JP2015197222A - 真空バルブ - Google Patents

Abstract

【課題】信頼性が高くかつ低コストで製造可能な真空バルブを提供する。
【解決手段】閉塞バネ（１６）がバルブハウジング（１）および閉塞要素（９）の間で作用し、閉塞要素（９）を開位置においても閉方向（１０）に付勢する。第１駆動要素（１３）（１３’）がバルブハウジング（１）に対して閉方向（１０）に平行に変位可能であり、回転要素（１１）または第１駆動要素（１３）（１３’）のストッパ面（１９）が当接する支持ストッパ（１７）によって閉塞要素（９）が開位置に保持される。
【選択図】 図４

Description

本発明は、真空バルブに関する。

手動運転装置によって閉塞要素が開位置および閉位置の間で直線的に駆動される真空バルブは、アングルバルブとして知られている。アングルバルブによれば、真空バルブの開放状態において連通する一方、真空バルブの閉塞状態において相互に遮断される複数のバルブハウジングのそれぞれのバルブ開口部の軸線は、相互に傾斜している、または直角をなしている。バルブシートは、一のバルブ開口部に対して同軸に配置されている。従来公知である別態様の真空バルブによれば、第１バルブ開口部および第２バルブ開口部は互いに同軸であり、バルブシートは傾斜面にあり、閉塞要素は、第１バルブ開口部および第２バルブ開口部のそれぞれの軸線に対して傾斜した方向に直線的に移動する。

手動運転装置を備えたアングルバルブが知られている（特許文献１〜２参照）。回転ノブまたはハンドホイールの形態の手動式の回転要素により、スピンドルボルトは、バルブハウジングの一部であって、雌ネジを備え、（固定された）スピンドルナットを構成する部分に対して螺合する。閉塞要素は、ロッドを介してスピンドルボルトに対して連結されている。

手動運転装置を備え、商業的に入手可能なさらなる従来のアングルバルブによれば、回転要素に連結されているスピンドルボルトが、第１ネジ要素および第２ネジ要素を備えている。第１ネジ要素は、閉塞要素の雌ねじに螺合される。第２ネジ要素は、閉塞要素に連結されているバルブロッドの雌ねじに螺合される。閉塞要素およびバルブロッドは、閉塞要素およびバルブハウジングの間に延在するベローズを用いて回転不能に固定されている。両ネジ要素は、右ネジおよび左ネジのように異なる回転方向のねじ山を備えている。回転要素の回転により、一方ではスピンドルボルトおよびバルブロッドの間における行程が実現され、他方ではスピンドルボルトおよびバルブハウジングの間における同一方向の行程が実現される。真空バルブを開閉するために必要な回転要素の回転数は結果として半分になる。

前述のタイプの真空バルブが知られている（特許文献３参照）。アングルバルブの実施形態によれば、スピンドルボルトが回転可能である一方で軸線方向に変位不能となるようにバルブハウジングに設けられている。回転不能に固定されたナットがスピンドルボルトに配置され、ナットおよび閉塞要素の間にはバネが配置されている。スピンドルナットは、バネによって閉塞要素に力を作用させる。閉塞要素がバルブシートに当接した後、適当な方法でバネが圧縮されることによって所望の押圧力が実現される。当該バルブは高真空バルブであり、閉塞要素は少なくともバルブシートに隣接する部分において完全に金属によって構成されている。

手動式のアングルバルブのほか、空気圧式のピストンシリンダユニットにより駆動されるアングルバルブが一般的に用いられている（特許文献４〜６参照）。媒体圧力が低下した際にも真空バルブの閉塞状態を維持するため、バルブハウジングおよび閉塞要素の間に作用する閉塞バネが設けられている。

直線的に駆動可能な閉塞要素を有する他のタイプの真空バルブが知られている（特許文献７〜９参照）。特許文献７記載の真空バルブによれば、閉塞要素は楔形状に構成されている。特許文献８および９記載の真空バルブによれば、シール要素およびこれと相互作用するシール面が他の３次元形状を有する。

