JP2015194119A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力損失の上昇を抑制し且つ煤やアッシュの過剰な堆積を抑制するとともに構造的強度の低下を抑制したハニカム構造体を提供する。
【解決手段】第1端面3から第2端面5まで通じる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有するハニカム構造部と、外周壁31と、を備え、複数のセル7は、ハニカム構造部10の中心軸Zに垂直な断面において、ハニカム構造部10の中心軸Zを中心にして同心円状に形成された隔壁9と、中心軸Zからの放射方向に延びる隔壁9とにより取り囲まれて形成され、少なくともハニカム構造部10の最外周に位置するセル7における第1端面3から第2端面5までのセル7の流路長さは、第1端面3と第2端面5との間の距離よりも長いハニカム構造体50。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化用フィルタとして使用することの可能なハニカム構造体に関する。
自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、粒子状物質、さらには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)などの有害物質が含まれている。上述の粒子状物質、一酸化炭素等の有害物質を排ガスから除去する際には、ハニカム構造体が用いられている。
ハニカム構造体は、隔壁によって蜂の巣構造(ハニカム構造)が形作られている。ハニカム構造体を粒子状物質除去用のフィルタとして用いる場合には、隔壁を多孔質とし、排ガスの入り口側を開口し且つ出口側を目封止したセル(以下、「第1セル」)と、排ガスの入り口側を目封止し且つ出口側を開口したセル(以下、「第2セル」)とを交互に配置する形態とする。こうした形態とすることにより、排ガスは、第1セル内に流入し、当該第1セルの出口側を目封止されているために、隔壁を通り抜けて第2セルに流入する。そして、排ガスは、第2セルの出口側から外部に排出される。こうした排ガスの流れの中で、排ガスが隔壁を通り抜ける際に、排ガスに含まれる粒子状物質が隔壁に捕捉される。そのため、排ガスは第2セルには粒子状物質の濃度を低減した状態で流入し、この浄化された排ガスが外部に排出される。
また、ハニカム構造体を一酸化炭素(CO)等の浄化に用いる場合には、触媒を担持させるための触媒担体(ハニカム触媒担体)としてハニカム構造体を使用する。ハニカム触媒担体では、隔壁に触媒を担持させる。隔壁に触媒を担持させることにより、排ガスがセル内を通過する最中に、排ガス中の一酸化炭素などの有害物質を、触媒との化学反応によって二酸化炭素などのより有害性の低い物質に変えることが可能になる。
新興国で使用されている自動車の燃料は、燃焼により煤やアッシュが多く発生する傾向がある。多量の煤やアッシュを含む排ガスをフィルタで処理すると、アッシュがフィルタ内に堆積し易く、特に、過剰にアッシュを堆積したフィルタでは圧力損失が上昇してしまう。そこで、新興国の自動車用の排ガス浄化用フィルタについては、多量に発生した煤やアッシュを堆積させないための工夫が求められている。
煤やアッシュの過度な堆積を抑制するフィルタとして、多角形筒状の外周壁と多角形の断面形状で螺旋を描くように巻回したセルを区画形成する隔壁とを備えたハニカムフィルタ(以下、「螺旋型ハニカムフィルタ」)が提案されている。この螺旋型ハニカムフィルタによれば、螺旋状に巻回したセルに排ガスを通過させる過程で、排ガスに含まれる煤やアッシュの一部だけを隔壁で捕集しつつ、残余の煤やアッシュをそのまま排出することが可能である。そのため、螺旋型ハニカムフィルタによれば、多量の煤やアッシュを含む排ガスを浄化する場合に、ハニカムフィルタ内に煤やアッシュを過剰に堆積させてしまうことを抑制し、その結果として、圧力損失の上昇を抑制することが可能になる。
特開2013−194569号公報
ところが、上述の螺旋型ハニカムフィルタでは、螺旋を描くセルを区画形成する隔壁が大きくねじれており、この隔壁の大きなねじれに起因して構造的強度が低下してしまう。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、圧力損失の上昇を抑制し且つ煤やアッシュの過剰な堆積を抑制するとともに構造的強度の低下を抑制したハニカム構造体を提供することにある。
本発明は、以下に示すハニカム構造体である。
[1] 一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、前記複数のセルは、前記ハニカム構造部の中心軸に垂直な断面において、前記ハニカム構造部の中心軸を中心にして同心円状に形成された隔壁と、前記中心軸からの放射方向に延びる隔壁とにより取り囲まれて形成され、少なくとも前記ハニカム構造部の最外周に位置する前記セルにおける前記第1端面から前記第2端面までの流路長さは、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも長いハニカム構造体。
