JP2002299344A - シリコン単結晶ウェーハの熱処理方法 - Google Patents
シリコン単結晶ウェーハの熱処理方法Info
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Abstract
し、また酸素析出密度をウェーハ面内で均一にしたシリ
コン単結晶ウェーハの熱処理方法に関する。 【解決手段】CZ法により育成された、OSFリング領
域、酸素析出促進領域、酸素析出抑制領域のいずれか、
あるいはこれらの組み合わせからなる領域を有するシリ
コン単結晶ウェーハを、酸素濃度が0.01%以上3%
以下となるように、窒素あるいは及び希ガスを混合した
ガス雰囲気中で、2分以内に室温から1100℃ないし
1300℃に昇温して1秒以上加熱する急速加熱後急速
冷却する急速熱処理を行なうこと。急速熱処理後105
0℃以上の温度まで20分以上かけて昇温し、1時間以
上加熱する低速昇温熱処理を行うこと。急速熱処理ある
いは低速昇温熱処理の後で、500℃から1000℃で
2時間から5時間かけて均熱処理することを特徴とする
シリコン単結晶ウェーハの熱処理方法。
Description
法(以下CZ法という)によって引き上げられた単結晶
をスライスして切り出されたウェーハの熱処理方法に関
し、具体的には、デバイス活性層での酸化誘起積層欠陥
を抑制し、また酸素析出物密度をウェーハ面内で均一に
したシリコン単結晶ウェーハの熱処理方法に関するもの
である。
るシリコン単結晶ウェーハは、主にCZ法により引き上
げられたシリコン単結晶から製造されている。CZ法シ
リコン単結晶ウェーハは熱処理を行うと、図2に示すよ
うに、OSF(Oxidation induced Stacking Faults)
リングと呼ばれるリング状の酸化誘起積層欠陥領域が発
生する。このOSFリング領域の内側にはCOP(Crys
tal Originated Particle)と言われる大きさが0.3
μm以下の空孔型欠陥が存在しており、この欠陥はデバ
イスが形成されるウェーハの表層部に存在すると、デバ
イス特性を劣化させる有害な欠陥、例えばMOSデバイ
スのゲート酸化膜耐圧特性を劣化させる原因となること
が知られている。
に容易に酸素析出物が形成される領域(以下、酸素析出
促進領域と称す)、さらにその外側に酸素析出物が形成
されにくい領域(以下、酸素析出抑制領域と称す)が存
在し、OSFリング領域を含めこれら3つの領域はgrow
n-in欠陥が存在しない高品質な領域である。さらにその
外側には、転位クラスター欠陥発生領域が存在し、デバ
イスのリーク電流特性を悪化させる原因となる領域が存
在する。
ーハ表層部を無欠陥層(COPフリー層)とする必要が
あり、この欠陥を低減するための種々の方法が提案され
ている。例えば、COPを含まず、さらに低速引上げ速
度で発生するデバイスのリーク特性を悪化させる転位ク
ラスターも含まない無欠陥結晶の製造法として、特開平
8−330316号公報が提案されている。この方法に
おいては、引上げ速度Vと、結晶の引上げ軸方向の温度
勾配Gの比であるV/Gをウェーハ全面に所定の範囲に
保つ事で、ウェーハ全面を無欠陥とするものである。
問題点があった。 (1)無欠陥を維持できるV/Gの範囲が極めて狭く、V
/Gを所定範囲に収めることは容易でなく、V/Gが少
しでも所定範囲より大きくなるとOSFリング領域が生
成する。この領域にはCOPは存在しないが、デバイス
工程で酸化熱処理を受けると、デバイス活性層に酸化誘
起積層欠陥(以下OSFという)が生成しデバイス特性に
悪影響を及ぼす。 (2)無欠陥領域の中でも、V/Gの大きな領域と小さな
領域では、加熱時の酸素析出の状況が異なり、V/Gが
大きい条件で発生する酸素析出促進領域では酸素析出が
起こりやすく、一方V/Gの小さな条件で発生する酸素
