JP2015199816A - Ptp包装用インキ組成物及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、印刷の高温乾燥後にクーリングロールや反転ロールなどでのインキ取られがなく、効率的な生産を可能にし、かつ、十分な耐熱性と接着性を有しているPTP包装用インキ組成物及び該インキ組成物をアルミニウム基材上に塗工した積層体を提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】本発明者等は、これらの課題を受けて、鋭意検討した結果、酸価1〜40mgKOH/g、水酸基価2〜30mgKOH/gであるポリエステルウレタン樹脂(a1)とブロックイソシアネート(a2)とを組み合わせたインキ組成物がPTP包装用として優れていることを見出した。【選択図】 図1

Description

本発明は、PTP(プレススルーパック)の包装用インキ組成物に関し、より具体的には、食品、化粧品、薬品等の包装に用いられるPTP包装用インキ組成物、及び該インキ組成物をアルミニウム基材上に塗工した積層体に関するものである。
アルミニウム箔を基材に含むシート状包装体には、被包装物の品名等を表示する印刷表示が形成されるため、その包装体の密着性や機械的特性等とともに、その印刷された表示の視認性を向上させるべく各種の開発がなされてきた(特許文献1、2など)。包装用シート(包装体)に印刷される表示の内容は、被包装物の商品名などであるが、価格、メーカー等の情報も含めてバーコード化して表示されることが多い。上記包装用シートに表示されるバーコードを含めて従来のバーコードは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジ(精算場所)で、手動または自動で、バーコードリーダーによりバーコードを読み取り、代金を計算し、あるいは在庫調整のためのデータ集計をするのに用いられてきた。
ところが最近、薬品の偽造防止、および薬品の取り違いや有効期間の超過等の医療事故を防止する観点から、PTP等の薬品の包装体に、直接、より詳細な情報に対応するバーコードを印刷することが検討されている。厚生労働省医薬食品安全対策課から発表された実施案では、調剤包装単位(1次包装)ごとに上記情報内容のバーコード標記が必須とされている。このバーコードのデータの内容は、調剤包装単位ごとに変わらない不変情報(品名、価格、効能・効果等)が基本となるが、調剤包装単位ごとに変わる可変情報(製造番号、有効期限、生物由来情報等)も付加される。従って、上記のバーコードには多くの情報が含まれるため、薬品等の包装用シートのバーコードには、バーコード部の小面積化の要求とともに、単位面積当たりの情報量を高める高密度化が求められている。
上記のような小面積化され、かつ高密度化されたバーコード部は、従来から用いられているアルミニウム箔を基材とする包装用シートに印刷された場合、市販のバーコードリーダーで間違いなく的確に読み取ることは容易ではない。このため、上記包装用シートに印刷された小面積・高密度バーコードを、市販のバーコードリーダーにより精度よく読み取るために、アルミニウム箔にインキ層、バーコード層の順に設けた包装用シートにすることで、バーコードの読み取ることを可能とする構成が提供されている。
実公平5−9339号公報 特開2006−76594号公報、
しかしながら、上記のようなアルミニウム箔に設けるインキ層に使用している現状のインキは、十分な耐熱性と接着性を有していないため、印刷の高温乾燥後にクーリングロールや反転ロールなどで一部インキ取られが発生して印刷機を汚してしまい、効率的な生産が行えていないという課題がある。このため、十分な耐熱性と接着性を有したPTP包装用のインキ組成物に関する技術開発が要望されている。
本発明は、上記のような印刷の高温乾燥後にクーリングロールや反転ロールなどでのインキ取られがなく、効率的な生産を可能にし、かつ、十分な耐熱性と接着性を有しているPTP包装用インキ組成物及び該インキ組成物をアルミニウム基材上に塗工した積層体を提供することを目的とする。
本発明者等は、これらの課題を受けて、鋭意検討した結果、酸価1〜40mgKOH/g、水酸基価2〜30mgKOH/gであるポリエステルウレタン樹脂(a1)とブロックイソシアネート(a2)とを組み合わせたインキ組成物がPTP包装用として優れていることを見出した。
本発明は、上記のような印刷での高温乾燥後にクーリングロールや反転ロールなどでのインキ取られがなく、効率的な生産を可能にし、かつ、十分な耐熱性と接着性を有しているPTP包装用インキ組成物、及び該インキ組成物をアルミニウム基材上に塗工した積層体を提供することができる。
図1は本発明のPTP包装用積層体の一例について、その断面図を示したものである。
以下、本発明のPTP包装用インキ組成物、及び該インキ組成物をアルミニウム基材上に塗工した積層体について説明する。先ず、PTP包装用インキ組成物について述べる。PTP包装用インキ組成物は、酸価1〜40mgKOH/g、水酸基価2〜30mgKOH/gであるポリエステルウレタン樹脂(a1)とブロックイソシアネート(a2)を含むことを特徴とする。
