JP2014079108A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力損失を低減して電源の変換効率を向上させることが可能な、双方向動作が可能なスイッチング電源装置を得る。
【解決手段】
第1の直流電圧から第2の直流電圧を生成する第1の動作モードと、第2の直流電圧から第1の直流電圧を生成する第2の動作モードとを有するスイッチング電源装置1であって、1次側巻線31と2次側巻線32A,32Bとを有するトランス30と、第1の動作モードにおいて、第1の直流電圧を交流電圧に変換する1次側スイッチング回路10と、第2の動作モードにおいて、第2の直流電圧を交流電圧に変換する2次側スイッチング回路20と、トランスの巻線に接続された共振インダクタLr1と、共振インダクタLr1とLC共振回路を構成する容量素子Cr11〜Cr14と、共振インダクタと並列に接続されたバイパス回路40を備える。
【選択図】図1
【解決手段】
第1の直流電圧から第2の直流電圧を生成する第1の動作モードと、第2の直流電圧から第1の直流電圧を生成する第2の動作モードとを有するスイッチング電源装置1であって、1次側巻線31と2次側巻線32A,32Bとを有するトランス30と、第1の動作モードにおいて、第1の直流電圧を交流電圧に変換する1次側スイッチング回路10と、第2の動作モードにおいて、第2の直流電圧を交流電圧に変換する2次側スイッチング回路20と、トランスの巻線に接続された共振インダクタLr1と、共振インダクタLr1とLC共振回路を構成する容量素子Cr11〜Cr14と、共振インダクタと並列に接続されたバイパス回路40を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチング電源装置に関する。特に、1次側に入力された電圧を変圧して2次側に伝送し出力する動作モードと、2次側に入力された電圧を変圧して1次側に伝送し出力する動作モードとを有する、双方向動作が可能なスイッチング電源装置に関する。
近年、パワーエレクトロニクス技術の進歩を背景に、様々な電力貯蔵装置が開発されている。電力貯蔵装置は、例えば太陽光発電や風力発電などで発電した自然エネルギーの余剰分を、一旦、バッテリや電気二重層コンデンサなどの蓄電デバイスに蓄積(充電)し、必要なときに、その蓄積されたエネルギーを放電して利用する用途などに用いられるものである。このような電力貯蔵装置には、一般に、電力の充放電を制御するコンバータやインバータ(スイッチング電源装置)が搭載されている。
従来、このようなコンバータは、充電用および放電用をそれぞれ別にした2つの回路網から構成され、それらを切り換えることにより使用されてきた。しかし、近年、小型化や軽量化に対する要求から、充電と放電とを1つの回路網で実現可能なコンバータ(双方向コンバータ)が提案されている。例えば、特許文献1には、1次側に設けられたフルブリッジ回路と2次側に設けられたプッシュプル回路とから構成されたスイッチング電源装置が提案されている。このスイッチング電源装置では、順方向動作モード(第1の動作モード)において、フルブリッジ回路が1次側に入力された直流電圧を一旦交流電圧に変換し、トランスがその交流電圧を降圧し、プッシュプル回路が整流回路として機能することによりその交流電圧を整流し、インダクタを含んで構成された平滑回路がその電圧を平滑化して直流電圧を生成し、2次側に接続されたバッテリを充電する。一方、逆方向動作モード(第2の動作モード)においても、順方向動作と同様に、プッシュプル回路が2次側に入力された直流電圧を一旦交流電圧に変換し、トランスがその交流電圧を昇圧し、フルブリッジ回路が整流回路として機能することによりその交流電圧を直流電圧に変換し、1次側に放電するように動作する。
ところで、このような双方向コンバータにおいては、太陽光発電や風力発電などで発電したエネルギーを有効に活用するため、順方向動作モードにおいても逆方向動作モードにおいてもその変換効率を向上させることが求められている。
そのため、例えば、特許文献1にある様に、フルブリッジ回路とトランスとの間に共振インダクタを設け、これによるLC共振動作を利用してZVS(Zero Voltage Switching)動作を実現させることにより、順方向動作モードにおけるスイッチング損失の低減を図るという技術がある。
しかしながら、特許文献1の技術では、双方向コンバータに共振インダクタが設けられることにより順方向動作モードにおけるスイッチング電源装置の変換効率は改善するものの、逆方向動作モードにおいて、共振インダクタに交流電流が流れることによる損失を生じ、逆方向動作におけるスイッチング電源装置の変換効率が低下するおそれがある。
また、例えば、逆方向動作モードにおける変換効率の改善のため共振インダクタを設けた場合には、逆方向動作モードでの変換効率は改善するものの、共振インダクタに交流電流が流れることによる損失を生じ、順方向動作モードでは変換効率は低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、電力損失を低減して電源の変換効率を向上させることが可能な、双方向動作が可能なスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
本発明に係るスイッチング電源装置は、供給された第1の直流電圧から第2の直流電圧を生成する第1の動作モードと、供給された第2の直流電圧から第1の直流電圧を生成する第2の動作モードとを有するものであり、1次側巻線と2次側巻線とを有するトランスと、1次側巻線に接続され、第1の動作モードにおいて、スイッチング動作により第1の直流電圧を交流電圧に変換する第1のスイッチング回路と、2次側巻線に接続され、第2の動作モードにおいて、スイッチング動作により第2の直流電圧を交流電圧に変換する第2のスイッチング回路と、トランスに接続された共振インダクタと、共振インダクタとLC共振回路を構成する容量素子と、前記共振インダクタを迂回するためのバイパス回路と、を備える。
このスイッチング電源装置によれば、バイパス回路を設けたことにより、第1の動作モードにおいては、共振インダクタがLC共振回路を構成するために、第1の動作モードにおいて、スイッチング動作をする第1のスイッチング回路のスイッチング損失を低減できる。そして、第2の動作モードにおいて、共振インダクタに流れる電流をバイパス回路により迂回させることができるため、共振インダクタに交流電流が流れることに起因する電力損失を低減することができる。従って、電源の変換効率を向上させることができる。
本発明に係るスイッチング電源装置は、バイパス回路に含まれるバイパススイッチと、バイパススイッチをオン・オフ制御する制御部と、を備える。
また、本発明に係るスイッチング電源装置の制御部は、第1の動作モードでは、LC共振回路を構成するように前記バイパススイッチをオン・オフ制御し、第2の動作モードでは、共振インダクタを迂回するように前記バイパススイッチをオン・オフ制御する。
また、本発明に係るスイッチング電源装置のバイパススイッチは共振インダクタに並列に接続され、制御部は、第1の動作モードでは、バイパススイッチがオフ状態となるようにオン・オフ制御し、第2の動作モードでは、バイパススイッチがオン状態となるようにオン・オフ制御してもよい。
また、本発明に係るスイッチング電源装置は、共振インダクタと直列に接続されるとともにバイパススイッチに並列に接続される切り替えスイッチを更に備え、制御部は、第1の動作モードでは、切り替えスイッチがオン状態となるようにオン・オフ制御し、第2の動作モードでは、切り替えスイッチがオフ状態となるようにオン・オフ制御してもよい。
また、本発明に係るスイッチング電源装置の容量素子は、スイッチング回路とトランスとの間に接続され、バイパス回路は、容量素子と共に共振インダクタを迂回してもよい。
また、本発明に係るスイッチング電源装置は、2次側巻線に接続され、第1の動作モードにおいて、第2の直流電圧を生成するための平滑回路を構成する平滑用インダクタを更に備え、2次側巻線は、第1および第2の2次側巻線を含み、第2のスイッチング回路は、第1および第2のスイッチング素子を含み、第1の2次側巻線の一端および第2の2次側巻線の一端は、互いに接続されるとともに平滑用インダクタに接続され、第1の2次側巻線の他端は第1のスイッチング素子の一端に接続され、第2の2次側巻線の他端は第2のスイッチング素子の一端に接続され、前記第1のスイッチング素子の他端および前記第2のスイッチング素子の他端は、互いに接続されている。
また、本発明に係るスイッチング電源装置の制御部は、第1の動作モードにおいて、第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子が共にオンとなる第1の期間と、第1のスイッチング素子または第2のスイッチング素子のいずれかのスイッチング素子みがオンとなる第2の期間とを交互に繰り返すようにオン・オフ制御し、更に、制御部は、少なくとも第1の期間において、共振インダクタを迂回するように前記バイパススイッチをオン・オフ制御する。
