JP2015204329A - 炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的膜厚の薄いエピタキシャル膜としても、高耐圧で動作する炭化ケイ素ショットキーダイオードを提供する。
【解決手段】横型の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードにおいて、ショットキー金属層4とホモエピタキシャル層1との接触面内にそれぞれ複数の導通領域及び非導通領域を設けると共に、カソード8とホモエピタキシャル層1との間にそれぞれ複数の導通領域及び非導通領域を設けて、アノード7とカソード8とを仮想直線で結んだときに、アノード7とカソード8との中点から離れる方向に向かって、アノード7の導通領域の面積とカソード8の導通領域の面積とが、それぞれ段階的に大きくなるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化ケイ素半導体デバイスのひとつである炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードに関わるものである。
近年、シリコン半導体には無い優れた特徴を有する単結晶炭化ケイ素材料(以下SiC)の半導体が注目を集めている。例えば、4H型の結晶構造を有するSiCは、シリコンに比べて、バンドギャップは約3倍、絶縁破壊電界は10倍以上である。このため、SiCを使えば、シリコンでは複数のデバイスを直列接続することでしか形成できなかったような3kVを超える高耐圧デバイスを1チップで構成できる可能性がある。
SiCの製造方法としては、アチソン法、レーリー法、昇華再結晶法(改良レーリー法)、溶液成長法等が知られているが、このうち半導体材料用の単結晶材料として販売されているのは昇華再結晶法によって製造された材料である。昇華再結晶法は、一般に黒鉛坩堝の下部にSiCの粉末原料を充填し加熱昇華させて、坩堝内の上部に配置した種結晶基板上に再凝固させて単結晶を成長する製法である。ポリタイプについては、プロセス制御条件等で、4Hや6H等の造り分けが可能であり、一般にパワーデバイス用の材料は電気的特性で優れる4Hポリタイプの単結晶が用いられている。
得られた結晶は、シリコン基板と類似した工程を経て、所定サイズ、形状の基板とする。具体的には結晶の外周加工を行い、ワイヤーソーにて切断し、さらに個々の切断済みの基板を研磨機にてラップ研磨を行った後、基板表面に残る加工ダメージ層を取り除くために化学的機械研磨(CMP研磨)を行い、基板(ベア基板)に仕上げる。一連の加工を行った後、CVD法を用いたホモ・エピタキシャル成長を実施する。高品質のエピタキシャル膜(エピ膜)を得るために、SiC単結晶を(0001)Si面から<11-20>方向に0.5°〜8°程度傾けて切断し、研磨することにより基板表面に生じるステップ構造を利用したステップ制御エピタキシーと呼ばれる成長方法が広く用いられている。
上記のようなOFF角を有したベア基板上にエピタキシャル膜を形成したエピ基板がデバイス製造用基板に用いられるが、パワーデバイスを形成する際には、エピ基板の厚さ方向を通電方向とし、エピ層をドリフト層としてデバイスを構成するのが一般的である。
SiCを用いた具体的なデバイスのひとつとして、ショットキーバリアダイオードがある。ショットキーバリアダイオードは、一般に導電性SiC基板の上に形成したホモエピタキシャル層(ホモエピ層)に金属を接合し、ショットキー障壁を設けることで、ダイオードの整流機能を得るものであり、SiC用のショットキー金属としては、例えば、チタン、モリブデン、ニッケル等が用いられている。
一般的にはエピ層からベア基板に向けた縦の方向に電流を流す縦型のデバイス構造で構成され、エピ面がアノード電極(ショットキー電極)、ベア基板の裏面がカソード電極(オーミック電極)となり、順方向とはアノードからカソード方向へ電流が流れる方向であり、逆バイアスは順バイアスと反対の方向に電圧を印加することを指す。このようなダイオードの耐電圧は、一般には材料が持つ絶縁破壊電界強度(Ec)とエピ層(ドリフト層)の厚さWの関数として概ねの耐電圧が決定される(非特許文献1参照)。