PTP(プレススルーパック)とは、包装の一形態であり、薬剤、サプリメント等の内包物の形状に成型を施した塩化ビニルやポリプロピレン等の透明または半透明のシートをアルミ箔の蓋材にて被覆したものであり、蓋材には外側から内包物に関する情報が分かるように文字、絵柄、バーコード等が印刷されている。
ポリエステルウレタン樹脂(a1)の合成は、基本的にはポリエステルジオール、ポリイソシアネート、必要に応じて低分子ポリオールを用いて合成される。また、更に必要に応じて、鎖延長剤、反応停止剤等を使用することも可能である。
ポリエステルジオールは、グリコールと二塩基酸からなり、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2',2'−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族系グリコール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール等の脂環族系グリコールが挙げられる。また、無水トリメリット酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上の化合物を使用することも可能である。これら三官能以上の化合物を使用すると、主鎖に水酸基を有するポリエステル、分岐したしポリエステル等が得られる。また、ウレタン化反応において、主鎖に水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂、分岐したポリエステルウレタン樹脂等が得られる。このような水酸基を有するポリエステルウレタン樹脂はブロックトイソシアネートとの反応基点となる。
グリコールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また必要に応じて三官能以上の化合物を1種以上併用することもできる。
二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデシニルコハク酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、3−ヘキセンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)メタン、2,2ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環族二塩基酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、2,2'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸が挙げられる。これら二塩基酸は必要に応じて単独で、または2種以上を混合して用いることができる
二塩基酸として、芳香族二塩基酸を用いた芳香族系ポリエステルポリオールをポリエステルウレタン樹脂(a1)の原料として用いれば、ポリエステルポリオール由来の芳香環を有するポリエステルウレタン樹脂が得られる。
ポリエステルジオールの合成は公知の方法により得られる。例えば、常圧下でグリコール成分とニ塩基酸とを所望の割合で仕込み、縮重合させる方法、真空下で重縮合させる方法、不活性溶剤の存在下で重縮合を行い、縮合水と溶剤とを共沸させて除外する方法などがある。重縮合反応は触媒の存在下、又は不存在下、200〜300℃の温度で2〜20時間行う。一例を挙げると所定量のグリコール、二塩基酸及び触媒を仕込み窒素気流下、高温で反応させながら縮合により生じる水を除去しながらエステル化を行う。所定の酸価になったことを確認して反応を終了させる。
触媒としては塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等がある。
また、その他の本発明に使用できるポリエステルジオールとして重合脂肪酸ポリエステルジオール、ダイマージオール等が挙げられる。重合脂肪酸ポリエステルジオールは、ダイマージオールとジカルボン酸あるいはこれらの無水物との反応物、ダイマー酸とジオール化合物との反応により得られる。ダイマージオールは、不飽和脂肪酸の二量化反応部物であるダイマー酸のカルボキシル基を還元して得られる。本発明において、ポリエステルジオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリエステルポリオールの末端ヒドロキシル基に酸無水物を反応させ、開環させると、ポリエステル末端にカルボキシル基を導入することができる。酸無水物としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、チオフェンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。末端にカルボキシル基を有するポリエステルを用いることにより、カルボキシル基を有するポリエステルウレタン樹脂が得られる。