[2] 前記ハニカム構造部における前記複数のセルの間で、前記セルの流路長さは、前記中心軸から離れた前記セルほど長い前記[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 全ての前記セルの全体または一部分は、前記中心軸に対して螺旋を描くように前記隔壁によって区画形成されている前記[2]に記載のハニカム構造体。
[4] 前記ハニカム構造部の最外周に位置する前記セルの前記流路長さは、前記第1端面と前記第2端面との間の距離の1.004〜3.3倍である前記[1]〜[3]に記載のハニカム構造体。
[5] 前記ハニカム構造部の最外周に位置する前記セルの前記流路長さは、前記第1端面と前記第2端面との間の距離の1.03〜1.3倍である前記[1]〜[3]に記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体によれば、圧力損失の上昇を抑制し且つ煤やアッシュの過剰な堆積を抑制するとともに構造的強度を高めることが可能である。詳しく述べると、本発明のハニカム構造体によれば、第1端面と第2端面との間の距離よりも、少なくともハニカム構造部の最外周に位置するセルの流路長さを長くするような形状の隔壁とされている。この隔壁の形状により、本発明のハニカム構造体では、セルに排ガスを通過させる過程で適量分だけの煤やアッシュを隔壁で捕集することが可能になる。また、本発明のハニカム構造体によれば、セルがハニカム構造部の中心軸を中心にして同心円状に形成された隔壁と、中心軸からの放射方向に延びる隔壁とに取り囲まれて形成されているので、隔壁は、流路長さの長いセルを区画形成していても、大きくねじれてはいない。その結果、本発明のハニカム構造体によれば、構造的強度の低下が抑制されている。
本発明のハニカム構造体の一実施形態の斜視図である。 図1中のA−A’断面の模式図である。 図1中のB−B’断面の模式図である。 図1に示したハニカム構造体の中心部分の模式図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態の中心部分の模式的な斜視図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の中心部分の模式的な斜視図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の中心部分の模式的な斜視図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の中心軸に垂直な断面の模式図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の中心軸に垂直な断面の模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.ハニカム構造体:
図1〜図4に示されているように、本発明の一実施形態のハニカム構造体50は、ハニカム構造部10と、ハニカム構造部10の外周を取り囲む外周壁31とを備える。ハニカム構造部10は、一方の端面である第1端面3から他方の端面である第2端面5まで通じる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。複数のセル7は、ハニカム構造部10の中心軸Zに垂直な断面において、同心円状隔壁9aと、放射状隔壁9bとにより取り囲まれて形成されている(図2を参照)。そして、少なくともハニカム構造部10の最外周に位置するセル7における第1端面3から第2端面5までのセル7の流路長さLは、第1端面3と第2端面5との間の距離Hよりも長い(図4を参照)。なお、「同心円状隔壁9a」とは、ハニカム構造部10の中心軸Zを中心にして同心円状に形成された隔壁9である(図2を参照)。「放射状隔壁9b」とは、中心軸Zからの放射方向に延びる隔壁9である(図2を参照)。同心円状隔壁9aおよび放射状隔壁9bは、ハニカム構造体の中心軸Zを厳密に中心として同心円状および放射状でなくても許容される。ハニカム構造体の中心軸Zから外周壁31までの長さRとした場合、「同心円状の中心の位置」および「放射状の中心の位置」は、中心軸Zからの半径で前記長さRの3%以内の範囲内に収まっているとよい。例えば、中心軸Zから外周壁31までの長さRが100mmの場合には、「同心円状の中心の位置」および「放射状の中心の位置」は、中心軸Zから半径3mm以内の範囲内に収まっているとよい。図1は、本発明の一実施形態のハニカム構造体50の斜視図である。図2は、図1中のA−A’断面の模式図である。図3は、図1中のB−B’断面の模式図である。図4は、図1に示したハニカム構造体50の中心部分60の模式図である。
ハニカム構造体50では、少なくともハニカム構造部10の最外周に位置するセル7において第1端面3と第2端面5との間の距離Hよりもセル7の流路長さLが長くなる。そのため、少なくとも当該最外周に位置するセル7を区画形成している放射状隔壁9bは、第1端面3と第2端面5との間でカーブを描くように形成されていることになる。そのため、ハニカム構造体50では、排ガスは、少なくともハニカム構造部10の最外周に位置するセル7内を第1端面3から第2端面5まで流れる途中で、隔壁9(少なくとも放射状隔壁9b)にぶつかるようになる。そこで、ハニカム構造体50によれば、上述のように排ガスが隔壁9にぶつかる過程で、排ガスに含まれる煤やアッシュを適量分だけの隔壁9によって捕集することが可能になる。上述のように、カーブを描く隔壁9によって、排ガスを隔壁9にぶつけて煤やアッシュを捕集するという仕組みから、ハニカム構造体50では、排ガスを隔壁9に強制的に透過させるための目封止部をセル端部に設けることは必ずしも要しない。すなわち、ハニカム構造体50では、従来のハニカムフィルタ(目封止ハニカム構造体)のようなセルの端部に目封止部を設ける形態ではなくても、煤やアッシュを適量分だけの隔壁9によって捕集することが可能である。