析出抑制領域では非常に酸素析出が起こりにくいため、
析出物密度が不均一なウェーハとなる。 (3)さらに、本発明者は、上記酸素析出促進領域では、
OSFリング領域と比べればその程度は小さいもののデ
バイス工程の熱酸化処理でOSFが発生し、デバイス特
性に悪影響を与えることを知見した。
る場合には、上記の問題点を回避するために、結晶中の
酸素濃度を低くし、OSFや酸素析出物が発生しない条
件で均一なウェーハを得る方法が行われている。しか
し、この場合結晶の低酸素化によってCZウェーハの特
徴である酸素析出物による不純物ゲッタリングの効果が
得られないという問題があった。
題点に鑑みなされたもので、本発明の目的とするところ
は、結晶中の酸素濃度を低くする必要がなく、シリコン
ウェーハを低濃度酸素雰囲気で短時間に熱処理すること
により、ウェーハ表面のOSFリングの核となる欠陥の
成長を抑制して酸化誘起積層欠陥を無くし、また酸素析
出物密度をウェーハ面内で均一にしたものである。
明は、チョクラルスキー法により育成された、OSFリ
ング領域、酸素析出促進領域、酸素析出抑制領域のいず
れか、あるいはこれらの組み合わせからなる領域を有す
るシリコン単結晶ウェーハを、酸素濃度が0.01%以
上3%以下となるように、窒素あるいは及び希ガスを混
合したガス雰囲気中で、2分以内に室温から1100℃
ないし1300℃に昇温して1秒以上加熱し、急速冷却
する急速熱処理を行なうことを特徴とするシリコン単結
晶ウェーハの熱処理方法である。
00℃ないし1300℃へ急速に昇温する急速加熱処理
することにより、OSFリングの核となる欠陥が溶解
し、デバイス工程でのOSFリングの生成が抑制され
る。
を用いると、表面に有害な窒化物の形成やパーティクル
の付着が発生するが、酸素濃度が0.01%以上3%以
下となるように、窒素あるいは及び希ガスを混合したガ
ス雰囲気を使用することにより、ウェーハ表面での有害
な、窒化物の形成やパーティクルの付着が防止される。
が溶解し、各領域とも酸素析出核が無い状態となり、領
域間の酸素析出挙動が均一化される。ただし、この状態
は、酸素析出が非常に起こりにくいことを意味するが、
本発明において、急速加熱処理後の冷却速度を大きくす
ることにより酸素析出核を著しく増加できる。これは、
シリコン基板を高温に加熱すると、酸素析出物成長を促
進させる空孔濃度が、格子間シリコンよりも優勢とな
り、これを急速冷却すると基板内にある程度維持され、
多数の酸素析出核が生成するためである。この観点から
は冷却速度は、早い方が好ましい。
記載の発明において、1100℃以上の加熱温度から、
1000℃以下の温度まで20℃/秒以上の冷却速度で
急速冷却することを特徴とするシリコン単結晶ウェーハ
の熱処理方法である。
子間シリコン濃度よりも高い状態であるが、この状態か
ら1000℃以下まで20℃/秒以上の冷却速度で急速
冷却すると、高い空孔濃度が凍結される。その後ゆっく
り室温まで冷却しても高い空孔濃度が維持され、以後の
熱処理でゲッタリングに有効な酸素析出物が高い密度で
得られる。
間で外方拡散するため、表面部は空孔濃度が低くなり、
表面のデバイス活性層には、酸素析出物が発生せず、デ
バイス特性に悪影響を与えることがない。
たは2項記載の発明において、急速熱処理の後に、酸素
濃度が0.01%以上3%以下となるように、窒素ある
いは及び希ガスを混合したガス雰囲気中で、複数のウェ
ーハを同時に熱処理する熱処理炉を用いて、1050℃
以上の温度まで20分以上かけて昇温し、1時間以上加
熱する低速昇温熱処理を行うことを特徴とするシリコン
単結晶ウェーハの熱処理方法である。
素の外方拡散がおこり、デバイス工程での酸化熱処理に
よるOSFリング領域でのOSF発生や、酸素析出促進
領域からのOSF発生がさらに抑制される。