4HポリタイプのSiCの縁破壊電界強度は2.8MV/cmであり、シリコン半導体に比べて約10倍程度高い。このため同じ耐電圧設計を行うとドリフト層を薄くすることが可能であり、それに応じてデバイスの電気抵抗(導通抵抗)も下げることができる等の特徴を持つ。そのため、これらのデバイスは主として高い耐電圧と電流容量を要求される数kWの電力容量を有するモーター用インバータ等の用途が期待されている。
一方、高耐電圧を必要とするものの、電流値はさほど必要としない用途としては、電子レンジ用の高圧電源などが知られており、その回路で用いられるダイオードでは、数kVの耐圧要求されるものの、電流容量としては数百mmA程度のものが一般的である(非特許文献2参照)。また、さらに高耐電圧を必要とする用途としては、X線電源用の高電圧モジュールがあり、数十kVの耐圧を要求されるが、電流容量としては数百mmA程度である。
以上、主として導電性のSiC基板に関して記載したが、通信機器等の高周波デバイス用途の炭化珪素基板としては、基板内で発生する高周波電流損失を抑制するため、1×106Ωcm以上の高い電気抵抗率を持つ基板が用いられ、既に市販されている。高抵抗基板を用いる理由は、無線通信等のGHzオーダーの周波数領域においては一般にドリフト層内を平行に電流が流れる2次元構造を有したMESFETなどのデバイスが用いられるが、極めて高い周波数領域で動作することから基板に伝導性があると、デバイスとして関与しない基板に渦電流などによる損失が発生するため、一般には高電気抵抗のSiC基板が用いられている(特許文献1参照)。
特表2003-533051号公報
「半導体SiC技術と応用」日刊工業新聞社 2011年 松波他(323〜357頁、429〜435頁) 「電子レンジ用高耐圧ダイオード」 富士時報 Vol4,No2 2001年 久保山他(132〜136頁)
シリコンデバイスで高電圧回路用のダイオードを構成する場合、絶縁破壊電界強度が低いことから、数百V程度の耐圧を有するダイオードを直列接続して対応する必要があり、モジュールのサイズが大きくなったり、通電時の電圧降下も大きく信頼性も低いとの問題があった。
これに対してSiC単結晶材料は優れた物性を持ち、特に絶縁破壊電界強度が高いことから、シリコンに代わる高電圧デバイスの用途として期待されているものの、3kV超の高い電圧を維持するにはSiCであっても実用上は30μm以上の厚いドリフト層が必要とされる。ところが、このようなドリフト層を導電性のSiC基板上にCVDでエピ膜として形成しようとすると、厚さ30μmを超えるエピ膜を製造するのはエピ欠陥の発生により容易ではない。具体的には、エピ膜生成過程で三角形状をした数種の欠陥の類(三角欠陥、キャロット、コメット等)や台形状の欠陥の発生が知られ、この種の欠陥はエピの膜厚が増すにつれ、デバイス不良領域となる三角形の面積を増大させ、不良の発生確率が増すことが知られている。また、厚いエピ膜を形成しようとすると、原料ガスが装置内部に付着し、生成した数μm程度の外形をした原料ガス反応生成物が供給ガスの流れに乗ってSiC基板表面に降り注ぎ、ダウンフォールと呼ばれるゴミがSiC基板に付着して生じる欠陥がある。その際、厚い膜を作るためにエピ成膜時間が長時間化するにつれ、本欠陥の発生確率は増加する。加えて厚いエピを積むと周辺部位からポリタイプの異なる多結晶が発生し、発生個所を起点にクラックや基板割れの原因となってしまう。これらの欠陥は、デバイスのキラー欠陥となることから、高耐圧デバイス、すなわち厚いエピ膜(厚いドリフト層)を有したデバイスの製造を困難とする要因の一つになる。
そこで、本発明は、上記状況を鑑みて、比較的膜厚の薄いエピタキシャル膜としても高耐圧で動作する炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードを提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を用いる。
(1)1×106Ωcm以上の電気抵抗率を有した単結晶炭化ケイ素基板と、その表面に形成された導電性のホモエピタキシャル層とを有して、該ホモエピタキシャル層の表面側に、カソードと、ショットキー金属層を介して形成されたアノードとが隙間をあけて横並びに配置された横型の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードであって、
