JP2011111560A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄肉の難燃性、熱伝導性、離型性、衝撃特性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供する。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)黒鉛28〜90質量部、及び(C)ポリテトラフルオロエチレン9〜20質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形体に関し、特に薄肉の難燃性、熱伝導性、衝撃特性、及び流動性や離型性等の成形性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形体に関する。
電気電子分野の製品開発においては、デジタルカメラ・デジタルビデオカメラでの高画素化・高速処理化、プロジェクターの小型化、パソコン・モバイル機器での高速処理化、各種光源のLED化等に伴い、放熱対策に重点がおかれるようになっている。
金属部品での放熱回路を構成する対策も取られているが、小型化される機器では、放熱回路が複雑になってしまうため、樹脂筐体と放熱回路を一体化可能な、熱伝導性に優れ、かつ、筐体としての機械的強度にも優れる樹脂材料が要求されている。
また、小型電子機器においては、筐体、シャーシにおいても薄肉化が要求され、それに伴って薄肉の成形体での難燃性も要求されている。
上記電子機器の筐体等にポリカーボネート樹脂が汎用されているが、ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上する方法として、ハロゲン化ビスフェノールA、ハロゲン化ポリカーボネートオリゴマー等のハロゲン系難燃剤が難燃剤効率の点から酸化アンチモン等の難燃助剤とともに用いられてきた。しかしながら、近時、安全性や、廃棄・焼却時の環境への影響の観点から、ハロゲンを含まない難燃剤による難燃化方法が市場より求められている。このようなノンハロゲン系難燃剤として、有機リン系難燃剤、特に有機リン酸エステル化合物はポリカーボネート樹脂組成物に配合すると優れた難燃性を示すとともに、可塑剤としての作用もあるが、比較的多量に配合する必要がある。また、ポリカーボネート樹脂は成形温度が高く、溶融粘度も高いために、成形温度が高くなる傾向にある。リン酸エステル化合物は一般的に難燃性には寄与するものの、成形加工時の金型腐食、ガスの発生等、成形環境や成形品外観上必ずしも十分でない場合がある。また、成形品が高温環境下に置かれた場合の、衝撃強度の低下、変色の発生等の問題点が指摘されている。
さらに、近時の省資源化におけるリサイクル適性への要求に対して、熱安定性が不十分である理由からリサイクルが困難である等の問題点を残している。
そこで、難燃剤としてのハロゲン化合物やリン酸エステル化合物を用いないで、要求される薄肉の成形体での難燃性を達成するとともに熱伝導性に優れたポリカーボネート樹脂組成物を見出すことが求められている。
ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に上記の放熱性を付与する手段として黒鉛を配合することが知られている(特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1には、熱可塑性樹脂に特定の黒鉛を配合することにより、金属腐食性が少なく、かつ熱伝導性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることが開示されているが、難燃性を改良するために、ハロゲン化カーボネートオリゴマー、ハロゲン化エポキシ化合物等の有機ハロゲン系難燃剤やリン酸エステル系難燃剤を用いることが好ましいことが記載されており、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤およびリン系難燃剤を使用しない技術を開示するものではない。
また、特許文献2には、発熱体が収容される放熱筐体に関するが、電子機器等の筐体に要求される難燃性に関する記述はなく、必要に応じて配合される添加剤として有機臭素系難燃剤やリン系難燃剤等の難燃剤を開示しているが、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤およびリン系難燃剤を積極的に使用しない技術を開示するものではなく、またその実施例では難燃剤、ドリップ防止剤の添加がないことから、十分な難燃性を有していないと考えられる。
さらに、特許文献3には塩素系難燃剤、臭素系難燃剤およびリン系難燃剤を積極的に使用しない技術として、ポリカーボネート樹脂、黒鉛、及び有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩からなる難燃性樹脂組成物が開示され、難燃性評価においては厚み2.5mmの成形体での評価のみがなされており、電子機器等の筐体に要求される1.5mm程度の肉厚で十分な難燃性が得られるものではない。なお、特許文献3には、含フッ素滴下防止剤を含有させることが記載されているが、溶融滴下防止効果と流動特性を両立させるために配合量は0.01〜5質量部が好適と記載されている。
特開2007−31611号公報 特開2008−31358号公報 特開2006−273931号公報
本発明は、塩素系難燃剤、臭素系難燃剤及びリン系難燃剤を用いることなく薄肉成形体での難燃性(厚さ1.2〜1.0mm、V−0〜V−1;以下「薄肉難燃性」という。)に優れ、高熱伝導性を有すると共に、衝撃特性、及び流動性や離型性等の成形性に優れたポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂に黒鉛と、滴下防止剤として通常使用される量よりも多いポリテトラフルオロエチレンを配合することにより、薄肉難燃性に優れ、さらには、熱伝導性、衝撃特性、及び流動性や離型性等の成形性にも優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)黒鉛28〜90質量部、及び(C)ポリテトラフルオロエチレン9〜20質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物、
