JP2015192107A - 太陽電池用裏面保護シート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールハンドリング時に表面の傷の発生が抑制される太陽電池用裏面保護シート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルム基材16と、前記ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として設けられ、(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層18と、前記ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として設けられたポリオレフィンフィルム15と、を含み、前記着色樹脂層の鉛筆硬度と前記ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が2段階以内である太陽電池用裏面保護シート32及びその応用。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用裏面保護シート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、一般に、太陽光が入射する受光面側から透明なフロント基板/透明な充填材料(封止材)/太陽電池素子/封止材/裏面保護シートがこの順に積層された構造を有している。具体的には、太陽電池素子は一般にEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の樹脂(封止材)で包埋され、さらにこの上に太陽電池用裏面保護シート(「太陽電池用バックシート」と称する場合がある)が貼り付けられた構造に構成される。太陽電池用裏面保護シートは、太陽電池モジュールの最外層に設けられ、太陽電池素子を保護する働きをする。
従来は、太陽電池用裏面保護シートには、ガラスやフッ素樹脂等が用いられていたが、近年ではコスト抑制等の観点からポリエステルが適用されることが多い。ポリエステルを用いた太陽電池用裏面保護シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)を支持体として用い、これに他のポリマーシートを貼合する方法で作製したものが用いられている。
太陽電池用裏面保護シートは、屋外の風雨や直射日光などに曝されるような過酷環境下に長期間置かれる状況が想定されるため、耐候性(耐湿熱性、耐熱性)に加えて、耐光性を有することが求められている。しかし、ポリエステルフィルムには、長期間湿熱経時すると強度が低下するという問題点があり、このようなポリエステルフィルムを支持体に有する太陽電池用裏面保護シートは、長期間に亘りその機能を十分に発揮する上で更なる改善が求められている。
例えば、ポリエステルフィルム基材の一方の面側に(メタ)アクリル樹脂、導電材料、及び着色顔料を含む層を設け、他方の面側にポリオレフィンフィルムを設けた太陽電池用裏面保護シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリエステルフィルム基材の一方の面側に(メタ)アクリル樹脂と帯電防止剤を含む層を設け、他方の面側に、耐加水分解性を有するフィルム、白色フィルム、無機酸化物蒸着層を有するフィルム、又はEVAとの熱接着性を有するフィルムを設けた太陽電池用裏面保護シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2011/068067号パンフレット 国際公開第2010/061738号パンフレット
太陽電池は主に屋外で使用されるため、裏面側を保護する太陽電池用裏面保護シートは砂塵が当たって傷がつき易い。そこで、太陽電池用裏面保護シートが露出する側の最表層を硬くすることで砂塵が当たっても傷がつくことが抑制される。
一方、太陽電池用裏面保護シートの製造において、基材フィルム上に、耐候性や封止材との接着性等を目的とした塗布層や他のフィルムを積層して巻き取る場合、フィルム間に離型フィルムを介さずに巻き取ると、積層されたフィルムの表裏の面同士が擦れて柔らかい側の面に擦過による傷(擦過傷)が発生し易くなる。このような擦過傷は、巻取り工程のほか、送り出し工程、搬送工程などのロールハンドリング時に発生し易い。
そして、太陽電池用裏面保護シートの表面に傷が入ると、部分放電の発生や封止材との密着性の低下を招き易い。
本発明は、ロールハンドリング時に表面の傷の発生が抑制される太陽電池用裏面保護シート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> ポリエステルフィルム基材と、
ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として設けられ、(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層と、
ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として設けられたポリオレフィンフィルムと、
を含み、
着色樹脂層の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が2段階以内である太陽電池用裏面保護シート。
<2> 着色樹脂層が、さらに、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子を含む<1>に記載の太陽電池用裏面保護シート。
<3> 着色樹脂層に含まれる無機酸化物粒子が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子である<2>に記載の太陽電池用裏面保護シート。
<4> 着色樹脂層に含まれる着色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種である<1>〜<3>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<5> ポリオレフィンフィルムが、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子を含む<1>〜<4>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<6> ポリオレフィンフィルムに含まれる無機酸化物粒子が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子である<5>に記載の太陽電池用裏面保護シート。
<7> ポリオレフィンフィルムが、着色顔料を含む<1>〜<6>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<8> ポリオレフィンフィルムに含まれる着色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種である<7>に記載の太陽電池用裏面保護シート。
<9> ポリエステルフィルム基材は、ポリエチレンテレフタレートを含む<1>〜<8>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<10> ポリオレフィンフィルムは、ポリオレフィンを含む層が2層以上積層された積層構造を有する多層ポリオレフィンフィルムである<1>〜<9>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<11> ポリオレフィンフィルムが、架橋構造を有する<1>〜<10>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<12> 着色樹脂層の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が1段階以内である<1>〜<11>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<13> 着色樹脂層の鉛筆硬度が、ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度以上である<1>〜<12>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<14> 着色樹脂層の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度が同じある<1>〜<13>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<15> 着色樹脂層の鉛筆硬度がF以上3H以下である<1>〜<14>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シート。
<16> 太陽光が入射する透明性のフロント基板と、
太陽電池素子と、
太陽電池素子を封止する封止材と、
封止材のフロント基板とは反対側に配置され、封止材にポリオレフィンフィルムが接着している<1>〜<15>のいずれかに記載の太陽電池用裏面保護シートと、
を含む太陽電池モジュール。
<17> ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層を設ける工程と、
ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として着色樹脂層の鉛筆硬度との差が2段階以内であるポリオレフィンフィルムを設ける工程と、
ポリエステルフィルム基材と、着色樹脂層と、ポリオレフィンフィルムとを含む太陽電池用裏面保護シートを巻き取る工程と、
を有する太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
本発明によれば、ロールハンドリング時に表面の傷の発生が抑制される太陽電池用裏面保護シート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュールが提供される。
本発明の太陽電池用裏面保護シートの層構成の一例を示す概略図である。 本発明の太陽電池モジュールの構成の一例を示す概略図である。
以下において、本発明の太陽電池用裏面保護シート及び太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[太陽電池用裏面保護シート]
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、ポリエステルフィルム基材と、ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として設けられ、(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層と、ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として設けられたポリオレフィンフィルムと、を含み、着色樹脂層の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が2段階以内である。
図1は、本発明に係る太陽電池用裏面保護シートの層構成の一例を概略的に示している。図1に示す太陽電池用裏面保護シート32は、ポリエステルフィルム基材16の一方の面(以下「第1の面」という場合がある。)側に、着色樹脂層18が積層され、他方の面(以下「第2の面」という場合がある。)側に、接着剤層19を介してポリオレフィンフィルム15が積層されており、着色樹脂層18の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルム15の鉛筆硬度との差が2段階以内に構成されている。
なお、本発明における鉛筆硬度は、JIS K−5600−5−4に従って測定される方法であり、硬い方から順に、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6Bとなる。尚、6Bよりも軟らかいものおよび6Hよりも硬いものについては、三菱鉛筆社製の9H〜7H、7B〜10Bの鉛筆を用いて、同様の方法にて測定したものとする。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、互いに最表面層となる着色樹脂層18とポリオレフィンフィルム15との鉛筆硬度差が2段階以内であるため、巻き取り、搬送、送り出しなどのロールハンドリング時にフィルム間の擦れによる傷(擦過傷)の発生が抑制される。
ロールハンドリング時の擦過傷の発生を抑制する観点から、着色樹脂層の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が1段階以内であることが好ましく、着色樹脂層の鉛筆硬度とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度が同じあることがより好ましい。
なお、本発明も太陽電池用裏面保護シートは、ポリエステルフィルム基材の第1の面側の最表面層として着色樹脂層、第2の面側の最表面層としてポリオレフィンフィルムを有していれば、図1に示す構成に限定されず、ポリエステルフィルム基材16と着色樹脂層18との間に易接着層等の他の層を有してもよいし、ポリエステルフィルム基材16とポリオレフィンフィルム15との間に接着剤層19以外の他の層を有していてもよい。
以下、本発明の太陽電池用裏面保護シート及びその製造方法並びに太陽電池モジュールについて具体的に説明する。なお、符号は適宜省略する。
<基材フィルム>
本発明の太陽電池用裏面保護シートにおいて支持体となる基材フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂を含むポリエステルフィルムが用いられる。