本発明のスイッチング電源装置によれば、電力損失を低減して電源の変換効率を向上さることが可能な、双方向動作が可能なスイッチング電源装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の一構成例を表すものである。スイッチング電源装置1は、双方向動作が可能な電源装置である。すなわち、スイッチング電源装置1は、例えば、端子(入出力端子)T1,T2に接続された外部電源から直流電圧VHが入力された場合には、その電圧を降圧することにより直流電圧VLを生成し、端子(入出力端子)T3,T4を介して、接続されたバッテリBLへ供給する(以下、第1の動作モード、もしくは順方向動作モードという)。また、スイッチング電源装置1は、例えば、端子T1,T2に接続された負荷に電力を供給する場合には、バッテリBLから供給された直流電圧VLを昇圧することにより直流電圧VHを生成し、端子T1,T2を介して、その負荷を駆動する(以下、第2の動作モード、もしくは逆方向動作モードという)。なお、この例では、直流電圧VHは350V程度の電圧、直流電圧VLは42V程度の電圧であり、トランスの巻線比は、1次側巻数をnp,2次側巻数をnsとすると、np:ns=6:1である。ただし、直流電圧VH,VL及び巻数np,nsは、この値に限定されるものではなく、直流電圧VHが直流電圧(np/ns)×VLより高いものであればどのような値であってもよい。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の一構成例を表すものである。スイッチング電源装置1は、双方向動作が可能な電源装置である。すなわち、スイッチング電源装置1は、例えば、端子(入出力端子)T1,T2に接続された外部電源から直流電圧VHが入力された場合には、その電圧を降圧することにより直流電圧VLを生成し、端子(入出力端子)T3,T4を介して、接続されたバッテリBLへ供給する(以下、第1の動作モード、もしくは順方向動作モードという)。また、スイッチング電源装置1は、例えば、端子T1,T2に接続された負荷に電力を供給する場合には、バッテリBLから供給された直流電圧VLを昇圧することにより直流電圧VHを生成し、端子T1,T2を介して、その負荷を駆動する(以下、第2の動作モード、もしくは逆方向動作モードという)。なお、この例では、直流電圧VHは350V程度の電圧、直流電圧VLは42V程度の電圧であり、トランスの巻線比は、1次側巻数をnp,2次側巻数をnsとすると、np:ns=6:1である。ただし、直流電圧VH,VL及び巻数np,nsは、この値に限定されるものではなく、直流電圧VHが直流電圧(np/ns)×VLより高いものであればどのような値であってもよい。
このスイッチング電源装置1は、平滑コンデンサCHと、スイッチング回路10,20と、トランス30と、インダクタLchと、平滑コンデンサCLと、共振インダクタLr1と、共振用の容量素子またはスイッチング素子の寄生容量成分Cr11〜Cr14と、バイパス回路40と、制御部73と、SW駆動部74とを備えている。
平滑コンデンサCHは、端子T1に接続された1次側高圧ラインL1Hと端子T2に接続された1次側低圧ラインL1Lとの間に配置されており、外部から端子T1,T2間に入力された電圧を平滑化するためのものである。
スイッチング回路10は、第1の動作モードでは、外部から供給される直流電圧VHを交流電圧に変換するフルブリッジ型のスイッチング回路として機能し、第2の動作モードでは、トランス30から供給される交流電圧を整流する整流回路として機能するものである。このスイッチング回路10は、スイッチング素子SW11〜SW14と、容量素子Cr11〜Cr14とを有している。
スイッチング素子SW11〜SW14は、例えば、MOS−FET(Metal Oxide Semi
conductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が使用可能である。この例では、スイッチング素子SW11〜SW14は、全てNチャネルのMOS−FETにより構成されている。スイッチング素子SW11のゲートにはSW制御信号S11が供給され、ソースがスイッチング素子SW12のドレインに接続され、ドレインが1次側高圧ラインL1Hに接続されている。また、スイッチング素子SW12のゲートにはSW制御信号S12が供給され、ソースが1次側低圧ラインL1Lに接続され、ドレインがスイッチング素子SW11のソースに接続されている。また、スイッチング素子SW13のゲートにはSW制御信号S13が供給され、ソースがスイッチング素子SW14のドレインに接続され、ドレインが1次側高圧ラインL1Hに接続されている。また、スイッチング素子SW14のゲートにはSW制御信号S14が供給され、ソースが1次側低圧ラインL1Lに接続され、ドレインがスイッチング素子SW13のソースに接続されている。また、スイッチング素子SW11のソースおよびスイッチング素子SW12のドレインは、後述する共振インダクタLr1を介して後述するトランス30の1次側巻線31(後述)の一端に接続されている。また、スイッチング素子SW13のソースおよびスイッチング素子SW14のドレインは、この1次側巻線31(後述)の他端に接続されている。スイッチング素子SW11〜SW14は、この例では、それぞれボディダイオード(後述するダイオードD11〜D14)を有している。ボディダイオードは、アノードがスイッチング素子のソースに接続され、カソードがスイッチング素子のドレインに接続されている。
conductor−Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が使用可能である。この例では、スイッチング素子SW11〜SW14は、全てNチャネルのMOS−FETにより構成されている。スイッチング素子SW11のゲートにはSW制御信号S11が供給され、ソースがスイッチング素子SW12のドレインに接続され、ドレインが1次側高圧ラインL1Hに接続されている。また、スイッチング素子SW12のゲートにはSW制御信号S12が供給され、ソースが1次側低圧ラインL1Lに接続され、ドレインがスイッチング素子SW11のソースに接続されている。また、スイッチング素子SW13のゲートにはSW制御信号S13が供給され、ソースがスイッチング素子SW14のドレインに接続され、ドレインが1次側高圧ラインL1Hに接続されている。また、スイッチング素子SW14のゲートにはSW制御信号S14が供給され、ソースが1次側低圧ラインL1Lに接続され、ドレインがスイッチング素子SW13のソースに接続されている。また、スイッチング素子SW11のソースおよびスイッチング素子SW12のドレインは、後述する共振インダクタLr1を介して後述するトランス30の1次側巻線31(後述)の一端に接続されている。また、スイッチング素子SW13のソースおよびスイッチング素子SW14のドレインは、この1次側巻線31(後述)の他端に接続されている。スイッチング素子SW11〜SW14は、この例では、それぞれボディダイオード(後述するダイオードD11〜D14)を有している。ボディダイオードは、アノードがスイッチング素子のソースに接続され、カソードがスイッチング素子のドレインに接続されている。
容量素子Cr11〜Cr14は、スイッチング素子SW11〜SW14のドレイン・ソース間にそれぞれ挿入されている。具体的には、容量素子Cr11は、スイッチング素子SW11のドレイン・ソース間に挿入され、容量素子Cr12は、スイッチング素子SW12のドレイン・ソース間に挿入され、容量素子Cr13は、スイッチング素子SW13のドレイン・ソース間に挿入され、容量素子Cr14は、スイッチング素子SW14のドレイン・ソース間に挿入されている。容量素子Cr11〜Cr14は、後述する共振インダクタLr1およびトランス30のリーケージインダクタとで部分共振回路を形成するためのものである。言い換えると、スイッチング回路10に含まれる容量素子Cr11〜Cr14と、共振用インダクタLr1およびトランス30のリーケージインダクタとにより部分共振回路が形成される。すなわち、スイッチング回路10に含まれる容量素子Cr11〜Cr14と、共振インダクタLr1とを含むLC共振回路が形成される。
この構成により、スイッチング回路10では、第1の動作モードでは、SW駆動部74(後述)から供給されるSW制御信号S11〜S14に応じてスイッチング素子SW11〜SW14をオン・オフ制御することにより、外部から供給される直流電圧VHを交流電圧に変換する。このとき、容量素子Cr11〜Cr14、共振インダクタLr1、およびトランス30のリーケージインダクタからなる部分共振回路により、いわゆるZVS(Zero
