JP2015199108A - 鍛造クランクシャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
クランクシャフトの重心位置は、ジャーナルの軸心位置に一致することが好ましいが、鍛造により製造されたクランクシャフト(以下、鍛造クランクシャフトと呼ぶ)では、図6に示すように、型打ち回数の増大に伴って鍛造クランクシャフトの重心位置が型打ち方向へ移動するという問題があった。そしてこのような問題は、仕上げ鍛造に用いる型(仕上げ型と呼ぶ)の摩耗に起因することが判っていた。
まず、鍛造クランクシャフトの概要について、説明をする。
図7(a)に示すように、鍛造クランクシャフト1は、ジャーナル2に直交する方向に型打ち方向を規定して鍛造され、ジャーナル2に直交し、かつ、型打ち方向に直交する方向に向けて、アーム部3を突出させている。また、一対のアーム部3・3の間にはジャーナル2に平行なピン4を形成し、さらに、アーム部3と位相が180度異なる方向に、カウンターウェイト部5を突出させている。
尚、以下の説明では、図7(a)に示すように、鍛造クランクシャフト1のジャーナル2の軸心位置を原点Oと規定し、ジャーナル2、アーム部3およびカウンターウェイト部5に直交する方向をX軸方向と規定し、ジャーナル2に直交し、アーム部3およびカウンターウェイト部5に平行な方向をY軸方向と規定している。この場合、鍛造クランクシャフト1の型打ち方向は、X軸方向に一致している。
仕上げ成形品104は、トリミング工程において、鍛造クランクシャフト1(図7(a)参照)を切り出す前の態様の中間加工品であり、鍛造クランクシャフト1となる部位の周囲にバリ104aが形成されている。
そして、仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、ピン4で連結された一対のアーム部3・3を成形するための部位に比して、素材に対する仕上げ型の押し込み量(深さ)が大きくなっている。また、仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、一対のカウンターウェイト部5・5で挟まれた狭い部位に対して深く押し込まれる。
このため、仕上げ成形品104を鍛造するための仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、ピン4で連結された一対のアーム部3・3を成形するための部位に比して、早期に摩耗する。
余肉が形成されない部位(例えば、アーム部3の周囲)におけるトリミング部位の厚みD1と、カウンターウェイト部5・5の周囲におけるトリミング部位の厚みD2を比較すると、D1<D2となっており、カウンターウェイト部5・5の周囲では、トリミング時におけるせん断長(D2)が、アーム部3の周囲のせん断長(D1)に比して大きくなっている。
そして、トリミング時にカウンターウェイト部5側が上方に浮き上がると、図9(b)に示すように、鍛造クランクシャフト1に肥大や変形等の変形が生じ、重心位置Gが移動する。
そして、このような重心位置の移動が、鍛造クランクシャフト1に回転アンバランスを生じさせる原因となっていた。
このため、特許文献1に係る従来のクランクシャフトの鍛造方法のように、トリミング工程の実施内容を変更せずにクランクシャフト素地における型ずれ量を調整するだけの方法では、トリミング工程で生じる重心位置の移動を十分に抑制することができなかった。
ここではまず、鍛造クランクシャフトの製造工程の流れについて、図1〜図3、図8を用いて、説明をする。
本実施形態で示す鍛造クランクシャフトの製造工程は、図1に示すように、円柱状の棒状材料101を鍛造することによって、最終的にクランクシャフト1(以下、鍛造クランクシャフト1と呼ぶ)を製造するものである。
次に、予備成形工程(S12)を実行し、加熱された棒状材料101に対して曲げ加工等を施して、鍛造クランクシャフト1の最終形状に近づけた予備成形品102(図1(b)参照)を得る。
仕上げ成形品104の周囲には、バリ103aが変形してバリ104a(図1(e)参照)が形成されている。
図8(a)(b)に示すように、仕上げ成形品104には、ジャーナル2、アーム部3、ピン4、カウンターウェイト部5、となる各部位が既に形成されており、トリミング工程(S15)において、仕上げ成形品104からバリ104aを除去することで、図1(f)に示すような最終成形品である鍛造クランクシャフト1が得られる。
以上が、鍛造クランクシャフト1の製造工程の一連の流れである。
ジャーナル2は、鍛造クランクシャフト1における不連続な軸を構成する部位であり、ジャーナル2の端部には当該ジャーナル2から半径方向外側に突出するアーム部3・3が形成され、一対のアーム部3・3の間に当該アーム部3・3を連結する軸部たるピン4が形成され、さらに、アーム部3・3の突出方向とは反対側に、アーム部3・3とのつり合いをとるための部位であるカウンターウェイト部5・5が形成されている。
トリミング工程(S15)は、トリミング型を用いて、仕上げ成形品104からバリ104aを除去する工程であり、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、図4に示すようなトリミング型20を用いて、トリミング工程(S15)を実施する構成としている。
