JP2009108905A - 電動バルブの固定手段 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搭載性の悪化、生産性の悪化の要因となっていたブラケットを廃止して、電磁油圧制御弁を自動変速機のバルブボディに固定することが可能な固定手段を提供する。
【解決手段】 バルブハウジング5をバルブボディ3に固定する固定手段40は、バルブハウジング5に設けられ、組付け穴4の内壁に形成された凹部41に係合可能なロック部材42と、バルブハウジング5においてロック部材42を径方向外側に付勢するスプリング43と、入力ポート21から供給される油圧を用いてロック部材42に対して径方向外側に向かう力を発生させる入力圧付与手段44とを備える。エンジン運転中は入力ポート21の油圧によりロック部材42が径方向外側に強く押され、ロック部材42が凹部41に強く係合し、電磁油圧制御弁がバルブボディ3に強く固定される。これにより、搭載性の悪化、生産性の悪化の要因となっていたブラケットを廃止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動バルブを固定部材に固定する固定手段に関する。
固定部材に固定されて使用される電動バルブの一例として、電磁弁(電動バルブの一例)を自動変速機のバルブボディ(サーキットハウジング:固定部材の一例)に固定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来技術において電磁弁をバルブボディに固定する手段を説明する。
電磁弁は、油圧の調整を行うバルブ部と、このバルブ部を駆動する電磁アクチュエータ(電動アクチュエータの一例)とを結合したものであり、バルブボディに形成された組付け穴の内部にバルブ部を挿入した状態で、電磁アクチュエータに溶接等で固定されたブラケットをバルブボディにボルトを用いて締結することで、電磁弁がバルブボディに固定されていた。
しかし、従来技術は、電磁アクチュエータに予め溶接等で固定しておいたブラケットを、バルブボディにボルトで締結固定するものであったため、バルブボディの表面にブラケットを取り付けるためのスペースを確保する必要があった。
特に、自動変速機のバルブボディには複数の電磁弁が搭載されるため、バルブボディの表面に複数のブラケットを取り付けるためのスペースを確保する必要があった。
このように、バルブボディの表面にブラケットを取り付けるためのスペースを確保する必要があったため、バルブボディの小型化が困難となっていた。別な言い方をすれば、バルブボディの小型化によって、電磁弁の搭載性が悪化する不具合があった。
一方、ブラケットは、取り付けられるバルブボディに合わせた形状にプレス加工された後、溶接治具で電磁アクチュエータに組み付けられた状態で溶接されるものである。
このため、自動変速機の変更や、機種の多様化など、バルブボディの機種が変わると、バルブボディの形状も変わるため、それに合わせてブラケットの形状が多種となる。その結果、プレス型が多種となるとともに、溶接治具も多種となり、電磁弁の生産性の悪化の要因になっていた。
特開平10−009432号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、搭載性の悪化、生産性の悪化の要因となっていたブラケットを廃止して、電動バルブを固定部材に固定することができる電動バルブの固定手段の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用する電動バルブは、組付け穴の内壁に形成された凹部にロック部材が嵌まり合う状態において、「スプリングによるバネ付勢力」と「入力圧付与手段による流体付勢力」とによりロック部材が凹部に押し付けられる。このように、ロック部材が「バネ付勢力+流体付勢力」により凹部に押し付けられることで、バルブハウジングと固定部材との係合力が高まり、電動バルブと固定部材の係合が確実になされ、電動バルブが固定部材に固定される。
このように、バルブハウジングに設けたロック部材が、組付け穴の内壁に形成された凹部に嵌まり合い、流体の圧力によって電動バルブが固定部材に固定されるため、従来技術において搭載性の悪化、生産性の悪化の要因となっていたブラケットを廃止することができる。
