JP2015195164A - 非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする塩(以下、「金属塩」又は単に「塩」ということがある。)とヘテロ原子を有する有機溶媒とを含み、振動分光スペクトルにおける有機溶媒由来のピーク強度につき、有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、有機溶媒本来のピークが波数シフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioである。
金属塩は、通常、電池の電解液に含まれるLiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiAlCl4、などの電解質として用いられる化合物であれば良い。金属塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、及びアルミニウムを挙げることができる。金属塩のカチオンは、電解液を使用する電池の電荷担体と同一の金属イオンであるのが好ましい。例えば、本発明の電解液をリチウムイオン二次電池用の電解液として使用するのであれば、金属塩のカチオンはリチウムが好ましい。
(R1は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R2は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rb、Rc、Rdは、R1又はR2と結合して環を形成しても良い。)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
X3は、SO2、C=O、C=S、ReP=O、RfP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Re、Rfは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Re、Rfは、R3と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R5は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R6は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R4、R5、R6のうち、いずれか二つ又は三つが結合して環を形成しても良い。
X4は、SO2、C=O、C=S、RgP=O、RhP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X5は、SO2、C=O、C=S、RiP=O、RjP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X6は、SO2、C=O、C=S、RkP=O、RlP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、R4、R5又はR6と結合して環を形成しても良い。)
(R7、R8は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R7とR8は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X7は、SO2、C=O、C=S、RmP=O、RnP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X8は、SO2、C=O、C=S、RoP=O、RpP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rm、Rn、Ro、Rpは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rm、Rn、Ro、Rpは、R7又はR8と結合して環を形成しても良い。)
(R9は、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X9は、SO2、C=O、C=S、RqP=O、RrP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rq、Rrは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rq、Rrは、R9と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R10、R11、R12は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
R10、R11、R12のうちいずれか二つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。また、R10、R11、R12の三つが結合して環を形成しても良く、その場合、三つのうち二つの基が2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たし、一つの基が2n−1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X10は、SO2、C=O、C=S、RsP=O、RtP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X11は、SO2、C=O、C=S、RuP=O、RvP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X12は、SO2、C=O、C=S、RwP=O、RxP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、R10、R11又はR12と結合して環を形成しても良い。)
(R13、R14は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R13とR14は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
(R15は、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。)
(R16、R17、R18は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
R16、R17、R18のうちいずれか二つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+eを満たす。また、R16、R17、R18の三つが結合して環を形成しても良く、その場合、三つのうち二つの基が2n=a+b+c+d+eを満たし、一つの基が2n−1=a+b+c+d+eを満たす。)
ヘテロ元素を有する有機溶媒としては、ヘテロ元素が窒素、酸素、硫黄、ハロゲンから選択される少なくとも1つである有機溶媒が好ましく、ヘテロ元素が窒素又は酸素から選択される少なくとも1つである有機溶媒がより好ましい。また、ヘテロ元素を有する有機溶媒としては、NH基、NH2基、OH基、SH基などのプロトン供与基を有さない、非プロトン性溶媒が好ましい。
(R19、R20は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。n、a、b、c、d、e、m、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。)
本発明の電解液におけるd/cは0.15≦d/c≦0.71であり、0.15≦d/c≦0.56の範囲内が好ましく、0.25≦d/c≦0.56の範囲内がより好ましく、0.26≦d/c≦0.50の範囲内がさらに好ましく、0.27≦d/c≦0.47の範囲内が特に好ましい。
負極は、集電体と、集電体表面に結着させた負極活物質層とを有する。
集電体は、非水系二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
負極活物質層は負極活物質と一般にバインダを含む。さらに導電助剤を含むことが好ましい。
