JP5965444B2 - 非水系二次電池 - Google Patents
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Description
本発明の電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする塩(以下、「金属塩」又は単に「塩」ということがある。)とヘテロ原子を有する有機溶媒とを含み、振動分光スペクトルにおける有機溶媒由来のピーク強度につき、有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、有機溶媒本来のピークが波数シフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioである。
金属塩は、通常、電池の電解液に含まれるLiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiAlCl4、などの電解質として用いられる化合物であれば良い。金属塩のカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、及びアルミニウムを挙げることができる。金属塩のカチオンは、電解液を使用する電池の電荷担体と同一の金属イオンであるのが好ましい。例えば、本発明の電解液をリチウムイオン二次電池用の電解液として使用するのであれば、金属塩のカチオンはリチウムが好ましい。
(R1は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R2は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNからから選択される。
また、R1とR2は、互いに結合して環を形成しても良い。
X1は、SO2、C=O、C=S、RaP=O、RbP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X2は、SO2、C=O、C=S、RcP=O、RdP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Ra、Rb、Rc、Rdは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Ra、Rb、Rc、Rdは、R1又はR2と結合して環を形成しても良い。)
(R3は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
X3は、SO2、C=O、C=S、ReP=O、RfP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Re、Rfは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Re、Rfは、R3と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R4は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R5は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
R6は、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、CN、SCN、OCNから選択される。
また、R4、R5、R6のうち、いずれか二つ又は三つが結合して環を形成しても良い。
X4は、SO2、C=O、C=S、RgP=O、RhP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X5は、SO2、C=O、C=S、RiP=O、RjP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X6は、SO2、C=O、C=S、RkP=O、RlP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、R4、R5又はR6と結合して環を形成しても良い。)
(R7、R8は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
また、R7とR8は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X7は、SO2、C=O、C=S、RmP=O、RnP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X8は、SO2、C=O、C=S、RoP=O、RpP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rm、Rn、Ro、Rpは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rm、Rn、Ro、Rpは、R7又はR8と結合して環を形成しても良い。)
(R9は、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X9は、SO2、C=O、C=S、RqP=O、RrP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rq、Rrは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rq、Rrは、R9と結合して環を形成しても良い。
Yは、O、Sから選択される。)
(R10、R11、R12は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIe(CN)f(SCN)g(OCN)hである。
n、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
R10、R11、R12のうちいずれか二つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。また、R10、R11、R12の三つが結合して環を形成しても良く、その場合、三つのうち二つの基が2n=a+b+c+d+e+f+g+hを満たし、一つの基が2n-1=a+b+c+d+e+f+g+hを満たす。
X10は、SO2、C=O、C=S、RsP=O、RtP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X11は、SO2、C=O、C=S、RuP=O、RvP=S、S=O、Si=Oから選択される。
X12は、SO2、C=O、C=S、RwP=O、RxP=S、S=O、Si=Oから選択される。
Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基で置換されていても良いアルキル基、置換基で置換されていても良いシクロアルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和アルキル基、置換基で置換されていても良い不飽和シクロアルキル基、置換基で置換されていても良い芳香族基、置換基で置換されていても良い複素環基、置換基で置換されていても良いアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和アルコキシ基、置換基で置換されていても良いチオアルコキシ基、置換基で置換されていても良い不飽和チオアルコキシ基、OH、SH、CN、SCN、OCNから選択される。