(2)更に(D)有機アルカリ(土類)金属塩0.1〜0.5質量部を配合してなる上記(1)に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
(3)黒鉛が天然黒鉛である上記(1)又は(2)に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
(4)黒鉛が人造黒鉛である上記(1)又は(2)に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
(5)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩が、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩、ポリスチレンスルホン酸アルカリ金属塩及びポリスチレンスルホン酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一種である上記(2)に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
(6)スルホン酸アルカリ金属塩が、パラトルエンスルホン酸ナトリウム塩である上記(5)に記載のポリカーボネート樹脂組成物、
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体、
(8)電気・電子機器用部品である上記(7)に記載の成形体、
(9)電気・電子機器用筐体である上記(7)に記載の成形体、
(10)電気・電子機器用シャーシである上記(7)に記載の成形体、
を提供するものである。
本発明によれば、ポリカーボネート樹脂が持つ本来の機械的物性を損なうことなく、薄肉難燃性、熱伝導性、及び流動性や離型性等の成形性に優れる樹脂組成物及び成形体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂(以下、「PC樹脂」と略記することがある。)組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)黒鉛、及び(C)ポリテトラフルオロエチレンを必須成分とするポリカーボネート樹脂組成物である。
本発明における(A)成分として用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂としては、特に制限はなく種々のものが挙げられ、通常、2価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。例えば、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法、具体的には、2価フェノールとホスゲンの反応、2価フェノールとジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応により製造されたものを使用することができる。
2価フェノールとしては、様々なものが挙げられるが、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
これらの中でも、特に好ましい2価フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料としたものである。
この他、2価フェノールとしては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なお、前記2価フェノールと共に適当な分岐剤を用いてもよく、この分岐剤としては、三価以上の多価フェノール、具体的には1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4− 〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、フロログルシン、イサチンビス(o −クレゾール)等を挙げることができる。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル、又はハロホルメート等であり、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。
当該(A)成分のPC樹脂における分子末端基として使用される分子量調節剤としては、通常、ポリカーボネートの重合に用いられるものであればよく、各種の一価フェノールを用いることができる。具体的には、例えば、フェノール,p−クレゾール,p−tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチルフェノール,p−クミルフェノール,ブロモフェノール,トリブロモフェノール,ノニルフェノール等が挙げられる。
本発明のPC樹脂組成物においては、前記の芳香族PC樹脂以外に、本発明の目的が損なわれない範囲で、ポリオルガノシロキサン部を有するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体、テレフタル酸等の2官能性カルボン酸、又はそのエステル形成誘導体等のエステル前駆体の存在下でポリカーボネートの重合を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂等の共重合樹脂、あるいはその他のポリカーボネート樹脂を適宣含有することができる。
本発明で用いる上記の(A)芳香族PC樹脂は、高い衝撃強度を得るという点から、原料分子量(粘度平均分子量)[Mv]が17,000〜30,000であることが好ましい。ここで、次に説明する(B)黒鉛として天然黒鉛を使用する場合、上記、原料分子量(粘度平均分子量)[Mv]が19,000〜26,000であることが成形性及び衝撃強度の点から好ましい。人工黒鉛を使用する場合、18,500〜23,000であることが好ましく、分子量が高すぎると難燃性が低下し易くなるという傾向がある。
この粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、次式にて算出するものである。