非水系二次電池に用いられる正極は、電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を有する。正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を含む。正極の集電体は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はなく、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。なお、本発明の非水系二次電池がリチウムイオン二次電池であり、正極の電位をリチウム基準で4V以上とする場合には、アルミニウム製の集電体を採用するのが好ましい。
本発明の電解液はアルミニウム製の集電体を腐食させ難い。つまり、本発明の電解液を使用するとともに正極にアルミニウム集電体を用いた非水系二次電池は、高電位でもAlの溶出が起こり難いと考えられる。Alの溶出が起こり難いとされる理由は明確ではないが、本発明の電解液は、従来の電解液とは金属塩と有機溶媒の種類、存在環境および金属塩濃度が異なる。このため、従来の電解液に比べて、本発明の電解液に対するAlの溶解性が低いのではないかと推測される。
集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
本発明の電解液を用いる非水系二次電池において、負極表面および/または正極表面には本発明の電解液に由来する特殊構造のSEI皮膜が生成する。このような特殊構造のSEI皮膜は、本発明の電解液との協働によって、非水系二次電池の電池特性の向上(電池寿命の向上や入出力特性の向上等)に寄与する。この特殊構造のSEI皮膜(必要に応じてS,O含有皮膜と呼ぶ)は、後述するように、少なくともSおよびOを含み、S=O構造を有するものである。
<電解液の作製>
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLi(以下、LiFSAという)を徐々に加え、溶解させた。LiFSAを全量で16.83g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。得られた本発明の電解液におけるLiFSAの濃度は4.5mol/Lであり、LiFSAの1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
得られた本発明の電解液と、アセトニトリルと、LiFSAについて、以下の条件でIR測定を行った。2100〜2400cm−1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図1〜図3に示す。図の横軸は波数(cm−1)であり、縦軸は吸光度(反射吸光度)である。
装置:FT−IR(ブルカーオプティクス社製)
測定条件:ATR法(ダイヤモンド使用)
測定雰囲気:不活性ガス雰囲気下
3.74gのLiFSAを用い、実施例1と同様の方法で、LiFSAの濃度が1.0mol/Lである比較例1の電解液を製造した。比較例1の電解液においては、LiFSAの1分子に対しアセトニトリル17分子が含まれている。
落球式粘度計(AntonPaar GmbH(アントンパール社)製 Lovis 2000 M)を用い、Ar雰囲気下、試験セルに電解液を封入し、30℃の条件下で粘度を測定した。
Ar雰囲気下、白金極を備えたセル定数既知のガラス製セルに、電解液を封入し、30℃、1kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
実施例1に係る本発明の電解液と、比較例1に係る電解液の揮発性を以下の方法で測定した。
実施例1及び比較例1の電解液のLi輸率を以下の条件で測定した。結果を表5に示す。
Li輸率=(Liイオン拡散係数)/(Liイオン拡散係数+アニオン拡散係数)
伊藤黒鉛工業株式会社製品名SG−BH8(平均粒径8μm)98質量部、ならびに結着剤であるSBR1質量部およびCMC1質量部を混合した。この混合物を適量のイオン交換水に分散させて、スラリーを作製した。なお、用いた黒鉛粒子のアスペクト比は2.1であり、X線回折で測定したI(110)/I(004)が0.035であった。
正極は、正極活物質層と、正極活物質層で被覆された集電体とからなる。正極活物質層は、正極活物質と、結着剤と、導電助剤とを有する。正極活物質は、LiNi0.5Co0.2MnO2からなる。結着剤は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる。導電助剤は、アセチレンブラック(AB)からなる。集電体は、厚み20μmのアルミニウム箔からなる。正極活物質層を100質量部としたときの、正極活物質と結着剤と導電助剤との含有質量比は、94:3:3である。
上記の正極、負極及び実施例1の本発明の電解液を用いて、ラミネート型リチウムイオン二次電池を製作した。詳しくは、正極および負極の間に、セパレータとしてセルロース不織布(厚み20μm)を挟装して極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに上記電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたラミネート型リチウムイオン二次電池を得た。なお、正極および負極は外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部はラミネート型リチウムイオン二次電池の外側に延出している。以下、便宜上、このリチウム二次電池を実施例1のリチウム二次電池という。実施例1のリチウム電池、および、以下の各実施例、各試験例および各参考試験例のリチウム電池、リチウムイオン二次電池の詳細を、実施例の欄の文末の表32に示す。
活物質にアスペクト比が6.5の黒鉛(SECカーボン株式会社のSNOグレード(平均粒径10μm))を用いたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製し、負極活物質層の目付けが実施例1と同程度の負極を形成した。その他は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。X線回折で測定したI(110)/I(004)は0.027であった。
本発明の電解液に代えてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
(評価例6:入力特性)
実施例1と比較例1,2のリチウムイオン電池を用い、以下の条件で入力(充電)特性を評価した。
(1) 使用電圧範囲:3V−4.2V
(2) 容量:13.5mAh
(3) SOC80%
(4) 温度:0℃、25℃
(5) 測定回数:各3回
本発明の電解液を以下のとおり製造した。
なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Aと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が2.8mol/Lであり、密度が1.36g/cm3である、電解液Bを製造した。
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。所定の(CF3SO2)2NLiを加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。これを電解液Cとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Cは、(CF3SO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lであり、密度が1.52g/cm3であった。
電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.0mol/Lであり、密度が1.31g/cm3である、電解液Dを製造した。
有機溶媒としてスルホランを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.0mol/Lであり、密度が1.57g/cm3である、電解液Eを製造した。
有機溶媒としてジメチルスルホキシドを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.2mol/Lであり、密度が1.49g/cm3である、電解液Fを製造した。