項3項記載の発明において、急速熱処理あるいは低速昇
温熱処理の後で、500℃から1000℃で2時間から
5時間かけて均熱処理を行うことを特徴とするシリコン
単結晶ウェーハの熱処理方法である。
不純物等のゲッタリング効果を有する酸素析出物をウェ
ーハ面内に均一に形成することができ、デバイス工程で
のゲッタリング能が向上する。
Z法により育成されたOSFリング領域、酸素析出促進
領域、酸素析出抑制領域のいずれか、あるいはこれらの
組み合わせからなる領域を有するシリコン単結晶ウェー
ハを、OSF低減のために急速熱処理する。
ら1300℃が好ましい。1100℃以下では、OSF
の原因となる欠陥の溶解が十分起こらないばかりではな
く、1000℃程度の熱処理では逆に核サイズを大きく
してしまい、容易にOSFを発生させることとなる。1
300℃を越えると熱処理ウェーハにスリップ転位が発
生し、半導体デバイスを作製する時に支障をきたす事に
なり好ましくない。
が良く、30秒も加熱すれば十分にその効果を得る事が
可能である。1秒以下では、所望する熱処理温度到達ま
でに基板面内でバラツキが生じ、品質のバラツキを生み
十分なOSFの低減効果を得る事が出来ない。この熱処
理の昇温に要する時間が長くなると、昇温過程で、OS
F核、酸素析出物の成長が起こり、熱処理時これらの溶
解消滅が起こりにくくなる。このため、室温から高温熱
処理の温度まで2分以内で昇温するのが好ましい。これ
は、約10℃/秒以上の昇温速度に相当する。
酸素析出核が多数生成し、以後の熱処理での酸素析出が
起こりやすくなる。この効果は、5℃/秒程度の冷却速
度でも認められるが20℃/秒以上で顕著である。この
急速冷却処理は、空孔濃度を急冷により基板中に低温ま
で凍結することを目的とするが、この凍結効果は100
0℃程度までで、それ以下の温度での冷却速度は緩速冷
却してもあまり酸素析出量に影響を与えない。
0.01%以上3%以下となるように、窒素あるいは及
び希ガスを混合したガス雰囲気が好ましい。酸素を含ま
ない窒素のみの場合は、基板表面のみならず、基板内部
においても窒化物が形成しデバイス特性に悪影響を与え
る。また、酸素を含まない希ガスのみでは、高温熱処理
で活性な基板表面のシリコンがむき出しとなりパーティ
クルが強固に付着し、洗浄では除去できなくなる。これ
に対して、酸素濃度が0.01%以上3%以下となるよ
うに、窒素あるいは及び希ガスを混合したガス雰囲気中
で熱処理すると、基板表面に酸化膜が形成して窒化物の
形成を抑制し、また活性なシリコンが露出しなくなるた
めパーティクルの強固な付着が起こらない。一方、酸素
の濃度が3%を越えると、デバイス製造工程でOSFの
発生が起こり好ましくない。
核、酸素析出核は減少し、デバイス製造工程でのOSF
や酸素析出物の形成は抑制できるが、これに加えて後に
述べる低速昇温熱処理を行うことにより、表面近傍の酸
素濃度は外方拡散によって低下し、デバイス工程でのデ
バイス活性層のOSFや酸素析出物の形成をさらに抑制
できる。
ェーハ表面の酸素を外方拡散させる処理として、前記急
速熱処理の後に低速昇温熱処理を行う。
時に熱処理可能な熱処理炉で1050℃以上の温度まで
20分以上かけて昇温し、1時間以上かけ熱処理を行
う。本熱処理は、1時間以上かけて行なうため、枚葉式
熱処理炉の使用は不適当であり、多数のウェーハを同時
に熱処理するタイプの熱処理炉が好ましい。このような
熱処理炉で急速に加熱処理すると、ウェーハ面内に温度
勾配が生じスリップが発生する。このため、ウェーハを
熱処理する温度まで昇温する時間は20分以上かけるこ
とが好ましい。
処理と同様の理由で、酸素濃度が0.01%以上3%以
下となるように、窒素あるいは及び希ガスを混合したガ
ス雰囲気が最も好ましい。酸素を全く含まない、窒素あ
