JP2015204326A - シリコンウェーハの熱処理方法、及びシリコンウェーハ - Google Patents

シリコンウェーハの熱処理方法、及びシリコンウェーハ Download PDF

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Abstract

【課題】シリコンウェーハの表層及びバルクの強度を確保しつつ、結晶品質の面内均一性を高めること。【解決手段】酸化雰囲気中において1300℃以上1400℃以下の保持温度で熱処理する第1工程と、前記第1工程で熱処理したシリコンウェーハを、10℃/秒以上150℃/秒以下の冷却速度で冷却する第2工程と、前記第2工程で冷却したシリコンウェーハを、酸化雰囲気中において、800℃以上1250℃以下の保持温度で1時間以上100時間以下熱処理する第3工程と、を有するシリコンウェーハの熱処理方法を構成する。【選択図】図1

Description

この発明は、チョクラルスキー法で育成されたシリコンインゴットから切り出されたシリコンウェーハの熱処理方法、及びそのシリコンウェーハに関する。
近年、半導体デバイスの高集積化に伴い、その基板として使用されるシリコンウェーハ(以下、ウェーハという。)に対し、ウェーハ表層のデバイス活性領域(表面から7μm程度までの深さ領域)における結晶完全性の向上、ウェーハ表層及びウェーハ内部(ウェーハ表層を除いた部分のことを指し、以下、バルクという。)における十分な機械強度の確保、ウェーハ面内全体に亘る品質均一性等の品質要求が一層厳しくなってきている。
結晶完全性を向上させるために、例えば特許文献1に示すように、高温に保持したバッチ式熱処理炉内での熱処理が行なわれる。この熱処理は、例えば、水素を含む雰囲気中において、1300℃よりも低い保持温度において、1分〜48時間保持する条件で行われる。この熱処理を行うと、ウェーハ表層の格子間酸素が外方拡散して低酸素濃度化する。すると、そのウェーハ表層近傍(表面から10μm程度までの深さ領域)において、結晶育成時に導入された空孔の凝集体である空洞欠陥(Crystal Originated Particle、以下、COPという。)の内壁酸化膜が溶解し、さらにそのCOP内部に格子間シリコン原子が注入されて空洞が埋まり、COPを消滅させることができるとともに、格子間酸素と格子間シリコン原子の結合体である酸素析出物(Bulk Micro Defect、以下、BMDという。)を溶解することができる。これにより、ウェーハ表層に、COPやBMDがない無欠陥領域(Denuded Zone、以下、DZ層という。)を形成することができる。
また、デバイス製造工程においては、複数のマスクを順次用いて露光が行なわれるが、その際に露光位置がずれるオーバレイや、製造工程中の熱応力に起因してウェーハの反り等の問題が生じることがある。これらの問題は、ウェーハの内部に導入された転位の挙動と密接な関係があることが知られている。上記の熱処理によって、バルクに所定以上の密度のBMDを形成しておくと、このバルク内をスリップ等の転位が移動する際に、この転位がBMDに引っ掛かり、その移動が抑制されることがある。このように、転位の移動を抑制することにより、ウェーハの強度向上を図ることができ、デバイス製造工程中におけるオーバレイ等の問題を回避することができる。
さらに、バルクに形成されたBMDは、デバイス製造工程中にウェーハ表面に付着した重金属を捕獲するゲッタリング源としても作用する。このように、バルクにゲッタリング源としてのBMDを形成しておくことで、デバイスのライフタイム等の電気特性を良好な状態に保つとともに、白キズに係る問題の低減を図ることができる。
なお、BMDサイズが大きくなり過ぎると、非特許文献1に示すように、BMD自体が転位の発生源になることや、前記抑制の効果を発揮するには、BMD密度を所定密度以上としなければならないことが分かっており、この点を考慮した上で、BMDを形成するための熱処理の条件が調整される。
ウェーハ面内において不均一性を生じさせる主な要因として、ウェーハの径方向に酸化誘起積層欠陥(Oxidation−induced Stacking Fault、以下、OSFという。)領域が含まれることが挙げられる。このOSF領域は結晶育成時において、シリコン融液から結晶中に取り込まれる空孔と格子間シリコン原子の濃度がちょうどバランスする領域近傍に、結晶引き上げ軸を中心としてリング状に出現する(以下、OSFリングという。)。このOSFリング領域近傍は、結晶育成時に結晶内に導入されるBMD核が非常に少ない。このため、この結晶から切り出されたウェーハに熱処理を行っても、ほとんどBMDが形成されず、OSFリング領域近傍と、それ以外の領域との間でBMD密度に差が生じ、ウェーハの面内均一性が確保できない問題が生じる。
そこで、OSFリング領域が存在するウェーハに対し、バッチ式熱処理炉を用いて上記のように1300℃よりも低い温度で熱処理を行うことで、ウェーハ表層における高品質なDZ層を形成するとともに、強度向上に有効なBMDをバルクに形成しつつ、OSFリング領域が面内に存在するウェーハの結晶育成履歴をリセットして、ウェーハ品質の面内均一性を高めるように試みることがある。
特開平6−295912号公報
T.Ono,et al:ECS Trans.2(2006)No.2,109
特許文献1に示すバッチ式熱処理を用いた熱処理では、面内の不均一をある程度改善できるに留まり、完全な面内均一性を得るのは困難である。これは、この熱処理温度が1300℃よりも低いため、BMDの溶け残り(あるいはBMD核)が残存してしまい、結晶育成履歴をリセットするには不十分であるためと考えられる。この熱処理の時間を延長して、BMDの溶け残りを防ぐことも考えられるが、熱処理の長時間化に伴って、スリップ等の結晶欠陥が多発したり、製造のスループットが低下して、製造コストが上昇したりする問題があるため現実的ではない。
また、熱処理によって面内均一性を得るのではなく、結晶育成速度を低下させてOSFリングがウェーハ面内に形成されないようにするという手法もある。しかしながら、結晶育成速度の低下は、製造コストの上昇に直結するため、コスト削減要求の高い状況においては、採用しづらいのが現状である。
また、バッチ式熱処理炉を用いた熱処理は、一般的には少なくとも1時間は行われるので、その熱処理の間にウェーハ表層の格子間酸素がウェーハ表面への外方拡散によって抜けてしまい、ウェーハ表層に格子間酸素濃度が低い領域が形成される。この格子間酸素は、結晶強度を向上する作用を有することが知られており、ウェーハ表層が低酸素濃度となることにより表層に欠陥が導入されやすくなり、デバイスのリーク不良が誘発される恐れが高まる。
