JP2016115515A - 点灯用直流電源および照明器具 - Google Patents
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Abstract
Description
LED素子を多数使用した照明器具では、従来のHIDランプを使用した照明器具に比べてランプの形状による構造の制約がなくなり、自由な形状の照明器具を実現できる。
本来、一個当たりの光出力が小さいというのがLED素子の特徴であるが、多数の素子を直並列により組み合わせて光出力を増大させたことで、従来のHIDランプからLEDランプへの置き換えが行われつつある。
このため、従来、回路効率の良い非絶縁型の直流電源(AC/DCコンバーター)が使用できず、フライバック・トランスを使用した絶縁型の直流電源を使用してきた。
本書で絶縁型の直流電源とは、入出力間が直流的に絶縁されている直流電源を指す。
特許文献1の図7が示す直流電源は、アクティブフィルタ120、ハーフ・ブリッジ回路130、この回路130の出力端のうちの高電位側に直列接続されたコンデンサC43、同回路130の出力端のうちのグラウンドレベル側に直列接続された結合コンデンサC42、および、直流電流変換回路150により構成されたものであって、フライバック・トランスおよびフォト・カプラーを使用していない。
さらに、特許文献1の直流電源は、コンデンサC42,C43の充放電に伴う高周波成分の多いパルス電流によるノイズを発生してしまう。このようなノイズを低減させるのは非常に困難である。
しかし、同文献2の直流電源は非絶縁型である。
また、同文献2の直流電源には、LED負荷が接続されているかどうかを判断するために負荷電流を検出するための電流検出抵抗28が、スイッチング素子9に直列に接続されている。この抵抗28に発生する電圧の検出値と基準電圧とを比較して、LED負荷の有無を判断している。ここで、電流検出抵抗28が正確な負荷電流を検出するためのものかどうかを説明する。同文献2の段落番号0025には、LEDの点灯周波数が数十kHzと説明があり、これはハーフ・ブリッジ回路3のスイッチング周波数と同じである。つまり、スイッチング周波数が比較的低い。そのため、同文献2の図5が示すように、スイッチング素子9のオン直後に抵抗28には逆方向の電圧、つまりマイナス電圧が発生し、オン期間でのプラス電圧に対するマイナス電圧の発生期間の割合も比較的大きい。従って、電流検出抵抗28では、LED負荷の有無を判断する程度であれば機能するが、正確な負荷電流を検出することができない。
図1に例示する点灯用直流電源は、商用交流電源からの電流を整流し、力率改善回路120により昇圧し直流に変換する。この昇圧電力をハーフ・ブリッジ回路130により高周波電流に変換し、商用周波数の交流に対して実質的に絶縁性を示すインピーダンス素子と呼べる小容量の絶縁コンデンサC4,C5を通す。高周波電流は小容量のコンデンサC4,C5を通された後、整流され直流に変換されてLED負荷に供給される。
絶縁コンデンサC4,C5について説明する。例えば、60Hz(ω=2π×60)の交流電源に対しては、1組の絶縁コンデンサC4,C5の個々の容量を7000pF(ピコ・ファラド)以下に定める。この容量は、LED素子と放熱器間の絶縁が破壊され、人が放熱器に接触した場合に、人を通じて大地に流れる交流電流の最大値が、人体に影響のない電流値である1mA以下となるようなコンデンサ素子の静電容量である。交流電流60Hz、200Vの場合、コンデンサ素子の容量性リアクタンス1/(ωC)は約0.2MΩとなる。このことから、個々の絶縁コンデンサC4,C5をpFオーダの小容量に設定するとよい。
また、負荷電流を取得するため、ハーフ・ブリッジ回路130の低電圧側のスイッチング素子Q3に電流検出抵抗R1を直列に接続して、スイッチング素子Q3のオン期間にQ3に流れる電流だけを検出するようにした。検出値に基づいてスイッチング周波数を調整し、LED負荷電流を制御する。
ここで、上記のように1組の絶縁コンデンサC4,C5の容量が小さいので、高電圧側のスイッチング素子Q2のオン期間に絶縁コンデンサC4,C5は飽和するので、その後はオン期間であっても電流が流れない。続いて、低電圧側のスイッチング素子Q3のオン期間には逆方向の電流が流れるが、同様に絶縁コンデンサC4,C5は逆方向の極性で飽和して、その後はオン期間であっても電流が流れない。従って、図3の電流波形が示すように、1回のオン期間における電流波形は1つの山になり、スイッチング素子Q2、Q3が交互にオンすることで正および負の電流波形が交互に発生する。そのため、電流検出抵抗R1が検出する電流値は、ちょうど負の電流波形の山の分に相当して、LED負荷電流のちょうど半分の値になる。このようにして、負荷電流値を正確に取得でき、負荷電流制御の信頼性が向上する。
