JPH08275681A - 植物の可食部増量法 - Google Patents
植物の可食部増量法Info
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- JPH08275681A JPH08275681A JP7905695A JP7905695A JPH08275681A JP H08275681 A JPH08275681 A JP H08275681A JP 7905695 A JP7905695 A JP 7905695A JP 7905695 A JP7905695 A JP 7905695A JP H08275681 A JPH08275681 A JP H08275681A
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- plant
- light
- increasing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 可食部の増量した野菜等の植物を提供する。
【構成】 成育中の植物に対し、光半導体を光源とす
る、発光波長ピークが700〜760nmの遠赤色系光
を補光する植物の可食部増量法。
る、発光波長ピークが700〜760nmの遠赤色系光
を補光する植物の可食部増量法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光波長が670〜7
60nmの遠赤色系の光を用いて野菜の可食部を増量す
る方法に関する。
60nmの遠赤色系の光を用いて野菜の可食部を増量す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物を人工光源で補光することは知られ
ており、人工光源として高圧ナトリウムランプ、メタル
ハライドランプ、蛍光灯、白熱電灯等が使用されてい
る。また発光ダイオード或いは半導体レーザーを光源と
することも提案されている(特開平4−121117、
特開平5−115219)。人工光源は施設栽培や植物
工場等で使用されているが、いずれも植物の成育、特に
光合成に必要な光を補う事が目的であり、遠赤色光を補
光することによって植物の可食部を増量しようという試
みはなされていない。
ており、人工光源として高圧ナトリウムランプ、メタル
ハライドランプ、蛍光灯、白熱電灯等が使用されてい
る。また発光ダイオード或いは半導体レーザーを光源と
することも提案されている(特開平4−121117、
特開平5−115219)。人工光源は施設栽培や植物
工場等で使用されているが、いずれも植物の成育、特に
光合成に必要な光を補う事が目的であり、遠赤色光を補
光することによって植物の可食部を増量しようという試
みはなされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年の施設栽培では付
加価値の高い植物を栽培することが求められる様になっ
てきている。本発明者らは、従来、光合成には有効でな
いとされていた700〜760nmの範囲の遠赤色系光
を含む光線照射下手植物を栽培することにより、可食部
の多い野菜を栽培できること、従って、野菜の可食部を
増量できることを知り、本発明を達成するに至った。
加価値の高い植物を栽培することが求められる様になっ
てきている。本発明者らは、従来、光合成には有効でな
いとされていた700〜760nmの範囲の遠赤色系光
を含む光線照射下手植物を栽培することにより、可食部
の多い野菜を栽培できること、従って、野菜の可食部を
増量できることを知り、本発明を達成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、成育中
の植物に対し、光半導体を光源とする、発光波長ピーク
画700〜760nmの遠赤色系光を補光することを特
徴とする植物の可食部の増量方法によって達成される。
本発明の光源として使用される光半導体としては発光ダ
イオード(LED)、半導体レーザーが挙げられ、特に
発光ダイオードが好ましい。
の植物に対し、光半導体を光源とする、発光波長ピーク
画700〜760nmの遠赤色系光を補光することを特
徴とする植物の可食部の増量方法によって達成される。
本発明の光源として使用される光半導体としては発光ダ
イオード(LED)、半導体レーザーが挙げられ、特に
発光ダイオードが好ましい。
【0005】発光波長ピークが700〜760nmの遠
赤色系の光を発光するLEDとしては、例えばGam A
ln As(m=0.75±0.05、n=0.25±
0.05)の材料を用いたものが好ましい。照射方法は
特に限定されないが、例えば、発光部に半導体チップを
樹脂封入、もしくは窒素等で密封封止した光半導体ラン
プを板状支持体に取り付けて用いたり、光半導体チップ
を透明電極上に直接載せて面状、列状に並べた光半導体
パネルを支持体に取り付けた装置を光源とする。
赤色系の光を発光するLEDとしては、例えばGam A
ln As(m=0.75±0.05、n=0.25±