前記ショットキー金属層と前記ホモエピタキシャル層との接触面内にそれぞれ複数の導通領域及び非導通領域を設けると共に、前記カソードと前記ホモエピタキシャル層との間にそれぞれ複数の導通領域及び非導通領域を設け、かつ、前記アノードとカソードとを仮想直線で結んだときに、アノードとカソードとの中点から離れる方向に向かって、アノードの導通領域の面積とカソードの導通領域の面積とが、それぞれ段階的に大きくなるようにしたことを特徴とする炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
(2)前記ショットキー金属層とホモエピタキシャル層との接触面内に設けた非導通領域が、導電性のホモエピタキシャル層と逆極性を有する炭化ケイ素層からなることを特徴とする(1)に記載の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
(3)前記カソードと前記ホモエピタキシャル層との間の非導通領域が、導電性のホモエピタキシャル層に埋め込まれたシリコン酸化膜から形成されることを特徴とする(1)に記載の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードを2素子以上並列に接続して、モジュール化したことを特徴とする炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
本発明によれば、比較的膜厚の薄いエピ膜としても、高耐圧で動作する炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードを得ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態を説明するための構成図(断面図及び平面図)である。 図2-1は、第1実施形態における一例の寸法詳細を説明するための図である。 図2-2は、第1実施形態における一例の寸法詳細を説明するための図である。 図2-3は、第1実施形態における一例の寸法詳細を説明するための図である。 図3-1は、第1実施形態の製造方法を説明するための概略図である。 図3-2は、第1実施形態の製造方法を説明するための概略図である。 図3-3は、第1実施形態の製造方法を説明するための概略図である。 図3-4は、第1実施形態の製造方法を説明するための概略図である。 図4は、比較実験に用いた素子の構成図(断面図及び平面図)である。 図5-1は、第1実施形態のショットキーバリアダイオードのIV特性図である。 図5-2は、比較実験に用いた素子のIV特性図である。 図6は、本発明の第2実施形態を説明するための概略図である。 図7は、本発明の第3実施携帯を説明するための概略図である。 図8は、第3実施形態における一例の寸法詳細を説明するための図である。 図9は、第3実施形態のショットキーバリアダイオードのIV特性図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明のショットキーダイオードは、ホモエピタキシャル層の厚さ方向に電流を流さず、ホモエピタキシャル層の膜面に平行な方向に電流を流す横型のデバイスを基本とする。すなわち、本発明のショットキーダイオードは、単結晶SiC基板と、その表面に形成された導電性のホモエピタキシャル層とを有して、該ホモエピタキシャル層の表面側に、カソードと、ショットキー金属層を介して形成されたアノードとが隙間をあけて横並びに配置される。このため逆バイアス時の電界もホモエピタキシャル層の膜面に平行な方向となることから、耐電圧は同一面上に置いたアノード、カソードの各電極間の距離(ピッチ)に概ね比例することになる。これにより、ホモエピタキシャル層として厚い膜を設けずともピッチの幅を広げることで高耐電圧に対応可能となる。このためエピ欠陥を誘発しやすい厚膜のエピ膜を形成せずとも、高耐圧のダイオードを設計することが可能となる。