また、Rs、Rt、Ru、Rv、Rw、Rxは、R10、R11又はR12と結合して環を形成しても良い。)
(R13、R14は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
また、R13とR14は、互いに結合して環を形成しても良く、その場合は、2n=a+b+c+d+eを満たす。)
(R15は、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。)
(R16、R17、R18は、それぞれ独立に、CnHaFbClcBrdIeである。
n、a、b、c、d、eはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+eを満たす。
R16、R17、R18のうちいずれか二つが結合して環を形成しても良く、その場合、環を形成する基は2n=a+b+c+d+eを満たす。また、R16、R17、R18の三つが結合して環を形成しても良く、その場合、三つのうち二つの基が2n=a+b+c+d+eを満たし、一つの基が2n-1=a+b+c+d+eを満たす。)
ヘテロ元素を有する有機溶媒としては、ヘテロ元素が窒素、酸素、硫黄、ハロゲンから選択される少なくとも1つである有機溶媒が好ましく、ヘテロ元素が窒素又は酸素から選択される少なくとも1つである有機溶媒がより好ましい。また、ヘテロ元素を有する有機溶媒としては、NH基、NH2基、OH基、SH基などのプロトン供与基を有さない、非プロトン性溶媒が好ましい。
(R19、R20は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。n、a、b、c、d、e、m、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。)
2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、2-メチルテトラヒドロピラン、2-メチルテトラヒドロフラン、クラウンエーテル等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシド、スルホランを挙げることができ、特に、アセトニトリル(以下、「AN」ということがある。)、1,2-ジメトキシエタン(以下、「DME」ということがある。)が好ましい。
また、従来の電解液を用いた二次電池は、高速充放電サイクル時に容量減少が顕著であった。その理由としては、急速に充放電を繰り返した際の電解液中に生じたLi濃度ムラに因り、電極との反応界面に十分な量のLiを電解液が供給できなくなったこと、つまり、電解液のLi濃度の偏在が考えられる。しかしながら、本発明の電解液を用いた二次電池は、高速充放電時に容量が好適に維持されることが明らかになった。本発明の電解液の高粘度との物性により、電解液のLi濃度の偏在を抑制できたことが理由と考えられる。また、本発明の電解液の高粘度との物性により、電極界面における電解液の保液性が向上し、電極界面で電解液が不足する状態(いわゆる液枯れ状態)を抑制することができたことが理由と考えられる。
負極は、集電体と、集電体表面に結着させた負極活物質層とを有する。
集電体は、非水系二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子高伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
負極活物質層は負極活物質とバインダを含む。必要に応じて導電助剤を含むこともできる。
非水系二次電池に用いられる正極は、リチウムイオン等の電荷担体を吸蔵及び放出し得る正極活物質を有する。正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じてバインダ及び/又は導電助剤を含む。正極の集電体は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はなく、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。なお、本発明の非水系二次電池がリチウムイオン二次電池であり、正極の電位をリチウム基準で4V以上とする場合には、アルミニウム製の集電体を採用するのが好ましい。
<電解液の作製>
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLi(以下、LiFSAという)を徐々に加え、溶解させた。LiFSAを全量で16.83g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。得られた本発明の電解液におけるLiFSAの濃度は4.5mol/Lであり、LiFSAの1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
IR測定条件は以下の通りである。
装置:FT-IR(ブルカーオプティクス社製)
測定条件:ATR法(ダイヤモンド使用)
測定雰囲気:不活性ガス雰囲気下
3.74gのLiFSAを用い、実施例1と同様の方法で、LiFSAの濃度が1.0mol/Lである比較例1の電解液を製造した。比較例1の電解液においては、LiFSAの1分子に対しアセトニトリル17分子が含まれている。
落球式粘度計(AntonPaar GmbH(アントンパール社)製 Lovis 2000 M)を用い、Ar雰囲気下、試験セルに電解液を封入し、30℃の条件下で粘度を測定した。結果を表3に示す。
Ar雰囲気下、白金極を備えたセル定数既知のガラス製セルに、電解液を封入し、30℃、1kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
実施例1に係る本発明の電解液と、比較例1に係る電解液の揮発性を以下の方法で測定した。
実施例1及び比較例1の電解液のLi輸率を以下の条件で測定した。結果を表5に示す。
Li輸率=(Liイオン拡散係数)/(Liイオン拡散係数+アニオン拡散係数)
ポリアクリル酸(PAA)を純水に溶解し、バインダ溶液を調製した。このバインダ溶液に、鱗片状黒鉛粉末を添加混合し、スラリー状の負極合材を調製した。スラリー中の各成分(固形分)の組成比は、黒鉛:PAA=90:10(質量比)である。
バインダとしてPAAに代えてカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)との混合物(質量比でCMC:SBR=1:1)を用い、質量比で活物質:バインダ=98:2となるように用いたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製し、その他は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
バインダとしてPAAに代えてポリフッ化ビニリデン(PVdF)をPAAと同量用いたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製し、その他は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
