JP5126546B2 - クランクシャフト製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間鍛造工程と機械加工工程とを含むクランクシャフト製造方法に関する。
一般に、クランクシャフトの製造工程は、熱間鍛造工程と機械加工工程とを含む。熱間鍛造工程は、ビレットから所定長さの素材を切り出す切断工程と、切り出された素材を加熱する加熱工程と、加熱した素材を予備成形する予備成形工程と、予備成形された素材を成形してクランクシャフトの素地(以下、クランクシャフト素地という)を形成する成形工程(鍛造工程)と、を含む。また、機械加工工程は、熱間鍛造工程により得られたクランクシャフト素地に加工基準としてのセンタ穴を加工する基準穴加工工程と、センタ穴を基準にクランクシャフト素地を加工する複数の工程と、クランクシャフトの回転バランスを修正するバランス修正工程と、を含む。
概して、上記熱間鍛造工程により得られたクランクシャフト素地は、鍛造型の精度に起因して、鍛造型の合わせ面に平行な軸断面で軸直角方向へずれ(以下、型ずれという)を生じている。そして、機械加工工程では、型ずれしたジャーナル部をチャック機構の対向する一対のV字形に形成されたチャック部によりチャックして加工基準であるセンタ穴を加工することから、クランクシャフト素地の中心、すなわち、ジャーナル部の中心とチャック機構のチャック中心との間にもずれが生じる。したがって、型ずれを見込んでクランクシャフト素地に加工代を設定する必要があるのに加え、回転バランスの修正量も増えることから、素材の重量が増えて材料費(製造コスト)が増大する。
そこで、クランクシャフト素地を部分的にサイジング成形して加工代を最小限に止める技術が周知であるが(例えば、特許文献1参照)、高価なサイジング型が必要となるため設備コストが増大する。
特開2004−195544号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、設備コストおよび製造コストの増大を抑制することが可能なクランクシャフト製造方法を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のクランクシャフト製造方法は、ジャーナル部が鍛造型の合わせ面に平行な軸断面で軸直角方向へ型ずれを生じたクランクシャフト素地が成形される鍛造工程を含むクランクシャフト製造方法であって、前記ジャーナル部をコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧して前記ジャーナル部に4つのコイニング面を形成するコイニング工程と、前記ジャーナル部のコイニング面をチャック機構の対向する一対のV字形に形成された各チャック部間で把持して前記クランクシャフト素地に機械加工の基準としてのセンタ穴を加工する基準穴加工工程と、を含み、前記コイニング工程では、コイニング面が形成される過程で前記ジャーナル部が自動調心されて前記ジャーナル部の幾何学中心が、前記コイニング型のコイニング中心に一致して、前記基準穴加工工程では、前記ジャーナル部の幾何学中心が、前記チャック機構のチャック中心に一致することを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)−(3)項の各々が、請求項1−3の各々に相当する。
(1)ジャーナル部が鍛造型の合わせ面に平行な軸断面で軸直角方向へ型ずれを生じたクランクシャフト素地が成形される鍛造工程を含むクランクシャフト製造方法であって、ジャーナル部をコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧してジャーナル部に4つのコイニング面を形成するコイニング工程と、ジャーナル部のコイニング面をチャック機構の対向する一対のV字形に形成された各チャック部間で把持してクランクシャフト素地に機械加工の基準としてのセンタ穴を加工する基準穴加工工程と、を含み、コイニング工程では、コイニング面が形成される過程でジャーナル部が自動調心されてジャーナル部の幾何学中心が、コイニング型のコイニング中心に一致して、基準穴加工工程では、ジャーナル部の幾何学中心が、チャック機構のチャック中心に一致することを特徴とするクランクシャフト製造方法。