Voltage Switching)動作を実現することができ、スイッチング損失の低減により高効率化を図ることができる。また、第2の動作モードでは、スイッチング素子SW11〜SW14をオフ状態に設定し、ボディダイオードを整流素子として用いることにより、トランス30から供給される交流電圧を整流するようになっている。
Voltage Switching)動作を実現することができ、スイッチング損失の低減により高効率化を図ることができる。また、第2の動作モードでは、スイッチング素子SW11〜SW14をオフ状態に設定し、ボディダイオードを整流素子として用いることにより、トランス30から供給される交流電圧を整流するようになっている。
スイッチング回路10とトランス30の間には共振インダクタLr1が挿入されている。共振インダクタLr1は、容量素子Cr11〜Cr14、およびトランス30のリーケージインダクタと共に所定のLC共振回路を構成するためのものである。
バイパス回路40は、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1に流れる電流を迂回させるための回路である。バイパス回路40はバイパススイッチSW70を含む。バイパススイッチSW70は例えばリレーを含む機械スイッチにより構成される。バイパススイッチSW70の一端は、共振インダクタの一端とトランス30の1次側巻線30との間に接続され、バイパススイッチSW70の他端は、共振インダクタの他端とスイッチング素子SW12のドレインとの間に接続されている。すなわち、バイパススイッチSW70は共振インダクタLr1と並列に接続される。言い換えるとバイパス回路40は、バイパススイッチSW70により共振インダクタLr1の一端と他端とを短絡可能するための短絡回路として機能する。バイパススイッチ70は双方向スイッチで構成され、SW駆動部74(後述)から供給されるSW制御信号S70に応じてオン・オフ制御される。
スイッチング回路20は、第2の動作モードでは、バッテリBLから供給される直流電圧VLを交流電圧に変換するプッシュプル型のスイッチング回路として機能し、第1の動作モードでは、トランス30から供給される交流電圧を整流する整流回路として機能するものである。このスイッチング回路20は、スイッチング素子SW21,SW22を有している。
スイッチング素子SW21,SW22は、スイッチング回路10のスイッチング素子SW11〜SW14と同様に、例えば、MOS−FETやIGBTなどの素子が使用可能である。この例では、スイッチング素子SW21,SW22は、NチャネルのMOS−FETにより構成されている。スイッチング素子SW21のゲートにはSW制御信号S21が供給され、ソースが2次側低圧ラインL2Lに接続され、ドレインがトランス30の2次側巻線32B(後述)の一端に接続されている。また、スイッチング素子SW22のゲートにはSW制御信号S22が供給され、ソースが2次側低圧ラインL2Lに接続され、ドレインがトランス30の2次側巻線32A(後述)の一端に接続されている。スイッチング素子SW21,SW22は、この例では、それぞれボディダイオード(後述するダイオードD21,D22)を有している。ボディダイオードは、アノードがスイッチング素子のソースに接続され、カソードがスイッチング素子のドレインに接続されている。
この構成により、スイッチング回路20では、第2の動作モードでは、SW駆動部74(後述)から供給されるSW制御信号S21,S22に応じてスイッチング素子SW21,SW22をオン・オフ制御することにより、バッテリBLから供給される直流電圧VLを交流電圧に変換する。また、第1の動作モードでは、スイッチング素子SW21,SW22をオフ状態に設定し、ボディダイオードを整流素子として用いることにより、トランス30から供給される交流電圧を整流するようになっている。
トランス30は、1次側と2次側とを直流的に絶縁するとともに交流的に接続するものであり、1次側巻線31および2次側巻線32A,32Bを含んで構成された3巻線型のトランスである。1次側巻線31は、上述したようにスイッチング回路10に接続されている。また、2次側巻線32Aの一端は、スイッチング回路20のスイッチング素子SW22のドレインに接続され、2次側巻線32Bの一端は、スイッチング回路20のスイッチング素子SW21のドレインに接続されている。そして、2次側巻線32A,32Bの他端同士はセンタータップCTで互いに接続され、さらに2次側高圧ラインL2に接続されている。
この構成により、トランス30は、第1の動作モードでは、1次側巻線31の両端間に供給された交流電圧をns/np倍に変圧(降圧)し、2次側巻線32A,32Bから出力するようになっている。また、第2の動作モードでは、トランス30は、2次側巻線32A,32Bに供給された交流電圧をnp/ns倍に変圧(昇圧)し、1次側巻線31から出力するようになっている。
インダクタLchは、2次側高圧ラインL2と2次側高圧ラインL2Hとの間に挿入配置されており、その一端はトランス30のセンタータップCTに接続され、他端は端子T3に接続されている。
平滑コンデンサCLは、端子T3に接続された2次側高圧ラインL2Hと端子T4に接続された2次側低圧ラインL2Lとの間に配置されている。
この構成により、インダクタLchおよび平滑コンデンサCLは、第1の動作モードでは、トランス30およびスイッチング回路20から供給された電圧を平滑化する平滑回路(低域通過フィルタLPF:Low Pass Filter)として機能する。すなわち、インダクタLchは、チョークコイルとして機能する。一方、第2の動作モードでは、平滑コンデンサCLは、バッテリBLから端子T3,T4間に供給された電圧VLを平滑化し、インダクタLchは、スイッチング回路20のスイッチング動作に基づいてエネルギーを蓄積し、その電圧VLを昇圧して、トランス30の2次側巻線32A,32Bに供給するようになっている。
制御部73は、第1の動作モードにおいては端子T3,T4間の電圧VLが所定の電圧を保つように、そして、第2の動作モードにおいては端子T1,T2間の電圧VHが所定の電圧を保つように、スイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22を制御するための指示をSW駆動部74に対して供給するものである。また、制御部73は、第2の動作モードにおいて、バイパス回路40のバイパススイッチSW70がオン状態になるように、SW駆動部74に対して指示する機能も有している。
SW駆動部74は、制御部73からの指示に基づいて、SW制御信号S11〜S14を生成してスイッチング素子SW11〜SW14に対して供給し、SW制御信号S21,S22を生成してスイッチング素子SW21,SW22に対して供給し、SW制御信号S70を生成してバイパス回路40のバイパススイッチSW70に対して供給することにより、これらをオン・オフ制御するように駆動するものである。
スイッチング電源装置1では、端子T1,T2間の電圧VHを検出するために、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとの間に電圧検出回路71が挿入されている。また、端子T3,T4間の電圧VLを検出するために、2次側高圧ラインL2Hと2次側低圧ラインL2Lとの間に電圧検出回路72が挿入されている。
この構成により、制御部73は、電圧検出回路71,72における検出結果に基づいてSW駆動部74に対して指示を行い、SW駆動部74が制御部73からの指示に基づいてスイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22,SW70を駆動するようになっている。
ここで、直流電圧VHは、本発明における「第1の直流電圧」の一具体例に対応する。直流電圧VLは、本発明における「第2の直流電圧」の一具体例に対応する。スイッチング回路10は、本発明における「1次側スイッチング回路」の一具体例に対応する。スイッチング回路20は、本発明における「2次側スイッチング回路」の一具体例に対応する。共振インダクタLr1は、本発明における「共振インダクタ」の一具体例に対応する。バイパス回路40は、本発明における「バイパス回路」一具体例に対応する。トランスの1次側巻線31は、本発明における「第1の巻線」の一具体例に対応する。トランスの2次側巻線32A,32Bは、本発明における「第2の巻線」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のスイッチング電源装置1の動作および作用について説明する。
続いて、本実施の形態のスイッチング電源装置1の動作および作用について説明する。
(第1の動作モードにおける動作)
まず、最初に図1を参照して、第1の動作モード(順方向動作モード)におけるスイッチング電源装置1の動作を説明する。
まず、最初に図1を参照して、第1の動作モード(順方向動作モード)におけるスイッチング電源装置1の動作を説明する。
