JP2015199783A - ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦傷性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むポリカーボネート樹脂(A)、及び摺動性改質剤(B)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、下記式(2)及び(3)を満足することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 2015199783

μk ≦ 0.20 (2)
μs ≦ 0.25 (3)
(上記式(2)及び(3)において、μkは、鋼板に対する特定の摩擦係数測定試験で測定された動摩擦係数、μsは同静摩擦係数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来原料であるイソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂組成物であって、成形品にした際、雑巾やティシュ等で拭いた場合に発生する擦れ傷が少ない耐擦傷性に優れるポリカーボネート樹脂組成物、及びそれよりなる成形品に関するものである。
近年、環境への配慮より植物由来の原料であるイソソルビドに代表されるエーテル基含有ジオールを用いたポリカーボネート樹脂が開発されている(例えば、特許文献1〜4)。
イソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐候性や耐衝撃性に優れることが知られており、自動車内外装部品等への適用も知られている(特許文献3)。
しかし、イソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂を用いた自動車内外装部品は、耐傷付き性が充分でないという課題があった
特許文献1,3には、ポリカーボネート樹脂組成物に配合してもよい添加剤(フィラー)として、炭素繊維が記載されている。また、特許文献4には、補強のための無機充填剤としてグラファイト(黒鉛)が記載され、炭素繊維やミルドファイバーの添加で導電性、強度、剛性を付与する旨の記載もあり、更に、滴下防止剤としてのポリテトラフルオロエチレンの記載もある。しかし、いずれの特許文献にも、実際にこれらを配合した具体例はなく、また、ミルド炭素繊維や黒鉛、ポリテトラフルオロエチレンの配合で耐擦傷性を改良することができる旨の記載はない。
国際公開WO2004/111106号パンフレット 国際公開WO2007/063823号パンフレット 特開2013−209585号公報 特開2014−51558号公報
本発明の目的は、上記の従来の課題を解決し、耐擦傷性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂(A)に対して、摺動性改質剤(B)を添加してなり、そのポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形板の鋼板に対する動摩擦係数μkと静摩擦係数μsが特定の値以下であるポリカーボネート樹脂組成物が耐擦傷性に優れることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、下記[1]〜[8]に存する。
[1] 下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むポリカーボネート樹脂(A)、及び摺動性改質剤(B)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、下記式(2)及び(3)を満足することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 2015199783
μk ≦ 0.20 (2)
μs ≦ 0.25 (3)
(上記式(2)におけるμkは、下記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数を示し、上記式(3)におけるμsは、同静摩擦係数を示す。
<摩擦係数測定試験>
該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形板に、予め表面を研磨した鋼板(材質:SK−5)を重ね合わせ、該成形板上で、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分にて該鋼板を移動させ、移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を動摩擦係数μkとする。)
[2] 前記ポリカーボネート樹脂(A)が、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(a)と、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、及び前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(b)とを含む共重合ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3] 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記摺動性改質剤(B)を0.01質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4] 前記摺動改質剤(B)が、黒鉛粉末、ピッチ系ミルド炭素繊維、及びポリテトラフルオロエチレン粉末からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5] 前記摺動性改質剤(B)が黒鉛粉末であることを特徴とする[4]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6] 前記摺動性改質剤(B)がピッチ系ミルド炭素繊維であることを特徴とする[4]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7] 前記[1]乃至[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
[8] 自動車内装部品又は外装部品であることを特徴とする[7]に記載の成形品。
