JP2015183055A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制に優れ、透明性を保持しながら優れた遮光性を有するポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】全光線透過率が30%以上、光学濃度が0.05以上であって、全光線透過率斑が20%以下、光学濃度斑が20%以下であるポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制に優れ、透明性を保持しながら優れた遮光性を有するポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、優れた機械的特性、熱的特性、電気的特性を有し、コストパフォーマンスにも優れるため、各種産業用途に広く使用されており、包装材料、磁気記録材料、電気絶縁材料、光学材料等多岐に渡って生産されている。しかしながら、用途が多様化するにつれて、ポリエステルフィルムに要求される特性および品質、さらにコストダウンに関わる生産性は、それぞれの用途分野において益々厳しくなっており、解決すべき課題も数多く有る。例えば、ポリエステルフィルムを窓貼り用フィルム(ウインドウ・フィルムとも呼ばれる)として用いる場合には、透明性、遮光性、色調の均一性、寸法安定性、耐擦傷性、耐熱性、耐薬品性、耐候性等が要求される。
一般的に、ウインドウ・フィルムとは、窓ガラスに貼付けしてガラスの機能を損なわずに、新しく様々な機能を付加するフィルムであり、主な機能として、ガラスの飛散防止機能、日射調整機能、防犯機能、装飾機能、紫外線カット機能等が挙げられる。また、ウインドウ・フィルムは、使用用途に応じて、建築物の窓ガラス用フィルムと自動車の窓ガラス用フィルムの2種類に分類される。窓ガラスに上記の機能を付加するために要求される特性では、遮光性が特に重要とされている。フィルムに遮光性を付与する方法としては、公知の染料や顔料を用いることが知られている。しかしながら、染料についてはフィルム表面からのブリードアウトや、高価な耐熱タイプの使用によるコスト面での課題が有る。また、顔料については、コスト面では優れるものの、フィルム表面からのブリードアウトや、フィルムの濁りの発生の課題が有る。
そのような中で、積層ポリエステルフィルムの各層の染料濃度と層厚み、熱収縮率を規定することで、製造時、加工時および使用時に染料による汚染がなく、また使用時にシワが発生することのない、施工性の優れた自動車窓貼り用積層ポリエステルフィルムが提案されている(特許文献1)。
また、染料を含有するポリエステル層の両面にポリエステル層を有する、少なくとも3層構造の共押出積層フィルムであって、平均一次粒径5〜100nmのカーボンブラックを0.001〜1.2重量%含有することで、色材として顔料を用いてもフィルムの濁りの発生が少ない窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムが提案されている(特許文献2)。
特開2000−198175号公報 特許第4189896号公報
特許文献1記載の自動車窓貼り用積層ポリエステルフィルムは、積層ポリエステルフィルムの各層の染料濃度と層厚みを規定することで、フィルム表面からの染料のブリードアウトによる製造時、加工時および使用時の汚染を抑制することができる。しかしながら、染料自体は使用するため、汚染の完全な抑制については十分ではなかった。また、フィルムを構成するポリエステル樹脂の溶融温度に対応できる耐熱性の染料は高価であり、コスト面について十分に考慮されている設計ではなかった。
特許文献2記載の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、色材として顔料であるカーボンブラックを用い、該カーボンブラックの平均一次粒径と含有量を規定することで、顔料を用いてもフィルムの濁りの発生が少ない窓貼り用フィルムを得ることができる。しかしながら、フィルム中のカーボンブラックの分散性、すなわち、フィルムの色調の均一性については十分ではなかった。
そこで本発明の課題は上記した従来技術の問題点を解決し、全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制に優れ、透明性を保持しながら優れた遮光性を有するポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(I)全光線透過率が30%以上、光学濃度が0.05以上であって、全光線透過率斑が20%以下、光学濃度斑が20%以下であるポリエステルフィルム。
(II)前記ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物がカーボンブラックを含有しており、該カーボンブラックの含有量がポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物全体に対して0.01重量%以上0.50重量%以下である(I)に記載のポリエステルフィルム。
(III)前記カーボンブラックの平均二次粒径が0.1μm以上3.0μm未満である(II)に記載のポリエステルフィルム。
(IV)前記ポリエステルフィルムが、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBを添加して得られる(II)または(III)に記載のポリエステルフィルム。
(V)前記カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2である(IV)に記載のポリエステルフィルム。
(VI)前記ポリエステルフィルムの厚みが50μm以下である(I)〜(V)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(VII)窓貼り用途に用いられる(I)〜(VI)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(VIII)極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂と、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBを用いて得られるマスターチップを原料として用いて得られる(I)〜(VII)のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
(IX)前記マスターチップ中のカーボンブラックの含有量が10重量%以上30重量%以下である(VIII)に記載のポリエステルフィルム。
(X)前記マスターチップが、極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂と平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBは予めブレンドした後に押出機へ投入し、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAは押出機のサイドフィーダーから押出機へ投入して作製する(VIII)または(IX)に記載のポリエステルフィルム。