本項に記載のクランクシャフト製造方法によれば、コイニング工程では、成形過程、すなわち、各ジャーナル部がコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧される過程で、各ジャーナル部が対応する各コイニング型のコイニング中心C3に向けて自動調心される。より具体的には、例えば、コイニング型を上型と下型とにより構成して、フローティング支持された各ジャーナル部を、上型のV字形の成形部と下型のV字形の成形部とでそれぞれ加圧した場合、各ジャーナル部の各被加圧部(コイニング面)に作用する加圧力が上下で対称になることから、各ジャーナル部の幾何学中心C1がコイニング型の中心C3に向けて自動調心される。その結果、各ジャーナル部の幾何学中心C1が各ジャーナル部の軸直角断面における各コイニング面を含む正方形(菱形)の中心C3に一致する。そして、基準穴加工工程では、各ジャーナル部のコイニング面が、チャック機構の対向する一対のV字形の各チャック部により把持される。これにより、各ジャーナル部の幾何学中心C1がチャック機構のチャック中心C2に一致する。言い換えると、各ジャーナル部のコイニング面を含む正方形が各チャック部のV字形状を含む正方形F2(菱形)に一致する。これにより、各ジャーナル部の幾何学中心C1と各チャック機構のチャック中心C2とが一致して、センタ穴を各ジャーナル部の幾何学中心C1に加工することができる。その結果、従来と比較して、クランクシャフト素地に設定する加工代を減少させることができるのに加えて回転バランスの修正量も減少させることができ、素材の重量が減少して材料費(製造コスト)の増大を抑制することができる。また、クランクシャフト素地をサイジングする場合と比較して、高価な設備(サイジング型)を必要としないため、設備コストを削減することができる。
(2)ジャーナル部に周方向へ延びる輪環形状の凸部を設けて、コイニング工程では、凸部をコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧して凸部に4つのコイニング面を形成する(1)のクランクシャフト製造方法。
本項に記載のクランクシャフト製造方法によれば、コイニング工程において、成形過程、すなわち、輪環形状の凸部がコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧される過程で、各ジャーナル部の幾何学中心C1がコイニング型の中心C3に向けて自動調心される。
本項の態様では、輪環形状の凸部だけを成形(コイニング加工)してコイニング面を形成するので、(1)の態様、すなわち、ジャーナル部の外周面を成形(コイニング加工)してコイニング面を形成する場合と比較して、成形荷重(素材変形量)を大幅に減少させることができる。したがって、ジャーナル部の残留応力が極めて小さいため、熱処理による歪みが抑制される。これにより、クランクシャフト素地の機械加工代を削減してクランクシャフト素地の軽量化、ひいては、製造コストを削減することができる。また、成形荷重(素材変形量)が小さいことから、より小さい能力のコイニング装置で済み、設備コストを削減することができる。さらに、成形荷重(素材変形量)が小さいことから、コイニング工程におけるコイニング加工を冷間加工とすることが可能になる。したがって、コイニング工程を、機械加工工程に含めて基準穴加工工程の直前に設定することが可能になる。したがって、熱間鍛造工程を変更する必要がないので、鍛造型をそのまま使用することができ、本項のクランクシャフト製造方法を導入することによる設備投資を最小限に抑えることができる。
(3)ジャーナル部にコイニング型の各成形面に対向する各凸部を設けて、コイニング工程では、各凸部をコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧して各凸部に各コイニング面を形成する(1)のクランクシャフト製造方法。
本項に記載のクランクシャフト製造方法によれば、コイニング工程において、成形過程、すなわち、各凸部(小突起)がコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部の各成形面により型ずれ方向に対して垂直に加圧される過程で、各ジャーナル部の幾何学中心C1がコイニング型の中心C3に向けて自動調心される。
本項の態様では、各凸部(小突起)だけを成形(コイニング加工)してコイニング面を形成するので、(2)の態様、すなわち、輪環形状の凸部を成形(コイニング加工)してコイニング面を形成する場合と比較して、成形荷重(素材変形量)をさらに減少させることができる。したがって、ジャーナル部の残留応力が必要最小限となり、熱処理による歪みがさらに抑制されて、クランクシャフト素地の精度を向上させることができる。
設備コストおよび製造コストの増大を抑制することが可能なクランクシャフト製造方法を提供することができる。
