JP2015188900A - レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合対象に照射するレーザ光の強度分布をより適切に設定することのできるレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供する。【解決手段】レーザ溶接装置は、レーザ発振器110から出力された発振レーザ光L0を可変の分割比率にて分割する分割器120と、分割器120による発振レーザ光L0の分割比率を制御する制御部121と、分割器120により分割された発振レーザ光L0の一つについてその強度分布を変更する強度分布変更器130と、強度分布変更器130により変更された第3のレーザ光L3と分割器120により分割された第1のレーザ光L1とを合成する合成器210とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を用いて接合対象となる部材を溶接するレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法に関する。
従来、接合対象となる2つの部材がレーザ溶接装置によって溶接されるものの1つとして、ケースに蓋が溶接されてなる電池が知られている。こうした電池では、ケース内の電解液などが外部に漏れ出すことのない高い密閉性を維持すべく精度の高い溶接がそのケースと蓋との間で行われている。こうした電池のケースと蓋とを溶接する技術の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の技術では、レーザ光の照射により電池の蓋(電池蓋)とケース(電池缶)との溶接に際し、電池の溶接所要個所には蓋の先端部分をケースの開口上端面と外壁面との稜線を越えて存在させ、その先端部分を含むようにレーザ光を照射する。そしてこれにより、蓋の先端部分の溶融体の少なくとも一部が溶接所要箇所の間隙に充填されるようにしている。
特開2000−21365号公報
ところで、レーザ光による溶接の態様については、レーザ光のエネルギーの強度分布(以下単に強度分布と称することもある)、いわゆるプロファイルによって変化させることも可能である。しかしながら、レーザ光の強度分布は、レーザ発振器による制約などが大きく、その状態を調節することは容易ではなかった。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、接合対象に照射するレーザ光の強度分布をより適切に設定することのできるレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することにある。
上記課題を解決するレーザ溶接装置は、レーザ発振器から出力されたレーザ光を可変の分割比率にて分割する分割器と、前記分割器によるレーザ光の分割比率を制御する制御装置と、前記分割器により分割されたレーザ光の一つについてその強度分布を変更する強度分布変更器と、前記強度分布変更器により変更されたレーザ光と前記分割器により分割された他のレーザ光とを合成する合成器と、を備えることを要旨とする。
上記課題を解決するレーザ溶接方法は、レーザ発振器の発振したレーザ光を接合対象に照射してレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記レーザ発振器から出力されたレーザ光を、分割器による分割比率を制御装置によって制御しつつ分割させるステップと、前記分割器により分割されたレーザ光の一つについてその強度分布を強度分布変更器によって変更するステップと、前記強度分布変更器により強度分布が変更されたレーザ光と前記分割器により分割された他のレーザ光とを合成器により合成するステップと、を備えることを要旨とする。
このような構成又は方法によれば、レーザ発振器にて発振されるレーザ光を分割し、そのうちの一つの強度分布を強度分布変更器で変更し、他のレーザ光と合成させることで、レーザ発振器の特性を変えることなく、接合対象に照射されるレーザ光の強度分布、いわゆるプロファイルを変更させることができるようになる。例えば、分割された一つのレーザ光の強度分布を変更する一方、他のレーザ光をそのまま用いることによって、接合対象に照射されるレーザ光の強度分布の変更が比較的に簡単に行えるようになる。これにより、接合対象に照射されるレーザ光を溶接に適した強度分布に変更することが可能になる。
また、分割器によりレーザ光の分割比率を制御するという比較的簡単な方法で、接合対象に照射されるレーザ光の強度分布を制御することができる。
レーザ光の強度特性は、ガウシアン型やトップハット型など照射範囲におけるレーザ光の強度分布に基づくものであり、この強度分布に応じて溶接に関する特性も相違する。そこで、強度分布変更器から出力するレーザ光を他のレーザ光と相違する強度分布とすることで、合成されるレーザ光の強度分布が調整されるようになる。
好ましい構成として、前記分割器は、前記レーザ発振器から出力されたレーザ光を2つのレーザ光に分割するものである。
この構成によるように、2分割であれば、レーザ光を分割する分割器、いわゆるビームスプリッタの構成を簡易にすることができる。
好ましい構成として、前記合成器より合成したレーザ光が照射される接合対象とする2つの部材の間の距離を検出して前記制御装置に出力する検出部をさらに備え、前記制御装置は、前記検出部の検出した前記2つの部材の間の距離に応じて前記分割器によるレーザ光の分割比率を制御する。
レーザ溶接では接合対象の間の距離に応じて溶接状態が変化することを発明者らは研究を通じて見出した。よって、このような構成によれば、レーザ光の分割比率を溶接対象の間の距離に応じて適切な分割比率に制御することにより接合対象に照射されるレーザ光の溶接に関する特性が好適に変更されてレーザ溶接の精度が向上する。
接合対象の間の距離は公差や個体差などによって相違していることがあることから、検出部により検出する間隔に応じてレーザ光の分割比率を変化させることにより適切な溶接が維持され、レーザ光による溶接精度がより向上される可能性が高められる。
好ましい構成として、前記合成器によって合成されるレーザ光が照射される部分の溶接時における溶融状態を測定する溶融状態測定器を備え、前記制御装置は、前記溶融状態測定器により測定される溶融状態に応じて前記分割器によるレーザ光の分割比率を制御する。
このような構成によれば、レーザ光の分割比率が接合対象の溶融状態に応じて制御される、つまりフィードバック制御されるため溶接対象部分に適切な溶接が維持される可能性が高められる。例えば、溶融池の赤外線強度は溶融状態に応じて異なるため、赤外線強度を測定することによってレーザ光の強度分布を溶接に適した特性に制御することができる。また例えば、溶融池の大きさは溶融状態に応じて異なるため、溶融池の大きさを測定することによってレーザ光の強度分布を溶接に適した特性に制御することができる。
このレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法によれば、接合対象に照射するレーザ光の強度分布をより適切に設定することができるようになる。
