JP2015195070A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】読み出し動作に要する時間を短縮し、また誤読み出しの虞を小さくすることができる不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】メモリセルを配列してなるメモリセルアレイと、メモリセルアレイを制御する制御回路とを備える。制御回路は、メモリセルの本読み出し動作S5を実行する前に、メモリセルのうち一部の第1メモリセル群を読み出す予備読み出し動作S1を実行し、その結果に基づいて、読み出し動作時において前記メモリセルに印加する読み出し電圧を変更する。
【選択図】図12

Description

本明細書に記載の実施の形態は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
不揮発性半導体記憶装置、例えばNAND型フラッシュメモリでは、微細化の進展や3次元構造における積層数の増加に伴い、メモリセルにおけるデータの信頼性が問題となっている。例えば、メモリセルの閾値電圧に変動が生じた場合、再度読み出し動作を実行する必要が生じ(リトライリード)、その分読み出し動作の時間が長くなる可能性がある。
特開2010−118580号公報
以下に記載の実施の形態は、誤読み出しの虞を小さくすることができる不揮発性半導体記憶装置を提供するものである。
以下に説明する実施の形態の不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルを配列してなるメモリセルアレイと、メモリセルアレイを制御する制御回路とを備える。制御回路は、メモリセルの読み出し動作を実行する前に、メモリセルのうち一部の第1メモリセル群を読み出す予備読み出し動作を実行し、その結果に基づいて、読み出し動作時において前記メモリセルに印加する読み出し電圧を変更するよう構成されている。
第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100のブロック図の一例である。 メモリセルアレイ11の等価回路図の一例である。 メモリセルアレイ11の概略斜視図の一例である。 図3の断面図の一例である。 第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100の回路図の一例である。 第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の書き込み動作について説明する波形図の一例である。 第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の読み出しみ動作について説明する波形図の一例である。 第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の消去動作について説明する波形図の一例である。 書き込み動作時の書き込み電圧Vpgmと閾値電圧の変化量ΔVthtの関係を示すグラフの一例である。 消去動作時の消去電圧Veraと閾値電圧の変化量ΔVthtの関係を示すグラフの一例である。 データ保持特性とメモリホール径との関係を示すグラフの一例である。 ディスターブ特性とメモリホール径との関係を示すグラフの一例である。 第1の実施の形態の読み出し動作の手順を示す概念図の一例である。 第1の実施の形態の読み出し動作の手順を示す概念図の一例である。 第1の実施の形態の読み出し動作の手順を示すフローチャートの一例である。 第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100の回路図の一例である。 第3の実施の形態の読み出し動作の手順を示すフローチャートの一例である。 第4の実施の形態の読み出し動作の手順を示す概略図の一例である。 第4の実施の形態の読み出し動作の手順を示すフローチャートの一例である。 第5の実施の形態の読み出し動作の手順を示すフローチャートの一例である。 第6の実施の形態の読み出し動作の手法を示すグラフの一例である。 第6の実施の形態の読み出し動作の手順を示すフローチャートの一例である。 第1の実施の形態の変形例を示す。
以下、図面を参照して、実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。
[第1の実施の形態]
先ず、図1を参照して、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100について説明する。
[構成]
図1は、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100のブロック図である。第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100は、図1に示すように、メモリセルアレイ11、ロウデコーダ12、13、センスアンプ14、カラムデコーダ15、制御部16を備える。
メモリセルアレイ11は、データを電気的に記憶するメモリトランジスタMTrを有する。ロウデコーダ12、13は、取り込まれたブロックアドレス信号及びゲートアドレス信号をデコードし、メモリセルアレイ11を制御する。また、不揮発性半導体記憶装置100にはメモリコントローラまたはホストHMからコマンドなどが送付される。不揮発性半導体記憶装置100の制御部16はこのコマンドに基づき、メモリセルアレイ11などを制御する。
センスアンプ14は、メモリセルアレイ11からデータを読み出す。カラムデコーダ15は、カラムアドレス信号をデコードし、センスアンプ14を制御する。制御部16は、基準電圧を昇圧させて、書き込みや消去時に必要となる高電圧を生成する機能を有する。さらに、制御回路16は、ロウデコーダ12、13、センスアンプ14、及びカラムデコーダ15等を制御するための制御信号を生成し、これをそれらの周辺回路に向けて送信する。また、制御部16は、メモリセルアレイ11に対し書込み動作又は消去動作を行った累積回数NWEをカウントするカウンタ16Aと、読み出されたデータに対する誤り検出動作及び誤り訂正動作を実行するためのECC回路16Bとを備えている。
次に、図2乃至図4を参照し、メモリセルアレイ11の積層構造及び回路構成について説明する。図2は、メモリセルアレイ11の等価回路図である。図3は、メモリセルアレイ11の概略斜視図である。図4は、図3の断面図である。以下、積層方向に直交する方向をロウ方向とし、積層方向及びロウ方向に直交する方向をカラム方向とする。なお図3は、配線間に設けられた層間絶縁層を省略して記載している。
メモリセルアレイ11は、図2に示すように、複数のメモリブロックMBを有する。メモリブロックMBは、半導体基板Ba(図示略)上に、カラム方向に配列されている。換言すると、メモリブロックMBは、半導体基板Ba上に所定領域毎に形成されている。
メモリブロックMBは、図2に示すように、複数のメモリストリングMS、ソース側選択トランジスタSSTr、及びドレイン側選択トランジスタSDTrを備える。メモリストリングMSは、直列接続されたメモリトランジスタMTr1〜MTr4にて構成され、積層方向を長手方向として延びる。ドレイン側選択トランジスタSDTrは、メモリストリングMSの一端(メモリトランジスタMTr4)に接続されている。
ソース側選択トランジスタSSTrは、メモリストリングMSの他端(メモリトランジスタMTr1)に接続されている。例えば、メモリストリングMSは、1つのメモリブロックMB毎に、複数行、複数列のマトリクス状に配列されている。なお、メモリストリングMSは、4つ以上のメモリトランジスタにて構成してもよい。
図2に示すように、メモリブロックMBにおいて、マトリクス状に配列されたメモリトランジスタMTr1の制御ゲートは、ワード線WL1に共通接続されている。同様に、メモリトランジスタMTr2の制御ゲートは、ワード線WL2に共通接続されている。メモリトランジスタMTr3の制御ゲートは、ワード線WL3に共通接続されている。メモリトランジスタMTr4の制御ゲートは、ワード線WL4に共通接続されている。ワード線WL1〜4の各々は、ロウ方向及びカラム方向に延びる板状の電極として形成されている。ワード線WL1〜WL4は、各々独立の信号で制御される。
図2に示すように、メモリブロックMBにおいて、ロウ方向に一列に配列された複数のドレイン側選択トランジスタSDTrの制御ゲートは、1本のドレイン側選択ゲート線SGDに共通接続されている。ドレイン側選択ゲート線SGDは、カラム方向に複数本設けられ、各々独立の信号で制御される。また、カラム方向に配列されたドレイン側選択トランジスタSDTrの他端は、ビット線BLに共通に接続される。ビット線BLは、メモリブロックMBを跨いでカラム方向に延びるように形成される。ビット線BLは、ロウ方向に複数本設けられ、各々独立の信号で制御される。