リチウム塩として(FSO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.0mol/Lであり、密度が1.33g/cm3である、電解液Gを製造した。
電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が3.6mol/Lであり、密度が1.29g/cm3である、電解液Hを製造した。
電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が2.4mol/Lであり、密度が1.18g/cm3である、電解液Iを製造した。
有機溶媒としてアセトニトリルを用いた以外は、電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.0mol/Lであり、密度が1.40g/cm3である、電解液Jを製造した。
電解液Jと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lであり、密度が1.34g/cm3である、電解液Kを製造した。
有機溶媒であるジメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で14.64g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジメチルカーボネートを加えた。これを電解液Lとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Lと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lであり、密度が1.36g/cm3である、電解液Mを製造した。
有機溶媒であるエチルメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のエチルメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で12.81g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでエチルメチルカーボネートを加えた。これを電解液Nとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Nにおける(FSO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであり、電解液Nの密度は1.35g/cm3であった。
有機溶媒であるジエチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジエチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で11.37g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジエチルカーボネートを加えた。これを電解液Oとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Oにおける(FSO2)2NLiの濃度は3.0mol/Lであり、電解液Oの密度は1.29g/cm3であった。
表8に上記電解液の一覧を示す。
本発明の電解液を以下のとおり製造した。
なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
16.08gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E1と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が2.8mol/Lである電解液E2を製造した。電解液E2においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン2.1分子が含まれている。
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(CF3SO2)2NLiを全量で19.52g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。これを電解液E3とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E3における(CF3SO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであった。電解液E3においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル3分子が含まれている。
24.11gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lである電解液E4を製造した。電解液E4においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル1.9分子が含まれている。
リチウム塩として13.47gの(FSO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が3.6mol/Lである電解液E5を製造した。電解液E5においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン1.9分子が含まれている。
14.97gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E5と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.0mol/Lである電解液E6を製造した。電解液E6においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン1.5分子が含まれている。
リチウム塩として15.72gの(FSO2)2NLiを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lである電解液E7を製造した。電解液E7においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル3分子が含まれている。
16.83gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lである電解液E8を製造した。電解液E8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
18.71gの(FSO2)2NLiiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.0mol/Lである電解液E9を製造した。電解液E9においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.1分子が含まれている。
20.21gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.4mol/Lである電解液E10を製造した。電解液E10においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2分子が含まれている。
有機溶媒であるジメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で14.64g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジメチルカーボネートを加えた。これを電解液E11とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E11における(FSO2)2NLiの濃度は3.9mol/Lであった。電解液E11においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が3.4mol/Lの電解液E12とした。電解液E12においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lの電解液E13とした。電解液E13においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート3分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.6mol/Lの電解液E14とした。電解液E14においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート3.5分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.0mol/Lの電解液E15とした。電解液E15においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート5分子が含まれている。
