JP2015175840A - レーダー用チャープ信号の生成方法およびレーダーシステム - Google Patents

レーダー用チャープ信号の生成方法およびレーダーシステム Download PDF

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【課題】デジタル的にチャープ信号を生成し送信するレーダーシステムにおいて、デジタル方式のチャープ信号生成におけるスプリアス成分を抑止し、測定・検知性能を向上させる。【解決手段】理想チャープ信号を中心周波数およびチャープ幅で表し、理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅をメモリに蓄積する。周波数折り返し成分算出部は、理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅と、DAコンバータのサンプリング周波数とに基づいて、サンプリングによる周波数折り返し成分を算出するS103。次に、歪み成分抽出部は、算出された周波数折り返し成分から、デジタル・アナログ変換による歪み成分を抽出するS104。そして、補正チャープ信号生成部は、抽出された歪み成分の逆特性を理想チャープ信号に加えることによって、補正チャープ信号を生成してS105、チャープ信号を更新するS106。【選択図】図1

Description

本発明は、レーダー用チャープ信号の生成方法およびレーダーシステムに係り、特に、チャープ信号を発生する際に発生するスプリアス成分を除去して、レーダー性能を向上させるために好適なレーダー用チャープ信号の生成方法およびレーダーシステムに関する。
近年のレーダーシステムにおいては、レーダーの分解能を高めるために、送信信号として周波数が時間的に線形に変化するチャープ信号が使われるのが一般的になっている。
例えば、特許文献1には、レーダーシステムの送信信号発生部から、振幅が零から所定の振幅まで徐々に大きくなる振幅漸増信号、周波数が所定の範囲で連続的に変化するチャープ信号、および振幅が零まで徐々に小さくなる振幅漸減送信信号を順次出力するレーダーシステムが開示されている。
特開2012−173209号公報
チャープ信号の生成には、単純な正弦波発信回路に工夫を加えて、その発振周波数を変化させるアナログ方式と信号波形を算術的にデータとして生成した後にDAコンバータ(Digital Analog Converter)によりアナログ信号として取り出すデジタル方式、そしてこれらの両者の利点を組み合わせた混合構成法(ただし、本明細書中の記述では、アナログ方式に分類する)がある。ここで、チャープ信号とは、周波数が時間的に線形変化する信号である。
アナログ方式では高精度の正弦波の生成は可能であるが、その周波数制御に限界がある。具体的には掃引速度が高くなった際の信号精度の維持と周波数変化速度およびその精度(変化精度)に限界があるため、低精度機器や簡易型機器以外では実用に供しにくい欠点がある。
一方、デジタル方式ではアナログ方式に比べて高精度の周波数制御が行えるもののデジタル方式ゆえのノイズ・スプリアス成分が高精度化を阻害する。具体的には希望波信号生成時にサンプリング定義で原理的に発生する折返し信号と共に、希望波生成時に発生する高次高調波成分それぞれの折返し信号等が広域に混在し数々の動的なスプリアスとなって混在するとともに、デジタル制御部や隣接して配置されたPC基板等からの機器内クロストーク等も多い。なお、ここで、スプリアスとは、主として高調波から成る、交流信号に含まれる設計上意図されない周波数成分のことである。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、デジタル方式のチャープ信号生成におけるスプリアス成分を抑止し、測定・検知性能を向上させたレーダーシステムを提供することにある。
本発明に係るレーダー用チャープ信号生成方法は、好ましくは、理想チャープ信号を中心周波数およびチャープ幅で表したレーダー用チャープ信号の生成方法であって、該理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅と、DA(デジタル・アナログ)コンバータのサンプリング周波数とに基づいて、サンプリングによる周波数折り返し成分を算出する手順と、
該記算出された周波数折り返し成分から、デジタル・アナログ変換による歪み成分を抽出する手順と、
該抽出された歪み成分と理想チャープ信号とに基づき、補正チャープ信号を生成する手順とからなることを特徴とするレーダー用チャープ信号生成方法、として構成される。
また、本発明に係るレーダーシステムは、好ましくは、理想チャープ信号を中心周波数およびチャープ幅で表してレーダー用チャープ信号の生成を行うレーダーシステムであって、該理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅を蓄積するメモリと、