図2に示すように、メモリブロックMBにおいて、ロウ方向に一列に配列された複数のソース側選択トランジスタSSTrの制御ゲートは、1本のソース側選択ゲート線SGSに共通接続されている。ソース側選択ゲート線SGSは、カラム方向に複数本設けられ、各々独立の信号で制御されている。また、カラム方向に配列されたソース側選択トランジスタSDTrの他端は、ソースSLに共通に接続されている。
上記のようなメモリブロックMBの回路構成は、図3及び図4に示す積層構造により実現されている。各メモリブロックMBは、半導体基板Ba上に順次積層されたソース側選択トランジスタ層20、メモリトランジスタ層30、及びドレイン側選択トランジスタ層40を有する。
ソース側選択トランジスタ層20は、ソース側選択トランジスタSSTrとして機能する層である。メモリトランジスタ層30は、メモリストリングMS(メモリトランジスタMTr1〜MTr4)として機能する層である。ドレイン側選択トランジスタ層40は、ドレイン側選択トランジスタSDTrとして機能する層である。
ソース側選択トランジスタ層20は、図3及び図4に示すように、半導体基板Ba上に順次形成されたソース側第1絶縁層21、ソース側導電層22、及びソース側第2絶縁層23を有する。ソース側導電層22は、ロウ方向に延びるように形成されている。
ソース側第1絶縁層21、及びソース側第2絶縁層23は、例えば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)にて構成されている。ソース側導電層22は、例えば、ポリシリコン(p−Si)にて構成されている。
また、ソース側選択トランジスタ層20は、図4に示すように、ソース側第1絶縁層21、ソース側導電層22、及びソース側第2絶縁層23を貫通するように形成されたソース側ホール25を有する。ソース側ホール25は、ロウ方向及びカラム方向にマトリクス状に形成されている。
さらに、ソース側選択トランジスタ層20は、図4に示すように、ソース側ホール25の側壁に順次形成されたソース側ゲート絶縁層26、及びソース側半導体層27を有する。ソース側ゲート絶縁層26は、ソース側ホール25の側壁に所定の厚みをもって形成されている。ソース側半導体層27は、ソース側ホール25を埋めるように形成されている。ソース側半導体層27は、積層方向に延びる略柱状に形成されている。ソース側半導体層27の上面は、後述するメモリ半導体層35の下面に接するように形成されている。ソース側半導体層27は、半導体基板Ba上の拡散層Ba1上に形成されている。拡散層Ba1は、ソース線SLとして機能する。
ソース側ゲート絶縁層25は、例えば、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。ソース側半導体層27は、例えば、ポリシリコン(p−Si)にて構成されている。
ソース側選択トランジスタ層20の構成において、ソース側導電層22は、ソース側選択トランジスタSSTrの制御ゲートとして機能する。また、ソース側導電層22は、ソース側選択ゲート線SGSとして機能する。
メモリトランジスタ層30は、図3及び図4に示すように、ソース側選択トランジスタ層20上に順次積層された第1〜第5ワード線間絶縁層31a〜31e、及び第1〜第4ワード線導電層32a〜32dを有する。第1〜第4ワード線導電層32a〜32dは、ロウ方向及びカラム方向に2次元的に(板状に)広がるように形成されている。第1〜第4ワード線導電層32a〜32dは、メモリブロックMB毎に分断されている。
第1〜第5ワード線間絶縁層31a〜31eは、例えば、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。第1〜第4ワード線導電層32a〜32dは、例えば、ポリシリコン(p−Si)にて構成されている。
また、メモリトランジスタ層30は、図4に示すように、第1〜第5ワード線間絶縁層31a〜31e、及び第1〜第4ワード線導電層32a〜32dを貫通するように形成されたメモリホール33を有する。メモリホール33は、ロウ方向及びカラム方向にマトリクス状に形成されている。メモリホール33は、積層方向から見てソース側ホール25と重なる位置に形成されている。
さらに、メモリトランジスタ層30は、図4に示すように、メモリホール33の側壁に順次形成されたブロック絶縁層34a、電荷蓄積層34b、トンネル絶縁層34c、及びメモリ半導体層35を有する。ブロック絶縁層34aは、メモリホール33の側壁に所定の厚みをもって形成されている。電荷蓄積層34bは、ブロック絶縁層34aの側壁に所定の厚みをもって形成されている。トンネル絶縁層34cは、電荷蓄積層34bの側壁に所定の厚みをもって形成されている。メモリ半導体層35は、メモリホール33を埋めるように形成されている。メモリ半導体層35は、積層方向を長手方向として延びるように略柱状に形成されている。メモリ半導体層35の下面は、ソース側半導体層27の上面に接するように形成されている。また、メモリ半導体層35の上面は、後述するドレイン側柱状半導体層47の下面に接するように形成されている。
ブロック絶縁層34a、及びトンネル絶縁層34cは、例えば、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。電荷蓄積層34bは、例えば、窒化シリコン(SiN)にて構成されている。メモリ半導体層35は、例えば、ポリシリコン(p−Si)にて構成されている。
メモリトランジスタ層30の構成において、第1〜第4ワード線導電層32a〜32dは、メモリトランジスタMTr1〜MTr4の制御ゲートとして機能する。また、第1〜第4ワード線導電層32a〜32dは、ワード線WL1〜WL4の一部として機能する。
ドレイン側選択トランジスタ層40は、図3及び図4に示すように、メモリトランジスタ層30の上に順次積層されたドレイン側第1絶縁層41、ドレイン側導電層42、及びドレイン側第2絶縁層43を有する。ドレイン側導電層42は、積層方向から見てメモリ半導体層35と重なる位置に形成されている。ドレイン側導電層42は、ロウ方向に延びるように形成されている。
ドレイン側第1絶縁層41、及びドレイン側第2絶縁層43は、例えば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)にて構成されている。ドレイン側導電層42は、例えば、ポリシリコン(p−Si)にて構成されている。
また、ドレイン側選択トランジスタ層40は、図4に示すように、ドレイン側第1絶縁層41、ドレイン側導電層42、及びドレイン側第2絶縁層43を貫通するように形成されたドレイン側ホール45を有する。ドレイン側ホール45は、ロウ方向及びカラム方向にマトリクス状に形成されている。ドレイン側ホール45は、メモリホール33に整合する位置に形成されている。
さらに、ドレイン側選択トランジスタ層40は、図4に示すように、ドレイン側ホール45の側壁に形成されたドレイン側ゲート絶縁層46、及びドレイン側半導体層47を有する。ドレイン側ゲート絶縁層46は、ドレイン側ホール45の側壁に所定の厚みをもって形成されている。ドレイン側半導体層47は、ドレイン側ホール45を埋めるように形成されている。ドレイン側半導体層47は、積層方向に延びるように略柱状に形成されている。ドレイン側半導体層47の下面は、メモリ半導体層35の上面に接するように形成されている。ドレイン側半導体層47の上面には、ビット線層51が形成されている。ビット線層51は、カラム方向に延びるようにロウ方向に所定ピッチをもって形成されている。ビット線層51は、ビット線BLとして機能する。
ドレイン側ゲート絶縁層46は、例えば、酸化シリコン(SiO)にて構成されている。ドレイン側半導体層47は、例えば、ポリシリコン(p−Si)にて構成されている。
ドレイン側選択トランジスタ層40の構成において、ドレイン側導電層42は、ドレイン側選択トランジスタSDTrの制御ゲートとして機能する。また、ドレイン側導電層42は、ドレイン側選択ゲート線SGDの一部として機能する。
次に、図5を参照して、ロウデコーダ12、13の回路構成について説明する。図5は、不揮発性半導体記憶装置100の回路図である。
ロウデコーダ12は、図5に示すように、メモリブロックMB毎に、NAND回路121、NOT回路122、及び電圧変換回路123を有する。