レーザ溶接装置を具体化した第1の実施形態について、その概略構成を示す構成図。 レーザ溶接装置を具体化した第2の実施形態について、その概略構成を示す構成図。 レーザ溶接装置を具体化した第3の実施形態について、その概略構成を示す構成図。 同レーザ溶接装置におけるケースと蓋との間の距離測定を模式的に示す模式図。 同レーザ溶接装置における合成されるレーザ光の一つの態様を示す模式図。 同レーザ溶接装置における合成されるレーザ光の他の態様を示す模式図。 レーザ溶接装置を具体化した第4の実施形態について、その概略構成を示す構成図。 同レーザ溶接装置における溶接時の溶接部分の状態を模式的に示す模式図。 同レーザ溶接装置における溶接部分の溶融状態を模式的に示す模式図。 同レーザ溶接装置における溶融状態と合成されるレーザ光との対応の概略関係を示すリスト。 レーザ溶接装置を具体化した第5の実施形態について、合成されるレーザ光を作成する構成を説明する説明図。 同レーザ溶接装置における合成されるレーザ光の作成の一態様について説明する説明図。 同レーザ溶接装置における合成されるレーザ光の作成の他の態様について説明する説明図。 レーザ溶接装置を具体化した他の実施形態について、合成されるレーザ光を作成する構成を説明する説明図。
(第1の実施形態)
図1に従って、レーザ溶接装置を具体化した第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、レーザ溶接装置は、レーザ発振器110から出力された発振レーザ光L0に基づき作成された照射レーザ光Ltgを接合対象に照射してレーザ溶接する。
本実施形態のレーザ溶接装置は、レーザ光を発振して出力するレーザ生成部100と、レーザ生成部100から出力される発振レーザ光L0を接合対象に照射させるレーザ光出力部200とを備えている。またレーザ溶接装置は、レーザ生成部100とレーザ光出力部200とがレーザ光を伝達可能な第1及び第2の光ファイバー190,191によりレーザ光を伝達可能に接続されている。つまり、第1及び第2の光ファイバー190,191を介してレーザ生成部100からレーザ光出力部200にレーザ光を伝達させることができる。第1及び第2の光ファイバー190,191はそれぞれ、半導体レーザのレーザ光を伝達させることに適したものである。
レーザ生成部100は、レーザ光を発振するレーザ発振器110と、レーザ発振器110から出力された発振レーザ光L0を可変の分割比率にて分割する分割器120とを備える。また、レーザ生成部100は、分割器120により分割された一つのレーザ光としての第2のレーザ光L2のエネルギー強度Pの分布である強度分布、いわゆるプロファイルを変更する強度分布変更器130とを備える。さらに、レーザ生成部100は、分割器120により分割された他のレーザ光としての第1のレーザ光L1を並行光にする第1のコリメートレンズ180を備える。また、レーザ生成部100は、強度分布変更器130から出力される強度分布の変更された第3のレーザ光L3の進行方向を変更する全反射ミラー140と、全反射ミラー140により進行方向が変更された第3のレーザ光L3を並行光にする第2のコリメートレンズ181とを備える。そして、レーザ生成部100は、第1のコリメートレンズ180から平行光として出力される第1のレーザ光L1を第1の光ファイバー190に入力させ、第2のコリメートレンズ181から平行光として出力される第3のレーザ光L3を第2の光ファイバー191に入力させる。
レーザ発振器110は、いわゆる半導体レーザであって、レーザダイオードを発振させて発振レーザ光L0を出力する。レーザ発振器110は、発振レーザ光L0を、レーザ溶接に利用可能なレーザ光、例えば波長880〜980ナノメートル(nm)のレーザ光として出力する。またレーザ発振器110は、発振レーザ光L0のエネルギー強度Pの分布、いわゆる強度分布D0をトップハット型(矩形分布型)として出力する。半導体レーザからは、トップハット型の強度分布を有するレーザ光を出力させることは容易であるため、レーザ発振器110としての構成が簡単になりコストも抑えられるようになることが期待できる。
ところで、レーザ光のエネルギー強度Pの強度分布(プロファイル)の種類として、トップハット型とガウシアン型とがよく知られている。トップハット型は、例えば図1の強度分布D1に示すように、エネルギー強度Pの分布が矩形分布型であるものであり、ガウシアン型は、例えば図1の強度分布D3に示すように、エネルギー強度Pの分布が正規分布型であるものである。詳述すると、バックグラウンドレベルよりも有意に大きいレーザ光の強度を有する照射領域の径を照射径Φ1とする。例えば、有意に大きいレーザ光の強度とは、レーザ光の最大強度の1%以上の出力が照射される領域である。また、レーザ光の最大強度を最大値Mとするとき、照射強度の値が0.9Mとなる部分の径を0.9M部分強度照射径ΦQとする。つまり、0.9M部分強度照射径ΦQは、レーザ光の最大値Mの10%以上の強度が照射される領域の径である。この場合、トップハット型及びガウシアン型は、照射径Φ1と0.9M部分強度照射径ΦQとの比で定義することができる。すなわち、本実施形態では、トップハット型の強度分布を下記の式(1)の関係式を満たすレーザ光の強度分布とする。
ΦQ/Φ1≧0.9・・・(1)
また、ガウシアン型の強度分布を下記の式(2)の関係式を満たすレーザ光の強度分布とする。
ΦQ/Φ1<0.8・・・(2)
なお以下では、説明の便宜上、エネルギー強度Pの強度分布を単に、強度分布と記し、トップハット型の強度分布を単にトップハット型と記し、ガウシアン型の強度分布を単にガウシアン型と記す。
分割器120は、いわゆるビームスプリッタであって、発振レーザ光L0を入射光とし、この入射した発振レーザ光L0を第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2との2つに分割する。なお本実施形態では、第1のレーザ光L1はその強度分布がトップハット型のままレーザ溶接に用いられ、第2のレーザ光L2はその強度分布がガウシアン型に変更されてからレーザ溶接に用いられるようになる。
分割器120は、レーザ光の透過率と反射率との比率、つまり分割比率が可変となっており、この分割比率を制御する制御部121と、入射されたレーザ光を透過及び反射させるスプリッター部122とを備えている。制御部121は、スプリッター部122の透過率及び反射率を変更させることによって分割比率を可変させる。例えば、スプリッター部122の透過率及び反射率がスプリッター部122の位置により変化するのであれば、制御部121は入力される発振レーザ光L0に対するスプリッター部122の相対位置を制御する。また、スプリッター部122の透過率及び反射率がスプリッター部122の角度により変化するのであれば、制御部121は入力される発振レーザ光L0に対するスプリッター部122の相対角度を制御する。
強度分布変更器130は、入力された発振レーザ光L0の強度分布を変更するものであり、ファイバーレーザ共振器が用いられる。ファイバーレーザ共振器は、入力されたレーザ光を増幅させる共振媒質としての光ファイバーを備えている。強度分布変更器130は、光ファイバーの一端にレーザ光を入力させる入力部と、光ファイバーの他端からのレーザ光を出力する出力部とを備える。よって強度分布変更器130は、入力部から第2のレーザ光L2を入力させ、出力部から光ファイバーを通じて増幅された第3のレーザ光L3を出力する。本実施形態では、強度分布変更器130は、トップハット型(強度分布D0)の第2のレーザ光L2が入力されると、ガウシアン型(強度分布D3)に変更された第3のレーザ光L3を出力する。
詳述すると、強度分布変更器130の光ファイバーは、いわゆるプロセスファイバーやダブルコアファイバーである。そしてこの光ファイバーは、小径のスポットビームと大径のスポットビームとを同一軸線上に同時に照射することもできる。光ファイバーは、中心部に配置されるファイバー形状の第1コア部と、ファイバー形状の第1コア部を円筒状に覆う第2コア部とを備える。さらに、光ファイバーは、第1コア部と第2コア部との間の第1クラッド部と、第2コア部の外周面の第2クラッド部と、第2クラッド部の外周面を被覆する樹脂などの外装とを備えている。第1コア部は小径のスポットビームを生成するものであり、第2コア部は大径のスポットビームを生成するものである。