第1実施形態の熱間鍛造工程に含まれる各工程を工程順に示した図である。 第1実施形態の機械加工工程に含まれる各工程を工程順に示した図である。 第1実施形態のコイニング装置の正面図である。 第1実施形態のコイニング装置の側面図である。 第1実施形態の説明図であり、コイニング面が形成されたクランクシャフト素地におけるセンタ穴が加工される状態の平面図である。 図5におけるA−A断面図であり、クランクシャフト素地のジャーナル部が型ずれした状態を示す図である。 第1実施形態におけるコイニング工程の説明図であり、コイニング型によりクランクシャフト素地のジャーナル部にコイニング面が加工される様子を示す図である。 図7においてジャーナル部に作用する成形圧力を模式的に示す図である。 第1実施形態における基準穴加工工程の説明図であり、チャック機構によりクランクシャフト素地のジャーナル部が把持された状態を示す図である。 第2実施形態の説明図であり、コイニング面が形成されたクランクシャフト素地におけるセンタ穴が加工される状態の平面図である。 図10におけるB−B断面図であり、クランクシャフト素地のジャーナル部が型ずれした状態を示す図である。 図11におけるC矢視図である。 第2実施形態におけるコイニング工程の説明図であり、コイニング型によりジャーナル部の輪環形状の凸部にコイニング面が加工される様子を示す図である。 図13においてジャーナル部(凸部を含む)に作用する成形圧力を模式的に示す図である。 第3実施形態の説明図であり、第2実施形態の図10におけるB−B断面に対応する位置での断面図である。 図15におけるD矢視図である。 第3実施形態におけるコイニング工程の説明図であり、コイニング型によりジャーナル部の各凸部(小突起)にコイニング面が加工される様子を示す図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。なお、第1実施形態では、直列4気筒エンジンに組み込まれるクランクシャフトを製造する方法を説明するが、クランクシャフトは、これに限定することを目的とするものではない。
クランクシャフトの製造工程は、熱間鍛造工程と機械加工工程とを含む。図1に示されるように、熱間鍛造工程は、ビレットから所定長さの素材1を切り出す切断工程と、切り出された素材1を所定温度(例えば、1000〜1200℃)に加熱する加熱工程と、加熱された素材1を予備成形する予備成形工程と、予備成形された素材1をクランクシャフト形状に成形する成形工程(鍛造工程)と、成形された仕掛け品(成形品)をトリミングしてクランクシャフト素地2を取り出すトリミング工程と、このクランクシャフト素地2を熱処理および表面処理する後処理工程と、を含む。
また、図2に示されるように、機械加工工程は、熱間鍛造工程により得られたクランクシャフト素地2にセンタ穴を加工する基準穴加工工程と、このセンタ穴を基準にクランクシャフト素地2を荒加工する荒加工工程と、該荒加工が完了したクランクシャフト3に上記センタ穴を基準に穴加工する穴加工工程と、穴加工が完了したクランクシャフト3を荒仕上げする第1仕上げ工程と、荒仕上げが完了したクランクシャフト3の回転バランスを修正するバランス修正工程と、バランス修正が完了したクランクシャフト3を最終仕上げする第2仕上げ工程と、を含む。
熱間鍛造工程は、クランクシャフト素地2の選択された各ジャーナル部4,5(図5参照)をコイニング装置8によりコイニング加工して各ジャーナル部4,5に各コイニング面11〜14(図7参照)を形成するコイニング工程を有する。そして、第1実施形態では、基準穴加工工程において、図9に示されるように、クランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5を相対する各チャック機構の一対のチャック部6,7で把持することにより、各ジャーナル部4,5の幾何学中心をチャック機構のチャック中心に一致させることができる。なお、各ジャーナル部4,5の幾何学中心は、各ジャーナル部4,5の一軸直角断面における重心に一致する。また、チャック中心は、図9に示されるように、各チャック部6,7のV字形を含む正方形F2(菱形)の中心C2に一致する。
図3に示されるのは、コイニング工程で使用されるコイニング装置8の正面図、また、図4に示されるのは、上記コイニング装置8の側面図である。コイニング装置8は、上型9と下型10とからなるコイニング型9,10および各型9,10を駆動する駆動機構を有する。また、コイニング装置8は、成形工程における鍛造型の精度に起因する各ジャーナル部4,5の型ずれ方向(図3における左右方向)が各型9,10のストローク方向(図3における上下方向)に対して垂直な状態を維持しつつ、クランクシャフト素地2をフローティング支持する支持機構を有する。図7に示されるように、各型9,10は、V字形に形成された各成形部9a,10aを有して、各成形部9a,10aが形成するV字形状が、一方の対角線が鉛直に向けられた正方形F1(菱形)の各辺上に配置されている。