バインダとしてPAAに代えてポリフッ化ビニリデン(PVdF)をPAAと同量用いたこと以外は実施例1と同様にして負極を作製した。この負極を評価極として用い、本発明の電解液に代えてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した電解液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池を得た。
実施例1,2と比較例2,3のリチウム二次電池を用い、レート容量特性、サイクル容量維持率、負荷特性をそれぞれ評価した。
(1) 負極へのリチウム吸蔵が進行する向きに電流を流す。
(2) 電圧範囲:2V→0.01V(v.s.Li/Li+)
(3) レート:0.1C、0.2C、0.5C、1C、2C、5C、10C、0.1C (0.01V到達後に電流を停止)
(4) 各レート3回ずつ(合計24サイクル)測定
サイクル容量維持率として、1サイクル目の電流容量に対する25サイクル目の電流容量の比を算出した。結果を表6に示す。
<本発明の電解液の作製>
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLi(以下、LiFSAという)を徐々に加え、溶解させた。LiFSAを全量で16.88g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。得られた本発明の電解液におけるLiFSAの濃度は4.5mol/Lであり、LiFSAの1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
カルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)との混合物(質量比でCMC:SBR=1:1)を純水に溶解し、バインダ溶液を調製した。このバインダ溶液に、黒鉛粉末を添加混合し、スラリー状の負極合材を調製した。スラリー中の各成分(固形分)の組成比は、黒鉛:CMC:SBR=98:1:1(質量比)である。
正極は、正極活物質層と、正極活物質層で被覆された集電体とからなる。正極活物質層は、正極活物質と、バインダと、導電助剤とを有する。正極活物質は、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2からなる。バインダは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる。導電助剤は、アセチレンブラック(AB)からなる。集電体は、厚み20μmのアルミニウム箔からなる。正極活物質層を100質量部としたときの、正極活物質とバインダと導電助剤との含有質量比は、94:3:3である。
上記の正極、負極及び実施例3の本発明の電解液を用いて、ラミネート型リチウムイオン二次電池を製作した。詳しくは、正極および負極の間に、セパレータとしてセルロース不織布(厚み20μm)を挟装して極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに上記電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたラミネート型リチウムイオン二次電池を得た。なお、正極および負極は外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部はラミネート型リチウムイオン二次電池の外側に延出している。
バインダとしてCMC-SBRに代えてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を10%用いたこと以外は実施例3と同様にして負極を作製し、その他は実施例3と同様にしてリチウム二次電池を得た。
本発明の電解液に代えてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した電解液を用いたこと以外は実施例3と同様にしてリチウム二次電池を得た。
[比較例6]
負極活物質である天然黒鉛90質量部、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン10質量部を混合した。この混合物を適量のイオン交換水に分散させて、スラリーを作製した。負極集電体として厚み20μmの銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥して水を除去し、その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、負極活物質層が形成された銅箔を得た。これを負極とした。
正極は、実施例3のリチウムイオン二次電池の正極と同様に製造した。電解液としてはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した電解液を用いた。この正極、負極および電解液を用いた事以外は実施例3と同様にして、比較例6のリチウムイオン二次電池を得た。
(評価例8:入出力特性)
実施例3と比較例4〜6のリチウム二次電池を用い、以下の条件で入力(充電)特性を評価した。
(1) 使用電圧範囲:3V-4.2V
(2) 容量:13.5mAh
(3) SOC80%
(4) 温度:0℃、25℃
(5) 測定回数:各3回
本発明の電解液を以下のとおり製造した。
なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Aと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が2.8mol/Lであり、密度が1.36g/cm3である、電解液Bを製造した。
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。所定の(CF3SO2)2NLiを加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。これを電解液Cとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Cは、(CF3SO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lであり、密度が1.52g/cm3であった。
電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.0mol/Lであり、密度が1.31g/cm3である、電解液Dを製造した。
有機溶媒としてスルホランを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.0mol/Lであり、密度が1.57g/cm3である、電解液Eを製造した。
有機溶媒としてジメチルスルホキシドを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が3.2mol/Lであり、密度が1.49g/cm3である、電解液Fを製造した。
リチウム塩として(FSO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2-ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液Cと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.0mol/Lであり、密度が1.33g/cm3である、電解液Gを製造した。
