JP2015182998A - 非アルコール性脂肪性肝炎の改善剤および改善用栄養組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非アルコール性脂肪性肝炎に対し、安全かつ有効な予防、改善及び治療薬の提供。
【解決手段】 D−アロースおよび/またはイソロイシンおよび/またはロイシンを有効成分とすることを特徴とする非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。成人1回あたりの服用量は、D−アロース2.5g〜20g、および/または、イソロイシンおよび/またはロイシン0.5〜20gになるように含有させる。さらにビタミンEを有効成分とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、本発明は非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤およびそれを含む非アルコール性脂肪性肝炎の予防用および/または改善用栄養組成物に関するものである。
肝臓は人体最大の腺臓器で、生体の生存に不可欠な臓器である。肝臓は、総数約3000億個の細胞から構成されている。肝臓の機能上の特徴は、栄養素の代謝貯蔵、解毒、異物や微生物の貪食、血液循環量の調節など多彩な生体反応を営んでいる点が挙げられる。
近年、生活習慣の変化に伴う肥満・糖尿病の増加により、アルコールを摂取しないにも関わらず、非アルコール性脂肪性肝疾患を呈し、さらには肝の炎症、壊死と肝線維化を来す病態が認知されるようになった「非アルコール性脂肪性肝炎(non−alcoholic steatohepatitis、以下、NASHと称する)」患者の増加が報告されている(非特許文献1)。このNASHに至るまでには二段階のステップを経るといわれており、肝臓に脂肪が沈着して脂肪肝を発症するという第一段階と、その後、その脂肪肝に酸化ストレスが加わり肝細胞を損傷したり炎症を起こしたりするという第二段階とを経て発症するものと考えられている。現在、NASHを指摘された患者は食生活の改善や運動療法といった治療が主体となり、その他まだ、有効な予防法や治療法が確立されてはいない。NASHとなることの予防さらにはNASH患者における早急な治療は肝硬変などの重篤な肝障害に至るリスクが高いことにあり、この予防、改善、治療法の開発は医療上の重要な課題となっている。しかしながら安全で、かつ予防効果や治療効果の高い薬剤や治療法は未だ確立されていないのが現状である。
一方、アミノ酸は安全性の高い化合物であり、多くの栄養学的な報告がなされているが、肝細胞障害に対する薬理学的な効果の報告はそれほど多くはない。D−ガラクトサミンや四塩化炭素で肝障害を惹起したラットに対し、アラニンが血中アミノトランスフェラーゼの上昇を抑制する、生存率を高めるとの報告があり、この時対照群に比しアラニン投与群では肝細胞の増殖率及び肝臓中のATP含量が有意に高いことが報告されている(非特許文献2及び3)。またアラニンはin vitroでD−ガラクトサミンによる肝細胞障害を濃度依存的に阻害し、この作用はTCAサイクルの阻害剤で抑制されることも報告されている(非特許文献4)。
アミノ酸の一つであるアラニンに、アルコール性肝障害、ウイルス性肝炎治療、肝再生に対する有効性を示唆する報告(特許文献1、2及び3)、あるいは原発性胆汁性肝硬変(PBC)患者に有効であるとの報告がある(特許文献4)。臨床的にNASHを改善することを示した報告として、L−アラニンを有効成分とすることを特徴とする非アルコール性脂肪性肝炎の予防、改善及び治療薬が提案された(特許文献5)。
一方、アミノ酸のうち分岐鎖アミノ酸は、慢性肝障害時における脳症の改善や食事摂取量が十分であるにもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善目的に用いられることが多い。しかしながら、肝硬変の肝切除後の患者に分岐鎖アミノ酸を含む栄養剤を長期的に投与しても、累積がん再発率及び生存率のいずれにも効果が無い旨の報告があり(非特許文献7)、また一方では、非環式レチノイド及び分岐鎖アミノ酸を組み合わせてなる肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬が開示されているが(特許文献15)、分岐鎖アミノ酸が単独で非アルコール性脂肪性肝炎の予防、改善、および治療の効果を奏するとの示唆はないし、分岐鎖アミノ酸のうちロイシン、イソロイシンが特に効果を奏するとの示唆もない。
また、希少糖がさまざまな機能をもつゆえに大きな注目を集めている。例えば、ArnoldらはD−アロースや希少ケトヘキソースが分化した好中球産生の抑制や白血病の治療に有効であることを示唆している(特許文献6)。しかし、D−アロースは自然界には稀にしか存在しない希少糖であり、化学的方法で合成するのは困難であったため、試験研究には利用が難しかった。最近、D−プシコースがD−フルクトースからD−タガトース-3-エピメラーゼを用いて大量に生産されるようになり(非特許文献5)、そして、D−アロースはD−プシコースからL−ラムノースイソメラーゼを用いて生産できるようになり(非特許文献6)、D−アロースの機能性研究やさまざまな利用が可能となってきた。黒質のドーパミン作動性神経細胞の酸化傷害抑制剤(特許文献7)、血管新生抑制剤(特許文献8)、血圧上昇抑制剤(特許文献9)、筋萎縮性側索硬化症に起因する運動障害の発症または進行を遅延するための医薬品(特許文献10)、肝臓癌または皮膚癌、一過性脳虚血発作および脳卒中、皮弁壊死、急性腎不全および尿毒症、網膜変性症、未熟児網膜症および眼炎症を治療するための医薬(特許文献11)があげられる。しかし、D−アロースと非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療との関係は報告されていない。