機械的強度や耐熱性、経済性の点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられ、長期間の特性維持が求められることから耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下耐加水分解性PETフィルムと略称する場合がある)であることがより好ましい。同様に、高い耐加水分解性が得られる理由でPENフィルムであることが好ましい。
ポリエステルフィルムに含まれるポリエステル系樹脂は共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及びそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
通常、ポリエステルフィルムはモノマーを縮合重合させたいわゆるポリマーを原料として製膜されるものであるが、モノマーとポリマーの中間に位置づけられるオリゴマーが1.5〜2質量%程度含まれている。オリゴマーの代表的なものは環状三量体であり、その含有量が多いフィルムは屋外などの長期暴露において機械的強度の低下や、雨水等による加水分解の進行に伴う亀裂、材破などを生じる。これに対して、固相重合法で重合して得られる環状三量体の含有量が1.0質量%以下のポリエステルを原料としてポリエステルフィルムを製膜することで、高温高湿度下での加水分解を抑制することが可能であり、さらに耐熱性及び耐候性にも優れたフィルムが得られる。上記環状三量体含有量の測定は、例えばポリマー100mgをオルトクロロフェノール2mlに溶解させた溶液を用いて、液体クロマトグラフィーにて測定することで樹脂質量に対する含有量(質量%)を測定する方法で求められる。
基材フィルムには、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加できる。
基材フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、耐電圧特性、コスト等を勘案すると、1〜300μmの範囲が好ましい。厚みの下限はより好ましくは25μm以上である。
基材フィルムには水蒸気バリア性を付与する目的で蒸着法等により少なくとも一層の無機酸化物層が形成されている水蒸気遮断性ポリエステルフィルムを用いても良い。本発明における「水蒸気遮断性ポリエステルフィルム」とはJIS K7129(2000年版)に記載のB法にて測定される水蒸気透過率が5g/(m・day)以下のポリエステルフィルムである。
上記ポリエステルフィルムの厚さは、無機酸化物層を形成する時の安定性やコスト等の理由から、好ましくは1〜100μmの範囲であり、より好ましくは5〜50μmの範囲であり、特に好ましくは10〜30μm程度が実用的である。
基材フィルムは、熱寸法安定性が良好なものとなるよう二軸方向に延伸されていることが好ましい。また、基材フィルムには、必要に応じて、コロナ放電やプラズマ放電等の放電処理、あるいは酸処理等の表面処理を行ってもよい。
基材フィルムとしては、例えば、厚みが25〜250μmの耐加水分解性PETフィルム(例えば、東レ(株):“ルミラー(登録商標)”X10S)を使用することができる。
<着色樹脂層>
着色樹脂層は、(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含んで構成され、ポリエステルフィルム基材の一方の面(第1の面)側に最表面層として配置されている。
着色樹脂層に含まれる着色顔料は特に限定されないが、光反射性、意匠性等の観点から、酸化チタン、酸化亜鉛、及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の太陽電池用裏面保護シートが太陽電池モジュールに適用された場合、着色樹脂層が外部にさらされるため、砂塵による傷の発生を抑制する観点から、着色樹脂層の鉛筆硬度は、ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度以上であることが好ましく、着色樹脂層の鉛筆硬度がF以上3H以下であることが好ましい。
着色樹脂層の鉛筆硬度がF以上であると、砂塵による傷の発生を効果的に抑制できる。着色樹脂層の鉛筆硬度が3H以下であると、ロールハンドリングや砂塵の衝突による表面の割れを効果的に抑制でき、また、太陽電池用裏面保護シートの柔軟性が保たれることでポリオレフィンフィルムと封止材との密着性が良好なものとなる。
着色樹脂層は、例えば、アクリルポリオール樹脂と紫外線吸収剤及び光安定化剤の少なくとも一方(以下、「紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤」と記す場合がある。)とが共重合したアクリル樹脂、及び、着色顔料を含んで構成され、さらに必要に応じて、フィラー(着色顔料以外の無機酸化物粒子)、導電材料、その他の添加剤を含んで構成される。なお、導電材料を兼ねた着色材料やフィラーを用いることもできる。
((メタ)アクリル樹脂)
着色樹脂層に含まれる(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルが単独重合又は他のモノマー成分と共重合した樹脂である。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
使用できる(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
使用できる他の不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸等が挙げられる。
使用できるその他の単量体としては、ブタジエン、エチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。好ましいのは、不飽和カルボン酸エステルである。不飽和カルボン酸エステルのうちメチルメタクリレート、メチルアクリレートが汎用性、価格、対光安定性の観点から特に好ましい。
次に着色樹脂層の耐熱性向上を目的に導入する架橋構造の基点となる水酸基を導入し、アクリルポリオール樹脂とするための重合モノマーについて説明する。(メタ)アクリル樹脂に水酸基を与える目的で用いる重合モノマー成分としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等の不飽和化合物の単量体が挙げられる。これらの水酸基を有する不飽和化合物は単独で、又は2種類以上組み合わせて選択することができる。
一般に、着色樹脂層に紫外線光カット性能を付与し、耐光性を向上させる手法としては、有機系紫外線吸収剤や無機系紫外線吸収剤を単独で、あるいは複数種を混合してバインダー樹脂に混ぜ、さらに光により励起されるラジカルを失活させるメカニズムによって光安定性を増す目的で光安定化剤(HALS)を併用する。
しかし、バインダー樹脂に紫外線吸収剤や光安定化剤を後添加して形成した着色樹脂層では、高温加湿環境下、あるいは紫外線受光に伴い、紫外線吸収剤や光安定化剤が塗膜中から塗膜表面にブリードアウトすることがある。そのため、ぬれ性、塗膜表面の密着力などが変化するだけでなく、当初発現していた紫外線光カット性能が低下する場合がある。
これに対して、ポリエステル、オレフィン系樹脂などと比較して、比較的耐光性に優れるアクリル系樹脂に紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤を共重合させた樹脂をバインダー樹脂として用いることで、紫外線光カット性能の低下が抑制される。
また、基材フィルムと着色樹脂層との密着力向上、あるいは着色樹脂層の耐熱性向上のために、着色樹脂層に適切な架橋構造を導入できるように、アクリル系樹脂の中でも、特にアクリルポリオール樹脂を用いるのが好ましい。太陽電池用裏面保護シートは、太陽電池モジュール製造工程において、高温処理に曝されるので、着色樹脂層には耐熱性が要求される。
紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤を固定させる共重合モノマーとしては、アクリル系モノマーが汎用性が高く、経済的にも好ましい。耐光性という点では、アクリル系ビニルモノマーとの共重合が最も好ましい。従ってアクリル系樹脂を構成する1つの重合モノマー成分は、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸、不飽和炭化水素及びビニルエステルからなる群のうち1つ以上の不飽和化合物である。
(紫外線吸収剤)
アクリルポリオール樹脂と共重合させる紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が例示できる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、及び2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。
(光安定化剤)
アクリルポリオール樹脂と共重合させる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定化剤が挙げられる。具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ]−4−ピペリジニル]エステルなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。
光安定化剤と紫外線吸収剤とアクリルポリオールとの共重合樹脂の製造方法等については、特開2002−90515の〔0019〕〜〔0039〕に詳細に開示されている。中でもアクリルモノマーと紫外線吸収剤の共重合物を有効成分として含むハルスハイブリッド(登録商標)((株)日本触媒製)などを好ましく使用することができる。
(着色顔料)
着色顔料は、(1)着色樹脂層を着色する、(2)色調の維持(退色しない)、(3)紫外線及び/又は可視光カット、(4)表面抵抗の低下防止という目的で用いられる。
太陽電池用裏面保護シートとしては、光反射性及び意匠性の観点から白色のシートが主流であるが、近年、発電素子間の隙間が白色に見える白色のシートと比較して意匠性に優れるという理由で黒色のシートの需要も拡大している。また、これらの顔料自体も特定の波長の光線を吸収及び/又は反射することから、着色することにより紫外線及び/又は可視光から基材フィルムを保護するという効果が得られる。
また着色樹脂層を紫外線から保護することで、屋外で長期暴露されても着色樹脂層の劣化・消失を低減することができ、導電材料が塗膜表面に剥き出しになることによる表面抵抗値の低下を防ぎ、太陽電池用裏面保護シートに必要な特性であるWet絶縁性を確保することができる。またWet絶縁試験にて太陽電池用裏面保護シートを水(電解液)と接触させるが、表面抵抗値を高く設定することで水が接触しても抵抗値が下がらないという効果も得られる。
着色顔料としては、無機顔料、有機顔料等の各種着色顔料を使用できる。現在実用されている白色あるいは黒色に関しては汎用性、価格、発色性能、また耐紫外線性の観点から白色顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、黒色顔料としてはカーボンブラック(以下「CB」と記す場合がある。)が好ましい。特に発色の観点から酸化チタンに関しては、その数平均粒子径は0.1〜1.0μmが好ましい。アクリルポリオール樹脂に対する分散性やコストの観点から、より好ましくは0.2〜0.5μmである。同様にカーボンブラックに関しては、その数平均粒子径は0.01〜0.5μmが好ましい。分散性やコストの観点から、より好ましくは0.02〜0.1μmである。
着色顔料の含有量は、着色樹脂層全体に対して40〜70質量%が好ましい。着色顔料の含有量の下限は45質量%以上がより好ましい。着色顔料の含有量の上限は55質量%以下がより好ましい。
着色顔料の含有量が40質量%以上の場合には、紫外線及び/又は可視光カット性能が高く、屋外に長期暴露された際に基材フィルムの劣化や黄変の発生が抑制される。また着色樹脂層の劣化・消失により導電材料が塗膜表面に剥き出しになることが抑制され、表面抵抗値の低下が抑制される。
一方、着色顔料の含有量が70質量%以下の場合には、フィラー量が多すぎることが抑制され、着色樹脂層表面にチョーキング(Chalking)が発生する可能性が抑制される。また、着色樹脂層の硬度が大幅に高くなることが抑制され、基材との密着力が不足することが抑制される。さらに、着色顔料の含有によるコストの上昇が抑制される。
(フィラー)
着色樹脂層は、耐傷性を高める観点から、さらに、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子(フィラー)を含むことが好ましい。着色樹脂層に含まれる上記無機酸化物粒子は特に限定されないが、耐砂性を高める観点から、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、及びケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子であることが好ましい。
(導電材料)
着色樹脂層は導電材料を含んでもよい。
太陽電池用裏面保護シートの要求特性に耐電圧特性があり、製品規格の1つに部分放電電圧がある。太陽電池モジュールにはシステム電圧に応じた部材の選定・使用が求められており、より高い部分放電電圧を示す太陽電池用裏面保護シートの方が、広く太陽電池モジュールでの使用が可能となる。着色樹脂層に導電材料を配合すると、太陽電池用裏面保護シートの部分放電電圧が向上する。部分放電電圧向上のメカニズムは明らかではないが、導電性の付与によりフィルム表面の電位が平準化されていることが寄与しているものと推測される。