本発明によれば、耐擦傷性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品を得ることができ、従来表面に塗装されていたような部品であっても、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いることにより、塗装を施すことなく、塗装品と同等の耐擦傷性を付与した部品を、簡便に供給することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂である。
Figure 2015199783
上記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも植物由来の資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、成形性、耐熱性、耐衝撃性、表面硬度、カーボンニュートラルの面から最も好ましい。
上記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物は、環状エーテル構造を有するため、酸素によって徐々に酸化されやすいので、保管や、製造時には、酸素による分解を防ぐため、水分が混入しないようにし、また、脱酸素剤等を用いたり、窒素雰囲気下で取り扱うことが肝要である。例えば、イソソルビドが酸化されると、蟻酸等の分解物が発生する場合がある。これら分解物を含むイソソルビドをポリカーボネート樹脂の製造原料として使用すると、得られるポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の着色を招く可能性があり、又、物性を著しく劣化させる可能性があるだけではなく、重合反応に影響を与え、高分子量の重合体が得られない場合もある。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)以外に、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、及び式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる一種以上のジヒドロキシ化合物(以下、「他のジヒドロキシ化合物」と称す場合がある。)に由来する構造単位(b)を含む共重合ポリカーボネート樹脂であることが、ポリカーボネート樹脂(A)の耐衝撃性の面で好ましい。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物であっても、分岐鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物であってもよく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられる。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノールが挙げられる。
エーテル基含有ジヒドロキシ化合物としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量150〜2000)、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の耐熱性を考えると、他のジヒドロキシ化合物としては、脂環式ジヒドロキシ化合物が好ましく、脂環式ジヒドロキシ化合物の中でも、耐熱性と耐衝撃性の面より、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)における他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)の含有割合は、ポリカーボネート樹脂(A)中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位において、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が特に好ましい。また50モル%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましい。ポリカーボネート樹脂(A)中の他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(b)が少なすぎると耐衝撃性が不足する可能性があり、多すぎると耐熱性が不足する場合がある。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)は、一般に用いられるポリカーボネート樹脂の製造方法で製造することができ、その製造方法は、ホスゲンを用いた溶液重合法、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とを反応させる溶融重合法のいずれの方法でもよいが、重合触媒の存在下に、ジヒドロキシ化合物を、より環境への毒性の低い炭酸ジエステルと反応させる溶融重合法が好ましい。また、溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、公知のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能である。
重合反応の形式は、公知の形式を用いることができ、バッチ式、連続式、あるいはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれの方法でもよい。
また、本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)を製造する際には、異物の混入を防止するため、フィルターを設置することが望ましい。フィルターの設置位置は押出機の下流側が好ましく、フィルターの異物除去の大きさ(目開き)は、99%除去の濾過精度として通常100μm以下が好ましい。特に、フィルム用途等で微少な異物の混入を嫌う場合は、40μm以下が好ましく、さらには10μm以下が好ましい。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A)の押出は、押出後の異物混入を防止するために、好ましくはJIS B 9920(2002年)に定義されるクラス7、更に好ましくはクラス6より清浄度の高いクリーンルーム中で実施することが望ましい。
