JP2015192129A - ソレノイド装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、自動変速機に用いられる電磁油圧制御弁が開示されている。
ソレノイド装置は、磁力によって軸方向へ駆動されるプランジャ、プランジャの軸方向一方側に配される対向壁との間に形成されるとともに、プランジャの移動によって容積変動する容積変動室、容積変動室と外部空間とを連通する呼吸孔とを備える。
そして、プランジャが軸方向に往復移動することにより、呼吸孔を介して容積変動室からの流体の出入り(呼吸)がなされる。
特に電磁油圧制御弁の場合、オイル内で用いられており、オイル内に存在する金属磨耗粉等の異物が呼吸によって容積変動室に流入する虞がある。金属磨耗粉がプランジャに付着するとプランジャの摺動不良を生じる虞もある。
プランジャは、磁力によって軸方向へ駆動される機械要素である。
容積変動室は、プランジャの軸方向一方側に配される対向壁との間に形成されるとともに、プランジャの移動によって容積変動する空間である。
呼吸孔は、対向壁に形成されるとともに、容積変動室の内外を連通する。
そして、プランジャの移動によって、所定体積の流体が呼吸孔を介して容積変動室から流出もしくは容積変動室へ流入する。
〔実施例1の構成〕
実施例1のソレノイド装置1を、図1〜図6を用いて説明する。
なお、図1は図4のI−I断面図となっている。
本実施例のソレノイド装置1は、自動変速機の電磁油圧制御弁2に適用される。
自動変速機は、変速制御やロックアップ制御等を行うための油圧コントローラを搭載しており、油圧コントローラは油圧制御を行うための電磁油圧制御弁2を搭載している。
まず、電磁油圧制御弁2の基本構成を図1〜3を用いて説明する。
電磁油圧制御弁2は、三方弁3と、この三方弁3を駆動するソレノイド装置1とを結合して構成される。
電磁油圧制御弁2は、図3に示すように、オイルパン4内で用いられるものである。すなわち、オイルパン内のオイル貯留空間でオイルに浸かった状態で使用されるものである。
また、バルブハウジング7の排出室14の軸方向他端側の筒内部はシャフト10が摺動する摺動孔26に形成されている。そして、この摺動孔26が形成されたバルブハウジング7の部分は、後述するソレノイド装置1の固定磁気回路の一部をなす。
なお、ボール弁8は、入力ポート17の内部に固定されるボールホルダ28の内部に保持されている。ボールホルダ28は、ボール弁8がシャフト10の先端に押圧されていない状態において、入力ポート17から供給される油圧により、ボール弁8を第1弁座19に確実に着座させる範囲にボール弁8を保持するものである。そして、入力ポート17と第1開口18との間が閉塞しないように開口部を備えている。
排出室14内のシャフト10において、ブリード弁9より軸方向他端側の部分は、排出室14を形成するバルブハウジング7の内周面との間に空間が形成されており、この空間にスプリング30が配されている。
シャフト10は、後述するソレノイド装置1のプランジャ32と常時当接する部材であるため、スプリング30はプランジャ32を軸方向他端側へ付勢する部材ともいえる。
プランジャ32は、コイル33内で軸方向(断面図における図示左右方向)へ摺動自在に支持され、スプリング30によって軸方向他端側(図示右側)に付勢されている。そして、コイル33の発生磁力により軸方向一端側(図示左側)に駆動する。
ステータ37及びヨーク38は、磁性体金属(例えば、鉄などの強磁性材料)で形成されている。
なお、前述のバルブハウジング7の一部がステータ37として機能する。すなわち、バルブハウジング7の摺動孔26の形成された部分はコイル33内に挿入されて、プランジャ32に対向配置されることで、磁気回路の一部を形成する。
プランジャ32はこの内周ヨーク38cの内側を摺動する。
なお、外周ヨーク38aの一端部とステータ37との間には磁性プレート39が介在している。
そして、プレート34の中心部には、軸方向に貫通して容積変動室41の内外を連通する呼吸孔42が形成されている。
電磁油圧制御弁2は、図1に示すようにコイル33に通電されていないソレノイドOFF状態では、スプリング30によって、プランジャ32が軸方向他端側に付勢されている。このとき、ボール弁8は第1弁座19に着座しており、ブリード弁9は第2弁座23から離座している。
このため、出力ポート25と排出ポート21とが連通し、入力ポート17と出力ポート25との間が遮断されている。
これにより、図2に示すように、プランジャ32とともにシャフト10が軸方向一端側へ移動し、ボール弁8は軸方向一端側へ押圧され第1弁座19から離座し、ブリード弁9は第2弁座23に着座する。
このため、入力ポート17と出力ポート25とが連通し、出力ポート25と排出ポート21との間が遮断される。