該理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅と、DA(デジタル・アナログ)コンバータのサンプリング周波数とに基づいて、サンプリングによる周波数折り返し成分を算出する周波数折り返し成分算出部と、
該算出された周波数折り返し成分から、デジタル・アナログ変換による歪み成分を抽出する歪み成分抽出部と、
該抽出された歪み成分と理想チャープ信号とに基づき、補正チャープ信号を生成する補正チャープ信号生成部とを備えることを特徴とするレーダーシステム、として構成される。
本発明によれば、デジタル方式のチャープ信号生成におけるスプリアス成分を抑止し、測定・検知性能を向上させたレーダーシステムを実現することができる。
第一の実施形態に係るレーダーシステムによるチャープ信号の生成方法の手順を示すフローチャートである。 第一の実施形態に係るレーダーシステムの構成を示すブロック図である。 第二の実施形態に係るレーダーシステムによるチャープ信号の生成方法の手順を示すフローチャートである。 第二の実施形態に係るレーダーシステムの構成を示すブロック図である。 サンプリング定理により、信号を取り出すときに、折り返し周波数が発生することを説明する図である。 図5の状態のときのチャープ信号を生成するときの様子を示した図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図1ないし図6を用いて説明する。
デジタル方式によるチャープ信号の生成によれば、高速高精度でかつ多様な周波数制御が可能であるが、上記のように、動的あるいは静的なスプリアスが発生する。本実施形態のレーダーシステムは、回路技術および算術的あるいは両者の組み合わせによって、そのようなスプリアスを抑止するものである。
すよわち、デジタル的な希望波信号生成時にサンプリング定義で原理的に発生する折返し信号の周波数上の位置と強度は、いわゆるSINC関数(sinc(x)=sin(x)/xで表される関数)および当該信号発生装置のアナログ回路の帯域特性によって一意的に決まるために、予測可能でありかつ変動は少ない。これを所望信号から予測し信号発生アルゴリズムによって抑止する手段を提供する。
また、所望の信号生成時に発生するアナログ的な高次高調波に関して、周波数上の位置は、一意的に決まるが、その強度は機器を構成するアナログ回路系にしたがって、わずかな差異が発生する。より厳密な抑止を行うために、いったん生成した信号を受信解析し各々の信号強度を算出し、その強度に応じて信号発生アルゴリズムにて抑止するいわゆるプリディストーションを適用することも可能である。
なお、デジタル的なチャープ信号生成法では、その出力振幅特性がサンプリング定理で決まるSINC関数で決まる包絡線特性を有するため、信号発生器側のアナログ回路の歪み補正を含めて、これを補償する振幅位相補正技術を兼ねることが可能である。
〔実施形態1〕
以下、図1、図2、図5、および、図6を用いて本発明に係る第一の実施形態を説明する。
先ず、本発明の実施形態を説明する前に、デジタルサンプリング方式で信号を生成する際の諸事項について、図5、図6を用いて説明する。
図5は、サンプリング定理により、信号を取り出すときに、折り返し周波数が発生することを説明する図である。
図6は、図5の状態のときのチャープ信号を生成するときの様子を示した図である。
図5のSINC envelopeで表している曲線は、DAコンバータでアナログ信号を離散的に発生する際に生ずる 以下の(数1)で表せる信号の包絡線である。
〔数1〕 H(f) = sin (πf/fs)/(πf/fs)
ここで、fは、パラメータとなる周波数、fsは、サンプリング周波数、πは、円周率、Hは、周波数fをパラメータとする信号強度の関数である。
図5では、所望の信号(Desired Output)に対して、一番目の折り返し周波数の信号(1st Image)、また、それに続いて、その他の折り返し周波数の信号(Other Images)が発生することを示している。また、所望の信号の二倍の周波数の信号(x2 deired Output)に対しても、折り返し周波数の信号(x2 first Image)が発生する。