そして、肥満を伴うNASH患者にビタミンEを継続的に経口投与することにより、血清アミノトランスフェラーゼ及びアルカリフォスファターゼの数値が低下するとの報告(非特許文献8)や、有効成分としてピルビン酸を含有し、さらにビタミンEを含むことを特徴とする非アルコール性肝疾患治療薬が開示されている(特許文献16)が、ビタミンEがD−アロース及び/又は分岐アミノ酸との組み合わせによって非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療において顕著な効果を奏する旨の示唆はない。
特開平5−213746号公報 特開平5−221858号公報 特開平5−229940号公報 特開平11−853914号公報 特開2006−151937号公報 米国特許第5620960号 特許第4724823号公報 特許第4943839号公報 特許第5158779号公報 特許第5317055号公報 特許第5330976号公報 特開2009−178143号公報 特許第4499882号公報 特許3975274号公報 WO2012/020785号 特開2011−236160号公報
Hepatology Pratice 第2巻 NASH・アルコール性肝障害の診療を極める(株式会社文光堂):8-12(2013) Hepatology,24:185−191(1996) Hepatology,24:1211−1216(1996) Biochem. Biophys. Res. Commun., 291:738−743(2002) J. of Biosci.and Bioengi.,90, 453-455 (2000) J. of Ferment.and Bioengi., 85, 539-541. British Journal of Surgery vol.84,p.1525−1531(1997) Journal of Psdiatrics vol.136,p.734−738(2000)
本発明は、現在有効な薬物療法が知られていないNASHに対し、安全かつ有効な予防、改善及び治療薬を提供することを目的とする。
非アルコール性脂肪性肝炎(以下、NASHという。)は脂肪肝から、続発してNASHに至る疾患であり、発症予防や発症後の治療効果は十分な研究がなされていない。本発明者らは、非アルコール性脂肪性肝炎の予防および/または治療のための医薬を見出すべく、種々研究を重ねてきた。ヒトNASH疾患にきわめて近い病態モデル(特許文献12参照)を検証し、本モデルを用いた結果、D−アロースの重量比2%添加飼料の投与はNASHの予防や治療効果に優れること、ならびに、分枝鎖アミノ酸(BCAA)、なかでもイソロイシン(Ile)やロイシン(leu)の重量比2%添加飼料の投与はNASHの予防や治療効果に優れることを新規に見いだした。ビタミンEについても本モデルを用い、飼料100gあたりわずかに50もしくは100mgのビタミンEを添加した飼料は100gあたり20mg添加された通常飼料に比べて、NASHの予防効果が高めることを新規に見だした。希少糖D−アロースは機能性の単糖であり、イソロイシンやロイシンはアミノ酸の中でも特に人間の身体の中で筋肉という部分に貢献している必須アミノ酸である。また、ビタミンEは細胞膜に常駐し、いち早く活性酸素に電子を渡して安定化させ不飽和脂肪酸への影響を未然に防ぐと共に、自分は反応性の穏やかなビタミンEラジカルへと変化して、その自身は活性を失うか、もしくはビタミンCにラジカルを転移させ、自身は再び活性のあるビタミンEとなる優れた生理作用を有している。以上の成分がNASHに対して同等の効果を有するという上記の知見を基にして本発明は完成された。
本発明は、以下の(1)ないし(6)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤、並びに(7)及び(8)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防用および/または改善用の栄養組成物を要旨とする。
(1)D−アロースおよび/またはイソロイシンおよび/またはロイシンを有効成分とすることを特徴とする非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
(2)成人1回あたりの服用量は、D−アロース2.5g〜20g、および/または、イソロイシンおよび/またはロイシン0.5〜20gになるように含有させる上記(1)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
(3)さらにビタミンEを有効成分とする上記(1)または(2)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
(4)予防および治療薬である上記(1)、(2)または(3)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
(5)薬学的に許容され得る製剤担体を含む医薬組成物の形態である上記(4)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
(6)経口投与製剤である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤を含む非アルコール性脂肪性肝炎の予防用および/または改善用栄養組成物。
(8)予防および治療用栄養組成物である上記(7)に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防用および/または改善用栄養組成物。