次に、第1実施形態の作用を説明する。なお、熱間鍛造工程における切断工程からトリミング工程までの工程は従来のクランクシャフトの製造工程と同一であるので、詳細な説明を省略する。
まず、コイニング工程では、クランクシャフト素地2がコイニング装置8の支持機構によりフローティング支持される。この状態におけるクランクシャフト素地2は、図6に示されるように、各ジャーナル部4,5の型ずれ方向(図6における左右方向)が、各型9,10のストローク方向(図6における上下方向)に対して垂直な状態で支持される。なお、クランクシャフト素地2は、鍛造型の合わせ面に平行な軸断面で軸直角方向(図6における左右方向)へ型ずれしているが、型ずれは、当該クランクシャフト素地2の軸断面上に断層に相当する境界が形成されているのではなく、単に鍛造型の精度に起因するずれである。
次に、上型9を下方へ下型10を上方へストロークさせて、図7に示されるように、クランクシャフト素地2の選択されたジャーナル部4,5、言い換えると、基準穴加工工程においてチャック機構により把持される各ジャーナル部4,5を、各型9,10のV字形に形成された対向する各成形部9a,10aによりコイニング加工する。ここで、図8に示されるように、各型9,10のストロークの過程(コイニング過程)で、当初、各ジャーナル部4,5の軸直角断面の幾何学中心C1(以下、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1という)は、コイニング型9,10の中心C3、言い換えると、各成形部9a,10aが形成する上記正方形F1(菱形)の中心C3に対してずれを生じているが、各ジャーナル部4,5における各成形部9a,10aとの接触部分(図8における角度位相が45°、135°、225°および315°の4箇所)には、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1とコイニング型9,10の中心C3とのずれ量に応じた成形圧力が作用する。
つまり、各ジャーナル部4,5は、幾何学中心C1とコイニング型9,10の中心C3とのずれに応じて、形成される4つのコイニング面11〜14における成形量が偏倚して、結果的に、コイニング過程(成形過程)でコイニング型9,10の中心C3に対して自動調心される。これにより、コイニング過程では、各ジャーナル部4,5の軸直角断面における各コイニング面11〜14に相当する直線が、正方形F1(菱形)の各辺上に配置されて、コイニング終了時点では、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1がコイニング型9,10の中心C3に一致する。なお、各ジャーナル部4,5にコイニング面11〜14が形成されたクランクシャフト素地2は、後処理工程ならびに検査工程を経て機械加工工程の基準穴加工工程へ搬送される。
次に、基準穴加工工程では、図9に示されるように、各ジャーナル部4,5がセンタ穴加工装置の各チャック機構により把持される。ここで、チャック機構は、対向する一対のV字形に形成されたチャック部6,7を有しており、一対のチャック部6,7で各ジャーナル部4,5のコイニング面11〜14を左右両側から挟み込むことにより、各ジャーナル部4,5が把持される。この時、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1は、チャック機構のチャック中心C2に一致する。言い換えると、正面視(図9参照)において、各ジャーナル部4,5のコイニング面11〜14を含む正方形が、各チャック部6,7のV字形状を含む正方形F2(菱形)に一致する。この状態で、クランクシャフト素地2にセンタ穴(基準穴)を加工することにより、センタ穴をクランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1を通過する軸線上(同軸上)に形成することができる。
以降、機械加工工程では、基準穴加工工程により加工されたセンタ穴を基準として、荒加工工程、穴加工工程、第1仕上げ工程、バランス修正工程および第2仕上げ工程が順次実施される。なお、各チャック機構による各ジャーナル部4,5の把持方向は、図9に示される水平方向に限定するものではなく、例えば、鉛直方向(図9における上下方向)であってもよい。
第1実施形態では以下の効果を奏する。
第1実施形態によれば、各ジャーナル部4,5を、上型9と下型10とからなるコイニング型9,10の対向するV字形の各成形部9a,10aにより型ずれ方向に対して垂直に加圧して、各ジャーナル部4,5にコイニング面11〜14を形成するコイニング工程と、各ジャーナル部4,5のコイニング面11〜14を、チャック機構の対向するV字形の各チャック部6,7により把持して、クランクシャフト素地2に機械加工の基準となるセンタ穴を加工する基準穴加工工程と、を含む。