また、ハニカム構造体50によれば、ハニカム構造部10が同心円状隔壁9aと、放射状隔壁9bとにより構成されているので、例えば四角形の断面形状のセルを隔壁により区画形成している場合と比べ、隔壁9が大きくねじれていない。例えば、図4に示されているハニカム構造体50の中心部分60の最外周に現れている同心円状隔壁9aは、中心軸Zを中心とした円筒形状であり、ねじれてはいない。このように隔壁9が大きくねじれていないので、ハニカム構造体50によれば、構造的強度の低下を抑制することが可能である。
本明細書にいう「ハニカム構造体50の中心軸Z」とは、第1端面3の重心および第2端面5の重心を通過する直線の軸のことをいう。
本明細書にいう「セル7の流路長さL」とは、第1端面3から第2端面5までの中心軸Zの延びる方向に沿った各位置の、中心軸Zに垂直な断面におけるセル7の重心を繋いだ線分の長さのことをいう。
本明細書にいう「第1端面3と第2端面5との間の距離H」とは、第1端面3の重心と第2端面5の重心とを結ぶ線分の長さのことをいう。
ハニカム構造体50では、ハニカム構造部10における複数のセル7の間で、セル7の流路長さLは、中心軸Zから離れたセル7ほど長いことが好ましい。すなわち、ハニカム構造部10から任意に2つのセル7を抽出した場合に、抽出された2つのセル7同士を比較して、セル7の流路長さLは、中心軸Zから離れた位置にあるセル7の方が長いことが好ましい。セル7の流路長さLが中心軸Zから離れたセル7ほど長い場合、隔壁9のねじれが大きくなり過ぎず、その結果、ハニカム構造体50の構造的強度の低下をより抑制することが可能になる。本明細書にいう「中心軸Zからセル7までの距離」とは、ハニカム構造体50の中心軸Zに垂直な断面における中心軸Zからセル7の重心までの距離のことをいう。本明細書にいう「中心軸Zからより離れたセル7」とは、「中心軸Zからセル7までの距離がより大きいセル7」ことを意味する。
また、ハニカム構造体50では、全てのセル7の全体または一部分は、中心軸Zに対して螺旋を描くように隔壁9によって区画形成されていることが好ましい。全てのセル7の全体または一部分が中心軸Zに対して螺旋を描く場合、隔壁9が適度なカーブを描く形状となる。その結果、隔壁9によって、排ガスに含まれる煤やアッシュをより適量分だけ捕集することが可能になる。さらに、全てのセル7の全体または一部分が中心軸Zに対して螺旋を描く場合、隔壁9のねじれが大きくなり過ぎず、その結果、ハニカム構造体50の構造的強度の低下をより抑制することが可能になる。
本明細書にいう「螺旋」とは、蔓巻線状の3次元曲線の螺旋のことをいう。
ハニカム構造体50では、ハニカム構造部10の最外周に位置するセル7の流路長さLoutは、第1端面3と第2端面5との間の距離Hの1.004〜3.3倍であることが好ましい。上記のように最外周のセル7の流路長さLoutが第1端面3と第2端面5との距離Hの1.004〜3.3倍である場合、隔壁9によって排ガスに含まれる煤やアッシュをより適量分だけ捕集することが可能になる。また、最外周のセル7の流路長さLoutが第1端面3と第2端面5との距離Hの1.004〜3.3倍である場合、隔壁9のねじれが大きくなり過ぎず、その結果、ハニカム構造体50の構造的強度の低下をより抑制することが可能になる。さらに、ハニカム構造部10の最外周に位置するセル7の流路長さLoutは、第1端面3と第2端面5との間の距離Hの1.03〜1.3倍であることがより好ましい。
本明細書にいう「最外周に位置するセル7の流路長さLout」とは、ハニカム構造体10の最外周に位置するセル7における、上述で定義した「セル7の流路長さL」を意味する。具体的には、ハニカム構造体10の最外周に位置するセル7に関する、第1端面3から第2端面5までの中心軸Zの延びる方向に沿った各位置の、中心軸Zに垂直な断面におけるセル7の重心を繋いだ線分の長さのことをいう。
本明細書にいう「セル7の全体が中心軸Zに対して螺旋を描く」とは、対象となるセル7の全体において中心軸Zの延びる方向に沿った各位置の、中心軸Zに垂直な断面におけるセル7の重心を繋いだ線分が中心軸Zに対して螺旋を描くことを意味する。また、第1端面3から第2端面5までの中心軸Zの延びる方向に沿った全領域にわたり、第1端面3から第2端面5への方向で、セルが右回り、左回りと切り替わりながら連続的に巻回している場合も「セル7の全体が中心軸Zに対して螺旋を描く」に該当することとする。
図4に示されているように、ハニカム構造体50では、全てのセル7の全体が中心軸Zに対して螺旋を描くように隔壁9によって区画形成されている。
また、本明細書にいう「セル7の一部が中心軸Zに対して螺旋を描く」とは、対象となるセル7の中心軸Zの延びる方向に沿った一部領域内の、各位置の中心軸Zに垂直な断面におけるセル7の重心を繋いだ線分が中心軸Zに対して螺旋を描くことを意味する。