すなわち強度分布変更器130は、励起光や信号光として第2のレーザ光L2を第1コア部や第2コア部に入力し、この励起光の入力された第1コア部を励起させることによって発振されるレーザ光を信号光に応じて第1コア部から出力させる。つまり、入力される第2のレーザ光L2は、強度分布変更器130を介して第3のレーザ光L3に変更されて出力される。
本実施形態では、強度分布変更器130は、入力するトップハット型(強度分布D0)の第2のレーザ光L2を、第1コア部の直径の分布範囲(スポット)とするガウシアン型(強度分布D3)に変更した第3のレーザ光L3として出力する。このように強度分布変更器130は、入力される第2のレーザ光L2の強度分布を変更して第3のレーザ光L3として出力する。
全反射ミラー140は、入力されたレーザ光を少ないロスで反射させるものである。全反射ミラー140は、第3のレーザ光L3の進行方向を変更させるためのものであり、入力した第3のレーザ光L3の進行方向をコリメートレンズ181の方向へ変更させる。
こうしてレーザ生成部100からレーザ光出力部200に第1のレーザ光L1と第3のレーザ光L3とが出力される。
レーザ光出力部200は、いわゆるレーザ加工トーチであって、溶接加工用の照射レーザ光Ltgを出力し、接合対象に照射する。レーザ光出力部200は、レーザ生成部100から第1の光ファイバー190を介して伝達される第1のレーザ光L1を第4のレーザ光L4として入力し、第2の光ファイバー191を介して伝達される第3のレーザ光L3を第5のレーザ光L5として入力する。また、レーザ光出力部200は、入力した第4及び第5のレーザ光L4,L5を合成させて生成される合成レーザ光L6に基づいて照射レーザ光Ltgを出力する。
レーザ光出力部200は、入力した第5のレーザ光L5の進行方向を変更する全反射ミラー220と、入力した第4のレーザ光L4及び進行方向の変更された第5のレーザ光L5を合成して合成レーザ光L6を出力する合成器210とを備える。またレーザ光出力部200は、合成レーザ光L6を集光するようにして出力し、接合対象に照射させる集光レンズ250を備えている。
合成器210は、いわゆるダイクロックミラーであって、入射する第4のレーザ光L4と第5のレーザ光L5とを合成して合成レーザ光L6を生成する。詳述すると、合成器210は、第4のレーザ光L4を透過させる一方、第5のレーザ光L5を反射させる反射部211を備える。合成器210は、反射部211を透過した第4のレーザ光L4の光軸と、反射部211に反射された第5のレーザ光L5の光軸とを同一軸線上に一致させることによって、第4のレーザ光L4と第5のレーザ光L5との合成された合成レーザ光L6を生成する。
また合成レーザ光L6は、分割された第1のレーザ光L1の強度分布D1と、強度分布変更器130によって変更された第3のレーザ光L3の強度分布D3とを合成させて得られる強度分布D6を備える。すなわち合成された強度分布D6は、第1のレーザ光L1のトップハット型(強度分布D1)と、このトップハット型よりも分布範囲の絞り込まれた第3のレーザ光L3のガウシアン型(強度分布D3)とを合成させものとなる。従って強度分布D6は、トップハット型(強度分布D1)を土台として、その分布範囲の中心にガウシアン型の強度分布D3が加算される態様で合成される。
なお、合成器210は、レーザ光の入力位置に応じて透過や反射するレーザ光の軸線の位置が変わるため、第4のレーザ光L4や第5のレーザ光L5の入力位置を調整することによって、第4のレーザ光L4の強度分布D1と、第5のレーザ光L5の強度分布D3との合成態様を変更することも可能である。つまり、ガウシアン型が加算される位置をトップハット型の分布範囲の中心部以外の位置に変更させた態様の強度分布を生成することもできる。
集光レンズ250は、入力されたレーザ光を所定の位置に集光させるように出力するレンズであって、入力される合成レーザ光L6を集光させるように調整した照射レーザ光Ltgを出力する。つまり集光レンズ250は、合成レーザ光L6の強度分布をその分布を保ったまま狭い範囲に集めることによって照射レーザ光Ltgの照射範囲におけるエネルギー強度Pを高くする。これにより、照射レーザ光Ltgは、溶接対象部分に高いエネルギー強度で照射されるようになり、溶接対象部分の温度上昇及び溶融が好適に行われるようにしている。例えば、接合対象が複数の金属製の部材であれば、各部材を溶融させてそれら金属部材を溶接することができるようになる。
本実施形態のレーザ溶接装置は、トップハット型とガウシアン型との強度分布の組み合わされた強度分布を有する合成レーザ光L6がその分布を保ったまま集光されてなる照射レーザ光Ltgが接合対象の溶接対象部分に照射される。
トップハット型は、レーザ光が照射される面におけるエネルギー強度Pが、レーザ光の分布する範囲(照射される範囲)に均等化されており、当該範囲内において2つの位置のエネルギー強度Pを比較したときその差が小さいものとなるような分布である。よって、トップハット型のレーザ光は、それが照射される範囲にレーザ光のエネルギーが均等に付与される。これによりレーザ光が照射される範囲に分布する熱量も平均化されるため、照射範囲全体が均等に加熱・溶融される。そして、接合対象は、この均等な溶融に応じた溶融状態によって安定的に溶接加工されるようになる。また、強度分布中にエネルギーの強度Pの高い部分が無いため、特定個所への過剰なエネルギー付与が抑制されて過熱や部品貫通などの過剰な溶融加工を生じさせるそれが低減されるようになる。このように、トップハット型は安定的な溶接加工を可能とし、溶接に関して安定した制御を行うことが容易である。一方、強度分布が平均化されている、つまりレーザ光のエネルギーが照射範囲に均等に分散されるため部材の加熱・溶融に時間を要したり、部材を深くまで加工しようとすると難しくなるという特性も有する。
一方、ガウシアン型は、レーザ光が照射される範囲のうち中央部の狭い範囲にレーザ光のエネルギーを集中させたエネルギー強度Pの高い部分を有し、その狭い範囲を集中的に加熱・溶融させる。そして、ガウシアン型は、この集中的な溶融に応じた溶融状態によって接合対象を溶接させるため迅速な溶接加工を可能にする。このとき、ガウシアン型は、エネルギー強度Pの高い部分に気化した材料による凹み、いわゆるキーホールを発現させて溶融した部材の対流などを生じさせ深くまでの溶融加工を行うことのできる溶融状態とさせることも可能である。つまり、エネルギー強度Pの高い部分を有することから短時間での確実な加熱・溶融が可能であるため溶接を行いやすかったり、部材深くまでの溶融加工を可能としたりする。一方、エネルギーの強度Pが高い部分を有することから、短時間で溶接状態が変わるなど加工に対する感度が高くなるとともに、ロバスト安定性が低下したり、照射時間が少しでも長くなると過熱や貫通のおそれが生じたり、レーザ光を照射する位置を高い精度で制御しなければならないなど、精度の高い制御が求められるという特性も有する。
上述のように、照射レーザ光Ltgは、照射範囲が集約されて狭くなるとともに、エネルギー強度Pは高められてはいるものの、合成レーザ光L6の強度分布D6と同様の形状の強度分布を有している。このように強度分布D6と同形状の強度分布を有する照射レーザ光Ltgは、ガウシアン型の対応する照射範囲には平均的にエネルギーが付与されることから安定的な溶接加工が可能となり、その制御も容易である。また、ガウシアン型の対応する照射範囲の中心部は高いエネルギーによる確実な溶接加工が期待される。
