JP2015191753A - X線高電圧装置及びそれを備えたx線画像診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング損失の増加を抑制しながら、整流回路のコンデンサを小型化できるX線高電圧装置を提供することにある。
【解決手段】トランスと、直流電源と前記トランスの間に電気的に並列に接続されるとともに直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、前記トランスとX線管との間に電気的に並列に接続されるとともに前記交流電圧を平滑してX線管へ直流電圧を供給する整流回路と、前記インバータを制御する制御部と、前記インバータと前記整流回路との間に電気的に設けられかつ前記トランスを含んで構成される共振回路と、を備えたX線高電圧装置において、前記インバータから前記共振回路へ供給する共振電流の周波数が、前記インバータを駆動する周波数の(自然数+1)倍となるように前記共振回路を設定することにより、前記整流回路に印加する交流電圧の周波数を、前記インバータを駆動する周波数の(自然数+1)倍とするX線高電圧装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線CT装置やX線撮影装置などのX線装置に搭載されるX線管へ高電圧を供給するX線高電圧装置及びX線画像診断装置に関するものである。
X線CT装置やX線撮影装置などのX線装置では、X線管へ数十kV〜100kV程度の高電圧を供給する必要がある。そのため、X線高電圧装置として、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている構成が用いられる。特許文献1及び特許文献2に記載のX線高電圧装置では、商用電源を入力し直流電圧を出力するコンバータと、直流電圧を入力して高周波の交流電圧を生成するインバータと、交流電圧を昇圧して整流回路へ供給するトランスと、交流電圧を入力して直流電圧を生成する多段倍電圧整流回路やコッククロフト・ウォルトン回路で構成され、直流の高電圧をX線管へ供給する構成となっている。一般的なX線装置に要求されるX線管の電圧(以下、管電圧)は数十kV〜100kV程度の高電圧であるため、整流回路には平滑コンデンサには数十kV耐圧のコンデンサを複数直列接続した構成や、倍電圧整流回路やコッククロフト・ウォルトン回路を多段化した構成が用いられる。
このため、整流回路に占める平滑コンデンサの体積が大きく、コンデンサの小型化が要求されている。コンデンサの小型化には、コンデンサの静電容量を低減することが有効であるが、単純に平滑コンデンサの静電容量を低減すると、管電圧の脈動が増加する課題が生じる。管電圧の脈動は撮影画質へ影響を及ぼすため、X線高電圧装置では管電圧の脈動を規定値以下に抑制することが要求される。
この課題を解決する手段として、インバータの駆動周波数を高周波化することが知られている。インバータの駆動周波数を高周波化することで、整流回路へ供給される交流電圧を高周波化することができるため、管電圧の脈動を抑制しながら、コンデンサ容量を低減することが可能となる。しかし、インバータの駆動周波数を高周波化すると、スイッチング損失が増加し、スイッチング素子の冷却が困難になる課題がある。
インバータのスイッチング損失を低減する手段として、特許文献3が開示されている。特許文献3に記載されている誘導加熱装置では、アルミ鍋やアルミ材質が鍋底部の厚みの内多くの成分をしめる多層鍋など、鍋自体の固有抵抗が低い負荷を誘導加熱することを目的としており、直列接続された加熱コイルと共振コンデンサを、スイッチング素子と並列に接続した構成とし、加熱コイルと共振コンデンサで発生する共振電流の周波数がインバータの駆動周波数の2倍以上となるように加熱コイルのインダクタンスと共振コンデンサの静電容量を定めることで、スイッチング損失を増加させることなく負荷へ供給する共振電流の周波数を高周波化し、アルミ鍋など鍋自体の固有抵抗が低い負荷の加熱を図っている。
特開平10−41093号公報 特開2009−43571号公報 特開2001−68260号公報
しかしながら、特許文献3に記載の技術では、加熱コイルと共振コンデンサを直列に接続した構成としているため、等価的に負荷抵抗とインダクタとキャパシタが直列接続された構成となる。したがって、共振電流の周波数をインバータの駆動周波数の2倍以上とする、すなわちインバータの駆動周波数の1周期中に複数回の共振動作を維持するためには負荷抵抗が十分小さいことが条件となる。一般的に、X線管は高電圧・小電流負荷であるため、等価負荷抵抗が数十kΩ〜数MΩと大きいことが知られている。したがって、上記文献の技術をX線高電圧装置に適用した場合では、負荷抵抗が大きいために、インバータの駆動周波数の1周期中に複数回の共振動作を維持することが困難となる課題がある。また、特許文献3には、トランスの二次側に整流回路を備え、負荷へ直流電圧を供給する回路構成に関する技術については何ら開示されていない。
上記課題を解決するために、本発明に係るX線高電圧装置は、トランスと、直流電源と前記トランスの間に電気的に並列に接続されるとともに直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、前記トランスとX線管との間に電気的に並列に接続されるとともに前記交流電圧を平滑してX線管へ直流電圧を供給する整流回路と、前記インバータを制御する制御部と、前記インバータと前記整流回路との間に電気的に設けられかつ前記トランスを含んで構成される共振回路と、を備えたX線高電圧装置において、前記インバータから前記共振回路へ供給する共振電流の周波数が、前記インバータを駆動する周波数の(自然数+1)倍となるように前記共振回路を設定することにより、前記整流回路に印加する交流電圧の周波数を、前記インバータを駆動する周波数の(自然数+1)倍とする。
本発明により、負荷抵抗が大きいX線高電圧装置においても、インバータのスイッチング損失の増加を抑制しながら、インバータの駆動周波数よりも高周波の交流電圧を整流回路へ供給することが可能となり、整流回路を小型化できるX線高電圧装置を提供することができる。