パンチ21は、仕上げ成形品104における鍛造クランクシャフト1となる部位を押圧するための工具であり、型内面21aは、トリミングの際には、鍛造クランクシャフト1として切り取られる部位(ジャーナル2、アーム部3、ピン4、カウンターウェイト部5)に隙間なく沿うように宛がわれる。
ダイ22は、型抜き方向における鍛造クランクシャフト1の外形形状に略一致した孔状のダイ刃22aが形成された工具であり、仕上げ成形品104をパンチ21で押しこんでダイ刃22aに通過させることで、仕上げ成形品104からバリ104aが除去される構成としている。
受け部材23は、ダイ刃22aを通過して切り取られた鍛造クランクシャフト1が落下しないように受けるための部位であり、その内面23aは、鍛造クランクシャフト1の外形形状に略一致している。
そして、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、パンチ21の型内面21aにおいて、部分的に鍛造クランクシャフト1の外形形状に対してオフセットさせた凸状の部位であるオフセット部24を形成する構成としている。
オフセット部24は、トリミング工程(S15)において、パンチ21の型内面21aを鍛造クランクシャフト1として切り取られる部位に沿わせるよりも前に、仕上げ成形品104におけるカウンターウェイト部5に対して当接させることができる部位として構成される。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、カウンターウェイト部5に対するトリミングの進展に先行して、カウンターウェイト部5にオフセット部24を当接させる構成としており、これによりカウンターウェイト部5の浮き上がりを防止するとともに、カウンターウェイト部5の変形を抑制する構成としている。
鍛造クランクシャフト1では、アーム部3・3の周囲における余肉部104bに比して、カウンターウェイト部5の周囲における余肉部104bの厚みが大きいため、カウンターウェイト部5におけるトリミングの進展が遅れる性質がある。
このため、鍛造クランクシャフト1の製造に用いるトリミング型20では、オフセット部24を、型内面21aにおけるカウンターウェイト部5に当接する位置に形成するのが最も好ましい。
尚、オフセット部24の形成位置は、型内面21aの範囲内で適宜調整してもよい。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、重心位置Gが図4中に示す上側に移動するのを抑制する構成としている。
鍛造クランクシャフト1において、重心位置Gの移動が生じないように、カウンターウェイト部5の図4における上部を押圧することで、カウンターウェイト部5が上方に浮き上がるのを規制する構成としている。
また本実施形態では、仕上げ型の寿命を仕上げ型の型打ち回数で回数2Aと規定しており、型打ち回数が2Aに達したときには仕上げ型を交換する。そして、仕上げ型を交換するときには、パンチ21を、オフセット部24を有していないものに交換する。
即ち、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、仕上げ型の型打ち回数を管理し、型打ち回数が所定の回数Aとなったときにトリミング型20(パンチ21)を変更することで、定期的に重心位置Gの移動をキャンセルさせる構成としている。
仮にパンチ21を交換しない場合には、仕上げ型の型打ち回数の増大に伴って重心位置の移動量が増大し、型打ち回数が回数2Aとなるときには、重心位置は範囲2Bまでずれる。一方、型打ち回数が回数Aとなるときにパンチ21を交換することで、鍛造クランクシャフト1における重心位置Gの移動範囲を常に範囲Bに収めることが可能になる。
尚、本実施形態では、仕上げ型が寿命に達する前に、パンチ21を1回だけ交換する構成としているが、1つの仕上げ型が寿命に達するまでにパンチ21を2回以上交換する構成としてもよい。これにより、さらに重心位置Gの移動範囲をさらに狭くすることができる。
このような構成により、鍛造クランクシャフト1の製造において、トリミング工程(S15)で生じる重心移動を抑制することができる。これにより、鍛造クランクシャフト1における回転アンバランスを確実に抑制することができる。
3 アーム部
5 カウンターウェイト部
20 トリミング型
21 パンチ
22 ダイ
21a 型内面
24 オフセット部
104 仕上げ成形品
Claims (1)
- 仕上げ型を用いた型鍛造によって仕上げ成形品を得る仕上げ工程と、
パンチとダイを備えるトリミング型を用いて前記仕上げ成形品をトリミングして、アーム部とカウンターウェイト部を有する鍛造クランクシャフトを得るトリミング工程と、
を備える鍛造クランクシャフトの製造方法であって、
前記仕上げ工程の実施回数が所定の回数に達したときに、
前記パンチを、
該パンチの型内面における前記カウンターウェイト部に当接する部位に、前記鍛造クランクシャフトの形状からオフセットさせた凸状部たるオフセット部が形成されたものに交換する、
ことを特徴とする鍛造クランクシャフトの製造方法。
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- 2014-04-10 JP JP2014081059A patent/JP6119659B2/ja active Active
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