一般的にサンプリング定理を適用するときには、発生する正弦波の周波数がサンプリング速度に近付くとサンプリング数が十分ではなくなって必要な振幅を保てなくなり、さらに進んで正弦波の周波数とサンプリング速度が同じであれば振幅はゼロとなってしまう。多数の周波数の集合体である広帯域信号でも、個々の周波数では同じ制限を受けるので包絡線は同様の歪みを抱えることになる。また、DAコンバータで所望の周波数の正弦波を発生しようとすると、サンプリング周波数との和と差の信号が生じ、これらは全て所望信号のイメージ信号としてサンプリング周波数(離散値なので整数倍の周波数も含む)の周りに発生してしまう。これらは全て不要なスプリアス信号となる。上記以外にも、所望周波数の正弦波を出力するための増幅器に非線型歪があると、所望正弦波の周波数の整数倍の高次高調波を発生してしまう。さらにこの高調波とサンプリング周波数および上記のイメージ周波数の混合により更に新たなイメージ周波数をスプリアス信号として多数生じる結果となる。ただし、上記のスプリアスは、所望周波数とサンプリング周波数の関係が既知であれば全て予測可能である。本発明は、この原理に基づくものである。
次に、図6を用いてレーダーチャープ信号の様に希望信号周波数が時間的に変化する際に、スプリアス成分との関係が、どの様になるかを説明する。図6の横軸は周波数、縦軸は時間を示しており、時間経過と共に希望周波数が線形に増加している(図6の下、左上から右下へ走る「生成波」、「2倍高調波」、「3倍高調波」の矢印)。と同時に、各種のスプリアス成分は、その生成原理に従って時間変化を生じている(図6の下、真ん中から左下へ走る各種の矢印)。
前述したようにDAコンバータでアナログ信号を生成するには、希望周波数とサンプリング周波数の差の周波数が折り返し周波数に出現する(イメージ信号)ため、広帯域信号がこれらの不要信号と重ならないためにはサンプリング周波数の1/2以下に設定する必要が有る。さらにDC成分や帯域外成分除去のためのフィルタリングの余裕度を残すと広帯域信号の専有範囲(観測窓)は図6の様に限定されてくる。図6は、希望信号を掃引したときの各スプリアスの動きが観測窓を通してどのように見えるかを説明したものである。実際のスぺクトログラムの写真ではランダムにスプリアスが走っているように見えても、各スプリアスは秩序正しく発生していることが説明できる。つまり、主要なスプリアス信号は予測可能であり、信号の数式処理によって抑止が可能である。本発明は、この原理に基づくものである。
本発明の好ましい例によれば、上記したような、デジタルサンプリング方式で信号生成を行う際に、数学的に予測できる成分に関しては信号の数式処理によってデジタルサンプリング方式のデメリットを解消する。
以下、具体的に本発明の第一の実施形態に係るレーダーシステムの構成と、チャープ信号の生成方法を、図1、および、図2を用いて説明する。
図1は、第一の実施形態に係るレーダーシステムによるチャープ信号の生成方法の手順を示すフローチャートである。
図2は、第一の実施形態に係るレーダーシステムの構成を示すブロック図である。前述した様に希望するチャープ信号を数学的に発生し、デジタル・アナログ変換器(DAコンバータ)でアナログ信号に変換する際にサンプリング定義で原理的に発生する折返し信号が発生する。これらの折り返し信号成分はDA変換に伴って発生するものであり、希望波信号を発生すると言う観点からは不要のものである。しかしながら、デジタル的にチャープ信号を生成する際に発生は避けることができない。一方、DA変換にかかわる信号を数式により表現すれば、これらの折り返し信号成分も忠実に再現が可能である。本発明では、DA変換にかかわる信号を数式により表現して得られる折り返し信号成分の逆関数を加えたチャープ信号を数式処理によって発生させることにより、DA変換後の信号から折り返し成分を抑止した信号生成方法を提案するものである。
先ず、中心周波数とチャープ幅で定義される理想的なチャープ信号を取得する(S101)。
ここで、「中心周波数」とは、時間的に変化するチャープ信号の最小周波数と最大周波数の中間周波数のことであり、チャープ幅とは、最小周波数と最大周波数の差周波数のことを示している。
次に、DA変換の際のサンプリング周波数(DAサンプリング周波数)を取得する(S102)。
そして、中心周波数、チャープ幅、DAサンプリング周波数からサンプリングによる周波数折り返し成分の算出する(S103)。
次に、S101で得た理想チャープ信号と、S103で得たサンプリングによる周波数折り返し成分の差からDA変換による歪み成分の抽出を行う(S104)。ここで述べている歪成分とは、周波数軸上の振幅・位相情報である。
そして、歪成分の逆特性を、理想チャープ信号に加えることにより補正チャープ信号を生成する(S105)。
S104で得られた歪成分はサンプリングによって現れるものであり、歪成分の逆特性を、S101で取得した理想チャープ信号に加えることにより、補正チャープ信号を生成することが可能となる。
そして、S105で生成した補正チャープ信号をレーダー用チャープ信号として、レーダー用チャープ信号を更新する(S106)。
以上のようにレーダー用チャープ信号を生成すれば、原理的にはDA変換を用いてサンプリングによる折り返し成分の無い、すなわち、理想的なチャープ信号を得ることが可能になる。