そこで、この発明は、シリコンウェーハの表層及びバルクの強度を確保しつつ、結晶品質の面内均一性を高めることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明においては、チョクラルスキー法で育成されたシリコンインゴットから切り出されたシリコンウェーハに対し、酸化雰囲気中において、1300℃以上1400℃以下の保持温度で熱処理する第1工程と、前記第1工程で熱処理したシリコンウェーハを、酸化雰囲気中において、10℃/秒以上150℃/秒以下の冷却速度で冷却する第2工程と、前記第2工程で冷却したシリコンウェーハを、酸化雰囲気中において、800℃以上1250℃以下の保持温度で1時間以上100時間以下熱処理する第3工程と、を有するシリコンウェーハの熱処理方法を構成した。
このように、ウェーハの熱処理温度を1300℃以上1400℃以下の保持温度とすることにより、結晶育成中に導入された酸素析出物(BMD)の溶け残りを防ぐとともに空洞欠陥(COP)を速やかに消滅させて、結晶育成履歴をリセットした面内均一性の高いウェーハを製造することができる。しかも、熱処理温度を上記保持温度のように超高温化することにより、保持時間の短縮を図ることができ、スリップ等の結晶欠陥を低減したり、製造のスループットを向上して低コスト化を図ったりすることができる。また、この熱処理を酸化雰囲気中で行うことにより、ウェーハの表面に酸化膜(シリコン酸化膜)が形成され、この酸化膜から格子間シリコン原子がウェーハ内に注入される。格子間シリコン原子が注入されることにより、COPの消滅が一層速やかになされる。
また、この酸化膜からウェーハ中に格子間酸素が注入され、ウェーハ表層に低酸素濃度領域が形成されるのを防ぐことができる。このため、ウェーハ表層の強度低下が防止され、デバイスにリーク不良等の問題が発生するのを防ぐことができる。この1300℃以上の高温熱処理は、従来から一般的に用いられるバッチ式熱処理炉の代わりに、ランプアニール炉を用いることで実現できる。
また、第1工程で熱処理を行ったウェーハを上記の冷却速度の範囲で冷却することにより、バルクに適切な濃度の空孔を残存させることができる。空孔を残存させることによって、引き続いて行われる熱処理において、バルクの強度確保のために必要な十分なサイズと密度のBMDを形成することができる。この冷却速度が10℃/秒より小さいと、高温で導入された空孔が、冷却中に格子間シリコン原子と対消滅し、あるいは拡散することによって失われるため、少なくとも10℃/秒以上の冷却速度で冷却する必要がある。その一方で、この冷却速度が150℃/秒より大きいと、ウェーハに大きな熱応力が作用してスリップ等の結晶欠陥が導入されやすいため、150℃/秒以下の冷却速度で冷却する必要がある。
さらに、第2工程で冷却したウェーハを上記の保持温度で、上記の時間熱処理することにより、バルクに十分なサイズと密度のBMDを形成することができる。このとき、この熱処理を酸化雰囲気中で行うことにより、ウェーハ表面に酸化膜が形成され、この酸化膜からウェーハ中に格子間シリコン原子が注入される。この格子間シリコン原子は、第2工程においてウェーハ表層に形成された酸素析出核を消滅させる作用を発揮する。このためウェーハ表層において酸素析出物が形成されるのを防ぐことができ、このウェーハ表層のDZ層の完全性を確保することができる。
上記のように、第1工程から第3工程までの各処理を酸化雰囲気中で行い、ウェーハ表面に酸化膜を形成することにより、熱処理部材(サセプタ等)や雰囲気ガス中にドーパント、カーボン、金属等の不純物が仮に含まれていたとしても、この酸化膜によりこれらの不純物がウェーハ内に拡散するのを遮蔽することもできる。
前記構成においては、前記第3工程で熱処理したシリコンウェーハを、非酸化雰囲気中において、800℃以上1250℃以下の保持温度で1時間以上100時間以下熱処理する第4工程をさらに有する構成とするのが好ましい。
上述したように、BMDはウェーハの強度向上を図るとともに、ゲッタリング能を付与することを目的として形成されるが、酸化雰囲気中でなされる第3工程で熱処理を終了すると、BMDのサイズ及び密度がゲッタリング能を発揮させるには不十分となることがある。これは、酸化雰囲気では、ウェーハ表面から格子間シリコン原子が注入され、この格子間シリコン原子が、BMDの核形成及び成長を抑制する作用を発揮するためである。そこで、第3工程に引き続いて、非酸化雰囲気中でなされる第4工程を設け、この第4工程で格子間シリコン原子の注入を抑制することで、BMDの核形成及び成長を促進することができる。これにより、ウェーハに十分なゲッタリング能を付与することができる。
前記各構成においては、前記第1工程前の段階における前記シリコンウェーハ中に存在する空洞欠陥の平均サイズが、同体積の球状換算値において、直径80nm以下であり、かつ前記空洞欠陥の密度が100個/cm以上である構成とするのが好ましい。
結晶育成時にウェーハ(シリコンインゴット)中に導入されるCOPのサイズ及び密度は、結晶の育成条件(特に、v/G値。ここでvは結晶育成速度(mm/分)、Gは融点近傍(融点から1350℃)の結晶内の軸方向温度勾配(℃/mm)をそれぞれ意味する。)や、シリコン融液への添加物の濃度(特に窒素)と密接に関係する。このv/Gを適切な値とすると、シリコン融液からインゴット中に導入される空孔と格子間シリコン原子の濃度がバランスし、COPが非常に低密度の完全結晶を得ることができる。しかしながら、このときのvの値は一般的に小さく、製造スループットの観点からは不利である。これに対し、COPの密度が100個/cmである結晶の育成速度vは、前記完全結晶の育成速度と比較して相対的に大きく、高い製造スループットを確保することができる。このため、ウェーハの製造コストの削減を図ることができる。また、COPサイズを80nm以下とすることで、このCOPを第一熱処理で確実に消滅させることができ、結晶完全性の高いウェーハ表層を確保することができる。
前記各構成においては、前記第2工程における冷却速度を変化させることによって、又は前記第3工程における保持時間を変化させることによって、シリコンウェーハ表面からの無欠陥層の深さを変化させる構成とするのが好ましい。
ウェーハ表面からの無欠陥層の深さ(DZ層の幅)は、このウェーハを用いて製造するデバイスの種類や用途に対応するように変更が求められることも多い。このように、冷却速度や熱処理の時間のようにウェーハの熱処理に係るパラメータを変更してDZ層の幅を変えることによって、種々のデバイスに対応するウェーハを容易に製造することができる。ここでいう無欠陥層とは、酸素析出物やCOP等の欠陥が存在しない領域のことを指し、この酸素析出物の検出法として、例えばレーザ散乱トモグラフを採用することができる。