図5は、本発明の他の実施形態のハニカム構造体51の中心部分61の模式的な斜視図である。ハニカム構造体51では、中心軸Zの延びる方向に沿った一部領域Rにおいて、セル7が中心軸Zに対して螺旋を描いている。上記の一部領域Rでは、セル7は、第1端面3から第2端面5への方向で右回りに螺旋を描いている。
図6は、本発明の更に他の実施形態のハニカム構造体52の中心部分62の模式的な斜視図である。ハニカム構造体52では、中心軸Zの延びる方向に沿った一部領域Rと当該一部領域Rとは離れた一部領域Rにおいて、セル7が螺旋を描いている。一部領域Rでは、セル7は、第1端面3から第2端面5への方向で右回りに螺旋を描いている。一部領域Rでは、セル7は、第1端面3から第2端面5への方向で左回りに螺旋を描いている
図7は、本発明の更に他の実施形態のハニカム構造体53の中心部分63の模式的な斜視図である。ハニカム構造体53では、中心軸Zの延びる方向に沿った一部領域R〜Rが連続している。一部領域R〜R内において、セル7は、第1端面3から第2端面5への方向で、一部領域Rでは右回り、一部領域Rでは左回り、一部領域Rでは右回りという具合に切り替わりながら連続的に螺旋を描いている。
図8は、本発明の更に他の実施形態のハニカム構造体54の中心軸Zに垂直な断面の模式図である。ハニカム構造体54では、中心軸Zに垂直な断面において、放射状隔壁9bは、中心軸Zから外周壁31まで連続的に延びてはいない。このように、中心軸Zから外周壁31まで連続的に延びていない場合も、本明細書にいう放射状隔壁9bに該当することする。
図9は、本発明のハニカム構造体55の更に他の実施形態の中心軸Zに垂直な断面の模式図である。ハニカム構造体55では、中心軸Zに垂直な断面において、一部の同心円状隔壁9aは、中心軸Zを中心とした周方向に連続していない。このように周方向に連続していない場合も、本明細書にいう同心円状隔壁9aに該当することとする。
以下、本発明のハニカム構造体における「その他の特徴」を説明する。
ハニカム構造体1の外観形状は、特に制限はない。例えば、中心軸Zに垂直な断面において、外周壁31の断面形状が、図1に示されているハニカム構造体1のような円形の他に、楕円形であってもよく、三角形、六角形、八角形等の多角形形状などであってもよい。
ハニカム構造体1では、隔壁9の、中心軸Zに垂直な断面における厚さ(以下、単に、「隔壁9の厚さ」ということがある)は、基本的に均一なものとする。「基本的に均一」とは、成形時の変形等により、僅かに隔壁9の厚さに差異が生じた場合を除き、隔壁9の厚さが均一であることを意味する。例えば、ハニカム構造体1を押出成形する口金(金型)のスリットを、スライサー加工により製造した場合に、上記均一な厚さの隔壁9が実現される。
隔壁9の厚さは、25〜508μmであることが好ましく、50〜483μmであることが更に好ましく、101〜381μmであることが特に好ましい。隔壁9の厚さを上記範囲とすることにより、ハニカム構造体1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9が25μmより薄いと、ハニカム構造体1の強度が低くなることがある。隔壁9が508μmより厚いと、ハニカム構造体1の初期の圧力損失が高くなることがある。上記「隔壁9の厚さ」は、ハニカム構造体1の中心軸Zに垂直な断面における隔壁9の幅のことを意味する。
隔壁9の気孔率は、20〜70%であることが好ましく、25〜65%であることが更に好ましく、25〜60%であることが特に好ましい。隔壁9の気孔率を上記範囲とすることにより、ハニカム構造体1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9の気孔率が20%より小さいと、ハニカム構造体1の初期の圧力損失が高くなることがある。隔壁9の気孔率が70%より大きいと、ハニカム構造体50の強度が低くなることがある。隔壁9の気孔率は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
隔壁9の平均細孔径は、7〜30μmであることが好ましく、8〜27μmであることが更に好ましく、9〜25μmであることが特に好ましい。隔壁9の平均細孔径を上記範囲とすることにより、ハニカム構造体1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9の平均細孔径が7μmより小さいと、ハニカム構造体1の初期の圧力損失が高くなることがある。隔壁9の平均細孔径が30μmより大きいと、アッシュ、粒子状物質の捕集性能が低下することがある。隔壁9の平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカム構造体1のセル密度は、特に制限されないが、15〜124個/cmであることが好ましく、26〜108個/cmであることが更に好ましく、30〜102個/cmであることが最も好ましい。セル密度が上記範囲であると、ハニカム構造体1の強度を保ちつつ圧力損失を低く抑えることができる。セル密度が15個/cmより小さいと、ハニカム構造体1の強度が低下するため、キャニング時に破壊してしまうおそれがある。セル密度が124個/cmより大きいと、初期圧力損失が高くなりすぎるため、エンジン出力が低下したり、燃費が悪くなったりするおそれがある。本明細書において「セル密度(個/cm)」とは、Z方向に垂直な断面における単位面積当たり(1cm当たり)のセル7の個数を意味する。