[η]=1.23×10-5Mv0.83
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、主に熱伝導性を付与させるために、(B)成分として黒鉛を配合する。
黒鉛としては、天然黒鉛、または各種の人造黒鉛のいずれも利用することができる。天然黒鉛としては、土状黒鉛、鱗状黒鉛(塊状黒鉛とも称されるVein Graphite)、及び鱗片状黒鉛(Flake Graphite)のいずれを利用することもできる。上記例示した天然黒鉛の中では、鱗片状黒鉛が好適に使用できる。天然黒鉛の適用により、より高い熱伝導性と高い弾性率を得ることができる。
人造黒鉛は、無定形炭素を熱処理し不規則な配列の微小黒鉛結晶の配向を人工的に行わせたものであり、一般炭素材料に使用される人造黒鉛の他、キッシュ黒鉛、分解黒鉛、および熱分解黒鉛等を含む。一般炭素材料に使用される人造黒鉛は、通常石油コークスや石炭系ピッチコークスを主原料として黒鉛化処理により製造される。
このような、人造黒鉛は、上記の天然黒鉛に比較すると曲げ弾性率、熱伝導率が低くなるが、高いウエルド強度を得ることができるというメリットがある。
(B)成分の配合量は、前述の(A)成分100質量部に対して、28〜90質量部の範囲とすることを要し、好ましくは30〜70質量部の範囲である。配合量が28質量部未満では、十分な熱伝導性が得られ難く、90質量部を超えると衝撃強度が低下し易いという問題がある。ここで、上記の天然黒鉛を40〜60質量部の範囲で配合した樹脂組成物の場合には、難燃性の改良効果が顕著になり、薄肉(厚さ1.2mm)での難燃性評価(UL規格94)がV−0を達成可能となる。
本発明において、黒鉛の粒径は、50%累積径が30〜180μmのものが好適に使用できる。黒鉛の固定炭素量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは98重量%以上である。また本発明の黒鉛の揮発分は、好ましくは3重量%以下、より好ましくは1.5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。
また黒鉛の表面は、本発明の組成物の特性を損なわない限りにおいて熱可塑性樹脂との親和性を増すために、表面処理、例えばエポキシ処理、ウレタン処理、シランカップリング処理、及び酸化処理等を施してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、難燃性を向上させるために、(C)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を配合する。この(C)成分は、本発明の樹脂組成物に溶融滴下防止効果を付与し、優れた薄肉難燃性を発現させる。
(C)成分は、フィブリル形成能を有するものが好ましい。ここで、「フィブリル形成能」とは、せん断力等の外的作用により、樹脂同士が結合して繊維状になる傾向を示すことをいう。本発明の(C)成分としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等)等を挙げることができる。これらの中では、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
フィブリル形成能を有するPTFEは、極めて高い分子量を有し、標準比重から求められる数平均分子量で、通常50万以上、好ましくは50万〜1500万、より好ましく100万〜1000万である。具体的には、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中で、ナトリウム、カリウムあるいはアンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下で、7〜700kPa程度の圧力下、温度0〜200℃程度、好ましくは20〜100℃で重合することによって得ることができる。
また、固体形状の他、水性分散液形態のものも使用可能であり、ASTM規格によりタイプ3に分類されるものを用いることができる。このタイプ3に分類される市販品としては、例えば、「テフロン6−J」[商品名、三井デュポンフロロケミカル(株)製]、「ポリフロンD−1」及び「ポリフロンF−103」[商品名、ダイキン工業(株)製]等が挙げられる。また、タイプ3以外では、「アルゴフロンF5」[商品名、ソルベイ ソレクシス社製]、及び「ポリフロンMPAFA−100」[商品名、ダイキン工業(株)製]等が挙げられる。
上記PTFEは、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
(C)成分の配合量は、前述の(A)成分100質量部に対して、9〜20質量部の範囲とすることを要し、好ましくは10〜18質量部である。その配合量が9質量部未満であると薄肉難燃性が確保できなくなり、20質量部を超えると、溶融樹脂組成物の流動特性が低下し成形性が悪化する。
この配合量は滴下防止剤としてPTFEが通常配合処方される量(通常、PC樹脂組成物全体の0.5質量%以下の配合量)に比較すると極めて多いが、上記配合量の範囲により、薄肉難燃性の他に動摩擦係数が低下することから成形時の離型作用が良くなるという利点がある。
以上、(A)成分100質量部に対し、上述した(B)成分の黒鉛の配合量が28〜90質量部で、(C)成分が9〜20質量部配合すれば、通常PC樹脂にて使用されている難燃剤、例えば下記の有機アルカリ(土類)金属塩を配合しなくても薄肉(厚さ1.2mm)での難燃性評価(UL規格94)がV−1を達成可能となる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の薄肉難燃性をさらに向上させるために、(D)有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩を配合することが好ましい。
有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩としては種々のものが挙げられるが、少なくとも一つの炭素原子を有する有機酸、又は有機酸エステルのアルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩を使用することができる。