ポリエステルウレタン樹脂(a1)には、前記ポリエステルポリオール、末端にカルボキシル基含有ポリエステルの他、公知のポリエーテルポリオールも併用可能である。例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体等が挙げられる。
また、ポリエステルウレタン樹脂(a1)には低分子ジオールも使用することができる。例えば1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2',2'−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中で、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2',2'−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
低分子ジオールとして、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸のように分子内にカルボキシル基を有しイソシアネート基と反応する官能基を2個以上有する化合物を用いることも可能である。これらを用いることにより分子内にカルボキシル基を有するポリエステルウレタン樹脂(a1)が得られる。本発明においては、特にジメチロールブタン酸を用いることが好ましい。
また、アルミニウム基材への密着性、耐熱性を向上させる目的で、リン酸金属塩を有するジオール、スルホン酸基を有するジオール等を用いることもできる。リン酸金属塩を有するジオールとしては、下記構造(化1)を有するものが挙げられる。
Figure 2015199816
(ここで、MはNa又はK)
ポリエステルウレタン樹脂(a1)の合成に用いられるポリイソシアネートとしては、公知の、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
芳香族ジイソシアネートをポリエステルウレタン樹脂(a1)の原料として用いれば、イソシアネート由来の芳香環を有するポリエステルウレタン樹脂が得られる。本発明においては4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)が特に好ましい。
ポリエステルウレタン樹脂(a1)の合成方法としては、ポリエステルジオールとポリイソシアネートを必要に応じイソシアネート基に不活性な溶剤を用い、また、更に必要であればウレタン化触媒を用いて10〜150℃の温度で一段で反応させるワンショット法、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次いで、このプレポリマーに鎖延長剤、反応停止剤を反応させてポリウレタン樹脂を得るプレポリマー法など公知の方法により製造することが出来る。
鎖延長剤としてはネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール2−メチル−1,3−プロパンジオール等のポリオール系鎖延長剤、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ジ−n−-ブチルアミン等のアミン系鎖延長剤、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するヒドロキシアミン系鎖延長剤を用いることが出来る。これらの鎖延長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
反応停止剤としては、例えばジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類、ジエタノールアミン等のジアルカノールアミン類が挙げられる。
合成には溶剤を用いることが反応制御の面で好ましい。使用できる溶剤としては、イソシアネート基と不活性な溶剤が好ましい。例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロルベンゼン、パークレンなどのハロゲン系炭化水素などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上混合し混合溶剤として用いることもできる。
さらに、このウレタン化反応には触媒を用いることもできる。使用できる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系の触媒;スズ、亜鉛などの金属系の触媒などが挙げられる。これらの触媒は通常ポリエステルジオールに対して0.001〜1モル%の範囲で使用される。