(XI)前記マスターチップに添加するカーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2である(X)に記載のポリエステルフィルム。
本発明により、全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制に優れ、透明性を保持しながら優れた遮光性を有するポリエステルフィルムを得ることができる。本発明で得られるポリエステルフィルムは、例えば、自動車の窓、建築物の窓等の窓貼り用フィルムとして好適に用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、全光線透過率が30%以上、光学濃度が0.05以上であることが必要である。
本発明のポリエステルフィルムは、全光線透過率を30%以上とすることで、窓貼り用フィルムとして優れた透明性を得ることができる。全光線透過率が30%未満の場合、室内の明るさが乏しくなることがある。全光線透過率の上限は特に限定されないが、90%を超えると遮光性が劣ることがある。本発明のポリエステルフィルムは、全光線透過率が30%以上90%以下であることが好ましく、31%以上80%以下であることがより好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムは、光学濃度を0.05以上とすることで、窓貼り用フィルムとして優れた遮光性を得ることができる。光学濃度は、フィルム厚み及びフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中のカーボンブラックの含有量によって調整することができる。光学濃度が0.05未満の場合、遮光性が不十分となり、窓貼り用フィルムとしての機能を発揮できなくなることがある。光学濃度の上限は特に限定されないが、光学濃度が0.5を超えると透明性が劣ることがある。本発明のポリエステルフィルムは、光学濃度が0.05以上0.5以下であることが好ましく、0.06以上0.4以下であることがより好ましい。
上記の通り、全光線透過率が30%以上、光学濃度が0.05以上であるフィルムとすることで、透明性、遮光性を両立したフィルムとなる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、全光線透過率斑が20%以下、光学濃度斑が20%以下であることが必要である。全光線透過率斑、光学濃度斑は、後述する測定方法により求められる色調の均一性を表す指標である。本発明のポリエステルフィルムは、全光線透過率斑を20%以下、光学濃度斑を20%以下とすることで、フィルム面全体において優れた色調の均一性を得ることができる。全光線透過率斑が20%を超える場合、フィルム面に色斑が発生することがある。光学濃度斑が20%を超える場合も同様に、フィルム面に色斑が発生することがある。色斑が発生すると、窓貼り用フィルムとして使用することができない。全光線透過率斑は15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。また、光学濃度斑は15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。全光線透過率斑、光学濃度斑を上記の範囲とする方法については、1)平均二次粒径の異なる複数のカーボンブラックを含有させる方法、2)フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中にカーボンブラックを含有せしめる条件を特定の条件で行なう方法、3)上記の組み合わせ、が挙げられる。詳しくは後述する。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムヘイズが5.0%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3.5%以下である。フィルムヘイズが5.0%を超える場合、フィルムの濁りが目立つようになり、窓貼り用フィルムとしての透明性が損なわれることがある。
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸構成成分とジオール構成成分とを反応せしめて得られる、主鎖の主要な結合鎖としてエステル結合を有する高分子である。該ポリエステルを構成するジカルボン酸構成成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、イソソルビド、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。また、該ポリエステルを構成するジオール構成成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンゼンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、芳香族ジオール類等のジオール、上述のジオールが複数個連なったものが挙げられるがこれらに限定されない。
また、本発明に用いられるポリエステルとしては、機械的特性、熱的特性、電気的特性、生産性等の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂組成物中にカーボンブラックを含有しており、該カーボンブラックの含有量がポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物全体に対して0.01重量%以上0.50重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.02重量%以上0.40重量%以下、特に好ましくは0.02重量%以上0.30重量%以下である。カーボンブラックの含有量が0.01重量%未満の場合、窓貼り用フィルムとしての遮光性が不十分となる(光学濃度が低くなる)ことがある。カーボンブラックの含有量が0.50重量%を超える場合、フィルムヘイズが高くなり透明性が損なわれ(全光線透過率が低下し)、また、フィルムの製膜性が低下することがある。
一般的に、窓貼り用フィルムとして遮光性を付与するために、公知の顔料を用いることが知られている。顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、ベンガラ、クロムイエロー、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、紺青、群青、カーボンブラック等の無機系顔料や、不溶性アゾ系、溶性アゾ系、銅フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、ジオキサジン系、ポリアゾ系等の有機系顔料が挙げられる。その中でも、カーボンブラックは、着色力が高く、熱に安定でブリードアウトの懸念も無く、加熱成型される樹脂やフィルムの着色に適した顔料である。また、紫外光の吸収能にも非常に優れているため、樹脂に少量配合するだけで、着色効果に加えて優れた紫外線劣化防止効果を得ることができる。