本発明により、NASHに対し、安全かつ有効な改善剤を提供することができる。D−アロースを有効成分とすることから、安全性が高く副作用がほとんどないため、非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療用医薬品として有用である。さらに、D−アロースの単糖は、安全性の確立した物質であることから、本発明の剤は安全性が高く、医薬用途に限らず、食品への利用も可能である。また、分岐鎖アミノ酸を有効成分とすることから、安全性が高く副作用がほとんどないため、非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療用医薬品として有用である。さらに、イソロイシンおよびロイシンの2種類の分岐鎖アミノ酸は、安全性の確立した物質であることから、本発明の剤は安全性が高く、医薬用途に限らず、食品への利用も可能である。
さらに、ビタミンEは、多量に摂取しない限り食品としての安全性が特に高いため好ましい。用いることのできるビタミンEとは、α−トコフェロール(α−ビタミンE)、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールの1種以上からなる総ビタミンEを表す。
NASHとは、非アルコール性脂肪肝疾患であり、常習飲酒歴がないにも関わらず,肝機能障害を呈する疾患であることを説明する図面である。 NASHとは予後不良な疾患であり、生活習慣病の増加に伴い、NASHの増加が危惧されている疾患であることを説明する図面である。 STAM(登録商標)マウスはヒトNASHに極めて類似したモデルであることを説明する図面である。 実施例1(D−アロース)のSTAMマウスの血清肝機能検査値を示す。 実施例1(D−アロース)のSTAMマウスの肝臓組織学的検査(NAS)結果を示す。 実施例1(D−アロース)のSTAMマウスの肝臓組織学的検査(脂肪染色)を示す。 実施例1(D−アロース)のSTAMマウスの肝臓中の遺伝子発現変動解析に用いるプライマーリストを示す。 実施例1(D−アロース)のSTAMマウスの肝臓中の遺伝子発現変動解析を行った結果を示す。 実施例2(Val、Leu、Ile)のSTAMマウスの血清肝機能検査値を示す。 実施例2(Val、Leu、Ile)のSTAMマウスの肝臓組織学的検査(NAS)結果を示す。
[NASH]
Non-alcoholic steatohepatitis(NASH)とは、常習飲酒歴とは無関係に肝組織にて壊死・炎症を伴い、肝機能障害を呈する疾患である。現在のところ、本疾患は肥満人口の増加や生活習慣の欧米化に伴って、更なる増加が想定されている。図1にNASHが、非アルコール性脂肪肝疾患であり、常習飲酒歴がないにも関わらず,肝機能障害を呈する疾患であることの説明が図示されている。
また、NASHは肝硬変や肝ガンへの進展し、生命予後にも大きく影響することから、近年では軽視できない重要な肝疾患の一つとされている。図2にNASHとは予後不良な疾患であり、生活習慣病の増加に伴い、NASHの増加が危惧されている疾患であることの説明が図示されている。また、発症機序が明確でなく、現時点において確立された予防法および治療法がない。発症機序や予防法、治療法が未だ明確にされていないことから、動物を用いた基礎的研究も含め、近年盛んに研究がなされている。
特許文献6には、インスリン抵抗性から脂肪肝、脂肪性肝炎、肝線維化、肝硬変、肝癌となるモデル動物の作製技術の提供を課題として、マウスへN-アセチル-β-D−グルコサミニダーゼ阻害剤を投与しインスリン抵抗性を惹起させ、さらに高脂肪食を用いて飼育することにより脂肪肝を誘発させ、ヒトのNASHと同様の病理所見を示すマウスの作出に初めて成功したことが記載されている。
本発明者らは、NASHに対し、安全かつ有効な改善剤、および予防・治療薬を提供することを解決すべく鋭意研究を行った。本発明では、実施例で示すように、STAM(登録商標)マウスを用い、本モデルを検証した結果、血清生化学検査値より、高血糖、高コレステロールを呈すること、かつ肝機能障害を伴うことが認められた。このことから、STAM(登録商標)マウス(以下、「STAMマウス」と称する。)はヒトNASHに極めて類似したモデルであることが検証された。モデル動物を利用することにより、脂肪性肝炎の予防、改善、治療用物質であるかどうかを評価することが可能である。予防もしくは改善効果の評価は、該モデル動物の呈する病理所見を検討することにより、脂肪性肝炎が軽減しているか否かを判定することによりなされる。
[D−アロース]
D−アロースは、いずれの製法によって得られたものでもよいが、特許文献13に記載されている製法によれば、大量生産が期待されるため、より容易に入手することができる。特許文献14の高純度D−アロースの分離回収法によれば、D−アロースの結晶を分離することができる。上記の方法において、D−プシコースを酵素反応でD−アロースに変換する際に用いる酵素は「L−ラムノースイソメラーゼ」が例示される。L−ラムノースイソメラーゼは、上記1998年の文献で発表された公知酵素であり、菌株Pseudomonas stutzerii LL172aは、財団法人発酵研究所から同一のPseudomonas stutzeriiは得られる。Pseudomonas stutzerii IFO 3773, Pseudomonas stutzerii IFO 13596が同一の活性を持っていると思われる。上記のL−ラムノースイソメラーゼ産生能を有する微生物自体を、また、その培養物や部分精製した培養物を用いることができる。固定化酵素または固定化菌体の形態で用いることにより、送液圧力が低く安定で長期間連続使用可能なリアクターを構築することができる。その高純度D−アロースを連続的に製造する方法によって、D−アロースの分離と同時に脱塩、脱イオン、そして濃縮、結晶化が行え、従来、すべて別々の工程で行っていた分離方法をワンステップに統合処理できる。したがって、短時間に大量の処理が可能である。
また、D−アロースは、混合糖、例えばD−グルコース、D−フラクトースやその他の希少糖(プシコースなど)の混じった混合糖としても使用しても良い。