本発明におけるポリエステルウレタン樹脂(a1)は、酸価1〜40mgKOH/g、水酸基価2〜30mgKOH/gであることが必要である。好ましくは酸価10〜35mgKOH/g、水酸基価10〜25mgKOH/gである。酸価が1mg/KOHより低いと、すなわち酸価を実質的に有していないとアルミニウム基材との密着性が劣る。酸価が40mgKOH/gよりも高いとインキ組成物の安定性が劣る、また、十分な耐熱性と接着性を発揮することが難しい。水酸基価2mgKOH/gよりも低いとブロックイソシアネート(a2)との反応後に得られる塗膜が十分な耐熱性を得ることが難しい。水酸基価30mgKOH/gよりも高いとブロックイソシアネート(a2)との反応後に得られる塗膜が硬くて歪みが生じるため、十分な接着性を得ることが難しい。
本発明においてポリエステルウレタン樹脂(a1)は芳香族系であることが好ましい。ポリエステルウレタン樹脂に芳香族ポリエステル及び/又は芳香族ポリイソシアネートを使用することにより得られ、特にアルミニウム基材への密着性、耐熱性等が向上する。
本発明で用いるポリエステルウレタン樹脂(a1)の数平均分子量は、5,000〜100、000が好ましく、 更に好ましくは7,000〜30,000である。数平均分子量が5,000に満たない場合には、これをバインダーとして用いたインキ組成物の耐ブロッキング性、皮膜強度および耐油性などが劣り、100、000を越えるとポリエステルウレタン樹脂(a1)を使用したインキ組成物の粘度が高くなり、塗工時のレベリング性が低下し、インキ層(A)の光沢が低下しやすい。
本発明において、ポリエステルジオール、ポリエステルウレタン樹脂(a1)の水酸基価、酸価、数平均分子量は下記の方法で測定した。
(水酸基価の測定)
試料40gに無水酢酸とピリジンを容量比1/9(無水酢酸/ピリジン)で混合したアセチル化剤25mlを加え、100℃で1時間反応した後にn−ブタノ−ル10mlを加え、0.1N水酸化カリウムのアルコ−ル溶液で滴定し、水酸基価を求めた。
(酸価の測定)
試料1gを20cm3のトルエン/ブタノール(50/50重量比)に溶解し、0.1Nの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
(数平均分子量の測定)
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶媒として測定した。
本発明においては、インキ組成物の接着性、インキ皮膜強度向上の目的でポリエステルウレタン樹脂(a1)以外に他の樹脂を併用することができる。他の樹脂としては硝化綿、塩化ビニル/酢酸ヒビニル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
本発明に使用するブロックイソシアネート(a2)は、イソシアネート基を活性水素基含有化合物(ブロック剤)と反応させて常温で不活性としたものであり、これを加熱するとブロック剤が解離してイソシアネート基が再生されるという性質を持つものである。このため、硬化剤のイソシアネート基をブロック化することにより、活性水素基を有する主剤とあらかじめ配合しておくことが可能となる。
イソシアネート基をブロック化するブロック剤としては、アルコール類、フェノール類、ラクタム類、オキシム類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロン酸アルキルエステル類、フタルイミド類、イミダゾール類、塩化水素、シアン化水素または亜硫酸水素ナトリウムなどが知られている。この内でも、置換フェノール類、オキシム類、アセト酢酸アルキルエステル類、マロン酸アルキルエステル類、フタルイミド類、イミダゾール類、塩化水素、シアン化水素または亜硫酸水素ナトリウムによりイソシアネート基がブロック化されたブロックイソシアネート化合物は、比較的低温で解離してイソシアネート基を再生する。
本発明のブロックイソシアネート(a2)は、好ましくは活性メチレン系、アミン系、オキシム系、εカプロラクタム系のブロック剤であり、より好ましくは活性メチレン系である。また、ブロックイソシアネート(a2)のイソシネート種は、HDI系であることが好ましい。
本発明のPTP包装用積層体は、アルミニウム基材(B)に上記のインキ組成物を塗工したインキ層(A)を有することを特徴とする。
PTP包装用積層体の基材となるアルミニウム基材(B)には、公知のアルミニウム基材を用いることができ、特に限定されるものではないが、厚み5μm〜50μm、アルミニウム純度98.0〜99.9重量%のアルミニウム基材を好ましく用いることができる。JISH4160では、1000系(1N30、1070等)、3000系、8000系(8021、8079等)等のアルミニウム基材を用いることができ、調質(質別)も硬質材(H材(JISH0001))、半硬質材、軟質材(O材(JISH0001))のいずれも使用可能である。特に、PTP包装用積層体の蓋に用いられる場合には硬質材が好ましい。なお、通常の上記アルミニウム基材は、一方の面が艶面、他方の面が艶ケシ面(単にケシ面ともいう。)と呼ばれ、両面の光沢が異なるが、本発明では艶面あるいはケシ面のどちらにインキ層を設けてもよい。また、上記の片艶箔以外にも両ケシ箔を使用してもよい。