また、本発明におけるカーボンブラックの種類としては、特に限定されず公知のものを使用することができる。一般的に、カーボンブラックの製造方法としては、ファーネス法、チャンネル法、アセチレン法、油煙法(ランプ法)・松煙法が知られているが、本発明に用いられるカーボンブラックとしては、製造方法の違いよりも、むしろ不純物の少ないカーボンブラックであることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂組成物中にカーボンブラックを含有し、該カーボンブラックの平均二次粒径が0.1μm以上3.0μm未満であることが好ましい。より好ましくは0.2μm以上2.6μm未満である。平均二次粒径が0.1μm未満の場合、摺動性が不良となり、凝集し易くなることがある。平均二次粒径が3.0μmを超える場合、フィルム中に分散斑が発生し、引張強度の低下や製膜性が不良となることがある。また、フィルム中のカーボンブラックの平均二次粒径は、後述のように顕微鏡を用いて拡大した写真を観察することによって測定することができる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物は、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBの2種類のカーボンブラックを添加して得られるものであると、フィルムの色調の均一性が良好となるため好ましい。これら平均二次粒径の異なる2種類のカーボンブラックを用いることによって、フィルム中において、粒径の大きい方のカーボンブラックB同士の隙間に、粒径の小さい方のカーボンブラックAが入り込むことによって、カーボンブラックの分散性が良好となり、その結果、全光線透過率斑と光学濃度斑に優れたフィルムを得ることができる。
また、前記カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2であることが好ましい。カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比が70/30を下回る場合、粒径の大きい方のカーボンブラックBが過多となり、分散性は増すもののフィルム中におけるカーボンブラックの分散斑が発生し、光学濃度斑が上昇することがある。カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比が98/2を超える場合、粒径の小さい凝集し易いカーボンブラックAが多く存在するため、フィルム中のカーボンブラックの分散性が低下し、全光線透過率斑が上昇することがある。平均二次粒径の異なる2種類のカーボンブラックを上記の添加量の範囲で用いることによって、均一な色調を有する、全光線透過率斑、光学濃度斑を抑制したフィルムを得ることができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、粒径の異なる複数のカーボンブラックを含有すると、窓貼り用フィルムとして、良好な意匠性を付与することができるため好ましい。
粒径の小さいカーボンブラックを、フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に添加すると、フィルムの色調の黒度を大きく上昇させる(L値を低下させる)ことができるが、赤みも増す(a値を上昇させる)傾向にある。一方、粒径の大きいカーボンブラックを、フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に添加すると、フィルムの色調は黒度を上昇させる(L値を低下させる)効果は小さいが、a値には影響を与えず、また、青味が増し(b値が低下する)て、意匠的に良好な漆黒調の色相を得ることができる。平均二次粒径の異なる2種類のカーボンブラックを用いることによって、色相の異なるカーボンブラックが混ざり合うことで、それぞれの色相の長所を増長し合う相乗的な効果を発現させることができ、窓貼り用フィルムとして好適な色調を有するポリエステルフィルムを得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中には、フィルム表面の滑り性を確保するために、粒子等の滑材を含有させてもよい。滑材としては、例えば、平均粒径0.02〜2.0μmのシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、架橋ポリスチレン等の1種類または2種類以上を挙げることができ、添加量はフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物に対して0.001〜0.2重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。滑材の添加量が0.2重量%を超える場合、フィルムヘイズが高くなり透明性が損なわれることがある。滑材の添加量が0.001重量%未満の場合、フィルム表面の良好な滑り性を確保できなくなることがある。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物中には、必要に応じて帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等を、本発明の効果を損ねない範囲で含有させてもよい。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、50μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上40μm以下であり、特に好ましくは10μm以上30μm以下である。フィルム厚みが50μmを超える場合、所望の光学濃度とするために多量のカーボンブラックを添加する必要が有るため、コスト面で不利となることがある。また、窓貼り用フィルムとして用いる際、窓ガラスへ貼り合わせする時にエア抜け不良で仕上がりが悪くなることがある。フィルム厚みが5μm未満の場合、フィルムの製膜時に破れが発生し易くなることがある。また、窓貼り用フィルムとして用いる際、窓ガラスへ貼り合わせする時に皺やカールが発生して仕上がりが悪くなることがある。
上述した通り、本発明のポリエステルフィルムは、平均二次粒径の異なる複数のカーボンブラックを含有させる方法により、フィルムの色調の均一性(全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制)に優れるフィルムを得ることができるが、フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物へカーボンブラックを含有せしめる条件を以下の条件で行なうと、遮光性、透明性、色調の均一性に優れたフィルムを、生産性良く得ることができるため好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂とカーボンブラックを用いて得られるマスターチップ(カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスター)を原料として用いることが好ましい。該マスターチップを作製する際は、混練前のポリエステル樹脂の極限粘度と、得られるカーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスターの極限粘度が下記の式(1)を満足することが好ましい。
(1)0.75 ≦ [η]b/[η]a ≦ 0.90
[η]a:0.70dl/g以上のポリエステル樹脂の極限粘度(dl/g)
[η]b:カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスターの極限粘度(dl/g)
カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスターは、ポリエステル樹脂の極限粘度[η]aが0.70g/dl以上、より好ましくは0.72g/dl以上のポリエステル樹脂と、カーボンブラックを混練して得ることが好ましい。
また、[η]b/[η]aは、より好ましくは、0.76以上、0.88以下であり、さらに好ましくは、0.78以上、0.85以下である。[η]b/[η]aが0.75未満の場合、マスター原料の極限粘度の低下が大きく、フィルムの機械特性が悪化し、製膜時のフィルム破れが頻発する場合がある。[η]b/[η]aが0.90を超える場合、溶融混練におけるせん断が不十分となり、カーボンブラックの分散性が悪化し、色調の均一性、遮光性の悪化や製膜時の濾圧上昇を招き、連続生産性が悪化する場合がある。
また、[η]b/[η]aが、上記の式(1)を満たすための方法は、溶融混練部の温度、溶融混練の時間(ポリマーの滞留時間)、溶融混練時に加える剪断力を適宜調整することにより達成することができる。溶融混練する装置としては、一軸押出機であっても、二軸以上の押出機であっても良いが、二軸押出機などのせん断応力が高い高せん断混合機を用いる方法が好ましい。また、分散不良物を低減させる観点から、3条二軸タイプまたは2条二軸タイプのスクリューを装備したものが好ましい。二軸押出機を用いる場合、溶融混練部は200℃〜280℃の温度範囲が好ましい。より好ましい温度範囲は210℃〜280℃であり、さらに好ましい温度範囲は220℃〜280℃である。そのときのポリマーの滞留時間は1〜5分の範囲であることが好ましい。また、二軸のスクリュー回転数を100〜500回転/分とすることが好ましく、さらに好ましくは200〜300回転/分の範囲である。スクリュー回転数を好ましい範囲に設定することで、高いせん断応力が付加され易く、カーボンブラックの分散性を向上させることが可能となり、せん断応力がかかり過ぎることにより起こるポリエステルの分解反応を抑制することができる。また、二軸押出機の(スクリュー軸長さ/スクリュー軸径)の比率(L/D)は20〜60の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは30〜50の範囲である。さらに、二軸押出機のスクリュー構成において、混練力を高めるためにニーディングパドル(ニーディングディスク)などによる混練部を設けることが好ましく、その混練部を好ましくは2箇所以上、さらに好ましくは3箇所以上設けたスクリュー構成にすることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、上述のマスターチップに添加するカーボンブラックとして、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBを用いることが好ましい。そして、極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂と、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBを用いてマスターチップを作製する際には、極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂と平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBとを予めブレンドした後に押出機へ投入し、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAは押出機のサイドフィーダーから押出機へ投入してマスターチップを作製することが好ましい。本発明の特徴として、平均二次粒径の大きいカーボンブラックBを予めポリエステル樹脂のペレットとブレンドして押出機に投入し、同時に、より凝集し易い平均二次粒径の小さい方のカーボンブラックAを、個別に押出機のサイドフィーダーから投入して混練することで、カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスター中のカーボンブラックの分散性を極めて良好にすることができ、該マスターチップを原料として用いることによって、フィルム中のカーボンブラックの分散性が極めて良好な、全光線透過率斑と光学濃度斑に優れたポリエステルフィルムを得ることができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、前記マスターチップ中のカーボンブラックの含有量が10重量%以上30重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、10重量%以上25重量%以下である。10重量%未満の場合、フィルム製造における生産性が低下することがある。30重量%を超える場合、溶融混練時のせん断発熱の制御が難しくなり分散性が悪化することがある。また、カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2であることが好ましい。カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比が70未満/30を超える場合、粒径の大きい方のカーボンブラックBが過多となり、分散性は増すもののフィルム中におけるカーボンブラックの分散斑が発生し、光学濃度斑が悪化することがある。カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比が98を超える/2未満となる場合、粒径の小さい凝集し易いカーボンブラックAが多く存在するため、フィルム中のカーボンブラックの分散性が低下し、全光線透過率斑が上昇することがある。平均二次粒径の異なる2種類のカーボンブラックを上記の添加量の範囲で用いることによって、均一な色調を有する、全光線透過率斑、光学濃度斑を抑制したフィルムを得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2の割合で添加して得られることが好ましい。カーボンブラックAの添加量の比が70未満/30を超える場合、粒径の大きいカーボンブラックBが過多となり、分散性は増すもののフィルム中におけるカーボンブラックの分散斑が発生し、光学濃度斑が発生することがある。カーボンブラックAの添加量の割合が98を超える/2未満となる場合、粒径の小さい凝集し易いカーボンブラックAが過多となり、フィルム中のカーボンブラックの分散性が低下し、全光線透過率斑が上昇することがある。
本発明のポリエステルフィルムは、前記カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスターとカーボンブラックを含有しないポリエステル樹脂組成物を混合したものを原料として用いることが好ましい。
特に、カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスターと、カーボンブラックを含有しないポリエステル樹脂組成物のポリエステル樹脂の極限粘度が下記の式(2)を満たすことで、フィルムの遮光性、色調の均一性、連続生産性を向上するという効果を発揮する観点から好ましい。
(2)0.75 ≦ [η]b/[η]c ≦ 1.10