実施例1のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例1のX線高電圧装置の動作を説明する波形図。 実施例1のX線高電圧装置の動作を説明する波形図。 実施例2のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例2のX線高電圧装置の動作を説明する波形図。 実施例2のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例2のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例3のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例4のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例4のX線高電圧装置の動作を説明する波形図。 実施例5のX線高電圧装置の回路構成図。 実施例5のX線高電圧装置の動作を説明する波形図。 実施例6のX線高電圧装置の動作を説明する波形図。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1によるX線高電圧装置の回路構成図である。このX線高電圧装置は、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振インダクタ3と、トランス4と、共振コンデンサ5と、整流回路6と、制御手段8で構成され、負荷であるX線管7へ直流の高電圧を供給する。
インバータ2は、直流電源1を入力として、任意の周波数の交流電圧を出力する。インバータ2は、ブリッジ接続されたスイッチング素子Q1〜Q4を備え、スイッチング素子Q1〜Q4にはそれぞれ逆並列ダイオードD1〜D4が接続されている。トランス4は、コアTr1によって、一次巻線N1と二次巻線N2を磁気結合している。
共振インダクタ3は、トランス4の一次巻線N1と直列に接続され、共振コンデンサ5は、トランス4の二次巻線N2の端子間に並列接続され、共振インダクタ3と、トランス4と、共振コンデンサ5とで共振回路100を構成する。
整流回路6は、ブリッジ接続された整流ダイオードDr1〜Dr4と、平滑コンデンサCmで構成され、共振コンデンサ5の端子間に出力される交流電圧を整流及び平滑し、X線管7へ直流電圧を供給する。図1では、整流コンデンサDr1〜Dr4を一つの素子で示しているが、複数の素子を直列に接続して構成してもよい。また、複数の素子を直列に接続する場合には、素子に印加される電圧を均等化するバランス抵抗を素子に並列接続した構成としてもよい。
制御手段8は、整流回路6の出力電圧が目標値となるようスイッチング素子Q1〜Q4にゲート信号G1〜G4を出力する。インバータの駆動周波数fswは制御手段8により制御される。このように、構成することで、インバータ2は、共振インダクタ3と共振コンデンサ5で構成される共振回路100に供給する電流(以下、共振電流と記す。)、が正弦波状となる共振型インバータとして動作する。
トランス4の一次側から見たX線管7は等価的に抵抗として表現されることが知られている。ここで、トランス一次側から見た整流回路6とX線管7の合成インピーダンスをZ0、共振インダクタ3のインダクタンスをL1、共振コンデンサ5の静電容量をC2とすると、インバータ2の出力から見た共振回路100と負荷を含むインピーダンスZ1はおおよそ、
Z1=jωL1+1/(Z0+1/jωC2)・・・式(1)
となる。式(1)より、共振周波数f1は、式(2)となる。
f1=1/(2×√(1/(L1×C2)―1/(4×C2^2×Z0^2)))・・・式(2)
前記式(2)より、共振周波数f1は、共振インダクタ3と、共振コンデンサ5と、X線管7と整流回路6の合成インピーダンスZ0の影響を受けることがわかる。
また、管電圧Vxの脈動ΔVxを抑制するためには、共振電流I1の周期ごとに平滑コンデンサCmへ電流Id1を供給する必要があるため、交流電圧Vc2と管電圧Vxの関係がVc2>Vxとなるように共振回路100の定数を設定する必要がある。これは、共振電流I1の減衰を小さく抑える、すなわち共振回路100の時定数τ1が十分大きくなるように共振回路100を設定することを意味している。ここで、図1のX線高電圧装置における共振回路100の時定数τ1はおおよそ(3)式となる。
τ1=2×C2×Z0・・・式(3)
前記式(3)より、時定数τ1は、負荷のインピーダンスZ0と、共振コンデンサ5の静電容量C2によって決まることがわかる。負荷のインピーダンスZ0は負荷条件によって決定されるため、所望の時定数τ1となるように共振コンデンサ5の静電容量C2を設定する必要がある。
図2は、図1のX線高電圧装置の動作波形を示したものである。ここで、図2を含む以下、すべての動作波形図における電流は、図1の回路図における各素子を上から下に流れる電流を正とし、左から右に流れる電流を正としている。以下、図2もとに本発明の実施例1におけるX線高電圧装置の動作について説明する。図2の動作では、前記式(2)、前記式(3)を用いてインバータから供給する共振電流I1の周波数frがインバータの駆動周波数fswの3倍となるように、共振インダクタ3と共振コンデンサ5を設定した例を示す。
制御手段8は、図1のインバータ2がフルブリッジインバータとしての基本動作をするようにゲート信号G1〜G4を出力する。スイッチング素子Q1、Q4また、スイッチング素子Q2、Q3が同時にオン、又はオフとなるようにスイッチング素子Q1、Q2から構成される上下アーム、及びスイッチング素子Q3、Q4から構成される上下アームをそれぞれスイッチング動作させる。なお、図2では、4つのスイッチング素子Q1〜Q4のオン時間dutyをそれぞれ50%としている。
(Mode1)t0〜t1