詳述すると、照射レーザ光Ltgは、トップハット型の分布によって照射範囲全体を均等に加熱・溶融させ、その中心部に照射されるガウシアン型によって中心部の加熱・溶融を補助させるため、ガウシアン型のエネルギー強度の低下も可能となり、ガウシアン型のレーザ光の低下によって溶接加工の安定性も向上する。一方、照射レーザ光Ltgは、ガウシアン型によって中心部の迅速な温度上昇・溶融を行わせるとことができることに併せ、中心部の温度上昇や溶融がトップハット型の部分にも迅速に伝えられるようになりトップハット型による溶接加工の迅速性も向上する。つまり、トップハット型とガウシアン型が合成された照射レーザ光Ltgによれば、トップハット型の安定性と、ガウシアン型の迅速性とを兼ね備えた溶接加工を行うことができるようになる。また、合成させるトップハット型とガウシアン型との比率を可変とすることで、接合対象に好適な強度分布(プロファイル)を作成することができるようになる。
またレーザ光の強度分布は、一般にレーザ発振器の発振するレーザ光に制約されるなどレーザ発振器による制約などが大きく、その強度分布の状態を容易に調節することはできない。しかし本実施形態によれば、上述したように、レーザ発振器110から照射された発振レーザ光L0を分割し、その分割されたうちの1つの第2のレーザ光L2の強度分布を変更して第3のレーザ光L3を生成し、そして分割された第1及び第3のレーザ光L1,L3を合成することで、レーザ光の強度分布を簡易に調整することができる。つまり本実施形態のレーザ溶接装置によれば、接合対象に照射するレーザ光の強度分布をより適切に設定することができる。
本実施形態の作用について説明する。
まず、接合対象の溶接対象部分の状態に対応する適切な強度分布が定められる。そして適切な強度分布が定められると、合成レーザ光L6の強度分布を定められた強度分布に対応させるべく分割器120の分割比率が特定される。そして特定された分割比率に基づいて分割器120の制御部121は、スプリッター部122の分割比率を制御する。例えば分割器120は、自身もしくは外部の設定器によって設定される分割比率に応じてスプリッター部122の分割比率を制御する。これにより、発振レーザ光L0は、分割比率が適切に制御されたスプリッター部122に入力されることで適切な分割比率で透過又は反射されて第1及び第2のレーザ光L1,L2に分割され、この分割された第1及び第2のレーザ光L1,L2に応じて生成される各強度分布を有する合成レーザ光L6を生成させる。
これにより、接合対象に照射するレーザ光の強度分布をより適切に設定することができる。
以上説明したように、本実施形態のレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)レーザ発振器110にて発振される発振レーザ光L0を分割し、そのうちの一つである第2のレーザ光L2を強度分布変更器130で変更し、他のレーザ光である第1のレーザ光L1と合成させる。これにより、レーザ発振器110の特性を変えることなく、接合対象に照射される照射レーザ光Ltgの強度分布、いわゆるプロファイルを変更させることができる。つまり、分割された第2のレーザ光L2を調整する一方、第1のレーザ光L1をそのまま用いることによって、接合対象に照射される照射レーザ光Ltgの強度分布の変更が比較的に簡単に行えるようになる。これにより、接合対象に照射される照射レーザ光Ltgを溶接に適した強度分布に変更することが可能になる。
また、スプリッター部122によるレーザ光の分割比率を制御するという比較的簡単な方法だけで、接合対象に照射される合成レーザ光L6の強度分布(ガウシアン型の強度分布とトップハット型の強度分布の比率)を制御することができる。
(2)レーザ光の強度分布には、ガウシアン型やトップハット型など照射範囲におけるレーザ光の強度分布に基づくものがあり、この強度分布に応じて溶接に関する特性も相違する。そこで、強度分布変更器130から出力する第3のレーザ光L3を、第1のレーザ光L1と相違する強度分布とすることで、合成される合成レーザ光L6の溶接に関する特性が調整されるようになる。
(3)2分割であれば、発振レーザ光L0を分割する分割器120、いわゆるビームスプリッタの構成を簡易にすることができる。
(第2の実施形態)
図2に従って、レーザ溶接装置を具体化した第2の実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、強度分布変更器130をレーザ光出力部200に設けた構成である点が第1の実施形態のレーザ溶接装置の構成と相違するものの、その他の構成は同様であることから同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2に示すように、レーザ光出力部200は、レーザ発振器110の発振した発振レーザ光L0を入力するとともに、照射レーザ光Ltgを出力して接合対象としての電池300の溶接対象部分に照射させる。電池300は、金属製のケース310と、金属製の蓋320とから構成されており、ケース310と蓋320との組み合わせにより形成される溶接対象部分がレーザ光出力部200から照射される照射レーザ光Ltgにより溶接される。
レーザ光出力部200は、分割器120と、強度分布変更器130と、合成器210と、コリメートレンズ260と、集光レンズ250とを備える。なお、コリメートレンズ260は、入射された合成レーザ光L10を並行光にするレンズであり、第1の実施形態のコリメートレンズ180,181と略同様のものである。
レーザ光出力部200は、入力したレーザ発振器110の発振した発振レーザ光L0を分割器120にて第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2とに分割する。このとき、分割器120の分割比率は所定の強度分布D10の合成レーザ光L10が得られるように調整されている。第2のレーザ光L2は強度分布変更器130を介して強度分布の変更された第3のレーザ光L3として出力される。また、第1のレーザ光L1と第3のレーザ光L3とは合成器210に入射されて合成された強度分布D10の合成レーザ光L10として出力される。つまり、合成レーザ光L10の強度分布D10は、第1のレーザ光L1の強度分布と、第3のレーザ光L3の強度分布D0とが合成された分布となる。そして、合成レーザ光L10はコリメートレンズ260にて並行光L11とされ、この並行光L11を入力した集光レンズ250から出力される照射レーザ光Ltgが電池300の溶接対象部分に照射される。
ところで、強度分布変更器130は、レーザ光を発振するその第1コア部が発熱することが知られているが、第1コア部の発熱量はそれほど多くないとともに、第1クラッド部を介して第2コア部や第2クラッド部などに拡散しやすいことからレーザ光出力部200が従来から備える冷却能力を大きく変更することなく冷却させることもできる。また、強度分布変更器130は、小型であるとともに、メンテナンスに要する手間も少ないため、レーザ光出力部200に搭載することも容易である。
以上説明したように、本実施形態のレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法によれば、上記第1の実施形態に記載した(1)〜(3)の効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(4)強度分布変更器130は小型であることや発熱量が少ないことなどからレーザ光出力部200に設けることも容易である。
(第3の実施形態)