部分放電電圧の向上効果を得るために、着色樹脂層表面の表面抵抗値は1.0×10〜1.0×1015Ω/□である。表面抵抗値の下限は1.0×1011Ω/□以上が好ましい。表面抵抗値の上限は1.0×1014Ω/□以下が好ましい。太陽電池用裏面保護シートの表面抵抗値が1.0×10Ω/□以上であると、屋外で長期間暴露された際に、着色樹脂層の劣化・消失により導電材料が塗膜表面に剥き出しても、表面抵抗値が1.0×10Ω/□未満となり難く、フィルム表面での導電現象を生じ難く、太陽電池用裏面保護シートに必要な特性であるWet絶縁性が確保される。一方、表面抵抗値が1.0×1015Ω/□以下であると、部分放電電圧の向上効果が得られる。これはフィルム表面の電位が平準化され、部分放電電圧を生じ難いためと推測される。
また、着色樹脂層は、60℃×50%RH(相対湿度)雰囲気下、紫外線照射積算量384kWh/mの条件で紫外線を照射した後の表面抵抗が、1.0×10〜1.0×1015Ω/□であることが好ましい。
太陽電池用裏面保護シートの使用の際、紫外線照射により着色樹脂層が劣化・消失し、導電材料が塗膜表面に剥き出しとなっても、フィルム表面での導電現象が生じることが抑制され、使用中に太陽電池用裏面保護シートに必要な特性であるWet絶縁性が確保されることが好ましい。紫外線照射後も表面抵抗を1.0×10〜1.0×1015の範囲に収めるためには、照射前の表面抵抗を1.0×10〜1.0×1015の範囲とすることが好ましい。表面抵抗の下限は1.0×1011以上がより好ましい。
導電材料としては、帯電防止剤を使用することができる。帯電防止剤としては、非イオン系帯電防止剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエルスリット、ソルビット等の多価アルコール及び/又はその脂肪酸エステルや、ポリエチレングリコール及び/又はその脂肪酸エステルや、高級アルコール、多価アルコール、アルキルフェノールのポリエチレングリコール付加物又はポリプロピレングリコール付加物などが挙げられる。中でもグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール及び/又はその脂肪酸エステルが、帯電防止剤として、好適に用いられる。
多価アルコールは、そのままでも使用することができるが、脂肪酸とのエステル化反応によって脂肪酸エステルとすることがより望ましい。
脂肪酸は、特に限定されないが、ラウリン酸(C12)、バルチミン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、ベヘン酸(C22)等の飽和脂肪酸や、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸等が、コスト上有利に用いられる。また、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、牛脂脂肪酸、イワシ油脂肪酸等、及び天然物由来の混合脂肪酸を用いることもできる。
また、多価アルコールがこれら脂肪酸でエステル化される場合には、多価アルコールの分子構造単位当たり少なくとも1つの水酸基が残存することが好ましい。
帯電防止剤としてポリエチレングリコール及び/又はその脂肪酸エステルを使用する場合、ポリエチレングリコールは、エチレンオキシドの繰り返し単位が、4〜10000であることが好ましく、中でも100〜8000であることが好ましく、特に1000〜6000であることが特に好ましい。
ポリエチレングリコールは、帯電防止剤としてそのままでも使用することができるが、さらに、脂肪酸エステル化する場合は、末端の水酸基を残存させても、末端の水酸基を残存させなくてもよい。
帯電防止剤として、高級アルコールのポリエチレングリコール付加物又はポリプロピレングリコール付加物を使用する場合、高級アルコールは、炭素数6以上のものであれば特に限定されないが、工業的に入手しやすい代表的なものとして、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びオレイルアルコール等の第1アルコールを挙げることができる。
マッコウアルコールやホホバアルコール等の混合物や、牛脂アルコール、及びヤシアルコール等の還元アルコールを用いることもできる。
帯電防止剤として、アルキルフェノールのポリエチレングリコール付加物又はポリプロピレングリコール付加物を使用する場合、アルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、オクチルフェノール、オクチルクレゾール等が挙げられる。
さらに、帯電防止剤としてイオン系の帯電防止剤を使用する場合、イオン系の帯電防止剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルジフェニルスルホン酸塩等のスルホン酸塩系帯電防止剤、アルキルリン酸エステル、アルキル亜リン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルホスホン酸エステル等の含リン系帯電防止剤などのアニオン系帯電防止剤や、第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナイトレートなどのカチオン系帯電防止剤、さらにはノニオン系の帯電防止剤が挙げられる。いずれのイオン性帯電防止剤も使用可能であり、アニオン系帯電防止剤としては、例えば、第一工業製薬社製プライサーフ(登録商標)M208Fや日油社製パーソフト(登録商標)EDO、同じくパーソフト(登録商標)ELなどが例示できる。また、カチオン性帯電防止剤としては、例えば、サンノプコ社製ノプコスタット(登録商標)SN A−2、第一工業製薬社製カチオーゲン(登録商標)ES−L、日油社製エレガン(登録商標)264WAX、ネオス社製フタージェント(登録商標)310、綜研化学社製エレコンド(登録商標)PQ−50Bなどが例示できる。また、ノニオン性帯電防止剤としては、例えば、第一工業製薬社製ノイゲン(登録商標)TDS−30、同じくノイゲン(登録商標)ET−189などが例示できる。
また、導電性ポリマー化合物も導電成分として配合することで、着色樹脂層に帯電防止性を付与することが可能である。導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマーなどが挙げられる。
導電材料としては、紫外線照射後においても良好な部分放電電圧及び表面抵抗を維持させるために、炭素系材料、金属系材料などの導電性粒子、フィラーといった無機固体導電材料を用いることができる。このような材料として、カーボンブラック、黒鉛、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素系材料や、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、チタン酸カリウム、酸化チタン、スズ−アンチモン系酸化物、インジウム−スズ系酸化物、アンチモン−スズ系酸化物などが挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化チタン及びチタン酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機材料であることが好ましい。また、酸化チタンに酸化スズを被覆したものを用いることが特に好ましい。
なお、無機酸化物粒子からなる導電材料は、着色顔料やフィラーを兼ねて使用してもよい。
無機固体導電材料としては、導電性を有する繊維を用いることが好ましい。導電性を有する繊維の具体的な大きさは、数平均繊維径が0.1〜1.0μmであり、数平均繊維長が2〜30μm程度である。その中でも、数平均繊維長が5〜15μmの針状結晶の繊維が好ましい。また、形状としては棒状のものや、両端又は一方の端が尖った針状のもの、曲がった糸状のものであってもよい。
導電性の付与の仕方としては、繊維そのものが導電性を有しているものや、繊維の表面に導電材料を被覆したものであってもよい。導電性を有する繊維は、球状,立体形状,板状の導電材料(以下、球状等の導電材料とする)と比較して、同じ量を配合した場合に材料同士が接触しやすくなる。よって同じ含有量であれば、導電性を有する繊維を用いた場合は、球状等の導電材料を用いた場合よりも高い部分放電電圧を得ることができる。あるいは、導電性を有する繊維は、少量の含有量でも充分な導電ネットワークを形成することができるので、球状等の導電材料を用いる場合よりも少ない含有量で同等以上の部分放電電圧を得ることができる。更に導電性を有する繊維を用いることで着色樹脂層中に占める導電材料の含有量を少なくすることができ、アクリルポリオール樹脂と紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤とを共重合させた樹脂で着色樹脂層の多くを占めることができる。そのため、十分な耐光性を得ることができ、部分放電電圧と耐光性の両立が可能になる。
導電材料としては、無機繊維の表面に導電材料を被覆したものが好ましい。前述したように無機固体導電材料は紫外線照射後においても初期の部分放電電圧を維持させることができるからである。特に好ましくは、酸化チタンに酸化スズを被覆し、数平均繊維長が5〜15μmの針状結晶の導電材料である。このような無機繊維の表面に導電材料を被覆したものとしては、大塚化学社製導電性セラミックス材料デントール(登録商標)“WK500”が例示できる。
有機化合物系帯電防止剤、イオン系帯電防止剤又は導電性ポリマー化合物などの有機系帯電防止剤や無機固体導電材料の含有量は、それぞれを単独で含有する場合、あるいは2種以上を併用して含有する場合のいずれにおいても、合計の含有量を着色樹脂層全体に対して5〜20質量%とすることが好ましい。上記合計の含有量の下限は10質量%以上が好ましい。上記合計の含有量が5質量%以上の場合には、帯電防止剤が導電ネットワークを十分に形成し、導電性が発現し易く、十分なものとなる。一方、上記合計の含有量が20質量%以下である場合には、表面抵抗値が1.0×10Ω/□以上となり、太陽電池用裏面保護シートに必要な特性であるWet絶縁性が確保される。特に、有機系耐電防止剤はそれ自体が紫外線照射によって黄変するため、含有量が20質量%以下であると、フィルム外観の悪化や部分放電電圧の低下が抑制される。
上記の通り例示できる各種導電材料のうち、第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナイトレートなどのカチオン系帯電防止剤や無機固体導電材料が耐熱性や耐湿熱性の観点から好ましく用いられる。耐湿熱性に加えて耐紫外線性も考慮すると、無機固体導電材料が特に好ましく用いられる。
なお、前述の通り例示した各種導電性材料は、単独で用いても良く、また2つ以上の複数材料を目的に応じて組み合わせて使用しても良い。
(架橋剤)
また、前記の通り、着色樹脂層の特性向上の目的でアクリルポリオールの水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤を配合しても良い。
架橋剤を併用した場合には、基材フィルムと着色樹脂層との間の密着力の向上、あるいは架橋構造の導入に伴う着色樹脂層の耐溶剤性、耐熱性向上といった効果が得られる。特に、着色樹脂層が最外層に位置する本発明の太陽電池用裏面保護シートでは、太陽電池モジュール製造工程、具体的にはガラスラミネート工程(セル充填工程)において、着色樹脂層が最大150℃程度の高温下で、長い場合には30分以上の熱処理に曝されるため、特に耐熱性が要求される。
また太陽電池モジュールの製造工程ではモジュール組み立て後に洗浄作業としてエタノールやその他の有機溶媒でのふき取り作業があるため、耐溶剤性が要求される。
このような密着性、耐溶剤性、耐熱性の向上の観点からすると、架橋剤を配合することが好ましい。一方、架橋剤を配合しないと、塗膜表面にアクリルポリオールの水酸基が増加し、部分放電電圧が向上する。したがって、部分放電電圧の向上と密着性・耐溶剤性・耐熱性の向上とのバランスを考慮して、架橋剤を配合するかどうかを考える必要がある。一概には言えないが、導電材料として球状等の導電材料を用いる場合には、太陽電池用裏面保護シートに求められる部分放電電圧を達成するために架橋剤を配合しない方が好ましい。一方で、導電材料として導電性を有する繊維を用いた場合には、架橋剤を配合させた場合での部分放電電圧の低下はあるものの、架橋剤を配合しても太陽電池用裏面保護シートに求められる部分放電電圧を十分達成することができる。
着色樹脂層に含まれるバインダー樹脂として、アクリルポリオール樹脂と紫外線吸収剤及び/又は光安定化剤とを共重合させた樹脂を用いる場合、樹脂が有する水酸基と反応し得る架橋剤の使用が可能であり、中でもポリイソシアネート系樹脂を硬化剤として使用し、ウレタン結合(架橋構造)の生成を促す処方が好ましい。架橋剤として用いるポリイソシアネート系樹脂としては、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート及び脂肪族ポリイソシアネート等が例示でき、各々以下に示すジイソシアネート化合物を原料とする樹脂である。これらを単独で使用してもいいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、及び4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示される。
芳香族ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)や、1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が例示される。
脂環族ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、及び1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等が例示される。