前記各構成に係るシリコンウェーハの熱処理方法によって熱処理されたシリコンウェーハであって、バルクにおける酸素析出物の面内平均密度が1.0×10個/cm以上1.0×1010個/cm以下であり、表面からの各深さ位置における前記酸素析出物密度の面内ばらつきが1桁以内であることを特徴とするシリコンウェーハを構成することができる。
酸素析出物(BMD)の面内平均密度が1.0×10個/cmよりも低い場合、このBMDによるゲッタリング能が低下し、ウェーハに重金属等の汚染が生じたときにライフタイム低下等の問題が生じる恐れがある。また、BMDの面内平均密度が1.0×1010個/cmを上回ると、ウェーハ中の格子間酸素原子が多く消費され、低酸素濃度化に伴うウェーハ強度低下の問題が顕著になる恐れがある。さらに、BMD密度の面内ばらつきを1桁以内とすることにより、ウェーハ品質の面内均一化を図ることができ、BMDが面内不均一に存在することに起因してスリップ等の結晶欠陥が発生するのを極力防ぐことができる。
また、BMDの面内平均密度を4.0×10個/cm以上1.0×1010個/cm以下の範囲内とすることにより、このBMDによる強度向上効果とゲッタリング能をさらに向上することができる。
前記シリコンウェーハにおいては、バルクにおける全ての前記酸素析出物のうち、90%以上の数の酸素析出物のサイズが35〜75nmの範囲内である構成とするのが好ましい。
上述したように、BMDはウェーハの強度向上作用等のメリットを有する一方で、そのサイズが大きくなりすぎると、このBMD自体が転位の発生源になるという問題を生じ得る。そこで、酸素析出物(BMD)のサイズ範囲を上記のように制御することにより、BMDによるウェーハの強度向上作用及びゲッタリング能の確保を図りつつ、BMDから転位等の結晶欠陥が発生してウェーハ品質が低下するのを防ぐことができる。
この発明では、ウェーハに対し、酸化雰囲気中において、1300℃以上1400℃以下の保持温度で熱処理する第1工程と、前記第1工程で熱処理したウェーハを、10℃/秒以上150℃/秒以下の冷却速度で冷却する第2工程と、前記第2工程で冷却したウェーハを、酸化雰囲気中において、800℃以上1250℃以下の保持温度で1時間以上100時間以下熱処理する第3工程と、を有するウェーハの熱処理方法を構成した。この構成によると、第1工程を上記保持温度で行うことにより、BMDやCOPの面内分布等の結晶育成履歴をリセットすることができ、結晶品質の面内均一性を高めることができる。
また、第1工程を酸化雰囲気で行うことにより、ウェーハ表層の低酸素化を防いでこの表層の強度を確保することができる。さらに、第1から第3工程を酸化雰囲気で行うことにより、ウェーハ内に格子間シリコン原子を注入して、良好なDZ層を形成しつつ十分なサイズ及び密度のBMDを形成することができる。
この発明に係るシリコンウェーハの熱処理方法のシーケンスを示す図 この発明に係る第一熱処理を行ったときのCOP及びBMDの挙動を示す図 一般的なバッチ式熱処理炉で熱処理を行ったときのCOP及びBMDの挙動を示す図 ウェーハ中の空孔及び格子間シリコン原子の挙動を示す図 ウェーハに熱処理を行ったときの空孔及び格子間シリコン原子の挙動を示す図であって、(a)は第一熱処理の保持温度での保持後、(b)は第一熱処理の冷却後、(c)は第二熱処理(酸化雰囲気)完了後 ウェーハに熱処理を行ったときの空孔及び格子間シリコン原子の挙動を示す図であって、(a)は第一熱処理の保持温度での保持後、(b)は第一熱処理の冷却後、(c)は第二熱処理(非酸化雰囲気)完了後 ウェーハに熱処理を行ったときの酸素濃度のウェーハ深さ方向分布を示す図 この発明に係る熱処理を行ったときのBMDの面内分布評価結果を示し、(a)はウェーハの中心、(b)は中心から75mm、(c)は中心から100mm、(d)は中心から120mm、(e)は中心から140mm、(f)は中心から147mmの位置 この発明に係る熱処理を行ったときのBMD密度のウェーハ深さ方向分布を示す図 この発明に係る熱処理を行ったときのBMDサイズのウェーハ深さ方向分布を示す図 第一熱処理の冷却速度を変更したときのBMDサイズ、BMD密度、及びDZ層の幅を示す図 バッチ式熱処理炉でBMDを成長させる一般的な熱処理を行ったときのBMDの面内分布評価結果を示し、(a)はウェーハの中心、(b)は中心から75mm、(c)は中心から100mm、(d)は中心から120mm、(e)は中心から140mm、(f)は中心から147mmの位置 バッチ式熱処理炉でBMDを成長させる一般的な熱処理を行ったときのBMD密度のウェーハ深さ方向分布を示す図 バッチ式熱処理炉でBMDを成長させる一般的な熱処理を行ったときのBMDサイズのウェーハ深さ方向分布を示す図 実施例1に係る第一熱処理を行ったときの空孔及び格子間シリコン原子のウェーハ深さ方向分布を示す図 比較例1に係る第一熱処理を行ったときの空孔及び格子間シリコン原子のウェーハ深さ方向分布を示す図 比較例2に係る第一熱処理を行ったときの空孔及び格子間シリコン原子のウェーハ深さ方向分布を示す図
(1)本願発明に係る熱処理シーケンスについて
この発明に係るシリコンウェーハ(以下、ウェーハという。)の熱処理方法のシーケンスの一例を図1に示す。この熱処理方法は、ランプアニール炉を用いた第一熱処理HTと、バッチ式熱処理炉を用いた第二熱処理HTの2つの熱処理を連続して行うことで構成される。
本図には示されていないが、第一熱処理HTに引き続いて、ウェーハ表面に形成された酸化膜を剥離する工程が設けられる。この剥離工程は、省略される場合もある。また、第二熱処理HT2に引き続いて、ウェーハの表裏面の両面研磨(片面当たり5〜6μm程度)、及びウェーハ表面の片面研磨(1μm程度)が行なわれる。この研磨を行うことで、ウェーハのラフネスが改善されるとともに、第一熱処理後にウェーハの極表層(表面から1μm程度の範囲)に残存したCOPやBMD(後述)を除去することができる。この研磨工程は、片面研磨を省略して両面研磨のみ行う、両面研磨を省略して片面研磨のみ行う等、適宜変更することも許容される。研磨工程後、ウェーハの洗浄工程及び検査工程を経て製品として出荷される。
以下、第一熱処理HT及び第二熱処理HT2がウェーハ中の点欠陥の挙動に与える影響を詳しく説明する。
(a)第一熱処理について
第一熱処理HTは、図1に示すように、まず、ウェーハを酸化雰囲気としたランプアニール炉内に搬入し、昇温速度Rで保持温度Tまで昇温する。次に、保持温度Tでウェーハを所定時間保持する。ウェーハを保持温度Tで保持時間Dだけ保持した後に、冷却速度Rで冷却する。