アングルバルブの形態で構成されている、手動式の真空バルブが知られている（特許文献１０参照）。曲面を有する回転要素が設けられ、これがバルブハウジングに配置されている曲面と相互作用する。相互作用する曲面は、回転要素が回転したときにその軸線方向に変位するようにリンクガイドを構成する。閉塞要素に取り付けられているバルブロッドには、フランジが設けられている。バルブハウジングおよび閉塞要素の間に閉塞バネが作用する。閉塞バネは、閉塞要素の開位置において、バルブロッドに取り付けられているフランジを回転要素のストッパ面に付勢する。回転要素が異なる回転位置にラッチすることができるように、ラッチ要素がフランジおよび回転要素の間に作用する。閉塞要素の閉位置において、フランジをストッパ面から離間させることができる。この真空バルブの手動運転装置の構成は、相互作用する曲面およびさらに相互作用する他の構成要素の構成のため、製造コストの増加を招く。

独国特許公報 ＤＥ３１２５９３４Ａ１ 独国特許公開公報 ＤＥ１０ ２００８ ００３７２５Ａ１ 米国特許公開公報 ＵＳ２００６／０１６９９４０Ａ１ 米国特許公開公報 ＵＳ２００９／０１９４７２８Ａ１ 独国特許公報 ＤＥ４０２３８４５Ｃ１ 米国特許公報 ＵＳ６２８９９３２Ｂ１ 米国特許公報 ＵＳ７０１１２９４Ｂ１ 独国特許公報 ＤＥ３７１７７２４Ａ１ 独国特許公報 ＤＥ３８３１２４９Ａ１ 米国特許公報 ＵＳ６６６９１７０Ｂ２

本発明の目的は、信頼性が高くかつ低コストで製造可能な真空バルブを提供することにある。

本発明は、バルブシートを有するバルブハウジングと、真空バルブが閉塞状態にある閉位置において前記バルブシートに対して当接する一方、真空バルブが開放状態にある開位置において前記バルブシートから離間する閉塞要素と、前記閉塞要素を閉方向に対して開位置から閉位置まで駆動する一方、当該閉方向とは反対方向に閉位置から開位置まで駆動する手動機構と、を備え、前記手動機構が、回転要素により作動可能であり、前記回転要素に対して連結されている第１駆動要素および前記閉塞要素に対して連結されている第２駆動要素を有するねじ式駆動機構を備え、前記第１駆動要素および前記第２駆動要素のうち一方の駆動要素が雄ネジを有し、他方の駆動要素が雌ネジを有して螺合しており、前記回転要素が閉回転方向に回転することにより開位置にある前記閉塞要素が閉方向に駆動され、前記回転要素が前記閉回転方向とは反対の開回転方向に回転することにより閉位置にある前記閉塞要素が閉方向とは反対方向に駆動され、前記閉塞要素を閉位置において閉方向に対して付勢する閉塞バネが設けられている真空バルブに関する。

本発明の真空バルブは、前記閉塞バネが前記バルブハウジングおよび前記閉塞要素の間に作用し、前記閉塞要素を開位置においても閉方向に付勢し、前記第１駆動要素が前記バルブハウジングに対して閉方向に平行に変位可能であり、前記回転要素または前記第１駆動要素のストッパ面が当接する支持ストッパによって前記閉塞要素が開位置に保持されることを特徴とする。

本発明の真空バルブによれば、バルブハウジングおよび閉塞要素の間に閉塞バネが作用し、閉塞要素が開位置にあっても閉方向に付勢する。第１駆動要素は、閉方向に対して平行な方向にバルブハウジングに対して移動可能であり、回転要素または第１駆動要素のストッパ面が当接する支持ストッパにより、閉方向に作用する閉塞バネの付勢力に抗して閉塞要素はその開位置にとどまる。閉塞要素の閉位置において、支持ストッパが回転要素または第１駆動要素のストッパ面から離間される。すなわち、第１駆動要素が、閉塞要素の開位置に相当する位置に対して、閉方向とは反対方向に変位する。したがって、真空バルブが密閉されるように、閉塞要素をその閉位置においてバルブシートに対して押し付けるために十分な閉塞力が閉塞バネによってのみ作用させることができる。第１駆動要素には、力から解放される。閉塞バネによる閉塞力は、当該閉塞バネからバルブハウジングに直接作用する。