第1の動作モードでは、スイッチング電源装置1は、外部電源BHから端子T1,T2に供給された直流電圧VHを降圧し、その降圧した直流電圧VLを端子T3,T4から出力し、接続されたバッテリBLを充電する。
具体的には、スイッチング回路10は、スイッチング素子SW11〜SW14をスイッチングすることにより、直流電圧VHを交流電圧に変換し、トランス30の1次側巻線31の両端間に供給する。そしてトランス30は、この交流電圧をns/np倍に変圧(降圧)し、2次側巻線32A,32Bから変圧された交流電圧を出力する。スイッチング回路20は、第1の動作モードにおいては整流回路として機能し、この交流電圧を整流する。インダクタLchおよび平滑コンデンサCLは、第1の動作モードにおいては平滑回路として機能し、この整流された信号を平滑化し、直流電圧VLを生成する。
図2は、第1の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の動作を表すものであり、(A)〜(D)はSW制御信号S11〜S14の波形をそれぞれ示し、(E),(F)はSW制御信号S21,S22の波形を示し、(G)はSW制御信号S70の波形を示す。この例では、スイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22,SW70は、そのゲートに印加されたSW制御信号S11〜S14,S21,S22,S70が高レベルの時にオン状態となり、低レベルの時にオフ状態になるものである。
第1の動作モードでは、SW駆動部74は、周期的なSW制御信号S11〜S14を生成し、スイッチング素子SW11〜SW14にそれぞれ供給する(図2(A)〜(D))。また、SW駆動部74は、低レベルに固定されたSW制御信号S21,S22,S70を生成し、スイッチング素子SW21,SW22およびバイパス回路40のバイパススイッチSW70にそれぞれ供給する(図2(E),(F),(G))。
図2に示したように、SW駆動部74は、SW制御信号S11,S12を、同時に高レベルにならないように生成する(図2(A),(B))。このため、スイッチング素子SW11,SW12は、同時にオン状態になることはない。同様に、SW駆動部74は、SW制御信号S13,S14を、同時に高レベルにならないように生成する(図2(C),(D))。このため、スイッチング素子SW13,SW14は、同時にオン状態になることはない。つまり、スイッチング電源装置1では、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとが電気的に短絡しないようになっている。このように、1次側高圧ラインL1Hと1次側低圧ラインL1Lとが電気的に短絡するのを回避するためにとられる時間的間隔は、デッドタイムTdと称される。
また、図2に示したように、SW駆動部74は、SW制御信号S11,S14を、同時に高レベルになる期間T11を有するように生成する(図2(A),(D))。同様に、SW駆動部74は、SW制御信号S12,S13を、同時に高レベルになる期間T12を有するように生成する(図2(B),(C))。
図3,4は、第1の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の動作を表すものであり、図3は、期間T11における動作を示し、図4は、期間T12における動作を示す。図3,4において、ダイオードD11〜D14,D21,D22は、スイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22のボディダイオードにそれぞれ対応する。なお、これらの図では、説明の便宜上、スイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22,SW23を、その動作状態(オン状態もしくはオフ状態)を表すスイッチの形状で示す。また、説明の便宜上、その説明に直接必要のない回路ブロックや素子などについては、適宜図示を省略する。
期間T11では、図2(A)〜(D)に示したように、スイッチング回路10のスイッチング素子SW11,SW14がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW12,SW13がオフ状態になる。これにより、スイッチング電源装置1の1次側では、図3に示したように、スイッチング素子SW11、共振インダクタLr1、トランス30の1次側巻線31、スイッチング素子SW14、外部電源VHおよび平滑コンデンサCHを順に通る、1次側ループ電流Ia11が流れる。一方、2次側では、ダイオードD21、トランス30の2次側巻線32B、インダクタLch、バッテリBLおよび平滑コンデンサCLを順に通る2次側ループ電流Ia21が流れる。
一方、期間T12では、図2(A)〜(D)に示したように、スイッチング回路10のスイッチング素子SW12,SW13がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW11,SW14がオフ状態になる。これにより、スイッチング電源装置1の一次側では、図4に示したように、スイッチング素子SW13、トランス30の1次側巻線31、共振インダクタLr1、スイッチング素子SW12、外部電源VHおよび平滑コンデンサCHを順に通る、1次側ループ電流Ia12が流れる。一方、2次側では、ダイオードD22、トランス30の2次側巻線32A、インダクタLch、バッテリBLおよび平滑コンデンサCLを順に通る2次側ループ電流Ia22が流れる。
このように、スイッチング電源装置1では、期間T11,T12において、2次側ループ電流Ia21,Ia22が流れる。この期間T11,T12の長さは、図2に示したように、SW制御信号S11,S14間の位相差φ、およびSW制御信号S12,S13間の位相差φにより制御される。すなわち、例えば、位相差φが小さくなると、期間T11,T12の長さが長くなり、2次側ループ電流Ia21,Ia22が流れる時間が長くなるため、この第1の動作モードにおいて生成される電圧VLが高くなる。制御部73は、電圧検出回路72において検出された電圧VLに基づいて、電圧VLが所定の電圧を保つように、この位相差φを制御する。
第1の動作モードでは、SW駆動部74は、低レベルに固定されたSW制御信号S70を常に生成してバイパススイッチSW70に供給するため、バイパススイッチSW70はオフ状態になる。このため、容量素子Cr11〜Cr14、共振インダクタLr1、およびトランス30のリーケージインダクタからなるLC共振回路が形成される。従って、ZVS動作を実現可能とすることができ、スイッチング損失の低減を図ることができる。
(第2の動作モードにおける動作)
次に、図1を参照して、第2の動作モード(逆方向動作モード)におけるスイッチング電源装置1の動作を説明する。
次に、図1を参照して、第2の動作モード(逆方向動作モード)におけるスイッチング電源装置1の動作を説明する。
第2の動作モードでは、スイッチング電源装置1は、バッテリBLから端子T3,T4に供給された直流電圧VLを昇圧し、その昇圧した直流電圧VHを端子T1,T2から出力し、接続された負荷Lを駆動する。
具体的には、スイッチング回路20は、スイッチング素子SW21,SW22をスイッチングすることにより、直流電圧VLを交流電圧に変換する。その際、インダクタLchは、この交流電圧を昇圧し、トランス30の2次側巻線32A,32BのセンタータップCTに供給する。そしてトランス30は、この交流電圧をnp/ns倍に変圧(昇圧)し、1次側巻線31から変圧された交流電圧を出力する。スイッチング回路10は、第2の動作モードにおいては整流回路として機能し、この交流電圧を整流する。平滑コンデンサCHは、この整流された信号を平滑化し、直流電圧VHを生成する。
図5は、第2の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の動作を表すものであり、(E),(F)はSW制御信号S21,S22の波形をそれぞれ示し、(G)はSW制御信号S70の波形を示し、(A)〜(D)はSW制御信号S11〜S14の波形を示し、(H)はトランス30の2次側巻線32A,32Bの電圧V32B−V32Aの波形を示し、(I)はトランス30の1次側巻線31の電圧V31の波形を示し、(J)はインダクタLchを流れる電流の波形を示す。
第2の動作モードでは、SW駆動部74は、周期的なSW制御信号S21,S22を生成し、スイッチング素子SW21,SW22にそれぞれ供給する(図5(E),(F))。また、SW駆動部74は、低レベルに固定されたSW制御信号S11〜S14を生成し、スイッチング素子SW11〜SW14にそれぞれ供給する(図5(A)〜(D))。また、高レベルに固定されたSW制御信号S70をバイパス回路40のバイパススイッチSW70に供給する。