NAND回路121は、制御部16からアドレス信号Addressを受け付け、NOT回路122に出力する。NOT回路122は、NAND回路121から信号を受け付け、電圧変換回路123に出力する。電圧変換回路123は、NOT回路122から受け付けた信号により、電圧出力する。
また、ロウデコーダ12は、図5に示すように、同一のドレイン側選択ゲート線SGDに接続されたメモリストリングMS毎に、第1、第2転送トランジスタ124a、124bを有する。
第1転送トランジスタ124aの一端は、制御部16から電圧SgSGDを受け付ける。電圧SgSGDは、特定のドレイン側選択ゲート線SGDを駆動させるための電圧である。第1転送トランジスタ124aの他端は、ドレイン側選択ゲート線SGDに接続されている。第1転送トランジスタ124aの制御ゲートは、電圧変換回路123のからの電圧を受け付ける。
第2転送トランジスタ124bの一端は、制御部16から電圧SgSGDOFFを受け付ける。電圧SgSGDOFFは、ドレイン側選択ゲート線SGDを非駆動とするための電圧である。第2転送トランジスタ124bの他端は、ドレイン側選択ゲート線SGDに接続されている。第2転送トランジスタ124bの制御ゲートは、NAND回路121からの電圧を受け付ける。
また、ロウデコーダ12は、図5に示すように、メモリブロックMB毎に、第3、第4転送トランジスタ124c、124dを有する。
第3、第4転送トランジスタ124c、124dの一端は、制御部16から電圧SgWL3、電圧SgWL4を受け付ける。電圧SgWL3、電圧SgWL4は、ワード線WL3、WL4を駆動させるための電圧である。第3、第4転送トランジスタ124c、124dの他端は、ワード線WL3、WL4に接続されている。第3、第4転送トランジスタ124c、124dの制御ゲートは、電圧変換回路123からの電圧を受け付ける。
ロウデコーダ13は、図5に示すように、メモリブロックMB毎に、NAND回路131、NOT回路132、及び電圧変換回路133を有する。
NAND回路131は、制御部16からアドレス信号Addressを受け付け、NOT回路132に出力する。NOT回路132は、NAND回路131から信号を受け付け、電圧変換回路133に出力する。電圧変換回路133は、NOT回路132から受け付けた信号により電圧を出力する。
また、ロウデコーダ13は、図5に示すように、同一のソース側選択ゲート線SGSに接続されたメモリストリングMS毎に、第1、第2転送トランジスタ134a、134bを有する。
第1転送トランジスタ134aの一端は、制御部16から電圧SgSGSを受け付ける。電圧SgSGSは、特定のソース側選択ゲート線SGSを駆動させるための信号である。第1転送トランジスタ134aの他端は、ソース側選択ゲート線SGSに接続されている。第1転送トランジスタ134aの制御ゲートは、電圧変換回路133のからの電圧を受け付ける。
第2転送トランジスタ134bの一端は、制御部16から電圧SgSGSOFFを受け付ける。電圧SgSGSOFFは、ソース側選択ゲート線SGSを非駆動とするための電圧である。第2転送トランジスタ134bの他端は、ソース側選択ゲート線SGSに接続されている。第2転送トランジスタ134bの制御ゲートは、NAND回路131からの電圧を受け付ける。
また、ロウデコーダ13は、図5に示すように、メモリブロックMB毎に、第3、第4転送トランジスタ134c、134dを有する。
第3、第4転送トランジスタ134c、134dの一端は、制御部16から電圧SgWL1、電圧SgWL2を受け付ける。電圧SgWL1、電圧SgWL2は、ワード線WL1、WL2を駆動させるための電圧である。第3、第4転送トランジスタ134c、134dの他端は、ワード線WL1、WL2に接続されている。第3、第4転送トランジスタ134c、134dの制御ゲートは、電圧変換回路133からの電圧を受け付ける。
(第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の動作)
次に、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の動作について説明する。先ず、図6〜図8の波形図を参照して、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作について説明する。図6〜図8に示す動作は、制御部16によって行われる。図6は、第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の書き込み動作を示すタイミングチャートの一例であり、図7は、その読み出し動作を示すタイミングチャートであり、図8は、その消去動作を示すタイミングチャートの一例である。
以下では、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたワード線WL1〜WL4を「選択ワード線WL(sel)」と表記する。一方、非選択のワード線WL1〜WL4を「非選択ワード線WL(n−sel)」と表記する。また、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたドレイン側選択ゲート線SGDを、「選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)」と表記する。一方、非選択のドレイン側選択ゲート線SGDを、「非選択ドレイン側選択ゲート線SGD(n−sel)」と表記する。書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたソース側選択ゲート線SGSを「選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)」と表記する。一方、非選択のソース側選択ゲート線SGSを「非選択ソース側選択ゲート線SGS(n−sel)」と表記する。
さらに、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたメモリブロックMBを「選択メモリブロックMB(sel)」と表記する。一方、非選択のメモリブロックMBを「非選択メモリブロックMB(n−sel)」と表記する。書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたメモリストリングMSを「選択メモリストリングMS(sel)」と表記する。一方、非選択のメモリストリングMSを「非選択メモリストリングMS(n−sel)」と表記する。書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたドレイン側選択トランジスタSDTrを「選択ドレイン側選択トランジスタSDTr(sel)」と表記する。一方、非選択のドレイン側選択トランジスタSDTrを「非選択ドレイン側選択トランジスタSDTr(n−sel)」と表記する。書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作のために選択されたソース側選択トランジスタSSTrを「選択ソース側選択トランジスタSSTr(sel)」と表記する。一方、非選択のソース側選択トランジスタSDTrを「非選択ソース側選択トランジスタSSTr(n−sel)」と表記する。
書き込み動作においては、はじめに、図6に示すように、ソース線SLは電圧Vddとされ、その他は接地電圧Vssとされている。次に、時刻t11において、”1”書き込みを行う場合、ビット線BLが、電圧Vddに上げられる。或いは、時刻t11において、”0”書き込みを行う場合、ビット線BLは、接地電圧Vssに維持される。また、時刻t11において、選択ワード線WL(sel)、及び非選択ワード線WL(n−sel)が、電圧Vddまで上げられる。また、時刻t11において、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)が、電圧Vsgまで上げられる。一例として、電圧Vddは3V〜4V程度であり、電圧Vsgは4V程度である。
なお、非選択ドレイン側選択ゲート線SGD(n−sel)及び非選択ソース側選択ゲート線SGS(n−sel)は、接地電圧Vssとされている。また、非選択ブロックMB(n−sel)のワード線WLはフローティング状態とされている。
続いて、時刻t12において、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)が、電圧Vddまで下げられる。次に、時刻t13において、選択ワード線WL(sel)、及び非選択ワード線WL(n−sel)が、電圧Vpassまで上げられる。続いて、時刻t14において、選択ワード線WL(sel)が、電圧Vpgmまで上げられる。例えば、電圧Vpassは10V程度、電圧Vpgmは18V程度である。