また、ホモエピタキシャル層を形成するための単結晶SiC基板には、1×106Ωcm以上の高い電気抵抗率を有した半絶縁SiC基板を用いることから、デバイス裏面に特別な絶縁処理を施さずとも基板を通じて電流が流れることは殆どない。このような半絶縁SiC基板(単結晶SiC基板)としては公知のものを使用することができる。例えば、その厚さは一般的な厚さである350μmとし、チップサイズを約1mm、耐電圧を3kVと仮定した場合、半絶縁SiC基板を通じた漏えい電流レベルを1mmA未満とするには、約1×10Ωcmの基板抵抗率を必要とする。
一般に縦型のデバイスでは、対極する電極間において電流は概ね均等に流れるが、横型のデバイスを1対の電極で形成した場合には、電流は最短の経路で流れようとするため、対向する電極の近距離にある電極端に電界集中が起こり破壊原因となる。しかしながら本発明のデバイスでは、ショットキー金属層上にアノードを形成し、前記ホモエピタキシャル層の表層にアノードと間隔を設けてカソードを配置した横型の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードとし、ショットキー金属層とホモエピタキシャル層との接触面内に、導通領域と非導通領域とをそれぞれ複数設けると共に、カソードとホモエピタキシャル層との間に、導通領域と非導通領域とをそれぞれ複数設けて、アノードとカソードとを仮想直線で結んだときに、アノードとカソードとの中点から離れる方向に向かって、アノードの導通領域の面積とカソードの導通領域の面積とが、それぞれ段階的に大きくなるようにしたため、アノードとカソードとの距離に応じてインピーダンスが同等となり、電流の流れは端部に集中することなく電極全体に分散されて部分的な電流の集中が生じないことから、高い信頼性を有する。
また、本発明では、好ましくは、ショットキー金属層とホモエピタキシャル層との接触面内に設けた非導通領域として、導電性のホモエピタキシャル層(ドリフト層)と逆極性の炭化ケイ素の層を用いて非導通領域を形成するのがよい。一般に逆極性の炭化ケイ素の層はイオン注入により比較的容易に形成でき、ダイオードの逆バイアス時には、逆極性部位から空乏層が広がる。ショットキー障壁に加え、この空乏層の働きで逆リーク電流をさらに抑制する効果が得られる。
また、本発明では、好ましくは、カソードとホモエピタキシャル層との間の非導通領域が、導電性のホモエピタキシャル層に埋め込まれたシリコンの絶縁酸化膜(SiO)により形成するのがよい。このような酸化膜はSiCの熱酸化で容易に形成可能であり、高い信頼性を持った電気絶縁性を持たせる効果がある。
ここで、図1には、本発明の第1の実施形態に係るSiCショットキーバリアダイオードを説明するための構成図(断面図および平面図)が示されている。
ホモエピタキシャル層1は窒素を不純物とするn型のSiCエピ層(n-)であり、厚さは10μm、不純物濃度は1×1016cm−3である。2は電気抵抗率が1×106Ωcm以上の高電気抵抗を有する市販の単結晶SiC基板(半絶縁SiC基板)であって、基板厚さは約350μmであり、(0001)Si面から<11-20>方向に4°微傾斜させた基板である。また、3は厚さ0.1μmのシリコン酸化膜であり、4はショットキー金属層であって、膜厚0.1μmのチタンにより形成される。このショットキー金属層4上には、アノードとして厚さ3μmであって矩形のアルミニウム金属7が接合されている。
5はショットキー金属層4の近傍に設けられたp型のSiC層であって、アルミニウム元素を不純物として、不純物濃度が約1×1019cm−3である。6はシリコン酸化膜3の間に堆積させたアルミニウム金属であり、厚さは0.1μmである。そして、アルミニウム金属6と導通させるように、これらの上にカソードとして厚さ3μmであって矩形のアルミニウム金属8を堆積させてある。ここで、図1に示したように、アノードとカソードとが横並びに配置された状態でSiCショットキーバリアダイオードを厚み方向に切った断面において、アノードとカソードとを仮想直線Lで結んだときに、アノードとカソードとの中点から離れる方向に向かって(破線矢印方向)、アノードの導通領域(すなわちA1、A2、A3で示されたホモエピタキシャル層1部分)の面積とカソードの導通領域(すなわちB1、B2、B3で示されたアルミニウム金属6部分)の面積とが、それぞれ段階的に大きくなるようにしている。カソードとアノードの電極近傍の寸法詳細については図2に示したとおりである。