電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が3.6mol/Lであり、密度が1.29g/cm3である、電解液Hを製造した。
電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が2.4mol/Lであり、密度が1.18g/cm3である、電解液Iを製造した。
有機溶媒としてアセトニトリルを用いた以外は、電解液Gと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.0mol/Lであり、密度が1.40g/cm3である、電解液Jを製造した。
電解液Jと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lであり、密度が1.34g/cm3である、電解液Kを製造した。
有機溶媒であるジメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で14.64g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジメチルカーボネートを加えた。これを電解液Lとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液Lにおける(FSO2)2NLiの濃度は3.9mol/Lであり、電解液Lの密度は1.44g/cm3であった。
電解液Lと同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lであり、密度が1.36g/cm3である、電解液Mを製造した。
有機溶媒であるエチルメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のエチルメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で12.81g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでエチルメチルカーボネートを加えた。これを電解液Nとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
有機溶媒であるジエチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジエチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で11.37g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジエチルカーボネートを加えた。これを電解液Oとした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
本発明の電解液を以下のとおり製造した。
なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
16.08gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E1と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が2.8mol/Lである電解液E2を製造した。電解液E2においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2-ジメトキシエタン2.1分子が含まれている。
有機溶媒であるアセトニトリル約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のアセトニトリルに対し、リチウム塩である(CF3SO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(CF3SO2)2NLiを全量で19.52g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでアセトニトリルを加えた。これを電解液E3とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E3における(CF3SO2)2NLiの濃度は3.4mol/Lであった。電解液E3においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル3分子が含まれている。
24.11gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lである電解液E4を製造した。電解液E4においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル1.9分子が含まれている。
リチウム塩として13.47gの(FSO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2-ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が3.6mol/Lである電解液E5を製造した。電解液E5においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2-ジメトキシエタン1.9分子が含まれている。
14.97gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E5と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.0mol/Lである電解液E6を製造した。電解液E6においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2-ジメトキシエタン1.5分子が含まれている。
リチウム塩として15.72gの(FSO2)2NLiを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.2mol/Lである電解液E7を製造した。電解液E7においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル3分子が含まれている。
16.83gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が4.5mol/Lである電解液E8を製造した。電解液E8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.4分子が含まれている。
18.71gの(FSO2)2NLiiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.0mol/Lである電解液E9を製造した。電解液E9においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2.1分子が含まれている。
20.21gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が5.4mol/Lである電解液E10を製造した。電解液E10においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル2分子が含まれている。