まず、スイッチング素子Q1、Q4がオンの期間(Mode1)の動作を説明する。スイッチング素子Q1、Q4をオンすると、直流電源1の電圧をVinと表記するとすれば、インバータの出力電圧V1はおおよそ+Vinとなる。このとき、ダイオードD4、共振コンデンサ5、共振インダクタ3、ダイオードD1の経路に共振電流が流れ、共振インダクタ3のエネルギが放出され、共振コンデンサC5にエネルギを蓄える。共振インダクタ3のエネルギが全て放出されると、共振電流I1の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子Q1、共振インダクタ3、共振コンデンサ5、スイッチング素子Q4の経路で共振電流が流れ、共振コンデンサ5のエネルギが放出され、再び共振インダクタにエネルギを蓄える。ここで、共振電流I1の周波数fr1が、インバータの駆動周波数fswの3倍となるように共振回路100を設定することで、スイッチング素子Q1、Q4がオンの期間中に、共振インダクタ3と共振コンデンサ5とでエネルギのやりとりが繰り返され、共振電流I1の極性も繰り返し反転する。このとき、共振コンデンサ5の両端には共振電流I1に対して位相がπ/2遅れた交流電圧Vc21が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波の交流電圧を整流回路6へ印加することができ、平滑コンデンサCmへ電流Id1を供給することができる。
(Mode2)t1〜t2
t1のタイミングでスイッチング素子Q1、Q4をオフし、スイッチング素子Q2、Q3をオンすると、共振電流I1は、ダイオードD2、共振インダクタ3、共振コンデンサ5、ダイオードD3の経路で流れ、共振コンデンサ5のエネルギを放出し、共振インダクタ3へエネルギを蓄える。このとき、直流電源1の電圧をVinとすれば、インバータの出力電圧V1はおおよそ―Vinとなる。共振コンデンサのエネルギが全て放出されると、直流電源1、スイッチング素子Q3、共振コンデンサ5、共振インダクタ3.スイッチング素子Q2の経路で、共振インダクタ3のエネルギを放出し、共振コンデンサ5にエネルギを蓄える。スイッチング素子Q2、Q3がオンの期間中、Mode1と同様に共振電流I1の極性が繰り返し反転する。このとき、共振コンデンサ5の両端には共振電流I1に対して位相がπ/2進んだ交流電圧Vc21が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波数の交流電圧を整流回路6へ印加することができ、平滑コンデンサCmへ電流Id1を供給することができる。以下、定常状態ではMode1及びMode2の繰り返し動作となる。
以上のように、本実施の形態におけるX線高電圧装置では、共振インダクタ3と共振コンデンサ5からなる共振回路100の共振周波数f1が、おおむねインバータの駆動周波数fswの3倍となるように、共振インダクタ3のインダクタンスL1と共振コンデンサ5の静電容量C2を設定することで、共振電流I1の周波数をインバータの駆動周波数fswの3倍とし、かつ整流回路6へ印加される交流電圧の周波数をインバータの駆動周波数fswの3倍とすることができる。以下ではこの動作を3倍共振動作と呼ぶ。
これにより、インバータの駆動周波数fswを高周波化することなく、管電圧Vxの脈動ΔVxを低減できるため、インバータの駆動周波数fswを高周波化する方式と比較してスイッチング損失の増加を抑制しながら、整流回路6の平滑コンデンサ容量Cmを低減することが可能となる。
なお、図1に示した例では、スイッチング素子Q1〜Q4をIGBTとしているが、MOSFETとしてもよい。スイッチング素子Q1〜Q4をMOSFETとした場合には、逆並列ダイオードとして寄生ダイオードを利用することができる。また、共振インダクタ3を巻線N1に直列接続した構成としたが、トランス4の漏れインダクタンスを共振インダクタ3として用いてもよい。また、共振インダクタ3をトランスの二次巻線と直列に接続した構成としてもよい。また、共振コンデンサ5をトランス4の二次巻線N2と並列に接続した構成としたが、共振インダクタ3と巻線N1との間に、巻線N1と並列に接続した構成としても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、共振コンデンサ5を巻線N2の端子間に並列接続した構成としたが、巻線N2の寄生容量を用いてもよい。巻線N2の寄生容量のみでは、所望の静電容量を得ることができない場合もある。その場合は、巻線N1の端子間又は巻線N2の端子間に外付けコンデンサを接続し、巻線N2の寄生容量と外付けコンデンサの合成静電容量を共振コンデンサ5として用いてもよい。また、本実施の形態では、整流回路をブリッジ構成としたが、これに限らない。例えば、整流回路に倍電圧回路や、半波整流回路を用いた構成としてもよい。
<実施例1の変形例>
実施例1の変形例について図3を用いて説明する。
図3は、前記式(2)及び前記式(3)を用いて共振周波数f1が駆動周波数fswの2倍となるように、共振インダクタ3と共振コンデンサ5を設定した例を示している。図2の動作波形と異なる点は、スイッチング素子Q1、Q4のオン時間dutyを50%より小さくし、かつ、スイッチング素子Q2、Q3のオン時dutyを50%より大きくしている点である。以下に詳細な動作を説明する。
(Mode1)
まず、スイッチング素子Q1、Q4がオンのとき、共振インダクタ3に蓄えられたエネルギによって、ダイオードD4、共振コンデンサ5、共振インダクタ3、ダイオードD1の経路で共振電流が流れ、共振インダクタ3のエネルギが放出される。共振インダクタのエネルギが完全に放出されると、共振電流I1の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子Q1、共振インダクタ3、共振コンデンサ5、スイッチング素子Q4の経路で共振電流が流れ、共振インダクタ3に再びエネルギが蓄積される。このとき、共振コンデンサ5の両端には共振電流I1から位相がπ/2遅れた交流電圧Vc2が発生し、整流回路6へ交流電圧が印加される。なお、直流電源の電圧をVinとすると、Mode1におけるインバータ出力電圧V1はおよそ+Vinとなる。
(Mode2)