次に、時刻t15において、選択ワード線WL(sel)、非選択ワード線WL(n−sel)、及び選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)が、接地電圧Vssまで下げられる。
上記動作により、選択メモリストリングMS(sel)における選択ワード線WL(sel)に接続されたメモリトランジスタMTrの電荷蓄積層34bに電荷が蓄積され、データが書き込まれる。
次に、読み出し動作について図7を参照して説明する。はじめに、ビット線BL、ソース線SL,選択ワード線WL(sel)、非選択ワード線(n−sel)、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)、及び選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)は、接地電圧Vssとされる。なお、非選択ドレイン側選択ゲート線SGD(n−sel)及び非選択ソース側選択ゲート線SGS(n−sel)は、接地電圧Vssとされている。非選択メモリブロックMB(n−sel)のワード線WLは、フローティング状態とされている。
次に、時刻t21において、ビット線BLが電圧Vpreまで上げられる。例えば、電圧Vpreは1V程度の電圧である。また、時刻t21において、非選択ワード線WL(n−sel)が電圧Vreadまで上げられる。例えば、電圧Vreadは4V程度である。また、時刻t21において、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)が電圧Vsgまで上げられる。続いて、時刻t22において、選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)が電圧Vsgまで上げられる。このとき、ビット線BLが、選択メモリセルの保持データによって、電圧Vpreに維持されるか、又は電圧Vssに向けて放電される。
次に、時刻t23において、非選択ワード線WL(n−sel)、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)、及び選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)が、接地電圧Vssまで下げられる。
上記動作により、ビット線BLから選択メモリストリングMS(sel)を介してソース線SL(メモリストリングMSの一方から他方)へと流れる電流を検知し、その大小を比較することで、データが読み出される。
次に、消去動作について、図8を参照して説明する。はじめに、ソース線SL、ワード線WL、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)、及び選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)は接地電圧Vssとされる。なお、ビット線BLは、フローティング状態とすることができる。また、非選択ドレイン側選択ゲート線SGD(n−sel)及び非選択ソース側選択ゲート線SGS(n−sel)は、フローティング状態とされている。また、非選択ブロックMB(n−sel)のワード線WLはフローティング状態とされている。
次に、時刻t31において、ソース線SLが電圧Veraまで上げられる。続いて、時刻t32において、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)、及び選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)は、電圧Verasgまで上げられる。一例として、電圧Veraは20V程度であり、電圧Verasgは15V程度である。
次に、時刻t33において、ソース線SLが接地電圧Vssまで下げられる。続いて、時刻t34において、選択ドレイン側選択ゲート線SGD(sel)、及び選択ソース側選択ゲート線SGS(sel)は、接地電圧Vssまで下げられる。
上記動作により、ソース側選択トランジスタSSTrのゲート付近にて、GIDL(Gate Induced Drain Leak)電流が発生し、生成したホールがメモリ半導体層35へと流れる。その結果、メモリ半導体層35の電位が上昇する。一方、電子が、半導体基板Ba方向に流れる。これにより、メモリ半導体層35と第1〜第4ワード線導電層32a〜32d(例えば、0Vに設定)の間の電位差により、メモリトランジスタMTr1〜MTr4を構成する電荷蓄積層34bから電子が引き抜かれる。すなわち、消去動作がなされる。
ところで、図1〜図5に示すような3次元構造のNAND型フラッシュメモリは、前述の通り、積層方向を長手方向として延びメモリセルのボディとして機能する半導体層35(図4)を備えている。この半導体層35は、その製造工程上の制約から、半導体層35の直径(メモリホール径)が下方から上方に行くにつれ大きくなる場合が多い。半導体層35は、いわゆる逆テーパ形状を備えることが多い。製造工程によっては、逆テーパ形状ではなく順テーパ形状となることもある。いずれの場合であっても、積層方向においてその直径を略均一にすることは容易ではない。以下では、逆テーパ形状を有する場合を例に取って説明するが、順テーパ形状や、その他、積層方向で直径が異なる場合でも、同様の問題が生じる。
半導体層35の逆テーパ形状が顕著となると、上下方向のメモリセルにおいて、書き込み特性、消去特性が変化してしまうという問題がある。
例えば、書き込み特性については、図9Aに示すように、メモリホール径が小さいメモリセルでは、比較的低い書き込み電圧Vpgmにより所望の閾値電圧の変化ΔVthが得られるが、メモリホール径が大きいメモリセルでは、より高い書き込み電圧Vpgmを印加しないと、所望の閾値電圧の変化ΔVthが得られない。また、消去特性については、図9Bに示すように、メモリホール径が小さいメモリセルでは、比較的低い消去電圧Veraにより所望の閾値電圧の変化ΔVthが得られるが、メモリホール径が大きいメモリセルでは、より高い消去電圧Veraを印加しないと、所望の閾値電圧の変化ΔVthが得られない。
また、半導体層35の逆テーパ形状が顕著となると、上下方向のメモリセルにおいて、データ保持特性及びディスターブ特性が変化してしまうという問題がある。ディスターブ特性とは、あるメモリセルにおける書き込み動作、消去動作、又は読み出し動作により、他のメモリセルの閾値電圧分布が変化してしまう特性である。半導体層35の逆テーパ形状が顕著になると、図10Aに示すように、メモリホール径が大きいメモリセルよりも、メモリホール径が小さいメモリセルにおいてデータ保持特性が劣化する。具体的は、メモリホール径が小さいメモリセルでは、メモリホール径が大きいメモリセルに比べ、電荷蓄積膜34bに保持された電荷が逃げやすく、特に閾値電圧分布の下裾部分が負側に変動しやすくなる。
また、半導体層35の逆テーパ形状が顕著になると、図10Bに示すように、メモリホール径が大きいメモリセルよりも、メモリホール径が小さいメモリセルにおいてディスターブ特性が劣化する。図10Bは、例えば、読み出し動作を繰り返し行った後における閾値電圧分布Erの変化を示している。具体的は、メモリホール径が小さいメモリセルでは、メモリホール径が大きいメモリセルに比べ、特に消去状態の閾値電圧分布Erが正側に移動しやすい。
このような閾値電圧分布の変動が生じた場合において、読み出し動作時に選択ワード線(読み出し対象として選択される選択メモリセルに接続されるワード線)に印加する読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3の値が初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3から不変のままであると、誤読み出しが生じる可能性が高くなる。誤読み出しは、誤り率が所定値以下であれば誤り訂正技術(ECC)により対応することができるが、誤り率が所定値を超えてしまうと、ECCによる対応は不可能となる。この場合には、読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3の値を変化させて再度読み出し動作を行う必要がある(リトライリード)。このリトライリードの回数が増えると、読み出し動作の平均所要時間が長くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、1つのワード線WLに接続されたメモリセルに対する読み出し動作(本読み出し動作)を開始する前に、当該ワード線に接続されたメモリセルの内の一部のメモリセルのみを読み出し対象とする予備読み出し動作を実行する。そして、その後に行われる本読み出し動作では、この予備読み出し動作の読み出し結果に基づき、当該選択ワード線に沿ったメモリセルに対する読み出し動作において使用される読み出し電圧の値を変化させる。具体的な動作の内容を、図11及び図12を参照して説明する。