即ち、ブラケットを廃止できるため、電動バルブの搭載性の向上、生産性の向上を図ることができる。
具体的な一例を示すと、固定部材が自動変速機のバルブボディの場合、バルブボディの表面にブラケットを取り付けるためのスペースを確保する必要がなくなるため、バルブボディの小型化が可能になる。別な言い方をすれば、バルブボディが小型化されても、電動バルブをバルブボディに固定することが可能となる。
また、自動変速機の変更や、機種の多様化など、バルブボディの機種が変わっても、ブラケットが必要ないため、多種のブラケットを製造する必要がなく、また多種のブラケットを電動バルブに溶接する際に使用される溶接治具等を用意する必要がなくなり、生産性の向上を図ることができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用する電動バルブのバルブハウジングは、ロック部材がバルブハウジングの外方へ抜け出るのを防止する規制部を備える。
規制部によりロック部材の抜け止めが成されるため、固定部材に電動バルブが組付けられていない状態において、ロック部材がバルブハウジングから抜け出る不具合がなく、固定部材に組付けられていない状態における電動バルブの取り扱いが容易になる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用する電動バルブの組付け穴は、入力ポートへ流体を供給する流体供給路を兼ねるものである。
最良の形態の電動バルブは、流体(例えば、オイル)が供給される入力ポートを有するバルブハウジングを備えるバルブ部(例えば、オイルの切替弁)と、このバルブ部を駆動する電動アクチュエータ(例えば、電磁アクチュエータ)とからなり、バルブハウジングが固定部材(例えば、自動変速機において油圧サーキットを形成するバルブボディ)に形成された内周面が円筒形状を成す組付け穴に挿入された状態で固定されて使用されるものである。
この電動バルブを固定部材に固定する固定手段は、バルブハウジングにおける組付け穴内に挿入される範囲に設けられ、バルブハウジングの外周面より外径方向(組付け穴の内壁方向)へ向かって突出可能なロック部材と、このロック部材を外径方向(組付け穴の内壁方向)へ向かって付勢するスプリングと、入力ポートから供給される流体の圧力をロック部材に与え、ロック部材を外径方向(組付け穴の内壁方向)へ向かって付勢する入力圧付与手段とを備える。
そして、ロック部材が組付け穴の内壁に形成された凹部に嵌まり合い、スプリングによるバネ付勢力と、入力圧付与手段による流体付勢力とにより、ロック部材が組付け穴の内壁に形成された凹部に係合することで、電動バルブが固定部材に固定される。
本発明の電動バルブの固定手段を、自動変速機に搭載される電磁油圧制御弁の固定技術に適用した実施例1を説明する。
(電磁油圧制御弁の概略説明)
自動変速機は、変速制御やロックアップ制御等を行うためのバルブボディ(固定部材の一例)を搭載しており、このバルブボディは油圧制御を行うための電磁油圧制御弁(電動バルブの一例)を搭載している。
この実施例に示す電磁油圧制御弁は、パイロット弁またはダイレクト制御弁として用いられるものである。なお、パイロット弁は、摩擦係合装置(多板クラッチ、多板ブレーキ等)の駆動油室(油圧サーボ室)の油圧を調圧する調圧弁(メインバルブ)の駆動油室の油圧を制御するものであり、ダイレクト制御弁は、摩擦係合装置の駆動油室の油圧を直接調圧するものである。
この実施例1に示す電磁油圧制御弁は、内部に油圧サーキットを形成するバルブボディに組付けられるものであり、この実施例1では一例としてN/H(ノーマリ・ハイ)タイプの電磁油圧制御弁を示す。ここで、N/Hタイプの電磁油圧制御弁は、通電停止状態で制御対象油圧室に駆動油圧を発生させ、通電状態で制御対象油圧室の駆動油圧を排圧させるものである。なお、本発明はN/Hタイプに限定されるものではない。
次に、図1を参照して電磁油圧制御弁の具体構造を説明する。
この実施例に示す電磁油圧制御弁は、三方弁(バルブ部の一例)1と、この三方弁1を駆動する電磁アクチュエータ(電動アクチュエータの一例)2とを結合して構成され、三方弁1がバルブボディ3に形成された円筒形状を呈する組付け穴4に挿入された状態でバルブボディ3に固定される。なお、以下では、実施例1を説明するための便宜上、図1の左側を前、図1の右側を後として説明するが、実際の搭載方向に関わるものではない。