次に、第一の実施形態に係るレーダーシステムの構成について、図2を用いて説明する。
図2に示したレーダーシステムは、本発明の特徴部分である破線210で囲まれた部分の構成要素と、その外側に示される従来技術による構成要素からなることが示されている。
メモリ201は、レーダー用チャープ信号を蓄積させる記憶装置であり、後述する本発明に固有の破線部210内の構成要素から供給される信号と同一波形の信号を蓄積する。この信号波形は、DAコンバータ202によってアナログデータに変換され、アップコンバータ203で、周波数を所望のレーダー帯域まで変換される。ここで、周波数変換は、ミキサ方式と逓倍器用いた方式(マルチプライヤー方式)がある。ミキサ方式はローカル周波数の分、周波数が変わるのみで帯域幅に変更が無いのに対してマルチプライヤー方式は周波数と帯域幅が共に整数倍で変化することになる。いずれの方式も周波数を変換する点においては本質的に変わりなく、本発明の有用性はいずれの方式でも等しく有効である。
アップコンバータ203で所望のレーダー帯域に変換された信号の一部は、サーキュレータ204に、一部は、ミキサ206に分配される。サーキュレータ204は、アンテナ205に接続されており、レーダー用チャープ信号は空間に放射される(以後、送信されるレーダー用チャープ信号を、単に「送信信号」とも記述する)。対象物から反射されて戻ってくるレーダー用チャープ信号(以後、受信されたレーダー用チャープ信号を、単に「受信信号」とも記述する)は、アンテナ205で受信され、サーキュレータ204の一方向性の伝送特性により、ミキサ206に接続される。このようにして、ミキサ206には、送信信号と受信信号が入力される。ミキサ206は、二つの入力信号の和周波数または差周波数を出力する性質がある。この場合は送信信号と受信信号の差周波数成分にレーダーとして有意の情報が含まれており、この信号は、表示部207に入力され、表示されることになる。送信信号と受信信号の差周波数成分にはアンテナから送信されて対象物までの往復距離に相当する時間遅れ、すなわち、距離情報が含まれており、ミキサ206からの出力情報を、数学的に処理することにより対象物がアンテナからどの程度離れた位置にあるかを判別するのが従来方式のレーダーシステムの基本的な原理である。
一般に、高精度な周波数制御が可能なデジタル方式のチャープ信号生成を行うと、デジタル方式ゆえ発生するスプリアス成分が高精度化を阻害する。具体的には希望波信号生成時にサンプリング定義で原理的に発生する折返し信号と共に、希望波生成時に発生する高次高調波成分それぞれの折返し信号等が広域に混在し数々の動的なスプリアスとなって混在しレーダーシステムとしてみた場合に、対象物の無い場所に検出してしまう、いわゆる偽像が発生する。本実施形態により、この偽像の発生を抑え、レーダー性能を向上させることのできる手段を提供する。
以下、図2の破線部210内の機能ブロックの動作を説明と共に、本実施形態に係るレーダーシステムの有効性について述べる。
メモリ211は、数学的に生成された理想チャープ信号を蓄積する。この信号は、理想的な信号故に外部に物理的な電気信号として取り出すことができない。周波数折り返し成分算出部212は、チャープ信号の基本的パラメータであるチャープ信号の中心周波数(f)、チャープ周波数幅(BW)、および、DAコンバータ202のサンプリング周波数(f)を入力として、デジタルサンプリングによる周波数折り返し成分を、数式処理により算出を行う。図では周波数折り返し成分のみを明示しているが、数式処理により算出が可能な高次高調波成分など他の不要成分でも同様に算出できることはもとよりである。
次に、歪み成分抽出部213では、周波数折り返し成分算出部212で算出された周波数折り返し成分の逆特性の抽出を行う。補正チャープ信号生成部214は、この歪成分を、メモリ211より読み出して、その逆特性を理想チャープ信号に加える処理を行う。そして、補正されたチャープ信号は、メモリ201にレーダー用チャープ信号として記憶される。
この補正チャープ信号は、DAコンバータ202やアップコンバータ203で発生するデジタルサンプリングに伴う周波数折り返し成分や、高次高調波成分の影響を逆補正してあるため、アップコンバータ203から送出される送信信号は、デジタルサンプリングに伴う周波数折り返し成分や、高次高調波成分が抑止されており、これを送信信号とするレーダーシステムでは、デジタル方式でチャープ信号を生成する従来方式のレーダーシステムで問題となる偽像の発生が少なく高性能化を図ることができる。
〔実施形態2〕
以下、図3および図4を用いて第二の実施形態を説明する。