図3〜6に従って、レーザ溶接装置を具体化した第3の実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、溶接対象部分であるケース310と蓋320との間の距離に応じて分割比率を定める構成が付加されていることが第2の実施形態のレーザ溶接装置の構成と相違するものの、その他の構成は同様であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3に示すように、レーザ溶接装置は、接合対象とする電池300のケース310と蓋320との2つの部材の間の距離、つまりケース310と蓋320とが形成する溝部330(図4参照)の溝幅Wを検出する検出部としての検出器270を4つ備えている。
詳述すると、図4に示すように、検出器270は、ケース310と蓋320との間の溝部330の溝幅Wを計測用レーザSeによるレーザ計測によって検出する。例えば、検出器270は、溝部330を横切るように計測用レーザSeを移動(スキャン)させて検出器270と接合対象との間の距離を測長し、ケース310と蓋320との間に挟まれて測長結果の長くなる部分を溝部330の溝幅Wとして認識する。また検出器270が画像認識によって溝部330とその溝幅Wを認識してもよい。検出器270は、検出した溝部330の溝幅Wを制御装置500に出力する。
制御装置500は、溝部330の溝幅Wに応じて合成レーザ光L10の強度分布を調整する。制御装置500は、レーザ発振器110、分割器120及び検出器270に接続されており、検出器270からは検出した溝部330の溝幅Wが入力される。また制御装置500は、分割器120の分割比率を制御する。つまり、分割器120は、制御装置500からの制御信号に応じ、制御部121を通じてスプリッター部122の分割比率を調整する。
図5に示すように、制御装置500は、溝部330の溝幅Wが広いとき、合成レーザ光L10の強度分布を、ガウシアン型よりもトップハット型の割合を高くする態様の強度分布D20とするように分割比率を制御する。これは広い溝幅Wがガウシアン型のレーザ光が溶融池に作成するキーホールと同等の役割を果たすため、照射レーザ光Ltgによってキーホールを作成しなくても済むためである。つまり、この強度分布D20によれば、広い溝幅Wの溶接対象部分を安定的でありながら迅速に溶接加工することが可能になる。
一方、図6に示すように、制御装置500は、溝部330の溝幅Wが狭いとき、合成レーザ光L10の強度分布を、トップハット型よりもガウシアン型の割合を高くする態様の強度分布D21とするように分割比率を制御する。これにより、狭い溝幅Wの部分に生成される溶融池に、ガウシアン型の照射レーザ光Ltgによってキーホールを作成させ、迅速かつ深い位置までの溶接加工を可能とさせることができる。
なお、分割比率は、溝部330の溝幅Wが溶接範囲において略一定であれば、レーザ溶接開始前の測定で定めることができる。一方、溶接対象部分が移動すると溝部330の溝幅Wが変動するような場合であれば、これから溶接対象となる部分の溝幅Wを測定しつつ、その測定した溝幅Wに基づいて分割比率をフィードバック制御することもできる。また、制御装置500は、レーザ発振器110の発振レーザ光L0の出力強度を制御するものであってもよい。その場合、レーザ発振器110は、制御装置500からの制御信号に応じて出力強度が可変とされる。これにより、制御装置500は、該制御装置500からの制御信号によってより適切な溶接制御を行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施形態のレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法によれば、上記第1及び第2の実施形態に記載した(1)〜(4)の効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(5)接合対象の間に形成される溝部330の距離である溝幅Wに応じて溶接状態が変化することを発明者らは研究を通じて見出した。よって、発振レーザ光L0の分割比率を溝部330の溝幅Wに応じて適切な分割比率に制御することにより接合対象に照射される照射レーザ光Ltgの強度分布が好適に変更されてレーザ溶接の精度が向上する。
(6)溝部330の溝幅Wは公差や個体差などによって相違していることがあることから、検出器270により検出する間隔に応じて発振レーザ光L0の分割比率を変化させることにより適切な溶接を維持し、照射レーザ光Ltgによる溶接精度がより向上される可能性が高められる。
(第4の実施形態)
図7〜10に従って、レーザ溶接装置を具体化した第4の実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、溶接対象部分の溶融状態に応じて分割器120の分割比率を定める構成であることが第3の実施形態のレーザ溶接装置の構成と相違するものの、その他の構成は同様であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7に示すように、レーザ光出力部200は、照射レーザ光Ltgが照射されている溶接対象部分の部材について溶融状態を示す反射光Lrを溶融状態測定器を構成する画像認識装置410及び強度測定装置420にて測定する。レーザ光出力部200は、反射光Lrを、集光レンズ250と、第1及び第2の分光器400,401とを介して、画像認識装置410及び強度測定装置420に入力させる。
図8及び図9に示すように、レーザ光出力部200は、照射レーザ光Ltgが照射されているケース310と蓋320との間の溝部330の溶融池350の状態を示す反射光Lrを入力する。例えば、溶融池350は溶接対象部材、例えば金属が溶融しているため放射する光や熱などのエネルギーが高い一方、溶接の済んだビード340は温度が低下し固化しているため放射する光や熱などのエネルギーが低い。
図7に示すように、第1の分光器400は、並行光L11を透過させるとともに、並行光L11の進行方向とは逆方向から入射される反射光Lrを反射させるものである。
第2の分光器401は、光の波長に応じて画像認識装置410に入力させる光と、強度測定装置420に入力させる光とを分光させるものである。第2の分光器401は、波長1000nmを含む波長領域の光を透過させるとともに、波長400〜500nmを含む波長領域の光とを反射させることにより分光させる。そして、第2の分光器401は、透過させた波長1000nmを含む波長領域の光を画像認識装置410に入力させるとともに、反射させた波長400〜500nmを含む波長領域の光を強度測定装置420に入力させる。
画像認識装置410は、溶融池350の画像を撮像するカメラ、例えばCCDカメラを含み構成されている。画像認識装置410は、波長1000nmを含む波長領域の光を撮像して認識する画像認識装置であって、溶融池350の大きさを検出する。波長1000nmを含む波長領域は、溶接時に溶接対象が生じる光を好適に測定できる領域である。溶融池350は液状であって、ケース310や蓋320、ビード340などの固体部分とは表面状態などが相違することなどからその大きさを検出することができる。なお、溶融池350の大きさは、その他の光から検出できる輝度や温度などに基づいて検出されてもよい。画像認識装置410は、検出した溶融池350の大きさを制御装置500へ出力する。
強度測定装置420は、溶融池350の赤外線の強度を測定するセンサ、例えば赤外線センサを含み構成されている。強度測定装置420は、波長400〜500nmを含む光の発光強度を測定する装置であって、例えば、溶融した金属が気化(プラズマ化)するとき発光される光を好適に測定することができる。例えば、金属のうちアルミニウムを含む材料の気化温度は2300〜2500℃程度である。強度測定装置420は、検出した発光強度の強さを制御装置500へ出力する。