予備読み出し動作(図12のステップS1)においては、最初に、読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3を、初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に設定した後、読み出し対象の選択ワード線WLに接続されるメモリセルの一部(例えば特定の予備読み出し用ページPpre)を読み出す。その予備読み出し用ページPpreのメモリセルには、予め実データと、誤り検出のためのパリティデータとが記憶されている。
ここで、メモリセルの閾値電圧分布は書き込み直後においては、図11Aに示す分布A、B、Cのように、メモリセルの閾値電圧分布は各閾値電圧分布の幅が狭い分布となっている。その後、電荷蓄積層34bからの電荷漏れなどにより、メモリセルの閾値電圧分布は閾値電圧分布A、B、Cから閾値電圧分布A’、B’、C’のように電圧が低い側にその分布幅が広がるように移動する。
なお、予備読み出し用ページの閾値電圧分布は、図11に示すように、読み出し対象のメモリセルの閾値電圧分布A’、B’、C’(読み出し閾値電圧分布)よりも小さい分布A’’、B’’、C’’ (予備読み出し閾値電圧分布)となる。ここで、予備読み出し閾値電圧分布A’’、B’’、C’’の中心値と読み出し閾値電圧分布A’、B’、C’の中心値はほぼ同じ位置にある。すなわち、予備読み出し閾値電圧分布A’’、B’’、C’’は読み出し閾値電圧分布A’、B’、C’をサンプリングにより抜き出したものであり、予備読み出し閾値電圧分布A’’、B’’、C’’は、読み出し閾値電圧分布A’、B’、C’の中心値と同じ中心値を有したままでその分布の高さ及び幅が一回り小さくなった分布と言える。予備読み出し閾値分布A’’、B’’、C’’の上限は、読み出し閾値分布A’、B’、C’の上限よりも低い場合が多い。同様に、予備読み出し閾値分布A’’、B’’、C’’の下限は、読み出し閾値分布A’、B’、C’の下限よりも高い場合が多い。
予備読み出し用ページPpre中のメモリセルを対象として予備読み出し動作を行い、その読み出された実データにおける誤りの数(フェイルビット数)CstateFBCを、同時に読み出されたパリティデータに基づいて制御部16においてカウントする。このフェイルビット数CstateFBCは、メモリセルのデータ保持特性を判断するための指標となる。そして制御部16は、フェイルビット数CstateFBCが、閾値C_DR_FBCよりも大きいか否か(CstateFBC>C_DR_FBC?)を判断する(ステップS2)。ここでは、データ保持特性が最も悪くなる閾値電圧分布Cを用いて判断する。その結果、閾値電圧分布A、Bのフェイルビット数を数える必要が無いので、読み出し動作を高速化することができる。また、制御部16は、閾値電圧分布A、Bを用いてフェイルビット数CstateFBCをカウントしても良い。
もし、CstateFBC>C_DR_FBCと判断されれば、ステップS3に移行して、読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に対し与えるシフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRを決定する(ステップS3)。シフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRは、フェイルビット数CstateFBCと閾値C_DR_FBCとの間の差に基づいて決定してもよいし、当該差に拘わらず一定値に設定してもよい。このシフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRは、通常、負の値となる。
シフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRが決定されると、制御部16は、初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3にそれぞれシフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRを加算して、この加算した値VCG_AR3'、VCG_BR3'、VCG_CR3'を読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3とし(ステップS4)、この読み出し電圧VCG_AR3'、VCG_BR3'、VCG_CR3'を用いて本読み出し動作を行う(ステップS5)。
一方、ステップS2でCstateFBC=<C_DR_FBCと判断されれば、制御部16はデータ保持特性による閾値電圧の変動は無いと判断し、ステップS6に移行する。ステップS6では主にディスターブによる閾値電圧の変動を判断する。
ここで、消去状態のメモリセルの閾値電圧分布は書き込み直後においては、図11Bに示すように、閾値電圧分布Erのようになっている。その後、他のメモリセルの書き込み、読み出し動作によるディスターブになどにより、メモリセルの閾値分布は閾値電圧分布Erから閾値電圧分布Er’のように電圧が高い側にその分布幅が広がるように移動する。
また、予備読み出し用ページの閾値電圧分布は、図11Bに示すように、読み出し対象のメモリセルの閾値電圧分布Er’(読み出し閾値電圧分布)よりも小さい分布Er’’(予備読み出し閾値電圧分布)となる。ここで、予備読み出し閾値電圧分布Er’’の中心値と読み出し閾値電圧分布Er’の中心値はほぼ同じ位置にある。すなわち、予備読み出し閾値電圧分布Er’’は読み出し閾値電圧分布Er’をサンプリングにより抜き出したものであり、予備読み出し閾値電圧分布Er’’は、読み出し閾値電圧分布Er’の中心値と同じ中心値を有したままでその分布の高さ及び幅が一回り小さくなった分布と言える。予備読み出し閾値分布Er’’の上限は、読み出し閾値分布Er’の上限よりも低い場合が多い。同様に、予備読み出し閾値分布Er’’の下限は、読み出し閾値分布Er’の下限よりも高い場合が多い。
制御部16はステップS6において、閾値電圧分布Er’’を与えられた予備読み出し用ページPprのメモリセルのうち、閾値電圧分布Er’’以外のデータが読み出されたメモリセルの数(フェイルビット数)EstateFBCをカウントする。フェイルビット数EstateFBCは、ディスターブ特性を判断するための指標となる。制御部16は、フェイルビット数EstateFBCが、閾値Er_RD_FBCよりも大きいか否か(EstateFBC>E_RD_FBC?)を判断する(ステップS6)。
もし、ステップS6においてEstateFBC=<E_RD_FBCと判断されれば、制御部16は、読み出しVCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3を初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3のまま不変とし、本読み出し動作に移行する(S5)。本読み出し動作では、前述の予備読み出し用ページPpreも読み出し対象とされ、予備読み出し用ページPpreに格納されている実データも、本読み出し動作時に読み出される。
一方、ステップS6でEstateFBC>E_RD_FBCと判断されれば、ステップS7に移行して、読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に対し与えるシフト量ΔARD、ΔBRD、ΔCRDを決定する(ステップS7)。シフト量ΔARD、ΔBRD、ΔCRDは、フェイルビット数EstateFBCと閾値E_RD_FBCとの間の差に基づいて決定してもよいし、当該差に拘わらず一定値に設定してもよい。このシフト量ΔARD、ΔBRD、ΔCRDは、正の値に設定され、ΔARD>ΔBRD>ΔCRDの関係となるように設定することができる。
シフト量ΔARD、ΔBRD、ΔCRDが決定されると、制御部16は、初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3にそれぞれシフト量ΔARD、ΔBRD、ΔCRDを加算して、この加算した値VCG_AR3'、VCG_BR3'、VCG_CR3'を読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3とし(ステップS8)、この読み出し電圧VCG_AR3'、VCG_BR3'、VCG_CR3'を用いて本読み出し動作を行う(ステップS5)。