るいは及び希ガスの混合ガスを用いる場合は、前述した
ように、表面に窒化物形成や、パーティクル付着が起こ
るので好ましくない。
得られたウェーハを、500℃から1000℃の温度で
2時間から5時間かけて均熱処理して酸素析出物を成長
させることにより、ウェーハ内部に高濃度の酸素析出物
が基板面内に均一に形成し、デバイス工程でのゲッタリ
ング能に優れ、かつ表面のデバイス活性層にはOSFや
酸素析出物の少ないウェーハとすることができる。
グ領域、酸素析出促進領域、酸素析出抑制領域のいずれ
かあるいはこれらの組み合わせからなりGrown-in欠陥が
なく、またデバイス製造工程でウェーハのデバイス活性
層にOSFや酸素析出物がなく、かつウェーハ内部に高
密度の酸素析出物が存在し、ゲッタリング能やデバイス
特性の良好なCZ法シリコン単結晶ウェーハが得られ
る。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、直径150mm、ボロンドープp型(100)、
比抵抗10Ωcmで、酸素濃度が下記3種類のウェーハ
を準備した。なお、酸素濃度は、FT−IRによる赤外
吸収測定結果から、ASTM F121−79にもとづ
き算出した。
017atoms/cm3、中央にOSFリング領域が
存在(OSFリング領域の外周部直径=50mm)し、そ
の外側には酸素析出促進領域のみが存在するウェーハ。
サンプルBとして酸素濃度が13.0×1017ato
ms/cm3、中央にOSFリング領域が存在(OSF
リング領域の外周部直径=46mm)し、その外側には
酸素析出促進領域のみが存在するウェーハ。サンプルC
として酸素濃度が14.5×1017atoms/cm
3、OSFリングの内側領域からのみなるウェーハ。
を見るための熱処理条件として、酸素雰囲気中で80
0℃、4時間の熱処理後、引き続き1000℃で16時
間の熱処理、およびOSFの発生状況を見るための熱処
理条件として、酸素雰囲気中で1100℃、16時間
熱処理した場合である。
フ法で観察した写真である。左側はの熱処理の場合の
写真で、白い部分ほど酸素析出が起こっていることを示
している。右側はの熱処理の場合の写真で、白い部分
はOSFが発生していることを示している。このように
酸化雰囲気での熱処理により酸素析出やOSFが発生す
ることがわかる。
するために下記評価条件にて処理を行い光学顕微鏡で観
察してOSF密度を観察した結果を図4に示す。
00℃で16時間熱処理したのちサンプルを取り出し、
ライトエッチング液でウェーハの表面を5μm選択エッ
チングしてOSF密度を観察した。評価条件2として、
酸素雰囲気中にて780℃で3時間の熱処理を行った
後、そのままの状態で1000℃に昇温し、1000℃
で16時間熱処理したのち、950℃まで降温してから
サンプルを取り出し、ライトエッチング液でウェーハの
表面を2μm選択エッチングしてOSF密度を観察し
た。
域でOSFが多発するのは当然として、その外側の酸素
析出促進領域でもOSFが多発している。いずれの領域
もOSF密度は酸素濃度が低いサンプルBの方が低密度
である。サンプルCでは、いずれの評価においてもOS
Fは観察されなかった。
リング領域を結晶内に存在させる結晶育成法で低酸素濃
度にするのはこのためである。また、酸素析出促進領域
であっても基板外周に向かいOSF密度が低減している
のは、結晶育成時に結晶内部に導入された空孔濃度に関
係し、その相関関係にあるOSF発生核がその様に分布
しているからである。従って、この様に分布するOSF
核を熱処理により非活性化させるさせるには基板面内の
温度分布を十分に制御する必要がある。
いてOSF密度低減を行った検討結果を述べる。サンプ
ルAおよびBを枚葉式ランプ加熱炉で、下記熱処理を行
った。 雰囲気として、3%酸素(97%窒素)、100%酸