図5に示したように、SW駆動部74は、SW制御信号S21,S22を、交互に高レベルになるように生成する。その際、SW駆動部74は、SW制御信号S21,S22を、同時に高レベルになる期間を有するように生成する。具体的には、SW駆動部74は、SW制御信号S21,S22が同時に高レベルになる期間T21と、SW制御信号S21が高レベルになるとともにSW制御信号S22が低レベルになる期間T22と、期間T21と、SW制御信号S21が低レベルになるとともにSW制御信号S22が高レベルになる期間T23とが巡回するように、SW制御信号S21,S22を生成する。
図6〜8は、第2の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の動作を表すものであり、図6は、期間T21における動作を示し、図7は、期間T22における動作を示し、図8は、期間T23における動作を示す。図6〜8において、トランス30の各端子間電圧V31,V32A,V32Bの方向を矢印で示す。
期間T21では、図5(E),(F)に示したように、スイッチング回路20のスイッチング素子SW21,SW22は同時にオン状態となる。これにより、スイッチング電源装置1の2次側では、図6に示したように、インダクタLch、トランス30の2次側巻線32B、スイッチング素子SW21、バッテリBLおよび平滑コンデンサCLを順に通る、2次側ループ電流Ib21が流れるとともに、インダクタLch、トランス30の2次側巻線32A、スイッチング素子SW22、バッテリBLおよび平滑コンデンサCLを順に通る、2次側ループ電流Ib22が流れる。このとき、トランス30の2次側巻線32A,32Bでは、2次側ループ電流Ib21により生成される磁界と2次側ループ電流Ib22により生成される磁界とが互いに打ち消し合うため、1次側に電流を誘起せず、よって、インダクタLchから見たトランス30のインピーダンス(負荷)はほぼゼロとなる。このようにして、期間T21において、インダクタLchには、2次側ループ電流Ib21,Ib22が流れ(図5(J))、これらに基づいてエネルギーが蓄積されることとなる。
期間T22では、図5(E),(F)に示したように、スイッチング回路20のスイッチング素子SW21がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW22がオフ状態になる。これにより、スイッチング電源装置1の2次側では、図7に示したように、インダクタLch、トランス30の2次側巻線32B、スイッチング素子SW21、バッテリBLおよび平滑コンデンサCLを順に通る、2次側ループ電流Ib21が流れる。このとき、2次側巻線32Bの両端電圧V32Bは、バッテリBLの電圧VLに、この期間T22に先立つ期間T21においてインダクタLchに蓄積されたエネルギーに基づく電圧ΔVを加えたもの(VL+ΔV)となる(図5(H))。一方、1次側では、図7に示したように、ダイオードD14、トランス30の1次側巻線31、バイパススイッチSW70、ダイオードD11、負荷Lおよび平滑コンデンサCHを順に通る1次側ループ電流Ib11が流れる。このとき、1次側巻線31の両端電圧V31は、2次側巻線32Bの両端電圧V32B(電圧VL+ΔV)にトランス30の巻線比を掛け合わせた、(np/ns)×(VL+ΔV)となる。
また、期間T23では、図5(A),(B)に示したように、スイッチング回路20のスイッチング素子SW21がオフ状態になるとともに、スイッチング素子SW22がオン状態になる。これにより、スイッチング電源装置1の2次側では、図8に示したように、インダクタLch、トランス30の2次側巻線32A、スイッチング素子SW22、バッテリBLおよび平滑コンデンサCLを順に通る、2次側ループ電流Ib22が流れる。このとき、2次側巻線32Aの両端電圧V32Aは、バッテリBLの電圧VLに、この期間T23に先立つ期間T21においてインダクタLchに蓄積されたエネルギーに基づく電圧ΔVを加えたもの(VL+ΔV)となる(図5(F))。一方、1次側では、図8に示したように、ダイオードD12、バイパススイッチSW70、トランス30の1次側巻線31、ダイオードD13、負荷Lおよび平滑コンデンサCHを順に通る1次側ループ電流Ib12が流れる。このとき、1次側巻線31の両端電圧V31は、2次側巻線32Aの両端電圧V32A(電圧VL+ΔV)にトランス30の巻線比を掛け合わせた、(np/ns)×(VL+ΔV)となる。
このように、第2の動作モードでは、スイッチング素子SW21,SW22は、同時にオン状態にする期間T21を有するように動作する。この期間T21においてインダクタLchがエネルギーを蓄積することにより、例えば期間T22において、2次側巻線32Bに、バッテリBLの電圧VLを上回る電圧VL+ΔVを供給することができ、(np/ns)×VLよりも高い電圧を電圧VHとして出力することが可能となる。
スイッチング電源装置1では、期間T22,T23において、1次側巻線31の両端には、(np/ns)×(VL+ΔV)の電圧が現れ、1次側ループ電流Ib11,Ib12が流れる。この期間T22,T23の長さを制御することにより、この第2の動作モードにおいて生成される電圧VHを制御することができる。具体的には、期間T21,T22,T21,T23からなる“1周期期間”における期間T21の占める割合を大きくすることにより、電圧VHを高くすることができる。制御部73は、電圧検出回路71において検出された電圧VHに基づいて、電圧VHが所定の電圧を保つように、期間T22,T23の時間と期間T21の時間との比を制御する。
第2の動作モードでは、SW駆動部74は、高レベルに固定されたSW制御信号S70を常に生成してバイパススイッチSW70に供給するため、バイパススイッチSW70はオン状態になる。このため、共振インダクタLr1に流れるはずの交流電流をバイパス回路に迂回させことができる、従って、電流を迂回させない場合に共振インダクタLr1に交流電流が流れることに起因した損失の増加を抑えることができる。更に、第2の動作モードでは、容量素子Cr11〜Cr14、共振インダクタLr1、およびトランス30のリーケージインダクタからなるLC共振回路は形成されない。すなわち、スイッチング回路10に含まれる容量素子Cr11〜Cr14と共振インダクタLr1とを含むLC共振回路は形成されない。従って、期間T21において共振インダクタLr1にエネルギーが蓄積されることによる共振現象(後述)を防ぎ、この共振動作に起因する損失を低減することができる。
(バイパス回路が無い場合の第2の動作モードにおける動作)
次に、スイッチング電源装置1(図1)において、バイパス回路40が無い場合の動作について説明する。
次に、スイッチング電源装置1(図1)において、バイパス回路40が無い場合の動作について説明する。
図9は、バイパス回路40が無い場合の第2の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の動作を表すものであり、(E),(F)はSW制御信号S21,S22の波形をそれぞれ示し、(G)はSW制御信号S70の波形を示し、(A)〜(D)はSW制御信号S11〜S14の波形を示し、(H)はトランス30の2次側巻線32A,32Bの電圧V32B−V32Aの波形を示し、(I)はトランス30の1次側巻線31の電圧V31の波形を示し、(J)はインダクタLchを流れる電流の波形を示す。
まず、第1の動作モードでの動作については、スイッチング電源装置1において、バイパス回路40がある場合の動作と同じである。
次に、第2の動作モードでの動作であるが、スイッチング電源装置1において、バイパス回路40が無いため、期間T22,T23において、それぞれ1次側ループ電流Ib11,Ib12は共振インダクタLr1を含むループを流れる。そのため、期間T21におけるインダクタLchの場合と同様に、期間T22,T23において共振インダクタLr1にもエネルギーが蓄積される。
期間T22において共振インダクタLr1に蓄積されたエネルギーは、期間T22から期間T21に切り替わると、スイッチング素子SW21及びスイッチング素子SW22が同時にON状態となることにより、その蓄積されたエネルギーを放出する経路を失う。これにより、期間T21において共振インダクタLr1と容量素子Cr11〜Cr14とが共振動作をするという現象(共振現象)が発生する。期間T23から期間T21に切り替わる場合にも同様の現象が発生する(図9(J),(K))。
この共振動作の共振周波数は、共振インダクタLr1のインダクタンス値と、第1の動作モードにおいて共振インダクタLr1と部分共振を行うために挿入された容量素子Cr11〜Cr14の容量とで決まり、その共振周波数frは、fr=1/{2・π・√(Lr1・Cr)}で算出される。ここで、Crは容量素子Cr11〜Cr14の合成容量である。