個別の部品点数が少ない真空バルブの非常に簡単な構成が実現される。本発明の真空バルブによれば、コストを非常に低く抑えることができ、このような一連の製品について小さなコスト削減の場合でも有意義である。

本発明の真空バルブは、同時に高い信頼性をもって構成される。回転要素の過度の締め付けによって、閉塞要素が閉位置にある際に真空バルブを密封する弾性シールリングに過度の応力負荷が作用することが回避される。必要なシール力が単に閉塞バネによって作用させることができ、非常に明確に定義されたシール力が結果として実現される。

両駆動要素の完全に回転してそれらの破損が防止されるように、ユーザに触覚的に真空バルブの全閉状態を知らせるため、回転要素の閉回転方向への回転を制限する回転ストッパが設けられている。
特に、真空バルブを閉塞状態において封止する弾性シールリングを損傷させることがある、閉塞要素に対して閉回転方向に作用する過大な力を回避するため、閉回転方向に回転要素に作用するトルクの制限値を超えた場合、破壊のない態様で、回転ストッパが通過できることが好ましい。回転ストッパは回転要素に作用するトルクの制限値に到達するまでの間だけ作用する。回転ストッパを開く力（＝通過させる力）が、閉塞バネにより閉位置において閉塞要素を付勢する力よりも小さいことが好ましい。

本発明の他の態様によれば、回転ストッパが少なくとも１つの突起によりバネアームに配置され、かつ、回転要素または第１駆動要素のストッパ面と相互作用する少なくとも１つの突起により構成されている。

本発明の他の態様によれば、回転ストッパの構成のため、他方の駆動要素のストッパ面に当接する突起が一方の駆動要素に配置された突起が設けられている。

本発明の真空バルブはアングルバルブとして構成されてもよい。他の態様によれば、閉塞要素が開位置および閉位置の間で直線的に駆動されてもよい。

本発明のさらなる利点および詳細は添付図面を用いて説明される。

本発明の第１実施形態としての真空バルブの斜視図。 本発明の第１実施形態としての真空バルブの側面図。 本発明の第１実施形態としての真空バルブの上面図。 閉塞要素が開位置にある状態での図２のＡ−Ａ線断面図。 真空バルブの閉塞に際して閉塞要素がバルブシートに当接する位置にある状態での図２のＡ−Ａ線断面図。 閉塞要素が閉位置にある状態での図２のＡ−Ａ線断面図。 閉塞要素が図５に相当する位置にある状態での図３のＢ−Ｂ線断面図。 閉塞要素が閉位置にある状態での図３のＢ−Ｂ線断面図。 回転ストッパが回転突片を乗り越えている、閉塞要素が開位置にある状態での図３のＢ−Ｂ線断面図。 バルブシートの箇所に設けられたシールユニットの斜視図。 ある視点からみた真空バルブの切欠説明図。 図１１とは異なる視点からみた真空バルブの切欠説明図。

図１〜図１２には、本発明の一実施形態としての真空バルブが示されている。

真空バルブはバルブハウジング１を備えている。本実施形態では、バルブハウジング１は、その基体１ａに対してねじ止めされている蓋体１ｂを備えている。基体１ａには、第１バルブコネクタ１ｃが設けられている。バルブハウジング１の第２バルブコネクタ１ｄは、ボルト２の頭部２ａおよびその下に配置されるワッシャのうち少なくとも一方によりバルブハウジング１に対して連結されている。第２バルブコネクタ１ｄは、弾性の第１シール要素３ｂによって基体１ａに対して封止されている。第２バルブコネクタ１ｄに配置されたシール面に載置されている弾性の第２シール要素３ｃの外側が当接状態で配置されている支持要素３ａに、第１シール要素３ｂが配置されている。第２シール要素３ｃは、真空バルブをその閉塞状態で封止するための真空バルブの動的シール要素を構成する。

第２バルブコネクタ１ｄは、基体１ａと一体的に構成され、あるいは、基体１ａに溶接されてもよく、第１シール要素３ｂが省略されてもよい。第１バルブコネクタ１ｃは、別個の部材により構成され、基体１ａに対してたとえばネジ止めにより連結されてもよく、基体１ａおよび第１バルブコネクタ１ｃの間にシール要素が配置されてもよい。