有機溶媒であるジメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で14.64g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジメチルカーボネートを加えた。これを電解液E11とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が3.4mol/Lの電解液E12とした。電解液E12においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lの電解液E13とした。電解液E13においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート3分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.6mol/Lの電解液E14とした。電解液E14においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート3.5分子が含まれている。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.0mol/Lの電解液E15とした。電解液E15においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート5分子が含まれている。
有機溶媒であるエチルメチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のエチルメチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で12.81g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでエチルメチルカーボネートを加えた。これを電解液E16とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.9mol/Lの電解液E17とした。電解液E17においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.2mol/Lの電解液E18とした。電解液E18においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート3.5分子が含まれている。
有機溶媒であるジエチルカーボネート約5mLを、撹拌子を備えたフラスコに入れた。撹拌条件下にて、上記フラスコ中のジエチルカーボネートに対し、リチウム塩である(FSO2)2NLiを徐々に加え、溶解させた。(FSO2)2NLiを全量で11.37g加えたところで一晩撹拌した。得られた電解液を20mLメスフラスコに移し、容積が20mLとなるまでジエチルカーボネートを加えた。これを電解液E19とした。なお、上記製造は不活性ガス雰囲気下のグローブボックス内で行った。
電解液E19における(FSO2)2NLiの濃度は3.0mol/Lであった。電解液E19においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート2分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.6mol/Lの電解液E20とした。電解液E20においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート2.5分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が2.0mol/Lの電解液E21とした。電解液E21においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート3.5分子が含まれている。
5.74gの(CF3SO2)2NLiを用い、有機溶媒として1,2-ジメトキシエタンを用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C1を製造した。電解液C1においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対し1,2-ジメトキシエタン8.3分子が含まれている。
5.74gの(CF3SO2)2NLiを用い、電解液E3と同様の方法で、(CF3SO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C2を製造した。電解液C2においては、(CF3SO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル16分子が含まれている。
3.74gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E5と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C3を製造した。電解液C3においては、(FSO2)2NLi1分子に対し1,2-ジメトキシエタン8.8分子が含まれている。
3.74gの(FSO2)2NLiを用い、電解液E7と同様の方法で、(FSO2)2NLiの濃度が1.0mol/Lである電解液C4を製造した。電解液C4においては、(FSO2)2NLi1分子に対しアセトニトリル17分子が含まれている。
有機溶媒としてエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3:7、以下、「EC/DEC」ということがある。)を用い、リチウム塩として3.04gのLiPF6を用いた以外は、電解液E3と同様の方法で、LiPF6の濃度が1.0mol/Lである電解液C5を製造した。
電解液E11にジメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C6とした。電解液C6においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジメチルカーボネート10分子が含まれている。
電解液E16にエチルメチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C7とした。電解液C7においては、(FSO2)2NLi1分子に対しエチルメチルカーボネート8分子が含まれている。
電解液E19にジエチルカーボネートを加えて希釈し、(FSO2)2NLiの濃度が1.1mol/Lの電解液C8とした。電解液C8においては、(FSO2)2NLi1分子に対しジエチルカーボネート7分子が含まれている。
電解液E3、E4、E7、E8、E10、C2、C4、並びに、アセトニトリル、(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLiにつき、以下の条件でIR測定を行った。2100〜2400cm-1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図6〜図15に示す。さらに、電解液E11〜E21、電解液C6〜C8、並びに、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートにつき、下記の条件でIR測定を行った。1900〜1600cm-1の範囲のIRスペクトルをそれぞれ図16〜図32に示す。また、(FSO2)2NLiにつき、1900〜1600cm-1の範囲のIRスペクトルを図33に示す。図の横軸は波数(cm-1)であり、縦軸は吸光度(反射吸光度)である。