次に、本デバイスの動作を説明する。アノード7と、カソード8に電圧を印加すると、ダイオードの順方向として動作し、電流はアノードからショットキー金属層4、エピタキシャル層1を通じてカソード方向に流れる。エネルギー最小の原理から電流はジュール熱を最小とするように最短距離を流れるため、アノードとカソード間の最も近い電極部分に電流が集中して流れようとするが、アノードとカソード間の最短距離の通電面積が制限されるようにアノード7とショットキー金属層4の接触領域にホモエピタキシャル層1と逆極性であるp型のSiC層を設け、複数の導通領域(A1:5μm×2mm、A2:10μm×2mm、A3:20μm×2mm)と非導通領域とを設けている。逆極性部位を通じて電流が流れるためには、pn接合の閾値電圧を超える電圧を与えると電流が流れるが、SiCの場合はこの閾値電圧が2.5〜3Vであり、通常は、アノード7とカソード8間に0.5V程度の電圧が印加されることから、A1、A2、A3を主体に電流が流れる。
一方、アノード7と対向する電極(カソード)8では、絶縁酸化層(シリコン酸化膜)3を設けて電極への導通領域(B1:5μm×2mm、B2:10μm×2mm、B3:20μm×2mm)と非導通領域とが形成されている。導通領域の面積が電気的に対極する互いの距離に応じて、具体的にはA1とB1、A2とB2、A3とB3となるにつれて、段階的に面積を大きくしてインピーダンスが同等となるようにしているため、電流の流れはA1、B1近くの端部に集中することなく、カソードとアノードのそれぞれの電極全体に分散されて部分的な電流の集中が生じない。また、2の半絶縁SiC基板は高抵抗層であるため、電流はほとんど流れない。
図1に示した本実施形態ではアノードとカソードとの中点から離れる方向に向かって各電極の導通領域の面積を段階的に広げたが、その際、最適化を行うために、数値シミュレーションを用いて電流密度が平準化するように、アノードとカソードとの距離に応じてインピーダンスが同等となるように、A1、A2、A3とB1、B2、B3との面積を定めることが好ましい。
ダイオードに逆方向電圧を加えると、ショットキー金属層4とホモエピタキシャル層1との間にあるショットキー障壁により、電流は阻止される。本発明では、これに加えてエピ層と逆極性層(ここではp型のSiC層)5から広がる空乏層により、ショットキー障壁でわずかに生じる逆リーク電流を抑制する効果がある。また、逆方向に電圧が与えられた場合の電界強度は、ホモエピタキシャル層1の厚さではなく、アノード7−カソード8の間の距離で決定され、具体的には図2−3に示されたA端−B端の距離で決まる。本実施形態では30μmとした。本構造から計算される理論耐圧は、約3kVである。
また、逆耐圧時の電界はホモエピタキシャル層1の積層方向に対して垂直の方向となるため、半絶縁SiC基板2からホモエピタキシャル層1に貫通する欠陥があっても絶縁破壊に至る欠陥とはならない。順方向に電流が流れる際に電気抵抗層となるケースも想定されるが、欠陥を電流が迂回するに十分な幅を与えておけばよく、本実施形態ではW1の幅がそれにあたり、W1が1mm以上あれば、平均的に約10μmサイズのエピ欠陥が5個/cm程度の密度で列をなして存在したとして、通電断面(幅)の5%程度であるため、通電時の電気抵抗に大きな影響は与えることはない。
ここで、第1の実施形態に係る本デバイスの製造方法について図3を用いて一例を説明する。SiCの半絶縁SiC基板2の表面に所定のn型SiCのホモエピタキシャル膜を成膜してホモエピタキシャル層1を形成した後、マスクを用いて、所定の位置にアルミニウムのイオン注入を行って、1700℃、20分間の活性化熱処理により、逆極性のp型SiC層5を設ける(図3−1)。次いで、1200℃以上で熱酸化を行い、ホモエピタキシャル層1の表面にシリコン酸化膜3を生成する(図3−2)。この後、CF4−O2ガスを用いたRIEにより所定の位置の酸化膜に開口部を設ける(図3−3)。個々の開口部に対して、それぞれショットキー金属層4とアルミニウム金属6とを金属蒸着により埋め込んだ後、さらにアルミニウム金属の金属蒸着によりアノード7及びカソード8を形成し、オーミック電極とするため、アルゴンガス雰囲気内にて1000℃で2分間のアニールを行った。