第１バルブコネクタ１ｃおよび第２バルブコネクタ１ｄは、真空チャンバまたは真空チャネルなどの他の真空コンポーネントに接続するためのフランジが設けられている。

第１バルブコネクタ１ｃおよび第２バルブコネクタ１ｄのそれぞれは、真空バルブの第１バルブ開口部５および第２バルブ開口部６のそれぞれを構成する。第１バルブコネクタ１ｃおよび第２バルブコネクタ１ｄは省略されてもよく、第１バルブ開口部５および第２バルブ開口部６は、基体１ａまたは基体１ａに直接的に配置されているフランジに直接的に配置されてもよい。

本実施形態における真空バルブはアングルバルブとして構成されている。第１バルブ開口部５の第１軸線７および第２バルブ開口部６の第２軸線８は、相互に傾斜してまたは垂直に配置されている。

平板状に形成された閉塞要素９が、バルブハウジング１の内部に配置されている。真空バルブの閉塞状態（＝密封状態）において、閉塞要素９は閉位置にあって、バルブシート４に対して押し付けられる。本実施形態では、バルブシート４は、第２バルブコネクタ部１ｄに配置された、好ましくは平坦なシール面およびそこに載置されている第２シール要素３ｃによって構成されている。第２シール要素３ｃが載置されているシール面は、基体１ａなど、バルブハウジング１の他の部分に配置されてもよい。他の実施形態において、閉塞要素９に弾性シール要素が配置され、バルブシートがバルブハウジング１のシール面によってのみ構成されてもよい。

閉塞要素９が開位置にあってバルブシート４から離間している真空バルブの全開状態から（図４参照）、真空バルブを閉塞するため、閉塞要素９は閉方向１０に線形的に（直線的に）変位する。閉塞要素９がバルブシート４に対して押し付けられている真空バルブの閉塞状態から（図６参照）、閉塞要素９が閉方向１０とは反対方向に直線的に変位する。

本実施形態では、第１軸線７が閉方向１０に対して平行に延在している。他の実施形態では、第１軸線７が閉方向１０に対して傾斜して延在していてもよい。この場合、バルブシート４がバルブハウジング１に対して相応する角度をなして配置されている。

閉塞要素９を開位置および閉位置の間で直線的に移動させるため、手動で作動可能な回転要素１１を有する手動運転装置が用いられる。手動運転装置として、ロータリーノブまたはハンドルが用いられてもよい。回転要素１１は、閉方向１０に対して平行なまたは一致する回転軸線１２の回りに回転可能である。

回転要素１１が回転されることにより、ネジ式伝達機構が作動する。当該ネジ式伝達機構は、回転要素１１に対して回転不能に固定して接続された第１駆動要素１３、および、閉塞要素９に対して回転軸線１２の方向に変位不能となるように固定して接続されている第２駆動要素１４を備えている。一方の駆動要素（本実施形態では第１駆動要素１３）には雄ネジが設けられ、他方の駆動要素（本実施形態では第２駆動要素１４）には雌ネジが設けられている。当該雄ネジおよび当該雌ネジは螺合されている。雄ネジが設けられている一方の駆動要素としてスピンドルボルトが用いられ、雌ネジが設けられている他方の駆動要素としてスピンドルナットが用いられてもよい。

回転要素１１に接続された第１駆動要素１３に雌ネジが設けられ、閉塞要素９に接続された第２駆動要素１４に雄ネジが設けられている実施形態も可能である。

本実施形態では、第２駆動要素１４は、回転軸線１２に対して平行に延在する、閉塞要素９を支持するバルブロッドの形態で構成されている。閉塞要素９とは反対にある端部においてバルブロッドには雌ネジが設けられているブラインドボアが設けられている。バルブロッドには貫通孔が設けられていてもよい。

第２駆動要素１４は、バルブハウジング１から蓋体１ｂの領域に案内される。蓋体１ｂは、ガイドスリーブ１５の形態の部分を有することが好ましい。

蓋体１ｂおよび閉塞要素９の間で閉塞バネ１６が作用している。閉塞バネ１６は、一端で蓋体１ｂに当接し、他端で閉塞要素９に当接している。閉塞要素９に当接する代わりに、第２駆動要素１４の突起に当接していてもよい。