ウェーハを高温の保持温度Tで保持すると、図2に示すように、ウェーハ内の格子間酸素濃度(一般的なウェーハで、(1〜20)×1017atoms/cm(old ASTM))よりも、その保持温度における格子間酸素の溶解度(例えば、1300℃において、21×1017atoms/cm(old ASTM))の方が高くなり、ウェーハ内の格子間酸素が未飽和の状態となる。すると、シリコンの酸化物であるBMDが次第に溶解して最終的に消滅する。また、COPの内壁酸化膜が溶解するとともに、ウェーハ表面に形成された酸化膜から格子間シリコン原子がウェーハ内に注入されて、COPの空洞が次第に埋まって最終的に消滅する。このBMD及びCOPの消滅効果は、ウェーハ表層のみならずウェーハの厚さ方向全体において生じるため、結晶育成履歴がリセットされ、面内均一性が高いウェーハを得ることができる。
なお、この第一熱処理HTは酸化雰囲気で行われるため、ウェーハ表面に酸化膜が形成され、この酸化膜から第一熱処理HTの保持温度Tにおける溶解度よりも高い濃度の格子間酸素が注入される(図2における表層における酸素濃度分布の盛り上がり部分を参照)。このように、表層で酸素濃度が高くなる結果、このウェーハの極表層(表面から1μm程度の範囲)で、COPの内壁酸化膜やBMDが溶解せずに、そのまま残存する現象が生じる。このようにCOP等が残存したとしても、上述したように、ラフネスの改善を主目的として、ウェーハの表層は数μm程度、COP等の残存層を含めて研磨によって除去されるため、ウェーハ品質として全く問題は生じない。
その一方で、従来のバッチ式熱処理炉を用いてウェーハを熱処理した場合、図3に示すように、熱処理中に格子間酸素がウェーハ表面から外方拡散し、ウェーハ表層の格子間酸素濃度が低下する。このため、ウェーハの表層においては、BMD及びCOPの消滅効果が発揮されるが、バルクでは格子間酸素が溶解度と比較して過飽和の状態となっているため、BMD及びCOPを消滅させることはできない。このため、結晶育成履歴をリセットすることができず、ウェーハ面内に不均一性がある場合には、熱処理後もその状態がそのまま残存することになる。
第一熱処理HT中における点欠陥(格子間シリコン原子I、空孔V)の挙動について、図4及び図5を用いて説明する。ウェーハを保持温度Tで保持すると、ウェーハ表面から保持温度Tに対応する熱平衡濃度の格子間シリコン原子I及び空孔Vがウェーハ内に注入される。また、この第一熱処理HTは酸化雰囲気中で行われるため、ウェーハ表面にシリコンと酸素が結合した酸化膜(シリコン酸化膜)が形成され、この酸化膜から、格子間酸素及び過剰な格子間シリコン原子Iがウェーハ内に注入される(図4、図5(a)参照)。
保持温度からの冷却工程において、この格子間シリコン原子Iと空孔Vは、互いに対消滅したり、逆にフレンケルペアとして新たに生成したりする現象を繰り返す(図4参照)。また、空孔Vの一部は、冷却工程の1050℃付近において、シリコン表面から注入された格子間酸素と結合して複合体(OV)を形成し、この複合体が酸素析出核として作用する(図5(b)参照)。
第一熱処理HTの酸化雰囲気における酸素濃度は、ウェーハ表面に酸化膜が形成される程度であればよく、例えば1〜100%の範囲内とすることができる。この酸素濃度の範囲を25%以上とし、酸化膜からの格子間シリコン原子Iの十分な注入量を確保することにより、COPの消滅効果をさらに高めることができる。
昇温速度Rは、通常は1℃/秒以上150℃/秒以下の範囲に設定される。昇温速度Rが1℃/秒よりも小さいと製造スループットが低下し、昇温速度Rが150℃/秒より大きいと昇温中にスリップ等の結晶欠陥が発生する問題が生じ得るためである。
保持温度Tは、結晶育成中に導入されたBMD及びCOPを消滅させるのに必要な温度であればよく、1300℃以上1400℃以下の範囲内とすることができる。保持温度Tが1300℃より低いとシリコン中の格子間酸素濃度が高い場合にBMD等を消滅させることができなかったり、消滅に長時間を要したりすることがあるためであり、保持温度Tが1400℃より高いと熱処理中にスリップ等の結晶欠陥が発生する問題が生じ得るためである。
保持時間Dは、結晶育成中に導入されたBMD及びCOPを消滅させるのに必要な時間であればよく、BMD及びCOPのサイズに対応して、1秒以上600秒以下の範囲内とすることができる。保持時間Dが1秒より短いとBMD等を十分に消滅させることができず、保持時間Dが600秒よりも長いと、保持中にスリップ等の結晶欠陥が発生する問題が生じ得るためである。
冷却速度Rは、10℃/秒以上150℃/秒以下とする。冷却速度Rが10℃/秒より小さいと、保持温度Tで導入された空孔Vが、冷却中に格子間シリコン原子Iと対消滅し、あるいは拡散することによって失われ、後述する第二熱処理HTで、十分なサイズ及び密度のBMDを形成することができないためであり、冷却速度Rが150℃/秒より大きいと、ウェーハに大きな熱応力が作用してスリップ等の結晶欠陥が発生する問題が生じ得るためである。
(b)第二熱処理について
第二熱処理HTは、図1に示すように、まず、炉内温度を所定温度(例えば600℃)に保持するとともに酸化雰囲気としたバッチ式熱処理炉内にウェーハを搬入し、その搬入後、前記所定温度から保持温度Tまで所定の昇温速度Rで昇温する。炉内温度が保持温度Tに到達したら、その保持温度Tで第一保持時間D21そのまま保持する。第一保持時間D21を経過したら、炉内の雰囲気を酸化雰囲気から非酸化雰囲気に切り替える。そして、この非酸化雰囲気において、さらに第二保持時間D22そのまま保持する。第二保持時間D22を経過したら、この保持温度Tから所定温度(例えば600℃)まで所定の冷却速度Rで冷却し、所定温度(例えば600℃)に到達したら、炉内からウェーハを搬出する。
なお、本図においては、バッチ式熱処理炉内の雰囲気を酸化雰囲気から非酸化雰囲気に切り替える構成について示したが、第二熱処理HTの全体に亘って、酸化雰囲気で熱処理を行う構成とすることも許容される。酸化雰囲気で熱処理を行うことにより、後述するように、ウェーハ表層のBMD核を消滅させて、このウェーハ表層の結晶完全性を高める作用が発揮されるためである。また、本図においては、酸化雰囲気と非酸化雰囲気における保持温度Tを同一とした構成について示したが、各雰囲気における熱処理を異なる温度で行うこともできる。
