビなど;キク科のゴボウなど;セリ科のニンジンなど;ナス科のジャガイモなど;サトイモ科のサトイモなど;ヒルガオ科のサツマイモなど;ヤマノイモ科のヤマイモなど;ショウガ科のショウガなど;スイレン科のレンコンなど、ユリ科のユリ根などが挙げられる。
果樹類としては、バラ科のラズベリー、ブラックベリー、ボイセンベリー、ユスラウメ、ナシ、リンゴ、など;ツツジ科のブルーベリー、クランベリーなど;スグリ科のスグリ、フサスグリなど;ウルシ科のマンゴーなど;パイナップル科のパイナップルなど;クワ科のイチジクなど;ブドウ科のブドウなど;スイカズラ科のハスカップなど;パパイヤ科のパパイヤなど;トケイソウ科のパッションフルーツなど;サボテン科のドラゴンフルーツなど;ナシ亜科のビワ等が挙げられる。
穀類としては、イネ科のアワ、エンバク、オオムギ、キビ、コムギ、コメ、モチゴメ、トウモロコシ、ハトムギ、ヒエ、ライムギなど;ヒユ科のアマランサスなど;タデ科のソバなどが挙げられる。
コケ類としては、マゴケ綱に属するコケ類が含まれる。例えば、エゾスナゴケ(Racomitrium japonicum)等、いわゆる砂苔と称される、キボウシゴケ目(Grimmiales)ギボウシゴケ科シモフリゴケ属のコケ類が挙げられる。
また、観賞用植物類としては、バラ、ミニバラ、リンドウ、ユーストマなどに加えて、アジアンタム、プテリス、イワヒバなどのシダ類を含む種々の観葉植物類が挙げられる。
薬草としては、専ら医薬品として用いられるシコン、センブリ、マオウなどの他に、医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品として扱わないサイコ、カンゾウ、トウキ、センキュウ、オタネニンジンなどが含まれる。
本発明の栽培方法で得られた植物苗は、植物の種類にもよるが、例えば果菜類の場合には、育成後、ロックウール、ヤシガラ、ウレタン樹脂、土壌等の支持体に定植し、圃場にて栽培を行うことができる。本発明の栽培方法で得られる植物苗は、徒長が無く、アントシアニンの少ない、緑色の葉を有しており、定植後にも生育が良好である。
本発明の植物苗の栽培方法において、栽培時の温度は一般的に植物苗の栽培を行う温度であればよく、特に限定は無いが、16〜28℃が好ましく、17〜26℃がより好ましく、18〜25℃がさらに好ましい。
また、栽培時の湿度(相対湿度)は、39〜90%が好ましく、50〜80%がより好ましく、65〜75%がさらに好ましい。
本発明の栽培方法では、温度および湿度を前記範囲とすることで、徒長がなく、茎の太い成長が促進された苗を得ることが可能であり、成長が充分に促進されている場合には二次育苗を省略可能であり、定植後の生育も良好であるため好ましい。
栽培時の炭酸ガス濃度は大気中の濃度とすることもできるし、炭酸ガスを付加して行うこともできる。炭酸ガスを付加して行う場合、炭酸ガス濃度に特に制限はないが、経済性および生育への好影響の観点から、栽培中の濃度は400〜1200ppmが好ましく、600〜1100ppmがより好ましく、700〜1000ppmがさらに好ましい。
また、本発明の栽培方法では、肥料を用いてもよい。肥料としては、その植物の種類に応じて、市販されている肥料を始め、特に制限なく用いることができる。また、肥料の有効成分を適宜個別に配合して用いることもできる。
本発明の植物苗の栽培方法は、上述の様々な植物の苗に適用することが可能であるが、植物苗としては、果菜類の苗であることが好ましく、ナス科の植物の苗であることがより好ましく、トマトの苗であることが更に好ましい。これらの植物の苗では、徒長がなく、太い茎を持ち、アントシアニンが少なく緑色が濃い苗が得られる。そのため、定植後の生育が良い苗を安定して得られ、該植物の需要も高いため好ましい。
本発明の植物苗の栽培方法を行う期間は、植物の種類によっても異なり、特に限定は無いが、植物がトマトの場合、通常は子葉が展開した後から7〜50日間、好ましくは14〜30日間、より好ましくは18〜24日間の範囲内で行われる。本発明の育苗方法で得られた植物苗は、必要により二次育苗を行った後に、定植される。
本発明の栽培方法で得られる植物苗は、トマトの場合、茎の直径が4.5mm以上で、葉の枚数が5枚以上の植物苗であることが好ましく、茎の直径が6mm以上で、葉の枚数が6.5枚以上の植物苗であることがより好ましい。
本発明の栽培方法は、通常は閉鎖型の育苗装置を用いて行うことができる。本発明に用いられる育苗装置としては、通常青色照明光の光源および赤色照明光の光源を有しており、該光源の光量(強度)、照射時間を制御するための制御部を有している。また、育苗装置は、植物苗に培養液、水、肥料等を供給するための設備を通常有しており、温度、湿度、二酸化炭素濃度を制御するための設備を有していてもよい。