脂肪族ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−又は1,3−ブチレンジイソシアネート、及び2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示される。
ポリイソシアネートの原料としては、これらのジイソシアネートを複数種組み合わせて用いること、ビューレット変性体、ヌレート変性体などの変性体として用いることも可能である。中でもポリイソシアネートの原料としては、樹脂骨格中に紫外線域の光の吸収帯を有する芳香環を含有する樹脂は、紫外線照射に伴い黄変し易いことから、脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを主成分とする硬化剤を用いることが好ましい。さらに、耐溶剤性の観点から着色樹脂層がより硬化する脂環族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。また、アクリルポリオール樹脂との架橋反応の易進行性、架橋度、耐熱性、耐紫外線性などの観点からヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体が好ましい。
着色樹脂層の厚みは0.2〜10μmが好ましい。着色樹脂層の厚みの下限は0.5μm以上がさらに好ましく、1μm以上が特に好ましい。着色樹脂層の厚みの上限は5μm以下がさらに好ましい。着色樹脂層を塗布方法により形成する場合、着色樹脂層の厚みが0.2μm以上であると、塗工時にはじきや膜切れといった現象が生じ難く、均一性の高い塗膜を形成し易くなる。そのため、基材フィルムに対する密着力や紫外線カット性能を十分に発現することができる。一方、着色樹脂層の厚みが10μm以下であると、塗工方式に制約を生じることが抑制され、生産コストが低く抑えられ、さらに搬送ロールへの塗膜粘着やそれに伴う塗膜の剥がれ等が生じ難い。
<接着剤層>
ポリエステルフィルム基材とポリオレフィンフィルムは接着剤層を介して積層されていることが好ましい。
接着剤層を介してポリエステルフィルム基材とポリオレフィンフィルムを積層させてシート状に加工する手法としては、公知のドライラミネート法が利用できる。
ドライラミネート法を用いた樹脂フィルムの貼り合わせには、ポリエーテルポリウレンタン系、ポリエステルポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエポキシ系樹脂などを主剤とし、ポリイソシアネート系樹脂を硬化剤とする公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。なお、これらの接着剤を用いて形成される接着剤層には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化することに起因するデラミネーションなどを生じ難いこと、光線反射率の低下につながる黄変を生じ難いことなどが必要である。
接着剤層の厚みとしては、好ましくは1〜5μmの範囲である。接着剤層の厚みが1μm以上であると十分な接着強度が得られる。一方、接着剤層の厚みが5μm以下であると接着剤塗工のスピードが上がり、接着力を発現させる(主剤及び硬化剤間の架橋反応を促進する)目的で行うエージングに長時間を要さず、さらには接着剤使用量が増加することなどを理由に生産コストが上がることが抑制される。
接着剤層の形成に用いる材料としては、公知のドライラミネート用接着剤を使用することができる。一般にドライラミネート用接着剤は主剤及び架橋剤の2つの樹脂を希釈溶媒で希釈して調合したものが用いられるが、架橋剤としては活性水酸基との反応性に富み、その反応速度及び初期密着力の発現が早いイソシアネート基含有ポリマーを用いる処方が好ましい。これらの利点に加えて、基材フィルムとの接着強度が高く、さらにその接着強度の恒温安定性、長期耐久性にも優れる接着性樹脂層を形成することができる。
このイソシアネート基含有ポリマーと組合せて用いる主剤樹脂としては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオール系などのウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂を例示することができ、詳細な要求特性、加工条件適性に応じて、適宜選択して用いることができる。
また、太陽電池用裏面保護シートの構成によっては、上記の接着剤層にも紫外線が到達し、樹脂の光劣化を誘引することも考えられる。そのような観点から、接着剤層の形成に用いる樹脂としては芳香環を含有しない、あるいは含有量の少ない脂肪族系樹脂あるいは脂環族系樹脂が好ましい。
<ポリオレフィンフィルム>
ポリオレフィンフィルムは、ポリエステルフィルム基材の第2の面側に最表面層として配置され、太陽電池モジュールにおいて封止材と接着する面を構成する。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、柔軟な着色樹脂層を形成してポリオレフィンフィルムと着色樹脂層との鉛筆硬度差を2段階以内に調整してもよいが、ポリオレフィンフィルムの硬度を高くしてポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度と着色樹脂層の鉛筆硬度の差を2段階以内にすることが好ましい。
ポリオレフィンフィルムの硬度を高める方法は限定されないが、例えば、ポリオレフィンフィルムに無機酸化物粒子を配合して硬度を高める方法、ポリオレフィンフィルムに架橋剤による架橋構造を導入して硬度を高める方法、さらに無機酸化物粒子と架橋剤を配合してさらに硬度を高める方法が挙げられる。
(フィラー)
ポリオレフィンフィルムは、着色樹脂層との鉛筆硬度差を2段階以内にする観点から、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子(フィラー)を含むことが好ましい。
ポリオレフィンフィルムに含み得る上記無機酸化物粒子は特に限定されないが、鉛筆硬度を高くする観点から、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、及びケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子が好ましい。
(着色顔料)
また、ポリオレフィンフィルムは、光反射性、意匠性等の観点から、着色顔料を含んでもよい。
ポリオレフィンフィルムに含まれる着色顔料は特に限定されないが、光反射性、意匠性等の観点から、酸化チタン、酸化亜鉛、及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリオレフィンフィルムは、単層構成でもよいし、複数の層を積層した構成でもよいが、接着性の観点から、ポリオレフィンを含む層が2層以上積層された積層構造を有する多層ポリオレフィンフィルムであることが好ましい。
積層構造を有する多層ポリオレフィンフィルムとしては、例えば、封止材と接着させる側から、A層/B層/C層の3層構成からなるフィルムであって、A層がポリエチレン100質量部に対して、ポリプロピレン系樹脂を50〜500質量部を混合した樹脂組成物からなり、B層が着色顔料の添加量が5〜50質量%であるポリプロピレン系樹脂組成物からなり、C層がポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリオレフィン系樹脂多層フィルムが挙げられる。
なお、着色顔料は、A層に含んでもよいし、A層及びB層、又は、A層、B層、及びC層の全てに配合してもよいが、封止材やポリエステルフィルム基材との接着力を高める観点から、着色顔料はB層のみに配合することが好ましい。
−A層−
上記ポリオレフィン系樹脂多層フィルムにおいて、A層で用いられるポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、あるいはこれらの混合樹脂を挙げることができる。
直鎖状低密度ポリエチレンとは、エチレンとα− オレフィンとの共重合体であり(以下LLDPEと略称する)、炭素原子数4〜20、好ましくは4〜8のα−オレフィンの共重合体であることが好ましく、具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどとの共重合体が挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で、または組み合わせて用いることができ、特に、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが、重合生産性から好ましく用いられる。
本発明で用いられるLLDPEの融点は、110〜130℃の範囲であることが好ましい。融点が130℃以下であることでEVAとの熱接着性に優れ、110℃以上とすることでEVAと熱融着させたときに、シートの厚みが低減せず、部分放電電圧を保持することができるため好ましい。
上記LLDPEの密度については、0.90g/cm以上のものが好ましいが、0.94g/cmよりも密度が高くなるとポリプロピレン系樹脂との分散性が低下して、金属ロールやゴムロールとの擦過において、樹脂が脱落し易く白粉発生の要因となり得るため、0.94g/cm以下のものが好ましい。
本発明において、LLDPE中のα−オレフィンの含量は、好ましくは0.5〜10モル%、更に好ましくは2.0〜8.0モル%である。α−オレフィン含量を0.5〜10モル%に調整することで、LLDPEの密度を0.90g/cm以上0.94g/cm以下の範囲とすることができる。
本発明で用いられるLLDPEの190℃の溶融指数(以下、MFRと略称する)は、好ましくは0.5〜10.0g/10分、より好ましくは1.0〜5.0g/10分である。MFRが0.5g/10分より小さくなると、フィルム製膜時に、他層との積層ムラを生じ易くなる。またMFRが10.0g/10分より大きくなると、キャスト時のハンドリング性不良や結晶化度増大による脆化が生じやすくなる。
本発明で用いられるLLDPEは、従来のマルチサイト触媒による重合方法や、シングルサイト触媒(カミンスキー触媒、メタロセン触媒)を用いた重合方法により製造することができる。
高圧法低密度ポリエチレン(以下、LDPEと略称する)は、LLDPEと同じ、従来のマルチサイト触媒による重合方法や、シングルサイト触媒(カミンスキー触媒、メタロセン触媒)を用いた重合方法により製造することができる。
LDPEの密度は、0.90〜0.93g/cmの範囲であることが好ましい。密度を0.90g/cm以上とすることで優れたフィルムの滑り性が確保でき、加工時のフィルム取り扱い性が良くなるので好ましい。一方、0.93g/cm以下とすることで、ポリエチレンとポリプロピレン系樹脂との分散性を向上させる効果を発現しやすい。
上記LLDPEにLDPEを混合することは、ポリエチレンとポリプロピレン系樹脂との分散性を向上させ、A層内の凝集破壊強度が向上するので好ましく、ポリエチレン全体に対しLDPEを3〜30質量%混合することが好ましい。
A層に、密度が0.94〜0.97g/cmの高密度ポリエチレン(以下、HDPEと略称する)を用いた場合は、フィルムの腰、及び耐カールに優れる反面、加工時のロール摩擦によってHDPEが脱落し白粉を発生させるため、フィルムを汚したり、傷を付ける可能性があり、融点がLLDPEやLDPEと比べ高い分、EVAとの熱接着を行う際の加熱温度を高めに設定するなどの注意が必要である。
A層は、ポリエチレン100質量部に対して、ポリプロピレン系樹脂が50〜500質量部混合される。ポリプロピレン系樹脂を50〜500質量部混合することで、耐熱性が向上するとともに、B層との密着力を高くすることができる。ポリプロピレン系樹脂が500質量部を越えると、EVAとの密着性が不十分となり、50質量部よりも少ないと耐熱性及びB層間の密着力向上の効果が低下する。
本発明でいう耐熱性とは、太陽電池用裏面保護シートとして用いた際に、加工工程で実施する130〜170℃のガラスラミネートなどに耐え得ることをいう。より具体的には、バスバーなどの配線を組み込んだ太陽電池モジュールの製造工程において、太陽電池用裏面保護シートを構成している樹脂がガラスラミネートなどの際の熱と圧力によって変形するが、初期の厚みを80%以上維持することが重要である。初期の厚みを保持することで、バスバーなどの配線部材が透けることなく意匠性に優れた太陽電池モジュールとすることができる。また、絶縁破壊電圧や、部分放電電圧などの耐電圧は樹脂の固有値であり、フィルムの厚みと比例関係にあることから、処理前の厚みを担保していることで、初期設計時の電気特性が維持される為、耐熱性は極めて重要である。
加工温度が130〜150℃の場合には、ポリプロピレン系樹脂の含有量は50〜250質量部の範囲であることが好ましく、更には100〜200質量部が好ましい。また、加工温度が150〜170℃の場合は、ポリプロピレン系樹脂の含有量が250〜500質量部の範囲であることが好ましく、中でも300〜450質量部の範囲であることが更に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体を挙げることができるが、耐熱性、滑り性やフィルムのハンドリング性、ポリエチレンとの分散性等の点からエチレン・プロピレンブロック共重合体、及びホモポリプロピレンが最も好ましい。
エチレンとプロピレンの共重合体を用いる場合、エチレン含有量は1〜15モル%の範囲のものが好ましい。エチレン含有量が1モル%よりも少ない場合は、LLDPEまたはLDPE、あるいはこれらの混合樹脂への分散性が低下して、金属ロールやゴムロールとの擦過において樹脂が脱落しやすく白粉発生の要因となることがあり、また、EVAとの接着力が低下することがある。一方、15モル%を越えると、EVAと熱融着させたときに、シート厚みが低減し、部分放電電圧が低下することがある。