以上のプロセスで製造した第1の実施形態に係るデバイスを用いて、電気特性試験を行った。その際、比較対照実験用として、図4に示すデバイスを用いた。この比較対照実験に用いたデバイスでは、図4に示したように、第1の実施形態に係るデバイスで設けた逆極性層5や電極(カソード)8の下に配置するシリコン酸化膜3は設けず、それ以外の部材や寸法は、全て図1及び図2で示したものと同様とした。
ここで、電気特性試験は、アノードとカソードにプローブを当てて、静的な電流電圧特性(IV特性)を実施した。第1の実施形態に係るダイオードのIV特性測定結果を図5−1に示す。これより分かるように、順方向から逆方向電圧まで良好なダイオード特性を示し、順方向通電では、約40mAまでの電流を流しても線形な良特性を示した。この結果から、局所的な電流密度の上昇もなかったことが窺えた。また、逆方向特性としては、約2.5kVの良好な逆耐圧特性を示した。一方、図4に示した比較実験用デバイスで同様な測定を行ったところ、図5−2に示したとおり、正特性では数十μA程度の電流を流した段階で飽和傾向がみられ、さらに通電を続けると電極8の端部が焼損し、測定不能な状況となった。また、逆方向への電圧印加では約1kV程度で逆リーク電流が増大する傾向がみられた。以上の結果から本発明のダイオードは、高電圧素子として有効であることが判明した。
また、本発明の第2の実施形態に係るSiCショットキーバリアダイオードを図6に示した。本実施形態では、図1に示した第1の実施形態に係る素子(デバイス)を複数個並列接続した例であって、個々の素子のアノード7、カソード8から金ワイヤボンディング11で銅端子12、13へ接合して、素子10個を並列接続した。
この状態で上記と同様のIV測定を実施したところ、順方向では約350mAまで線形で良好な特性を示した。本実施形態のように、一定量の電流値を通電する場合は並列接続とし、容量を増すのが効果的である。
また、本発明の第3の実施形態に係るSiCショットキーバリアダイオードを説明するための構成図(断面図および平面図)を図7に示した。
ホモエピタキシャル層14は窒素を不純物とするn型のSiCエピ層(n-)であり、厚さは10μm、不純物濃度は1×1016cm−3である。15は電気抵抗率が1×106Ωcm以上の高電気抵抗を有する市販の単結晶SiC基板(半絶縁SiC基板)であり、基板の厚さは約350μmであって、(0001)Si面から<11-20>方向に4°微傾斜させた基板である。16は厚さ0.1μmのシリコン酸化膜、17はショットキー金属層であって、厚さ0.1μmのモリブデンにより形成される。このショットキー金属層17上には、アノードとして厚さ3μmであって円形状のアルミニウム金属20が接合されている。
18はショットキー金属層17の近傍に設けられたp型のSiC層であって、ボロンを不純物として、不純物濃度が約1×1019cm−3である。19はシリコン酸化膜16の間に堆積させたアルミニウム金属であって、厚さは0.1μmである。そして、これらアルミニウム金属19と導通させるように、カソード電極として厚さ3μmであってリング状をしたアルミニウム金属21を堆積させてある。この第3の実施形態について、図1の場合と同様に、SiCショットキーバリアダイオードを厚み方向に切ってアノードとカソードとが横並びに配置された状態で、アノードとカソードとを仮想直線Lで結んだときに、アノードとカソードとの中点から離れる方向に向かって、アノードの導通領域の面積とカソードの導通領域の面積とが、それぞれ段階的に大きくなるようにしている。カソードとアノードの電極近傍の寸法詳細については図8に示したとおりである。
ここで、第1の実施形態と同様、耐電圧はアノード−カソード間の距離で決定され、具体的には図8のC端−D端の距離となり、本実施例は60μmとした。本構造から計算される理論耐圧は、約6kVである。
また、本デバイスの動作を説明する。アノードとカソード間に電圧を印加すると、ダイオードの順方向として動作し、電流はアノードからショットキー金属層17、エピタキシャル層14を通じてカソード方向に流れる。第1の実施形態と同様、導通領域の面積が電気的に対極する互いの距離に応じて、具体的にはC1とD1、C2とD2、となるにつれ段階的に面積を大きくしているため、電流の流れはC1、D1近くの端部に集中することなく、カソードとアノードのそれぞれの電極全体に分散されて部分的な電流の集中が生じない。また、本実施形態のように素子の設計を円形とすることで、電極に角部が形成されずに、電界集中を極力回避することができ、素子の信頼性を高めることができる。また、15の半絶縁SiC基板は高抵抗層であるため、電流はほとんど流れない。