制御装置500は、レーザ発振器110、分割器120、画像認識装置410及び強度測定装置420に接続されている。
制御装置500は、溶融池350の大きさ及び発光強度の強さに応じてレーザ発振器110及び分割器120の少なくとも一方を制御することで合成レーザ光L10の強度分布を調整する。
まず、制御装置500が、溶融池350の大きさに応じて強度分布を制御することについて説明する。制御装置500は、溶融池350の大きさに応じて、照射レーザ光Ltgの強度分布のうちトップハット型のエネルギー強度を調整する。これは、溶融池350の大きさと、照射レーザ光Ltgの照射される全範囲に付与されるエネルギー量との間に相関関係があり、全範囲にエネルギーを付与するトップハット型の影響が大きいからである。
制御装置500は、溶融池350の大きさが溶接に適した大きさに対して大きいか否かを判断することができる。制御装置500は、溶融池350の大きさが大きいと判断すると、照射レーザ光Ltgのうちのトップハット型のエネルギー強度を低くするように制御する。逆に、制御装置500は、溶融池350の大きさが小さいと判断すると、照射レーザ光Ltgのうちトップハット型のエネルギー強度を高くするように制御する。このとき、制御装置500は、第1のレーザ光L1のエネルギー強度を制御することによって照射レーザ光Ltgのトップハット型のエネルギー強度を制御する。
ところで、本実施形態では、第1のレーザ光L1のエネルギー強度は、レーザ発振器110のレーザ光の出力の調整、及び、分割器120の分割比率の調整の少なくとも一方で行うことができる。
具体的には、制御装置500は、レーザ発振器110の出力を上昇(又は低下)させることで第1のレーザ光L1のエネルギー強度を高く(又は低く)させることができる。このとき、分割されるもう一方の第2のレーザ光L2の強度も併せて高く(又は低く)される。このため、合成レーザ光L10に含まれるトップハット型及びガウシアン型のエネルギー強度はいずれも同様に高く(又は低く)なる。
また制御装置500は、分割器120の分割比率を透過率を高く(又は低く)するように変更することで第1のレーザ光L1のエネルギー強度を高く(又は低く)させることができる。なおこのとき、透過率とは逆に、反射率は低く(又は高く)なるため第2のレーザ光L2のエネルギー強度は低く(又は高く)なる。よって、合成レーザ光L10に含まれるトップハット型のエネルギー強度は高く(又は低く)なる一方、ガウシアン型のエネルギー強度は低く(又は高く)なる。
続いて、制御装置500が、溶融池350の発光強度の強さに応じて強度分布を制御する態様について説明する。制御装置500は、溶融池350の発光強度の強さに応じて、照射レーザ光Ltgの強度分布のうちガウシアン型のエネルギー強度を調整する。これは、溶融池350の発光強度は激しく溶融している部分から強く発光される傾向にあり、照射レーザ光Ltgのうち最大のエネルギーを付与する部分を有するガウシアン型の影響が大きいからである。
制御装置500は、溶融池350の発光強度の強さが適切な溶融状態における発光強度に対して強いか否かを判断することができる。制御装置500は、溶融池350の発光強度が強いと判断すると、照射レーザ光Ltgのうちのガウシアン型のエネルギー強度を低くするように制御する。逆に、制御装置500は、溶融池350の発光強度が弱いと判断すると、ガウシアン型のエネルギー強度を高くするように制御する。このとき、制御装置500は、第2のレーザ光L2のエネルギー強度を制御することによって照射レーザ光Ltgのガウシアン型のエネルギー強度を制御する。
ところで、本実施形態では、第2のレーザ光L2のエネルギー強度は、レーザ発振器110のレーザ光の出力の調整、及び、分割器120の分割比率の調整の少なくとも一方で行うことができる。
具体的には、制御装置500は、レーザ発振器110の出力を上昇(又は低下)させることで第2のレーザ光L2のエネルギー強度を高く(又は低く)させることができる。このとき、分割されるもう一方の第1のレーザ光L1の強度も併せて高く(又は低く)される。このため、合成レーザ光L10に含まれるトップハット型及びガウシアン型のエネルギー強度はいずれも同様に高く(又は低く)なる。
また制御装置500は、分割器120の分割比率を反射率を高く(又は低く)するように変更することで第2のレーザ光L2のエネルギー強度を高く(又は低く)させることができる。なおこのとき、反射率とは逆に、透過率は低く(又は高く)なるため第1のレーザ光L1のエネルギー強度は低く(又は高く)なる。よって、合成レーザ光L10に含まれるガウシアン型のエネルギー強度は高く(又は低く)なる一方、トップハット型のエネルギー強度は低く(又は高く)なる。
図10のリスト510を参照して、制御装置500が溶融池350の大きさ及び発光強度の強さに応じて合成レーザ光L10の強度分布を調整する例について説明する。
制御装置500は、発光強度「強」かつ溶融池「大」のとき、溶接対象部分の全体に照射しているエネルギー強度が高いと判断すると、トップハット型及びガウシアン型のエネルギー強度をいずれも低くするように制御する。例えば、制御装置500は、レーザ発振器110の出力を低下させる。
また制御装置500は、発光強度「弱」かつ溶融池「大」のとき、溶接対象部分の全体に照射しているエネルギー強度は高い一方、溶接対象部分の中心部に照射されているエネルギー強度は低いと判断するようにする。すると制御装置500は、ガウシアン型のエネルギー強度を高くする一方、トップハット型のエネルギー強度は低くするように制御する。例えば、制御装置500は、分割器120の分割比率を透過率を低くするように制御する。
さらに制御装置500は、発光強度「弱」かつ溶融池「小」のとき、溶接対象部分に照射しているエネルギー強度が低いと判断すると、トップハット型及びガウシアン型のエネルギー強度をいずれも高くするように制御する。例えば、制御装置500は、レーザ発振器110の出力を上昇させる。
また制御装置500は、発光強度「強」かつ溶融池「小」のとき、溶接対象部分の全体に照射しているエネルギー強度が低い一方、溶接対象部分の中心部に照射しているエネルギー強度は高いと判断する。すると制御装置500は、ガウシアン型のエネルギー強度を低くする一方、トップハット型のエネルギー強度を高くするように制御する。例えば、制御装置500は、分割器120の分割比率を透過率を高くするように制御する。
このように、レーザ溶接装置は、溶接対象部分の溶融池350の大きさや発光強度の強さに応じて、溶接に適した強度分布を有する合成レーザ光L10を生成し、これを照射レーザ光Ltgとして接合対象に照射することができる。よって、接合対象の溶接対象部分に好適な溶接状態を維持させつつ溶接加工を行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施形態のレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法によれば、上記第1及び第2の実施形態に記載した(1)〜(4)の効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(7)発振レーザ光L0の分割比率が接合対象の溶融状態に応じて制御される、つまりフィードバック制御されるため溶接対象部分に適切な溶接が維持される可能性が高められる。例えば、溶融池350の赤外線強度は溶融状態に応じて異なるため、赤外線強度を測定することによって照射レーザ光Ltgの強度分布を溶接に適した特性に制御することができる。また例えば、溶融池の大きさは溶融状態に応じて異なるため、溶融池350の大きさを測定することによって照射レーザ光Ltgの強度分布を溶接に適した特性に制御することができる。