尚、ポリプロピレン系樹脂の230℃でのMFRは1.0〜15g/10分の範囲が好ましい。MFRが1.0g/10分以上の場合は、製膜工程において口金の吐出巾よりもフィルム幅が低下(ネックダウン)することが抑制され、フィルムの安定製造が可能である。また、MFRが15g/10分以下の場合は、結晶化速度が増し難く、脆くなることが抑制される。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、140℃〜170℃の範囲であることが、耐熱性をはじめ、滑り性やフィルムのハンドリング性、耐カール性、EVAとの熱接着性の点から好ましい。融点を140℃以上とすることで、A層は耐熱性に優れ、太陽電池用裏面保護シートとしてEVAと熱融着させたときに、シートの厚みが低減したり、部分放電電圧が低下するといった不具合を抑えることができるため好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂の融点を170℃以下とすることで、EVAとの優れた密着力を確保することができて好ましい。
また、ポリエチレンに非相溶のポリプロピレン系樹脂を混合することで、フィルム表面に凹凸が生じ、滑り性に優れるという効果ももたらす。これによって、製膜やスリット時に、巻き易く加工性に優れる。一方、滑り性が悪い場合は、スリットなどで混入したエアーが抜けにくい為に、抜けなかったエアーによってフィルム形状が部分的に変形したり、場合によってはフィルム同士がブロッキングし、剥がす際に傷がつく場合がある。
本発明におけるA層の表面平均粗さRaとしては、0.10〜0.30μmであることが、加工時のフィルムのハンドリング機能を満足させるので好ましい。
本発明におけるA層には、フィルムの取扱い性、滑り性を改善させる目的で平均粒子径1〜5μmの無機または有機粒子を、A層の全固形分に対し0.1〜40質量%添加してもよい。
無機粒子としては、たとえば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機粒子、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸などの架橋有機粒子などを用いることができる。
中でもケイ酸アルミニウムの無機粒子の使用が樹脂への分散性から好ましい。
平均粒子径が1μm以上であればフィルムの滑り性が向上する効果が高く、また、平均粒子径が5μm以下であれば、粒子がフィルムから脱落して汚染や、傷の原因となることが抑制される。
また、A層樹脂成分に対し、有機化合物の滑剤を0.1〜10質量%添加することができる。有機化合物の滑剤としては、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
−B層−
上記ポリオレフィン系樹脂多層フィルムにおいて、B層は、例えば、着色顔料を含有するポリプロピレン系樹脂組成物からなる。ここでいうポリプロピレン系樹脂組成物とは、ポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体から選ばれる少なくとも一種の樹脂、あるいはこれらの樹脂とポリエチレンとの混合樹脂からなり、ポリエチレンの含有量が樹脂成分全体の30質量%未満であるものが耐熱性の点から好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としてエチレンとプロピレンの共重合体を用いる場合、エチレン含有量は15モル%以下であるものが耐熱性の点から好ましい。
また、フィルムに強度を付与したい場合には、必要に応じて結晶核剤を添加することもできる。この場合は、α晶の結晶核剤が好ましく、具体的にはソルビトール系、シクロペンタジエン系の結晶核剤を挙げることができる。
ポリプロピレン系樹脂の230℃でのMFRは1.0〜15g/10分の範囲であることが、A層および後記するC層との共押出時の積層性から好ましい。MFRが1.0g/10分以上の場合は、製膜工程において、口金から溶融押出したフィルムがネックダウンし難く、フィルムの幅方向の厚みむらが悪化することが抑制され、安定製膜が可能である。また、MFRが15g/10分以下の場合は、結晶化速度が増し難く、脆くなることが抑制される。
B層で用いられる着色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、カーボンブラック、フタロシアニン系化合物など、無機系、有機系いずれの着色剤をも挙げることができる。その中でも、酸化チタン粒子が最も好ましく、結晶型として、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型などが知られており、優れた白色度と耐候性および光反射性などの特性からルチル型が好ましい。
B層で用いられる酸化チタンは、光触媒作用によって樹脂を劣化させる可能性があることから、光触媒作用を抑制する目的で、表面被覆処理されていることが好ましく、その組成は限定されないが、酸化ケイ素やアルミナ、または酸化亜鉛などの無機酸化物であることが好ましい。表面被覆剤の被覆方法についても特に限定されたものではなく、公知の方法で得られた酸化チタン粒子を使用することができる。
更に、酸化チタン粒子の安定化の目的から、例えばヒンダードアミン系などの光安定剤を樹脂中に添加することもできる。但し、この際には酸化チタン粒子の二次凝集を招かないよう選定することが重要である。
B層で用いられる着色顔料粒子の平均粒子径は0.2〜0.7μmが好ましく、可視光の反射率を高める目的においては、0.25〜0.35μmがより好ましい。また、太陽電池用裏面保護シートとして用いたときに、放熱性を付与する為に赤外光の反射率を高めることが好ましく、平均粒子径が0.35〜0.7μmがより好ましい。必要に応じて、この2種類の粒子径を混ぜることで、可視光、及び赤外光の反射率を高めることができるため好ましい。着色顔料粒子の平均粒子径が0.2μm以上であると、酸化チタン粒子などは活性度が高くなり難く、樹脂劣化を招き難い。また、平均粒子径が0.7μm以下であると樹脂への分散性が悪化し難く、フィルム製造時に用いるフィルタの目詰まりの原因となり難い。
また、B層の着色顔料の添加量は、その比重によって左右されるものの、5〜50質量%の範囲であることが必要であり、中でも10〜30質量%の範囲がより好ましい。添加量を5質量%以上とすることで十分な白色化と光反射効果が得られ、バスバーなどの配線材料の透けがなく意匠性に優れたものとすることができる。一方、50質量%を上限とすることは、これ以上添加しても白色化、隠蔽性は向上せず、また着色顔料が樹脂へ十分分散し、安定した製膜性を確保することができることによる。
また、B層には、ポリオレフィン系多層樹脂フィルムを製膜する際に発生するスリット屑などを回収原料として用いることもできる。具体的には、スリット屑などをペレタイズし、ポリオレフィン系多層樹脂フィルムのB層に5〜70質量%添加することが、経済性が優れるため好ましい。このときB層中のポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体から選ばれる少なくとも一種の樹脂、あるいはこれらの樹脂とポリエチレンとの混合樹脂からなり、ポリエチレンの含有量が樹脂成分全体の30質量%未満とすることが耐熱性を維持する上で好ましい。上記ペレタイズの方法は、断裁したものを溶融押出後、カッティングする方法が一般的であるが、本方法に限定されるものではない。
−C層−
ポリオレフィン系多層樹脂フィルムにおけるC層は、ポリプロピレン系樹脂組成物からなり、B層同様にホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体などのポリプロピレン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂が70質量%以上含有されることが、耐熱性の点から好ましい。耐熱性をはじめ、滑り性やフィルムのハンドリング性、耐傷付き性、耐カール性の点からホモポリプロピレン単独が最も好ましい。
C層におけるポリプロピレン系樹脂の融点は、150℃〜170℃の範囲であることが、耐熱性をはじめ、滑り性やフィルムのハンドリング性、耐傷付き性、耐カール性の点から好ましい。融点を150℃以上とすることで耐熱性に優れ、太陽電池用裏面保護シートとしてEVAと熱融着させたときの温度と圧力によってシートの厚みが低減したり、部分放電電圧が低下することがなく好ましい。
融点が170℃を越えるポリプロピレン系樹脂として高立体規則性のホモポリプロピレンがあり、その際、B層との結晶化度の差が大き過ぎて、フィルムのカールが大きくなって巻き取り性に問題が生じたり、また、他基材との接着性も低下することがあるので注意が必要である。
上記ポリプロピレン系樹脂の230℃でのMFRは1.0〜15g/10分の範囲が好ましい。MFRが1.0g/10分以上の場合は、製膜工程においてネックダウンし難く、フィルムの安定製造が可能である。また、MFRが15g/10分以下の場合は、結晶化速度が増し難く、脆くなることが抑制される。
また、ポリオレフィン系多層樹脂フィルムに強度を付与したい場合には、必要に応じて結晶核剤を添加することもできる。この場は、α晶の結晶核剤が好ましく、具体的にはソルビトール系、シクロペンタジエン系の結晶核剤を挙げることができる。上記結晶核剤の添加量は樹脂に対して0.1〜3.0質量%の範囲で選択できる。
上記ポリオレフィン系多層樹脂フィルムを本発明の太陽電池用裏面保護シートにおけるポリエステルフィルムとして使用する際には、A層、B層、及びC層に変色防止、強度維持の点から、公知の酸化防止剤を添加することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系、芳香族アミン系、チオエーテル系、リン系などがあり、少量配合で効果を高めるため、2種以上のものを併用するのが好ましい。例えば、フェノール系とリン系の併用は好ましく、リン−フェノール系酸化防止剤を挙げることができる。酸化防止剤としては、住友化学製“SumilizerGP”を添加することが、押出時の熱安定性や耐候性が向上するので好ましい。
酸化防止剤の添加量は各層の樹脂に対して、0.05〜1質量%の範囲が好ましい。添加量が0.05質量%以上であれば効果が高く、1質量%以下であれば分散性が悪化することが抑制される。
また、A層、B層、及びC層の少なくとも1つの層には、変色防止、耐候性向上の点から、上述した以外に他の添加剤を含むものであってもよい。
上記他の添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤を挙げることができる。
上記光安定剤としては、樹脂中の光劣化開始の活性種を捕捉し、光酸化を防止するものを用いることができる。具体的には、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードピペリジン系化合物、およびその他等から選択される1種類または2種類以上を組み合わせたものを使用することができる。中でもヒンダードアミン系化合物を用いることが好ましい。特にB層に光安定剤を0.5〜5.0質量%の範囲で混合すると、着色顔料に酸化チタンを所用した際に上記酸化チタンが安定化し、長期耐候性が付与されるので好ましい。添加量が0.5質量%以上であれば、光安定剤としての効果が十分であり、また5.0質量%以下であればブリードアウトや酸化チタンなどの無機粒子の凝集の原因となり難い。
上記紫外線吸収剤としては、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギーへと変換し、樹脂中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものを用いることができる。具体的には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系、アクリルニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードアミン系、および、超微粒子酸化チタン(粒子径:0.01μm〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(粒子径:0.01μm〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種類以上のものを使用することができる。
また、上記熱安定剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、および、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等のリン系熱安定剤、8−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等のラクトン系熱安定剤を挙げることができる。また、これらを1種類または2種類以上を用いることもできる。中でも、リン系熱安定剤およびラクトン系熱安定剤を併用して用いることが好ましい。
上記紫外線吸収剤、熱安定剤等の他の添加剤の合計含有量としては、各層の樹脂組成に対して、0.01〜10.0質量%の範囲内が好ましい。
また、本発明の太陽電池用裏面保護シートに用いられるポリオレフィンフィルムには必要に応じて、難燃剤を添加することができる。難燃剤としては特に限定されるものではなく、有機難燃剤、無機難燃剤など公知の技術が適用できる。
有機難燃剤の例としては、塩素原子や臭素原子を分子中に1個以上含むもの、例えば塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、パークロロペンタシクロデカン、四塩化無水フタル酸などや、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の芳香環を有しかつ芳香環に直接ハロゲン原子が結合していないモノマーやポリマー、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,4−ジブロモブタン、1,3−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、α−ブロモ酪酸エチル、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロデカン等の芳香環を持たないものが挙げられる。