また、この第3の実施形態に係るダイオードに逆方向電圧を加えると、ショットキー層17とホモエピタキシャル層14の間にあるショットキー障壁により、電流は阻止される。本実施形態では、加えてホモエピタキシャル層14と逆極性層18から広がる空乏層により、ショットキー障壁でわずかに生じる逆リーク電流を抑制する効果がある。また、逆方向に電圧が与えられた場合の電界強度は、ホモエピタキシャル層14のエピ膜厚ではなく、アノード20−カソード21の間の距離で決定され、具体的には図8のC端−D端の距離となる。本実施形態ではこの距離を60μmとした。本構造から推定される理論耐圧は、約6kVである。
この第3の実施形態に係る素子についてIV測定をした結果を図9に示す。順方向電流は約3mAまで線形な特性を示した。耐電圧は約5.8kVであった。
以上説明したように、本発明によれば、膜厚の薄いホモエピタキシャル層を用いても、高耐圧のダイオードを構成できる。上記の各実施形態に示したショットキーバリアダイオードの製造工程は一般的な工程手順であるが、ショットキー金属層やアノード、カソードの各電極、プロセス手順、条件などの変更は可能である。また、電流容量を増やすために上記の実施形態では個別素子の並列接続を示したが、並列する数だけの素子を一括して基板上にパターンとしてデザインをしてもよい。
本発明は、一般的なパワーデバイス素子にも適用は可能であるが、例えば、電子レンジ用のマグネトロン駆動やX線電源用の高電圧モジュールに用いられるようなkV級の高耐圧電圧、なかでも1A以下の低電流で動作するようなダイオードとして好適である。
1 SiCホモエピタキシャル層
2 半絶縁SiC基板
3 シリコン酸化膜
4 ショットキー金属層
5 逆極性層
6 アルミニウム金属
7 アノード
8 カソード
9 IV特性
10 IV特性
11 ボンディングワイヤ
12 カソード
13 アノード
14 SiCホモエピタキシャル層
15 半絶縁SiC基板
16 シリコン酸化膜
17 ショットキー金属層
18 逆極性層
19 アルミニウム金属
20 アノード
21 カソード

Claims (4)

  1. 1×106Ωcm以上の電気抵抗率を有した単結晶炭化ケイ素基板と、その表面に形成された導電性のホモエピタキシャル層とを有して、該ホモエピタキシャル層の表面側に、カソードと、ショットキー金属層を介して形成されたアノードとが隙間をあけて横並びに配置された横型の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードであって、
    前記ショットキー金属層と前記ホモエピタキシャル層との接触面内にそれぞれ複数の導通領域及び非導通領域を設けると共に、前記カソードと前記ホモエピタキシャル層との間にそれぞれ複数の導通領域及び非導通領域を設け、かつ、前記アノードとカソードとを仮想直線で結んだときに、アノードとカソードとの中点から離れる方向に向かって、アノードの導通領域の面積とカソードの導通領域の面積とが、それぞれ段階的に大きくなるようにしたことを特徴とする炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
  2. 前記ショットキー金属層とホモエピタキシャル層との接触面内に設けた非導通領域が、導電性のホモエピタキシャル層と逆極性を有する炭化ケイ素層からなることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
  3. 前記カソードと前記ホモエピタキシャル層との間の非導通領域が、導電性のホモエピタキシャル層に埋め込まれたシリコン酸化膜から形成されることを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードを2素子以上並列に接続して、モジュール化したことを特徴とする炭化ケイ素ショットキーバリアダイオード。
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