したがって、コイニング工程では、各ジャーナル部4,5が成形過程で自動調心されて、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1がコイニング型9,10の中心C3に一致される、すなわち、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1を、各ジャーナル部4,5の軸直角断面における各コイニング面11〜14を含む正方形(菱形)の中心C3に一致させることができる。そして、基準穴加工工程では、各ジャーナル部4,5のコイニング面11〜14が、チャック機構の対向する一対のV字形の各チャック部6,7により把持される。これにより、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1をチャック機構のチャック中心C2に一致させる、言い換えると、各ジャーナル部4,5のコイニング面11〜14を含む正方形を、各チャック部6,7のV字形状を含む正方形F2(菱形)に一致させることができる。
これにより、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1にセンタ穴を加工することができ、ひいては、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1と各チャック機構のチャック中心C2とを一致させることができるので、従来と比較して、クランクシャフト素地2に設定する加工代を減少させることができるのに加え、回転バランスの修正量も減少させることができることから、素材の重量が減少して材料費(製造コスト)の増大を抑制することができる。また、クランクシャフト素地2をサイジングする場合と比較して、高価な設備(サイジング型)を必要としないため、設備コストを削減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と同一あるいは相当する構成には同一の名称および符号を付与し、重複する説明を省略する。
上述した第1実施形態では、各ジャーナル部4,5の外周面を成形(コイニング加工)して各コイニング面11〜14を形成するのに対して、第2実施形態では、図10〜11に示されるように、熱間鍛造工程に含まれる成形工程(鍛造工程)で、クランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5に周方向へ延びる輪環形状の凸部20を設けて、コイニング工程で、輪環形状の凸部20だけを成形(コイニング加工)してコイニング面11〜14を形成する。なお、各凸部20は、各ジャーナル部4,5の軸平面における断面が矩形に形成されている。
次に、第2実施形態の作用を説明する。ここでは、熱間鍛造工程における成形工程(鍛造工程)とコイニング工程とを説明する。その他の工程は、上述した第1実施形態と同一であるので、詳細な説明を省略する。
成形工程(図1参照)では、予備成形された素材1をクランクシャフト形状に成形してクランクシャフト素地2を得る。この成形工程において使用される鍛造型のキャビティには、各ジャーナル部4,5の各凸部20に対応する輪環形状の溝が設けられている。これにより、成形工程により得られたクランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5には、輪環形状の凸部20が形成される。
コイニング工程では、クランクシャフト素地2がコイニング装置8の支持機構によりフローティング支持される。この状態で、上型9を下方へ下型10を上方へストロークさせて、図13に示されるように、クランクシャフト素地2の選択されたジャーナル部4,5、言い換えると、基準穴加工工程においてチャック機構により把持される各ジャーナル部4,5の輪環形状の各凸部20を、各型9,10のV字形に形成された対向する各成形部9a,10aによりコイニング加工する。ここで、図14に示されるように、各型9,10のストロークの過程(コイニング過程)で、当初、各凸部20を含む各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1は、コイニング型9,10の中心C3に対してずれを生じているが、各ジャーナル部4,5の各凸部20における各成形部9a,10aとの接触部分(図14における角度位相が45°、135°、225°および315°の4箇所)には、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1とコイニング型9,10の中心C3とのずれ量に応じた成形圧力が作用する。