D−アロースは、D−アロースはおよび/またはその誘導体として用いることができる。
本発明で用いるD−アロースの誘導体について説明する。ある出発化合物から分子の構造を化学反応により変換した化合物を出発化合物の誘導体と呼称する。D−アロースを含む六炭糖の誘導体には、様々なものがあるが、例えばアミノ糖(糖分子のOH基がNH基で置換されたもの、グルコサミン、コンドロサミン、配糖体などがある)などがあるが、それらに限定されるものではない。特に、単糖の生理作用の場合、酵素に対する特異性が主な作用メカニズムの原因となっており、糖の立体構造が特に重要である。例えば、肝臓におけるフラクトキナーゼという酵素は、フラクトースを主な基質としリン酸化する。フラクトースのC−3位の異性体であるD−タガトースやD−プシコースもこの酵素によりリン酸化されるが、そのリン酸化速度は各々の立体構造により異なる。この酵素では、特に、2、3、4、5位の炭素の関係がトランスであるか、アキシャルであるかによって、反応速度に影響が認められる。よって、誘導体であってもその立体構造がある程度保たれていれば、十分本発明の作用が認められることが推測される。D−アロースの誘導体は、D−アロースのケトン基がアルコール基となった糖アルコール、D−アロースのアルコール基が酸化したウロン酸、D−アロースのアルコール基がNH基で置換されたアミノ糖から選ばれるD−アロース誘導体が挙げられる。
D−アロースの作用量として、1回の服用量は、2.5g〜20gの範囲であり、非アルコール性脂肪性肝炎の重症度などによって、体重が標準体重の範囲かどうかなどを考慮して決めることができる。通常は5g以上/1回であることが望ましい。
またD−アロースの摂取期間として1週間程度、望ましくは2週間、あるいはそれ以上が望ましい。
さらに本発明でいうD−アロースの形態は、粉末、微粉、顆粒、結晶、錠剤等の固形物、水溶液、溶液などのいずれの形態でも良い。またこの製造方法についても特に制限されるものではない。さらに、本発明の目的を阻害しない範囲で、さらに別の甘味成分や呈味成分ではない増量剤や、担体等として使用するものを含有することができる。
[イソロイシンおよびまたはロイシン]
本発明で用いる分岐鎖アミノ酸であるイソロイシン、ロイシンは、それぞれL−体、D−体、DL−体(混合物)のいずれも使用することができるが、好ましくは、L−体、DL−体であり、さらに好ましくは、L−体である。イソロイシンおよび/またはロイシンは、それぞれ遊離体だけでなく塩の形態でも使用することができる。本発明におけるイソロイシンおよび/またはロイシンは、かかる塩の形態をも包含する。
かかる塩の形態としては、酸との塩(酸付加塩)、塩基との塩(塩基付加塩)等を挙げることができるが、医薬として許容される塩を選択することが好ましく、かかるイソロイシンおよび/またはロイシンに付加し、かつ医薬として許容される酸付加塩を形成する酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチル硫酸等の有機酸が挙げられる。イソロイシンおよび/またはロイシンに付加し、かつ医薬として許容される塩基付加塩を形成する塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等の金属の水酸化物又は炭酸化物、あるいはアンモニア等の無機塩基;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、プロピレンジアミン、エタノールアミン、モノアルキルエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
イソロイシンおよび/またはロイシンの2種の分岐鎖アミノ酸の含有量は、ヒトに適用する場合、その合計量の1回摂取量として0.1g以上であり、好ましくは1g以上である。摂取のしやすさの観点から、上記1回摂取量は、好ましくは100g以下であり、より好ましくは20g以下であり、最も好ましくは10g以下である。1回摂取量は、1回に投与される有効成分量であり、食品の場合、1回に摂取される有効成分量である。食品の摂取量は個人差があり、食品中の有効成分の含有量として一概に規定することが困難であるので、有効成分の1回摂取量として規定することが推奨される。当該1回摂取量は、年齢、体重、性別、非アルコール性脂肪性肝炎の重症度などによって適宜変動する量である。
ビタミンEとはトコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体をいい、日本薬局方に収載されているものとしては、例えば、dL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール(ビタミンE酢酸エステル)、コハク酸トコフェロール(ビタミンEコハク酸エステル)等が挙げられる。日本薬局方収載外のものとしては、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール(ビタミンEニコチン酸エステル)、リン酸トコフェロール(ビタミンEリン酸エステル)等が挙げられる。
ビタミンEの作用量として、1回の服用量は、0.5g〜50gの範囲であり、非アルコール性脂肪性肝炎の重症度などによって、体重が標準体重の範囲かどうかなどを考慮して決めることができる。通常は5g以上/1回であることが望ましい。栄養組成物中のビタミンEの含有量は、0.5〜50重量%が好ましい。
本発明の剤は、医薬及び食品などとしても有用であり、その適用対象としては、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)が挙げられる。なお、ヒト以外の哺乳動物に適応する場合、本発明の剤の摂取量は、動物の体重もしくは大きさに応じて適宜加減すればよい。