t1の時間で、スイッチング素子Q1、Q4をオフし、スイッチング素子Q2、Q3をオンすると、Mode2に移行する。Mode2では、まず、ダイオードD2、共振インダクタ3、共振コンデンサ5、ダイオードD3の経路で共振電流が流れ、共振コンデンサ5のエネルギを放出し、共振インダクタ3にエネルギを蓄積する。共振コンデンサ5のエネルギが完全に放出されると、共振電流I1の極性が反転し、スイッチング素子Q3、共振コンデンサ5、共振インダクタ3、スイッチング素子Q2の経路で共振電流が流れ、再び共振コンデンサ5にエネルギを蓄積する。このとき、共振コンデンサ5の両端には共振電流I1から位相がπ/2遅れた電圧が発生し、整流回路6へ交流電圧Vc2が印加される。なお、直流電源の電圧をVinとすると、Mode2におけるインバータ出力電圧V1はおよそ―Vinとなる。以下、定常状態では、図2と同様にMode1とMode2の繰り返し動作となる。
以上のように、図3に示す動作では、共振電流I1の周波数と共振コンデンサ5の両端電圧Vc2の周波数がインバータの駆動周波数fswの2倍になっており、整流回路6へスイッチング素子の2倍の周波数の電圧を印加することができる。以下ではこの現象を2倍共振と呼ぶ。さらに、共振インダクタ3と共振コンデンサ5の設定を変えることで、共振電流I1の周波数をインバータの駆動周波数fswの4倍、5倍と任意の倍数にすることも可能である。
以上、本実施の形態では、トランス4の一次巻線N1と直列に共振インダクタ3を、共振インダクタ3と整流回路6の間に、整流回路6と並列に共振コンデンサ5を備えた構成とし、共振インダクタ3と共振コンデンサ5の設定により、共振電流I1の周波数をインバータの駆動周波数fswの(自然数+1)倍とすることができ、整流回路6に印加される交流電圧の周波数をインバータの駆動周波数fswの(自然数+1)倍とできることがわかる。
(直列共振コンデンサ210、整流回路は倍電圧整流回路)
次に、本発明の第2の実施形態について、図4、図5を用いて説明する。
図4は、本発明の実施例2によるX線高電圧装置の回路構成図である。このX線高電圧装置は、実施例1のX線高電圧装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振インダクタ203と、トランス204と、共振コンデンサ205と、整流回路206と、制御手段208で構成され、負荷であるX線管7へ直流の高電圧を供給する。以下、実施例1と異なる点について述べる。
本実施の形態では、トランス204の一次巻線N11と直列に共振コンデンサ210を接続した点と、整流回路206を倍電圧整流回路を多段に接続して構成した点が異なる点である。共振コンデンサ210は、共振インダクタ203と、共振コンデンサ205と、トランス204とから共振回路101を構成する。
整流回路206は、整流コンデンサCd1、Cd2、整流ダイオードDr11〜Dr14、平滑コンデンサCm1から構成される倍電圧整流回路206aと、整流コンデンサCd3、Cd4と、整流ダイオードDr15〜Dr18と、平滑コンデンサCm2から構成される倍電圧整流回路206bを接続した多段構成としている。整流回路206a、206bでは、平滑コンデンサCm1の一端と平滑コンデンサCm2の一端を接続し、平滑コンデンサCm1の他端と、平滑コンデンサCm2の他端にX線管7を接続している。トランス204は、コアTr2により、一次巻線N11と二次巻線N21、N22を磁気結合している。巻線N21の一端と巻線N22の一端とが接続され、巻線N21の他端は整流コンデンサCd1の一端に接続され、巻線N22の他端は整流コンデンサCd2の一端に接続されている。巻線N21、N22の接続点は、平滑コンデンサCmの一端に接続されている。巻線N21、N22の端子間にはそれぞれ、並列に共振コンデンサ205aと共振コンデンサ205bが接続されている。また、X線管7の電圧を検出する電圧センサ9を備えており、電圧センサ9は制御手段208に接続されている。制御手段208は、管電圧Vxが目標電圧となるように、スイッチング素子Q1〜Q4の駆動周波数fsw及びオン時間dutyを制御する。
本実施の形態では、共振回路101を、共振インダクタ203、共振コンデンサ210、共振コンデンサ205a、205bを備えた構成としている。共振コンデンサ205a、205bは、トランスの一次側に換算すると、並列接続された一つの共振コンデンサ205とみなすことができる。共振インダクタ203のインダクタンスをL201、共振コンデンサ210の静電容量をC201、トランス4の一次側から見た、共振コンデンサ205aと共振コンデンサ205bの合成静電容量をC205、X線管7と整流回路の合成インピーダンスをZ200とすると、インバータ2の出力から見た共振回路101と、整流回路206と、X線管7を含む負荷側のインピーダンスZ2は、(4)式となる。
Z2=jωL201+1/jωC210+1/(Z200+1/jωC205)・・・式(4)
ここで、共振コンデンサ205のインピーダンスに比べて共振コンデンサ210のインピーダンスが十分大きくなるように静電容量C210、C205を設定することで、図4のX線高電圧装置の共振回路101は、おおむね共振コンデンサ210、共振インダクタ203、共振コンデンサ205の直列回路とみなすことができるため、共振周波数f2は(5)式となる。
f2=√(C210×C205)/(2π√((C210+C205)×L201))・・・式(5)
このように、本実施の形態では、トランスの一次側に、共振インダクタ203と直列に共振コンデンサ210を接続した構成とすることで、実施例1に比べて負荷インピーダンスZ0の影響を小さくすることができるため、実施例1と比べて共振回路101の設定が容易となる。
図5は、図4のX線高電圧装置の動作波形を示したものである。以下、図5をもとに本発明の実施例2におけるX線高電圧装置の動作について説明する。図5の動作では、前記(5)式を参考にインバータから供給する共振電流I1の周波数frがインバータの駆動周波数fswの5倍となるように、共振インダクタ203のインダクタンスL203と、共振コンデンサ205の静電容量C205と、共振コンデンサ210の静電容量C210を設定した例を示す。