(三方弁1の説明)
三方弁1は、バルブハウジング5、ボール弁(弁体の一例)6およびシャフト7等で構成される。
バルブハウジング5は、略円筒形状を呈するものであり、電磁アクチュエータ2の固定磁気回路の一部を構成するように磁性体金属(鉄等)によって設けられている。このバルブハウジング5の内部には、前方より後方へ向かって入力室11、出力室12、排出室13が形成されている。
入力室11は、バルブハウジング5の前部の内部空間によって構成されている。
出力室12は、バルブハウジング5の前方よりバルブハウジング5の内部に圧入等によって結合された入力側シート壁14と、バルブハウジング5に一体形成された排出側シート壁15とで挟まれた空間によって構成されている。
排出室13は、排出側シート壁15より後側のバルブハウジング5内の空間によって構成されている。
入力側シート壁14と排出側シート壁15のそれぞれは、軸方向(シャフト7の移動方向)に垂直な壁であり、出力室12を介して対向している。
入力側シート壁14の中心部には、入力室11と出力室12を連通する入力弁口が設けられている。また、排出側シート壁15の中心部にも、出力室12と排出室13を連通する排出弁口が設けられている。なお、入力弁口と排出弁口は、ともにシャフト7の軸線上に設けられている。
バルブハウジング5には、オイルポンプから油路等を介して圧送されたオイルが入力される入力ポート21と、駆動油室に油路を介して連通する出力ポート22と、オイルパン内などの低圧側と連通する排出ポート(ドレンポート)23とが設けられている。
具体的に、組付け穴4は、オイルポンプの吐出オイルを入力ポート21に供給するオイル供給路(流体供給路の一例)を兼ねるものであり、バルブハウジング5の前端部に、組付け穴4の内部と連通する入力ポート21が設けられている。即ち、図1に示すように、バルブハウジング5の前端の筒部の内部が、入力ポート21と入力室11を兼ねるものである。
出力ポート22は、出力室12と連通するものであり、バルブハウジング5の径方向に開口して設けられている。
排出ポート23は、排出室13と連通するものであり、バルブハウジング5の径方向に開口し、外部(オイルパン内等)と連通している。
ボール弁6は、入力側シート壁14と排出側シート壁15の間(出力室12内)において、所定の軸方向範囲内で移動可能な状態で保持されている。
ここで、入力側シート壁14は、ボール弁6のホルダの機能を果たすものであり、ボール弁6がシャフト7の先端部により前方へ押圧されていない状態の時に、入力ポート21を通り、入力弁口を通過して与えられる油圧により、ボール弁6を排出弁口の周囲の排出弁シートに確実に着座させる範囲にボール弁6を保持するとともに、ボール弁6がシャフト7の先端部により前方の入力側シート壁14へ押圧された状態の時に、シャフト7の押圧力(電磁アクチュエータ2から与えられた駆動力)により、ボール弁6を入力弁口の周囲の入力弁シートに確実に着座させる範囲にボール弁6を保持するように設けられている。
即ち、入力ポート21から供給される油圧によってボール弁6には、排出弁口の周囲の排出弁シートに着座する力が与えられ、ボール弁6が排出弁シートに着座することで、排出弁口が閉塞されて出力室12と排圧室13の連通が遮断され、且つ入力室11と出力室12が連通する。この結果、出力ポート22にオイルポンプから供給された油圧が出力される。
逆に、電磁アクチュエータ2からシャフト7を介して与えられる駆動力によってボール弁6に対して入力弁口の周囲の入力弁シートに着座する力が与えられ、ボール弁6が入力弁シートに着座することで、入力弁口が閉塞されて入力室11と出力室12の連通が遮断され、且つ出力室12と排出室13が連通する。この結果、出力ポート22の油圧が排圧される。
シャフト7は、略棒形状を呈する非磁性体金属製であり、バルブハウジング5の後側の軸中心に形成された軸穴内において軸方向へ摺動自在に支持される。
具体的に、シャフト7には、前側から後側に向けて、小径部、中径部、大径部が設けられている。一方、バルブハウジング5の内部には、排出側シート壁15より後方に、シャフト7の中径部を摺動自在に支持する中径軸穴が設けられ、この中径軸穴の後方にシャフト7の大径部を摺動自在に支持する大径軸穴が設けられている。