本発明の剤を医薬として用いる場合の投与方法は特に限定されないが、経口投与、直腸投与、注射、輸液による投与等の一般的な投与経路を経ることができる。
経口投与の剤形としては、顆粒剤、細粒剤、粉剤、被覆錠剤、錠剤、坐剤、散剤、(マイクロ)カプセル剤、チュアブル剤、シロップ、ジュース、液剤、懸濁剤、乳濁液などが挙げられる。また注射による投与の剤形としては、静脈直接注入用、点滴投与用、活性物質の放出を延長する製剤などの医薬製剤一般の剤型を採用することができる。
これらの医薬は、常法により製剤化することによって調製される。さらに製剤上の必要に応じて、医薬的に許容し得る各種の製剤用物質を配合することができる。製剤用物質は製剤の剤型により適宜選択することができるが、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等が挙げられる。更に、製剤用物質を具体的に例示すると、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトールおよびその他の糖類、タルク、牛乳蛋白、ゼラチン、澱粉、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、ポリエチレングリコール、及び溶剤、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロール等を挙げることができる。
本発明の医薬を使用する場合の投与量は、対象患者の年齢、体重もしくは病態、または医薬の剤形もしくは投与方法などによっても異なるが、成人1日あたり、D−アロース0.015g/kg体重〜1.2g/kg体重、イソロイシン0.015g/kg体重〜1.2g/kg体重、ロイシン0.03g/kg体重〜2.4g/kg体重を目安とする。投与の時期としては特に限定されず、例えば食前、食後、食間のいずれでもよい。また、投与期間も特に限定されない。
さらに、本発明の剤は、食品の形態でも簡便に使用することができる。食品として用いる場合には、本発明の食品の有効成分、すなわちD−アロースを含む一般的な食事形態であればいかなるものでも良い。例えば、適当な風味を加えてドリンク剤、例えば清涼飲料、粉末飲料とすることもできる。具体的には、例えば、ジュース、牛乳、菓子、ゼリー、ヨーグルト、飴等に混ぜて飲食することができる。
また、このような食品を、保健機能食品またはダイエタリーサプリメントとして提供することも可能である。この保健機能食品には、特定保健用食品および栄養機能食品なども含まれる。特定保健用食品は、例えば、非アルコール性脂肪性肝炎の改善など、特定の保健の目的が期待できることを表示できる食品である。また、栄養機能食品は、1日あたりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、国が定めた上・下限値の規格基準に適合している場合その栄養成分の機能の表示ができる食品である。ダイエタリーサプリメントには、いわゆる栄養補助食品または健康補助食品などが含まれる。本発明において、特定保健用食品には、非アルコール性脂肪性肝炎の改善などの用途に用いるものであるという表示を付した食品、さらには、かかる用途に用いるものである旨を記載したいわゆる能書きなどをパッケージとして包含する食品なども含まれるものとする。
さらに、本発明の剤を濃厚流動食や、食品補助剤として利用することも可能である。食品補助剤として使用する場合、例えば錠剤、カプセル、散剤、顆粒、懸濁剤、チュアブル剤、シロップ剤等の形態に調製することができる。
本明細書において「食品補助剤」とは、食品として摂取されるもの以外に栄養を補助する目的で摂取されるものをいい、栄養補助剤、サプリメントなどもこれに含まれる。また本発明において「濃厚流動食」とは、1kcal/ml程度の濃度に調整され、長期間の単独摂取によっても著しい栄養素の過不足が生じないよう、各栄養素の質的構成が十分考慮され、1日の栄養所要量を素に設計された総合栄養食品(液体状食品)である。
食品として摂取する場合、摂取量は摂取対象の症状、年齢もしくは体重、または食品の形態もしくは摂取方法等によって異なるが、成人1日あたり、D−アロース0.015g/kg体重〜1.2g/kg体重、イソロイシン0.015g/kg体重〜1.2g/kg体重、ロイシン0.03g/kg体重〜2.4g/kg体重を目安とする。当該食品は、上記1日あたりの量を一度に、または数回に分けて摂取することができる。食品の形態、摂取方法、摂取期間などは特に限定されない。
D−アロースは既に、医薬・食品分野において広く用いられていて、安全性は確立している。イソロイシンおよびロイシンは既に、医薬・食品分野において広く用いられていて、安全性は確立している。
さらに本発明は、上記の本発明のD−アロースおよびまたはイソロイシンおよびまたはロイシン含有素材、特に機能性を持った素材を使用して得られたことを特徴とする飲食品などがある。
本発明でいう飲食物とは、飲料、キャンディー、冷菓、ヨーグルト、チョコレートなど甘味を必要とする食品全般を言う。その他本発明の栄養組成物の効果を生かした非アルコール性脂肪性肝炎の治療剤および予防剤を包含する。
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、フリカケ、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼き肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなど各種調味料への甘味料として、また、呈味改良剤、品質改良剤などとして有利に利用できる。