制御手段208は、図4のインバータ2がフルブリッジインバータとしての基本動作をするようにゲート信号G1〜G4を出力する。スイッチング素子Q1、Q4また、スイッチング素子Q2、Q3が同時にオン、又はオフとなるようにスイッチング素子Q1、Q2から構成される上下アーム、及びスイッチング素子Q3、Q4から構成される上下アームをそれぞれスイッチング動作させる。なお、図2では、4つのスイッチング素子Q1〜Q4のオン時間dutyをそれぞれ50%としている。
(Mode1)t0〜t1
まず、スイッチング素子Q1、Q4がオンの期間(Mode1)の動作を説明する。スイッチング素子Q1、Q4をオンすると、直流電源1の電圧をVinと表記するとすれば、インバータの出力電圧V1はおおよそ+Vinとなる。このとき、ダイオードD4、共振コンデンサ205、共振インダクタ203、共振コンデンサ210、ダイオードD1の経路に共振電流が流れ、共振インダクタ203のエネルギが放出され、共振コンデンサC205及び共振コンデンサ210にエネルギを蓄える。共振インダクタ203のエネルギが全て放出されると、共振電流I1の極性が反転し、直流電源1、スイッチング素子Q1、共振コンデンサ210、共振インダクタ203、共振コンデンサ205、スイッチング素子Q4の経路で共振電流が流れ、共振コンデンサ205のエネルギが放出され、再び共振インダクタ203にエネルギを蓄える。ここで、共振電流I1の周波数fr2が、インバータの駆動周波数fswの5倍となるように共振回路101が設定されているため、スイッチング素子Q1、Q4がオンの期間中に、共振インダクタ203と共振コンデンサ205とでエネルギのやりとりが繰り返され、共振電流I1の極性も繰り返し反転する。このとき、共振コンデンサ205の両端には共振電流I1に対して位相がπ/2遅れた交流電圧Vc21が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波の交流電圧を整流回路206へ印加することができ、平滑コンデンサCm1、Cm2へ電流Id1、Id2を供給することができる。
(Mode2)t1〜t2
t1のタイミングでスイッチング素子Q1、Q4をオフし、スイッチング素子Q2、Q3をオンすると、共振電流I1は、ダイオードD2、共振インダクタ203、共振コンデンサ205、ダイオードD3の経路で流れ、共振コンデンサ205のエネルギを放出し、共振インダクタ203へエネルギを蓄える。このとき、直流電源1の電圧をVinとすれば、インバータの出力電圧V1はおおよそ―Vinとなる。共振コンデンサ205のエネルギが全て放出されると、直流電源1、スイッチング素子Q3、共振コンデンサ205、共振インダクタ203.スイッチング素子Q2の経路で、共振インダクタ203のエネルギを放出し、共振コンデンサ205にエネルギを蓄える。スイッチング素子Q2、Q3がオンの期間中、Mode1と同様に共振電流I1の極性が繰り返し反転する。このとき、共振コンデンサ5の両端には共振電流I1に対して位相がπ/2進んだ交流電圧Vc21が発生する。これにより、インバータの駆動周波数fswよりも高周波数の交流電圧を整流回路206へ印加することができ、平滑コンデンサCm1、Cm2へ電流Id1、Id2を供給することができる。以下、定常状態ではMode1及びMode2の繰り返し動作となる。
以上のように、本実施の形態におけるX線高電圧装置では、前記(5)式及び(6)式を用いて、共振周波数f2が概ねインバータの駆動周波数fswの(自然数+1)倍か、それよりわずかに低くなるように、共振インダクタ203のインダクタンスL201と共振コンデンサ205aと共振コンデンサ205bの合成静電容量C205、共振コンデンサ210の静電容量C210を設定することで、実施例1と同様にインバータから供給される共振電流I1の周波数を(自然数+1)倍とすることができる。これにより、インバータの駆動周波数fswを高周波化することなく、管電圧Vxの脈動ΔVxを低減できるため、インバータの駆動周波数fswを高周波化する方式と比較してスイッチング損失の増加を抑制しながら、整流回路206の平滑コンデンサ容量Cm1、Cm2を低減することができる。
なお、本実施の形態では、整流回路に倍電圧整流回路を多段化した構成を用いており、実施例1と比べてトランスの巻数比を小さくできる。これにより、二次巻線の巻数を低減できるため、トランスの小型化が期待できる。また、巻数を低減できるため、巻線間の寄生容量の低減効果も期待できる。なお、本実施の形態では、倍電圧整流回路を用いたが、図6に示すようにコッククロフト・ウォルトン回路を用いた構成としてもよい。また、倍電圧整流回路の段数を2段としているが、3段以上の多段接続としてもよい。
また、負荷の条件(例えば重負荷条件と軽負荷条件)に応じて、共振インダクタ203のインダクタンスL203と、共振コンデンサ205の静電容量C205と、共振コンデンサ210の静電容量C210を同じ定数としたままインバータの駆動周波数fswを変えることで、インバータの駆動周波数fswに対する共振電流I1の周波数を任意の倍数に変化させてもよい。
本実施の形態ではインバータ2をフルブリッジ構成としたが、スイッチング素子Q1、Q2で構成されるアーム、又はスイッチング素子Q3、Q4で構成されるアームのどちらか一方をコンデンサに置き換えたハーフブリッジ構成としてもよい。また、図7の回路構成図のように、トランスの二次側にコッククロフト・ウォルトン回路を並列接続し、並列接続したコッククロフト・ウォルトン回路の出力の一端をX線管7の両端に接続した構成としてもよい。整流回路にコッククロフト・ウォルトン回路を用いることで、倍電圧整流回路を用いた場合と比べて管電圧の脈動は大きくなるが、回路構成を簡素化することができる。
(直列共振コンデンサ210を二次側に接続+トランス以降を並列化)
次に、本発明の第3の実施形態について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施例3によるX線高電圧装置の回路構成図である。このX線高電圧装置は、実施例1のX線高電圧装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ2と、共振インダクタ303a、303bと、トランス304a、304bと、共振コンデンサ310a、310bと、共振コンデンサ305a、305bと、整流回路306a、306bと、制御手段308で構成され、負荷であるX線管7へ直流の高電圧を供給する。共振回路103aは、共振インダクタ303aと、トランス304aと、共振コンデンサ310aと、共振コンデンサ305a、305bから構成され、共振回路103bは、共振インダクタ303bと、トランス304bと、共振コンデンサ310bと、共振コンデンサ305c、305dから構成される。