インキ層(A)は、ポリエステルウレタン樹脂(a1)及びブロックイソシアネート(a2)を含み、好ましくは顔料を含む。インキ層(A)は単位面積当たり0.5g/m2〜4.0g/m2が好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.0g/m2である。インキ層(A)は印刷、塗工により形成される。印刷、塗工方法は公知の方法、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等による印刷、グラビアロールコーター、カーテンフローコーター等による塗工、塗布が挙げられる。
インキ層(A)は目的、用途に応じて、単層、あるいは2以上の層からなる複層で構成することができる。また、それらの層には白色顔料、有色顔料を用いることができる。インキ層(A)が単層の例としては、PTP包装体の意匠性、美粧性を向上させるため、包装体の必要とする面に白色顔料からなる白インキ層(A)を設けることが挙げられる。インキ層(A)が複層の例としては、下地層として白色顔料を用いた白インキ層(A1)を設け、その上に高密度の情報を有するバーコードインキ層(A2)を設けることが挙げられる。包装体の目的、用途によっては、包装体の必要とする面に単層、複層を混在させることもできる。
下地層として白インキ層(A1)が存在するとバーコードインキ層(A2)をバーコードリーダーで読み取る際、アルミニウム基材(B)のグレー色や光反射特性の影響を抑え、白インキ層(A1)とバーコードインキ層(A2)とのコントラストをより明確になり、読み取り精度が向上する。
インキ層(A)に使用される白色顔料としては、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉等がある。何れにおいても白インキの塗布量は0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましい。
インキ層(A)が白インキ層(A1)とバーコードインキ層(A2)の複層構成の場合、白インキの塗布量が0.5g/m2未満では、アルミニウム基材のグレー色や光反射特性の影響を抑え、白インキ層(A1)とバーコードインキ層(A2)とのコントラストを明確にさせることが不十分となる。一方、4.0g/m2を超えると、白インキ層(A1)の乾燥に長時間かかる上、乾燥後の偏肉が生じ、巻き取り時のアルミニウム基材のたるみ、しわの発生等の不具合を生じやすくなる。白インキ層(A1)の印刷は、グラデーション印刷かベタ印刷等で行なわれる。
バーコードインキ層(A2)の色相は、黒、濃紺、藍、濃茶、濃緑、赤、紅、黄などの色があげられるが、バーコード読み取り易さを考慮すると、黒、濃紺、藍、濃茶、濃緑等の低明度色の層が好ましい。バーコードインキ層(A2)の印刷は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等を用いることができる。バーコードインキ層(A2)は、単位面積当たり、乾燥後0.5〜2.0g/m2であることが好ましいが、バーコードが読み取り可能であればこの限りではない。
インキ組成物は、公知の方法で製造される。例えば、原料の計量及び配合の工程、顔料をインキ用樹脂ワニスで練肉分散させる工程、追加のワニス、溶剤、各種添加剤等を混合して最終製品であるインキ組成物に調製する工程を経て製造される
本発明の積層体には、更にオーバーコート層(C)をインキ層(A)の上に積層することができ、構成としては、例えばアルミニウム基材(B)/インキ層(A)/オーバーコート層(C)、アルミニウム基材(B)/インキ層(A1)/バーコードインキ層(A2)/オーバーコート層(C)となる。オーバーコート層(C)は、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(c1)及びメラミン樹脂(c2)を含むことを特徴とする。エポキシ樹脂(c1)は、末端に反応性のエポキシ基を持つ熱硬化型の合成樹脂で、代表的なタイプとしてはビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応により製造される、いわゆるビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、例えば、JER1009(三菱化学製)が挙げられる。メラミン樹脂(c2)は、主にアルキル基型、イミノ基型、メチロール基型、メチロ−ル/イミノ基型等があり、公知のものが使用できる。オーバーコート層(C)の厚みは特に制限されるものではないが、通常0.5〜3.0g/m2程度が好ましい。また、オーバーコート層(C)には、シリカやその他の体質顔料からなるマット剤を1〜6重量%程度添加することができる。