隔壁9の材料としては、セラミックスが好ましい。セラミックスの中では、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。これらの材料を用いることにより、強度および耐熱性に優れたものとなる。特に、隔壁9の材料としては、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される1種を主成分とすることが最も好ましい。「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。なお、本明細書において「主成分」というときは、全体の50質量%以上含有することをいう。例えば、「隔壁9が炭化珪素を主成分とする」とは、隔壁9が炭化珪素を50質量%以上含有していることをいう。
外周壁31の材質は、隔壁9と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
ハニカム構造体1は、中心軸Z方向の長さHが50〜381mmであることが好ましく、70〜330mmであることが更に好ましく、96〜305mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからの排ガスの浄化に必要最小限のスペースの範囲で確保できる。
ハニカム構造体1は、中心軸Zに垂直な断面における最大幅Wが50〜381mmであることが好ましく、58〜318mmであることが更に好ましく、76〜305mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからの排ガスの浄化に必要最小限のスペースの範囲で確保できる。
ハニカム構造体1は、「長さH/最大幅W」の値が0.6〜4.0であることが好ましく、0.8〜2.8であることが更に好ましく、1.0〜2.0であることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、リングクラックを抑制することができる。本明細書にいう「最大幅W」とはハニカム構造体50の中心軸Zに垂直な断面における中心軸Zを通過して対向する外周壁31の間を結ぶ線分の長さのことをいう。
2.ハニカム構造体の製造方法:
次に、本実施形態のハニカム構造体を製造する方法について説明する。まず、ハニカム構造体を作製するための坏土を調製し、この坏土を成形して、ハニカム形状の成形体(ハニカム成形体)を作製する(成形工程)。得られたハニカム成形体が乾燥によって硬化する前に、ハニカム成形体を、ハニカム成形体の中心軸を中心にしてねじる(螺旋形成工程)。次いで、ハニカム成形体を乾燥することが好ましい。
次に、得られたハニカム成形体(或いは、必要に応じて行われた乾燥後のハニカム成形体の乾燥体)を焼成してハニカム構造体を作製する(焼成工程)。
このようにして本実施形態のハニカム構造体を製造することができる。以下、各製造工程について更に詳細に説明する。
2−1.成形工程:
まず、成形工程においては、セラミックス原料を含有するセラミックス成形原料を成形して、流体の流路となる複数のセルを区画形成するハニカム成形体を形成する。例えば、ハニカム成形体は、隔壁と外周壁とを押出成形によって一体的に成形してもよい。
セラミックス成形原料に含有されるセラミックス原料としては、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。そして、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、及びチタン酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。なお、「コージェライト化原料」とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミックス原料であって、焼成されてコージェライトになるものである。「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。
また、このセラミックス成形原料は、上記セラミックス原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、造孔材、界面活性剤等を混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造部の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
セラミックス成形原料を成形する際には、まず成形原料を混練して坏土とし、得られた坏土をハニカム形状に成形することが好ましい。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。例えば、口金としては、中心に対して同心円状に切り込まれたスリットと、前記中心から放射状に切り込まれたスリットとを有するものを用いるとよい。同心円状に切り込まれたスリットを通過した坏土からは、同心円状隔壁が形成される。放射状に切り込まれたスリットを通過した坏土からは、放射状隔壁が形成される。
2−2.螺旋形成工程:
螺旋形成工程では、上記の成形工程で得られたハニカム成形体を、乾燥によって硬化する前に、ハニカム成形体を、ハニカム成形体の中心軸を中心にしてねじるとよい。