第2の実施形態と異なる点は、共振回路103aの直列共振コンデンサ310a、310bを、トランスの二次巻線と直列に接続した構成とした点と、トランス304aと、共振コンデンサ310aと、共振インダクタ303aと、共振コンデンサ305a、305bと、整流回路306aから構成される、高電圧発生部を複数備えた構成としている点である。本実施の形態では、トランス304a、304bの一次側を並列に接続し、整流回路306a、306bの出力部を直列に接続した構成としている。図8の回路構成図の動作に関しては、実施例2と同様な動作となるため説明を省略する。
以上、本実施の形態では、トランスを複数に分割して構成しているため、実施例2と比べてインバータからトランスへ供給される電流を分割することができ、トランスでの発熱を分散させることができる。また、直列共振コンデンサ310a、310bをトランスの二次側に接続した構成とすることで、実施例2と比べて直列共振コンデンサに電流容量が小さいコンデンサを用いることができる。なお、本実施の形態では、整流回路306a、306bに倍電圧整流回路を用いた構成としたが、コッククロフト・ウォルトン回路を用いた構成としてもよい。
インバータを多並列化+インタリーブ動作
次に、本発明の第4の実施形態について、図9、図10を用いて説明する。
図9は、本発明の実施例4によるX線高電圧装置の回路構成図である。このX線高電圧装置は、実施例2のX線高電圧装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ402aと、共振インダクタ403aと、共振コンデンサ410aと、トランス404aと、共振コンデンサ405a、405bと、整流回路406aで構成された高電圧回路420を介して、負荷であるX線管7へ直流の高電圧を供給する。実施例2と異なる点は、インバータ402bと、共振インダクタ403b、共振コンデンサ410b、トランス404b、共振コンデンサ405c、405d、整流回路406で構成された第2の高電圧回路421を備え、高電圧回路420、421の入力部となるインバータ402a、402bを並列接続し、高電圧回路420、421の出力部となる整流回路406a、406bの出力を直列接続した構成としている点である。また、高電圧回路420、421にはそれぞれ、トランス一次側にインバータから出力される共振電流I1、I21を検出する電流センサ411、412が接続されている。共振回路104aは、共振インダクタ403aと、共振コンデンサ410aと、トランス404aと、共振コンデンサ405a、405bから構成され、共振回路104bは、共振インダクタ403bと、共振コンデンサ410bと、トランス404bと、共振コンデンサ405c、405dから構成される。電圧センサ9と、電流センサ411、412は、制御手段408に接続されている。制御手段408は、各スイッチング素子Q1〜Q4、Q21〜Q24へのゲート信号G1〜G4、G21〜G24を生成し、インバータ402a、402bのインバータの駆動周波数fswやオン時間duty、インバータ402a、402bの位相差φなどを制御している。
次に、図10を用いて図9のX線高電圧装置の動作を説明する。図10は、図9の回路構成図の動作波形を示している。図10の動作では、インバータ402a、402bから供給する共振電流I1、I21の周波数fr1、fr2がインバータの駆動周波数fswの3倍となるように、共振インダクタ403a、403bと、共振コンデンサ410a、410bと、共振コンデンサ405aを〜405dとを設定した例を示す。図10の動作波形は、実施例2と同様な動作となるため、異なる点のみを説明する。本実施例では、インバータ402aとインバータ402bが位相差φ1を持つように動作させている。これにより、共振電流I1と共振電流I21の位相差をφ1とすることができ、整流回路406aと整流回路406bに印加される交流電圧Vc21、Vc23の位相差をφ1とすることができる。整流回路406a、406bに印加される交流電圧Vc21、Vc23に位相差φ1を持たせることで、平滑コンデンサCm1、Cm2の電圧リプルと、平滑コンデンサCm3、Cm4の電圧リプルを打ち消すことができため、管電圧Vxの脈動ΔVxを低減できる。この位相差φ1の決定方法を以下に示す。
一般的なインバータでは、共振電流の周波数f1がインバータの駆動周波数fswと同じとなるように動作させるため、インバータのスイッチング周期をTsw、インバータの台数をNとすると、管電圧Vxのリプルがおおむね最小となるインバータの位相差φ1の条件は(6)式となる。
φ1=Tsw/(2×N)・・・・・・式(6)
しかし、本発明のX線高電圧装置では、共振電流の周波数f1がインバータの駆動周波数fswの(自然数+1)倍となるように動作させるため、必ずしも前記式(6)の条件が出力電圧のリプルが最小となる条件にはならない。本実施の形態では、電流センサ420、421により共振電流I1、I21の周期T2を検出し、共振電流I1、I21の位相差φ2が(7)式の関係となるようにインバータの位相差φ1を制御することで、管電圧Vxの脈動ΔVxが最小となるようにインバータを制御することができる。ここで、式(7)中のNは、インバータの台数を示している。
φ1=T2/(2×N)・・・・・式(7)
以上、本実施の形態では、高電圧回路を複数備え、高電圧回路の入力を並列接続し、高電圧回路の出力を直列接続した構成とし、共振電流I1、I21の周期T2を検出し、検出した周期T2にもとづいてインバータの位相差φ1を制御することで、実施例2と比べて管電圧Vxの脈動ΔVxを低減することができる。なお、本実施の形態では、共振電流I1、I2の周期T2を検出し、インバータを制御しているが、これに限らない。電圧センサ9によって検出した管電圧Vxにもとづいて、管電圧Vxの脈動ΔVxが最も小さくなるようにインバータの位相差φ1を制御してもよい。