また、押出されたポリカーボネート樹脂(A)を冷却しチップ化する際は、空冷、水冷等の冷却方法を使用するのが好ましい。空冷の際に使用する空気は、ヘパフィルター等で空気中の異物を事前に取り除いた空気を使用し、空気中の異物の再付着を防ぐのが望ましい。水冷を使用する際は、イオン交換樹脂等で水中の金属分を取り除き、さらにフィルターにて、水中の異物を取り除いた水を使用することが望ましい。用いるフィルターの目開きは、99%除去の濾過精度として10μm〜0.45μmであることが好ましい。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度は、通常0.30dL/g以上が好ましく、0.35dL/g以上がより好ましい。還元粘度の上限は、通常1.20dL/g以下が好ましく、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)の還元粘度が低すぎると樹脂組成物としたときの靱性が小さい可能性があり、還元粘度が大きすぎると、電気・電子機器部品や自動車内外装部品を成形する際の流動性が低下し、生産性や成形性を低下させる傾向がある。また、成形温度を適正以上に高くしなければならず、色調が悪化する場合がある。
尚、ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用い、ポリカーボネート樹脂濃度を0.6g/dLに精密に調製し、温度20.0℃±0.1℃でウベローデ粘度管を用いて測定する。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度は、90℃以上145℃以下が好ましく、100℃以上135℃以下がより好ましく、特に110℃以上125℃以下が好ましい。ガラス転移温度が90℃未満では耐熱性が不足し、145℃以上では成形時に流動性が不足し、樹脂組成物が製品の末端まで充填されなかったり、ウエルド部での強度が低下したりすることがある。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、ポリカーボネート樹脂(A)として、1種を単独で用いてもよく、他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の種類や共重合割合、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
<摺動性改質剤(B)>
本発明で用いる摺動性改質剤(B)は、ポリカーボネート樹脂(A)に添加することにより、そのポリカーボネート樹脂組成物が後述の式(2)及び(3)を満足するようになるものであればよく、特に制限はないが、中でも、黒鉛粉末、ピッチ系ミルド炭素繊維及びポリテトラフルオロエチレン粉末(以下、「PTFE粉末」と略記する。)からなる群から選ばれた1種以上の摺動性改質剤であることが好ましい。特に黒鉛粉末及び/又はピッチ系ミルド炭素繊維が好ましい。
<<(B)−1:黒鉛粉末>>
本発明で用いる黒鉛粉末は、鱗片状黒鉛若しくは薄片化黒鉛が好ましい。
鱗片状黒鉛は、天然黒鉛を精錬し純度を上げ鱗片状に加工したものである。
鱗片状黒鉛粉末は、平均粒子径が5〜30μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。鱗片状黒鉛の市販品としては、日本黒鉛工業社製CPシリーズ、特CP等が挙げられる。
薄片化黒鉛粉末は、一般的な製造工程に加えて黒鉛と不純物を取り除く物理精錬及び薬品処理等により超薄片化及び高純度化したものであり、例えば、黒鉛の層間に硝酸イオンなどのイオンを挿入した後に加熱処理する化学的処理方法、黒鉛に超音波を印加するなどの物理的処理方法、黒鉛を作用極として電気分解を行う電気化学的方法などの方法により得られる。
薄片化黒鉛粉末は、平均粒子径が5〜600μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましい。薄片化黒鉛の市販品としては、日本黒鉛工業社製GR−15、UP−15NやUP−35等が挙げれる。
上記の黒鉛粉末は、表面改質処理されていてもよい。表面改質処理としては、例えば、黒鉛粉末の表面に樹脂をグラフト化したり、黒鉛粉末の表面に親水性官能基または疎水性官能基を導入する処理などが挙げられる。黒鉛粉末を表面改質処理することにより、黒鉛粉末とポリカーボネート樹脂(A)との親和性を高めることができる。黒鉛粉末とポリカーボネート樹脂(A)との親和性が高められると、得られるポリカーボネート樹脂成形品の機械的強度が高められる。
なお、上記の黒鉛粉末の平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置のD50の値であるが、市販品についてはカタログ値を採用することができる。
黒鉛粉末の平均粒子径が大き過ぎると得られるポリカーボネート樹脂成形品の外観が悪くなる傾向があり、一方、平均粒子径が小さ過ぎると耐擦傷性の改善効果を十分に得ることができない場合がある。
<<(B)−2:ピッチ系ミルド炭素繊維>>
本発明で用いるピッチ系ミルド炭素繊維は、原料ピッチを偏光顕微鏡で観察した場合に、光学的に無秩序で偏向を示さない等方性ピッチであり、例えば密度1.6g/cmで、直径12〜18μmの短繊維を細かく粉砕した粉状体であることが好ましい。また、ピッチ系ミルド炭素繊維の平均繊維長と平均繊維径との比(アスペクト比)は3〜150であることが好ましい。
このようなピッチ系ミルド炭素繊維の市販品としては、大阪ガスケミカル社よりドナカーボ・ミルドS−2404やS−249等として入手することができる。
<<(B)−3:PTFE粉末>>
本発明で用いるPTFE粉末を構成するPTFEは、示差走査熱量計(DSC法)によって測定した分子量が100万未満であることが好ましい。DSC法によって測定された分子量が100万未満であることで、耐擦傷性の向上効果を十分に発揮することができる。
ここで示すPTFEの分子量は、示差走査熱量計による測定値から求めるDSC法により得られた値であり、示差走査熱量計によりPTFEの結晶化熱の測定を行い、下式に基づいて算出した数平均分子量(Mn)である。
Mn=2.1×1010×ΔHc−5.16
(ΔHc:DSC結晶化熱(cal/g))
上記PTFEには、PTFEの特性を損なわない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートなどの存在下で重合を行なうことで得られた共重合成分が含まれていてもよい。該共重合成分の含有量は、PTFEに対して10質量%以下であることが好ましい。