また、スイッチング周波数を変化させても、隣り同士の正および負の電流波形が重なることはなく、周波数を高く(低く)すると電流波形の山の数が増加(減少)するだけである。負荷電流はこの山の数に比例するので、スイッチング周波数の調整による負荷電流制御の信頼性も上がる。
上記の図3の電流波形が示す通り、1回のオン期間における電流波形は1つの山になるから、スイッチング素子Q2,Q3に電流が流れていない状態でのオン・オフ切換が可能になる。よって、容易にゼロ電流スイッチングを実現できる。
以上のような構成により第一の目的を達成できる。
高周波ノイズの発生防止
低減させるのが困難な高周波ノイズの発生を防止するために、小容量の絶縁コンデンサC4,C5の少なくとも一方に直列にインピーダンス絶対値の小さいインダクタL2を挿入して、インダクタL2とコンデンサのLC直列接続を形成する。
このLC直列接続は、周波数特性を示し、スイッチング周波数に応じてインピーダンスが変化する。本発明では、LC直列接続に最大の負荷電流を流すとき、すなわち、最大のスイッチング周波数のときに、LC直列接続のインピーダンスが容量性になる(リアクトル分がマイナスになる)ように、インダクタンスLおよび静電容量Cを設定する。LC直列接続のインピーダンスをωL−(1/(ωC))で表すと、次の式(1)を満たすL,Cを設定することになる。
ωL−(1/(ωC))<0 ・・・(1)
ここで、ω=2πfMAX :fMAXはスイッチング周波数の最大値
この結果、LC直列接続はスイッチング周波数の調整範囲において常に容量性インピーダンスを示し、上記のオン期間における電流波形はスイッチング周波数に関わらず1つの山を形成する。従って、絶縁コンデンサにインダクタを接続した場合にも、正確な負荷電流の検出が可能で、ゼロ電流スイッチングを維持することができる。特に、インダクタL2のインピーダンス絶対値は、これと接続する絶縁コンデンサのインピーダンス絶対値の0.1倍以下にするのがよい。
外部からの交流電力を直流変換する交流−直流変換回路と、
前記交流−直流変換回路からの直流電力を受ける少なくとも2つのスイッチング素子を有し、前記少なくとも2つのスイッチング素子のうちの1つは高電圧側のスイッチング素子であり、他の1つは低電圧側のスイッチング素子であり、交互にオンオフすることで高周波電圧を出力するように設けられた高周波電圧生成回路と、
前記高周波電圧生成回路の高電圧側の出力端に直列に接続された第一の絶縁コンデンサと、
前記高周波電圧生成回路のグラウンドレベル側の出力端に直列に接続された第二の絶縁コンデンサと、
前記第一及び第二の絶縁コンデンサを介して前記高周波電圧生成回路の出力端に接続されており、前記第一及び第二の絶縁コンデンサに生じる高周波電流を直流化して、光源点灯用の負荷電流として出力する高周波電流変換回路と、
前記高周波電圧生成回路における前記低電圧側のスイッチング素子と前記グラウンドレベル側の出力端とを結んで、前記低電圧側のスイッチング素子に流れる高周波電流を検出する電流検出抵抗と、
前記電流検出回路の検出電流値に基づき前記高周波電圧生成回路の高周波スイッチング周波数を調整することにより、前記負荷電流を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする。
また、前記第一及び第二の絶縁コンデンサのうちの少なくとも一方の絶縁コンデンサに直列に接続されたインダクタを有し、前記一方の絶縁コンデンサ及び前記インダクタからなる直列接続回路のインピーダンスが容量性になるように前記一方の絶縁コンデンサの静電容量および前記インダクタのインダクタンスが設定されていることが好ましい。
さらには、前記インダクタのインピーダンス絶対値は、接続する前記一方の絶縁コンデンサのインピーダンス絶対値の0.1倍以下であることが好ましい。
また、前記第一及び第二の絶縁コンデンサは、セラミック・コンデンサであることが好ましい。
さらに、これらの効果に加え、一組の絶縁コンデンサのいずれか一方に、インピーダンス絶対値の小さいインダクタを直列に接続することによって、高周波成分の多いパルス電流によるノイズの発生を大幅に抑制することを同時に実現できる。
さらに、上記構成によれば、二つのコンデンサ素子として、温度上昇に弱い有機物を含む寿命要素のあるコンデンサを使用しないで、そのような寿命要素のないセラミック・コンデンサとすることで、点灯用直流電源の長寿命化を図ることができる。
変換回路110は、商用交流電源ACから供給される交流電圧を直流の脈流電圧に変換する整流回路(ダイオード・ブリッジDB1)と、力率改善回路(アクティブフィルタ回路120)と、高周波電圧生成回路(ハーフ・ブリッジ回路130)と、負荷電流検出回路140とから構成される。ここで、ダイオード・ブリッジDB1およびアクティブフィルタ回路120の組合せは、本発明の交流−直流変換回路に相当する。