共振周波数frは、本実施の形態においては、例えば、スイッチング回路20のスイッチング周波数fsを100kHz程度とすると、共振周波数frは数MHz程度の非常に高い周波数となるため、この共振現象による共振インダクタLr1のコアロス(鉄損)および銅損の影響は、特に無視できなくなる。
共振インダクタLr1のコアロスは、高い周波数の電圧が共振インダクタLr1の両端に印加されるほど大きくなる。
また、共振インダクタLr1に交流電流が流れることにより、共振インダクタLr1には交流抵抗損失を生じる。交流抵抗損失は、共振インダクタLr1の巻線の表皮効果と近接効果による損失である。共振インダクタLr1の銅損は、共振インダクタLr1に流れる交流電流の周波数が高いほど大きくなる。従って、共振現象により、共振インダクタLr1の損失が増加する。
以上のことから、バイパス回路を設けない場合に第2の動作モードでは、T22,T23期間において、共振インダクタLr1を流れる交流電流(周波数fs)による損失を生じる。また、T21期間において、共振現象により、共振インダクタLr1で生じる損失を生じる。バイパス回路を設けない場合に第2の動作モードにおいて共振現象により生じる損失を見積ると、例えば、定格入出力電力が1kW程度のスイッチング電源装置の場合に数Wから数十W程度だと見積られる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、バイパス回路を設けたことにより、第1の動作モードにおいては、共振インダクタLr1がLC共振回路を構成するために、第1の動作モードにおいて、スイッチング動作をするスイッチング回路10のスイッチング損失を低減できる。そして、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1に流れる電流をバイパス回路40により迂回させることができるため、共振インダクタLr1に交流電流が流れることに起因する電力損失を低減することができる。従って、スイッチング電源装置1の変換効率を向上させることができる。
以上のように本実施の形態では、バイパス回路を設けたことにより、第1の動作モードにおいては、共振インダクタLr1がLC共振回路を構成するために、第1の動作モードにおいて、スイッチング動作をするスイッチング回路10のスイッチング損失を低減できる。そして、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1に流れる電流をバイパス回路40により迂回させることができるため、共振インダクタLr1に交流電流が流れることに起因する電力損失を低減することができる。従って、スイッチング電源装置1の変換効率を向上させることができる。
本実施の形態では、バイパス回路はバイパススイッチを含み、バイパススイッチをオン・オフ制御する制御部を備えているので、制御部は、必要なときにのみ、共振インダクタLr1を迂回するようにオン・オフ制御することができる。
本実施の形態では、制御部74は、第1の動作モードでは、スイッチング回路に含まれる容量素子と共振インダクタLr1とを含むLC共振回路を構成するようにバイパススイッチをオン・オフ制御し、第2の動作モードでは、共振インダクタLr1を迂回するようにバイパススイッチをオン・オフ制御するので、第1の動作モードにおいては、共振インダクタLr1を利用したZVS動作を実現可能とすることでスイッチング損失を低減でき、第2の動作モードにおいては、共振インダクタLr1を交流電流が流れることによる損失の増加を抑えるだけでなく、共振インダクタLr1にエネルギーが蓄積されることによる共振動作に起因する損失を低減することができる。
[変形例1]
上記の実施の形態では、スイッチング回路10,20において、ボディダイオードを整流素子として用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、スイッチング回路10,20のスイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22をオン・オフ制御し、いわゆる同期整流により整流を行うようにしてもよい。以下に、一例として、第2の動作モードにおける、同期整流を行った場合の定常動作を説明する。
上記の実施の形態では、スイッチング回路10,20において、ボディダイオードを整流素子として用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、スイッチング回路10,20のスイッチング素子SW11〜SW14,SW21,SW22をオン・オフ制御し、いわゆる同期整流により整流を行うようにしてもよい。以下に、一例として、第2の動作モードにおける、同期整流を行った場合の定常動作を説明する。
図10は、第2の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の定常動作を表すものであり、(E),(F)はSW制御信号S21,S22を示し、(G)はSW制御信号S70を示し、(A)〜(D)はSW制御信号S11〜S14を示す。本変形例に係るスイッチング電源装置でも、SW駆動部74は、上記実施の形態の場合と同様に、期間T21、期間T22、期間T21、および期間T23が巡回するように、SW制御信号S21,S22を生成する。
図11,12は、第2の動作モードにおけるスイッチング電源装置1の定常動作を表すものであり、図11は、期間T22における動作を示し、図12は、期間T23における動作を示す。
期間T22では、図10に示したように、スイッチング回路20のスイッチング素子SW21がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW22がオフ状態になる(図10(E),(F))。また、スイッチング回路10では、スイッチング素子SW11,SW14がオン状態になるとともに、スイッチング素子SW12,SW13がオフ状態になる(図10(A)〜(D))。これにより、スイッチング電源装置1の2次側では、図11に示したように、2次側ループ電流Ib21が流れる。一方、1次側では、スイッチング素子SW14、トランス30の1次側巻線31、バイパススイッチSW70、スイッチング素子SW11、負荷Lおよび平滑コンデンサCHを順に通る1次側ループ電流Ib11が流れる。
また、期間T23では、図10に示したように、スイッチング回路20のスイッチング素子SW21がオフ状態になるとともに、スイッチング素子SW22がオン状態になる(図10(E),(F))。また、スイッチング回路10では、スイッチング素子SW11,SW14がオフ状態になるとともに、スイッチング素子SW12,SW13がオン状態になる(図10(A)〜(D))。これにより、スイッチング電源装置1の2次側では、図12に示したように、2次側ループ電流Ib22が流れる。一方、1次側では、スイッチング素子SW12、バイパススイッチSW70、トランス30の1次側巻線31、スイッチング素子SW13、負荷Lおよび平滑コンデンサCHを順に通る1次側ループ電流Ib12が流れる。
このように同期整流を行った場合でも、上記実施の形態と同様に、バイパス回路40を設けたことにより、共振インダクタLr1に起因する損失を低減することができる。
[変形例2]
上記の実施の形態では、共振インダクタLr1と並列にバイパス回路を設けていたが、図13に示されるように、共振インダクタLr1と直列接続された切り替えスイッチSW71を更に設けてもよい。切り替えスイッチSW71の一端と共振インダクタLr1の一端とが接続されるとともに、切り替えスイッチの他端は、バイパス回路40のバイパススイッチSW70の一端と接続され、共振インダクタLr1の他端は、バイパス回路40のバイパススイッチSW70の他端と接続される。すなわち、共振インダクタLr1と切り替えスイッチSW71とから構成される直列回路は、バイパス回路40と並列接続される。切り替えスイッチSW71は、共振インダクタLr1の一端とバイパススイッチSW70の一端との導通・非導通を切り替え可能とする。すなわち、切り替えスイッチをオフ状態とすることにより、共振インダクタLr1とバイパススイッチSW70を含む閉ループ回路は形成されない。これにより、第2の動作モードでの動作時に、共振インダクタLr1に交流電流が流れることを完全に妨げることができる。なお、切り替えスイッチは、共振インダクタLr1の他端側に設けられていてもよいし、共振インダクタLr1の一端側と他端側の両方に設けられていてもよい。すなわち、切り替えスイッチSW71は、共振インダクタLr1の少なくとも一方の端部とバイパススイッチSW70の少なくとも一方の端部との導通・非導通を切り替え可能とするスイッチ機能を有すればよい。