(第5の実施形態)
図11〜13に従って、レーザ溶接装置を具体化した第5の実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、強度分布変更器130の出力を合成レーザ光L35として集光レンズ156に入力する構成であることが第2の実施形態のレーザ溶接装置の構成と相違するものの、その他の構成は同様であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、図11〜図13において、強度分布変更器130は、説明の便宜上、光ファイバーの構成のみを図示し、その他の構成の図示を割愛している。なお、強度分布変更器130の第1コア部131と第2コア部132との間には第1クラッド部133が、第2コア部132の外周面には第2クラッド部134がそれぞれ設けられている。
図11〜図13に示すように、レーザ溶接装置は、高輝度なYAGレーザなどのレーザ発振装置から出力されたガウシアン型(強度分布D30)の発振レーザ光L30を、分割器150を介して強度分布変更器130の第1コア部131及び第2コア部132の少なくとも一方に入力させる。分割器150を通過した発振レーザ光L30は、分割器150と強度分布変更器130との間に設けられた集光レンズ154により集光されて第1コア部131及び第2コア部132の少なくとも一方に適切に入力される。強度分布変更器130は、入力された発振レーザ光L30の強度分布を変更させて合成レーザ光(合成レーザ光L35,L36,L37)として出力させる。合成レーザ光L36は、強度分布変更器130の第1コア部131から出力される変更されたレーザ光と、第2コア部132から出力される発振レーザ光L30の一部からなるレーザ光とが合成されたものとなる。そして、強度分布変更器130から出力される合成レーザ光L36などは、コリメートレンズ155により一旦並行光とされるとともに、その並行光が集光レンズ156により集光されて溶接対象に溶接加工用のレーザ光として照射される。なお、強度分布変更器130の第1コア部131はレーザ光の強度分布をガウシアン型に変更させ、第2コア部132はレーザ光の強度分布をトップハット型に変更させる。よって、ガウシアン型の発振レーザ光L30が入力された場合であれ、強度分布変更器130は、第1コア部131からガウシアン型のレーザ光を出力し、第2コア部132からトップハット型のレーザ光を出力させる。
分割器150は、いわゆる異型プリズムもしくはビームスプリッタであって、発振レーザ光L30の進行方向を維持する維持面151と、進行方向を変更させる屈折面152とを備える。分割器150は、発振レーザ光L30のうち維持面151を透過する第1のレーザ光L31を、集光レンズ154を介して第1コア部131に入力させ、屈折面152を透過する第2のレーザ光L32を、集光レンズ154を介して第2コア部132に入力させる。つまり、分割器150は、発振レーザ光L30を2つのレーザ光に分割する。また、分割器150は、発振レーザ光L30の進行方向に交差する、例えば直行する方向(図において矢印の方向)に移動可能となっており、発振レーザ光L30を透過させる部分を、維持面151のみ、維持面151及び屈折面152、屈折面152のみのいずれにすることができる。また、分割器150は、発振レーザ光L30の維持面151と屈折面152とに跨る比率を変更させることで分割比率を変更させることができる。つまり、分割器150は、発振レーザ光L30に対して相対移動することにより分割比率を変更する。
例えば、図11に示すように、分割器150は、発振レーザ光L30を維持面151のみを通過させることによって維持面151を透過した第1のレーザ光L31を、集光レンズ154を介して第1コア部131のみに入力させる。なお発振レーザ光L30は屈折面152を透過しないため、第2コア部132には入力されない。これにより、強度分布変更器130の出力部から第1コア部131にて変更されたガウシアン型(強度分布D35)の合成レーザ光L35が出力される。
例えば、図12に示すように、分割器150は、発振レーザ光L30を維持面151と屈折面152とを通過させることによって維持面151を透過した第1のレーザ光L31を、集光レンズ154を介して第1コア部131に入力させ、屈折面152を透過した第2のレーザ光L32を、集光レンズ154を介して第2コア部132に入力させる。これにより、強度分布変更器130の出力部から第1コア部131にて変更されたガウシアン型の強度分布と、第2コア部132による導光によって変換されたトップハット型の強度分布との合成された強度分布D36の合成レーザ光L36が出力される。
例えば、図13に示すように、分割器150は、発振レーザ光L30を屈折面152のみを通過させることによって屈折面152を透過した第2のレーザ光L32を、集光レンズ154を介して第2コア部132のみに入力させる。なお発振レーザ光L30は維持面151を透過しないため、第1コア部131には入力されない。これにより、強度分布変更器130の出力部から第2コア部132にて変更されたトップハット型(強度分布D37)の合成レーザ光L37が出力される。
すなわち、ガウシアン型の強度分布とトップハット型の強度分布とが合成されてなる強度分布を有する合成レーザ光L36を分割器150の移動のみの簡単な制御で作成できるようになる。これにより、溶接対象の溶接に適切な強度分布のレーザ光が作成されるようになる。
以上説明したように、本実施形態のレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法によれば、上記第1及び第2の実施形態に記載した(1),(2),(4)の効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(8)強度分布変更器130は、ダブルコアファーバーであることから、第2のレーザ光L32の特性も変更することができるようになる。これにより合成レーザ光L36の強度分布をより溶接に適した特性に変更することのできる可能性が高められる。
(9)2分割であれば、発振レーザ光L30を分割する分割器150の構成を簡易にすることができる。
(その他の実施形態)
なお上記各実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記第5の実施形態では、発振レーザ光L30はガウシアン型(強度分布D30)である場合について例示した。しかしこれに限らず、発振レーザ光の強度分布は、半導体レーザが発振するトップハット型など、ガウシアン型以外の分布であってもよい。
例えば、図14に示すように、半導体レーザの発振するトップハット型(強度分布D40)の発振レーザ光L40を分割器150を介して強度分布変更器130に入力させてもよい。つまり、発振レーザ光L40は、分割器150の維持面151を介して第1のレーザ光L41が集光レンズ154を介して第1コア部131に入力され、同屈折面152を介して第2のレーザ光L42が集光レンズ154を介して第2コア部132に入力される。そして、強度分布変更器130の出力部から、第1コア部131にて変更されたガウシアン型の強度分布と、クラッド部に導光されたトップハット型の強度分布とを合成された強度分布D45の合成レーザ光L45が出力される。そして、強度分布変更器130から出力される合成レーザ光L45は、コリメートレンズ155により一旦並行光とされるとともに、その並行光が集光レンズ156により集光されて溶接対象に溶接加工用のレーザ光として照射される。
これにより、レーザ溶接装置としての設計の自由度の向上が図られるようになる。