図1に示すソレノイドOFFの状態から、図2に示すソレノイドON状態へ移行する際、プランジャ32とプレート34との間が離れていく過程で、呼吸孔42を介して容積変動室41へ所定体積のオイルが吸い込まれる(吸い込み行程と呼ぶ)。
ソレノイド装置1は、呼吸孔42の開口42aを容積変動室41の外側から覆う呼吸孔カバー50を備える。この呼吸孔カバー50は、呼吸孔42に連通する空間51と、この空間51と外部空間52(オイルパン4内のオイル貯留空間)とを連通する開口51aとを形成する。
プレート34と呼吸孔カバー50とは、軸方向に重なった状態で、端部ヨーク38bに形成されたかしめ部によりかしめ固定されている。
すなわち、空間51は、開口51aから呼吸孔42に直線的に向かわないようにラビリンス状に形成されている。
第2流路51c及び第3流路51dは、第1流路51bから周方向両側に分岐する流路であって、呼吸孔42の位置を避けて呼吸孔42の位置の径方向外側に円弧状に形成され、第1流路51bから180度隔てた位置で合流する。なお、第2流路51c及び第3流路51dとは呼吸孔42と同心円状に形成され、第2流路51cと第3流路51dとで平面視において呼吸孔42の周囲を囲うリング状の流路を形成する。
第4流路51eは、第2流路51cと第3流路51dとの合流部から呼吸孔42に連通させるべく重力方向下側へ向かう流路である。
本実施例によれば、ソレノイド装置1は、呼吸孔42の開口42aを容積変動室41の外側から覆うとともに、呼吸孔42に連通する空間51と、この空間51と外部空間52とを連通する開口とを形成する呼吸孔カバー50を備える。これにより、呼吸孔42を介する容積変動室41への異物吸い込みリスクを低減できる。
これによれば、空間51への異物吸い込みリスクを低減できる。異物の主たるものは金属磨耗粉であり、金属磨耗粉はオイルパン4内で重力方向下側へ向かうからである。
これによれば、図6に示すように、仮に空間内に異物を吸い込んでしまった場合でも、ラビリンス状となっているため、異物が呼吸孔42に向かいにくい。例えば、本実施例では、異物は慣性により第1流路51bを直進するため、第2流路51c及び第3流路51dへ侵入しにくい。
したがって、呼吸孔42を介する容積変動室41への異物吸い込みリスクを低減できる。
これによれば、仮に空間内に異物を吸い込んでしまった場合でも、プランジャ32及び固定磁気回路で形成される磁気回路の影響を受けて、呼吸孔カバー50の内壁面が金属磨耗粉を吸着する(図7参照)。このため、呼吸孔42を介して容積変動室41へ吸い込んでしまわないように防止できる。
すなわち、呼吸孔42を介する容積変動室41への異物吸い込みリスクを低減できる。
実施例では、空間51がラビリンス状に形成されていたが、ラビリンス状に設けられていなくてもよい。また、呼吸孔カバー50が非磁性材料にて形成されていてもよい。
また、開口51aが重力方向下側を向いていなくてもよい。
また、実施例のソレノイド装置1はオイル内で使用されるものであり、呼吸孔を出入りする流体はオイルであったが、オイルとは異なる液体や気体であってもよい。
Claims (4)
- 磁力によって軸方向へ駆動されるプランジャ(32)と、
前記プランジャ(32)の軸方向に対向して配される対向壁(34)との間に形成されるとともに、前記プランジャ(32)の移動によって容積変動する容積変動室(41)と、
前記対向壁(34)に形成されるとともに、前記容積変動室(41)の内外を連通する呼吸孔(42)とを備え、
前記プランジャ(32)の移動によって、所定体積の流体が前記呼吸孔(42)を介して前記容積変動室(41)から流出もしくは前記容積変動室(41)へ流入するソレノイド装置であって、
前記呼吸孔(42)の開口(42a)を前記容積変動室(41)の外側から覆うとともに、前記呼吸孔(42)に連通する空間(51)と、この空間(51)と外部空間(52)とを連通する開口(51a)とを形成する呼吸孔カバー(50)を備え、
前記空間(51)の容積は、前記所定体積よりも大きいことを特徴とするソレノイド装置。 - 請求項1に記載のソレノイド装置において、
前記空間(51)の前記外部空間(52)への開口(51a)は、重力方向下側に向かって開口していることを特徴とするソレノイド装置。 - 請求項1に記載のソレノイド装置において、
前記空間(51)は、前記空間の開口(51a)から前記呼吸孔(42)に至る経路に屈曲部(54)を有し、ラビリンス状に設けられていることを特徴とするソレノイド装置。 - 請求項1に記載のソレノイド装置において、
前記呼吸孔カバー(50)は、磁性材料にて形成されていることを特徴とするソレノイド装置。
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