シャフト7の小径部は、前方へ向けて小径に設けられ、先端部分が排出弁口の内部に侵入可能に設けられている。そして、小径部と中径軸穴の間に排出室13が形成される。
ここで、シャフト7における「中径部と大径部の段差」と、バルブハウジング5における「中径軸穴と大径軸穴の段差」との間には、コイルバネよりなるリターンスプリング24が配置され、リターンスプリング24の付勢力によってシャフト7が常に後方へ付勢されるようになっている。
なお、シャフト7の後端は、電磁アクチュエータ2のプランジャ32(後述する)と常時当接するものであり、シャフト7がプランジャ32と一体に移動する。
(電磁アクチュエータ2の説明)
電磁アクチュエータ2は、コイル31、プランジャ32、ステータコア33、ヨーク34、ストッパプレート35、コネクタ36等で構成される。
コイル31は、通電されると磁力を発生して、プランジャ32と固定磁気回路(ヨーク34とステータコア33)を通る磁束ループを形成させるものであり、樹脂性のボビンの周囲に、絶縁被覆が施された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
プランジャ32は、略筒状を呈した磁性体金属(例えば、鉄などの強磁性材料)であり、ヨーク34の内周面(具体的には、後述する内部ヨーク38の内周面)により軸方向へ摺動自在に支持され、リターンスプリング24の付勢力により後方へ付勢されるとともに、コイル31の発生磁力によりリターンスプリング24の付勢力に抗して前方へ駆動される。
なお、プランジャ32の内部を軸方向へ貫通する孔32aは、プランジャ32の両端の容積変動室を連通する呼吸孔であり、ストッパプレート35に形成された呼吸孔35aと常時連通するものである。
ステータコア33は、磁性体金属(例えば、鉄などの強磁性材料)よりなるバルブハウジング5の後側の小径部(電磁アクチュエータ2内に挿入される部分)であり、この小径部の後端は、プランジャ32と軸方向に対向して、プランジャ32を磁気吸引する。
ヨーク34は、コイル31の外周を覆う外部ヨーク37と、この外部ヨーク37の後端においてコイル31の内部に挿入される内部ヨーク38とからなる。
外部ヨーク37は、後方へ開口した略カップ形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄などの強磁性材料)であり、コイル31の外周を覆う筒状ヨーク37aと、小径部の前端の段差に当接した状態で圧入固定されるリング円盤状の前部磁気プレート37bとを一体に設けたものである。
内部ヨーク38は、筒状ヨーク37aの後端において肉厚を薄くして形成されたカシメ爪を内側へカシメることで、ストッパプレート35とともに外部ヨーク37の後端に結合される磁性体金属(例えば、鉄などの強磁性材料)であり、コイル31の内周で、且つプランジャ32の外周を覆う筒状を呈したプランジャ摺動筒38aと、リング円盤状の後部磁気プレート38bとを一体に設けたものである。なお、プランジャ摺動筒38aは、プランジャ32の外周面を摺動自在に支持し、プランジャ32と径方向の磁気の受け渡しを行うものである。
ストッパプレート35は、プランジャ32の後方への移動を規制する非磁性体材料よりなる円板プレートであり、上述したように筒状ヨーク37aの後端のカシメ爪によるカシメにより、内部ヨーク38とともに外部ヨーク37に結合されている。
コネクタ36は、AT−ECU(自動変速機用電子制御装置:図示しない)と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段であり、その内部にはコイル31の両端にそれぞれ接続される端子36aが配置されている。
(実施例1の特徴)
電磁油圧制御弁のバルブハウジング5、および組付け穴4の内壁には、電磁油圧制御弁をバルブボディ3に固定するための固定手段40が設けられている。
この実施例1の固定手段40は、バルブハウジング5に設けられて組付け穴4の内壁に形成された凹部41に係合可能なロック部材42と、バルブハウジング5においてロック部材42を径方向外側に付勢するスプリング43と、入力ポート21から供給される油圧を用いてロック部材42に対して径方向外側に向かう力を発生させる入力圧付与手段44とを備える。