PTFE粉末の平均粒子径は、0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜8μmである。PTFEの平均粒子径が10μmより大きいと、得られるポリカーボネート樹脂成形品の外観が悪くなる傾向がある。一方、PTFE粉末の平均粒子径が0.05μm未満では、樹脂組成物への分散が充分でない場合があり、耐擦傷性を十分に発現できない場合がある。
このようなPTFE粉末の市販品としては、例えばダイキン工業社製のルブロンL−5、L−5F等を利用することができる。
ここで、PTFE粉末の平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定装置のD50の値であるが、市販品についてはカタログ値を採用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、摺動性改質剤(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上4質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以上3質量部以下である。摺動性改質剤(B)の配合量が0.01質量部より少ないと、ポリカーボネート樹脂組成物の動摩擦係数μk及び静摩擦係数μsを下げることができず、後述の式(2)及び(3)を共に満足することができない場合があり、5質量部より多いと得られるポリカーボネート樹脂成形品の外観が劣る傾向にある。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、摺動性改質剤(B)として上記のものの1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<添加剤>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、耐擦傷性や原着鮮映性を維持できる範囲において、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、中和剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、充填剤等を添加することも出来る。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては樹脂に使用される一般的な酸化防止剤が使用できるが、酸化安定性、熱安定性、漆黒性等の観点から、ホスファイト系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、およびフェノール系酸化防止剤が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に、酸化防止剤を添加する場合、その添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、通常0.001質量部以上が好ましく、より好ましくは0.002質量部以上、更に好ましくは0.005質量部以上であり、通常5質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。
酸化防止剤の添加量が5質量部より多いと、成形時、金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。一方、0.001質量部未満であると、耐候試験に対する十分な改良効果が得られない傾向がある。
<ホスファイト系酸化防止剤>
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
これらの中でも、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく使用される。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<イオウ系酸化防止剤>
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、ビス[2−メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタデシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)等が挙げられる。
これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が好ましい。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<フェノール系酸化防止剤>
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等の化合物が挙げられる。
これらの化合物の中でも、炭素数5以上のアルキル基によって1つ以上置換された芳香族モノヒドロキシ化合物が好ましく、具体的には、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が好ましく、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が更に好ましい。
これらの化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、その分子量は、1000以下が好ましく、900以下がより好ましい。分子量が1000を超えると、成形品としたときに耐候性が十分得られない可能性がある。また分子量は300以上が好ましく、400以上がより好ましい。分子量が300未満では、耐熱性に乏しく、成形時に金型を汚染し、優れた表面外観の成形品が得られないことがある。
さらに、ピペリジン構造を有する化合物が好ましい。ここで規定するピペリジン構造とは、飽和6員環のアミン構造となっていればよく、ピペリジン構造の一部が置換基により置換されているものも含む。置換基としては、炭素数4以下のアルキル基が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、特に、ピペリジン構造を複数有する化合物が好ましく、それら複数のピペリジン構造がエステル構造により連結されている化合物が好ましい。