回転要素１１およびこれに連結されている第１駆動要素１３は、閉方向１０およびその反対方向に、バルブハウジング１に対して一定範囲で変位可能である。閉方向１０への変位は支持ストッパ１７によって制限される。閉方向１０の反対方向への変位は、少なくとも回転ストッパ１８に作用する力の限界値まで、回転ストッパ１８により制限される。

以下でより詳細に説明されるように、回転ストッパ１８は、図１〜図１２に示されている本実施形態ではバルブハウジング１に取り付けられているバネアーム２２のように、バルブハウジング１に取り付けられている少なくとも一部に配置されている。

支持ストッパ１７は、バルブハウジング１に対して閉方向１０に変位不能であり、好ましくはその反対方向にも変位不能である。支持ストッパ１７は、蓋体１ｂから突出する環状要素など、バルブハウジング１の一部により構成されている。支持ストッパ１７は、バルブハウジング１に固定してまたは回転可能に連結された部分によって構成されてもよい。

真空バルブが全開している閉塞要素９の開位置において、開位置および閉位置の中間位置と同様に閉塞要素９がバルブシート４から離間している限り、回転要素１１は、支持ストッパ１７のストッパ面１９に当接し、回転要素１１、第１駆動要素１３と螺合により連結されている第２駆動要素１４、および第２駆動要素１４に対して連結されている閉塞要素９が、閉塞バネ１６の付勢力により実現される閉方向１０への移動に対して支持される。ストッパ面１９が第１駆動要素１３の突起に配置されていてもよい。

閉塞要素９の開位置から真空バルブを閉塞するため、回転要素１１が閉回転方向２０に回転される。第２シール要素３ｃが圧縮されていないまま閉塞要素９がバルブシート４に当接するまで（閉塞要素９による最初の接触するまで）接近する（図５および図７参照）。回転ストッパ１８と相互作用する閉塞要素９のストッパ面２１は閉塞要素９が当該位置にあるときはまだ回転ストッパ１８から離間している。回転要素１１が閉回転方向２０にさらに回転されると、第２シール要素３ｃが閉塞バネ１６によって圧縮され、ストッパ面１９が支持ストッパ１７から離間し、第１駆動要素１３が回転要素１１とともにバルブハウジング１に対して閉方向１０の反対方向に変位する。ストッパ面１９が支持ストッパ７から離間すると、ただちに閉塞要素９が閉位置に到達する。ストッパ面２１が回転ストッパ１８から離間している場合はこの状態である。バルブシート４に対して閉塞要素９を押圧するシール力は、この状態で閉塞バネ１６からのみ作用する。

閉塞要素９が閉回転方向２０にさらに回転されると、第１駆動要素１３が閉塞要素９とともに、バルブハウジング１に対して閉方向１０とは反対方向に変位し、ストッパ面２１が回転ストッパ１８に到達するまで、ストッパ面２１が回転ストッパ１８に接近する。これにより、真空バルブが完全に閉塞され、閉塞要素９が閉位置にあることを触覚的にユーザに知らせることができる（図６および図８参照）。

真空バルブが完全に閉じていることと、閉塞要素９が閉位置にあることを視覚的な方法でユーザに知らせるため、好ましくは色彩が付され、かつ、ストッパ面２１が回転ストッパ１８に当接するまで、支持ストッパ１７を構成する環状要素から動かされる標識リング２７が回転要素１１に配置される（図６参照）。

回転要素１１が閉回転方向２０にさらに回転された際、閉塞要素９から第２シール要素３ｃに作用する力が増大する。閉回転方向２０について回転体１１に作用する回転モーメントが限界値を超えた場合、回転ストッパ１８がストッパ面２１に回転ストッパ１８を通過させることができる。図９には、回転ストッパ１８を通過した状態が示されている。手動運転装置から第２シール用３ｃに作用する最大の力が制限される。

ストッパ面２１に保持される回転ストッパ１８から作用する最大の力は、閉塞バネ１６により閉位置にある閉塞要素９に作用する力よりも小さいことが好ましい。

閉塞要素９をバルブシート４に押し付ける閉塞バネ１６による付勢力は、シール単位長さ当たり０．５〜１０［Ｎ／ｍｍ］の範囲に含まれ、シール単位長さ当たり１〜４［Ｎ／ｍｍ］の範囲に含まれることが好ましい。