例えば、「各セルの全体が中心軸Zに対して螺旋を描く」ようにするには、ハニカム成形体の第1端面と第2端面とを把持具で固定し、第1端面と第2端面とを逆向きにねじるとよい。あるいは、上記の成形工程において、口金を中心軸を中心として回転させながら坏土を押出してもよい。この場合、押出成形されたハニカム成形体の先端部分を、受け台によって受け止めて、口金を既に通過した成形体の部分が、押出成形用口金の回転と同期して回転しないようにするとよい。
また、例えば、「各セルの一部が中心軸Zに対して螺旋を描く」ようにするには、セルが螺旋を描く一部領域の第1端面側の端部と第2端面側の端部を把持具で固定し、前記一部領域の第1端面側の端部を固定したまま、反対側の前記一部領域の第2端面側の端部をねじるとよい。あるいは、上記の成形工程において、「セルが螺旋を描く一部領域」となる部分が口金を通過している時に、口金を中心軸を中心として回転させながら坏土を押出してもよい。この場合、押出成形されたハニカム成形体の先端部分を、受け台によって受け止めて、口金を既に通過した成形体の部分が、押出成形用口金の回転と同期して回転しないようにするとよい。
また、上記の成形工程および螺旋形成工程後に、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。
2−3.焼成工程:
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る。なお、目封止を設けたハニカム構造体を作製する場合には、ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体に目封止部を配設した後に行ってもよい。
また、ハニカム成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、中の有機物(有機バインダ、分散剤、造孔材等)を除去することができればよい。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成(本焼成)は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われる。焼成条件(温度、時間、雰囲気)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1410〜1440℃が好ましい。また、コージェライト化原料を使用している場合、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、4〜6時間が好ましい。
なお、目封止部を設けたハニカム構造体(目封止ハニカム構造体)を作製する場合には、ハニカム構造体における複数のセルを、第1セルとなる群と第2セルとなる群とに振り分ける。そして、第1セルの第2端面側の端部と、第2セルの第1端面側の端部とに、目封止材(目封止部の材料)を充填して、目封止部を形成する。
ハニカム構造体に目封止材を充填する際には、例えば、まず、第1端面側の端部に目封止材を充填し、その後、第2端面側の端部に目封止材を充填する。端部に目封止材を充填する方法としては、以下のマスキング工程と圧入工程とを有する方法を挙げることができる。マスキング工程は、ハニカム構造体の一方の端面(例えば、第1端面)にシートを貼り付け、シートにおける、「目封止部を形成しようとするセル」(この場合は第2セル)と重なる位置に孔を開ける工程である。圧入工程は、「ハニカム構造体の、シートが貼り付けられた側の端部」を目封止材が貯留された容器内に圧入して、目封止材をハニカム構造体のセル内に圧入する工程である。目封止材をハニカム構造体のセル内に圧入する際には、目封止材は、シートに形成された孔を通過し、シートに形成された孔と連通するセルのみに充填される。
次に、ハニカム構造体に充填された目封止材を乾燥させて、目封止部を形成し、目封止ハニカム構造体を得る。なお、ハニカム構造体の両端部に目封止材を充填した後に、目封止材を乾燥させてもよいし、ハニカム構造体の一方の端部に充填した目封止材を乾燥させた後に、他方の端部に目封止材を充填し、その後、他方の端部に充填した目封止材を乾燥させてもよい。更に、目封止材を、より確実に固定化する目的で、焼成してもよい。また、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体に目封止材を充填し、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体と共に、目封止材を焼成してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、セラミック原料を含有する成形原料を用いて、ハニカム成形体を成形するための坏土を調製した。セラミック原料として、コージェライト化原料を用いた。コージェライト化原料に、分散媒、有機バインダ、分散剤、造孔材を添加して、成形用の坏土を調製した。分散媒の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、3質量部とした。有機バインダの添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、5質量部とした。造孔材の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、10質量部とした。得られたセラミック成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