また、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディーなどの各種洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓子、果実のシロップ漬、氷蜜などのシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペーストなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖菓などの果実、野菜の加工食品類、パン類、麺類、米飯類、人造肉などの穀類加工食品類、福神漬、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物類、たくわん漬の素、白菜漬の素などの漬物の素類、ハム、ソーセージなどの畜産製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チクワ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、酢コンブ、さきするめ、ふぐのみりん干しなどの各種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造される佃煮類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻などの惣菜食品、乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜の瓶詰め、缶詰類、合成酒、果実酒、洋酒、リキュールなどの酒類、コーヒー、ココア、ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックスなどのプレミックス粉類、即席ジュース、即席コーヒー、即席汁粉、即席スープなど即席飲食品などの各種飲食物への添加剤として利用できる。
特に機能性を持たせた飲料としては、コーラなどの炭酸飲料、スポーツ飲料、果汁飲料、乳性飲料、茶系飲料などを挙げることができるが、特に大量飲用により肥満の問題の生ずる炭酸飲料が格好のターゲットと言うことができる。
上記飲食物は、機能性食品、栄養補助食品或いは健康食品類としても用いることができる。その形態は、特に限定されるものではなく、例えば、食品の製造例としては、アミノ酸バランスのとれた栄養価の高い乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミンなどの蛋白質、これらの分解物、卵白のオリゴペプチド、大豆加水分解物などの他、アミノ酸単体の混合物などを、常法に従って使用することができる。また、ソフトカプセル、タブレットなどの形態で利用することもできる。
栄養補助食品或いは機能性食品の例としては、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、化剤、香料などが配合された流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク剤、カプセル剤、経腸栄養剤などの加工形態を挙げることができる。上記各種食品には、例えば、スポーツドリンク、栄養ドリンクなどの飲食物は、栄養バランス、風味を良くするために、更にアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物や組成物、香辛料、香料、色素などを配合することもできる。
本発明の栄養組成物は、食品、保健用食品、患者用食品、食品素材、保健用食品素材、患者用食品素材、食品添加物、保健用食品添加物、患者用食品添加物、飲料、保健用飲料、患者用飲料、飲料水、保健用飲料水、患者用飲料水、薬剤、製剤原料、飼料、患畜および/または患獣用飼料になど、肝機能指標もしくは/または体脂肪低減させる効果を必要とするものすべてに使用することができる。
本発明の栄養組成物を食品に利用する場合、そのままの形態、オイルなどに希釈した形態、乳液状形態食、または食品業界で一般的に使用される担体を添加した形態などのものを調製してもよい。飲料の形態は、非アルコール飲料またはアルコール飲料である。非アルコール飲料としては、例えば、炭酸系飲料、果汁飲料、ネクター飲料などの非炭酸系飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、茶、コーヒー、ココアなど、また、アルコール飲料の形態では薬用酒、酎ハイ、梅酒、ビール、発泡酒、第3ビールなどの一般食品の形態を挙げることができる。
本発明の組成物の、前記生体作用改善を目的とした食品素材あるいは食品添加物としての使用形態としては、錠剤、カプセル剤、飲料などに溶解させる粉末あるいは顆粒などの固形剤、ゼリーなどの半固形体、飲料水などの液体、希釈して用いる高濃度溶液などがある。
さらに、本発明の栄養組成物を適宜食品に添加して生体機能改善などを目的とした保健食または病人食とすることができる。任意的成分として、通常食品に添加されるビタミン類、炭水化物、色素、香料など適宜配合することができる。食品は液状または固形の任意の形態で食することができる。ゼラチンなどで外包してカプセル化した軟カプセル剤として食することができる。カプセルは、例えば、原料ゼラチンに水を加えて溶解し、これに可塑剤(グリセリン、D−ソルビトールなど)を加えることにより調製したゼラチン皮膜でつくられる。
本発明の栄養組成物は、家畜、家禽、ペット類の飼料用に応用することができる。例えば、ドライドッグフード、ドライキャットフード、ウェットドッグフード、ウェットキャットフード、セミモイストドックフード、養鶏用飼料、牛、豚などの家畜用飼料に配合することができる。飼料自体は、常法に従って調製することができる。これらの治療剤および予防剤は、ヒト以外の動物、例えば、牛、馬、豚、羊などの家畜用哺乳類、鶏、ウズラ、ダチョウなどの家禽類、は虫類、鳥類或いは小型哺乳類などのペット類、養殖魚類などにも用いることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。
[参考例]