[η]b:カーボンブラック含有ポリエステル樹脂組成物マスターの極限粘度(dl/g)
[η]c:カーボンブラックを含有しないポリエステル樹脂組成物(c)のポリエステル樹脂の極限粘度(dl/g)
また、[η]b/[η]cは、遮光性、色調の均一性、連続生産性の観点からより好ましくは、0.85以上、1.05以下であり、さらに好ましくは0.90以上、0.95以下である。
次に、本発明のポリエステルフィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のポリエステルフィルムは、機械的強度や寸法安定性の観点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸フィルムの場合、例えば、以下の条件で製膜される。製膜機の口金からシート状に溶融押出された後、表面温度10℃以上60℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを得る。このようにして得られた未延伸フィルムを縦方向および横方向に二軸延伸して所望の厚みの二軸延伸フィルムに成形される。延伸は、逐次二軸延伸方式、あるいは、同時二軸延伸方式を用いることができる。例えば逐次二軸延伸の場合、該未延伸フィルムを70〜120℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2〜5倍延伸し、20〜30℃のロール群で冷却する。続いて、長手方向に延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらステンターに導き、90〜150℃に加熱した雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に2〜5倍延伸する。このようにして得られた二軸延伸フィルムは、結晶配向を完了させて、平面性や熱寸法安定性を付与するために、ステンター内にて150〜240℃で1〜30秒間の熱処理工程を経て、均一に冷却後、室温まで冷却して巻き取られる。なお、熱処理工程中に、必要に応じて横方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
本発明のポリエステルフィルムを窓貼り用フィルムに加工する際、その要求特性に応じて、例えば、易接着性、帯電防止性、耐候性、表面硬度の向上等を目的として、必要に応じて縦延伸後、横延伸のステンター入口前にコートを施して塗布層を設けてステンター内で乾燥させる、いわゆるインラインコーティングを行ってもよい。また、フィルムの製造後にオフラインコーティングで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶剤系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。また、塗布層を設けるために使用する塗布液は、塗布層の滑り性改良のために粒子を含有してもよい。粒子の種類としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の不活性無機粒子、また、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂から得られる微粒子あるいはこれらの架橋粒子に代表される有機粒子を挙げることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、色調の均一性(全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制)に優れ、透明性を保持しながら優れた遮光性を有するため、例えば、自動車の窓、建築物の窓等の窓貼り用フィルムとして好適に用いることができる。窓貼り用フィルムを貼り合わせする窓材としては、例えば、自動車、バス、電車などの車両、ビルディング、集合住宅、戸建住宅、店舗等の建築物の窓材であって、その材質は、例えば、酸化ケイ素系の無機ガラス、ポリカーボネート系、ポリメチルメタアクリレート系等の有機ガラスがあり、又、その形態は強化ガラス、半強化ガラス、フロートガラス、合わせガラス、複層ガラス等が挙げられる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)全光線透過率、全光線透過率斑
フィルムを30センチ角に切り取り、濁度計(日本電色工業製、NDH300A)を用い、JIS K 7361に準じてフィルムの全光線透過率を均等間隔で10点測定した。得られた数値の平均値を全光線透過率、最大値から最小値を引いた値を平均値で割って百分率で表した数値を全光線透過率斑とした。
(2)光学濃度、光学濃度斑
フィルムを30センチ角に切り取り、光学濃度計(日本平板機械製、XRite361T)を用い、光学濃度を均等間隔で10点測定した。測定は、フィルムの試料に垂直透過光束を照射し、試料が無い状態との比をlog(対数)で表したものを光学濃度とした。光束幅は直径1mmの円形もしくはそれ以上の広さのものとした。得られた数値の平均値を光学濃度、最大値から最小値を引いた値を平均値で割って百分率で表した数値を光学濃度斑とした。
(3)フィルムヘイズ
一辺が5cmの正方形状のフィルムのサンプルを3点準備する。次にサンプルを常態(23℃、相対湿度50%)において、40時間放置する。それぞれのサンプルについて、濁度計(日本電色工業製、NDH5000)を用い、JIS K 7136に準じて測定した。サンプル3点の平均値をフィルムヘイズとした。
(4)カーボンブラックの平均二次粒径、フィルム中に含有するカーボンブラックの平均二次粒径
カーボンブラックの粉体をエポキシ樹脂で包埋し、ミクロトームで切片を切り出して、これを走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−2100A)にて1000〜10000倍の倍率で観測し、カーボンブラックの二次粒子を視野内でランダムに100個選び、これらの等価円直径を測定し、粒子径が最大のものから5個、及び最小のものから5個を除き、残る90個から平均粒子径(数平均粒子直径)を算出し、カーボンブラックの平均二次粒径とした。
また、フィルム中に含有するカーボンブラックの平均二次粒径は、ポリエステルフィルムの小片をエポキシ樹脂で包埋し、ミクロトームで切片を切り出して、これを上記と同様に観測及び測定し、同様の方法で算出してフィルム中に含有するカーボンブラックの平均二次粒径とした。
(5)フィルム厚み
マイクロメータを用い、JIS C 2151「マイクロメータ法」に準じて測定した。製品幅1000mmの幅方向に沿ってほぼ等間隔になるように測定し、幅方向30点の平均値をフィルム厚みとした。
(6)極限粘度
オルトクロロフェノール100mlに測定試料を溶解させ(溶液濃度C=1.2g/dl)、該溶液の25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記の式(a)により、[η](dl/g)を算出し、得られた値を極限粘度とした。
(a)ηsp/C=[η]+K[η]・C
ここで、ηsp=(溶液粘度(dl/g)/溶媒粘度(dl/g))−1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。