また、無機難燃剤の例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化無機塩、リン酸アンモニウム、リン酸亜鉛などのリン酸化物、赤リン、三酸化アンチモンや膨張黒鉛などが挙げられる。
有機難燃剤及び無機難燃剤の単独、又は混合物の配合量は、各層の樹脂に対して5〜30質量%の範囲が好ましい。添加量が5質量%以上であれば添加効果が得られ、30質量%以下であれば分散性が悪化せず、難燃剤による着色が起こり難い。
上記ポリオレフィン系多層樹脂フィルムは、着色樹脂層との鉛筆硬度の差を2段階以内にするため、架橋剤を添加して架橋構造を有してもよい。
ポリオレフィン系多層樹脂フィルムに架橋構造を導入するには、A層、B層及びC層の少なくとも1層に、例えば、オレフィンポリオールとオレフィンポリオールの水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤を配合することが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、着色樹脂層について架橋剤として例示したポリイソシアネート系樹脂を用いることができ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。市販品としては、TPA−100、24A−100、P301−75E、D101(旭化成ケミカルズ社製)、Aqua BI200、AquaBI220(Baxenden社製)、タケネート500、タケネート600(三井化学社製)などを用いることができる。
また、オレフィンポリオールとしては、例えば、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマーを用いることができる。市販品としては、ポリテール(三菱化学社製)を用いることができる。
なお、上記架橋剤とオレフィンポリオールは、要求される硬度に応じて配合すればよく、A層のみに配合してもよいし、A層及びB層、又は、A層、B層、及びC層の全てに配合してもよいが、ポリエステルフィルム基材や接着剤層との接着力を高める観点から、A層のみ、又は、A層及びB層に配合することが好ましい。
また、上記ポリオレフィン系多層樹脂フィルムにおいて、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子(フィラー)を配合する場合は、A層のみに配合してもよいし、A層及びB層、又は、A層、B層、及びC層の全てに配合してもよいが、ポリエステルフィルム基材や接着剤層との接着力を高める観点から、A層のみ、又は、A層及びB層に配合することが好ましい。
本発明に係るポリオレフィンフィルムの厚みは、用いられる太陽電池の構造によって変わるものの、10〜200μmの範囲が好ましく、更に、20〜150μmの範囲がフィルム製造面や、ラミネート加工性から好ましい。
A層/B層/C層の積層構造を有するポリオレフィンフィルムは、各層の積層比は特に限定されないが、A層、C層がそれぞれ5〜20%、B層が90〜60%の範囲であることが好ましい。
A層/B層/C層の積層構造とすることで、着色顔料を含有するB層を、A層、およびC層で挟むことにより、製造時の口金における、粒子を大量に含む樹脂分解物の付着を抑制し、分解物が脱落することによる工程汚染や、フィルムの傷といった品質問題を回避できる。
本発明に係るポリオレフィンフィルムのヤング率の値としては、300〜1000MPaの範囲であることが、製膜時の巻き取り性やラミネートなどの二次加工時の取り扱い性の点で好ましい。
本発明に係る太陽電池用裏面保護シートのポリオレフィンフィルムとして、上記A層/B層/C層の積層構造を有するポリオレフィンフィルムを用いる場合、A層が太陽電池の入射面側になるように構成する。すなわち、入射面側に使用する封止材であるEVAとA層が接することで、優れた熱接着性を有することができる。
また、C層に易接着処理を施すことが、接着剤による基材フィルムとの接着性を向上させる目的から好ましい。易接着処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、化学処理などの方法が挙げられるが、中でも低コストなコロナ放電処理が好ましい。このときの濡れ張力は、35〜55mN/mの範囲であることが好ましい。
ポリオレフィンフィルムは、ポリエステルフィルム基材に対し、接着剤や熱融着などの方法でラミネートして積層することができる。
ポリオレフィンフィルムとポリエステルフィルム基材とを積層した太陽電池用裏面保護シートのA層面側の560nmでの光反射率は85%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。A層面の560nmでの反射率が85%以上であることにより、太陽電池の発電効率が上がり好ましい。
以下、A層/B層/C層の積層構造を有するポリオレフィン系樹脂多層フィルムを製造する方法を具体的に説明する。なお、本発明に係る太陽電池用裏面保護シートに用いるポリオレフィンフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
A層に使用する樹脂として、融点110℃〜130℃の範囲のLLDPE100質量部に、ポリプロピレン系樹脂50〜500質量部を混合した樹脂混合物を用いる。
B層に使用する樹脂としては、融点が140℃〜170℃の範囲のポリプロピレン系樹脂に着色顔料として、ルチル型の酸化チタン5〜50質量%と、酸化防止剤として、“SumilizerGP”を0.05〜0.35質量%の範囲で混合した樹脂混合物を用いる。
C層に使用する樹脂としては、融点が150〜170℃のポリプロピレン系樹脂を用いる。
このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ220〜280℃の範囲にて溶融する。そしてポリマー管の途中に設置したフィルタを通して異物や、粗大無機粒子などを除去した後、マルチマニホールド型のTダイあるいはTダイ上部に設置したフィードブロックにて、A層/B層/C層型の3種3層積層を行いTダイより回転金属ロール(キャスティングドラム)上に、C層側を金属ロール面側にして吐出して未延伸フィルムを得る。この際、回転金属ロールは表面温度を20〜60℃に制御することが、C層の金属ロールへの粘着をおこさず、結晶性を高めるので好ましい。また、溶融ポリマーを金属ロールに密着させるため、金属ロールと接触する面とは反対側からエアーを吹き付ける方法や、ニップロールを使用することが好ましい。
このように得られたポリオレフィンフィルムのC層には、基材フィルムと貼り合わせるために空気中または窒素ガス、炭酸ガスの1種以上の雰囲気中でコロナ放電処理を行うことが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂多層フィルムは、本発明の太陽電池用裏面保護シートを構成するポリオレフィンフィルムに好適に用いることができる。
[太陽電池用裏面保護シートの製造方法]
次に、本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法について説明する。
本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法は、ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層を設ける工程と、ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として着色樹脂層の鉛筆硬度との差が2段階以内であるポリオレフィンフィルムを設ける工程と、ポリエステルフィルム基材と、着色樹脂層と、ポリオレフィンフィルムとを含む太陽電池用裏面保護シートを巻き取る工程と、を有する。
ポリエステルフィルム基材、着色樹脂層、及びポリオレフィンフィルムの構成はそれぞれ前記した通りである。
例えば、ポリエステルフィルム基材の一方の面(第1の面)に塗布及び乾燥によって着色樹脂層を設け、他方の面(第2の面)にドライラミネートによってポリオレフィンフィルムを設けることができる。
なお、着色樹脂層を基材フィルム上に形成する方法は特に制限されるべきものではなく、公知のコーティング手法を用いることができる。コーティング手法としては、種々の方法を適用することができ、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法及びグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。なかでも、グラビアロールコーティング法は、着色樹脂層の安定性が増すので好ましい方法である。
着色樹脂層を塗布方法により形成するためのコーティング液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール及び水等を例示することができる。コーティング液の性状としてはエマルジョン型及び溶解型のいずれでも良い。
なお、ポリエステルフィルム基材に対し、着色樹脂層を設ける工程とポリオレフィンフィルムを設ける工程の順序は限定されず、ポリエステルフィルム基材の第1の面に着色樹脂層を設けた後、第2の面にポリオレフィンフィルムを設けてもよいし、ポリエステルフィルム基材の第2の面にポリオレフィンフィルムを設けた後、第1の面に着色樹脂層を設けてもよい。
また、ポリエステルフィルム基材は、例えば、溶融押出し工程と延伸工程によって製造することができるが、ポリエステルフィルムを一旦ロール状に巻き取った後、ロールから巻き出してポリエステルフィルムと着色樹脂層を設けてもよいし、ポリエステルフィルムの延伸工程の後、巻き取らずに延伸後のポリエステルフィルム上にポリエステルフィルムと着色樹脂層を設けてもよい。
また、ポリエステルフィルム基材の片面に、着色樹脂層及びポリオレフィンフィルムの一方を設けた後、巻き取りを行い、その後、巻き出してポリエステルフィルム基材の反対側の面に着色樹脂層及びポリオレフィンフィルムの他方を設けてもよい。
ポリエステルフィルム基材の第1面の最表面層として着色樹脂層を設け、第2面の最表面層としてポリオレフィンフィルムを設けて太陽電池用裏面保護シートを作製した後、巻き取る。このような本発明の太陽電池用裏面保護シートをロール状に巻き取る工程、さらに巻き取ったロールを搬送する工程や、巻き出す工程において接触するフィルム間で擦れが生じる場合があるが、着色樹脂層とポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度差が2段階以内であるため、着色樹脂層とポリオレフィンフィルムが接触して擦れても傷の発生が抑制される。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、例えば、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子を、太陽光が入射する透明性の基板と太陽電池用裏面保護シートとの間に配置し、基板と裏面保護シートとの間をエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの封止材で封止している。
図2は、本発明に係る太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示している。図2に示す太陽電池モジュール10は、太陽光が入射する透明性のフロント基板24と、太陽電池素子20と、太陽電池素子20を封止する封止材22と、封止材22のフロント基板24とは反対側に太陽電池用裏面保護シート32が配置されている。太陽電池用裏面保護シート32は、ポリオレフィンフィルム15側が封止材22に接着している。
太陽電池モジュール、太陽電池セル、裏面保護シート以外の部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)に詳細に記載されている。
透明性のフロント基板は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択することができる。発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
以下に、本発明の太陽電池用裏面保護シートを使用して太陽電池モジュールを製造する方法について説明する。
太陽電池用裏面保護シートの厚さは200〜400μmの範囲が好ましい。厚さを200μm以上とすることで、高い部分放電圧を確保することができ、さらに十分な剛性が確保でき、ハンドリング時の折れ欠陥が著しく減少する。一方、厚さを400μm以下とすることで、必要十分な剛性や耐電圧特性を保持しながら、ロールに巻き取る際のロール当たりの長さを大きくすることができ、生産性に優れたものとすることができる。さらに好ましくは250〜350μmの範囲である。
太陽電池用裏面保護シートのポリオレフィン系樹脂多層フィルム面が接着性樹脂層(封止材)と向かい合う方向で、本発明の太陽電池用裏面保護シート/接着性樹脂層(封止材)/配線を配設した光起電力素子としての太陽電池素子/接着性樹脂層(封止材)/太陽電池モジュール用表面保護シート(透明性のフロント基板)をこの順に積層し、更に、必要ならば各層間にその他の素材を任意に積層する。次いでこれらを真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネーション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、枠を装着して太陽電池モジュールを製造する。