(ヒトNASH疾患にきわめて近い病態モデルの作出)
〈1.STAMマウス〉
遺伝子改変を伴わずNASHから肝癌を発症する病態モデルである(特許文献12).すなわち、5週齢で脂肪肝、7週齢でNASH、9週齢で肝繊維化、12週齢で肝硬変、16週齢で肝癌といった発症ステージを安定的にたどる。
STAMマウスはヒトNASHの病因とされる“2 hit theory”、すなわちストレプトゾトシンによるインスリン抵抗性を惹起させ、ならびに全身性の弱い炎症ならびに肝細胞のアポトーシス誘導を高脂肪食負荷にて発症させる。
本発明者らはこれまでSTAMマウスの有用性を検討してきた。その結果、STAMマウスの肝機能検査値や組織学的検査の結果から、ヒトNASH疾患に極めて類似した病態を呈すること、並びに安定的に発症することから、NASH研究にて極めて有用な病態動物であることを見出している(図3)。
本実施例では、STAMマウスを用いた。本モデルを検証した結果、血清生化学検査値より、高血糖、高コレステロールを呈すること、かつ肝機能障害を伴なうことが認められた。このことから、STAMマウスはヒトNASHに極めて類似したモデルであることが検証された。
[実施例1]
[2.実験動物の作製および飼育スケジュール]
妊娠14日目のC57BL/6Jマウスは日本チャールズリバー(株)より購入した。飼育は、温度24℃、湿度50±10%、明暗サイクル12時間(明期7:00〜19:00)の環境下で行った。出生確認後、雄性マウスに対して特許文献7に従って病態発症の処置を行い、STAMマウスを作製した。出生から4週目に離乳を行い、餌を高脂肪食(HFD32:日本クレア(株))に切り替えた。脂肪肝発症ステージである5週齢で群分けを行い、継続して高脂肪食を投与するSTAM群(Control群)、2%D−アロース添加の高脂肪食を投与するDA−STAM群とした。また、出生確認後、無処置の雄性マウスには離乳後は通常試料(AIN93G:オリエンタル酵母(株))を投与し、Normal群とした。NASH発症ステージである8週齢満期に絶食をかけ、翌日解剖を行った。
[3.血清トランスアミナーゼ活性測定]
血液採取後、遠心分離にて血清を採取した。血清中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、 アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)は、富士ドライケム7000(富士フィルムメディカル(株))を用いて測定した。
その結果、図4に示すように、正常(Normal群)に比べ、STAM群(Control群)の肝機能値(AST、ALT)は有意に上昇したものの、D−アロース投与(DA−STAM群)は低値傾向もしくは有意な低値となった。以上のことから、D−アロースはNASHの発症抑制に有効であることが認められた。
[4.肝臓組織学的検査(NAS)]
肝臓は、重量測定後、一部を10%ホルマリン液にて固定を行い、パラフィン切片を作製した。作製した切片はヘマトキシリン−エオシン染色 (HE染色) にて染色を行い、NAFLD activity score(NAS)を用いて肝脂肪化(score:0〜3)、小葉内炎症(score: 0〜3)、肝細胞の風船様腫大(score: 0〜2)の合計点より評価を行った。結果を図5に示す。
図5に示すとおり、ヒトNASHの肝臓組織学的検査法であるNASにて、STAMマウスの肝臓所見を検討した結果、D−アロース投与群は肝脂肪化や小葉内炎症が有意に軽減することが認められ、NASHの重症化指標であるNASも有意な軽減が観察された。
[5.肝臓組織学的検査(脂肪染色)]
肝臓組織の脂肪沈着の程度を評価するために、脂肪染色としてオイルレッドO染色を行った。すなわち、凍結切片を水洗し、60%2-プロパノールに浸水し、オイルレッドO溶液(オイルレッドO 0.3gを99%2-プロパノール100 mlに溶解して保存液を作製し、使用時に保存液6に対して蒸留水4を加え、撹拌後10分放置し、濾過する)に浸水後、60%2−プロパノールに浸水した。軽く水洗後、マイヤーのヘマトキシリン溶液に浸水し、流水水洗後、封入剤(マウントクイックアクエオス、コスモ・バイオ(株))で封入を行った。顕微鏡下で染色組織の画像取得を行い、専用画像解析ソフト(imageJ)にてオイルレッド陽性領域率を測定した。結果を図6に示す。
図6に示すとおり、STAMマウスで多数みられる脂肪が、D−アロース投与群では減少している。また、画像解析を行ったうえでの脂肪面積でも、D−アロース投与群がSTAMマウスに対して有意となることが認められ、この結果でも、D−アロースは肝脂肪化の抑制が観察された。
[6.肝臓中の炎症関連遺伝子および脂質代謝関連遺伝子発現変動解析]
肝臓は、重量測定後、一部をドライアイスアセトンにて急速凍結し、total RNAを抽出するまで−80℃で保存した。total RNAの抽出にはRNeasy Plus Universal Kit(QIAGEN)を用いた。Rever Tra Ace qPCR RT Kit(TOYOBO)を用いてcDNAを合成し、図7のプライマーリストに示すプライマーを用いてリアルタイムPCR(LightCycler(登録商標) 480、Roche)を行った。内部標準遺伝子としてGAPHDを用い、ΔCt法にて遺伝子発現変動解析を行った。結果を図8に示す。
図8に示すとおり、脂質代謝関連遺伝子として、脂肪酸合成に係わる転写因子であるSREBP−1(Sterol Regulatory Element−bindig Protein−1)について、炎症関連遺伝子として、炎症性のサイトカインであるTNF−α(Tumor Necrosis Factor−α)およびIL−1β(Interleukin−1β)について、肝臓中のmRNA発現量を測定した結果、いずれのmRNA発現量ともD−アロース投与群がSTAMマウスに対して低値を示し、この結果からもD−アロースは肝臓で脂肪酸合成の抑制効果及び炎症誘発の抑制効果が観察された。