[効果]
次に、この第1の実施の形態の効果について説明する。第1の実施の形態によれば、読み出し対象とされた1つのワード線WLに沿ったメモリセルに対する本読み出し動作の前に、当該ワード線WLに沿ったメモリセルの内の一部のメモリセル、例えば予備読み出し用ページPpreを読み出す予備読み出し動作を実行し、この予備読み出し動作の読み出し結果に基づき、本読み出し動作において用いる読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3を決定する。この手順によれば、閾値電圧分布の変動の度合が予備読み出し動作により判断され、この判断結果に従った適切な読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3が設定される。したがって、メモリセルに記憶されたデータの信頼性を向上させることができる。また、リトライリード率を減らすことができる。
また、予備読み出し動作で読み出すメモリセルの数は読み出す全メモリセルの数よりも少ない。すなわち、フェイルビット数をカウントする時間は、予備読み出し動作の方が全メモリセルを読み出すよりも短い。よって、読み出すメモリセルからサンプリングすることにより、正確かつ高速に、リトライリード率を減らすことができる。
[第2の実施の形態]
次に、図13を参照して、第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。図13は、第2の実施の形態の不揮発性半導体装置の全体構成を示している。この第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置は、ドレイン側選択トランジスタSDTr又はソース側選択トランジスタSSTrに隣接するメモリトランジスタは、通常のデータを保持するメモリセルとしては用いられないダミーメモリセルDMCとされている。このダミーメモリセルDMCには、ダミーワード線DWLが接続されている。そして、この第2の実施の形態では、このダミーメモリセルDMCの一部が、前述の予備読み出し用ページとして設定されている。その他の点は第1の実施の形態と同様である。なお、ダミーメモリセルDMCに記憶されたデータは、ダミーデータである。そのため、ダミーメモリセルDMCは、本読み出し動作時においては、読み出しの対象とはされない。例えば、ダミーメモリセルDMCには書き込み回数などを記憶しておくことができる。
また、例えば、ダミーメモリセルに予備読み出し用のデータパターンを記憶しておく。具体的には、あるダミーワード線DWLに接続するダミーメモリセルDMCに閾値電圧Erレベルを、他のダミーワード線DWLに接続するダミーメモリセルDMCに閾値電圧Cを記憶しておく。ここで、制御部16はダミーメモリセルDMCのデータのみを予備読み出し用のデータをして用い、図12のステップS2、S6の判断を行う。その結果、ランダムな実データとは異なり、ダミーメモリセルのデータ(閾値電圧)は既知のため、フェイルビット数を正確に数えることができる。
[第3の実施の形態]
次に、図14を参照して、第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。この第3の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の構成は、第1の実施の形態(図1〜図5)と略同一であるので、重複する説明は以下では省略する。なお、第1の実施の形態(図12)と同一のステップについては同一の符号を付しているので、重複する説明は省略する。
この第3の実施の形態では、シフト量ΔADR〜ΔCDR、ΔARD〜ΔCRDを決定することに加え、補正量αDR、βDR、γDR、及び/又はαRD、βRD、γRDを決定する。これらの補正量は、シフト量ΔADR〜ΔCDR、ΔARD〜ΔCRDと共に読み出し電圧の初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に加算され、新しい読み出し電圧VCG_AR3’、VCG_BR3’、VCG_CR3’の算出に用いられる。この補正量αDR、βDR、γDR、及びαRD、βRD、γRDは、一例として、書き込み動作又は消去動作の累計実行回数NWE、読み出し対象とされる選択ワード線WLの積層方向における高さ、選択ワード線WLが接続されたメモリセルMCにおける半導体層35の直径、その他閾値電圧分布の変動に影響する情報に基づいて決定される。あるいは、そのような複数種類の情報の組み合わせに従って、補正量を決定することも可能である。
この補正量αDR、βDR、γDR、及びαRD、βRD、γRD、は不揮発性半導体記憶装置100のROM領域に記憶することができる。また、補正量αDR、βDR、γDR、及びαRD、βRD、γRDはメモリコントローラHMなどが保持し、不揮発性半導体記憶装置100にコマンドとして送付することもできる。
このように、補正量αDR、βDR、γDR、及びαRD、βRD、γRDにより、選択ワード線WLの積層位置が異なっても、選択メモリセルMCのデータを正確に読み出すことができる。
[第4の実施の形態]
次に、図15A及び図15Bを参照して、第4の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。この第4の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の構成は、第1の実施の形態(図1〜図5)と略同一であるので、重複する説明は以下では省略する。ただし、この第4の実施の形態は、1つのメモリブロックMB中のあるワード線(例えばワード線WL1)に対する予備読み出し動作の結果に基づき、他の全てのワード線(例えばワード線WL2〜WL4)における読み出し電圧のシフト量の設定を行う。
第4の実施の形態における読み出し動作の具体的な内容を、図15A及び図15Bを参照して説明する。
まず、読み出し動作の説明を開始する前に、図15Aを参照して、読み出し動作時においてワード線WL1〜4に印加される読み出し電圧を定義する。ワード線WL1が選択されて読み出し動作が行われる場合、ワード線WL1には、読み出し電圧VCG_AR31、VCG_BR31、VCG_CR31が順次印加される(非選択の他のワード線WL2〜4には、読み出しパス電圧Vreadが印加される)。ワード線WL2が選択されて読み出し動作が行われる場合、ワード線WL2には、読み出し電圧VCG_AR32、VCG_BR32、VCG_CR32が順次印加される(非選択の他のワード線WL1、WL3〜4には、読み出しパス電圧Vreadが印加される)。
ワード線WL3が選択されて読み出し動作が行われる場合、ワード線WL3には、読み出し電圧VCG_AR33、VCG_BR33、VCG_CR33が順次印加される(非選択の他のワード線WL1〜2、WL4には、読み出しパス電圧Vreadが印加される)。ワード線WL4が選択されて読み出し動作が行われる場合、ワード線WL4には、読み出し電圧VCG_AR34、VCG_BR34、VCG_CR34が順次印加される(非選択の他のワード線WL1〜3には、読み出しパス電圧Vreadが印加される)。
以上のような読み出し電圧が印加されるとした場合において、本実施の形態の読み出し動作では、次のような手順で予備読み出し動作及び本読み出し動作が実行される。
図15Bに示すように、予備読み出し動作(図14のステップS1)においては、最初に、読み出し電圧VCG_AR31、VCG_BR31、VCG_CR31を、初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に設定した後、予備読み出し動作の対象のワード線WL1に接続されるメモリセル(予備読み出し用ページPpre)を読み出す。その予備読み出し用ページPpreのメモリセルには、予め実データと、誤り検出のためのパリティデータとが記憶されている。
予備読み出し用ページPpreを対象として予備読み出し動作を行い、その読み出された実データにおける誤りの数(フェイルビット数)CstateFBCを、同時に読み出されたパリティデータに基づいて制御部16においてカウントする。そして制御部16は、フェイルビット数CstateFBCが、閾値C_DR_FBCよりも大きいか否か(CstateFBC>C_DR_FBC?)を判断する(ステップS2)。ここで、第1の実施の形態と同様に、閾値電圧分布Cを用いてステップS2の判断を行う代りに、閾値電圧分布A、Bを用いてフェイルビット数CstateFBCをカウントしてもよい。