そのような光安定剤としては、4−ピペリジノール,2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボン酸)1,2,3,4−ブタンテトライル、2,2,6,6−テトラメチル−ピレリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−ピレリジノールとメタノールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の縮合物、ビス(1,2,3,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4,4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミンポリマーと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−ジエタノールとの縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に光安定剤を添加する場合、その添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.005質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上1質量部以下である。
光安定剤の添加量が5質量部より多いと、着色する傾向にあり、着色剤を添加したとしても、例えば深みと清澄感のある漆黒を得難い。一方、0.001質量部未満であると、自動車内外装品としたときに耐候性が十分得られない可能性がある。
<着色剤>
着色剤としては、無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;等が挙げられる。
有機顔料及び有機染料等の有機染顔料としては、例えば、フタロシアニン系染顔料;アゾ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料;アンスラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、メチン系、キノリン系、複素環系、メチル系の染顔料;等が挙げられる。
これら着色剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料の中でも、無機顔料が好ましい。無機顔料を着色剤として使用することにより、成形品を屋外等で使用した場合でも鮮映性等を長期間保持することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に着色剤を添加する場合、その添加量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.05質量部以上5質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上2質量部以下である。
着色剤の添加量が0.05質量部未満では鮮映性のある原着成形品を得難い。一方、5質量部より多いと、成形品の表面粗さが大きくなり、鮮映性のある原着成形品を得難い。
(充填剤)
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、意匠性を維持できる範囲において、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、硫酸バリウム、タルク、マイカ、ワラストナイト等の珪酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維、これらのウィスカー等の無機充填剤や、木粉、竹粉、ヤシ澱粉、コルク粉、パルプ粉などの粉末状有機充填剤;架橋ポリエステル、ポリスチレン、スチレン・アクリル共重合体、尿素樹脂などのバルン状・球状有機充填剤;炭素繊維、合成繊維、天然繊維などの繊維状有機充填剤を添加することもできる。
<ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記成分を所定の割合で同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。
<ポリカーボネート樹脂組成物の摩擦係数>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、下記式(2)及び(3)を満足することを特徴とする。
μk ≦ 0.20 (2)
μs ≦ 0.25 (3)
(上記式(2)におけるμkは、下記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数を示し、上記式(3)におけるμsは、同静摩擦係数を示す。
<摩擦係数測定試験>
該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形板に、予め表面を研磨した鋼板(材質:SK−5)を重ね合わせ、該成形板上で、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分にて該鋼板を移動させ、移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を動摩擦係数μkとする。)
即ち、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、これを成形してなる成形板の鋼板に対する上記の動摩擦係数μkが0.20以下であり、この動摩擦係数μkは好ましくは0.19以下である。該動摩擦係数μkが0.20より大きいと耐擦傷性が悪くなる。本発明のポリカーボネート樹脂組成物の該動摩擦係数μkは耐擦傷性の面からは小さいほど好ましいが、その下限は通常0.10以上である。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、これを成形してなる成形板の鋼板に対する上記の静摩擦係数μsが0.25以下であり、この静摩擦係数μsは0.24以下であることが好ましい。該静摩擦係数μsが0.25より大きいと耐擦傷性が悪くなる。本発明のポリカーボネート樹脂組成物の静摩擦係数μsは耐擦傷性の面からは小さいほど好ましいが、その下限は通常0.10以上である。
尚、本発明において、ポリカーボネート樹脂組成物の動摩擦係数μk及び静摩擦係数μsは具体的には後述の実施例の評価方法に記載の方法で測定される。
上記式(2)及び(3)を満足するポリカーボネート樹脂組成物とするためには、例えば前述のポリカーボネート樹脂(A)と適切な摺動性改質剤(B)を用い、用いた摺動性改質剤(B)の種類に応じてその配合量を調整する方法が挙げられる。