上記の実施の形態では、共振インダクタLr1と並列にバイパス回路を設けていたが、図13に示されるように、共振インダクタLr1と直列接続された切り替えスイッチSW71を更に設けてもよい。切り替えスイッチSW71の一端と共振インダクタLr1の一端とが接続されるとともに、切り替えスイッチの他端は、バイパス回路40のバイパススイッチSW70の一端と接続され、共振インダクタLr1の他端は、バイパス回路40のバイパススイッチSW70の他端と接続される。すなわち、共振インダクタLr1と切り替えスイッチSW71とから構成される直列回路は、バイパス回路40と並列接続される。切り替えスイッチSW71は、共振インダクタLr1の一端とバイパススイッチSW70の一端との導通・非導通を切り替え可能とする。すなわち、切り替えスイッチをオフ状態とすることにより、共振インダクタLr1とバイパススイッチSW70を含む閉ループ回路は形成されない。これにより、第2の動作モードでの動作時に、共振インダクタLr1に交流電流が流れることを完全に妨げることができる。なお、切り替えスイッチは、共振インダクタLr1の他端側に設けられていてもよいし、共振インダクタLr1の一端側と他端側の両方に設けられていてもよい。すなわち、切り替えスイッチSW71は、共振インダクタLr1の少なくとも一方の端部とバイパススイッチSW70の少なくとも一方の端部との導通・非導通を切り替え可能とするスイッチ機能を有すればよい。
図13に示されるスイッチング電源装置1では、第1の動作モードにおいては、SW駆動部74は、高レベルに固定された制御信号S70を生成し、バイパススイッチSW70に供給し、低レベルに固定された制御信号S71を生成し、切り替えスイッチSW71に供給する。このため、バイパススイッチSW70はオン状態に、切り替えスイッチSW71はオフ状態になる。これにより、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr1とスイッチング回路10に含まれる容量素子Cr11〜Cr14とを含むLC共振回路が形成される。第2の動作モードにおいては、SW駆動部74は、低レベルに固定された制御信号S70を生成し、バイパススイッチSW70に供給し、高レベルに固定された制御信号S71を生成し、切り替えスイッチSW71に供給する。このため、バイパススイッチSW70はオフ状態に、切り替えスイッチSW71はオン状態になる。これにより、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1は迂回される。
この場合でも、上記実施の形態と同様に、バイパス回路40を設けたことにより、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1に起因する損失を低減できる。バイパス回路40だけでなく切り替えスイッチSW71をも設けられているため、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1を流れる電流をバイパス回路40に完全に迂回させることができるため、共振インダクタLr1に起因する損失を更に低減することができる。
[変形例3]
上記の実施の形態では、共振インダクタLr1がトランス30の1次側巻線31側に設けられ、これを迂回するようにバイパス回路40が設けられていたが、これに限らない。例えば、図14,図15に示されるように、トランス30の2次側巻線32側に共振インダクタとバイパス回路が設けられてもよい。
上記の実施の形態では、共振インダクタLr1がトランス30の1次側巻線31側に設けられ、これを迂回するようにバイパス回路40が設けられていたが、これに限らない。例えば、図14,図15に示されるように、トランス30の2次側巻線32側に共振インダクタとバイパス回路が設けられてもよい。
例えば、図14に示されるスイッチング電源装置1(変形例3−1)は、2次側巻線32Aの一端とスイッチング素子SW22のドレインとの間に共振インダクタLr22を、2次側巻線32Bの一端とスイッチング素子SW21のドレインとの間に共振インダクタLr21を備えている。そして、共振インダクタLr21に並列接続されたバイパススイッチSW72と、共振インダクタLr22に並列接続されたバイパススイッチSW73とを備えるバイパス回路40がもうけられている。また、例えば、図15に示されるスイッチング電源装置1(変形例3−2)では、2次側巻線の32Aおよび32Bの他端と、インダクタLchとの間に共振インダクタLr2を備えている。
図14に示されるスイッチング電源装置1では、第1の動作モードにおいては、SW駆動部74は、低レベルに固定された制御信号S72,S73を生成し、バイパススイッチSW72,SW73に供給する。このため、バイパススイッチSW72,SW73は共にオン状態になる。これにより、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr21,Lr22と容量素子Cr11〜Cr14とを含むLC共振回路が形成される。第2の動作モードにおいては、SW駆動部74は、高レベルに固定された制御信号SW72,SW73を生成し、バイパススイッチSW72,SW73に供給する。このため、バイパススイッチSW72,SW73は共にオフ状態になる。これにより、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr21およびLr22は共に迂回される。
図15に示されるスイッチング電源装置1では、第1の動作モードにおいては、SW駆動部74は、低レベルに固定された制御信号S72を生成し、バイパススイッチSW72に供給する。このため、バイパススイッチSW72はオン状態になる。これにより、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr2と容量素子Cr11〜Cr14との共振回路が形成される。第2の動作モードにおいては、SW駆動部74は、高レベルに固定された制御信号SW72を生成し、バイパススイッチSW72に供給する。このため、バイパススイッチSW72はオフ状態になる。これにより、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr2は迂回される。
この場合でも、上記実施の形態と同様に、第2の動作モードにおいて、バイパス回路40を設けたことにより、共振インダクタLr21およびLr22に起因する損失を低減できる。
[変形例4]
上記の実施の形態では、第1の動作モードにおいて、スイッチング回路10に含まれる容量素子と共振インダクタLr1とがLC共振回路を構成するスイッチング電源装置1にバイパス回路40が設けられていたが、これに限らない。例えば、図16に示されるように、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr1と、スイッチング回路10とトランス30との間に備えられた容量素子(共振キャパシタ)Cr1とがLC共振回路を構成するスイッチング電源装置1にバイパス回路40が設けられていてもよい。図16に示されるスイッチング電源装置1では、容量素子Cr1とともに共振インダクタLr1を迂回するようにバイパス回路40が設けられている。このスイッチング電源装置1は、第1の動作モードにおいて、電流共振型のスイッチング電源として動作する。この場合にも、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr1と容量素子Cr1とを電流共振させることでスイッチング電源装置1の損失を低減できるだけでなく、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1を迂回させることにより、共振インダクタLr1に起因する損失を低減できる。
上記の実施の形態では、第1の動作モードにおいて、スイッチング回路10に含まれる容量素子と共振インダクタLr1とがLC共振回路を構成するスイッチング電源装置1にバイパス回路40が設けられていたが、これに限らない。例えば、図16に示されるように、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr1と、スイッチング回路10とトランス30との間に備えられた容量素子(共振キャパシタ)Cr1とがLC共振回路を構成するスイッチング電源装置1にバイパス回路40が設けられていてもよい。図16に示されるスイッチング電源装置1では、容量素子Cr1とともに共振インダクタLr1を迂回するようにバイパス回路40が設けられている。このスイッチング電源装置1は、第1の動作モードにおいて、電流共振型のスイッチング電源として動作する。この場合にも、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr1と容量素子Cr1とを電流共振させることでスイッチング電源装置1の損失を低減できるだけでなく、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1を迂回させることにより、共振インダクタLr1に起因する損失を低減できる。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば上記の実施の形態等では、SW駆動部74は、第2の動作モードにおけるすべての期間において、高レベルに固定されたSW制御信号(S70,S72,S73)をバイパス回路40のバイパススイッチ(SW70,SW72,SW73)に供給していたがこれに限らない。例えば、期間T21において、高レベルに固定されたSW制御信号(S70,S72,S73)をバイパス回路40のバイパススイッチ(SW70,SW72,SW73)に供給し、期間T22および期間T23において、低レベルに固定されたSW制御信号(S70,S72,S73)をバイパス回路40のバイパススイッチ(SW70,SW72,SW73)に供給するようにしてもよい。このようにした場合にも、期間T21において共振インダクタLr1にエネルギーが蓄積されることによる共振動作を防ぎ、共振インダクタLr1に起因する損失、特に共振現象による共振インダクタLr1の損失を低減することができる。