もし、CstateFBC>C_DR_FBCと判断されれば、ステップS3に移行して、読み出し電圧VCG_AR3i、VCG_BR3i、VCG_CR3i(i=1〜4)に対し与えるシフト量ΔADRi、ΔBDRi、ΔCDRi(i=1〜4)を決定する(ステップS3)。すなわち、全てのワード線WL1〜WL4について、それぞれシフト量が決定される。
シフト量ΔADR1、ΔADR2、ΔADR3、ΔADR4は、それぞれワード線WL1、WL2、WL3、WL4に沿ったメモリセルに対し本読み出し動作を行う場合に読み出し電圧VCG_AR3i(i=1〜4)に与えられるシフト量であり、互いに異なる値になる場合がある。シフト量ΔADR1、ΔADR2、ΔADR3、ΔADR4の間の差異は、例えば半導体層35の積層方向における直径の変化の度合に応じて決定される。一例として、半導体層35が逆テーパ形状を有する場合、シフト量ΔADR1、ΔADR2、ΔADR3、ΔADR4は、多くの場合、ΔADR1<ΔADR2<ΔADR3<ΔADR4の関係を有するように設定される。
同様に、シフト量ΔBDR1、ΔBDR2、ΔBDR3、ΔBDR4は、それぞれワード線WL1、WL2、WL3、WL4に沿ったメモリセルに対し本読み出し動作を行う場合に読み出し電圧VCG_BR3i(i=1〜4)に与えられるシフト量であり、互いに異なる値になる場合がある。シフト量ΔBDR1、ΔBDR2、ΔBDR3、ΔBDR4の間の差異は、例えば半導体層35の積層方向における直径の変化の度合に応じて決定される。
また、シフト量ΔCDR1、ΔCDR2、ΔCDR3、ΔCDR4は、それぞれワード線WL1、WL2、WL3、WL4に沿ったメモリセルに対し本読み出し動作を行う場合に読み出し電圧VCG_CR3i(i=1〜4)に与えられるシフト量であり、互いに異なる値になる場合がある。シフト量ΔCDR1、ΔCDR2、ΔCDR3、ΔCDR4の間の差異は、例えば半導体層35の積層方向における直径の変化の度合に応じて決定される。
シフト量ΔADRi、ΔBDRi、ΔCDRi(i=1〜4)は、前述の実施の形態と同様に、フェイルビット数CstateFBCと閾値C_DR_FBCとの間の差に基づいて決定してもよいし、当該差に拘わらず一定値に設定してもよい。このシフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRは、通常、負の値となる。
シフト量ΔADRi、ΔBDRi、ΔCDRiが決定されると、制御部16は、初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3にそれぞれシフト量ΔADRi、ΔBDRi、ΔCDRiを加算して、この加算した値VCG_AR3'i、VCG_BR3'i、VCG_CR3'iを読み出し電圧VCG_AR3i、VCG_BR3i、VCG_CR3iとし(ステップS4)、この読み出し電圧VCG_AR3'i、VCG_BR3'i、VCG_CR3'iを用いて本読み出し動作を行う(ステップS5)。
一方、ステップS2でCstateFBC=<C_DR_FBCと判断されれば、制御部16はデータ保持特性による閾値電圧の変動は無いと判断し、ステップS6に移行する。ステップS6では主にディスターブによる閾値電圧の変動を判断する。ステップS6では、閾値電圧分布Erを与えられた予備読み出し用ページPprのメモリセルのうち、閾値電圧分布Er以外のデータが読み出されたメモリセルの数(フェイルビット数)EstateFBCをカウントする。フェイルビット数EstateFBCは、ディスターブ特性を判断するための指標となる。制御部16は、フェイルビット数EstateFBCが、閾値Er_RD_FBCよりも大きいか否か(EstateFBC>E_RD_FBC?)を判断する(ステップS6)。
もし、ステップS6においてEstateFBC=<E_RD_FBCと判断されれば、制御部16は、読み出しVCG_AR3i、VCG_BR3i、VCG_CR3iを初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3のまま不変とし、本読み出し動作に移行する(S5)。なお、本読み出し動作において各ワード線WLに印加する読み出し電圧VCG_ARi、VCG_BRi、及びVCG_CRiは、前述のシフト量とは別の判断基準に従い、ワード線WL毎に変更することが可能である。
一方、ステップS6でEstateFBC>E_RD_FBCと判断されれば、ステップS7に移行して、読み出し電圧VCG_AR3i、VCG_BR3i、VCG_CR3iに対し与えるシフト量ΔARDi、ΔBRDi、ΔCRDiを決定する(ステップS7)。シフト量ΔARDi、ΔBRDi、ΔCRDiは、フェイルビット数EstateFBCと閾値E_RD_FBCとの間の差に基づいて決定してもよいし、当該差に拘わらず一定値に設定してもよい。
シフト量ΔARDi、ΔBRDi、ΔCRDiが決定されると、制御部16は、初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3にそれぞれシフト量ΔARDi、ΔBRDi、ΔCRDiを加算して、この加算した値VCG_AR3'i、VCG_BR3'i、VCG_CR3'iを読み出し電圧VCG_AR3i、VCG_BR3i、VCG_CR3iとし(ステップS8)、この読み出し電圧VCG_AR3'、VCG_BR3'、VCG_CR3'を用いてワード線WL1〜4の本読み出し動作を行う(ステップS5)。
[効果]
次に、この第4の実施の形態の効果について説明する。第4の実施の形態によれば、1つのワード線WLに接続されるメモリセルに対する予備読み出し動作を行い、その予備読み出し動作の読み出し結果に基づき、メモリブロック中のそれぞれのワード線WLの本読み出し動作において用いる読み出し電圧VCG_AR3i、VCG_BR3i、VCG_CR3iを決定する。この手順によれば、前述の実施の形態と同様の効果を奏することが出来る。また、ワード線WL2〜4の予備読み出し動作を省略することができるので、装置のパフォーマンスを更に向上させることができる。
[第5の実施の形態]
次に、図16を参照して、第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。この第5の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の構成は、第1の実施の形態(図1〜図5)と略同一であるので、重複する説明は以下では省略する。
図16は、本実施の形態における読み出し動作の手順を示すフローチャートである。図16において、図15Bと同一の手順については、同一の参照符号を付しているので、その説明は省略する。
この第5の実施の形態は、第4の実施の形態と同様に、1つのメモリブロックMB中のあるワード線(例えばワード線WL1)に対して予備読み出し動作を行い、この予備読み出し動作の結果に従い、当該ワード線だけでなく、他のワード線(例えばワード線WL2〜WL4)における読み出し電圧のシフト量の設定を行う。
ただし、この第5の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、補正量αDR、βDR、γDR、及び/又はαRD、βRD、γRDを決定する点において、第4の実施の形態と異なっている。その他は第4の実施の形態と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、図17及び図18を参照して、第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。この第5の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置の構成は、第1の実施の形態(図1〜図5)と略同一であるので、重複する説明は以下では省略する。
この第6の実施の形態では、読み出し動作を行う前における予備読み出し動作の手法が、前述の実施の形態と異なっている。具体的に、この第6の実施の形態では、予備読み出し動作において、選択ワード線に印加する読み出し電圧を段階的に変化させて、複数の閾値電圧分布の重なり具合、及び重なりが生じている場合の交差部分の電圧(クロスポイント)を判定する。そして、この判定結果に従い、メモリセルのデータ保持特性及びディスターブ特性を判定し、シフト量ΔADR〜ΔCDR、ΔARD〜ΔCRDを決定する。