なお、測定試料を溶解させた溶液に無機粒子などの不溶物がある場合は、以下の方法を用いて測定を行った。
i)オルトクロロフェノール100mLに測定試料を溶解させ、溶液濃度が1.2mg/mLよりも濃い溶液を作成する。ここで、オルトクロロフェノールに供した測定試料の重量を測定試料重量とする。
ii)次に、不溶物を含む溶液を濾過し、不溶物の重量測定と、濾過後の濾液の体積測定を行う。
iii)濾過後の濾液にオルトクロロフェノールを追加して、(測定試料重量(g)−不溶物の重量(g))/(濾過後の濾液の体積(mL)+追加したオルトクロロフェノールの体積(mL))が、1.2g/100mLとなるように調整する。
例えば、測定試料重量2.0g/溶液体積100mLの濃厚溶液を作成したときに、該溶液を濾過したときの不溶物の重量が0.2g、濾過後の濾液の体積が99mLであった場合は、オルトクロロフェノールを51mL追加する調整を実施する。((2.0g−0.2g)/(99mL+51mL)=1.2g/mL)
iv)iii)で得られた溶液を用いて、25℃の粘度をオストワルド粘度計を用いて測定し、得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、上記の式(a)により、[η]を算出し、得られた値を極限粘度とした。
(7)全光線透過率斑の評価
全光線透過率斑を、以下の基準で評価した。
◎(特に良好):全光線透過率斑が5%未満
○(良好):全光線透過率斑が5%以上15%未満
△(可):全光線透過率斑が15%以上20%以下
×(不良):全光線透過率斑が20%を超える。
(8)光学濃度斑の評価
光学濃度斑を、以下の基準で評価した。
◎(特に良好):光学濃度斑が5%未満
○(良好):光学濃度斑が5%以上15%未満
△(可):光学濃度斑が15%以上20%以下
×(不良):光学濃度斑が20%を超える。
(9)連続生産性
製膜を48時間実施した際のフィルムの破れ回数を24時間当たりに換算した計算値、及び実施例、比較例に用いたフィルム原料を以下の条件で濾過性試験を行った際の濾圧上昇値より、以下の基準で評価した。
◎(特に良好):24時間当たりの破れが1回未満 かつ 濾圧上昇値が80kg/cm2未満
○(良好):24時間当たりの破れが1回未満 かつ 濾圧上昇値が80kg/cm2以上100kg/cm2未満
△(可):24時間当たりの破れが1回未満 かつ 濾圧上昇値が100kg/cm2以上120kg/cm2未満
×(不良):24時間当たりの破れが1回以上 あるいは 濾圧上昇値が120kg/cm2以上。
<濾過性試験の条件>
実施例、比較例で用いたフィルム原料のペレットを、140℃で8時間、133Pa以下の減圧下で乾燥した。乾燥した該ペレットを、単軸の押出機を用いて渡辺製作所製のX4型20μmダイナロイフィルター(濾過面積4.5cm2)に通し、ポリマー温度280℃、通過量10g/分で濾過を行った。濾過開始から、ポリマーの通過量が1200gの時点の濾圧(R0)、8400gの時点の濾圧(R1)を測定し、R1−R0(kg/cm2)を濾圧上昇値とした。
(ポリエステル樹脂Aの製造方法)
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールの混合物に、ジメチルテレフタレートに対して、酢酸カルシウム0.09重量%と三酸化アンチモン0.03重量%とを添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行った。次いで、得られたエステル交換反応生成物に、原料であるジメチルテレフタレートに対して、酢酸リチウム0.15重量%とリン酸トリメチル0.21重量%とを添加した後、重合反応槽に移行し、次いで加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重合し、極限粘度0.54dl/gのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと呼ぶことがある)を得た。得られたPETポリマーを、回転型真空重合装置を用いて、1mmHg以下の減圧下、225℃の温度で35時間加熱処理し、融点255℃、極限粘度0.73dl/gのポリエステル樹脂Aを得た。
(ポリエステル樹脂Bの製造方法)
極限粘度0.54dl/gのPETを、20時間加熱処理する以外は、上記のポリエステル樹脂Aの製造方法と同様にして、融点255℃、極限粘度0.63dl/gのポリエステル樹脂Bを得た。
(実施例1)
ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が1.4μmのカーボンブラックB1 0.5重量部を予めブレンドした。次に、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(L/D=40)に、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックB1をブレンドしたものを供するとともに、押出機のサイドフィーダーから平均二次粒径が0.6μmのカーボンブラックA1 9.5重量部を、カーボンブラックA1とカーボンブラックB1の添加量の比(カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%))が95/5となるように供し、カーボンブラック(カーボンブラックA1とカーボンブラックB1の合計)が10重量%含有するカーボンブラック含有マスターチップを作製した。
次いで、得られた10重量%カーボンブラック含有マスターチップ1.0重量部、ポリエステル樹脂B99.0重量部をそれぞれ、180℃の温度で2時間真空乾燥せしめた。次いで、窒素雰囲気下で、押出機に供給した。押出機で溶融したポリマーを温度290℃に設定したフィルターで濾過した後、温度280℃に設定したTダイの口金から溶融押出して表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、加熱された複数のロール群からなる縦延伸機を用い、ロールの周速差を利用して、90℃の温度でフィルムの縦方向に3.3倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部をクリップで把持して、ステンターに導き、延伸温度95℃、延伸倍率3.5倍でフィルムの幅方向に延伸し、熱処理を225℃で8秒間行い、フィルム厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。
(実施例2)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップ0.2重量部、ポリエステル樹脂B99.8重量部を押出機に供した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例3)
フィルム厚みを12μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例4)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップ5.0重量部、ポリエステル樹脂B95.0重量部を押出機に供し、フィルム厚みを12μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例5)