接着性樹脂層(封止材)としては、耐候性、耐熱性、透明性を有することが好ましい。具体的には、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、又は、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
太陽電池モジュールの枠体としては、アルミニウム型材が好適である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(酸化チタンマスタバッチAの作製)
融点162℃、密度0.900g/cmのホモポリプロピレン40質量%と、無機酸化物で表面処理された平均粒子径200nmのルチル型酸化チタン(堺化学工業社製FTR−700)60質量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、酸化チタンマスタバッチAを製造した。
(酸化亜鉛マスタバッチ)
融点162℃、密度0.900g/cmのホモポリプロピレン40質量%と、無機酸化物で表面処理された平均粒子径2μmの酸化亜鉛(堺化学工業社製LPZINC−2)60質量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、酸化亜鉛マスタバッチを製造した。
(カーボンブラックマスタバッチ)
融点162℃、密度0.900g/cmのホモポリプロピレン40質量%と、カーボンブラック(大日精化工業社製)60質量%を二軸押出機にて240℃で溶融混練した後、ストランドカットし、カーボンブラックマスタバッチを製造した。
(ドライラミネート用接着剤の作製)
DIC(株)製ドライラミネート剤 ディックドライ(登録商標)LX−903を16質量部、硬化剤としてDIC(株)製KL−75を2質量部、及び酢酸エチルを29.5質量部量りとり、15分間攪拌した。こうして固形分濃度20%のドライラミネート用接着剤を得た。
(着色樹脂層形成用塗料1の作製)
アクリル樹脂:(株)日本触媒製の、紫外線吸収剤及び光安定化剤(HALS)がアクリルポリオール樹脂に架橋されたハルスハイブリットポリマー(登録商標)BK1(固形分濃度:40質量%)を35質量部、導電材料:大塚化学製デントールWK500(酸化チタンに酸化スズを被覆した針状結晶である無機固体導電材料。数平均繊維長は5〜15μmの範囲で分布している)15質量部、白色顔料:酸化チタン粒子(テイカ社製 JR−709)を50質量部及び溶剤:酢酸エチル100質量部を一括混合し、ビーズミル機を用いて分散し、主剤塗料を得た。
この主剤塗料に、ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエル社製 デスモジュール(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を、主剤塗料/ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂=100/4の質量比になるように配合した。さらに固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の塗料となるように希釈剤:酢酸n−プロピルを加え、15分間攪拌した。こうして、固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の着色樹脂層形成用塗料1を得た。
(ポリオレフィン系樹脂多層フィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE80質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを20質量部(ポリエチレン合計100質量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を50質量部、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(三菱化学社製 ポリテール)を50質量部、及びヘキサメチレンジイソシアネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)を10質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン40質量部、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(三菱化学社製 ポリテール)を50質量部、及びヘキサメチレンジイソシアネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)を10質量部混合した樹脂混合物を用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を40質量部、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(三菱化学社製 ポリテール)を50質量部、及びヘキサメチレンジイソシアネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)を10質量部混合した樹脂混合物を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面とは反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<実施例1>
基材フィルムとして東レ(株)製の耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム ルミラー(登録商標)X10S(厚み:125μm)を準備した。
この基材フィルムの一方の面(第1の面)に、ワイヤーバーを用いて着色樹脂層形成用塗料1を塗布し、120℃で30秒間乾燥し、乾燥後塗布量が4.0g/mの着色樹脂層を設けた。
着色樹脂層とは反対側の基材フィルムの表面(第2の面)に、ドライラミネート用接着剤をワイヤーバーで塗布し、80℃で45秒間乾燥して3.5μmの接着剤層を形成した。
次に、接着剤層に、ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのコロナ処理面(C層側)をハンドローラーを用いて貼り合わせた。
このようにして作製したシートを40℃に加熱したオーブン内で3日間エージングして太陽電池用裏面保護シート1を得た。
<実施例2>
実施例1において、ポリオレフィンフィルムの作製方法を下記方法に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(ポリオレフィンフィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE68質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを17質量部(ポリエチレン合計85質量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を85質量部、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を30質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン85質量部に対して、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を15質量部混合した樹脂混合物を用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面の反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<実施例3>
実施例2において、着色樹脂層形成用塗料1を下記方法で作製した着色樹脂層形成用塗料2に変更した以外は実施例2と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(着色樹脂層形成用塗料2の作製)
アクリル樹脂:(株)日本触媒製の、紫外線吸収剤及び光安定化剤(HALS)がアクリルポリオール樹脂に架橋されたハルスハイブリットポリマー(登録商標)BK1(固形分濃度:40質量%)を35質量部、導電材料:大塚化学製デントールWK500(酸化チタンに酸化スズを被覆した針状結晶である無機固体導電材料。数平均繊維長は5〜15μmの範囲で分布している)15質量部、白色顔料:酸化チタン粒子(テイカ社製 JR−709)を50質量部、及び酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を19.8質量部、及び溶剤:酢酸エチル80質量部を一括混合し、ビーズミル機を用いて分散し、主剤塗料を得た。
この主剤塗料に、ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエル社製 デスモジュール(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を、主剤塗料/ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂=100/4の質量比になるように配合した。さらに固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の塗料となるように希釈剤:酢酸n−プロピルを加え、15分間攪拌した。こうして、固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の着色樹脂層形成用塗料2を得た。
<実施例4>
実施例3において、着色樹脂層に含まれる酸化ケイ素粒子をアルミナ粒子AO−802(アドマファイン社製、AO−802、平均粒径0.7μm)に変更した以外は実施例3と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例5>
実施例2において、着色樹脂層に含まれる着色顔料を白色顔料:酸化チタン粒子(テイカ社製 JR−709)30質量部及び黒色顔料:カーボンブラック(大日精化工業社製)20質量部に変更した以外は実施例2と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例6>
実施例2において、着色樹脂層に含まれる着色顔料を酸化亜鉛(堺化学工業社製、LPZINC−2)に変更した以外は、実施例2と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例7>
実施例2において、ポリオレフィンフィルムの作製方法を下記方法に変更した以外は実施例2と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(ポリオレフィンフィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE56質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを14質量部(ポリエチレン合計70質量部)、ポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を70質量部、及び酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を60質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン70質量部に対して、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を30質量部混合した樹脂混合物を用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面とは反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<実施例8>
実施例1において、ポリオレフィンフィルムの作製方法を下記に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(ポリオレフィンフィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE68質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを17質量部(ポリエチレン合計85質量部)、ポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を43質量部、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(三菱化学社製ポリテール)を34質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)を8質量部、及び酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を30質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン43質量部に対して、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(三菱化学社製 ポリテール)を34質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)を8質量部、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を15質量部混合した樹脂混合物を用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面とは反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<実施例9>