有機溶媒であるエチルメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のエチルメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で12.81g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでエチルメチルカーボネートを加えた。これを電解液E16とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E16における(FSO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであった。電解液E16においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lの電解液E17とした。電解液E17においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.2mol/Lの電解液E18とした。電解液E18においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート3.5分子が含まれている。
有機溶媒であるジエチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジエチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で11.37g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジエチルカーボネートを加えた。これを電解液E19とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E19における(FSO2)2NLiの濃度は3.0mol/Lであった。電解液E19においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.6mol/Lの電解液E20とした。電解液E20においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.0mol/Lの電解液E21とした。電解液E21においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート3.5分子が含まれている。
5.74gの(CF3SO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2−ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C1を製造した。電解液C1においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン8.3分子が含まれている。
5.74gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C2を製造した。電解液C2においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル16分子が含まれている。
3.74gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E5と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C3を製造した。電解液C3においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2−ジメトキシエタン8.8分子が含まれている。
3.74gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C4を製造した。電解液C4においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル17分子が含まれている。
有機溶媒としてエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3:7、以下、「EC/DEC」ということがある。)を用い、リチウム塩として3.04gのLiPF6を用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、LiPF6の濃度が1.0mol/Lである電解液C5を製造した。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C6とした。電解液C6においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート10分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C7とした。電解液C7においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート8分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C8とした。電解液C8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート7分子が含まれている。
電解液E3、電解液E4、電解液E7、電解液E8、電解液E10、電解液C2、電解液C4、並びに、アセトニトリル、(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLiにつき、以下の条件でIR測定を行った。2100〜2400cm−1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図5〜図14に示す。さらに、電解液E11〜E21、電解液C6〜C8、並びに、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートにつき、下記の条件でIR測定を行った。1900〜1600cm−1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図15〜図31に示す。また、(FSO2)2NLiにつき、1900〜1600cm−1の範囲のIRスペクトルを図32に示す。図の横軸は波数(cm−1)であり、縦軸は吸光度(反射吸光度)である。
装置:FT−IR(ブルカーオプティクス社製)
測定条件:ATR法(ダイヤモンド使用)
測定雰囲気:不活性ガス雰囲気下
電解液E1、E2、電解液E4〜E6、E8、E11、E16およびE19のイオン伝導度を以下の条件で測定した。結果を表10に示す。
Ar雰囲気下、白金極を備えたセル定数既知のガラス製セルに、電解液を封入し、30℃、1kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
電解液E1、E2、電解液E4〜E6、E8、E11、E16およびE19並びに電解液C1〜C4、電解液C6〜C8の粘度を以下の条件で測定した。結果を表11に示す。
落球式粘度計(AntonPaar GmbH(アントンパール社)製 Lovis 2000 M)を用い、Ar雰囲気下、試験セルに電解液を封入し、30℃の条件下で粘度を測定した。
電解液E2、E4、E8、E11、E13、C1、C2、C4およびC6の揮発性を以下の方法で測定した。
電解液E4、電解液C2の燃焼性を以下の方法で試験した。