0.05)の材料を用いたものが好ましい。照射方法は
特に限定されないが、例えば、発光部に半導体チップを
樹脂封入、もしくは窒素等で密封封止した光半導体ラン
プを板状支持体に取り付けて用いたり、光半導体チップ
を透明電極上に直接載せて面状、列状に並べた光半導体
パネルを支持体に取り付けた装置を光源とする。
【0006】本発明の適用対象としては好ましい植物
は、例えば、コマツナ、チンゲンサイ、キャベツ、白菜
等の油菜科植物、或いはセルリ等セリ科植物、その他葉
柄部、茎部等を食する野菜である。植物の栽培方法は特
に限定されるものではない。例えば、種子をシャーレ上
で発芽させた後、培土を詰めた栽培トレイに仮植え、定
植する。また水耕で栽培する場合には、スポンジキュー
ブ上で発芽させた後、スポンジキューブごと水耕装置に
仮植え、定植することもできる。あるいは、従来の施設
栽培の手法にのっとって、定植、栽培をすることもでき
る。
は、例えば、コマツナ、チンゲンサイ、キャベツ、白菜
等の油菜科植物、或いはセルリ等セリ科植物、その他葉
柄部、茎部等を食する野菜である。植物の栽培方法は特
に限定されるものではない。例えば、種子をシャーレ上
で発芽させた後、培土を詰めた栽培トレイに仮植え、定
植する。また水耕で栽培する場合には、スポンジキュー
ブ上で発芽させた後、スポンジキューブごと水耕装置に
仮植え、定植することもできる。あるいは、従来の施設
栽培の手法にのっとって、定植、栽培をすることもでき
る。
【0007】本発明における補光とは、発色光や、他の
任意の人工光によって照射栽培下、又は自然光の照射栽
培下において、補助的に光を補うことをいう。補光に必
要な光強度は植物の栽培面における光強度として、10
0μW/cm 2 以上5000μW/cm2 以下が本発明
の効果を達成する上で好ましく、更に好ましくは500
μW/cm2 以上、2000μW/cm2 以下が効率的
に可食部を増量する上で良い。又、補光前の光量に対し
て言えば、5〜70%、10〜50%の光量の補光を行
うことが好ましい。これらの補光は、最初から活用して
もよいし、また栽培期間中の一時期のみの補光、あるい
は収穫前にのみ遠赤色系の光を照射する事も可能である
が、特に、収穫前の、好ましくは3〜15日間のみに補
光すると、他の弊害を引起こさずに可食部の増量がされ
るので好ましい。
任意の人工光によって照射栽培下、又は自然光の照射栽
培下において、補助的に光を補うことをいう。補光に必
要な光強度は植物の栽培面における光強度として、10
0μW/cm 2 以上5000μW/cm2 以下が本発明
の効果を達成する上で好ましく、更に好ましくは500
μW/cm2 以上、2000μW/cm2 以下が効率的
に可食部を増量する上で良い。又、補光前の光量に対し
て言えば、5〜70%、10〜50%の光量の補光を行
うことが好ましい。これらの補光は、最初から活用して
もよいし、また栽培期間中の一時期のみの補光、あるい
は収穫前にのみ遠赤色系の光を照射する事も可能である
が、特に、収穫前の、好ましくは3〜15日間のみに補
光すると、他の弊害を引起こさずに可食部の増量がされ
るので好ましい。
【0008】
【作用】上記した請求項1の野菜の可食部増量方法によ
ると、発光波長が700〜760nmの遠赤色系の光を
補光することにより、葉柄部、花軸部、茎部等を伸長さ
せ、可食部を増量した野菜を生産することができる。こ
のようにして生産された野菜は、当該部位が伸長してい
るのみで他の外見的な異常はなく、徒長症状とは異な
る。また遠赤色光以外の波長の光を照射しても、このよ
うな伸長作用は見られない。
ると、発光波長が700〜760nmの遠赤色系の光を
補光することにより、葉柄部、花軸部、茎部等を伸長さ
せ、可食部を増量した野菜を生産することができる。こ
のようにして生産された野菜は、当該部位が伸長してい
るのみで他の外見的な異常はなく、徒長症状とは異な
る。また遠赤色光以外の波長の光を照射しても、このよ
うな伸長作用は見られない。
【0009】
実施例1 コマツナを白色蛍光灯(約5000lx)を光源として
水耕栽培を行った。遠赤色光補光区については栽培開始
16日目から収穫までの5日間、730nmにピーク波
長を持つ発光ダイオードを光源として、光強度1000
μW/cm 2 で補光した。(補光前に対し42%の光
量)栽培温度25度、日長24時間連続照射で20日間
栽培し、地上部新鮮重及び草丈を比較した。その結果、
遠赤色光補光区は無処理区に対して、地上部新鮮重、草
丈共に優位であった(表1)。
水耕栽培を行った。遠赤色光補光区については栽培開始
16日目から収穫までの5日間、730nmにピーク波
長を持つ発光ダイオードを光源として、光強度1000
μW/cm 2 で補光した。(補光前に対し42%の光
量)栽培温度25度、日長24時間連続照射で20日間
栽培し、地上部新鮮重及び草丈を比較した。その結果、
遠赤色光補光区は無処理区に対して、地上部新鮮重、草
丈共に優位であった(表1)。
【0010】
【表1】