装置:FT-IR(ブルカーオプティクス社製)
測定条件:ATR法(ダイヤモンド使用)
測定雰囲気:不活性ガス雰囲気下
電解液E1、E2、E4〜E6、E8、E11、E16およびE19のイオン伝導度を以下の条件で測定した。結果を表11に示す。
Ar雰囲気下、白金極を備えたセル定数既知のガラス製セルに、電解液を封入し、30℃、1kHzでのインピーダンスを測定した。インピーダンスの測定結果から、イオン伝導度を算出した。測定機器はSolartron 147055BEC(ソーラトロン社)を使用した。
電解液E1、E2、E4〜E6、E8、E11、E16、E19並びに電解液C1〜C4、C6〜C8の粘度を以下の条件で測定した。結果を表12に示す。
落球式粘度計(AntonPaar GmbH(アントンパール社)製 Lovis 2000 M)を用い、Ar雰囲気下、試験セルに電解液を封入し、30℃の条件下で粘度を測定した。
電解液E2、E4、E8、E11、E13、C1、C2、C4およびC6の揮発性を以下の方法で測定した。
電解液E4、電解液C2の燃焼性を以下の方法で試験した。
電解液E11、E13、E16、E19をそれぞれ容器に入れ、不活性ガスを充填して密閉した。これらを-30℃の冷凍庫に2日間保管した。保管後に各電解液を観察した。いずれの電解液も固化せず液体状態を維持しており、塩の析出も観察されなかった。
電解液E8、E9、C4、並びに、E11、E13、E15、C6につき、以下の条件でラマンスペクトル測定を行った。各電解液の金属塩のアニオン部分に由来するピークが観察されたラマンスペクトルをそれぞれ図34〜図40に示す。図の横軸は波数(cm−1)であり、縦軸は散乱強度である。
ラマンスペクトル測定条件
装置:レーザーラマン分光光度計(日本分光株式会社NRSシリーズ)
レーザー波長:532nm
不活性ガス雰囲気下で電解液を石英セルに密閉し、測定に供した。
電解液E2およびC5のLi輸率を以下の条件で測定した。結果を表14に示す。なお、表14には実施例1で用いた電解液(E8)および比較例1で用いた電解液(C4)の結果も併記した。Li輸率測定条件は上記実施例1および比較例1の電解液のLi輸率を測定したときと同じである。
また、電解液E8につき、温度を変化させた場合のLi輸率を、上記Li輸率測定条件に準じて測定した。結果を表15に示す。
<負極の作製>
バインダとしてPAAに代えてカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレンブタジエンゴム(SBR)との混合物(質量比でCMC:SBR=1:1)を用い、質量比で活物質:バインダ=98:2となるように用いたこと、および真空乾燥温度を100℃としたこと以外は実施例1と同様にして、負極活物質層の目付けが4mg/cm2程度の負極を形成した。
正極は、正極活物質層と、正極活物質層で被覆された集電体とからなる。正極活物質層は、正極活物質と、バインダと、導電助剤とを有する。正極活物質は、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2からなる。バインダは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる。導電助剤は、アセチレンブラック(AB)からなる。集電体は、厚み20μmのアルミニウム箔からなる。正極活物質層を100質量部としたときの、正極活物質とバインダと導電助剤との含有質量比は90:8:2である。
上記の正極、負極及び上述した電解液E11を用いて、ラミネート型リチウムイオン二次電池を製作した。詳しくは、正極および負極の間に、セパレータとしてセルロース不織布(厚み20μm)を挟装して極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに電解液E11を注入した。
電解液E11に代えて、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを3:7(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解した電解液C5を用いたこと以外は実施例4と同様にしてリチウム二次電池を得た。
(評価例17:電池のサイクル耐久性I)
実施例4、比較例7のリチウムイオン二次電池を用い、それぞれ温度25℃、1CのCC充電の条件下において4.1Vまで充電し、1分間休止した後、1CのCC放電で3.0Vまで放電し、1分間休止するサイクルを500サイクル繰り返すサイクル試験を行った。500サイクル目における放電容量維持率を測定し、結果を表16に示す。放電容量維持率は、500サイクル目の放電容量を初回の放電容量で除した値の百分率{(500サイクル目の放電容量)/(初回の放電容量)×100}で求められる値である。
CMC-SBRに代えてポリアクリル酸(PAA)を質量比で活物質:バインダ=90:10となるように用いたこと以外は実施例4と同様にして負極を作成し、その負極を用いたこと以外は実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(評価例18:電池の高温貯蔵耐性)
実施例4,5、比較例7のリチウム二次電池を用い、60℃で1週間貯蔵する高温貯蔵試験を行った。高温貯蔵試験開始前に3.0VからCC-CVで4.1Vにした際の充電容量を基準(SOC100)とし、基準に対し20%分をCC放電(SOC80に調整)した後、高温貯蔵試験を開始した。高温貯蔵試験後に1Cで3.0VまでCC-CVし、この時の放電容量と貯蔵前のSOC80容量の比から、次式のように保存容量を算出した。結果を表17に示す。
保存容量=100×(貯蔵後のCC-CV放電容量)/(貯蔵前のSOC80容量)
実施例6のリチウムイオン二次電池は電解液E13を用いたものである。実施例6のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と導電助剤との混合比、および電解液以外は実施例3のリチウムイオン二次電池と同じものである。正極については、NCM523:AB:PVdF=90:8:2とした。
実施例7のリチウムイオン二次電池は電解液E8を用いたこと以外は実施例6のリチウムイオン二次電池と同じものである。
(評価例19:電池の内部抵抗)
実施例4、6、7および比較例7のリチウムイオン二次電池を用い、電池の内部抵抗を評価した。
各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電(つまり定電流充放電)を繰り返した。そして、初回充放電後の交流インピーダンス、および、100サイクル経過後の交流インピーダンスを測定した。得られた複素インピーダンス平面プロットを基に、電解液、負極および正極の反応抵抗を各々解析した。図41示すように、複素インピーダンス平面プロットには、二つの円弧がみられた。図中左側(つまり複素インピーダンスの実部が小さい側)の円弧を第1円弧と呼ぶ。図中右側の円弧を第2円弧と呼ぶ。第1円弧の大きさを基に負極の反応抵抗を解析し、第2円弧の大きさを基に正極の反応抵抗を解析した。第1円弧に連続する図41中最左側のプロットを基に電解液の抵抗を解析した。解析結果を表18および表19に示す。なお、表18は、初回充放電後の電解液の抵抗(所謂溶液抵抗)、負極の反応抵抗、正極の反応抵抗を示し、表19は100サイクル経過後の各抵抗を示す。