第一の実施形態では、DAコンバータ、アップコンバータを数学的モデルに置き換え、数学的に予測される不要な成分を事前に予測することで結果的にレーダーの送信信号となる信号の不要波成分を抑止する方法について説明した。DAコンバータ、アップコンバータの数学モデルが理想的な場合は完全な効果を与えるが、数学的モデルの誤差や、数学的にモデリングが困難で実測せざるを得ない場合には補正の効果は失われないものの限界が生じる。
第二の実施形態では完全に数学的な処理に頼って補正を行った第一の実施形態と併用あるいは補完が可能な実測結果を基に補正データを生成し送信信号を生成する手段について説明する。
以下、具体的に本発明の第二の実施形態に係るレーダーシステムの構成と、チャープ信号の生成方法を、図3、および、図4を用いて説明する。
図3は、第二の実施形態に係るレーダーシステムによるチャープ信号の生成方法の手順を示すフローチャートである。図4は、第二の実施形態に係るレーダーシステムの構成を示すブロック図である。
先ず、中心周波数とチャープ幅で定義される既知の理想的なチャープ信号を読み出す(S301)。
次に、S301で読み出された信号をDA変換して送出する(S302)。
次に、送出された信号を時間領域で波形観測する(S303)。
次に、S303の観測結果を、S301で読み出した理想チャープ信号と比較し、DA変換による歪成分を抽出する(S304)。
そして、歪成分の逆特性を、理想チャープ信号に加えることにより補正チャープ信号を生成する(S305)。
S303で述べている歪成分とは、周波数軸上の振幅・位相情報である。ここで得られた歪成分は、サンプリングによって現れるものであり、歪成分の逆特性を図301で読み出した理想チャープ信号に加えることにより、補正チャープ信号を生成することが可能になる。
そして、S305で生成した補正チャープ信号をレーダー用チャープ信号として、レーダー用チャープ信号を更新する(S306)。
以上のように、DA変換を用いてサンプリングによる折り返し成分を実測データを基に抑止したチャープ信号を得ることが可能になる。
次に、第二の実施形態に係るレーダーシステムの構成について、図4を用いて説明する。
図4に示したレーダーシステムは、特徴部分である破線410で囲まれた部分の構成要素と、その外側に示される従来技術による構成要素からなることが示されている。
メモリ401は、レーダー用チャープ信号を蓄積させる記憶装置であり、後述する本発明に固有の破線部410内の構成要素から供給される信号と同一波形の信号を蓄積する。この信号波形は、DAコンバータ402によってアナログデータに変換され、アップコンバータ403で周波数を所望のレーダー帯域まで変換される。ここで周波数変換はミキサ方式と逓倍器用いた方式(マルチプライヤー方式)があり、いずれの方式も周波数を変換する点においては本質的に変わりなく、本発明はいずれの方式でも等しく有効であることは第一の実施形態と同様である。
アップコンバータ403で所望のレーダー帯域に変換された信号の一部は、サーキュレータ404に、一部は、ミキサ406に分配されると同時に、波形観測部412にも伝達される。なお、波形観測部412の性能によっては周波数変換後の信号の観測が不可能な場合も有るが、その場合は周波数変換前の信号、すなわち、 DAコンバータ402からの信号を直接波形観測部412に入力してもよい。後者の場合は、アップコンバータの補正データは、第一の実施形態の信号の数式処理の手法を用いて抽出することになる。第一の実施形態の手法と第二の実施形態の手法を任意に組み合わせることで本発明の効果は、さらに高まるものである。サーキュレータ404は、アンテナ405に接続されており、レーダー用チャープ信号は空間に放射される。対象物から反射されて戻ってくるレーダー用チャープ信号は、アンテナ405で受信され、サーキュレータ404の一方向性の伝送特性によりミキサ406に入力される。このようにして、ミキサ406には、送信信号と受信信号が入力される。ミキサ406は二つの入力信号の和周波数または差周波数を出力する性質がある。ミキサ406からの出力情報を数学的に処理することにより対象物がアンテナからどの距離はなれた位置にあるかを判別するということも、第一の実施形態の説明と同様である。
本実施形態では、第一の実施形態と同様の原理により、偽像の発生を抑え、レーダー性能を向上させることのできる手段を提供する。
以下、図4の破線部410内の機能ブロックの動作を説明と共に、本実施形態に係るレーダーシステムの有効性について述べる。
メモリ411は、数学的に生成された理想チャープ信号を蓄積する。
先ず、補正データを抽出するために、切り替えスイッチ415を下側に切り替えメモリ411とDAコンバータ402が接続される状態に切り替え、メモリ411の数学的に生成された理想チャープ信号を、DAコンバータ402に導入する。