素、100%窒素 処理温度として、900℃から1300℃ 昇温速度として、50℃/秒 所定温度での保持時間として、1秒から30秒 所定温度から1000℃までの冷却速度として、50℃
/秒。それ以下は室温まで放冷した。
た後、前記評価条件2の処理を行い、これを光学顕微鏡
で観察してOSF密度を測定した高速熱処理温度、昇温
時間依存性の結果を図1に示す。
素3%を含む窒素雰囲気、100%窒素、100%酸素
であろうとOSFリング領域および酸素析出促進領域い
ずれの領域においてもOSF密度に大きな変化は見られ
ず、OSF発生核には影響を及ぼしていない。処理温度
が高くなるに従い、100%酸素雰囲気では酸素析出促
進領域で発生するOSFの発生抑制効果は見られるも、
OSFリング領域においてはその低減効果は非常に乏し
い。100%酸素雰囲気での処理を除く1100℃以上
の処理では、リングOSF領域で2000cm−2程度
発生しているものが600cm−2以下に低減してい
る。また酸素析出促進領域では200cm −2程度発生
しているものが50cm−2以下へと抑制効果が非常に
大きい事がわかる。その効果は処理時間1秒でも十分で
有る。
雰囲気で熱処理したものは、OSFは低減したもののウ
ェーハ表面に窒化物の形成やパーティクルの付着が観察
された。
い事が大きく寄与しているも、やはり1100℃以上の
処理で大幅な改善が見られる。従って、OSF核を非活
性化する為には、酸素の酸素濃度が3%以下となる非酸
化性ガスとの混合ガス雰囲気内で1100℃以上で処理
する事が必要である。
に、ウェーハ表面の酸素を外方拡散させる処理を付加し
た結果について述べる。用いたサンプルは、サンプルA
であり、前熱処理条件として枚葉式ランプ加熱炉で下記
の急速加熱処理後、酸素外方拡散熱処理を行った。 処理温度として、1100℃、1150℃、1200℃ 処理時問として、5秒 昇温速度として、50℃/秒 降温速度として、処理温度から1000℃に下がる迄の
冷却速度50℃/秒 雰囲気として、3%酸素(残り窒素)
素外方拡散熱処理条件にて処理を行い、前記評価処理条
件2にてOSF密度の評価を行った。酸素外方拡散熱処
理条件1として、3%酸素(窒素97%)雰囲気の拡散
炉に900℃でサンプルを投入し、処理温度まで5℃/
分で昇温した後雰囲気を100%窒素に切り替え、処理
温度で2時間保持した後、900℃まで降温しサンプル
を取り出す。酸素外方拡散熱処理条件2として酸素外方
拡散熱処理条件1の熱処理を全て3%酸素(窒素97
%)雰囲気で行う。
熱炉では生産性が低下しコストが上昇する為、バッチ式
のソフトランディングタイプの拡散炉を用いた。また、
900℃でサンプルの投入、取り出しを行うのはサンプ
ルをセットするボートをSiC製のフオークで支持する
為であり、この温度以上ではフオークからの汚染、およ
び炉内へ挿入する時に熱衝撃によるフォークの破損が心
配される為である。フォークの材質として汚染の心配が
少ない石英製の物も市販されているが、バッチ処理を行
う為、大重量になるサンプルを1100℃〜1200℃
の温度に直接投入すると、すでに石英の特性は粘性領域
に人っており、変形を起こし繰り返し使用する事が困難
になる。従って、いずれの材質のフォークを使用しても
900℃程度でウェーハを投入、取り出しを行う必要が
ある。
投入から処理温度まで昇温する間は酸化雰囲気で行った
が、これはウェーハ表面層での窒化物形成回避の為に保
護膜として酸化膜を形成する為である。その後窒素雰囲
気としてOSFが発生しにくい雰囲気とした。100%
窒素雰囲気でこの酸素外方拡散熱処理を行うとウェーハ
表層部に窒化物が形成された。また、100%アルゴン
雰囲気では活性層がむき出しになりパーティクルが付着
していた。これらは研磨することにより除去可能である
が、工程を増加させる研磨をしない為にも酸素外方拡散