次に、本発明の第5の実施形態について、図11、図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施例5によるX線高電圧装置の回路構成図である。このX線高電圧装置は、実施例1のX線高電圧装置と同様に、直流電源1を電源とし、インバータ2と、トランス4を含む共振回路105と、整流回路6で構成され、負荷であるX線管7へ直流の高電圧を供給する。実施例1と異なる点は、直列接続された共振インダクタ503と共振コンデンサ510に、直列接続された共振インダクタ603と共振コンデンサ610を並列接続して共振回路105を構成している点である。共振インダクタ503と、共振コンデンサ510と、共振コンデンサ5は共振回路500を構成し、共振インダクタ603と、共振コンデンサ610と、共振コンデンサ5は共振回路600を構成する。本実施の形態では、共振回路600に流れる共振電流I4の周波数と、共振回路500に流れる共振電流I3の周波数が異なるように共振インダクタ503、603のインダクタンスと、共振コンデンサ510、610及び共振コンデンサ5の静電容量を設定する。
図12は、図11のX線高電圧装置の動作波形を示す図である。以下に、図12を用いて図11の動作を説明する。図12では、共振回路500に流れる共振電流I3の周波数が、インバータの駆動周波数fswの3倍となるように共振回路500を設定し、さらに、共振回路600に流れる共振電流I4の周波数が、共振回路500に流れる共振電流I3の周波数の3倍となるように共振回路600を設定した例を示す。以下、実施例1と異なる点について説明する。
インバータ2から共振回路105へ供給される共振電流I1は、共振回路500に供給される共振電流I3と、共振回路600に供給される共振電流I4の和となる。図12の動作では、共振電流I4は共振電流I3と比べて周波数が3倍高い電流となるため、共振電流I1は方形波状の電流波形となる。共振電流I1を方形波状とすることで、インバータに流れる電流のピークを抑制できる。
以上、本実施の形態では、直列接続された共振コンデンサ510と共振インダクタ503と並列に、直列接続された共振コンデンサ610と共振インダクタ603を接続した構成とすることで、インバータから共振回路へ供給する共振電流を方形波状の波形とすることができる。これにより、実施例1のように共振電流を正弦波状の波形としたときと比べて、電流のピーク値を抑制することができるため、X線高電圧装置の導通損失の低減を図ることができる。なお、本実施の形態では、共振回路600に流れる共振電流I4の周波数が、共振回路500に流れる共振電流I3の周波数の3倍となるように共振回路を設定したが、これに限らない。また、共振コンデンサと共振インダクタの直列接続体を3つ以上並列接続した構成としてもよい。並列接続数を増やすことで、インバータから供給する共振電流を、より方形波に近い電流波形とすることができる。
次に、本発明の第6の実施形態について、図13を用いて説明する。図13は本実施の形態の動作を示す波形図である。本実施の形態の回路構成は実施例1と同様の構成となるため省略する。以下、実施例1と異なる点について説明する。
本実施の形態では、フルブリッジ構成としたインバータ2の一方のスイッチングレッグのスイッチング素子Q3を常時オフ状態、スイッチング素子Q4を常時オン状態とし、他方のスイッチングレッグのスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2を交互にスイッチング動作させることで、インバータ2をハーフブリッジ動作させている。本方式では、直流電源1の電圧が同じであれば実施例1の図2に示すフルブリッジインバータとして動作させた場合と比べてインバータ2の出力電圧Vinvを2分の1とすることができる。これにより、幅広い負荷条件に対して優れた電力制御を実現することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、フルブリッジ構成としたインバータ回路をハーフブリッジ動作させることで、軽負荷時における優れた電力制御性を実現することが可能となる。
本実施の形態では、スイッチング素子Q1、Q2からなるスイッチングレッグをスイッチング動作させたが、スイッチング素子Q1を常時オフ状態、スイッチング素子Q2を常時オフ状態とし、スイッチング素子Q3及びスイッチング素子Q4を交互にスイッチング動作させても同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、第4の実施形態では、2つの高電圧回路を備えたX線高電圧装置について述べたが、3つ以上の高電圧回路を備えたX線高電圧装置であっても本発明を適用することは可能である。全ての実施形態において、直流電源をAC―DCコンバータ又はDC−DCコンバータの出力としても本発明を適用することは可能である。
本発明のX線高電圧装置は、X線CT装置やX線撮影装置などに用いられるX線管へ高電圧を供給する電源装置に適用できる。
1・・・直流電源
2,202,402a,402b・・・インバータ
3,203,303a,303b,403a,403b,503,603・・・共振インダクタ
4,204,304a,304b,404a,404b・・・トランス
5,205,205a,205b,305a,305b,305c,305d,405a,405b,405c,405d,210,310a,310b,310c,310d,410a,410b,510,610・・・共振コンデンサ
420,421・・・高電圧回路
6,206,206a,206b,306a,306b,406a,406b・・・整流回路
7・・・X線管
8,208,308,408・・・制御回路
9・・・電圧センサ
411,412・・・電流センサ
100,101,102,103a,103b,104a,104b,105,500,600・・・共振回路
Q1,Q2,Q3,Q4,Q21,Q22,Q23,Q24・・・スイッチング素子