電解液E11、E13、E16、E19をそれぞれ容器に入れ、不活性ガスを充填して密閉した。これらを−30℃の冷凍庫に2日間保管した。保管後に各電解液を観察した。いずれの電解液も固化せず液体状態を維持しており、塩の析出も観察されなかった。
電解液E8、E9、C4、並びに、E11、E13、E15、C6につき、以下の条件でラマンスペクトル測定を行った。各電解液の金属塩のアニオン部分に由来するピークが観察されたラマンスペクトルをそれぞれ図33〜図39に示す。図の横軸は波数(cm−1)であり、縦軸は散乱強度である。
ラマンスペクトル測定条件
装置:レーザーラマン分光光度計(日本分光株式会社NRSシリーズ)
レーザー波長:532nm
不活性ガス雰囲気下で電解液を石英セルに密閉し、測定に供した。
電解液E2およびC5のLi輸率を以下の条件で測定した。結果を表13に示す。なお、表13には実施例1で用いた電解液(E8)および比較例1で用いた電解液(C4)の結果も併記した。Li輸率測定条件は上記実施例1および比較例1の電解液のLi輸率を測定したときと同じである。
また、電解液E8につき、温度を変化させた場合のLi輸率を、上記Li輸率測定条件に準じて測定した。結果を表14に示す。
正極は、正極活物質層と、正極活物質層で被覆された集電体とからなる。正極活物質層は、正極活物質と、結着剤と、導電助剤とを有する。正極活物質は、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2からなる。結着剤は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる。導電助剤は、アセチレンブラック(AB)からなる。集電体は、厚み20μmのアルミニウム箔からなる。正極活物質層を100質量部としたときの、正極活物質と結着剤と導電助剤との含有質量比は、94:3:3である。
電解液E11にかえて、電解液としてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した電解液C5を用いたこと以外は実施例2と同様にしてリチウム二次電池を得た。
(評価例15:サイクル耐久性)
実施例2、比較例4のリチウム二次電池を用い、それぞれ温度25℃、1CのCC充電の条件下において4.1Vまで充電し、1分間休止した後、1CのCC放電で3.0Vまで放電し、1分間休止するサイクルを500サイクル繰り返すサイクル試験を行った。500サイクル目における放電容量維持率を測定し、結果を表15に示す。放電容量維持率は、500サイクル目の放電容量を初回の放電容量で除した値の百分率((500サイクル目の放電容量)/(初回の放電容量)×100)で求められる値である。サイクル試験中の放電容量維持率の変化を図40に示す。
以下、試験例及び参考試験例を挙げて、本発明の非水系二次電池が採り得るその他の態様をさらに詳しく説明する。以下、試験例の非水系二次電池をEBとし、参考試験例の非水系二次電池をCBとする。EBとCBとの違いは電解液にあり、EBは本発明の電解液を用いたものである。
上述したように、本発明の電解液を用いた非水系二次電池の負極には、皮膜(S,O含有皮膜)が形成される。参考までに、S,O含有皮膜の分析結果を以下に挙げる。なお、以下の非水系二次電池には、既述のものも含まれている。
電解液E8を用いたリチウムイオン二次電池EB1を以下のとおり製造した。正極は、実施例1のリチウムイオン二次電池の正極と同様に製造し、負極は実施例2のリチウムイオン二次電池の負極と同様に製造した。その他、セパレータとして実験用濾紙(東洋濾紙株式会社、セルロース製、厚み260μm)を用いた事以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池EB1を得た。
リチウムイオン二次電池EB2は、電解液E4を用いたこと以外はEB1と同様である。
リチウムイオン二次電池EB3は、電解液E11を用いたこと以外はEB1と同様である。
リチウムイオン二次電池EB4は電解液E11を用いたこと、正極活物質と導電助剤と結着剤との混合比、およびセパレータ以外はEB1と同様である。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。正極における活物質層の目付量は5.5mg/cm2であり、密度は2.5g/cm3であった。これは以下のEB5〜EB7およびCB2、CB3についても同様である。
負極については、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1とした。負極における活物質層の目付量は3.8mg/cm2であり、密度は1.1g/cm3であった。これは以下のEB5〜EB7およびCB2、CB3についても同様である。セパレータとしては厚さ20μmのセルロース製不織布を用いた。
リチウムイオン二次電池EB5は、電解液E8を用いたこと以外はEB4と同様である。
リチウムイオン二次電池EB6は、負極用の結着材の種類、および負極活物質と結着剤との混合比はEB4と同様である。負極については、天然黒鉛:ポリアクリル酸(PAA)=90:10とした。
リチウムイオン二次電池EB7は電解液E8を用いたこと以外はEB6と同様である。
リチウムイオン二次電池CB1は、電解液C5を用いた以外は、EB1と同様である。
リチウムイオン二次電池CB2は、電解液C5を用いたこと以外はEB4と同様である。
リチウムイオン二次電池CB3は電解液C5を用いたこと以外はEB6と同様である。
各電池の電池構成を、実施例の欄の末尾の表32に示す。
以下、必要に応じて、リチウムイオン二次電池EB1〜EB7における負極の表面に形成されている皮膜をEB1〜EB7の負極S,O含有皮膜と略し、リチウムイオン二次電池CB1〜CB3における負極の表面に形成されている皮膜をCB1〜CB3の負極皮膜と略する。また、同様に、EB1〜EB7における正極の表面に形成されている皮膜をEB1〜EB7の正極S,O含有皮膜と略し、CB1〜CB3における正極の表面に形成されている皮膜をCB1〜CB3の正極皮膜と略する。
EB1、EB2およびCB1のリチウムイオン二次電池について、100サイクル充放電を繰り返した後に、電圧3.0Vの放電状態でX線光電子分光分析(X−ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)によりS,O含有皮膜または皮膜表面の分析を行った。前処理としては以下の処理を行った。先ず、リチウムイオン二次電池を解体して負極を取出し、この負極を洗浄および乾燥して、分析対象となる負極を得た。洗浄は、DMC(ジメチルカーボネート)を用いて3回行った。また、セルの解体から分析対象としての負極を分析装置に搬送するまでの全ての工程を、Arガス雰囲気下で、負極を大気に触れさせることなく行った。以下の前処理をEB1、EB2およびCB1の各々について行い、得られた負極検体をXPS分析した。装置としては、アルバックファイ社 PHI5000 VersaProbeIIを用いた。X線源は単色AlKα線(15kV、10mA)であった。XPSにより測定されたEB1、EB2の負極S,O含有皮膜およびCB1の負極皮膜の分析結果を図41〜図45に示す。具体的には、図41は炭素元素についての分析結果であり、図42はフッ素元素についての分析結果であり、図43は窒素元素についての分析結果であり、図44は酸素元素についての分析結果であり、図45は硫黄元素についての分析結果である。
上記した負極S,O含有皮膜のXPS分析結果を基に、EB1およびEB2の負極S,O含有皮膜およびCB1の負極皮膜における放電時のS元素の比率を算出した。具体的には、各々の負極S,O含有皮膜および負極皮膜につき、S、N、F、C、Oのピーク強度の総和を100%としたときのSの元素比を算出した。結果を表16に示す。
EB1のリチウムイオン二次電池について、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧3.0Vの放電状態にしたもの、および、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧4.1Vの充電状態にしたものを準備し、上記のXPS分析の前処理と同様の方法で分析対象となる負極検体を得た。得られた負極検体をFIB(集束イオンビーム:Focused Ion Beam)加工することにより、厚み100nm程度のSTEM分析用検体を得た。なお、FIB加工の前処理として、負極にはPtを蒸着した。以上の工程は負極を大気に触れさせることなくおこなった。