DAコンバータ402は、アップコンバータ403に接続され、DAコンバータ402からの出力信号は、所望のレーダー帯域に変換される。アップコンバータ403は、サーキュレータ404、ミキサ406と同時に、波形観測部412とも接続されている。歪み成分抽出部413は、波形観測部412と接続されており、波形観測部412からの出力結果信号と、メモリ411の数学的に生成された理想チャープ信号と比較することにより測定結果を基にした歪成分の抽出を行う。補正チャープ信号生成部414は、この歪成分の逆特性を理想チャープ信号に加える処理を行い、メモリ401にレーダー用チャープ信号として記憶した後に、切り替えスイッチ415を上側に切り替え、メモリ401とDAコンバータ402が接続される状態にしてアンテナ405から送信する。補正チャープ信号は、DAコンバータ402やアップコンバータ403で発生するデジタルサンプリングに伴う周波数折り返し成分や、高次高調波成分の影響を逆補正してあるため、アップコンバータ403から送出される送信信号は、デジタルサンプリングに伴う周波数折り返し成分や、高次高調波成分が抑止されており、これを送信信号とするレーダーシステムでは、デジタル方式でチャープ信号を生成する従来方式のレーダーシステムで問題となる偽像の発生が少なく高性能化を図ることできる。
201,401…メモリ(レーダー用チャープ信号を蓄積する)、
202,402…DAコンバータ、
203,403…アップコンバータ、
204,404…サーキュレータ、
205,405…アンテナ、
206,406…ミキサ、
207,407…表示部、
211,411…メモリ(理想チャープ信号を蓄積する)、
212…周波数折り返し成分算出部、
213,413…歪み成分抽出部、
214,414…補正チャープ信号生成部、
412…波形観測部
415…切り替えスイッチ

Claims (6)

  1. 理想チャープ信号を中心周波数およびチャープ幅で表したレーダー用チャープ信号の生成方法であって、
    該理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅と、DA(デジタル・アナログ)コンバータのサンプリング周波数とに基づいて、サンプリングによる周波数折り返し成分を算出する手順と、
    該記算出された周波数折り返し成分から、デジタル・アナログ変換による歪み成分を抽出する手順と、
    該抽出された歪み成分と理想チャープ信号とに基づき、補正チャープ信号を生成する手順とからなることを特徴とするレーダー用チャープ信号生成方法。
  2. 補正チャープ信号を生成する手順は、該歪み成分の逆特性を該理想チャープ信号に加えることにより行われることを特徴とする請求項1記載のレーダー用チャープ信号生成方法。
  3. 理想チャープ信号を中心周波数およびチャープ幅で表してレーダー用チャープ信号の生成を行うレーダーシステムであって、
    該理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅を蓄積するメモリと、
    該理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅と、DA(デジタル・アナログ)コンバータのサンプリング周波数とに基づいて、サンプリングによる周波数折り返し成分を算出する周波数折り返し成分算出部と、
    該算出された周波数折り返し成分から、デジタル・アナログ変換による歪み成分を抽出する歪み成分抽出部と、
    該抽出された歪み成分と理想チャープ信号とに基づき、補正チャープ信号を生成する補正チャープ信号生成部とを備えることを特徴とするレーダーシステム。
  4. 該補正チャープ信号生成部は、該歪み成分の逆特性を該理想チャープ信号に加えることにより補正チャープ信号を生成することを特徴とする請求項3記載のレーダーシステム。
  5. 理想チャープ信号を中心周波数およびチャープ幅で表したレーダー用チャープ信号生成方法であって、
    蓄積された理想チャープ信号の中心周波数およびチャープ幅を読み出す手順と、
    該読み出された中心周波数およびチャープ幅による理想チャープ信号をデジタル・アナログ変換して出力信号として送出する手順と、
    該送出された出力信号を時間領域にて波形観測する手順と、
    該観測された波形と該理想チャープ信号とから、デジタル・アナログ変換による歪み成分を抽出する手順と、
    該抽出された歪み成分と該理想チャープ信号とに基づき、補正チャープ信号を生成する手順とからなることを特徴とするレーダー用チャープ信号生成方法。
  6. 補正チャープ信号を生成する手順は、該歪み成分の逆特性を該理想チャープ信号に加えることにより行われることを特徴とする請求項5記載のレーダー用チャープ信号生成方法。
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