本発明の栽培方法で得られた植物苗は、必要に応じて二次育苗された後、通常はその後定植される。本発明の植物の栽培方法は、前述の本発明の植物苗の栽培方法で栽培した植物苗を圃場に定植し、自然光を利用して栽培する。本発明の植物苗の栽培方法で栽培した植物苗は、徒長が無く、茎が太く、アントシアニンの少ない、緑色の葉を有する苗であるため、定植後の生育が良好である。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本発明の栽培方法を用いて、果菜類の苗を育苗する実験を行った。この実験は、閉鎖型の育苗装置内で行った。実験サンプルとして、‘桃太郎ヨーク’ あるいは‘CF桃太郎ヨーク’(タキイ種苗)のトマトの種を使用した(略号:桃太郎ヨーク;桃、CF桃太郎ヨーク;CFと表記)。72穴のセルトレイ(セルトレーAP、東罐興業株式会社製)を構成する各セルに、培養土(たね培土1号、スミリン農産工業株式会社製)を充填し、1セル当たりに1粒を播種した。
播種後の培養土をセルトレイとともに、27℃に保った催芽器内に3日間収容し、播種後3日目に育苗装置に移して光照射を開始した(栽培0日目)。その後、21日間または18日間育苗を行った。培養液として、1L当たりにハイテンポCu(住友化学株式会社製)2.93mLとハイテンポAr(住友化学株式会社製)0.98mLを溶解したものを用い、その電気伝導度(EC)を1.6dS/m、pHを5.9とした。窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の含有比率について、N:P:K=5.9:1.1:2.4とした。
潅水は、1日1回、10分間(8時30分から8時40分まで)行い、灌水終了時にセルトレイの底面から30mm程度の高さまで培養液が満たされた状態とした。
栽培を行う際の温度および湿度は、条件Aの場合、温度は25℃、相対湿度は70%に設定した。育苗装置内のCO2濃度は1000ppmとした。条件Bの場合、毎日0時〜8時の間は18℃とし、8時〜24時の間は25℃とした。湿度は制御しなかった。なお、育苗中の相対湿度の実測値は39〜60%であった。育苗装置内のCO2濃度は1000ppmとした。
光源としては、赤色照明光と青色照明光の照明(RRB、品番:UL0005#01−0R、LEDチップ:赤160個+青80個、波長:赤640〜680nm、青425〜475nm、中心波長:赤660nm、青450nm、昭和電工株式会社製)を備えた、直管型LED照明を使用した。タイマー付き調光器によって各色独立して調光し、照射光量の調整を行った(略号:赤色照射光;R、青色照射光;Bと表記)。
また、一部の比較例の光源としては、蛍光灯(日立Hf蛍光ランプ、ハイルミックFHF32EX−N−K 3波長形昼白色蛍光灯32ワット)(略号:蛍光灯を用いた照明光をFLと表記)を用いた。
光合成有効光量子束密度の測定は、光量子センサー(LI−190、LI−COR)およびライトメーター(LI−250、LI−COR)を使用した。
後述の実施例3、比較例3については、栽培21日目に苗を装置から出し、植物栽培用ロックウール「やさいはなポット75×75×75mm」(日本ロックウール製)に植えて、ハウス内の二次育苗室にて栽培を開始した。灌水はロックウールへの点滴灌漑とした。栽培30日目に、1000mm長さのスラブ「Grotop Expert」(Grodan社製)を使用し、栽植密度が3.75株/m2となるように圃場に定植した(定植0日目)。
定植後は「つりっ子トマト用」を用いて誘引し、適宜、脇芽かきを行った。
定植30日目に第一〜第三花房の花数、第一、第二花房の果実個数、および葉緑素量を計測した。
葉緑素量の測定には、葉緑素計(SPAD−502Plus、コニカミノルタ社製)を使用し、第二花房上3葉目を5回測定した平均値を測定値とした。
花数および果実個数は目視によって計測した。
人工光による照射条件を変えて、下記実施例および比較例を行った。各実施例および比較例における具体的な栽培条件を、次のように設定した。
〔実施例1〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜4時の間(連続照射時間は20時間)にB145μmol・m-2・s-1を照射し、そのうち、18時〜4時の間(連続照射時間は10時間)にR290μmol・m-2・s-1を照射した。4時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。(以下暗期をDとも標記する。)なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Aを採用した。
〔実施例2〕
栽培期間を21日から18日に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例3〕
栽培を行う際の温度および湿度として、条件Aを条件Bに変更した以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例4〕
B145μmol・m-2・s-1を、B80μmol・m-2・s-1に変更し、栽培を行う際の温度および湿度として、条件Aを条件Bに変更した以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例5〕
光照射を行う栽培0日目から18日目まで、一日のうち、8時〜23時の間(連続照射時間は15時間)にB145μmol・m-2・s-1を照射し、18時〜4時の間(連続照射時間は10時間)にR290μmol・m-2・s-1を照射した。4時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。(以下暗期をDとも標記する。)なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Bを採用した。