アクティブフィルタ回路120は、ダイオード・ブリッジDB1が生成した脈流電圧を昇圧して直流電圧を生成する。アクティブフィルタ回路120は、平滑コンデンサC1、PFC、コイルL1、スイッチング素子Q1、整流素子D1および平滑コンデンサC2を有する。
平滑コンデンサC1は、ダイオード・ブリッジDB1が生成した電流の高周波成分(リプル)を平滑する。
PFCが、スイッチング素子Q1をオンオフするタイミングを調整することにより、点灯装置100の力率が改善される。なお、平滑コンデンサC2の陰極端子は、点灯装置100内の基準電位を有するグラウンド配線に電気接続している。
よって、これら小容量の絶縁コンデンサC4,C5にはpFオーダの容量の同じセラミック・コンデンサを使用するとよい。
本実施形態では、インダクタL2とコンデンサC4の接続点cを流れる電流をisで表し、インダクタL2からコンデンサC4への電流isの向きを正とする。
平滑コンデンサC6は、ダイオード・ブリッジDB2が生成した電流の高周波成分(リプル)を平滑して、LED負荷電流がほぼ一定となるようにする。
なお、ダイオード・ブリッジDB2は、高周波の周波数fに対して逆回復時間が十分短い高速型ダイオードなどを用いて構成する。
電圧比較部161は、電流検出回路140の積分回路からの電流検出電圧Vidを、所定の基準電圧Vrefと比較して、どちらが大きいかを判定する。
DB1 ダイオード・ブリッジ
DB2 ダイオード・ブリッジ
100 LEDランプ用直流電源
110 高周波電圧への変換回路
120 力率改善回路
130 高周波電圧発生回路
140 電流検出回路
150 直流への変換回路
160 制御回路
Claims (6)
- 外部からの交流電力を直流変換する交流−直流変換回路と、
前記交流−直流変換回路からの直流電力を受ける少なくとも2つのスイッチング素子を有し、前記少なくとも2つのスイッチング素子のうちの1つは高電圧側のスイッチング素子であり、他の1つは低電圧側のスイッチング素子であり、交互にオンオフすることで高周波電圧を出力するように設けられた高周波電圧生成回路と、
前記高周波電圧生成回路の高電圧側の出力端に直列に接続された第一の絶縁コンデンサと、
前記高周波電圧生成回路のグラウンドレベル側の出力端に直列に接続された第二の絶縁コンデンサと、
前記第一及び第二の絶縁コンデンサを介して前記高周波電圧生成回路の出力端に接続されており、前記第一及び第二の絶縁コンデンサに生じる高周波電流を直流化して、光源点灯用の負荷電流として出力する高周波電流変換回路と、
前記高周波電圧生成回路における前記低電圧側のスイッチング素子と前記グラウンドレベル側の出力端とを結んで、前記低電圧側のスイッチング素子に流れる高周波電流を検出する電流検出抵抗と、
前記電流検出回路の検出電流値に基づき前記高周波電圧生成回路の高周波スイッチング周波数を調整することにより、前記負荷電流を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする点灯用直流電源。 - 請求項1記載の点灯用直流電源において、
前記第一及び第二の絶縁コンデンサは、外部の交流電源に対して少なくとも0.1MΩ以上の絶縁抵抗を有する小容量コンデンサであることを特徴とする点灯用直流電源。 - 請求項1または2記載の点灯用直流電源において、
前記第一及び第二の絶縁コンデンサのうちの少なくとも一方の絶縁コンデンサに直列に接続されたインダクタを有し、前記一方の絶縁コンデンサ及び前記インダクタからなる直列接続回路のインピーダンスが容量性になるように前記一方の絶縁コンデンサの静電容量および前記インダクタのインダクタンスが設定されていることを特徴とする点灯用直流電源。 - 請求項3記載の点灯用直流電源において、
前記インダクタのインピーダンス絶対値は、接続する前記一方の絶縁コンデンサのインピーダンス絶対値の0.1倍以下であることを特徴とする点灯用直流電源。 - 請求項1から4のいずれかに記載の点灯用直流電源において、
前記第一及び第二の絶縁コンデンサは、セラミック・コンデンサであることを特徴とする点灯用直流電源。 - 直流電流により点灯する光源と、請求項1から5のいずれかに記載の点灯用直流電源と、を備えた照明器具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022052585A1 (zh) * | 2020-09-11 | 2022-03-17 | 苏州浪潮智能科技有限公司 | 一种动态调节输出电压的Buck电路及动态调节方法 |
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