オーバーコート層(C)はシリコーン、ラノリン、パーム油、ワセリンおよびカルナバワックスからなる群より選択される1以上の添加剤を含有させることができる。これらの添加剤を含むことで、適度な滑り性が得られ、PTP包装用積層体の耐摩擦性が向上する。また、耐熱ブロッキング性も向上するため、インキ層(A)の物性向上及び生産効率を高めることができる。
シリコーンとしては例えば、ポリラウリルトリメチロールプロパンシロキサン、ポリイソステアリルトリメチロールプロパンシロキサン等のシリコーンエステルワックス、信越化学工業社製X−22−801B等のアルコール変性シリコーンワックスがある。ラノリンは羊毛に付着している蝋状の羊毛脂である。パーム油は、アブラヤシの果実の果肉から採れる常温で固体の脂肪である。カルナバワックスは椰子科の植物から採れるヒドロキシ酸エステルに富むワックスである。何れも公知のものを使用できる。好ましい添加剤は、シリコーン、ラノリンであり、耐熱ブロッキング性がより向上する。
プライマー層(D)は、アルミニウム基材(B)とインキ層(A)の間に形成され、構成としては、例えば、アルミニウム基材(B)/プライマー層(D)/インキ層(A)/オーバーコート層(C)、 アルミニウム基材(B)/プライマー層(D)/インキ層(A1)/バーコードインキ層(A2)/オーバーコート層(C)となる。プライマー層(D)のバインダー樹脂としてウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびニトロセルロースからなる群より選択される1以上の熱可塑性樹脂を使用することができる。アルミニウム基材(B)、インキ層(A)の両層に対する接着性の点で、好ましくはウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体である。ここでのウレタン樹脂は、前述のポリエステルウレタン樹脂(a1)を含んでよい。プライマー層が存在することでアルミニウム基材(B)とインキ層(A)との密着性が向上し、積層体全体としての耐熱性が向上する。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、これに限定され
るものではない。本発明において、「部」、「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
<合成例1>ポリエステルジオール(1)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器にイソフタル酸132.8部、エチレングリコール24.8部、ネオペンチルグリコール41.6部、1,6−ヘキサンジオール4.72部を仕込み、200〜230℃で6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、アジピン酸29.2部を加え、さらに6時間エステル化反応を行った。所定量の水の留出後、徐々に減圧し1.21×102〜1×103Pa、230〜250℃で5時間エステル化反応を行い、数平均分子量(Mn)5,000、水酸基価23mgKOH/gのポリエステルジオール(1)を得た。
<合成例2>ポリエステルジオール(2)
温度計、攪拌機、リービッヒ冷却器を具備した反応容器にアジピン酸142部、リン化合物(化1)8部、エチレングリコールを30部、1,6−ヘキサンジオールを71部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを104部、およびテトラブチルチタネートを0.2部仕込み、180〜220℃で180分間加熱し、エステル化反応を行った後、反応系を20分で5mmHgまで減圧し、この間240℃まで昇温した。更に系内を徐々に減圧し、10分後に0.3mmHg以下とし、240℃で重縮合反応を30分行い、数平均分子量(Mn)1800、水酸基価62mgKOH/gのポリエステルジオール(2)を得た。
その他のポリエステルジオールとして、アジピン酸と3−メチルー1,5−ペンタンジオールからなる数平均分子量(Mn)2,000、水酸基価 56mgKOH/gのPMPA2000:(クラレ社製)を用いた。 ポリエステルジオール(3)とする。
<合成例3>ポリエステルウレタン樹脂(a1−1)
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、合成例1で得られたポリエステルジオール(1)240.81部、トリメチロールプロパン0.13部、ジメチロールブタン酸14.18部、ジフェニルメタンジイソシアネート33.39部、2−エチルヘキシル酸第1スズ0.010部、および酢酸エチル680部を仕込み、窒素気流下に85℃で3時間反応させ、固形分30%、酸価(AV)17.6mgKOH/g、水酸基価(OHV)4.3mgKOH/g、重量平均分子量55000のポリエステルウレタン樹脂(a1−1)を得た。
<合成例4〜13>ポリエステルウレタン樹脂(a1−2)〜(a1−11)
表1の配合に従って、合成例3と同様な方法でポリエステルウレタン樹脂(a1−2)〜(a1−11)を得た。尚、合成例8〜11のポリエステルウレタン樹脂(a1−8)〜(a1−11)は特許請求の範囲から外れる。 合成に用いた原料を下記に示す。