EB1のリチウムイオン二次電池について、3サイクル充放電を繰り返した後に電圧3.0Vの放電状態にしたもの、3サイクル充放電を繰り返した後に電圧4.1Vの充電状態にしたもの、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧3.0Vの放電状態にしたもの、100サイクル充放電を繰り返した後に電圧4.1Vの充電状態にしたもの、の4つを準備した。4つのEB1のリチウムイオン二次電池について、それぞれ上述したのと同様の方法を用いて、分析対象となる正極を得た。そして得られた各正極をXPS分析した。結果を図52および図53に示す。なお、図52は酸素元素についての分析結果であり、図53は硫黄元素についての分析結果である。
EB4のリチウムイオン二次電池を、25℃、使用電圧範囲3.0V〜4.1Vとし、レート1CでCC充放電を500サイクル繰り返した。500サイクル後、3.0Vの放電状態、および、4.0Vの充電状態で正極S,O含有皮膜のXPSスペクトルを測定した。また、サイクル試験前(つまり初回充放電後)における3.0Vの放電状態の負極S,O含有皮膜、および、500サイクル後における3.0Vの放電状態の負極S,O含有皮膜について、XPSによる元素分析をおこない、当該負極S,O含有皮膜に含まれるS元素比率を算出した。XPSにより測定されたEB4の正極S,O含有皮膜の分析結果を図54および図55に示す。具体的には、図54は硫黄元素についての分析結果であり、図55は酸素元素についての分析結果である。また、負極S,O含有皮膜のS元素比率(原子%)を表18に示す。なお、S元素比率は、上記の「負極S,O含有皮膜のS元素比率」の項と同様に算出した。
以下、
EB8のリチウムイオン二次電池は、電解液E11を用いたものである。EB8のリチウムイオン二次電池は、負極合材の組成、負極活物質と導電助剤の混合比、セパレータおよび電解液以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同様である。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。
EB9のリチウムイオン二次電池は電解液E13を用いたものである。EB9のリチウムイオン二次電池は、電解液以外はEB8のリチウムイオン二次電池と同様である。
EB10のリチウムイオン二次電池は電解液E8を用いたこと以外はEB8のリチウムイオン二次電池と同様である。
CB4のリチウムイオン二次電池は電解液C5を用いた事以外はEB8のリチウムイオン二次電池と同様である。
(評価例17:電池の内部抵抗)
EB8、EB9、EB10およびCB4のリチウムイオン二次電池を用い、電池の内部抵抗を評価した。
各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電(つまり定電流充放電)を繰り返した。そして、初回充放電後の交流インピーダンス、および、100サイクル経過後の交流インピーダンスを測定した。得られた複素インピーダンス平面プロットを基に、電解液、負極および正極の反応抵抗を各々解析した。図64に示すように、複素インピーダンス平面プロットには、二つの円弧がみられた。図中左側(つまり複素インピーダンスの実部が小さい側)の円弧を第1円弧と呼ぶ。図中右側の円弧を第2円弧と呼ぶ。第1円弧の大きさを基に負極の反応抵抗を解析し、第2円弧の大きさを基に正極の反応抵抗を解析した。第1円弧に連続する図64中最左側のプロットを基に電解液の抵抗を解析した。解析結果を表20および表21に示す。なお、表20は、初回充放電後の電解液の抵抗(所謂溶液抵抗)、負極の反応抵抗、正極の反応抵抗を示し、表21は100サイクル経過後の各抵抗を示す。
(評価例18:電池のサイクル耐久性)
EB8、EB9、EB10およびCB4の各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電を繰り返し、初回充放電時の放電容量、100サイクル時の放電容量、および500サイクル時の放電容量を測定した。そして、初回充放電時の各リチウムイオン二次電池の容量を100%とし、100サイクル時および500サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)を算出した。結果を表22に示す。
しかし、EB8、EB9、EB10のリチウムイオン二次電池は、SEIの材料となるECを含まないにも拘わらず、ECを含むCB4のリチウムイオン二次電池と同等の容量維持率を示した。これは、各試験例のリチウムイオン二次電池における正極および負極には、本発明の電解液に由来するS,O含有皮膜が存在するためだと考えられる。そして、EB8のリチウムイオン二次電池については、特に500サイクル経過時にも極めて高い容量維持率を示し、特に耐久性に優れていたため、有機溶媒としてDMCを選択する場合には、ANを選択する場合に比べて、より耐久性が向上するといえる。
(評価例19:電池の高温貯蔵耐性)
EB8、EB10およびCB4のリチウムイオン二次電池について、60℃で1週間貯蔵する高温貯蔵試験を行った。高温貯蔵試験開始前に、3.0Vから4.1VにまでCC−CV(定電流定電圧)充電した。このときの充電容量を基準(SOC100)とし、当該基準に対して20%分をCC放電してSOC80に調整した後、高温貯蔵試験を開始した。高温貯蔵試験後に1Cで3.0VまでCC−CV放電した。このときの放電容量と貯蔵前のSOC80容量との比から、次式のように残存容量を算出した。結果を表23に示す。
残存容量=100×(貯蔵後のCC−CV放電容量)/(貯蔵前のSOC80容量)
EB11のリチウムイオン二次電池は、正極および負極の目付量以外はEB1と同様に製造した。正極における活物質層の目付量は5.5mg/cm2であり、負極における活物質層の目付量は4.0mg/cm2であった。ここでいう活物質層の目付量とは、ロールプレス及び乾燥後の目付量を指す。なお、EB1のリチウムイオン二次電池において、正極における活物質層の目付量は11.0mg/cm2であり、負極における活物質層の目付量は8.0mg/cm2であった。
CB5のリチウムイオン二次電池は、正極および負極の目付量以外はCB1と同様に製造した。正極における活物質層の目付量はEB11と同じく5.5mg/cm2であり、負極における活物質層の目付量もまたEB11と同じく4.0mg/cm2であった。なお、EB11およびCB5の正極における活物質層の目付量および負極における活物質層の目付量は、EB1およびCB1の半分であった。また、比較例3のリチウムイオン二次電池における正極および負極の目付量は、実施例1のリチウムイオン二次電池と同様であった。
(評価例20:電池の入出力特性)
上記のEB11およびCB5のリチウムイオン二次電池の出力特性を評価した。評価時の使用電圧範囲は3V−4.2V、容量は13.5mAhであり、 各電池について充電状態(SOC)30%かつ−30℃、SOC30%かつ−10℃、SOC80%かつ25℃、の三水準で評価した。また、評価は2秒出力と5秒出力についてそれぞれ3回行った。出力特性の評価結果を表24に示した。以下、「2秒出力」は、放電開始から2秒後での出力を意味し、「5秒入力」は放電開始から5秒後での入力を意味する。
(評価例21:レート容量特性)
EB1およびCB1のリチウムイオン二次電池のレート容量特性を以下の方法で評価した。各電池の容量は160mAh/gとなるように調整した。評価条件は、各リチウムイオン二次電池につき、0.1C、0.2C、0.5C、1C、2Cの速度で充電を行った後に放電を行い、それぞれの速度における作用極の容量(放電容量)を測定した。0.1C放電後および1C放電後の放電容量を表25に示す。なお表25に示した放電容量は、正極活物質の質量(g)当りの容量を算出したものである。
上記のEB1およびCB1のリチウムイオン二次電池の出力特性を評価した。評価条件は、充電状態(SOC)20%、0℃、使用電圧範囲3V−4.2V、容量13.5mAhである。SOC20%、0℃は、例えば、冷蔵室などで使用する場合のように出力特性が出にくい領域である。EB1およびCB1のリチウムイオン二次電池の出力特性の評価は、2秒出力と5秒出力についてそれぞれ3回行った。出力特性の評価結果を表26に示した。