ポリエステル樹脂Aを75重量部、カーボンブラックA1を23.75重量部、カーボンブラックB1を1.25重量部用いて、25重量%カーボンブラック含有マスターチップを作製し、該25重量%カーボンブラック含有マスターチップを0.4重量部、ポリエステル樹脂Bを99.6重量部を押出機に供した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例6)
ポリエステル樹脂Aを75重量部、カーボンブラックA1を23.75重量部、カーボンブラックB1を1.25重量部用いて、25重量%カーボンブラック含有マスターチップを作製し、該25重量%カーボンブラック含有マスターチップを0.8重量部、ポリエステル樹脂Bを99.2重量部を押出機に供し、フィルム厚みを12μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例7)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=80/20の割合とした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例8)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=80/20の割合とし、該10重量%カーボンブラック含有マスターチップを0.1重量部、ポリエステル樹脂Bを99.9重量部を押出機に供し、フィルム厚みを50μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例9)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=80/20の割合とし、また、10重量%カーボンブラック含有マスターチップを5.0重量部、ポリエステル樹脂Bを95.0重量部を押出機に供し、フィルム厚みを12μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例10)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が1.4μmのカーボンブラックB1 0.5重量部、及び平均二次粒径が0.6μmのカーボンブラックA1 9.5重量部を予めブレンドし、押出機のサイドフィーダーを用いなかった以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例11)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部のみを押出機に供し、押出機のサイドフィーダー2台から、平均二次粒径が0.6μmのカーボンブラックA1 9.5重量部、及び平均二次粒径が1.4μmのカーボンブラックB1 0.5重量部を、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=95/5の割合となるように個別に供した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例12)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=97/3の割合とした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例13)
フィルム厚みを75μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例14)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップを6.0重量部、ポリエステル樹脂Bを94.0重量部を押出機に供した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(実施例15)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が1.9μmのカーボンブラックB2 0.5重量部を予めブレンドした。次に、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(L/D=40)に、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックB2をブレンドしたものを供するとともに、押出機のサイドフィーダーから平均二次粒径が0.9μmのカーボンブラックA2 9.5重量部を、カーボンブラックA2の添加量(重量%)/カーボンブラックB2の添加量(重量%)=95/5の割合となるように供し、カーボンブラック(カーボンブラックA2とカーボンブラックB2の合計)が10重量%含有するカーボンブラック含有マスターチップを作製した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=65/35の割合とし、該10重量%カーボンブラック含有マスターチップを6.0重量部、ポリエステル樹脂Bを94.0重量部を押出機に供した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例2)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%)=65/35の割合とし、該10重量%カーボンブラック含有マスターチップを0.5重量部、ポリエステル樹脂Bを99.5重量部を押出機に供し、フィルム厚みを50μmとした以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例3)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が0.6μmのカーボンブラックA1 10重量部を予めブレンドし、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックA1をブレンドしたものを押出機に供し、押出機のサイドフィーダーを用いてカーボンブラックB1を加えなかった以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例4)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が1.4μmのカーボンブラックB1 10重量部を予めブレンドし、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックB1をブレンドしたものを押出機に供し、カーボンブラックA1を加えなかった以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例5)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が0.9μmのカーボンブラックA2 0.5重量部を予めブレンドした。