なお、実施例5では、赤色および青色照明光が共に照射される18時〜23時が、期間(A−1)であり、その後の赤色照明光のみが照射される23時〜4時が、期間(C)である。
〔比較例1〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜24時の間(連続照射時間は16時間)にFL300μmol・m-2・s-1を照射した。0時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Aを採用した。
〔比較例2〕
栽培期間を21日から18日に変更した以外は、比較例1と同様に行った。
〔比較例3〕
栽培を行う際の温度および湿度として、条件Aを条件Bに変更した以外は、比較例1と同様に行った。
〔比較例4〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜24時の間(連続照射時間は16時間)にB90μmol・m-2・s-1およびR178μmol・m-2・s-1を照射した。0時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Bを採用した。
〔実施例6〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜4時の間(連続照射時間は20時間)にB145μmol・m-2・s-1を照射し、そのうち、22時〜4時の間(連続照射時間は6時間)にR485μmol・m-2・s-1を照射した。4時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Bを採用した。
〔実施例7〕
赤色照射光を照射するのを、22時〜4時の間(連続照射時間は6時間)から、18時〜4時の間(連続照射時間は10時間)に変更し、R485μmol・m-2・s-1を、R290μmol・m-2・s-1に変更した以外は、実施例6と同様に行った。
〔実施例8〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜2時の間(連続照射時間は18時間)にB161μmol・m-2・s-1を照射し、そのうち、17時〜2時の間(連続照射時間は9時間)にR322μmol・m-2・s-1を照射した。2時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Bを採用した。
〔比較例5〕
赤色照射光を照射するのを、22時〜4時の間(連続照射時間は6時間)から、12時〜4時の間(連続照射時間は16時間)に変更し、R485μmol・m-2・s-1を、R182μmol・m-2・s-1に変更した以外は、実施例6と同様に行った。
〔実施例9〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜4時の間(連続照射時間は20時間)にB145μmol・m-2・s-1を照射し、そのうち、15時〜4時の間(連続照射時間は13時間)にR224μmol・m-2・s-1を照射した。4時〜8時の間は光照射を行わず、暗期とした。なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Aを採用した。
〔比較例6〕
光照射を行う栽培0日目から21日目まで、一日のうち、8時〜2時の間(連続照射時間は22時間)にFL300μmol・m-2・s-1を照射した。2時〜4時の間は光照射を行わず、暗期とした。なお、栽培を行う際の温度および湿度は、条件Aを採用した。
実施例、比較例の結果を表1〜3に示す。
なお、表2では、得られた苗を以下の基準に従って評価した。なお、下記評価では、全て、6株について計測(観察)し、その数値については、6株の平均値である。
アントシアニン:DICポケット版カラーチャートにて色を識別した。CMYKのMの値が40未満の場合をAA、CMYKのMの値が40以上の場合をBBと評価した。
生理障害:得られた苗の葉に問題が見られなかったものをAA、葉にねじれや斑点が少しみられるものをBB、葉のねじれや斑点が多数みられるものをCCと評価した。
茎長は培土面から生長点付近までの長さと定義した。茎径は、子葉の直上をデジタルノギスで測定した。
地上部新鮮重および地上部乾燥重は、電子天秤で測定した。葉は葉身と葉柄を合わせたものとし、茎は地上部のシュートから葉を取り除いた残り部位とした。新鮮重測定後、個体の各部位の葉および茎に分けて紙袋に入れ、温度105℃の恒温機内で72時間乾燥させた後、室温まで降温し、恒温機から取り出し、乾燥重を測定した。
本葉数(表2では葉数と表記)は葉身長が1cm以上の本葉数と定義し、目視により測定した。
茎長/乾燥重は、茎長を地上部乾燥重の値で除すことにより、徒長の指標として算定した。花芽の数は、目視観察において行い、蕾の直径が1mm以上の長さのものを計測した。
Figure 2018121589
Figure 2018121589