第二熱処理HT中における点欠陥(空孔V、格子間シリコン原子I)の挙動について、図5を用いて説明する。第一熱処理HTを施したウェーハに対し、酸化雰囲気中で熱処理を行うと、第一熱処理HTでウェーハ表層に形成された酸素析出核(OV)が(本図(b)参照)、酸化膜からウェーハ内に注入された格子間シリコン原子Iによって消滅する(本図(c)参照)。この消滅は、ウェーハ表面からウェーハ内部に13μm程度までの深さ領域で顕著に生じる。上述したように、ウェーハ表層は、ラフネス改善を目的として表面研磨されるが、その研磨深さは通常数μm程度である。この研磨深さ近傍に酸素析出核が存在すると、表面研磨を行ってもウェーハ表層(デバイス活性領域)に酸素析出物が残存して、デバイスのリーク不良等の問題を引き起こすことがある。そこで、第二熱処理HTで酸化雰囲気での熱処理を行い、酸素析出核を消滅させることによって、表面研磨を行った際に酸素析出物がウェーハ表層に残存するのを防いで、高品質なウェーハを提供することができる。
なお、第二熱処理HTを非酸化雰囲気で行う場合、図6に示すように、酸素析出核が周囲の固溶酸素と空孔を取り込んでそのまま酸素析出物として成長する(本図(c)参照)。このため、前記表面研磨を行っても、酸素析出物がウェーハ表層に残存して、デバイスのリーク不良等の問題を引き起こす恐れが高まる。
第二熱処理HTの酸化雰囲気における酸素濃度は、ウェーハ表面に酸化膜が形成される程度であればよく、例えば1〜100%の範囲内とすることができる。この酸素濃度を25%以上とすることにより、酸素析出核の消滅効果をさらに高めることができる。また、非酸化雰囲気においては、例えばアルゴン(Ar)等の不活性ガスを用いることができる。
昇温速度Rは、通常は1℃/分以上30℃/分以下の範囲に設定される。昇温速度が1℃/分より小さいと製造スループットが低下し、昇温速度が30℃/分より大きいと昇温中にスリップ等の結晶欠陥が発生したり、第一熱処理HTで導入されたBMD核が昇温中に消滅して、十分なBMD密度を得ることができなかったりする問題が生じ得るためである。この昇温速度Rは、ウェーハの搬入温度である前記所定温度(例えば600℃)から保持温度Tまで一定である必要はなく、例えば、前記所定温度から中間温度(例えば800℃)までは第一昇温速度、前記中間温度から保持温度Tまでは前記第一昇温速度とは異なる第二昇温速度、というように温度領域ごとに変更することもできる。
保持温度Tは、第一熱処理HTにおいてウェーハ面内均一に新たに導入されたBMD核を成長させ得る温度であればよく、800℃以上1250℃以下の範囲内とすることができる。保持温度Tが800℃より低いとBMDの成長に長時間を要し、製造スループットが低下するためであり、保持温度Tが1250℃より高いと、熱処理中にスリップ等の結晶欠陥が発生する問題が生じ得るためである。
保持時間D(D21、D22)は、BMDを十分に成長させるのに必要な時間であればよく、酸化雰囲気中で1時間以上100時間以下、非酸化雰囲気中で1時間以上100時間以下とすることができる。いずれの雰囲気においても、保持時間D21、D22が1時間より短いとBMDを十分に成長させることができず、保持時間D21、D22が100時間より長いと、保持中にスリップ等の結晶欠陥が発生するとともに、製造スループットが低下する問題を生じ得るためである。
冷却速度Rは、0.5℃/分以上10℃/分以下とする。冷却速度Rが0.5℃/分より小さいと製造スループットが低下し、冷却速度Rが10℃/分より大きいと、ウェーハに大きな熱応力が作用してスリップ等の結晶欠陥が発生する問題が生じ得るためである。
(2)実験条件
本実施形態においては、チョクラルスキー法によって育成されたインゴットから切り出された、面内にOSFリングを含む直径300mmのウェーハを用いた。このウェーハの格子間酸素濃度は11×1017atoms/cm(old ASTM)である。この育成に用いた融液には窒素が添加されている。窒素は、結晶育成時に導入されるCOPのサイズを小さくする作用を有し、COPのサイズを小さくすることによって、第一熱処理HTにおいて、より短時間でCOPを消滅させることができるためである。この窒素は偏析係数が大きいためインゴットのトップ部からテール部に向けて濃度が大きく変化し、トップ部で2×1014atoms/cm、テール部で10×1014atoms/cm程度となる。なお、窒素を添加しないウェーハを使用することもできる。
第一熱処理HT及び第二熱処理HTにおける処理条件を表1に示す。第一熱処理HTにおける昇温速度R及び保持時間D、第二熱処理HTにおける昇温速度R、及び冷却速度Rは、全ての実施例及び比較例について共通である。雰囲気の欄に記載の「O」は100%O雰囲気を、「Ar」は100%Ar雰囲気を意味する。また、第二熱処理HTの雰囲気の欄に記載の「O/Ar」は前半が100%O雰囲気、後半が100%Ar雰囲気であることを意味する。この場合の前半及び後半の保持時間(図1中のD21、D22)は、第二熱処理HTの保持時間Dの欄に記載されている(斜線前半が酸化雰囲気(O中)の保持時間D21を、斜線後半が非酸化雰囲気(Ar中)の保持時間D22を示す。)。
熱処理後におけるウェーハ深さ方向の格子間酸素濃度を二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS)、CAMECA社製IMS7f)を用いて評価した。また、欠陥のウェーハ深さ方向分布をレーザ散乱トモグラフ装置(Laser Scattering Tomography、レイテックス社製MO441)を用いて評価した。さらに、ウェーハ表層の欠陥を面検機(KLA Tencor社製SurfScan(SP2))を用いて評価した。また、面検機で評価した欠陥の実体を、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope(SEM))及びエネルギー分散型X線分析装置(Energy Dispersive X−ray Spectrometry(EDX))を用いて解析した。
(3)評価結果
第一熱処理HT及び第二熱処理HTを行った後に、SIMSを用いて測定した酸素濃度のウェーハ深さ方向分布を図7に示す。この酸素濃度は、old ASTM規格による換算濃度である。第一熱処理HTを酸化雰囲気(O中)で行うと、ウェーハ表面に酸化膜が形成され、この酸化膜から格子間酸素がウェーハ内に注入される。このため、格子間酸素濃度がウェーハ表層の1〜3μmの深さ範囲で特に高くなる分布となる(本図中のA参照)。このように、第一熱処理HTを酸化雰囲気で行い、ウェーハ表層の格子間酸素濃度を高めることにより、ウェーハ表層の強度が向上し、ウェーハ表層に欠陥が導入されることに起因してデバイスのリーク不良が生じるのを防ぐことができる。
表層の格子間酸素濃度を高めたウェーハに対し、第二熱処理HTを非酸化雰囲気(Ar中)で行った後に、ウェーハ表層を所定量研磨除去し、研磨後の表面をSP2を用いて評価したところ、研磨量が13μmよりも少ない場合に、SP2のプローブ光を散乱する微小な欠陥(Light Point Defect(LPD))が検出された。このLPDは、特にウェーハ表面から3〜5μmの深さ領域で高密度に(SP2による測定数がオーバーフローする程度に)存在した。このLPDが存在する箇所を、EDXを用いて組成分析したところ、シリコンと酸素が検出された。このEDXによる分析結果と、SEMによる形状観察結果を併せて考察すると、LPDの実体は酸素析出物であるといえる。