つまり、各凸部20は、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1とコイニング型9,10の中心C3とのずれに応じて、形成される4つのコイニング面11〜14における成形量が偏倚して、結果的に、コイニング過程(成形過程)でコイニング型9,10の中心C3に対して自動調心される。その結果、コイニング終了時点では、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1がコイニング型9,10の中心C3に一致する。
第2実施形態では以下の効果を奏する。
第2実施形態によれば、各ジャーナル部4,5に設けられた輪環形状の各凸部20だけを成形(コイニング加工)して各コイニング面11〜14を形成するので、上述した第1実施形態、すなわち、各ジャーナル部4,5の外周面を成形(コイニング加工)してコイニング面11〜14を形成する場合と比較して、成形荷重(素材変形量)を大幅に減少させることができる。
したがって、ジャーナル部の残留応力が極めて小さくできることから、熱処理による歪みを抑制することができる。これにより、クランクシャフト素地2の機械加工代を削減してクランクシャフト素地2の軽量化、ひいては、製造コストを削減することができる。また、成形荷重(素材変形量)が小さいことから、より小さい能力のコイニング装置で済み、設備コストを削減することができる。
なお、第2実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
第2実施形態では、上述した第1実施形態と比較して成形荷重(素材変形量)が小さいことから、コイニング工程におけるコイニング加工を冷間加工とすることが可能になる。この場合、コイニング工程を、機械加工工程に含めて基準穴加工工程の直前に設定することができる。したがって、熱間鍛造工程を変更する必要がないので、鍛造型をそのまま使用することができ、設備投資を最小限に抑えることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態では、上述した第1および第2実施形態と同一あるいは相当する構成には同一の名称および符号を付与し、重複する説明を省略する。
上述した第2実施形態では、熱間鍛造工程に含まれる成形工程(鍛造工程)で、クランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5に周方向へ延びる輪環形状の凸部20を設けて、コイニング工程で、輪環形状の各凸部20を各コイニング型により成形(コイニング加工)してコイニング面11〜14を形成するのに対して、第3実施形態では、図15および図16に示されるように、熱間鍛造工程に含まれる成形工程(鍛造工程)で、クランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5に、上型9の成形部9aのV字形を形成する各成形面31,32および下型10の成形部10aのV字形を形成する各成形面33,34に対向するように、言い換えると、各ジャーナル部4,5に、図15における角度位相が45°、135°、225°および315°の位置に、各凸部21〜24(小突起)を設けて、コイニング工程で、各凸部21〜24だけを成形(コイニング加工)してコイニング面11〜14を形成する。
次に、第3実施形態の作用を説明する。ここでは、熱間鍛造工程における成形工程(鍛造工程)とコイニング工程とを説明する。その他の工程は、上述した第1および第2実施形態と同一であるので、詳細な説明を省略する。
成形工程(図1参照)では、予備成形された素材1をクランクシャフト形状に成形してクランクシャフト素地2を得る。この成形工程において使用される鍛造型のキャビティには、各ジャーナル部4,5の各凸部21〜24(小突起)に対応する各凹部が設けられている。これにより、成形工程により得られたクランクシャフト素地2の各ジャーナル部4,5には、各凸部21〜24(小突起)が、各ジャーナル部4,5の周方向へ等間隔(図15における角度位相が45°、135°、225°および315°の各位置)に設けられる。
コイニング工程では、クランクシャフト素地2がコイニング装置8の支持機構によりフローティング支持される。この状態で、上型9を下方へ下型10を上方へストロークさせて、図17に示されるように、クランクシャフト素地2の選択されたジャーナル部4,5、言い換えると、基準穴加工工程においてチャック機構により把持される各ジャーナル部4,5の各凸部21〜24(小突起)を、各型9,10のV字形に形成された対向する各成形部9a,10aによりコイニング加工する。ここで、各型9,10のストロークの過程(コイニング過程)で、当初、各凸部21〜24(小突起)を含む各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1は、コイニング型9,10の中心C3に対してずれを生じているが、各凸部21〜24(小突起)には、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1とコイニング型9,10の中心C3とのずれ量に応じた成形圧力が作用する。