・上記第4の実施形態では、溶融池350の大きさ及び発光強度の強さに応じて合成レーザ光L10の強度分布を調整する場合について例示した。しかしこれに限らず、合成レーザ光の強度分布は、溶融池の大きさ及び発光強度の強さのいずれか一方に応じて調整されてもよい。溶融池の大きさ及び発光強度の強さのいずれか一方に応じて調整される場合であれ、溶融池の大きさを適切な大きさにするように、又は、溶融池の発光強度を適切な強さにするように、合成レーザ光の強度分布を制御することができる。これにより、レーザ溶接装置としての設計の自由度の向上が図られるようになる。
・上記第3の実施形態では、検出器270は、ケース310と蓋320との間の溝部330の溝幅Wを計測用レーザSeにて計測する場合について例示した。しかしこれに限らず、溝部の溝幅を測定できるのであれば、画像認識などにより計測してもよいし、レーザ計測以外であってもよい。なお、フィードバックなどを行う場合、非接触での計測が望ましいが、接触式の計測器によって計測してもよい。これにより、レーザ溶接装置としての設計の自由度が向上されるようになる。
・上記第3の実施形態では、検出器270が4つある場合について例示したが、これに限らず、溶接対象部分の溝部の溝幅が測定できるのであれば、検出器は1〜3個のいずれであってもよいし、5つ以上あってもよい。検出器が1〜3個であれば装置の構成を簡単にすることができ、5つ以上であれば測定精度を高めたり、測定時間を短縮させたりすることができるようになる。これにより、レーザ溶接装置としての利便性の向上が図られるようになる。
・上記第1〜第4の実施形態では、レーザ発振器110からトップハット型の発振レーザ光L0が出力される場合について例示した。しかしこれに限らず、レーザ光の合成により照射レーザ光の強度分布を変更することができるのであれば、レーザ発振器から出力される発振レーザ光の強度分布はガウシアン型などトップハット型以外の分布であってもよい。
すなわち、上記第1〜4の実施形態では、トップハット型の発振レーザ光L0を発振し、その一部を強度分布変更器130でガウシアン型に変更し、トップハット型のレーザ光とガウシアン型のレーザ光を合成している場合について説明した。しかしこれに限らず、ガウシアン型の発振レーザ光を発振し、その一部を強度分布変更器でトップハット型に変更し、ガウシアン型のレーザ光とトップハット型のレーザ光とを合成するようにしてもよい。
これにより、レーザ溶接装置を設計する自由度の向上が図られるようになる。
・上記第1〜第4の実施形態では、スプリッター部122の相対位置や相対角度を変更させることで分割比率が変えられる場合について例示した。しかしこれに限らず、スプリッター部122の分割比率が可変とされるのであれば、どのような態様で可変とされてもよい。例えば、透過率及び反射率の定められた複数のスプリッター部を入れ替えるような構成であってもよい。これにより、レーザ溶接装置としての設計の自由度の向上が図られるようになる。
・上記各実施形態では、分割器120,150は分割比率が設定される場合について例示したがこれに限らず、発振レーザ光を適切に分割することができるのであれば、分割比率の変わりに、透過率や反射率などで設定されてもよい。また、分割比率、透過率や反射率などに対応する、位置や角度などの関連する値によって設定されてもよい。これにより、レーザ溶接装置としての設計の自由度の向上が図られるようになる。
・上記各実施形態では、強度分布変更器130はファイバーレーザ共振器である場合について例示した。しかしこれに限らず、レーザ光の強度分布を変更することができるものであれば、強度分布変更器は、ファイバーレーザ共振器(光ファイバー)より構成されたものでなくてもよい。これにより、レーザ溶接装置としての設計の自由度の向上が図られるようになる。
・上記各実施形態では、電池300を溶接する場合について例示したが、これに限らず、溶接加工を要するものであれば、電池以外のものを溶接対象にしてもよい。これにより、レーザ溶接装置を適用することのできる範囲の拡張が図られるようになる。
・上記各実施形態では、接合対象が金属製の部材である場合について例示した。しかしこれに限らず、接合対象の部材は、レーザにより溶融させることができる材料であれば、例えば樹脂など、金属以外の材料からなる部材であってもよい。これにより、レーザ溶接装置として設計の自由度が向上されるようになる。
100…レーザ生成部、110…レーザ発振器、120…分割器、121…制御部、122…スプリッター部、130…強度分布変更器、131…第1コア部、132…第2コア部、133…第1クラッド部、134…第2クラッド部、140…全反射ミラー、150…分割器、151…維持面、152…屈折面、154,156…集光レンズ、155…コリメートレンズ、180…第1のコリメートレンズ、181…第2のコリメートレンズ、190…第1の光ファイバー、191…第2の光ファイバー、200…レーザ光出力部、210…合成器、211…反射部、220…全反射ミラー、250…集光レンズ、260…コリメートレンズ、270…検出器、300…電池、310…ケース、320…蓋、330…溝部、340…ビード、350…溶融池、400…第1の分光器、401…第2の分光器、410…画像認識装置、420…強度測定装置、500…制御装置、510…リスト。

Claims (5)

  1. レーザ発振器から出力されたレーザ光を可変の分割比率にて分割する分割器と、
    前記分割器によるレーザ光の分割比率を制御する制御装置と、
    前記分割器により分割されたレーザ光の一つについてその強度分布を変更する強度分布変更器と、
    前記強度分布変更器により変更されたレーザ光と前記分割器により分割された他のレーザ光とを合成する合成器と、
    を備えるレーザ溶接装置。
  2. 前記分割器は、前記レーザ発振器から出力されたレーザ光を2つのレーザ光に分割するものである
    請求項1に記載のレーザ溶接装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ溶接装置において、
    前記合成器より合成したレーザ光が照射される接合対象とする2つの部材の間の距離を検出して前記制御装置に出力する検出部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記検出部の検出した前記2つの部材の間の距離に応じて前記分割器によるレーザ光の分割比率を制御する
    ことを特徴とするレーザ溶接装置。
  4. 請求項1又は2に記載のレーザ溶接装置において、
    前記合成器によって合成されるレーザ光が照射される部分の溶接時における溶融状態を測定する溶融状態測定器を備え、
    前記制御装置は、前記溶融状態測定器により測定される溶融状態に応じて前記分割器によるレーザ光の分割比率を制御する
    ことを特徴とするレーザ溶接装置。
  5. レーザ発振器の発振したレーザ光を接合対象に照射してレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記レーザ発振器から出力されたレーザ光を、分割器による分割比率を制御装置によって制御しつつ分割させるステップと、
    前記分割器により分割されたレーザ光の一つについてその強度分布を強度分布変更器によって変更するステップと、
    前記強度分布変更器により強度分布が変更されたレーザ光と前記分割器により分割された他のレーザ光とを合成器により合成するステップと、
    を備えるレーザ溶接方法。
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