D1,D2,D3,D4,D21,D22,D23,D24・・・ダイオード
Dr1,Dr2,Dr3,Dr4,Dr11,Dr12,Dr13,Dr14,Dr15,Dr16,Dr17,Dr18,Dr21,Dr22,Dr23,Dr24,Dr25,Dr27,Dr28・・・整流ダイオード
Cd1,Cd2,Cd3,Cd4,C21,Cd22,Cd23,Cd24・・・整流コンデンサ
Cm,Cm1,Cm2,Cm3,Cm4・・・平滑コンデンサ
C200,C201・・・コンデンサ
T1,T2,T31,T32,T41,T42・・・コア
N1,N11,N12・・・一次巻線
N2,N21,N22,N23,N24・・・二次巻線
N1,N11,N12,N13・・・一次巻線
N2,N21,N22,N23,N24・・・二次巻線

Claims (15)

  1. トランスと、
    直流電源と前記トランスの間に電気的に並列に接続されるとともに直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
    前記トランスとX線管との間に電気的に並列に接続されるとともに前記交流電圧を平滑してX線管へ直流電圧を供給する整流回路と、
    前記インバータを制御する制御部と、
    前記インバータと前記整流回路との間に電気的に設けられかつ前記トランスを含んで構成される共振回路と、を備えたX線高電圧装置において、
    前記インバータから前記共振回路へ供給する共振電流の周波数が、前記インバータを駆動する周波数の(自然数+1)倍となるように前記共振回路を設定することにより、前記整流回路に印加する交流電圧の周波数を、前記インバータを駆動する周波数の(自然数+1)倍とすることを特徴とするX線高電圧装置。
  2. 請求項1に記載されたX線高電圧装置であって、
    前記共振回路は、
    前記トランスの一次巻線又は二次巻線に直列接続された共振インダクタと、
    前記共振インダクタと前記整流回路との間に前記トランスの一次巻線又は二次巻線の端子間に並列接続された共振コンデンサと、
    を備えたことを特徴とするX線高電圧装置。
  3. 請求項2に記載されたX線高電圧装置であって、
    前記共振回路は、
    前記共振インダクタと直列接続された第2共振コンデンサを備えたことを特徴とするX線高電圧装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のX線高電圧装置であって、
    前記インバータ、前記共振回路、前記トランス、前記整流回路から構成される高電圧回路部を複数備え、
    前記複数の高電圧回路部は、入力部である前記インバータの入力端が直列接続又は並列接続され、出力部である前記整流回路の出力端が直列接続又は並列接続された構成であること特徴とするX線高電圧装置。
  5. 請求項4に記載されたX線高電圧装置であって、
    前記制御部は、前記インバータから前記共振回路へ供給される前記共振電流が前記複数の高電圧回路部間で位相差を持つように制御することを特徴とするX線高電圧装置。
  6. 請求項5に記載されたX線高電圧装置であって、
    前記インバータから前記共振回路へ供給される共振電流を検出する電流検出部を備え、
    前記高電圧回路部の数をNと定義した場合、前記制御部は、前記電流検出手段によって検出された共振電流の周期にもとづいて、前記共振電流の位相差がπ/(2×N)となるように、前記インバータを制御することを特徴とするX線高電圧装置。
  7. 請求項3に記載されたX線高電圧装置であって、
    前記共振回路は、前記共振インダクタと前記第2共振コンデンサで構成された直列共振回路と、前記直列共振回路の両端に並列接続され、第2共振インダクタと第3共振コンデンサを直列接続して構成された第2直列共振回路と、を備えるX線高電圧装置。
  8. 請求項7に記載されたX線高電圧装置であって、
    前記第2共振インダクタに流れる共振電流の周波数が、前記共振インダクタに流れる共振電流の周波数の(自然数+1)倍となるように、前記第2共振インダクタと前記第3共振コンデンサとを設定するX線高電圧装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のX線高電圧装置であって、
    前記インバータは、2個のスイッチング素子の直列体である上下アームを2組備えるフルブリッジ回路であることを特徴とするX線高電圧装置。
  10. 請求項9に記載されたX線高電圧装置であって
    前記インバータは、前記2組の上下アームのうち一方をスイッチング動作させ、他方の上下アームにおいては、一方のスイッチング素子が常にオンになり、他方のスイッチング素子が常にオフとなるように、前記2組の上下アームを動作することを特徴とするX線高電圧装置。
  11. 請求項1ないし8のいずれかに記載のX線高電圧装置であって、
    前記インバータは、2個のスイッチング素子の直列体である上下アームを1組備えるハーフブリッジ回路であることを特徴とするX線高電圧装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のX線高電圧装置であって、
    前記整流回路は、自然数であるn個の倍電圧整流回路を多段に直列接続又は並列接続して構成されたことを特徴とするX線高電圧装置。
  13. 請求項1ないし11のいずれかに記載のX線高電圧装置であって、
    前記整流回路は、自然数であるn個のコッククロフト・ウォルトン回路を多段に直列接続又は並列接続して構成されたことを特徴とするX線高電圧装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載のX線高電圧装置であって、
    前記インバータを駆動する周波数を変化させることで前記X線管へ供給する電圧を制御することを特徴とするX線高電圧装置。
  15. 請求項1ないし14のいずれか一項に記載のX線高電圧装置を備えたX線画像診断装置。
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