実施例8において、ポリオレフィンフィルムに含まれる酸化ケイ素粒子をアルミナ粒子AO−802(アドマファイン社製、AO−802、平均粒径0.7μm)に変更した以外は実施例8と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例10>
実施例7において、ポリオレフィンフィルムの作製方法を下記に変更した以外は、実施例7と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(ポリオレフィンフィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE56質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを14質量部(ポリエチレン合計70質量部)、ポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を70質量部、及び酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を60質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン100質量部に対して、酸化チタンマスタバッチAを30質量部、及び酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を55.7質量部混合した樹脂混合物を用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面とは反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<実施例11>
実施例10のポリオレフィンフィルムの作製方法において、酸化チタンマスタバッチAを酸化亜鉛マスタバッチに変更した以外は実施例10と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例12>
実施例10のポリオレフィンフィルムの作製方法において、酸化チタンマスタバッチAをカーボンブラックマスタバッチに変更した以外は実施例10と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例13>
実施例3において、ポリオレフィンフィルムを実施例8で用いたポリオレフィンフィルムに変更した以外は実施例3と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
<実施例14>
実施例3において、ポリオレフィンフィルムの作製方法を下記に変更した以外は、実施例3と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(ポリオレフィンフィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE56質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを14質量部(ポリエチレン合計70質量部)、ポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を35質量部、ポリヒドロキシポリオレフィンオリゴマー(三菱化学社製 ポリテール)を28質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)を7質量部、及び酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を60質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレン100質量部に対して、酸化ケイ素粒子(富士シリシア化学社製、サイリシア330、平均粒径1.6〜1.8μm)を30質量部混合した樹脂混合物を用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面とは反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られた多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<比較例1>
実施例1において、ポリオレフィンフィルムの作製方法を下記に変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
(ポリオレフィンフィルムの作製)
A層に使用する樹脂として、融点127℃、密度0.940g/cm、MFR5.0g/10分のLLDPE80質量部に対し、融点112℃、密度0.912g/cm、MFR4.0g/10分のLDPEを20質量部(ポリエチレン合計100質量部)、及びポリプロピレン系樹脂として、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を100質量部混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のホモポリプロピレンを用いた。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のエチレン・プロピレンブロック共重合樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチマニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、ドラムと接する面とは反対側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚み構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚み150μmのポリオレフィン系樹脂多層フィルムを得た。
得られたポリオレフィン系樹脂多層フィルムのC層側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
<比較例2>
ポリオレフィンフィルムのB層の形成に、ホモプロピレンを100質量部、酸化チタンマスタバッチAを30質量部混合した樹脂を用いた以外は、比較例1と同様にして太陽電池用裏面保護シートを作製した。
[評価]
<硬度>
各例で作製した太陽電池用裏面保護シートのアクリル着色樹脂層側最表面と、ポリオレフィン多層フィルム側最表面の鉛筆硬度をJIS K−5600−5−4に記載の方法に従って測定した。
<傷>
各例で作製した太陽電池用裏面保護シートを巻取り工程を模した巻取りを行い、さらに巻取り後の裏面保護シートをほぐしてアクリル着色樹脂層側最表面と、ポリオレフィン多層フィルム側最表面の目視観察を行い、1mあたりの傷の個数により擦過傷の評価を行った。両表面のうち傷の個数の多いほうを太陽電池用裏面保護シートの傷個数として、0.1個/m未満をA、0.1個/m以上0.3個/m未満をB、0.3個/m以上0.5個/m未満をC、0.5個/m以上をDとした。
<落砂式耐傷性試験>
各例で作製した太陽電池用裏面保護シートのアクリル着色樹脂層側最表面に、ASTM−D968に記載の方法に基づき、ケイ砂(飯豊珪砂4号)を落下させて試験し、ポリエステル基材が露出するまでの落砂量を評価した。ポリエステル基材まで到達したかどうかの判断は、試験前後のフィルム総厚みをデジマチックインジケータ(株式会社ミツトヨ製)にて測定することにより決定した。落砂量とともにアクリル着色樹脂層が削れて行くことでフィルム総厚みが減少するが、削れ量がアクリル着色樹脂層の厚みとなる時の落砂量をポリエステル基材が露出する落砂量と定義した。
ポリエステルフィルムが露出するまでに要した砂の量が3kg以上5kg未満の場合をB、5kg以上の場合をAとした。
各例で作製した太陽電池用裏面保護シートの構成及び評価結果を下記表1に示す。
Figure 2015192107
表1から、着色樹脂層とポリオレフィンフィルムとの硬度差が2段階以内となっている実施例の太陽電池用裏面保護シートは、3段階の比較例の太陽電池用裏面保護シートに比べ、フィルム間の擦れによる傷の発生が少ないことがわかる。
10 太陽電池モジュール
15 ポリオレフィンフィルム
16 ポリエステルフィルム
18 着色樹脂層
19 接着剤層
20 太陽電池素子
22 封止材
24 透明性のフロント基板
32 太陽電池用裏面保護シート

Claims (17)

  1. ポリエステルフィルム基材と、
    前記ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として設けられ、(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層と、
    前記ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として設けられたポリオレフィンフィルムと、
    を含み、
    前記着色樹脂層の鉛筆硬度と前記ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が2段階以内である太陽電池用裏面保護シート。
  2. 前記着色樹脂層が、さらに、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子を含む請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  3. 前記着色樹脂層に含まれる前記無機酸化物粒子が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子である請求項2に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  4. 前記着色樹脂層に含まれる前記着色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  5. 前記ポリオレフィンフィルムが、Si及びAlから選ばれる少なくとも1種の元素を含む無機酸化物粒子を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  6. 前記ポリオレフィンフィルムに含まれる前記無機酸化物粒子が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種の粒子である請求項5に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  7. 前記ポリオレフィンフィルムが、着色顔料を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  8. 前記ポリオレフィンフィルムに含まれる前記着色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種である請求項7に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  9. 前記ポリエステルフィルム基材は、ポリエチレンテレフタレートを含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  10. 前記ポリオレフィンフィルムは、ポリオレフィンを含む層が2層以上積層された積層構造を有する多層ポリオレフィンフィルムである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  11. 前記ポリオレフィンフィルムが、架橋構造を有する請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  12. 前記着色樹脂層の鉛筆硬度と前記ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度との差が1段階以内である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  13. 前記着色樹脂層の鉛筆硬度が、前記ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度以上である請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  14. 前記着色樹脂層の鉛筆硬度と前記ポリオレフィンフィルムの鉛筆硬度が同じある請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  15. 前記着色樹脂層の鉛筆硬度がF以上3H以下である請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  16. 太陽光が入射する透明性のフロント基板と、
    太陽電池素子と、
    前記太陽電池素子を封止する封止材と、
    前記封止材の前記フロント基板とは反対側に配置され、前記封止材に前記ポリオレフィンフィルムが接着している請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートと、
    を含む太陽電池モジュール。
  17. ポリエステルフィルム基材の一方の面側に最表面層として(メタ)アクリル樹脂及び着色顔料を含む着色樹脂層を設ける工程と、
    前記ポリエステルフィルム基材の他方の面側に最表面層として前記着色樹脂層の鉛筆硬度との差が2段階以内であるポリオレフィンフィルムを設ける工程と、
    前記ポリエステルフィルム基材と、前記着色樹脂層と、前記ポリオレフィンフィルムとを含む太陽電池用裏面保護シートを巻き取る工程と、
    を有する太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
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