このLPD(酸素析出物)のウェーハ深さ方向の分布結果は、図7中に示す分布A21において、ウェーハ表面から2〜5μmの深さ領域で高濃度の酸素が検出された結果と整合しており、この高濃度の酸素の起源は酸素析出物であると考えるのが妥当である。このようにウェーハ表面近傍の数μmから13μm程度の深さ領域(特に2〜5μmの深さ領域)において酸素析出物が形成される理由として、後で説明するように、第一熱処理HTによってウェーハ表面からウェーハ内に注入された空孔Vの濃度が、酸素析出核(OV)の形成に必要とされる1×1013/cmの閾値を越えており、第一熱処理HTにおいて新たに形成された酸素析出核が周囲の格子間酸素と空孔Vを取り込んで酸素析出物へ成長するためであると考えられる。
このように、ウェーハ表層に酸素析出物が形成された場合、熱処理後にウェーハのラフネス改善のためにウェーハ表層を5〜6μm程度表面研磨したときに、表面研磨後のウェーハ表層に酸素析出物が残存していることがSP2を用いた評価によって確認された。このように表層に酸素析出物が残存したウェーハにデバイスを形成すると、リーク不良等の問題が生じる恐れがある。
これに対し、表層の格子間酸素濃度を高めたウェーハに対し、第二熱処理HTの前半を酸化雰囲気(O中)で行うと(図1参照)、ウェーハ表面に酸化膜が形成されて、この第二熱処理HT中に酸化膜とシリコンの界面からウェーハ中に格子間シリコン原子Iが注入される。この格子間シリコン原子Iは、第一熱処理HTによってウェーハ表層に形成された酸素析出核を消滅させる作用を発揮する(図5(c)参照)。このため、この第二熱処理HTによってウェーハ表層に酸素析出物がない結晶完全性の高い領域を形成するとともに、この第二熱処理HTで注入された格子間シリコン原子Iが到達しないバルクにおいて十分な密度のBMDを形成することができる。前半の酸化雰囲気での熱処理に引き続いて、後半を非酸化雰囲気で熱処理を行っても(図1参照)、酸素析出物に起因すると考えられるウェーハ表層での酸素濃度の盛り上がりは確認できなかった(図7中のA22参照)。
ちなみに、第一熱処理HTを非酸化雰囲気(Ar中)で行うと、第一熱処理HT及び第二熱処理HT中にウェーハ表面から格子間酸素が外方拡散し(図7中のB(第一熱処理HT後)、B(第二熱処理HT後)参照)、ウェーハ表層に格子間酸素濃度が低い領域が形成されることから、第二熱処理HTを非酸化雰囲気(Ar中)で行ったとしても、濃度分布A21に見られた酸素析出物に起因する酸素濃度の盛り上がりは観察されなかった。しかしながら、第一熱処理HTでウェーハ表面に酸化膜が形成されないことから、格子間シリコン原子Iが注入されず、ウェーハ表層のCOPを十分消滅させることができないという問題がある。
実施例1(表1参照)に係るウェーハに対し、第一熱処理HT及び第二熱処理HTを行った後におけるレーザ散乱トモグラフ装置を用いた評価結果を図8に示す。本図(a)はウェーハ中心、(b)は中心から75mm、(c)は中心から100mm、(d)は中心から120mm、(e)は中心から140mm、(f)は中心から147mmの位置における結果である。
このウェーハは、結晶育成段階において面内にOSFリングを含み、面内均一性が当初は良好ではなかったにもかかわらず、BMDサイズ及びBMD密度、DZ幅等について非常に高い面内均一性が得られていることが確認できた。これは、結晶育成時に導入されたBMDが高温の第一熱処理HTにおいて消滅し、結晶育成履歴がリセットされた後に、この第一熱処理HTの冷却時に新たに面内均一にBMD核が導入されるためである。また、SP2評価及びSEM観察によって、ウェーハ表層に酸素析出物が形成されておらず、高い結晶完全性が確保できていることも確認できた。これは、第二熱処理HTの前半を酸化雰囲気で行ったことにより、ウェーハ内に格子間シリコン原子Iが注入され、この格子間シリコン原子Iによって、第一熱処理HTによってウェーハ表層に導入された酸素析出核が消滅したためである(図5(c)参照)。
また、図9に示すように、ウェーハ表面から約60μmまでの深さ領域に、酸素析出物がほとんど存在しない高品質なDZ層が形成されているとともに、約80μmの深さからBMD密度が立ち上がりはじめ、約200μm以上の深さのバルクでは、BMDの面内平均密度は4.0×10個/cm以上1.0×1010個/cm以下であり、BMD密度の面内ばらつきは1桁以内(本図中に示す矢印の長さの範囲内)であることが確認できた。このように高い密度のBMDが形成されていることにより、バルクの高い強度と、十分なゲッタリング能を確保することができる。
このDZ層の幅は、このウェーハを用いて製造するデバイスの種類や用途に対応するように変更が求められることも多いが、第一熱処理HTにおける冷却速度Rや、第二熱処理HTにおける保持時間Dを変更することによって、その幅を自在に変更することができる。
また、図10に示すように、バルクにおけるBMDの平均サイズは約50nmであり、90%以上の数のBMDのサイズが35〜75nmの範囲内に収まっていることが確認できた。BMDはそのサイズが大きく(例えば100nm以上)なると、BMD自体が転位源となってウェーハの強度が低下し、デバイス製造工程においてオーバレイ等の問題を引き起こすことがある。そこで、BMDを上記のサイズ範囲内に制御することにより、ウェーハの強度低下に係る問題を防ぐことができる。
第一熱処理HT(酸化雰囲気、保持温度Tが1350℃、冷却速度Rが5〜120℃/秒)及び第二熱処理HT(酸化/非酸化雰囲気、保持温度Tが1000℃)(実施例1〜4、比較例1)を行った後のBMD密度、BMD平均サイズ、及びDZ層幅の評価結果を図11に示す。冷却速度Rが小さくなるほどBMD密度は小さくなり、冷却速度Rが5℃/秒(比較例1)ではBMDがほとんど確認できなかった。また、冷却速度Rが小さくなるほどDZ層の幅は拡大した。その一方で、BMD平均サイズは、冷却速度Rを変化させてもほとんど変化せず、45〜60nmの範囲内であった。
上記のように、結晶育成履歴がリセットできることにより、OSFリングを含むウェーハのように、結晶引き上げ速度が比較的大きく、高い製造スループットを有する低コストのウェーハを採用することができ、多数のウェーハを一度に熱処理するバッチ式熱処理炉でなく枚葉式のランプアニール炉を用いたとしても、製造コストの面で優位に立つことができる。