本実施形態の回転ストッパ１８は、各バネアーム２２が配置されている複数の突起により構成されている。複数のバネアーム２２は回転軸線１２の周方向について相互に離間して配置され、ストッパ面２１を有する回転要素１１のリングバンド２３と相互作用している。リングバンド２３が突起に対する力によってバネアーム２２に押し付けられた際、バネアーム２２の突起がリングバンド２３に対してスライドするまで、バネアーム２２が捻じ曲げられる。

バルブハウジング１が基体１ａおよび蓋体１ｂを備えている実施形態において、回転要素１１および閉塞要素９の間の連結部分は蓋体１ｂの開口部を通じて延在し、蓋体１ｂの外側にバネアーム２２が取り付けられ、かつ、回転要素１１に向かう方向に蓋体１ｂから突出している。

回転ストッパの他の実施形態が可能である。

第１駆動要素１３および第２駆動要素１４の相互作用するネジは、左ネジとして構成されることが好ましい。閉回転方向２０は、直感的に時計回り方向である。

真空バルブを開放するため、回転要素１１が閉回転方向２０とは反対の開回転方向２４に回転される。第２駆動要素１２において閉塞要素９の反対側にあるストッパによって、第１駆動要素２４の開回転方向２４への回転が、閉塞要素９が開位置に到達するところで制限される。

バルブハウジング１の内部空間は、外部空間から遮断された真空領域を構成する。本実施形態では、真空領域を封止するためにベローズ２５が設けられている。ベローズ２５は、一端において閉塞要素９に対して溶接などにより真空気密に連結され、他端においてバルブハウジング１に真空気密に連結されている。シールリング２６を介してバルブハウジング１の基体１ａに対してシールリング２６によって封止されているフランジディスクがベローズ２５に溶接されてもよい。蓋体１ｂおよび基体１ａの間にシール要素は不要である。

本実施形態では、起伏があるベローズとして構成されているベローズ２５が概略的にのみ図示されている（起伏が中央領域に図示されていない。）。ベローズ２５は、折り畳み式ベローズまたはダイアフラムベローズとして構成されてもよい。

本実施形態では、閉塞要素９および第２駆動要素１４の回転軸線１２の回りの回転がベローズ２５により防止されている。閉塞要素９は第２駆動要素１４に対して回転不能に連結されている。

手動運転装置によって実行されるバルブハウジング１を通じた案内に対して、バルブハウジング１の真空領域型の方法で封止されてもよい。たとえば、ガイドスリーブ１５およびロッド状の第２駆動要素１４の間にシールリングが設けられてもよい。この場合、第２駆動要素１４において閉塞要素９と反対側の端部領域の外側に設けられ、蓋体１ｂにおける軸線溝またはガイドスリーブ１５に延在しているノーズによって、第２駆動要素１４のための別個の回転防止要素が構成されてもよい。

本発明の変形実施形態において、図示されている支持ストッパ１７に代えて、そのような支持ストッパが、たとえば回転要素１１に対向するガイドスリーブ１５の端面１７’によって構成され、ガイドスリーブ１５が蓋体１ｂの隣接領域から突出する端部領域に設けられてもよい（図４参照）。当該端面１７’により構成される支持ストッパと相互作用するストッパ面が、リングバンド２３が配置されている（図４および図７参照）。面１７’および面１９’が真空バルブの開放状態において相互に当接し、真空バルブの開放状態における面１７および面１９の間隔が利用され、または蓋体１ｂにおいて面１９が有する環状要素が省略されてもよい。

本発明の真空バルブの構成により、手動運転装置を有する真空バルブと同様に、空気圧式または電動式の装置などの自動装置（機械式装置）を有する真空バルブが簡単な方法で実現可能な組み立てシステムが提供される。たとえば、図１〜図１２に示されているバルブにおいて、空気圧式の駆動装置を構成するため、第１駆動要素１３が取り付けられている回転要素１１が蓋体１ｂと同様に省略されてもよい。図示されている蓋体１ｂに代えて、空気圧式のピストンシリンダユニットのシリンダが基体１ａに対して連結されてもよい。シリンダの内部に配置されたピストンが、第２駆動要素１４の雌ネジに螺合される雄ネジを有するピストンロッドを備えていてもよい。この場合、螺合状態からの回転を伴わずに、空気圧式のピストンシリンダユニットにより閉塞要素９が駆動される。