熱処理工程ではわずがでも酸素を含んだ雰囲気で行うと
よい。
めの評価熱処理2として、酸素雰囲気にて780℃、3
時間の熱処理後そのままの状態で1000℃に昇温し、
16時間経過後950℃でサンプルを取り出しライトエ
ッチング液で表面2ミクロンの選択エッチングをおこな
い光学顕微鏡でOSFの観察を行いOSF密度の評価を
行った結果を図5に示す。リングOSF領域では急速加
熱処理温度が高いほどOSFは低減し、酸素析出促進領
域においてはOSFの発生はなかった。
から処理温度までは酸素3%の酸化雰囲気でおこなって
いるため、この時点でウェーハ表面に酸化膜が形成され
る。その後窒素雰囲気で熱処理されるためOSFは非常
に少ない。酸素外方拡散熱処理条件2は窒素で希釈して
いるとはいえ、昇温から熱処理まで酸化雰囲気で行って
いる為にOSFが発生し易い環境であるにも関わらず、
1150℃以上の急速加熱処理を施していると、著しい
OSFの低減効果が有る事がわかる。その効果は115
0℃以上の温度に於いては酸素外方拡散熱処理条件1と
同程度である。
気で行うと、1150℃までの昇温中にすでにわずかで
はあるがOSFを発生させてしまい、比較例では十分に
効果を得る事は出来ないが、急速加熱による1150℃
以上の前熱処理を酸素外方拡散熱処理前に施す事で、事
前にOSF発生核を非活性化させる事が可能であり、そ
の結果OSF密度を著しく低減させる事が可能となる。
酸素外方拡散熱処理の効果は、ウェーハ中の酸素を外方
に拡散させる事でウェーハ表層に限って見れば、低酸素
で結晶育成を行った場合と同様の特性を示すことが分か
る。
が、高温処理を施す事でCZ結晶の特徴でもある酸素析
出物が成長しにくい状態になっている。このため、酸素
析出物を均一に成長させ、ゲッタリング能を向上させる
熱処理2つのケースについて述ベる。用いたサンプル
は、サンプルAであり、前熱処理条件として枚葉式ラン
プ加熱炉で下記の急速加熱処理後、析出核成長熱処理を
行った。 ケース1 処理温度として、1150℃、1175℃、1200
℃、1250℃ 処理時間として、30秒 昇温速度として、50℃/秒 降温速度として、処理温度から1000℃に下がる迄の
冷却速度50℃/秒 雰囲気として、3%酸素(窒素97%)
4時間の析出核形成熱処理を行った後、1000℃で1
6時間の析出核成長熱処理を行い、酸素析出物密度の面
内分布を評価した結果を図6−1に示す。比較例として
急速加熱処理を行わなかった場合を載せているが、この
場合ウェーハ面内で1桁程の酸素析出物密度のバラツキ
が見られる。一方、急速加熱処理を行った場合には、酸
素析出物密度によらず面内で非常に均一に分布している
事がわかる。
合は、比較例と比し低密度になっているが、これば析出
核形成処理を800℃で行った為に、その温度で核形成
が行われなかった為であり、より低温で核形成処理を行
う事で酸素析出物の密度制御は可能である。核形成を行
う下限の温度は500℃であり、この温度以下では生産
性を考えた時問内で核形成を行う事は困難である。12
00℃以上の急速加熱処理の結果は、高濃度の空孔を基
板内に均一に分布した状態で凍結させる事により酸素析
出物形成を促進させた効果である。
1250℃の急速加熱処理を行ったサンプルの断面写真
を示すが、ウェーハ全面にDZ層として20μm以上確
保されていることがわかる。このサンプルは窒素で希釈
しているとはいえ酸化性雰囲気で行っている為に、窒素
よりも酸素の方がより早くシリコンと反応し、昇温中す
でに酸化反応によってウェーハ表面は安定な酸化膜で保
護されている。処理雰囲気が3%酸素(残り窒素)もあ
ればその効果は十分に得られる事が明らかになり、基板
表面が酸化膜で保護されることから汚染の影響を受けに
くくし、かつ窒化物の形成が抑制される。