(評価例23:25℃、SOC20%での出力特性評価)
EB1およびCB1のリチウムイオン電池の出力特性を、充電状態(SOC)20%、25℃、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhの条件で評価した。実施例1および比較例1のリチウムイオン二次電池の出力特性の評価は、2秒出力と5秒出力についてそれぞれ3回行った。評価結果を表27に示した。
また、上記のEB1およびCB1のリチウムイオン二次電池の出力特性に対する、測定時の温度の影響を調べた。0℃と25℃で測定し、いずれの温度下での測定においても、評価条件は、充電状態(SOC)20%、使用電圧範囲3V―4.2V、容量13.5mAhとした。25℃での出力に対する0℃での出力の比率(0℃出力/25℃出力)をもとめた。その結果を表28に示した。
TOF−SIMS(Time−of−Flight Secondary Ion Mass Spectrometry:飛行時間型二次イオン質量分析法)を用いて、EB4の正極S,O含有皮膜に含まれる各分子の構造情報を分析した。
EB4の非水電解質二次電池を25℃で3サイクル充放電した後、3V放電状態で解体し正極を取り出した。これとは別に、EB4の非水電解質二次電池を25℃で500サイクル充放電した後、3V放電状態で解体し正極を取り出した。さらにこれとは別に、EB4の非水電解質二次電池を25℃で3サイクル充放電した後、60℃で一か月間放置し、3V放電状態で解体し正極を取り出した。各正極をDMCで3回洗浄し、分析用の正極を得た。なお、当該正極には正極S,O含有皮膜が形成され、以下の分析では正極S,O含有皮膜に含まれる分子の構造情報が分析された。
電解液E8を用いたハーフセルを以下のとおり製造した。
径13.82mm、面積1.5cm2、厚み20μmのアルミニウム箔(JIS A1000番系)を作用極とし、対極は金属Liとした。セパレータは厚さ400μmのWhatmanガラス繊維濾紙:品番1825−055を用いた。
作用極、対極、セパレータおよびE8の電解液を電池ケース(宝泉株式会社製 CR2032型コインセルケース)に収容しハーフセルを構成した。これをハーフセルEB12とした。
ハーフセルEB12に対して、1mV/sの速度で3.1V〜4.6V(vs.Li基準)の範囲でリニアスイープボルタンメトリー測定(所謂LSV)を10回繰り返した際の、電流と電極電位の変化を観察した。ハーフセルEB12の充放電1回目、2回目、3回目の電流と電極電位との関係を示すグラフを図65に示す。
図65から、作用極をAlとしたEB12では、4.0Vでは電流が殆ど確認されず、
4.3Vで一旦僅かに電流が増大するが、その後4.6Vまで大幅な増大は見られなかった。また、充放電の繰返しによって電流量は減少し定常化に向った。
以上の結果から、本発明の電解液を使用するとともに正極にアルミニウム集電体を用いた非水電解質二次電池は、高電位でもAlの溶出が起こり難いと考えられる。Alの溶出が起こり難いとされる理由は明確ではないが、本発明の電解液は、従来の電解液とは金属塩と有機溶媒の種類、存在環境および金属塩濃度が異なり、従来の電解液に比べて、本発明の電解液に対するAlの溶解性が低いのではないかと推測する。
電解液E8にかえて電解液E11を用いた以外は、ハーフセルEB12と同様にして、ハーフセルEB13を作製した。
電解液E8にかえて電解液E16を用いた以外は、EB12と同様にして、ハーフセルEB14を作製した。
電解液E8にかえて電解液E19を用いた以外は、EB12と同様にして、ハーフセルEB15を作製した。
(EB16)
電解液E8にかえて電解液E13を用いた以外は、EB12と同様にして、ハーフセルEB16を作製した。
電解液E8にかえて電解液C5を用いた以外は、EB12と同様にして、ハーフセルCB6を作製した。
電解液E8にかえて電解液C6を用いた以外は、EB12と同様にして、ハーフセルCB7を作製した。
電解液E8を用いたハーフセルを以下のとおり製造した。
活物質である平均粒径10μmの黒鉛90質量部、及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部を混合した。この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、スラリーを作製した。集電体として厚み20μmの銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去し、その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、活物質層が形成された銅箔を得た。これを作用極とした。なお、銅箔1cm2あたりの活物質の質量は1.48mgであった。また、プレス前の黒鉛及びポリフッ化ビニリデンの密度は0.68g/cm3であり、プレス後の活物質層の密度は1.025g/cm3であった。
対極は金属Liとした。
作用極、対極、両者の間に挟装したセパレータとしての厚さ400μmのWhatmanガラス繊維ろ紙及び電解液E8を、径13.82mmの電池ケース(宝泉株式会社製 CR2032型コインセルケース)に収容しハーフセルを構成した。これをハーフセルEB17とした。
電解液E11を用いた以外は、EB17と同様の方法で、ハーフセルEB18を製造した。
電解液E16を用いた以外は、EB17と同様の方法で、ハーフセルEB19を製造した。
電解液E19を用いた以外は、EB17と同様の方法で、ハーフセルEB20を製造した。
電解液C5を用いた以外は、EB17と同様の方法で、ハーフセルCB8を製造した。
ハーフセルEB17〜EB20、CB8に対し、25℃、電圧2.0VまでCC充電(定電流充電)し、電圧0.01VまでCC放電(定電流放電)を行う2.0V−0.01Vの充放電サイクルを、充放電レート0.1Cで3サイクル行った。各ハーフセルの充放電曲線を図81〜図85に示す。
図81〜図85に示されるように、ハーフセルEB17〜EB20は、一般的な電解液を用いたハーフセルCB8と同様に、可逆的に充放電反応することがわかる。
EB8のリチウムイオン二次電池は、電解液E11を用いたものである。EB8のリチウムイオン二次電池は、正極合材の組成、正極活物質と導電助剤の混合比、セパレータおよび電解液以外は実施例1のリチウムイオン二次電池と同様である。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。
Claims (13)
- アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする塩と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含み、振動分光スペクトルにおける前記有機溶媒由来のピーク強度につき、前記有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、前記ピークがシフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioである電解液と、
長軸と短軸の比(長軸/短軸)が1〜5である黒鉛を含む負極活物質層をもつ負極と、を具備することを特徴とする非水系二次電池。 - 前記黒鉛の粒子はX線回折で測定したI(110)/I(004)が0.03〜1の範囲にある請求項1に記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記塩のカチオンがリチウムである請求項1又は請求項2に記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記塩のアニオンの化学構造が、ハロゲン、ホウ素、窒素、酸素、硫黄又は炭素から選択される少なくとも1つの元素を含む請求項1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記塩のアニオンの化学構造が下記一般式(1)、一般式(2)又は一般式(3)で表される請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池。
(R1X1)(R2X2)N 一般式(1)