コージェライト化原料として、タルク、カオリン、アルミナ、シリカを、MgOが13.5質量%、Alが36.0質量%、SiOが50.5質量%という組成になるように調合した。
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて押出成形し、ハニカム成形体を得た。ハニカム成形体を成形する際には、真空押出成形機の押出成形用口金を、適当な時期に、坏土の押出方向に対して垂直な面上を回転させながら押出成形を行った。押出成形されたハニカム成形体の先端部分を、受け台によって受け止めて、押出成形された部分が、押出成形用口金の回転と同期して回転しないようにした。
ここで、ハニカム成形体の位置は、ハニカム成形体の第1端面(押出成形における先頭部分)を位置指標値0とし、第2端面を位置指標値100として定めることとした。例えば、第1端面と第2端面との中間部分は、位置指標値50となる。
実施例1においては、上記真空押出成形機の押出成形用口金を一時的に回転させ、位置指標値70〜100の領域が第1端面から第2端面への方向で、右巻きの螺旋となるように押出成形した。最外周にあるセルの流路長さLoutと、第1端面と第2端面との間の距離Hとの比(Lout/H)が1.15となるように回転させた。ハニカム成形体の形状は円筒状であり、端面の直径は150mmであった。また、内側と外側で隣接する同心円状隔壁同士の間隔は1.7mmであり、隣接する放射状隔壁同士が中心軸でなす角度は3度であった。
次に、得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。その後、1350〜1450℃で10時間焼成してハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体は、第1端面における隔壁の厚さが、0.3mmであり、セル密度が30個/cmであった。外周壁は外径150mm、厚さ1mmの円筒形状であった。また、ハニカム構造体の第1端面から第2端面までの長さが150mmであった。ハニカム構造体の隔壁の気孔率は60%であった。気孔率は、水銀ポロシメータによって測定した値である。さらに、セルの螺旋形状の形態と、最外周にあるセルの流路長さLoutと、第1端面と第2端面との間の距離Hとの比(Lout/H)を表1に示す。表1中の「螺旋形状」の欄の実施例1について示されている「位置70〜100(右)」とは、位置指標値70〜100の領域において、第1端面から第2端面への方向で右巻きの螺旋を、セルが描いていることを意味する(他の実施例、比較例についても同様に表記する)。
(実施例2〜11、比較例1,2)
実施例2〜11のハニカム構造体については、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。なお、比較例2では、ハニカム構造体に対して、隔壁と同じ材料の目封止材をセルの端部に充填し、目封止部を設けた。第1端面においては、目封止部を設けたセルの開口部と、目封止部を設けていないセルの開口部とが交互に配置されるように、目封止部を設けた。そして、第2端面においては、第1端面側の端部で目封止部を設けていないセルの開口部のみに、目封止部を設けた。
(比較例3)
比較例3のハニカム構造体については、最外周になるセルを除いて、各セルの中心軸に垂直な断面における形状が正方形となるようにした以外は、実施例8と同様に作製した。
実施例1〜11、比較例1〜3のハニカム構造体について、以下の方法で、「アッシュ堆積」、「捕集性能」、「圧力損失」、および「アイソスタティック強度」の評価を行った。結果を表1に示す。
[アッシュ堆積]
ハニカム構造体を、排気量5リットルのコモンレール式直噴ディーゼルエンジンの排気系に搭載して、粒子状物質(以下、この項において「PM」という)の捕集と、捕集されたPMを燃焼除去することによるハニカム構造体の再生を繰返し行うことで、長時間の使用した際のアッシュ堆積量を調べた。なお、この捕集と再生は、PMを7.5g捕集した後、再生を行うことを1サイクルとし、これを500サイクル実施した。試験終了後、ハニカム構造体内部にはPM中の未燃成分であるアッシュの堆積が認められた。測定結果については、A、B、C、およびZの4段階で評価した。アッシュ堆積質量が、比較例1のアッシュ堆積質量に対して、120%以下の場合をA、120%超140%以下の場合をB、140%超160%以下の場合をC、160%超の場合をZとした。なお、上記の4段階の評価、A、B、C、およびZはそれぞれ、A:優良、B:良好、C:使用可、Z:使用不可または特定の条件でしか使用できない、を意味する。
[捕集性能]