第一熱処理HTにおける保持温度Tを1300℃とした場合(実施例5〜8)も、保持温度Tを1350℃とした場合と同様に、ウェーハ表層に高品質なDZ層が形成されているとともに、バルクには高い強度とゲッタリング能の確保に寄与し得る、十分なサイズと密度のBMDが形成されていることが確認できた。なお、結晶育成後に導入されたCOPのサイズによっては、第一熱処理HTにおける保持時間Dを若干長め(例えば45秒)とし、COPが確実に消滅するように条件変更した方が好ましい場合もある。
第一熱処理HTを実施例1と同様に行い、第二熱処理HTを酸化雰囲気のみで行った場合(実施例9)も、ウェーハ表層に高品質なDZ層が形成されることが確認できた。なお、第二熱処理HTを酸化雰囲気で行うと、非酸化雰囲気で行った場合と比較して、同じ保持時間DであってもBMDのサイズが小さめとなることがあるため、そのときは、第二熱処理HTの保持時間Dを適宜延長(例えば6時間)するように条件変更した方が好ましい場合もある。
第一熱処理HTにおける雰囲気を非酸化雰囲気とした場合(比較例3)、この第一熱処理HT後に、SP2評価及びSEM観察によって、ウェーハ表層にCOPが残存していることが確認された。これは、非酸化雰囲気としたことによりウェーハ表面に酸化膜が形成されず、COPを消滅させるのに十分な量の格子間シリコン原子Iがウェーハ内に注入されなかったためと考えられる。
第一熱処理HTを実施例1と同様に行い、第二熱処理HTを非酸化雰囲気のみで行った場合(比較例4)、ウェーハ表層(ウェーハ表面から13μm程度までの深さ領域)に低密度の酸素析出物が存在していることが、SP2評価及びSEM観察によって確認された。これは、第一熱処理HTによって形成されたウェーハ表層の酸素析出核(OV)が、第二熱処理HTにおいて格子間シリコン原子Iが注入されなかったことにより、消滅することなくそのまま残存したためと考えられる。
なお、実施例1に係るウェーハと同じウェーハに対し、第一熱処理HT及び第二熱処理HTを行う代わりに、バッチ式熱処理炉を用いて、非酸化雰囲気(Ar中)においてBMDを成長させる熱処理(1100℃4時間)を行った。この熱処理後におけるレーザ散乱トモグラフ装置を用いた評価結果を図12に、BMD密度の深さ方向分布を図13に、BMDサイズの深さ方向分布を図14にそれぞれ示す。
図12の結果から、BMDの形成状態がウェーハの面内位置によって大きく異なることが確認された。すなわち、結晶育成時にOSFリングが形成された領域(ウェーハの中心から100〜120mmの領域。本図(c)及び(d)参照)において、その内外と比較してBMD密度が低くなっていた。これは、本願発明においては、第一熱処理HTで1300℃以上の熱処理を行うことにより、結晶育成履歴がリセットされ、冷却中に新たにBMDの核形成がなされたのに対し、バッチ式熱処理炉による熱処理では熱処理温度が相対的に低いことに起因して、結晶育成履歴がそのまま残ってしまい、OSFリング領域で新たにBMDの核形成がなされなかったことに起因するためと考えられる。
また、図13に示すように、BMD密度は1桁以上の大きな面内ばらつきがあることが確認された。このようにBMD密度に大きな面内ばらつきがあると、デバイス製造中に、ウェーハの特定箇所に応力が集中して、ウェーハが変形したり、応力によって新たに転位等の結晶欠陥が導入されたりする問題が生じ得る。また、ウェーハ表層のDZ層の幅は約10μmであった。このDZ層の幅は、本願発明の場合と異なり、熱処理条件の調整によって変更することが難しく、種類や用途の異なる種々のデバイス用として、容易に対応できない問題がある。
また、図14に示すように、バルクにおけるBMDのサイズは大サイズ側に偏っていることが確認できた。なお、レーザ散乱トモグラフ装置を用いた評価においては、BMDサイズが95nmを超えると測定が飽和状態となり、そのサイズが95nmであると評価されるため、実際には95nmよりもサイズが大きいBMDが多く存在している。このようにBMDサイズが大きくなると、ウェーハに熱応力等の外部応力が作用したときに、このBMD自体が転位源となって、ウェーハの変形やオーバレイ等の問題が生じる恐れが高まる。
(4)第一熱処理後の空孔及び格子間シリコン原子のウェーハ深さ方向分布について
第一熱処理HTにおいて、ウェーハに導入される空孔V及び格子間シリコン原子Iのウェーハ深さ方向分布をシミュレーションした。このシミュレーションにおいては、空孔V及び格子間シリコン原子Iの拡散及び対消滅を考慮した次の数1に示す数式を用いている(K.Nakamura、Ph.D.Thesis,Tohoku University、Sendai.(2001))。右辺第1項が空孔V又は格子間シリコン原子Iのフラックス(拡散)を、右辺第2項が空孔Vと格子間シリコン原子Iの対消滅に相当する。
数1におけるCは空孔V又は格子間シリコン原子Iの濃度、tは時間、Jは空孔V又は格子間シリコン原子Iのフラックス、Kは対消滅の反応定数であり、各添え字は、Vが空孔、Iが格子間シリコン原子、eqが熱平衡濃度を意味している。JI、Vは数2で、Kは数3でそれぞれ表される。
数2、数3におけるDは拡散定数、aは対消滅反応の臨界距離、ΔGが対消滅反応のエネルギー障壁、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
また、シリコン酸化界面での格子間シリコン原子の過飽和度は、次の数4に示す数式で求められる(S.Dunham,J.Appl.Phys.,71,685(1992))。
数4におけるA1、A2は、酸化の物性値から決まるパラメータである。
また、数4中のdX/dtはシリコン表面の酸化速度であり、数5で表すことができる(B.E.Deal,A.S.Grove,J.Appl.Phys.,36,3770(1965))。
数5におけるXは酸化膜厚さ、kはリニアレートコンスタント、kはパラボリックレートコンスタントである。
上記の各数式を用いて、第一熱処理HTを行ったときの空孔V及び格子間シリコン原子Iのウェーハ深さ方向分布をシミュレーションした。保持温度Tを1350℃、冷却速度Rを120℃/秒(実施例1)としたときの結果を図15に、保持温度Tを1350℃、冷却速度Rを5℃/秒(比較例1)としたときの結果を図16に、保持温度Tを1250℃、冷却速度Rを120℃/秒(比較例2)としたときの結果を図17に示す。いずれの熱処理も酸化雰囲気中で行っており、保持時間Dは30秒である。
各図においては、中央に第一熱処理HTのシーケンスを示し、さらに、熱処理の昇温中、保持温度Tでの保持中、冷却後の各段階(A〜E又はA〜D)における空孔V(破線)及び格子間シリコン原子I(実線)のウェーハ深さ方向分布をグラフで示している。