本発明の他の実施形態が図１３に示されている。ここでは手動運転装置およびバルブハウジング１の一部のみが示されている。構成は、以下に説明する相違点を除いて前記実施形態に対応している。

回転要素１１に連結されている第１駆動要素１３’が雄ネジを備え、雌ネジを備えている第２駆動要素１４に螺合される。閉塞要素９に連結されている第２駆動要素１４’は、カップ形状に形成されている。

回転ストッパ１８’が、回転要素１１から離れている第１駆動要素１３’の端部にある環状の突起により構成されている。閉塞要素９の閉位置において、回転要素１１の閉回転方向２０への回転を制限するため、回転ストッパ１８’が第２駆動要素１４’の傾斜面２１’に対して傾斜している。これにより、回転要素１１の閉回転方向２０へのさらなる回転が防止される。本実施形態では、閉回転方向２０について回転要素１１に対して作用する回転モーメントによりストッパ面２１’が第２駆動要素１４に対して当接した際、閉塞要素９をバルブハウジング１に対して封止するシール要素２６がさらに押圧されない。通過することができるように回転ストッパ１８’が構成される必要はない。

図１３に示されている実施形態において、シール要素２６が閉塞要素９に配置されているが、これに代えてバルブシートが、たとえばシールユニット３のシール要素３ｃに対応するシール要素を備えていてもよい。

本発明の思想から逸脱しない範囲で前記実施形態が変更されてもよい。たとえば、第１軸線７および第２軸線８が相互に平行になるように、第１バルブ開口部５および第２バルブ開口部６がバルブハウジング１の対向する側に配置されてもよい。バルブシート４が第１軸線７および第２軸線８に対して傾斜してバルブハウジング１に配置されてもよく、回転軸線１２も第１軸線７および第２軸線８に対して傾斜して配置されてもよい。

本発明の真空バルブによれば、閉塞要素およびバルブシートが前記実施形態とは異なる実施形態であってもよい。閉塞要素が楔形状に形成され、これに相当する形状に形成されたバルブシートと相互作用してもよい。閉塞要素またはバルブシートに配置され、相手側の構成要素のシール面に当接するシール要素が、前記実施形態とは異なる公知の３次元形状を有していてもよい。

１‥バルブハウジング、１ａ‥基体、１ｂ‥蓋体、１ｃ‥第１バルブコネクタ、１ｄ‥第２バルブコネクタ、２‥ボルト、２ａ‥ボルト頭部、３‥シールユニット、３ａ‥支持要素、３ｂ‥シール要素、３ｃ‥シール要素、４‥バルブシート、５‥第１バルブ開口部、６‥第２バルブ開口部、７‥第１軸線、８‥第２軸線、９‥閉塞要素、１０‥閉方向、１１‥回転突片、１２‥回転軸線、１３、１３’‥第１駆動要素、１４、１４’‥第２駆動要素、１５‥案内シース、１６‥閉塞バネ、１７‥支持ストッパ、１８、１８’‥回転ストッパ、１９‥ストッパ面、２０‥閉回転方向、２１、２１’‥ストッパ面、２２‥バネアーム、２３‥リングバンド、２４‥開回転方向、２５‥ベローズ、２６‥シール要素、２７‥標識リング

Claims (11)