次に、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(L/D=40)に、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックA2をブレンドしたものを供するとともに、押出機のサイドフィーダーから平均二次粒径が0.6μmのカーボンブラックA1 9.5重量部を、カーボンブラックA1とカーボンブラックA2の添加量の比(カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックA2の添加量(重量%))が95/5となるように供し、カーボンブラック(カーボンブラックA1とカーボンブラックA2の合計)が10重量%含有するカーボンブラック含有マスターチップを作製した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例6)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が1.4μmのカーボンブラックB1 0.5重量部を予めブレンドした。次に、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(L/D=40)に、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックB1をブレンドしたものを供するとともに、押出機のサイドフィーダーから平均二次粒径が1.9μmのカーボンブラックB2 9.5重量部を、カーボンブラックB2とカーボンブラックB1の添加量の比(カーボンブラックB2の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%))が95/5となるように供し、カーボンブラック(カーボンブラックB1とカーボンブラックB2の合計)が10重量%含有するカーボンブラック含有マスターチップを作製した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例7)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が3.3μmのカーボンブラックC1 0.5重量部を予めブレンドした。次に、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(L/D=40)に、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックC1をブレンドしたものを供するとともに、押出機のサイドフィーダーから平均二次粒径が0.6μmのカーボンブラックA1 9.5重量部を、カーボンブラックA1とカーボンブラックC1の添加量の比(カーボンブラックA1の添加量(重量%)/カーボンブラックC1の添加量(重量%))が95/5となるように供し、カーボンブラック(カーボンブラックA1とカーボンブラックC1の合計)が10重量%含有するカーボンブラック含有マスターチップを作製した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
(比較例8)
10重量%カーボンブラック含有マスターチップの作製において、ポリエステル樹脂A90重量部と平均二次粒径が1.4μmのカーボンブラックB1 0.5重量部を予めブレンドした。次に、ニーディングパドル混練部を設けた真空ベント付き同方向回転式二軸混練押出機(L/D=40)に、ポリエステル樹脂AとカーボンブラックB1をブレンドしたものを供するとともに、押出機のサイドフィーダーから平均二次粒径が3.3μmのカーボンブラックC1 9.5重量部を、カーボンブラックC1とカーボンブラックB1の添加量の比(カーボンブラックC1の添加量(重量%)/カーボンブラックB1の添加量(重量%))が95/5となるように供し、カーボンブラック(カーボンブラックB1とカーボンブラックC1の合計)が10重量%含有するカーボンブラック含有マスターチップを作製した以外、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
Figure 2015183055
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本発明のポリエステルフィルムは、全光線透過率斑と光学濃度斑の抑制に優れ、透明性を保持しながら優れた遮光性を有するため、例えば、自動車の窓、建築物の窓等の窓貼り用フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 全光線透過率が30%以上、光学濃度が0.05以上であって、全光線透過率斑が20%以下、光学濃度斑が20%以下であるポリエステルフィルム。
  2. 前記ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物がカーボンブラックを含有しており、該カーボンブラックの含有量がポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂組成物全体に対して0.01重量%以上0.50重量%以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 前記カーボンブラックの平均二次粒径が0.1μm以上3.0μm未満である請求項2に記載のポリエステルフィルム。
  4. 前記ポリエステルフィルムが、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBを添加して得られる請求項2または3に記載のポリエステルフィルム。
  5. 前記カーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2である請求項4に記載のポリエステルフィルム。
  6. 前記ポリエステルフィルムの厚みが50μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  7. 窓貼り用途に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  8. 極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂と、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAと、平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBを用いて得られるマスターチップを原料として用いて得られる請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  9. 前記マスターチップ中のカーボンブラックの含有量が10重量%以上30重量%以下である請求項8に記載のポリエステルフィルム。
  10. 前記マスターチップが、極限粘度0.70dl/g以上のポリエステル樹脂と平均二次粒径が1.0μm以上3.0μm未満のカーボンブラックBは予めブレンドした後に押出機へ投入し、平均二次粒径が0.1μm以上1.0μm未満のカーボンブラックAは押出機のサイドフィーダーから押出機へ投入して作製する請求項8または9に記載のポリエステルフィルム。
  11. 前記マスターチップに添加するカーボンブラックAとカーボンブラックBの添加量の比(カーボンブラックAの添加量/カーボンブラックBの添加量)が、70/30〜98/2である請求項10に記載のポリエステルフィルム。
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