TMP:トリメチロールプロパン
DMBA:ジメチロールブタン酸
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
Figure 2015199816
オーバーコート層(C)はコート剤の塗工により形成される。コート剤は何れも表2の配合比に従い、原料を一括して攪拌器に仕込み、室温で30分混合、攪拌して得た。コート剤1〜6の製造に用いた原料を下記に示す。
エポキシ樹脂(c1):EPICLON1050−75X、DIC社製
メラミン樹脂(c2):スミマールM−50W、住友化学社製
シリコーン:X−22−801B、信越化学工業社製
ラノリン:ラノリンD、日本精化社製
パーム油:PWLNS(N)、不二製油社製
ワセリン:Ultima、Calumet Penereco社製
カルナバワックス:TOWAX、東亜化成社製
酸触媒:エポトートZX1300、東都化成社製
IPA:イソプロピルアルコール
EA:酢酸エチル
MIBK:メチルイソブチルケトン
MEK:メチルエチルケトン
Figure 2015199816
プライマー層はプライマーの塗工により形成される。プライマーは何れも表3の配合比に従い、原料を一括して攪拌器に仕込み、室温で60分混合、攪拌して得た。プライマー1〜5の製造に用いた原料を下記に示す。
ウレタン樹脂:合成例1で得たポリエステルウレタン樹脂(a1−1)
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:ソルバインTA5R、日信化学社製、水酸基価166.3mgKOH/g、酢酸エチルの25%溶液
アクリル樹脂:ダイヤナールBR85、三菱レーヨン社製、重量平均分子量280,000、Tg105℃、MEK/トルエン=1/1の30%溶液
ポリエステル樹脂:バイロン240、東洋紡績、数平均分子量15,000、水酸基価9mgKOHg、MEK/トルエン=1/1の30%溶液
ニトロセルロース: NC HIG 1/2G 韓国CNC社製、酢酸エチル/イソプロピルアルコール=4/6の30%溶液
Figure 2015199816
実施例、比較例に用いたブロックイソシアネート(a2)は下記の通りである。
ブロックイソシアネート(a2−1):デュラネートMF−K60B、旭化成ケミカルズ(株)、活性メチレン
ブロックイソシアネート(a2−2):デュラネートSBB−70P、旭化成ケミカルズ(株)、アミン
ブロックイソシアネート(a2−3):デュラネート17B−60P、旭化成ケミカルズ(株)、MEKオキシム
ブロックイソシアネート(a2−4):デスモジュールBL3272MPA、住化バイエルウレタン(株)、ε‐カプロラクタム
[実施例1]
ポリエステルウレタン樹脂(a1−1)14部、ブロックイソシアネート(a2−1)1.8部、酸化チタン45部、メチルエチルケトン(MEK)39.2部をアイガーミル(アイガー社製)仕込み、混錬し、PTP包装用のインキ1を得た。
次にアルミニウム基材(厚み:20μm、材質:8079硬質材)の一方の面に、上記インキ1をグラビアコート法で、乾燥後の塗膜が2g/m2になるように塗工、乾燥し、180℃、30秒間焼き付け乾燥し、インキ層(A)を有するシート1を得た。
[実施例2〜23] [比較例1〜5]
表4の配合に従い、実施例1と同様な方法でインキ2〜16を得た。尚、インキ16はカーボンブラックを含む墨インキである。次に表5〜7の積層体の構成に従い、実施例1と同様な方法でアルミ基材上にインキを塗工、乾燥した。
更には表5〜7の積層体の構成に従い、コート1〜6、プライマー1〜5を用いて、オーバ−コート層(C)、プライマー層(D)を有するシートも作成した。
尚、インキ、コートは何れもグラビアコート法で、乾燥後の塗膜が2g/m2になるように塗工、乾燥して、更に焼付け乾燥し形成したものである。焼付け条件は下記の通りである。
焼付け条件(1):180℃で30秒間
焼付け条件(2):240℃で10秒間
また、プライマー層(D)は、乾燥後の塗膜が2g/m2になるように塗工、乾燥して
インキ層(A)を印刷、塗工後にインキ層(A)と合せて焼付け乾燥した。このようにしてシート2〜28が得られた。
実施例1〜23、比較例1〜5で得られたシート1〜28について、接着性、耐熱変色性、耐熱ブロッキング性、耐摩擦性、バーコード読み取り性の評価を行った。評価方法および評価基準を下記に示す。尚、接着性、耐熱変色性、耐熱ブロッキング性、耐摩擦性はクーリングロールや反転ロールなどでのインキ取られの代用試験であり、全ての評価項目を満たすことが必要である。
1.接着性
実施例および比較例で得たシートにて、塗膜を、JIS K 5600に記載された方法で基盤目セロハンテープ剥離試験を行った。結果は、全100マスの基盤目セロハンテープ(分母)に対して剥離しなかった数(分子)で評価した。結果を表6、7に示す。
◎:100/100
〇:95/100〜99/100