1. 真空バルブであって、バルブシート（４）を有するバルブハウジング（１）と、前記真空バルブが閉塞状態にある閉位置において前記バルブシート（４）に対して当接する一方、前記真空バルブが開放状態にある開位置において前記バルブシート（４）から離間する閉塞要素（９）と、前記閉塞要素（９）を閉方向（１０）に対して開位置から閉位置まで駆動する一方、当該閉方向（１０）とは反対方向に閉位置から開位置まで駆動する手動機構と、を備え、
   前記手動機構が、回転要素（１１）により作動可能であり、前記回転要素（１１）に対して連結されている第１駆動要素（１３）（１３’）および前記閉塞要素（９）に対して連結されている第２駆動要素（１４）（１４’）を有するねじ式駆動機構を備え、前記第１駆動要素（１３）（１３’）および前記第２駆動要素（１４）（１４’）のうち一方の駆動要素が雄ネジを有し、他方の駆動要素が雌ネジを有して螺合しており、前記回転要素（１１）が閉回転方向（２０）に回転することにより開位置にある前記閉塞要素（９）が閉方向（１０）に駆動され、前記回転要素（１１）が前記閉回転方向（２０）とは反対の開回転方向（２４）に回転することにより閉位置にある前記閉塞要素（９）が閉方向（１０）とは反対方向に駆動され、前記閉塞要素（９）を閉位置において閉方向（１０）に対して付勢する閉塞バネ（１６）が設けられ、
   前記閉塞バネ（１６）が前記バルブハウジング（１）および前記閉塞要素（９）の間に作用し、前記閉塞要素（９）を開位置においても閉方向（１０）に付勢し、
   前記第１駆動要素（１３）（１３’）が前記バルブハウジング（１）に対して閉方向（１０）に平行に変位可能であり、前記回転要素（１１）または前記第１駆動要素（１３）（１３’）のストッパ面（１９）が当接する支持ストッパ（１７）によって前記閉塞要素（９）が開位置に保持されることを特徴とする真空バルブ。
2. 請求項１記載の真空バルブにおいて、
   前記閉塞要素（９）の閉位置において、回転ストッパ（１８）（１８’）によって前記回転要素（１１）の閉回転方向（２０）に対する回転が制限されることを特徴とする真空バルブ。
3. 請求項２記載の真空バルブにおいて、
   前記回転ストッパ（１８）により前記回転要素（１１）の回転が閉回転方向（２０）に制限される際、前記回転要素（１１）または前記第１駆動要素（１３）が前記回転ストッパ（１８）に対して当接することを特徴とする真空バルブ。
4. 請求項３記載の真空バルブにおいて、
   前記回転要素（１１）に対して閉回転方向（２０）に作用する回転モーメントの限界値を超えた際、前記回転ストッパ（１８）がこれに対して当接する前記回転要素（１１）または前記第１駆動要素（１３）を破損することなく乗り越えることが可能であり、前記回転ストッパ（１８）の当該乗り越えの応力は、前記閉塞バネ（１６）から閉位置にある前記閉塞要素（９）に対して作用する力よりも弱いことを特徴とする真空バルブ。
5. 請求項４記載の真空バルブにおいて、
   前記回転ストッパ（１８）が、バネアーム（２２）が設けられた少なくとも１つの突出部により構成されていることを特徴とする真空バルブ。
6. 請求項５記載の真空バルブにおいて、
   少なくとも１つの前記バネアーム（２２）が前記バルブハウジング（１）に取り付けられていることを特徴とする真空バルブ。
7. 請求項１または２記載の真空バルブにおいて、
   前記回転ストッパ（１８）によって前記回転要素（１１）の閉回転方向への回転が制限される際、雄ネジを有する前記一方の駆動要素（１３’）（１４’）のバネが前記他方の駆動要素（１４’）（１３’）に対して当接することを特徴とする真空バルブ。
8. 請求項１〜７のうちいずれか１つに記載の真空バルブにおいて、
   前記回転要素（１１）に対して連結されている前記第１駆動要素（１３）（１３’）が雄ネジを有することを特徴とする真空バルブ。
9. 請求項８記載の真空バルブにおいて、
   前記第２駆動要素（１４）が、前記閉塞要素（９）に対して連結され、雌ネジを有するバルブロッドにより構成されていることを特徴とする真空バルブ。
10. 請求項１〜９のうちいずれか１つに記載の真空バルブにおいて、
    螺合状態にある前記第１駆動要素（１３）（１３’）および前記第２駆動要素（１４）（１４’）のそれぞれのネジが左ネジであることを特徴とする真空バルブ。
11. 請求項１〜１０のうちいずれか１つに記載の真空バルブにおいて、
    前記第２駆動要素（１４）（１４’）が前記バルブハウジングに対して変位可能に設けられていることを特徴とする真空バルブ。