以下において、固定手段40の構成を説明する。
・バルブハウジング5において組付け穴4内に挿入される範囲内には、バルブハウジング5の外周面より組付け穴4の内壁方向(即ち径方向外側)へ向かって突出可能なロック部材42が設けられている。
・バルブハウジング5においてロック部材42を収容する収容穴45の内部には、ロック部材42を組付け穴4の内壁方向(即ち径方向外側)へ向かって付勢するスプリング43が配置されている。
・バルブハウジング5においてロック部材42を収容する収容穴45の底には、入力ポート21から供給される油圧をロック部材42の底部に与え、油圧によりロック部材42を組付け穴4の内壁方向(即ち径方向外側)へ向かって付勢する入力圧付与手段44が設けられている。
・組付け穴4においてバルブハウジング5が挿入される範囲内の内壁には、ロック部材42と係合可能な凹部41が形成されている。
そして、電磁油圧制御弁は、バルブボディ3の組付け穴4に設けられた凹部41にロック部材42が嵌まり合った状態で、スプリング43によるバネ付勢力と、入力圧付与手段44による流体付勢力(油圧による押圧力)とにより、ロック部材42が凹部41に係合することで、バルブボディ3に固定される。
上記の構成を具体的に説明する。
内側に入力室11を成す部位のバルブハウジング5には、ロック部材42を径方向に移動可能に収容する収容穴45が形成されている。この収容穴45は、ロック部材42の最外径寸法(この実施例のロック部材42はボールであるため、ボールの外径寸法)より少し大径で、径方向に延びる丸穴の窪みである。
この収容穴45の底壁(収容穴45と入力ポート21を区画する壁)には、入力ポート21の油圧を収容穴45の底側内部へ導く油圧導入穴(この実施例1の入力圧付与手段44)が形成されており、入力ポート21に油圧が供給されると、ロック部材42に径方向外側へ向かう流体付勢力を与える。
ロック部材42と収容穴45の底壁との間には、ロック部材42を径方向外側に付勢するスプリング43が配置され、ロック部材42に径方向外側へ向かうバネ付勢力を与える。
ロック部材42の径方向長は、少なくともロック部材42が凹部41に嵌まり合った状態で、ロック部材42が凹部41とバルブハウジング5の両方に同時に係合する長さを有するものである。この実施例1のロック部材42は、金属製(例えば、鉄、ステンレスなどの硬質金属)のボールである。
ロック部材42は、ボールであるため、大径部(ボールの最大径部分)と、バルブハウジング5から突出して凹部41に係合する小径部(ボールにおいて中心から離れた部分)とが存在する。
バルブハウジング5は、ロック部材42における大径部がバルブハウジング5の外方へ抜けるのを防止する規制部46を備える。この規制部46は、収容穴45の内部にスプリング43とロック部材42を挿入した後、収容穴45の開口部を内側に塑性変形させたものであり、塑性変形後の規制部46の内径寸法は、ロック部材42の大径部より小さく、且つ規制部46より外側へ突出するロック部材42(小径部)の突出量が凹部41と係合可能となるように設けられている。
この規制部46により、ロック部材42の抜け止めが成されるため、バルブボディ3に電磁油圧制御弁を組付ける前の状態(あるいは、バルブボディ3から電磁油圧制御弁を抜き出した状態)において、ロック部材42がバルブハウジング5から抜け出る不具合がなく、バルブボディ3に取り付けられていない状態における電磁油圧制御弁の取り扱いが容易になる。
組付け穴4の内壁に形成される凹部41は、例えば組付け穴4の内径方向に大径となるテーパ面(曲面を含む)に設けられている。
凹部41の位置は、電磁油圧制御弁をバルブボディ3の組付け穴4に正しく組付けた状態において、バルブハウジング5側のロック部材42と係合する位置に、切削加工等により形成されている。
なお、上記では、1つの固定手段40を設ける例を示すが、2つ以上の固定手段40を設けても良い。
また、組付け穴4の開口縁には、バブルハウジング5を組付け穴4に挿入することで、バルブハウジング5から突出したロック部材42をバルブボディ3の内部へ押し入れるテーパ面が形成されており、組付け性の向上が図られている。