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表1、2より、本発明の栽培方法で得られた植物苗は、アントシアニンの少ない緑色の葉を有することが分かる。本発明で得られた植物苗は徒長が抑えられており、安定的に定植することができる。
表3より、本発明の栽培方法で得られた植物苗を定植すると、果実個数が従来よりも多く、SPAD値も高い。すなわち、定植後の生育も良好である。

Claims (20)

  1. 植物苗に人工光を照射して生育を促進させる植物苗の栽培方法であって、
    青色照明光を連続的に照射する期間(A)を有し、
    前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)を行う時間の30%以上80%未満が、
    青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)である植物苗の栽培方法。
  2. 前記青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)が一回あたり1〜20時間である請求項1に記載の植物苗の栽培方法。
  3. 光を照射しない期間(B)を有する請求項1または2に記載の植物苗の栽培方法。
  4. 前記光を照射しない期間(B)が一回あたり1〜12時間である請求項3に記載の植物苗の栽培方法。
  5. 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)の時間を100%としたとき、前記光を照射しない期間(B)の時間が、4〜50%である請求項3または4に記載の植物苗の栽培方法。
  6. 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)および光を照射しない期間(B)を交互に繰り返し行う、請求項3〜5のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  7. 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)と、前記光を照射しない期間(B)との間に、赤色照明光のみを連続的に照射する期間(C)を、0時間を超えて5時間以下有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  8. 赤色照明光のみを連続的に照射する期間(C)を有さない、請求項3〜6のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  9. 前記青色照明光を連続的に照射する期間(A)が一回あたり2〜24時間である、請求項3〜8のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  10. 前記青色照明光の波長範囲が400〜515nm、中心波長が430〜470nmである請求項1〜9のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  11. 前記赤色照明光の波長範囲が570〜730nm、中心波長が640〜680nmである請求項1〜10のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  12. 前記青色照明光の光量が、植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度で40〜200μmol/(m2・s)である請求項1〜11のいずれか―項に記載の植物苗の栽培方法。
  13. 前記赤色照明光の光量が、植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度で40〜500μmol/(m2・s)である請求項1〜12のいずれか―項に記載の植物苗の栽培方法。
  14. 前記青色照明光および赤色照明光を連続的に照射する期間(A−1)において、赤色照明光の植物の栽培面上における光合成有効光量子束密度が、青色照射光の光合成有効光量子束密度の100〜1000%である請求項1〜13のいずれか―項に記載の植物苗の栽培方法。
  15. 栽培時の相対湿度が、39〜90%である請求項1〜14のいずれか―項に記載の植物苗の栽培方法。
  16. 栽培時の温度が、16〜28℃である請求項1〜15のいずれか―項に記載の植物苗の栽培方法。
  17. 前記植物苗が、果菜類の苗である請求項1〜16のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  18. 前記植物苗が、ナス科の植物の苗である請求項1〜16のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  19. 前記植物苗が、トマトの苗である請求項1〜16のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の植物苗の栽培方法で栽培した植物苗を、圃場に定植し、自然光を利用して栽培する植物の栽培方法。
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