△:90/100〜94/100
×:50/100〜89/100
実用レベルは△以上である。
2.耐熱変色性
実施例および比較例で得たシートにて、印刷面の塗膜をお互い面面で合わせて、280℃‐0.5MPa‐1秒間‐15mm幅の条件でヒートシール試験を行った。結果は、変色の度合いを目視で評価した。結果を表6、7に示す。
◎:変色が認められないレベル
〇:僅かに変色が認められるレベル
△:明らかな変色が認められるレベル
実用レベルは○以上である。
3.耐熱ブロッキング性
実施例および比較例で得たシートにて、印刷面の塗膜をお互い面面で合わせて、280℃‐0.5MPa‐1秒間‐15mm幅の条件でヒートシール試験を行った。結果は、ブロッキングの度合いを目視で評価した。
◎:タックが認められないレベル
〇:僅かにタックが認められるレベル
△:若干タックが認められるが、塗膜の剥がれが認められないレベル
×:タックが認められ、かつ、塗膜の剥がれが認められるレベル
実用レベルは△以上である。
4.耐摩擦性
各実施例および比較例で得たシートにて、学振型耐摩擦性試験機で対印刷面、荷重2N、20回で擦り、試験片の汚染の度合いを評価した。
◎:汚染が認められないレベル
〇:若干の汚染が認められるレベル
△:明らかな汚染が認められるレベル
×:著しい汚染が認められるレベル
実用レベルは○以上である。
5.バーコード読み取り性
バーコードの読み取りやすさを評価するためのバーコード検証機(バーコードの読み取り性評価装置)には、ムナゾウ株式会社製TruCheck 401-RLを用いた。スキャン回数は10回とし、ANSI規格等で定められているEDGE(エッジ判定)、RL/Rd(最大反射率/最小反射率)、SC(シンボルコントラスト、単位%)、MinEC(最小エッジコントラスト、単位%)、MOD(モジュレーション、単位%)、Def(欠陥、単位%)、DCD(デコード)、DEC(デコードの容易性、単位%)、MinQZ(最小クワイエットゾーン)の各評価項目を測定し、同規格に準拠した評価クラス(A、B、C、D、Fの5段階:Aが最高品質)で評価した。各実施例および比較例で得たシートにて上記評価を行い、総合評価であるOverall ANSI Gradeにて下記の通り評価を行った。
◎:Aレベル
〇:Bレベル
〇△:Cレベル
△:Dレベル
×:Fレベル
実用レベルは、Aレベル以上である。
実施例の結果から、本発明は、印刷の高温乾燥後にクーリングロールや反転ロールなどでのインキ取られがなく、効率的な生産を可能にし、かつ、十分な耐熱性、接着性を有しているPTP包装用インキ組成物及びその積層体を得られることが分かった。一方、比較例は、十分な耐熱性と接着性の併せ持つレベルには未達であった。
本発明は、印刷の高温乾燥後にクーリングロールや反転ロールなどでのインキ取られがなく、効率的な生産を可能にし、かつ、十分な耐熱性と接着性を有しているPTP包装用インキ組成物及びその積層体を提供することができる。よって本発明は、食品、化粧品、薬品等の包装に用いられるPTP包装分野などの幅広い分野において有効である。
Figure 2015199816
Figure 2015199816
Figure 2015199816
Figure 2015199816

Claims (6)

  1. 酸価1〜40mgKOH/g、且つ水酸基価2〜30mgKOH/gであるポリエステルウレタン樹脂(a1)と、ブロックイソシアネート(a2)とを含むことを特徴とするPTP(プレススルーパック)包装用インキ組成物。
  2. アルミニウム基材(B)と、
    請求項1記載のPTP包装用インキ組成物からなるインキ層(A)とを積層してなることを特徴とするPTP包装用積層体。
  3. アルミニウム基材(B)と、
    請求項1記載のPTP包装用インキ組成物からなるインキ層(A)と、
    エポキシ樹脂(c1)及びメラミン樹脂(c2)から形成されるオーバーコート層(C)とを順に積層してなることを特徴とするPTP包装用積層体。
  4. オーバーコート層(C)が、シリコーン、ラノリン、パーム油、ワセリンおよびカルナバワックスからなる群より選択される1以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項3記載のPTP包装用積層体。
  5. アルミニウム基材(B)とインキ層(A)の間に、
    プライマー層(D)を積層してなることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載のPTP包装用積層体。
  6. インキ層(A)が、白インキ層(A1)と、バーコードインキ層(A2)とからなり、
    アルミニウム基材層(B)と、
    白インキ層(A1)と、
    バーコードインキ層(A2)とを順に積層してなること特徴とする請求項2〜5いずれか記載のPTP包装用積層体。

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