ここで、有機酸又は有機酸エステルは、有機スルホン酸、有機カルボン酸等である。一方、アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等、アルカリ土類金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等であり、この中で、ナトリウム、カリウムの塩が好ましく用いられる。また、その有機酸の塩は、フッ素、塩素、臭素のようなハロゲンが置換されていてもよい。アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記各種の有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩の中で、例えば、有機スルホン酸の場合、パラトルエンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸;2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸;ジフェニルスルホン−3−スルホン酸;ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホン酸;ナフタレントリスルホン酸等の有機スルホン酸のアルカリ金属塩等を挙げることができる。
また、有機カルボン酸としては、例えば、パーフルオロ蟻酸、パーフルオロメタンカルボン酸、パーフルオロエタンカルボン酸、パーフルオロプロパンカルボン酸、パーフルオロブタンカルボン酸、パーフルオロメチルブタンカルボン酸、パーフルオロヘキサンカルボン酸、パーフルオロヘプタンカルボン酸、パーフルオロオクタンカルボン酸等を挙げることができ、これら有機カルボン酸のアルカリ金属塩が用いられる。
次に、(D)成分に使用できるポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩及び/又アルカリ土類金属塩としては、下記一般式(1)で表わされるスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を用いることができる。
Figure 2011111560
上記式(1)中、Z1はスルホン酸塩基、Z2は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。gは1〜5の整数である。hはモル分率を表し、0<h≦1である。
ここで、スルホン酸塩基はスルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩であり、金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
式中、Z2は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは水素原子又はメチル基である。また、gは1〜5の整数であり、hは、0<h≦1の関係である。すなわち、スルホン酸塩基(Z1)は、芳香環に対して、全置換したものであっても、部分置換したものであってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の薄肉難燃性の効果をより高めるために、スルホン酸塩基の置換比率は、スルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の含有量等を考慮して決定され、一般的には10〜100%置換のものが用いられる。
なお、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩及び/又アルカリ土類金属塩において、スルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂は、上記一般式(1)のポリスチレン樹脂に限定されるものではなく、スチレン系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
ここで、スルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の製造方法としては、(I)上記のスルホン酸基等を有する芳香族ビニル系単量体、又はこれらと共重合可能な他の単量体とを重合又は共重合する方法、(II)芳香族ビニル系重合体、又は芳香族ビニル系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体、又はこれらの混合重合体をスルホン化し、アルカリ金属化合物及び/又アルカリ土類金属化合物で中和する方法、等がある。
例えば、上記(II)の方法としては、ポリスチレン樹脂の1,2−ジクロロエタン溶液に濃硫酸と無水酢酸の混合液を加えて加熱し、数時間反応することにより、ポリスチレンスルホン酸化物を製造する。次いで、スルホン酸基と当モル量の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムで中和することによりポリスチレンスルホン酸カリウム塩又はナトリウム塩を得ることができる。
本発明で用いる、スルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の重量平均分子量としては、1,000〜300,000程度、好ましくは2,000〜200,000程度である。
なお、重量平均分子量は、GPC法で測定することができる。
上記の(D)成分は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部、好ましくは0.2〜0.4質量部である。上記含有量が0.1質量部以上では、薄肉難燃性の改良効果がみられ、0.5質量部以下では熱安定性を確保できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、成形性、耐衝撃性、外観改善、耐候性改善及び剛性改善等の目的で、前述の(A)〜(C)からなる必須成分、さらに必要に応じて配合される(D)成分に加えて、フェノール系、リン系、イオウ系の(E)酸化防止剤、(F)離型剤を含有させることができる。