<成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いて成形品を成形する際、任意の成形法を用いることができるが、射出成形、射出圧縮、射出プレス成形が好適に用いられる。その際に用いるランナーも、通常のコールドランナー方式だけでなく、ホットランナー方式を用いることも可能である。また、インサート成形、インモールドコーティング成形、二色成形、サンドイッチ成形等も可能である。さらに意匠性を得るために、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形を用いることも可能である。
<用途>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる本発明の成形品は、耐擦傷性に優れ、雑巾やティシュ等で拭いた場合に発生する擦れ傷が少ないいため、塗装を施すことなく、従って、塗装のための工程、コストを削減して、製品として様々な部品に適用することができる。
このような本発明の成形品の適用用途としては特に制限はないが、自動車内装部品又は外装部品に好適である。
本発明の成形品が適用される自動車用内外装部品としては、例えばフェンダー、バンパー、フェーシャ、ドアパネル、サイドガーニッシュ、ピラー、ラジエータグリル、サイドプロテクター、サイドモール、リアプロテクター、リアモール、各種スポイラー、ボンネット、ルーフパネル、トランクリッド、デタッチャブルトップ、ウインドリフレクター、ミラーハウジング、アウタードアハンドル等の自動車用外装部品、インストルメントパネル、センターコンソールパネル、メーター部品、各種スイッチ類、カーナビケーション部品、カーオーディオビジュアル部品、オートモバイルコンピュータ部品等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
[評価方法]
以下において、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
(1)還元粘度の測定
ポリカーボネート樹脂のサンプルを、溶媒として塩化メチレンを用いて溶解し、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間tと溶液の通過時間tから次式(i)より相対粘度ηrelを求め、相対粘度ηrelから次式(ii)より比粘度ηspを求めた。
ηrel=t/t (i)
ηsp=(η−η)/η=ηrel−1 (ii)
比粘度ηspを濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
(2)摩擦係数
ポリカーボネート樹脂組成物から射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)によりシート(100mm×100mm×2mmt)状の試験片1を作成した。この試験片1に、予め#1000のサンドペーパーで表面を研磨した鋼板(材質:SK−5、サイズ:40mm×40mm×1mmt)よりなる試験片2を研磨面が試験片1側となるように重ね合わせ、表面性測定機(新東科学製、形式:HEIDON−14DR)を用いて、試験片1上で試験片2を、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分で移動させたときの荷重より求めた。静摩擦係数μsは試験片2の移動開始時の最大荷重を採用し、動摩擦係数μkは移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を採用した。
(3)耐擦傷性
平面摩耗試験機(大栄科学精器製作所社製、形式:PA−300A)において、ティシュ(日本製紙クレシア社製 メーカー型番:528896)を3回折り畳んで、摩耗子(底面の投影面積20mm×20mmで、底面がR45mmの湾曲面とされている。)に取り付け、上記(2)におけると同様にして成形したシート(100mm×100mm×2mmt)の表面に荷重9.8N、ストローク100mm、30往復/分の速度で100往復させた後、表面を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:全く傷が見当たらない
△:摩耗子幅に1本以上10本以下の傷が見られる
×:摩耗子幅全面が傷の発生で白く見える
[摺動性改質剤(B)]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合する摺動性改質剤(B)としては、以下のものを用いた。
(B)−1:薄片化黒鉛粉末(日本黒鉛工業社製「UP−15N」、平均粒子径15μm)
(B)−2:ピッチ系ミルド炭素繊維(大阪ガスケミカル社製「ドナカーボ・ミルドS−2404」、アスペクト比3.1)
(B)−3:PTFE粉末(ダイキン工業社製「ルブロンL−5」、平均粒子径:5μm)
(B)−4:モンタン酸エステル(クラリアント・ジャパン社製「リコワックスE」)
(B)−5:超高分子量ポリエチレン粉末(三井化学社製「ハイゼックスミリオン240M」)
(B)−6:シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ合同会社製「トスパール 120」、平均粒子径:2μm)
[その他の添加剤]
ポリカーボネート樹脂組成物のその他の添加剤としては以下のものを用いた。
着色剤:三菱カーボンブラック#960(三菱化学社製)
[製造例1:ポリカーボネート樹脂(A)−1の製造]
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した重合反応装置に、イソソルビド(ISB)と1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、蒸留精製して塩化物イオン濃度を10ppb以下にしたジフェニルカーボネート(DPC)および酢酸カルシウム1水和物を、モル比率でISB/CHDM/DPC/酢酸カルシウム1水和物=0.7/0.3/1.00/1.3×10−6になるように仕込み、十分に窒素置換した(酸素濃度0.0005体積%〜0.001体積%)。続いて熱媒で内容物の加温を行った。内温が100℃になった時点で撹拌を開始し、内温が100℃になるように制御しながら内容物を融解させ均一にした。その後、昇温を開始し、40分で内温を210℃にした。内温が210℃に到達した時点でこの温度を保持するように制御すると同時に、減圧を開始し、210℃に到達してから90分で13.3kPa(絶対圧力、以下同様)にして、この圧力を保持するようにしながら、さらに60分間保持した。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を、還流冷却器に導いた。還流冷却器で凝縮した成分を重合反応装置に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は続いて45℃の温水を冷媒として用いた凝縮器に導いて回収した。