[統計解析]
データの統計解析にはJMP Pro 9.0.2を使用し、数値は平均値±標準誤差で示した。上記3.および5.の結果についてはTukey−Kuramer法を、上記4.の結果についてはSteeL−Dwass法を用いて解析を行い、有意水準p<0.05とした。
[実施例2]
[7.実験動物の作製および飼育スケジュール]
妊娠14日目のC57BL/6Jマウスは日本チャールズリバー(株)より購入した。飼育は、温度24℃、湿度50±10%、明暗サイクル12時間(明期7:00〜19:00)の環境下で行った。出生確認後、雄性マウスに対して特許文献12に従って病態発症の処置を行い、STAMマウスを作製した。出生から4週目に離乳を行い、餌を高脂肪食(HFD32:日本クレア(株))に切り替えた。脂肪肝発症ステージである5週齢で群分けを行い、継続して高脂肪食を投与するSTAM群(Control群)、2%バリン、イソロイシンもしくはロイシンの計3種のアミノ酸を添加した高脂肪食を投与する群(それぞれVal群、Ile群、Leu群)とした。また、出生確認後、無処置の雄性マウスには離乳後は通常試料(AIN93G:オリエンタル酵母(株))を投与し、Normal群とした。NASH発症ステージである8週齢満期に絶食をかけ、翌日解剖を行った。
[8.血清トランスアミナーゼ活性測定]
血液採取後、遠心分離にて血清を採取した。血清中のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、 アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)は、富士ドライケム7000(富士フィルムメディカル(株))を用いて測定した。
その結果、図9に示すように、Normal群に比べ、Control群およびVal群の肝機能値(AST、ALT)は有意に上昇したものの、Ile群やLeu群は低値傾向もしくは有意な低値となった。以上のことから、IleやLeuはNASHの発症抑制に有効であることが認められた。
[9.肝臓組織学的検査(HE染色および脂肪染色)]
8週齢にて解剖して採取した肝臓は、重量測定後、一部を10%ホルマリン液にて固定を行い、パラフィン切片を作製した。作製した切片はヘマトキシリン−エオシン染色 (HE染色) にて染色を行った。加えて、脂肪染色は凍結肝臓切片を水洗し、次いで60%2-プロパノールに浸水し、オイルレッドО溶液(オイルレッドО 0.3gを99%2-プロパノール100 mlに溶解して保存液を作製し、使用時に保存液6に対して蒸留水4を加え、撹拌後10分放置し、濾過する)に浸水後、60%2−プロパノールに浸水した。軽く水洗後、マイヤーのヘマトキシリン溶液に浸水し、流水水洗後、封入剤(マウントクイックアクエオス、コスモ・バイオ(株))で封入を行った。顕微鏡下で染色組織の画像取得を行った。いずれの写真も、図10に示した。
HE染色の結果から、Control群およびVal群は組織学的にNASH像を呈すること、また脂肪染色の結果から、Control群およびVal群は脂肪肝を呈していることが認められた。一方、Ile群やLeu群の組織画像はNASH像および脂肪肝を軽減していることが認められた。
[統計解析]
データの統計解析にはJMP Pro 9.0.2を使用し、数値は平均値±標準誤差で示した。上記5.および9.の結果についてはTukey−Kuramer法を、上記8の結果についてはSteeL−Dwass法を用いて解析を行い、有意水準p<0.05とした。
単糖および分岐鎖アミノ酸を有効成分とすることから、安全性が高く副作用がほとんどないため、非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療用医薬品として有用である。さらに、本発明の剤に含まれるD−アロース、および、イソロイシンおよびロイシンの2種類の分岐鎖アミノ酸は、安全性の確立した物質であることから、本発明の剤は安全性が高く、医薬用途に限らず、食品への利用も可能であり、産業上の利用可能性の大きいものである。

Claims (8)

  1. D−アロースおよび/またはイソロイシンおよび/またはロイシンを有効成分とすることを特徴とする非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
  2. 成人1回あたりの服用量は、D−アロース2.5g〜20g、および/または、イソロイシンおよび/またはロイシン0.5〜20gになるように含有させる請求項1に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
  3. さらにビタミンEを有効成分とする請求項1または2に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
  4. 予防および治療薬である請求項1、2または3に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
  5. 薬学的に許容され得る製剤担体を含む医薬組成物の形態である請求項4に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
  6. 経口投与製剤である請求項1ないし5のいずれかに記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防剤および/または改善剤を含む非アルコール性脂肪性肝炎の予防用および/または改善用栄養組成物。
  8. 予防および治療用栄養組成物である請求項7に記載の非アルコール性脂肪性肝炎の予防用および/または改善用栄養組成物。
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