(E)酸化防止剤の配合量について、リン系酸化防止剤では、0.001〜0.5質量部が好ましい。0.001質量部以上では、造粒工程・成形工程での熱安定性を維持でき、0.5質量部未満では分子量低下を引き起こし難い。また、フェノール系酸化防止剤では、0.001〜0.5質量部の添加が好ましく、衝撃強度が向上し易い。
(F)離型剤としては、ポリカーボネート樹脂に配合して成形時の離型性を改善できるものであれば、特に限定されるものではない。とりわけ、蜜蝋、グリセリンモノステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、モンタン酸エステルワックス、カルボン酸エステル等有機化合物が優れた離型性を示し、好適に使用される。これらは例えば、三木化学工業社製の「蜜ロウ・ゴールデンブランド」、理研ビタミン(株)製の「リケマールS−100A」、「リケマールSL−900」、及び「リケスターEW−440A」、コグニスジャパン社製の「ロキシオールV P G 8 6 1」、クラリアントジャパン社製の「リコワックスE」、コグニスジャパン社製の「ロキシオールEP−32」が挙げられる。その配合量については0.001〜2質量部が好ましい。
さらに、その他の合成樹脂、エラストマー、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分を必要により含有させることもできる。上記添加剤としては帯電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロック共重合体(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤(耐候剤)、可塑剤、抗菌剤、相溶化剤及び着色剤(染料、顔料)等が挙げることができる。
上記の任意成分の配合量は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、前記の(A)〜(C)成分、必要に応じて(D)成分を上記割合で、更に必要に応じて用いられる各種任意成分を適当な割合で配合し、混練することにより得られる。
配合及び混練は、通常用いられている機器、例えば、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等で予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機及びコニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常240〜320℃の範囲で適宜選択される。この溶融混練成形としては、押出成形機、特に、ベント式の押出成形機の使用が好ましい。
尚、ポリカーボネート樹脂以外の含有成分は、あらかじめ、ポリカーボネート樹脂又は他の熱可塑性樹脂と溶融混練、即ち、マスターバッチとして添加することもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記の溶融混練成形機、又は、得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により各種成形品を製造することができる。特に、得られたペレットを用いて、射出成形及び射出圧縮成形による射出成形品の製造に好適に用いることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体は、例えば、
(1)テレビ、ラジオカセット、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、オーディオプレーヤー、DVDプレーヤー、エアコンディショナー、携帯電話、ディスプレイ、コンピュータ、レジスター、電卓、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電気・電子機器用部品、
(2)上記1の電気・電子機器用の筐体、
(3)上記1の電気・電子機器用のシャーシ、
等として好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明はこれらによって、何ら制限されるものではない。
性能評価方法及び使用原料を次に示す。
〔性能評価方法〕
(1)薄肉難燃性
UL規格94に準じて作製した、試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.2mm)の試験片を用いて垂直燃焼試験を行った。試験の結果に基づいてUL94 V−0、V−1、又はV−2の等級に評価し、V−2に達しないものをV−2outとした。
なお、UL規格94とは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間から難燃性を評価する方法である。
(2)熱伝導率
熱伝導率測定装置「TPA−501」[京都電子工業(株)製]を用いてホットディスク法にて測定した。
(3)引張特性
ASTM D638に準拠して測定した。
(4)曲げ特性
a)曲げ強度
ASTM D790に準拠して測定した。
b)曲げ弾性率
射出成形機で作製した厚さ4mm、長さ130mmの試験片を用いて、ASTM規格D−790に準拠し、支点間距離90mm、荷重速度20mm/minで3点曲げ試験を行い、その荷重−歪曲線の勾配より、曲げ弾性率を算出した。
(5)ウエルド特性
長さ127mm、幅12.3mm、厚さ1.2mm、の試験片の中央部にウエルドができるよう試験片を成形し、ASTM D790に準拠し、ウエルド強度(曲げ強度)を測定した。
(6)衝撃特性
a)ノッチ付きアイゾット衝撃強度(IZOD)
射出成形機で作製した厚さ3.2mm(1/8インチ)の試験片を用いて、ASTM規格D−256に準拠して、測定温度23℃にて衝撃強度を測定した。
b)ノッチ無しアイゾット衝撃強度(IZOD)
射出成形機で作製した厚さ3.2mm(1/8インチ)の試験片を用いて、ASTM規格D−256に準拠して、測定温度23℃にて衝撃強度を測定した。
c)シャルピー(フラットワイス゛法)衝撃強度
射出成形機で作製した厚さ3.2mm(1/8インチ)の試験片を用いて、JIS K7111に準拠し、フラットワイズ法で衝撃強度を測定した。