上記重合反応装置でオリゴマー化させた内容物を、一旦大気圧にまで復圧させた後、撹拌翼および上記同様に制御された還流冷却器を具備した別の重合反応装置に移し、昇温および減圧を開始して、60分で内温220℃、圧力200Paにした。その後、20分かけて内温228℃、圧力133Pa以下にして、所定撹拌動力になった時点で復圧し、重合反応装置出口より溶融状態のポリカーボネート共重合体を得た。
更に3つのベント口および注水設備を供えた二軸押出機に連続的に前記溶融状態のポリカーボネート共重合体を供給し、該ポリカーボネート共重合体100質量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス1010(BASF・ジャパン株式会社製、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を0.1質量部、アデカスタブ2112(株式会社ADEKA製、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)を0.05質量部および離型剤としてユニスターE−275(日油株式会社製)0.3質量部を連続的に添加するとともに、二軸押出機に具備された各ベント部にてフェノールなどの低分子量物を減圧脱揮した後、ペレタイザーによりペレット化を行い、ポリカーボネート樹脂(A)−1を得た。ポリカーボネート樹脂(A)−1の還元粘度ηsp/cは0.44dL/gであった。
[実施例1]
製造例1で得られたポリカーボネート樹脂(A)−1を97.6質量部、摺動性改質剤(B)として(B)−1を2.4質量部、着色剤としてカーボンブラック0.1質量部を用い、これらを予めブレンドしておき、二軸混練機(日本製鋼所社製、TEX30SST42BW:スクリュー径30mm、L/D=42)を用いて、途中一カ所から真空ポンプで絶対真空圧10〜20kPaに減圧調整しながら、シリンダー温度240℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/hrでストランド状に押し出し、ストランドカッターを用いてペレット状の樹脂組成物サンプルを得た。
得られたペレット状サンプルを、熱風乾燥機で100℃にて5時間乾燥した後、前述の評価法(2)〜(3)に従って、評価を行い、その結果を表1に表した。
[実施例2〜3]
表1に示す配合としたこと以外は実施例1と同様に押し出し、ペレット状サンプルを得、同様に評価を行って、結果を表1に表した。
[比較例1〜4]
表1に示す配合としたこと以外は実施例1と同様に押し出し、ペレット状サンプルを得、同様に評価を行って、結果を表1に表した。
Figure 2015199783
表1より、ポリカーボネート樹脂(A)と摺動性改質剤(B)を含み、前記式(2)及び(3)を満足する本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、耐擦傷性に優れることが分かる。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(a)を含むポリカーボネート樹脂(A)、及び摺動性改質剤(B)を含むポリカーボネート樹脂組成物であって、下記式(2)及び(3)を満足することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2015199783
    μk ≦ 0.20 (2)
    μs ≦ 0.25 (3)
    (上記式(2)におけるμkは、下記摩擦係数測定試験により測定される動摩擦係数を示し、上記式(3)におけるμsは、同静摩擦係数を示す。
    <摩擦係数測定試験>
    該ポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形板に、予め表面を研磨した鋼板(材質:SK−5)を重ね合わせ、該成形板上で、面圧3.1kPa、移動速度100mm/分にて該鋼板を移動させ、移動開始時の最大荷重を静摩擦係数μsとし、移動開始後4秒から6秒の荷重の平均値を動摩擦係数μkとする。)
  2. 前記ポリカーボネート樹脂(A)が、前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(a)と、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、及び前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1種以上のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(b)とを含む共重合ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記摺動性改質剤(B)を0.01質量部以上5質量部以下含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 前記摺動改質剤(B)が、黒鉛粉末、ピッチ系ミルド炭素繊維、及びポリテトラフルオロエチレン粉末からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 前記摺動性改質剤(B)が黒鉛粉末であることを特徴とする請求項4に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 前記摺動性改質剤(B)がピッチ系ミルド炭素繊維であることを特徴とする請求項4に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 前記請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
  8. 自動車内装部品又は外装部品であることを特徴とする請求項7に記載の成形品。
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