冷却速度50℃/秒 雰囲気として、3%酸素(97%窒素)
を施して、引き続き500℃から1000℃の温度範囲
で2から5時間の酸素析出核形成処理を行い、評価条件
1により基板面内の酸素析出物の密度分布を評価した結
果を図6−2に示す。酸素析出物は非常に均一に分布し
ている事がわかる。また、低温から析出核形成を行って
いる為に、ケース1と比較し急速加熱処理温度が低く高
濃度の空孔を凍結させるには不十分な温度であっても、
十分に面内均一に酸素析出物を形成させる事が可能であ
る。
リコンウェーハの熱処理方法は、酸素濃度が0.01%
以上3%以下となるように、窒素あるいは及び希ガスを
混合したガス雰囲気中で、2分以内に室温から1100
℃ないし1300℃に昇温して1秒以上加熱し、急速冷
却する急速熱処理を行うこと、また、前記急速熱処理の
後に、酸素濃度が0.01%以上3%以下となるように
窒素あるいは及び希ガスを混合ガスした雰囲気中で、複
数のウェーハを同時に熱処理する熱処理炉を用いて10
50℃以上の温度まで20分以上かけて昇温し、1時間
以上加熱する低速昇温熱処理を行う事で、リングOSF
領域およびその外側に位置する酸素析出促進領域で高密
度に発生するOSFを著しく低減させる効果を持つ。ま
た、500℃〜1000℃の範囲で2時間〜5時問保持
する処理を上記何れかの熱処理後に行う事で、ウェーハ
面内の酸素析出物密度分布を均一にする事が出来る。
た、OSFリング領域とその外側に存在する酸素析出促
進領域及び/又はさらにその外側に存在する酸素析出抑
制領域のみからなるシリコンウェーハ、またはOSFリ
ング領域の外側に存在する酸素析出促進領域及びその外
側に存在する酸素析出抑制領域からなるシリコンウェー
ハに対して行う事で、結晶引上げ時に基板の酸素濃度を
低下させる必要が無く、CZ結晶の特徴であるゲッタリ
ング能力を持ったgrown‐in欠陥が存在しない高品質の
半導体シリコンウェーハを製造する事ができる。
を調ベた図である。
分布の例を模式的に示した図である。
を示す写真である。
る。
示す図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 チョクラルスキー法により育成された、
OSFリング領域、酸素析出促進領域、酸素析出抑制領
域のいずれか、あるいはこれらの組み合わせからなる領
域を有するシリコン単結晶ウェーハを、酸素濃度が0.
01%以上3%以下となるように、窒素あるいは及び希
ガスの混合ガス雰囲気中で、2分以内に室温から110
0℃ないし1300℃に昇温して1秒以上加熱する急速
加熱後急速冷却する急速熱処理を行なうことを特徴とす
るシリコン単結晶ウェーハの熱処理方法。 - 【請求項2】 1100℃以上の加熱温度から、100
0℃以下の温度まで20℃/秒以上の冷却速度で急速冷
却することを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶
ウェーハの熱処理方法。 - 【請求項3】 急速熱処理の後に、酸素濃度が0.01
%以上3%以下となるように、窒素あるいは及び希ガス
を混合したガス雰囲気中で、複数のウェーハを同時に熱
処理する熱処理炉を用いて、1050℃以上の温度まで
20分以上かけて昇温し、1時間以上加熱する低速昇温
熱処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2
のいずれかに記載のシリコン単結晶ウェーハの熱処理方
法。 - 【請求項4】 急速熱処理あるいは低速昇温熱処理の後
で、500℃から1000℃で2時間から5時間かけて
均熱処理することを特徴とする請求項1から請求項3の
いずれかに記載のシリコン単結晶ウェーハの熱処理方
法。
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