(7)流動特性(流れ値)
高化式フローテスターを用い、JIS−K7210に準拠し、320℃の温度で、荷重100kgにて測定した。
(8)離型性
JIS K7218−A法に準じ、常温下で相手材をSUS304とし、面圧250kPa、速度0.5m/secで摺動試験を実施し動摩擦係数を測定した。
〔使用原料〕
(A)成分
A−1:芳香族ポリカーボネート樹脂 [出光興産(株)製、「FN1900A」、Mv=19,500]
A−2:芳香族ポリカーボネート樹脂 [出光興産(株)製、「FN2200A」、Mv=21,500]
A−3:芳香族ポリカーボネート樹脂 [出光興産(株)製、「FN2500A」、Mv=24,500]
A−4:芳香族ポリカーボネート樹脂 [出光興産(株)製、「FN2600A」、Mv=26,000]
(B)成分 黒鉛
B−1:天然黒鉛 [日本黒鉛工業社製「CB−150」;鱗片状、粒度分布 63μm以下77〜87%、106μm以上5%以下、見かけ密度 0.2〜0.3g/cm3、50%累積径 31〜48μm、固定炭素 98質量%以上、灰分 1質量%以下、揮発分 1質量%以下]
B−2:人造黒鉛 [日本黒鉛工業社製「PAG−420」;不定形、50%累積径 30〜40μm(50μm以上 50%以下)、見かけ密度 0.29〜0.37g/cm3、固定炭素 99.4質量%以上、灰分 0.3質量%以下、揮発分 0.3質量%以下]
(C)成分 PTFE
PTFE [ソルベイソレクシス社製「アルゴフロンF5」;アルゴフロンF5は凝集しやすいので、一旦、PCフレークでマスターバッチ化(混合比率(質量) PC:PTFE=90:10〜80:20)してから配合]
(D)成分 有機アルカリ(土類)金属塩
パラトルエンスルホン酸ナトリウム塩[DAH DIING CHEMICAL INDUSTRY 社製、純度93%品、不純物として硫酸ナトリウム3質量%以下、水分5質量%以下]
(E)成分 その他添加剤 酸化防止剤
E−1:リン系酸化防止剤(ジフェニルイソオクチルホスファイト) [ADEKA社製、「アデカスタブ C」]
E−2:フェノール系酸化防止剤(オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)[チバ・ジャパン(株)製 「Irganox1076」]
(F)成分 その他添加剤 離型剤
F−1:ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製「リケマールS−100A」]
F−2:ペンタエリスリトールテトラステアレート[理研ビタミン(株)製「リケスターEW−440A」]
実施例1〜15及び比較例1〜9
表1及び表2に示す割合で各成分を混合し、ベント式二軸押出成形機〔東芝機械社製:TEM35〕に供給し、バレル温度300〜320℃、スクリュ回転数200〜600回転、吐出量10〜30kg/hrにて溶融混練し、評価用ペレットサンプルを得た。
この評価用ペレットサンプルを用い、射出成形機にて成形樹脂温度320℃で各試験を行うための試験片を作成し、各試験を行った。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2011111560
Figure 2011111560
表1及び表2より下記のことが判明した。
実施例1〜実施例15では全ての評価項目に優れ、特に(A)〜(C)成分を含む実施例1〜実施例6では、難燃剤の(D)成分を含まなくても薄肉(厚さ1.2mm)難燃性、熱伝導性、曲げ特性、及び衝撃強度に優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られる。また、実施例8乃至10では薄肉難燃性が特に優れており、V−0が達成できた。
(B)成分の黒鉛含有量が少ない比較例1及び比較例7では、熱伝導性が低下し、(B)成分が多すぎる比較例2及び比較例8では衝撃特性が低下する。(C)成分のPTFE含有量が少ない比較例3、比較例5及び比較例6では、薄肉難燃性が低下し、(C)成分が多すぎる比較例4及び比較例9では流動特性が低下し、成形性が悪い。
また、実施例1、実施例4、及び実施例5と比較例3との比較から、(C)成分のPTFEを本願発明の範囲内の量とすることにより、動摩擦係数が小さくなり、離型性が向上することが理解される。

Claims (10)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)黒鉛28〜90質量部、及び(C)ポリテトラフルオロエチレン9〜20質量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 更に(D)有機アルカリ(土類)金属塩0.1〜0.5質量部を配合してなる請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 黒鉛が天然黒鉛である請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 黒鉛が人造黒鉛である請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 有機アルカリ金属塩及び/又は有機アルカリ土類金属塩が、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩、ポリスチレンスルホン酸アルカリ金属塩及びポリスチレンスルホン酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一種である請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. スルホン酸アルカリ金属塩が、パラトルエンスルホン酸ナトリウム塩である請求項5に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
  8. 電気・電子機器用部品である請求項7に記載の成形体。
  9. 電気・電子機器用筐体である請求項7に記載の成形体。
  10. 電気・電子機器用シャーシである請求項7に記載の成形体。
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