(実施例1の作動および効果)
電磁油圧制御弁をバルブボディ3に組付ける際、バルブハウジング5を組付け穴4に挿入する。この時、ロック部材42がボールであるため、ロック部材42の突出部分が組付け穴4の内壁(この実施例では組付け穴4の開口縁のテーパ面)によって内側へ押され、スプリング43が圧縮変形してロック部材42がバルブハウジング5の内部に入り込む。バルブボディ3に対して電磁油圧制御弁の位置が正しい位置に装着されると、スプリング43によるバネ付勢力によってロック部材42が凹部41に係合し、電磁油圧制御弁がバルブボディ3に軽く固定される。
エンジン停止状態では、入力ポート21に油圧が供給されないため、電磁油圧制御弁がバルブボディ3に軽く固定された状態であるが、エンジン停止状態では車両振動(エンジン振動、車両走行振動)が生じないため、電磁油圧制御弁がバルブボディ3に対して正しい位置に固定された状態に保たれる。
電磁油圧制御弁をバルブボディ3から取り外す際は、電磁油圧制御弁を組付け穴4から強く引き出す。すると、凹部41を成すテーパ面によりロック部材42が内側へ押され、スプリング43が圧縮変形してロック部材42がバルブハウジング5の内部に入り込み、ロック部材42と凹部41の係合が外れ、バルブボディ3から電磁油圧制御弁を取り外すことができる。
エンジン運転状態では、オイルポンプが常時作動するため、電磁油圧制御弁の作動状態に関わらず入力ポート21には常時油圧が供給される。即ち、入力ポート21の油圧が油圧導入穴(入力圧付与手段44)を介して収容穴45の底側に常時供給される。
これによって、ロック部材42は、スプリング43によるバネ付勢力と、オイルの供給圧力による流体付勢力とにより、径方向外側に強く押される。即ち、油圧の供給を受けてロック部材42が凹部41に強く押し付けられる。
これにより、バルブハウジング5とバルブボディ3との係合力が高まり、電磁油圧制御弁がバルブボディ3に強く固定される。
このエンジン運転状態では、油圧の供給を受けて電磁油圧制御弁がバルブボディ3に強く固定されるため、バルブボディ3および電磁油圧制御弁に車両振動(エンジン振動、車両走行振動)が伝えられても、電磁油圧制御弁はバルブボディ3に対して正しい位置に固定された状態に保たれる。
また、エンジン運転状態では、油圧によりロック部材42と凹部41とが強固に係合しているため、電磁油圧制御弁に抜き出す力を加えても、ロック部材42と凹部41の係合が外れることがなく、電磁油圧制御弁がバルブボディ3に固定された状態を保つことができる。
このように、バルブハウジング5に設けたロック部材42が、組付け穴4の内壁に形成された凹部41に嵌まり合うことで電磁油圧制御弁がバルブボディ3に固定されるため、従来技術において搭載性の悪化、生産性の悪化の要因となっていたブラケットを廃止することができる。
即ち、ブラケットを廃止できることで、バルブボディ3の表面にブラケットを取り付けるためのスペースを確保する必要がなくなり、バルブボディ3の小型化が可能になる。別な言い方をすれば、バルブボディ3が小型化されても、電磁油圧制御弁をバルブボディ3に固定することが可能となる。
また、自動変速機の変更や、機種の多様化など、バルブボディ3の機種が変わっても、ブラケットが必要ないため、多種のブラケットを製造する必要がなく、また多種のブラケットを電磁油圧制御弁に溶接する溶接治具等を用意する必要がなくなり、電磁油圧制御弁の生産性の向上を図ることができる。
図2を参照して実施例2を説明する。なお、上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
上記の実施例1では、ロック部材42の一例としてボールを用いる例を示した。
これに対し、この実施例2は、ロック部材42の一例として大径部と小径部からなるピン材を用いたものである。大径部は、収容穴45の内面において径方向に摺動自在に支持されるものである。また、小径部は規制部46の内側を通過して径方向外側へ突出可能に設けられ、先端部が組付け穴4の凹部41に嵌まり合うものである。
この実施例2のロック部材42を用いても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
〔変形例〕