(R1は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R2は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rb、Rc、Rdは、R1又はR2と結合して環を形成しても良い。)
R3X3Y 一般式(2)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
X3は、SO2、C=O、C=S、ReP=O、RfP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Re、Rfは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Re、Rfは、R3と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R4X4)(R5X5)(R6X6)C 一般式(3)
(R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R5は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R6は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R4、R5、R6のうち、いずれか二つ又は三つが結合して環を形成しても良い。
X4は、SO2、C=O、C=S、RgP=O、RhP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X5は、SO2、C=O、C=S、RiP=O、RjP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X6は、SO2、C=O、C=S、RkP=O、RlP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、R4、R5又はR6と結合して環を形成しても良い。) - 前記電解液は、前記塩のアニオンの化学構造が下記一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。
(R7X7)(R8X8)N 一般式(4)
(R7、R8は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R7とR8は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X7は、SO2、C=O、C=S、RmP=O、RnP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X8は、SO2、C=O、C=S、RoP=O、RpP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rm、Rn、Ro、Rpは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rm、Rn、Ro、Rpは、R7又はR8と結合して環を形成しても良い。)
R9X9Y 一般式(5)
(R9は、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X9は、SO2、C=O、C=S、RqP=O、RrP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rq、Rrは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rq、Rrは、R9と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R10X10)(R11X11)(R12X12)C 一般式(6)
(R10、R11、R12は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
R10、R11、R12のうちいずれか二つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。また、R10、R11、R12の三つが結合して環を形成しても良く、その場合、三つのうち二つの基が2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たし、一つの基が2n−1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X10は、SO2、C=O、C=S、RsP=O、RtP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X11は、SO2、C=O、C=S、RuP=O、RvP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X12は、SO2、C=O、C=S、RwP=O、RxP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、R10、R11又はR12と結合して環を形成しても良い。) - 前記電解液は、前記塩のアニオンの化学構造が下記一般式(7)、一般式(8)又は一般式(9)で表される請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池。
(R13SO2)(R14SO2)N 一般式(7)
(R13、R14は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R13とR14は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
R15SO3 一般式(8)
(R15は、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。)
(R16SO2)(R17SO2)(R18SO2)C 一般式(9)
(R16、R17、R18は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
R16、R17、R18のうちいずれか二つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+eを満たす。また、R16、R17、R18の三つが結合して環を形成しても良く、その場合、三つのうち二つの基が2n=a+b+c+d+eを満たし、一つの基が2n−1=a+b+c+d+eを満たす。) - 前記電解液は、前記塩が(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、FSO2(CF3SO2)NLi、(SO2CF2CF2SO2)NLi、又は(SO2CF2CF2CF2SO2)NLiである請求項1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記有機溶媒のヘテロ元素が窒素、酸素、硫黄、ハロゲンから選択される少なくとも1つである請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記有機溶媒が非プロトン性溶媒である請求項1〜9のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記有機溶媒がアセトニトリル又は1,2−ジメトキシエタンから選択される請求項1〜10のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記有機溶媒が下記一般式(10)で示される鎖状カーボネートから選択される請求項1〜10のいずれかに記載の非水系二次電池。
R19OCOOR20 一般式(10)
(R19、R20は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。n、a、b、c、d、e、m、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。) - 前記有機溶媒がジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート又はジエチルカーボネートから選択される請求項1〜10,12のいずれかに記載の非水系二次電池。
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