【0011】実施例2 植物をコマツナからセルリに、栽培温度を20度に変更
した以外は、実施例1と同様の処理を施した。遠赤色光
補光開始は31日目より収穫までの10日間、栽培期間
は40日間とした。その結果、遠赤色光補光区は無処理
区に対して、地上部新鮮重、草丈共に優位であった(表
2)。
した以外は、実施例1と同様の処理を施した。遠赤色光
補光開始は31日目より収穫までの10日間、栽培期間
は40日間とした。その結果、遠赤色光補光区は無処理
区に対して、地上部新鮮重、草丈共に優位であった(表
2)。
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】本発明は上記したように、従来、光合成
に有効でないとされていた発光波長が700〜760n
mの遠赤色系光を含む光を植物に照射することにより植
物の可食部を増量することが出来る。
に有効でないとされていた発光波長が700〜760n
mの遠赤色系光を含む光を植物に照射することにより植
物の可食部を増量することが出来る。
Claims (3)
- 【請求項1】 成育中の植物に対し、光半導体を光源と
する、発光波長ピークが700〜760nmの遠赤色系
光を補光することを特徴とする植物の可食部増量法。 - 【請求項2】 植物がアブラナ科またはセリ科の野菜か
ら選ばれることを特徴とする請求項1記載の植物の可食
部増量方法。 - 【請求項3】 成育中の植物に対し、収穫前のみに補光
することを特徴とする請求項1記載の植物の可食部増量
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7905695A JPH08275681A (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | 植物の可食部増量法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7905695A JPH08275681A (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | 植物の可食部増量法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08275681A true JPH08275681A (ja) | 1996-10-22 |
Family
ID=13679245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7905695A Pending JPH08275681A (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | 植物の可食部増量法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08275681A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002272272A (ja) * | 2001-03-22 | 2002-09-24 | Hamamatsu Photonics Kk | 人工光を用いたアブラナ科植物の育苗装置および育苗方法 |
JP2013230122A (ja) * | 2012-05-01 | 2013-11-14 | Shimane Univ | 青果栽培方法 |
JP2015526104A (ja) * | 2012-09-04 | 2015-09-10 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 光により食用植物部分の栄養価を高める方法及びそのための照明装置 |
-
1995
- 1995-04-04 JP JP7905695A patent/JPH08275681A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002272272A (ja) * | 2001-03-22 | 2002-09-24 | Hamamatsu Photonics Kk | 人工光を用いたアブラナ科植物の育苗装置および育苗方法 |
JP4684444B2 (ja) * | 2001-03-22 | 2011-05-18 | 浜松ホトニクス株式会社 | 人工光を用いたアブラナ科植物の花芽分化促進装置および花芽分化促進方法 |
JP2013230122A (ja) * | 2012-05-01 | 2013-11-14 | Shimane Univ | 青果栽培方法 |
JP2015526104A (ja) * | 2012-09-04 | 2015-09-10 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 光により食用植物部分の栄養価を高める方法及びそのための照明装置 |
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