なお、実施例7および比較例7のリチウムイオン二次電池における電解液の溶液抵抗はほぼ同じであり、実施例4および実施例6のリチウムイオン二次電池における電解液の溶液抵抗は、実施例7および比較例7に比べて高い。また、各リチウムイオン二次電池における各電解液の溶液抵抗は初回充放電後も100サイクル経過後もほぼ同じである。このため、各電解液の耐久劣化は生じていないと考えられ、上記した比較例および実施例において生じた負極反応抵抗および正極反応抵抗の差は、電解液の耐久劣化に関係するものでなく電極自体に生じているものであると考えられる。
(評価例20:電池のサイクル耐久性II)
実施例4、実施例7および比較例7の各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電を繰り返し、初回充放電時の放電容量、100サイクル時の放電容量、および500サイクル時の放電容量を測定した。そして、初回充放電時の各リチウムイオン二次電池の容量を100%とし、100サイクル時および500サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)を算出した。結果を表20に示す。
(評価例21:電池の高温貯蔵耐性)
実施例4、実施例7および比較例7のリチウムイオン二次電池について、60℃で1週間貯蔵する高温貯蔵試験を行った。高温貯蔵試験開始前に、3.0Vから4.1VにまでCC-CV(定電流定電圧)充電した。このときの充電容量を基準(SOC100)とし、当該基準に対して20%分をCC放電してSOC80に調整した後、高温貯蔵試験を開始した。高温貯蔵試験後に1Cで3.0VまでCC-CV放電した。このときの放電容量と貯蔵前のSOC80容量との比から、次式のように残存容量を算出した。結果を表21に示す。
残存容量=100×(貯蔵後のCC-CV放電容量)/(貯蔵前のSOC80容量)
実施例6と同じ正極(NCM523:AB:PVdF=90:8:2)および実施例1と同じ負極(天然黒鉛:PAA=90:10)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例8のリチウムイオン二次電池を得た。
実施例6と同じ正極(NCM523:AB:PVdF=90:8:2)および実施例2と同じ負極(天然黒鉛:CMC:SBR=98:1:1)を用いたこと以外は実施例3と同様にして、実施例9のリチウムイオン二次電池を得た。
電解液C5を用いたこと以外は、実施例8と同様の方法で比較例8のリチウムイオン二次電池を得た。
電解液C5を用いたこと以外は、実施例9と同様の方法で比較例9のリチウムイオン二次電池を得た。
(評価例22:電池のサイクル耐久性III)
実施例4および比較例7の各リチウムイオン二次電池について、室温、3.0V〜4.1V(vs.Li基準)の範囲でCC充放電を500サイクル繰り返し、各サイクルにおける放電電流容量(Ah)および充電電流容量(Ah)を測定した。そして、測定値を基に各サイクルにおけるクーロン効率(%)を算出し、更に、初回充放電時(つまり1サイクル時)から500サイクル時までのクーロン効率の平均値を算出した。また、初回充放電時の放電容量および500サイクル時の放電容量を測定した。そして、初回充放電時の各リチウムイオン二次電池の容量を100%とし、500サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)を算出した。クーロン効率は{(放電電流容量)/(充電電流容量)}×100に基づいて算出した。結果を表22に示す。
(評価例23:電池のサイクル耐久性IV)
実施例8、9の各リチウムイオン二次電池について、サイクル耐久性Iと同様の方法で充放電を200サイクル繰り返し、200サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)、およびクーロン効率(%、200サイクルの平均値)を算出した。結果を表23に示す。
<試験・評価>
(評価例24:電池のサイクル耐久性V)
実施例8、9および比較例8、9の各リチウムイオン二次電池について、サイクル耐久性IVと略同様に、203サイクル時の各リチウムイオン二次電池の容量維持率(%)を算出した。より具体的には、サイクル耐久性IIIにおいては3サイクル目を試験初期とし、そこから200サイクル充放電をおこなった際の容量維持率を求めた。また、試験初期、つまり3サイクル時において温度25℃、0.5CのCCCVで電圧3.5Vに調整した後、3Cで10秒のCC放電をした際の電圧変化量(放電前電圧と放電10秒後電圧との差)及び電流値からオームの法則により直流抵抗を測定した。そして、このときの直流抵抗を初期直流抵抗とした。結果を表24に示す。
(評価例25:電池の高温貯蔵耐性)
実施例8、9、比較例8、9のリチウム二次電池を用い、60℃で1週間貯蔵する高温貯蔵試験を行った。高温貯蔵試験開始前に3.0VからCC-CVで4.1Vにした際の充電容量を基準(SOC100)とし、基準に対し20%分をCC放電(SOC80に調整)した後、高温貯蔵試験を開始した。高温貯蔵試験後に1Cで3.0VまでCC-CVし、この時の放電容量と貯蔵前のSOC80容量の比を基にして、次式のように残存容量を算出した。
残存容量=100×(貯蔵後のCC-CV放電容量)/(貯蔵前のSOC80容量)
保存容量を算出した。結果を表25に示す。
電解液E8を用いたハーフセルを以下のとおり製造した。
径13.82mm、面積1.5cm2、厚み20μmのアルミニウム箔(JIS A1000番系)を作用極とし、対極は金属Liとした。セパレータは厚さ400μmのWhatmanガラス繊維濾紙:品番1825−055を用いた。
作用極、対極、セパレータおよびE8の電解液を電池ケース(宝泉株式会社製 CR2032型コインセルケース)に収容しハーフセルを構成した。これをハーフセルEB1とした。
ハーフセルEB1に対して、1mV/sの速度で3.1V〜4.6V(vs.Li基準)の範囲でリニアスイープボルタンメトリー測定(所謂LSV)を10回繰り返した際の、電流と電極電位の変化を観察した。ハーフセルEB1の充放電1回目、2回目、3回目の電流と電極電位との関係を示すグラフを図42に示す。
4.3Vで一旦僅かに電流が増大するが、その後4.6Vまで大幅な増大は見られなかった。また、充放電の繰返しによって電流量は減少し定常化に向った。
以上の結果から、本発明の電解液を使用するとともに正極にアルミニウム集電体を用いた非水電解質二次電池は、高電位でもAlの溶出が起こり難いと考えられる。Alの溶出が起こり難いとされる理由は明確ではないが、本発明の電解液は、従来の電解液とは金属塩と有機溶媒の種類、存在環境および金属塩濃度が異なり、従来の電解液に比べて、本発明の電解液に対するAlの溶解性が低いのではないかと推測する。
(EB2)
電解液E8にかえて電解液E11を用いた以外は、ハーフセルEB1と同様にして、ハーフセルEB2を作製した。
電解液E8にかえて電解液E16を用いた以外は、EB1と同様にして、ハーフセルEB3を作製した。