軽油を燃料とするバーナーを用いて軽油を不完全燃焼させた。発生した燃焼ガスに、全体の流量が1.5Nm/分となるように、所定量の空気を混合し、得られた混合ガスをハニカム構造体のセル内に導入した。混合ガスの温度は200℃とした。また、混合ガス中の粒子状物質(以下、この項において「PM」という)の濃度が、4g/時間となるようにした。混合ガスの導入時間(試験時間)は120分間とした。混合ガスの導入の終了直前に、ハニカム構造体における捕集効率を測定した。捕集効率は、以下の方法で算出した。混合ガスをハニカム構造体に導入しながら、混合ガスの流れにおいて、ハニカム構造体よりも上流側及び下流側にそれぞれ設けたサンプリング用の配管から、真空ポンプによりガスを約2分間サンプリングした。そして、ガスをサンプリングする際に、ガスを、ろ紙をセットしたホルダーに通すことにより、PMをろ紙に捕集した。なお、予め、ろ紙の質量を測定しておいた。ハニカム構造体の上流側からサンプリングしたガス中のPMの質量(ろ紙に捕集されたPMの質量)と、ハニカム構造体の下流側からサンプリングしたガス中のPMの質量(ろ紙に捕集されたPMの質量)とから捕集効率を算出する。具体的には、「捕集効率(%)=100×(ハニカム構造体の上流側からろ紙に捕集されたPM質量(g)−ハニカム構造体の下流側からろ紙に捕集されたPM質量(g))/ハニカム構造体の上流側からろ紙に捕集されたPM質量(g)」の式によって算出した。測定結果については、A、B、C、およびZの4段階で評価した。捕集量が、比較例3の捕集量に対して、90%以上の場合をA、60%以上90%未満の場合をB、30%以上60%未満の場合をC、30%未満の場合をZとした。なお、上述の4段階の評価、A、B、C、およびZはそれぞれ、A:優良、B:良好、C:使用可、Z:使用不可または特定の条件でしか使用できない、を意味する。
[圧力損失]
ハニカム構造体に1atm、20℃において5m/分の流量で空気を流通させた。この状態で、エアー流入側の圧力とエアー流出側の圧力との差を測定した。この圧力の差を圧力損失として算出した。測定結果については、A、B、C、及びZの4段階で評価した。圧力損失の値が、比較例1の圧力損失の値に対して、120%以下の場合をA、120%超160%以下の場合をB、160%超300%以下の場合をC、300%超の場合をZとした。なお、上述の4段階の評価、A、B、C、およびZはそれぞれ、A:優良、B:良好、C:使用可、Z:使用不可または特定の条件でしか使用できない、を意味する。
[アイソスタティック強度]
アイソスタティック強度の測定は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格(JASO規格)のM505−87で規定されているアイソスタティック破壊強度試験に基づいて行った。アイソスタティック破壊強度試験は、ゴムの筒状容器に、ハニカム構造体を入れてアルミ製板で蓋をし、水中で等方加圧圧縮を行う試験である。即ち、アイソスタティック破壊強度試験は、缶体に、ハニカム構造体が外周面把持される場合の圧縮負荷加重を模擬した試験である。このアイソスタティック破壊強度試験によって測定されるアイソスタティック強度は、ハニカム構造体が破壊したときの加圧圧力値(MPa)で示される。測定結果については、A、B、C、及びZの4段階で評価した。アイソスタティック強度の値が、比較例1のアイソスタティック強度の値に対して、85%以上の場合をA、65%以上85%未満の場合をB、50%以上65%未満の場合をC、50%未満の場合をZとした。なお、上述の4段階の評価、A、B、C、およびZはそれぞれ、A:優良、B:良好、C:使用可、Z:使用不可または特定の条件でしか使用できない、を意味する。
Figure 2015194119
本発明は、排ガス浄化用のフィルタおよび触媒担体に使用することが可能なハニカム構造体として利用できる。
1:ハニカム構造体、3:第1端面、5:第2端面、7:セル、9:隔壁、9a:同心円状隔壁、9b:放射状隔壁、31:外周壁、50:ハニカム構造体、51:ハニカム構造体、52:ハニカム構造体、53:ハニカム構造体、54:ハニカム構造体、55:ハニカム構造体、60:(ハニカム構造体の)中心部分、61:(ハニカム構造体の)中心部分、62:(ハニカム構造体の)中心部分、63:(ハニカム構造体の)中心部分。

Claims (5)

  1. 一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周壁と、を備え、
    前記複数のセルは、前記ハニカム構造部の中心軸に垂直な断面において、前記ハニカム構造部の中心軸を中心にして同心円状に形成された隔壁と、前記中心軸からの放射方向に延びる隔壁とにより取り囲まれて形成され、
    少なくとも前記ハニカム構造部の最外周に位置する前記セルにおける前記第1端面から前記第2端面までの流路長さは、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも長いハニカム構造体。
  2. 前記ハニカム構造部における前記複数のセルの間で、前記セルの流路長さは、前記中心軸から離れた前記セルほど長い請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 全ての前記セルの全体または一部分は、前記中心軸に対して螺旋を描くように前記隔壁によって区画形成されている請求項2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ハニカム構造部の最外周に位置する前記セルの前記流路長さは、前記第1端面と前記第2端面との間の距離の1.004〜3.3倍である請求項1〜3に記載のハニカム構造体。
  5. 前記ハニカム構造部の最外周に位置する前記セルの前記流路長さは、前記第1端面と前記第2端面との間の距離の1.03〜1.3倍である請求項1〜3に記載のハニカム構造体。
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