上記の実施例ではリターンスプリング24がシャフト7を介してプランジャ32を後方へ付勢する例を示したが、プランジャ32を前方へ付勢して、常にプランジャ32とシャフト7とを当接させるためのプランジャスプリングをプランジャ32の後端部に設けても良い。
上記の実施例では、シャフト7とプランジャ32が軸方向に当接する例を示したが、シャフト7とプランジャ32が結合(圧入等)したものであっても良い。
上記の実施例では、弁体の一例としてボール弁6が用いられるバルブ部を例に示したが、スプール弁など他のバルブ部であっても良い。
上記の実施例で示した三方弁1の構造は、実施例説明のための一例であって、他の三方弁構造を採用しても良い。
上記の実施例では、バルブ部の一例として三方弁1を示したが、二方弁(開閉弁)や四方弁など他のバルブ構造であっても良い。
上記の実施例では、組付け穴4が入力ポート21へオイルを供給するオイル供給路を兼ねる例を示したが、組付け穴4とオイル供給路とが別々に設けられるものであっても良い。即ち、バルブ部の径方向に入力ポート21が形成されるスプール弁等に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、弁体を前方へ駆動する電動バルブ(実施例では電磁油圧制御弁)に本発明を適用する例を示したが、弁体を後方へ駆動する電動バルブに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧制御に用いられる電磁油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外において油圧やオイル流量を制御する電磁油圧制御弁に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、流体の一例としてオイルを示したが、オイルとは異なる液体や気体(ガス等)であっても良い。即ち、オイル以外の流体の調圧や調量を行う電動バルブに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、バルブ部を電磁アクチュエータ2によって駆動する例を示したが、ピエゾアクチュエータなど、他の電動アクチュエータを用いても良い。
電磁油圧制御弁の断面図である(実施例1)。 固定手段の断面図である(実施例2)。
符号の説明
1 三方弁(バルブ部)
2 電磁アクチュエータ(電動アクチュエータ)
3 バルブボディ(固定部材)
4 組付け穴
5 バルブハウジング
21 入力ポート
40 固定手段
41 凹部
42 ロック部材
43 スプリング
44 入力圧付与手段
46 規制部

Claims (3)

  1. 流体が供給される入力ポートを有するバルブハウジングを備えるバルブ部と、このバルブ部を駆動する電動アクチュエータとからなり、前記バルブハウジングが固定部材に形成された組付け穴に挿入された状態で固定されて使用される電動バルブにおいて、
    この電動バルブを前記固定部材に固定する固定手段は、
    前記バルブハウジングにおける前記組付け穴内に挿入される範囲に設けられ、前記バルブハウジングの外周面より前記組付け穴の内壁へ向かって突出可能なロック部材と、
    このロック部材を前記組付け穴の内壁へ向かって付勢するスプリングと、
    前記入力ポートから供給される流体の圧力を前記ロック部材に与え、前記ロック部材を前記組付け穴の内壁へ向かって付勢する入力圧付与手段とを備え、
    前記スプリングによるバネ付勢力と、前記入力圧付与手段による流体付勢力とにより、前記ロック部材が前記組付け穴の内壁に形成された凹部に係合することを特徴とする電動バルブの固定手段。
  2. 請求項1に記載の電動バルブの固定手段において、
    前記バルブハウジングは、前記ロック部材が前記バルブハウジングの外方へ抜け出るのを防止する規制部を備えることを特徴とする電動バルブの固定手段。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動バルブの固定手段において、
    前記組付け穴は、前記入力ポートへ流体を供給する流体供給路を兼ねることを特徴とする電動バルブの固定手段。
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