電解液E8にかえて電解液E19を用いた以外は、EB1と同様にして、ハーフセルEB4を作製した。
電解液E8にかえて電解液E13を用いた以外は、EB1と同様にして、ハーフセルEB5を作製した。
電解液E8にかえて電解液C5を用いた以外は、EB1と同様にして、ハーフセルCB1を作製した。
電解液E8にかえて電解液C6を用いた以外は、EB1と同様にして、ハーフセルCB2を作製した。
電解液E8を用いたハーフセルを以下のとおり製造した。
活物質である平均粒径10μmの黒鉛90質量部、及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部を混合した。この混合物を適量のN−メチル−2−ピロリドンに分散させて、スラリーを作製した。集電体として厚み20μmの銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除去し、その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で120℃、6時間加熱乾燥して、活物質層が形成された銅箔を得た。これを作用極とした。なお、銅箔1cm2あたりの活物質の質量は1.48mgであった。また、プレス前の黒鉛及びポリフッ化ビニリデンの密度は0.68g/cm3であり、プレス後の活物質層の密度は1.025g/cm3であった。
対極は金属Liとした。
作用極、対極、両者の間に挟装したセパレータとしての厚さ400μmのWhatmanガラス繊維ろ紙及び電解液E8を、径13.82mmの電池ケース(宝泉株式会社製 CR2032型コインセルケース)に収容しハーフセルを構成した。これをハーフセルEB6とした。
電解液E11を用いた以外は、EB6と同様の方法で、ハーフセルEB7を製造した。
電解液E16を用いた以外は、EB6と同様の方法で、ハーフセルEB8を製造した。
電解液E19を用いた以外は、EB6と同様の方法で、ハーフセルEB9を製造した。
電解液C5を用いた以外は、EB6と同様の方法で、ハーフセルCB3を製造した。
ハーフセルEB6〜EB9、CB3に対し、25℃、電圧2.0VまでCC充電(定電流充電)し、電圧0.01VまでCC放電(定電流放電)を行う2.0V−0.01Vの充放電サイクルを、充放電レート0.1Cで3サイクル行った。各ハーフセルの充放電曲線を図58〜図62に示す。
図58〜図62に示されるように、ハーフセルEB6〜EB9は、一般的な電解液を用いたハーフセルCB3と同様に、可逆的に充放電反応することがわかる。
Claims (8)
- 負極と電解液とを有し、
前記電解液は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルミニウムをカチオンとする塩と、ヘテロ元素を有する有機溶媒とを含み、
前記電解液の振動分光スペクトルにおける前記有機溶媒由来のピーク強度につき、前記有機溶媒本来のピークの強度をIoとし、前記ピークがシフトしたピークの強度をIsとした場合、Is>Ioであり、
前記塩は(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLi、(C2F5SO2)2NLi、FSO2(CF3SO2)NLi、(SO2CF2CF2SO2)NLi、又は(SO2CF2CF2CF2SO2)NLiから選ばれる少なくとも1種であり、
前記有機溶媒は、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、イソプロピルイソシアネート、n-プロピルイソシアネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸ビニル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、オキサゾール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、無水酢酸、無水プロピオン酸、スルホラン、ジメチルスルホキシド、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパン、フラン、フルフラール、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、チオフェン、ピリジン、1-メチルピロリジン、N-メチルモルフォリン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、または下記一般式(10)で示される鎖状カーボネートであり、
前記負極は、親水基を有するポリマーからなるバインダを含む負極活物質層をもつことを特徴とする非水系二次電池(但し、電解液が、リチウム塩、アンモニウム塩、及び、ヘキサフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン、1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン、及び1,2,3−トリフルオロベンゼンより選択される少なくとも1種のフッ素化ベンゼンが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ―ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、及びジエトキシエタンからなる群より選択される少なくとも1種の非水溶媒に溶解された非水電解液であるものを除く。)。
R19OCOOR20 一般式(10)
(R19、R20は、それぞれ独立に、鎖状アルキルであるCnHaFbClcBrdIe、又は、環状アルキルを化学構造に含むCmHfFgClhBriIjのいずれかから選択される。nは1〜6の整数、mは3〜8の整数、a、b、c、d、e、f、g、h、i、jはそれぞれ独立に0以上の整数であり、2n+1=a+b+c+d+e、2m=f+g+h+i+jを満たす。) - 前記Isと前記Ioとの関係がIs>2×Ioである請求項1に記載の非水系二次電池。
- 前記電解液の密度d(g/cm3)を前記電解液の塩濃度c(mol/L)で除したd/cは、0.15≦d/c≦0.71の範囲内である請求項1または2に記載の非水系二次電池。
- 前記電解液の密度d(g/cm3)は1.2≦d≦2.2である請求項3に記載の非水系二次電池。
- 前記親水基を有するポリマーは、一分子中に複数のカルボキシル基及び/又はスルホ基を含む請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記親水基を有するポリマーは水溶性ポリマーである請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池。
- 前記水溶性ポリマーは、一分子中に複数のカルボキシル基及び/又はスルホ基を含む請求項6に記載の非水系二次電池。
- 前記電解液は、前記有機溶媒がアセトニトリル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート又はジエチルカーボネートから選択され、前記塩が(CF 3 SO 2 ) 2 NLi又は(FSO 2 ) 2 NLiから選択される請求項1〜7のいずれかに記載の非水系二次電池。
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