つまり、各凸部21〜24(小突起)は、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1とコイニング型9,10の中心C3とのずれに応じて、形成される4つのコイニング面11〜14における成形量が偏倚して、結果的に、コイニング過程(成形過程)でコイニング型9,10の中心C3に対して自動調心される。その結果、コイニング終了時点では、各ジャーナル部4,5の幾何学中心C1がコイニング型9,10の中心C3に一致する。
第3実施形態では以下の効果を奏する。
第3実施形態によれば、各凸部21〜24(小突起)だけを成形(コイニング加工)して各コイニング面11〜14を形成するので、第2実施形態、すなわち、輪環形状の凸部20を成形(コイニング加工)してコイニング面11〜14を形成する場合と比較して、成形荷重(素材変形量)をさらに減少させることができる。したがって、各ジャーナル部4,5の残留応力が必要最小限となり、熱処理による歪みがさらに抑制されて、クランクシャフト素地2の精度を向上させることができる。これにより、クランクシャフト素地2の機械加工代を削減してクランクシャフト素地2のさらなる軽量化、ひいては、製造コストを削減することができる。また、成形荷重(素材変形量)が小さいことから、より小さい能力のコイニング装置で済み、設備コストを削減することができる。
なお、第3実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
第3実施形態では、第2実施形態同様、上述した第1実施形態と比較して成形荷重(素材変形量)が小さいことから、コイニング工程におけるコイニング加工を冷間加工とすることが可能になる。この場合、コイニング工程を、機械加工工程に含めて基準穴加工工程の直前に設定することができる。したがって、熱間鍛造工程を変更する必要がないので、鍛造型をそのまま使用することができ、設備投資を最小限に抑えることができる。
2 クランクシャフト素地、4,5 ジャーナル部、6,7 チャック部(チャック機構)9,10 上型,下型(コイニング型)、9a,10a 成形部、11〜14 コイニング面

Claims (3)

  1. ジャーナル部が鍛造型の合わせ面に平行な軸断面で軸直角方向へ型ずれを生じたクランクシャフト素地が成形される鍛造工程を含むクランクシャフト製造方法であって、
    前記ジャーナル部をコイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧して前記ジャーナル部に4つのコイニング面を形成するコイニング工程と、
    前記ジャーナル部のコイニング面をチャック機構の対向する一対のV字形に形成された各チャック部間で把持して前記クランクシャフト素地に機械加工の基準としてのセンタ穴を加工する基準穴加工工程と、
    を含み、
    前記コイニング工程では、コイニング面が形成される過程で前記ジャーナル部が自動調心されて前記ジャーナル部の幾何学中心が、前記コイニング型のコイニング中心に一致して、
    前記基準穴加工工程では、前記ジャーナル部の幾何学中心が、前記チャック機構のチャック中心に一致することを特徴とするクランクシャフト製造方法。
  2. 前記ジャーナル部に周方向へ延びる輪環形状の凸部を設けて、前記コイニング工程では、前記凸部を前記コイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧して前記凸部に前記4つのコイニング面を形成することを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフト製造方法。
  3. 前記ジャーナル部に前記コイニング型の各成形面に対向する各凸部を設けて、前記コイニング工程では、各凸部を前記コイニング型の対向する一対のV字形に形成された各成形部間で型ずれ方向に対して垂直に加圧して各凸部に各コイニング面を形成することを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフト製造方法。
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