図15に示すように、昇温過程においては、ウェーハ表面から空孔V及び格子間シリコン原子Iがウェーハ内に注入され、両者の濃度が次第に上昇する(本図中のA〜C参照)。保持温度T(1350℃)に30秒保持すると、ウェーハの厚さ方向全体に亘って、空孔V及び格子間シリコン原子Iが保持温度Tにおける熱平衡濃度にほぼ達する。この保持温度Tにおける熱平衡濃度は格子間シリコン原子Iよりも空孔Vの濃度の方が若干高い。この保持温度Tからウェーハを冷却(120℃/秒)すると、空孔V、格子間シリコン原子Iともに、拡散及び対消滅によって濃度が低下するが、その低下の度合いは格子間シリコン原子Iの方が顕著である。このため、ウェーハの冷却後において、ウェーハ内に空孔Vが優勢に残存している。
第一熱処理HTを行った後における空孔Vの濃度が1×1013/cm以上のときに、第二熱処理HTを行ったときのBMDの形成が促進されることが分かっており、図15に示す第一熱処理HTの条件においては、空孔濃度が1×1013/cm以上となるウェーハ表面から40μm以上の深さ領域でBMDが形成されることが予想される。この予想は、例えば図8等において確認できたDZ層の幅とほぼ整合している。
これに対し、図16に示すように、保持温度T(1350℃)からの冷却速度Rを小さくした場合(5℃/秒)、保持温度Tでの保持終了時点までの空孔V及び格子間シリコン原子Iの深さ方向分布は図15に示した場合と同じであるが、冷却速度Rが小さいことに起因して、空孔V及び格子間シリコン原子Iの拡散及び対消滅によって、冷却速度Rが大きい場合と比較してこれらの濃度がさらに低下する。特に空孔Vについて着目すると、その濃度はBMD形成の目安となる1×1013/cmを大きく下回っており、BMDが形成されないことが予想される。この予想は、図11において示したBMD密度の測定結果(本図中の比較例1参照)と整合している。
また、図17に示すように、保持温度Tを1250℃と低温化した場合、この保持温度Tで30秒保持した後の空孔V及び格子間シリコン原子Iの濃度は、図15等の場合と比較して、いずれも若干低めとなるとともに、図15等の場合と異なり、空孔Vよりも格子間シリコン原子Iの濃度の方が若干高い。この保持温度Tからウェーハを冷却(120℃/秒)すると、格子間シリコン原子Iと比較して空孔Vの濃度が顕著に減少する。その濃度はBMD形成の目安となる1×1013/cmを下回っており、BMDが形成されないことが予想される。この予想は、比較例2に係るウェーハにおいてBMDが形成されなかった結果(図示なし)と整合する。
(5)総括
上記のように、酸化雰囲気中において、ウェーハを1300℃以上1400℃以下の保持温度Tの範囲内で保持し、さらに10℃/秒以上150℃/秒以下の冷却速度Rで冷却する第一熱処理HTと、酸化雰囲気中において、ウェーハを800℃以上1250℃以下の保持温度Tの範囲内で保持する第二熱処理HTを連続的に行うことにより、ウェーハ表層のDZ層の結晶完全性を確保しつつ、バルクに十分な強度及びゲッタリング能を付与するためのBMDを形成することができる。
また、第一熱処理HTを酸化雰囲気で行うことにより、ウェーハ表面から格子間酸素がウェーハ表層に注入され、このウェーハ表層の高い強度を確保することができる。しかも、第一熱処理HTを高温の酸化雰囲気で行うことにより、結晶育成時に導入されたCOP及びBMD(BMD核)が完全に消滅し、結晶育成履歴をリセットすることができる。このため、ウェーハ面内にOSFリングが含まれるウェーハのように、ウェーハ自体の製造スループットが高いものの面内均一性に劣るウェーハも問題なく採用することができ、結晶育成からウェーハ熱処理まで含めたトータルの製造コストの削減を図ることができる。
なお、上記の第一熱処理HT及び第二熱処理HTのシーケンスはあくまでも一例である。ウェーハの表層及びバルクの強度を確保しつつ、結晶品質の面内均一性を高める、という本願発明の課題を解決し得る限りにおいて、例えば、保持温度Tを時間経過ともに1300℃以上1400℃以下の範囲内で徐々に変化させたり、第一熱処理HTと第二熱処理HTの間、あるいはその前後に、追加的な熱処理を行ったりすることも許容される。また、酸化雰囲気において形成された酸化膜を、一連の工程の途中で剥離する工程を設けることもできる。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法で育成されたシリコンインゴットから切り出されたシリコンウェーハに対し、酸化雰囲気中において、1300℃以上1400℃以下の保持温度で熱処理する第1工程と、
    前記第1工程で熱処理したシリコンウェーハを、酸化雰囲気中において、10℃/秒以上150℃/秒以下の冷却速度で冷却する第2工程と、
    前記第2工程で冷却したシリコンウェーハを、酸化雰囲気中において、800℃以上1250℃以下の保持温度で1時間以上100時間以下熱処理する第3工程と、
    を有するシリコンウェーハの熱処理方法。
  2. 前記第3工程で熱処理したシリコンウェーハを、非酸化雰囲気中において、800℃以上1250℃以下の保持温度で1時間以上100時間以下熱処理する第4工程をさらに有する請求項1に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  3. 前記第1工程前の段階における前記シリコンウェーハ中に存在する空洞欠陥の平均サイズが、同体積の球状換算値において、直径80nm以下であり、かつ前記空洞欠陥の密度が100個/cm以上である請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  4. 前記第2工程における冷却速度を変化させることによって、又は前記第3工程における保持時間を変化させることによって、シリコンウェーハ表面からの無欠陥層の深さを変化させる請求項1から3のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの熱処理方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの熱処理方法によって熱処理されたシリコンウェーハであって、バルクにおける酸素析出物の面内平均密度が1.0×10個/cm以上1.0×1010個/cm以下であり、表面からの各深さ位置における前記酸素析出物密度の面内ばらつきが1桁以内であることを特徴とするシリコンウェーハ。
  6. バルクにおける全ての前記酸素析出物のうち、90%以上の数の酸素析出物のサイズが35〜75nmの範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のシリコンウェーハ。
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