図17を参照して、クロスポイントの判定方法について説明する。閾値電圧分布Er、A、B、Cが変動し、図17に示すようなクロスポイントCPEA、CPAB、CPBCが生じているものとする。このとき、選択ワード線に印加する読み出し電圧VCGを変化させて読み出し動作を行いデータ”1”を保持していると判定されるメモリセル(読み出し電圧よりも低い閾値電圧を有するメモリセル)の数をカウントする。
読み出し電圧VCGが大きくなるほど、データ”1”を保持していると判定されるメモリセルの数N1は多くなる(図17参照)。ここで、数N1は閾値電圧が電圧VCGよりも小さいメモリセルMCの数と言うことができる。そして、数N1は、クロスポイントCPEA、CPAB、CPBC付近において、その増加の度合が鈍化する。したがって、数N1の変化の度合を判定することで、クロスポイントCPEA、CPAB、CPBCが生じている電圧を見つけることができる。
ここで、制御回路はクロスポイントCPEA、CPAB、CPBCと閾値と比較する。その比較の結果に基づき、メモリセルのデータ保持特性及びディスターブ特性を判定することができる。
次に、図18のフローチャートを参照して、第6の実施の形態の予備読み出し動作及び本読み出し動作の手順を説明する。第1の実施の形態と同一のステップについては同一の符号を付しているので、説明は省略する。
ステップS1’の予備読み出し動作では、図17で説明した予備読み出し動作を行い、クロスポイントを判定する。なお、ここでは、図17に示すクロスポイントCPEA、CPBCの2つを判定する場合を例に挙げて説明する。ここで、クロスポイントCPBCはデータ保持特性の判断に用いられ、クロスポイントCPEAはディスターブ特性の判断に用いられる。
もし、ステップS2’においてCPBCが閾値C_DR_CPより小さいと判断されれば、ステップS3に移行して、読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に対し与えるシフト量ΔADR、ΔBDR、ΔCDRを決定する(ステップS3)。
一方、ステップS2でCPBC<C_DR_CPでないと判断されれば、ステップS6’に移行して、CPEAが閾値Er_RD_CPより大きいか否かが判断される。CPEA>Er_RD_CPと判断されれば、制御部16は、読み出しVCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3を初期値VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3のまま不変とし、本読み出し動作に移行する(S5)。
一方、ステップS6’でCPEA>Er_RD_CPと判断されれば、ステップS7に移行して、読み出し電圧VCG_AR3、VCG_BR3、VCG_CR3に対し与えるシフト量ΔARD、ΔBRD、ΔCRDを決定する(ステップS7)。この点は第1の実施の形態と同様である。
図18では、クロスポイントCPEA、CPBCを判定する手順を説明したが、クロスポイントCPBCの代りに、又はこれに加えてクロスポイントCPABを判定することが可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、第6の実施の形態によれば、予備読み出し動作において、閾値電圧分布のクロスポイントを判定し、この判定結果に基づいて本読み出し動作における読み出し電圧のシフト量を決定する。この実施の形態によっても、前述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[その他]
以上、いくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1の実施形態を、図19に示すように、ステップS2とステップS6の位置を入れ替えることもできる。第2乃至第6の実施の形態においても同様にステップS2とステップS6の位置を入れ替えることができる。
また、例えば、上記の実施の形態においては、ワード線毎に異なるシフト量を読み出し電圧に与える。しかし、複数のワード線毎のグループを形成し、そのグループごとに同一のシフト量を与えるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、不揮発性半導体記憶装置の例として、半導体層35が直線状に延びた3次元型のNAND型フラッシュメモリを例示したが、本発明はこれに限定される趣旨ではなく、半導体層35がU字状に延びたNAND型フラッシュメモリにも、上記の技術は適用され得る。
また、上記の実施の形態では、予備読み出し動作において、予備読み出し用ページPpreのデータを読み出して、フェイルビット数をカウントすることにより、閾値電圧分布の変動の程度を判断したが、これに限定される趣旨ではない。例えば、予備読み出し動作において、予備読み出し用ページPpre内のメモリセル閾値電圧分布の形状自体を判断することも可能である。
100・・・不揮発性半導体記憶装置、 11・・・メモリセルアレイ、 12、13・・・ロウデコーダ、 14・・・センスアンプ、 15・・・カラムデコーダ、 16・・・制御部、 WL1〜WL4・・・ワード線、 BL・・・ビット線、 MTr1〜MTr4、MTrb1〜MTrb8・・・メモリトランジスタ、 SSTr、SSTrb・・・ソース側選択トランジスタ、 SDTr、SDTrb・・・ドレイン側選択トランジスタ、 20・・・ソース側選択トランジスタ層、 30・・・メモリトランジスタ層、 40・・・ドレイン側選択トランジスタ層、 Ba・・・半導体基板。

Claims (9)

  1. メモリセルを配列してなるメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイを制御する制御回路と
    を備え、
    前記制御回路は、
    前記メモリセルの読み出し動作を実行する前に、
    前記メモリセルのうち一部の第1メモリセル群を読み出す予備読み出し動作を実行し、その結果に基づいて、前記読み出し動作時において前記メモリセルに印加する読み出し電圧を変更するよう構成された
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記第1メモリセル群は、前記読み出し動作においても読み出しの対象とされるメモリセルである請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記メモリセルアレイは、前記読み出し動作において読み出し対象とされるメモリセルとは別のダミーメモリセルを備え、
    前記ダミーメモリセルは前記予備読み出し動作の対象とする
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記制御回路は、前記メモリセルアレイに対する書き込み動作又は消去動作の実行回数に基づき、前記本読み出し動作における読み出し電圧の変更量を補正する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記メモリセルアレイは、第1方向を長手方向として延びる半導体層と、前記半導体層の側面に形成され電荷蓄積膜及びゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記半導体層の側面に形成されたワード線と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記制御回路は、前記ワード線の積層方向の高さによって、前記読み出し動作における読み出し電圧の変更量を補正する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 前記半導体層は、長手方向においてその直径が異なり、
    前記制御回路は、選択されたメモリセルの前記直径により、前記本読み出し動作における読み出し電圧の変更量を補正する
    事を特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  8. 前記予備読み出し動作は、フェイルビット数を計数するものであり、
    前記本読み出し動作は、前記フェイルビット数に従い前記メモリセルに印加する読み出し電圧を変更する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記予備読み出し動作は、前記読み出し電圧を段階的に変化させて読み出し動作を実行し、
    前記段階的に変化させた前記読み出し電圧よりも低い閾値電圧を有するメモリセルの数の増加量に応じて前記メモリセルに印加する読み出し電圧を変更する
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
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