また、上記実施の形態等では、1次側のスイッチング回路10はフルブリッジ型の回路構成としたが、これに限らない。例えば、ハーフブリッジ型の回路構成としてもよい。
また、上記実施の形態等では、第1の動作モードが降圧型として第2の動作モードが昇圧型としたが、これに限らない。例えば、第1の動作モードを昇圧型として第2動作モードを降圧型としてもよい。また、第1の動作モードを降圧型として第2動作モードを昇降圧型としてもよい。すなわち、供給された第1の直流電圧から第2の直流電圧を生成する第1の動作モードと、供給された第2の直流電圧から第1の直流電圧を生成する第2の動作モードとを有するスイッチング電源装置でもよい
また、上記実施の形態等では、共振インダクタLr1はトランス30の1次側巻線31側、または、トランス30の2次側巻線32a,32b側のいずれかに設けられていたがこれに限らない。例えば、トランス30の1次側巻線30側と2次側巻線32a,32b側の両方に設けてもよい。
また、上記実施の形態等では、バイパススイッチ70,72,73や切り替えスイッチS71にリレーを用いて、SW駆動部74から生成されたSW制御信号S70,S72,S73,S71によりオン・オフ制御していたが、これに限らない。例えば、例えば、スイッチング素子やダイオード素子により構成された双方向スイッチを用いて、SW駆動部74から生成されたSW制御信号によりオン・オフ制御しもよい。また、例えば、トグルスイッチ等の機械スイッチを用いて、手動でスイッチのオン・オフを切り替えてもよい。
また、例えば、ジャンパ部材を共振インダクタLr1の両端に接続することにより共振インダクタを短絡してもよい。
また、例えば、ジャンパ部材を共振インダクタLr1の両端に接続することにより共振インダクタを短絡してもよい。
また、上記実施の形態等では、第2の動作モードにおいて、共振インダクタLr1をバイパス可能とするバイパス回路40を設けていたがこれに限らない。第2の動作モードにおいてLC共振回路を構成することによりスイッチング損失の低減が可能な場合には、第1の動作モードにおいて、共振インダクタLr1をバイパスさせればよい。また、第1の動作モードにおいてLC共振回路を構成する第1の共振インダクタと、第2の動作モードにおいてLC共振回路を構成する第2の共振インダクタを備える場合には、第1の共振インダクタと第2の共振インダクタにそれぞれバイパス回路を設けることにより、第1の動作モードにおいて第2の共振インダクタをバイパスし、第2の動作モードにおいて第1の共振インダクタをバイパスしてもよい。
また、上記実施の形態等では、スイッチング電源装置1は、直流電圧を入力し直流電圧を出力する双方向のDC/DCコンバータとしたが、これに限らない。例えばAC/DCコンバータなど、スイッチング電源装置であればどのようなものであってもよい。
1…スイッチング電源装置、10,20…スイッチング回路、30…トランス、40…バイパス回路、31…1次側巻線、32A,32B…2次側巻線、np…1次側巻数、ns…2次側巻数、71、72…電圧検出回路、73…制御部、74…SW駆動部、8BL…バッテリ、L…負荷、CH,CL…平滑コンデンサ、Cr11〜Cr14…容量素子またはスイッチング素子の寄生容量成分、D11〜D14,D21,D22…スイッチング素子の寄生ダイオード成分またはスイッチング素子に並列に接続されたダイオード、L1H…1次側高圧ライン、L1L…1次側低圧ライン、L2,L2H…2次側高圧ライン、L2L…2次側低圧ライン、Lch…平滑用インダクタ、Lr1,Lr2,Lr21,Lr22…共振インダクタ、Cr1…共振コンデンサ、S11〜S14,S21,S22,S70〜S73…SW制御信号、SW11〜SW14,SW21〜SW22…スイッチング素子、SW70,SW72,SW73…バイパススイッチ、SW71…切り替えスイッチ、T1〜T4…端子、Ia11,Ia12,Ib11,Ib12…1次側ループ電流、Ia21,Ia22,Ib21,Ib22…2次側ループ電流、VH,VL…電圧
Claims (8)
- 供給された第1の直流電圧から第2の直流電圧を生成する第1の動作モードと、供給された第2の直流電圧から第1の直流電圧を生成する第2の動作モードとを有するスイッチング電源装置であって、
1次側巻線と2次側巻線とを有するトランスと、
前記1次側巻線に接続され、前記第1の動作モードにおいて、スイッチング動作により前記第1の直流電圧を交流電圧に変換する第1のスイッチング回路と、
前記2次側巻線に接続され、前記第2の動作モードにおいて、スイッチング動作により前記第2の直流電圧を交流電圧に変換する第2のスイッチング回路と、
前記トランスに接続された共振インダクタと、
前記共振インダクタとLC共振回路を構成する容量素子と、
前記共振インダクタを迂回するためのバイパス回路と、
を備えたスイッチング電源装置。 - 前記バイパス回路に含まれるバイパススイッチと、
前記バイパススイッチをオン・オフ制御する制御部と、
を備える請求項1に記載のスイッチング電源装置 - 前記制御部は、前記第1の動作モードでは、前記LC共振回路を構成するように前記バイパススイッチをオン・オフ制御し、前記第2の動作モードでは、前記共振インダクタを迂回するように前記バイパススイッチをオン・オフ制御する請求項2に記載のスイッチング電源装置。
- 前記バイパススイッチは前記共振インダクタに並列に接続され、前記制御部は、前記第1の動作モードでは、前記バイパススイッチがオフ状態となるようにオン・オフ制御し、前記第2の動作モードでは、前記バイパススイッチがオン状態となるようにオン・オフ制御する請求項2または3に記載のスイッチング電源装置。
- 前記共振インダクタと直列に接続されるとともに前記バイパススイッチに並列に接続される切り替えスイッチを更に備え、前記制御部は、前記第1の動作モードでは、前記切り替えスイッチがオン状態となるようにオン・オフ制御し、前記第2の動作モードでは、前記切り替えスイッチがオフ状態となるようにオン・オフ制御する請求項4に記載のスイッチング電源装置。
- 前記容量素子は、前記スイッチング回路と前記トランスとの間に接続され、前記バイパス回路は、前記容量素子と共に前記共振インダクタを迂回する請求項1から5のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
- 前記2次側巻線に接続され、前記第1の動作モードにおいて、前記第2の直流電圧を生成するための平滑回路を構成する平滑用インダクタを更に備え、
前記2次側巻線は、第1および第2の2次側巻線を含み、
前記第2のスイッチング回路は、第1および第2のスイッチング素子を含み、
前記第1の2次側巻線の一端および前記他第2の2次側巻線の一端は、互いに接続されるとともに前記平滑用インダクタに接続され、
前記第1の2次側巻線の他端は前記第1のスイッチング素子の一端に接続され、
前記第2の2次側巻線の他端は前記第2のスイッチング素子の一端に接続され、
前記第1のスイッチング素子の他端および前記第2のスイッチング素子の他端は、互いに接続されている
請求項1から請求項6のいずれかに記載のスイッチング電源装置。 - 前記制御部は、前記第1の動作モードにおいて、前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子が共にオンとなる第1の期間と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子のいずれか一方のスイッチング素子のみがオンとなる第2の期間とを交互に繰り返すようにオン・オフ制御し、更に、前記制御部は、少なくとも前記第1の期間において、前記共振インダクタを迂回するように前記バイパススイッチをオン・オフ制御する請求項7に記載のスイッチング電源装置。
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