JP6637395B2 - 模擬目標発生装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、模擬目標発生装置及び方法に関する。
飛来するレーダ波が物体によって反射されて発生する反射波を模擬したRF(radio frequency)信号を生成する装置は、レーダ装置の試験や妨害電波の発生に好適に用いられる。本明細書では、このような装置を模擬目標発生装置と呼ぶことにする。
模擬目標発生装置としてRF入力信号を用いる場合の最も典型的な構成は、DRFM(Digital Radio Frequency Memory)を使用する構成である。DRFMとは、受信したレーダ波に対して高速A/D変換を行って該レーダ波の波形を表す波形データを取得し、該波形データをメモリに記憶するように構成されたデバイスである。メモリに記憶された波形データに対して所望のデジタル処理を行い、該デジタル処理で得られたデジタルデータに対してD/A変換を行えば、目的とするRF信号が得られる。
DRFMにおいて行われるデジタル処理として重要なものの一つが、ドップラ効果による周波数遷移、即ち、ドップラーシフトを模擬する処理である。速度を持った物体によってレーダ波が反射される場合、ドップラ効果により、反射波の周波数は、元のレーダ波の周波数からずれる。反射波を適切に模擬するためには、このようなドップラーシフトを模擬したRF信号を発生することが望ましい。
ドップラーシフトを模擬する手法として下記の2つの手法が公知である。
第1の手法は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を用いる手法である。飛来するレーダ波に対応するRF入力信号に対してFFTを行い、周波数領域で周波数をシフトする演算を行い、更に、逆FFTを行うことで、ドップラーシフトを模擬することができる。このような手法は、例えば、特許第3690332号に開示されている。
しかしながら、FFT及び逆FFTは、一定時間の波形データで構成されるブロックを単位として実施されるブロック処理なので、FFTを用いる手法では、時間遅れの問題が発生する。
時間遅れの問題が発生しない手法としては、例えば特許第3242587号に開示されているように、高速A/D変換によって得られた波形データに対し、波形を時間軸方向で圧縮し、又は、伸長する処理を行う手法が知られている。この公報は、波形データに含まれる信号の間引きを行い、間を詰めることで、波形の時間軸方向での圧縮を行うこと、及び、一つのサンプリング信号を二つのサンプリング点に増やし、その後に続く信号を時間軸で後ろの方向にシフトすることで波形の時間軸方向での伸長を行うことを開示している。
しかしながら、このような手法においては、模擬できるドップラーシフトの幅が、A/D変換のサンプリング周波数によって制限される。従って、高速に移動する物体で反射された反射波のドップラーシフトを模擬する場合、波形データに示されている波形を時間軸方向で圧縮する処理によっては、ドップラーシフトを適切に模擬できない場合が生じ得る。
したがって、サンプリング周波数による制約を受けずにドップラーシフトを模擬する処理を行う技術が提供されれば、技術的に有用である。
特許第3690332号 特許第3242587号
したがって、本発明の目的は、ドップラーシフトを模擬する処理におけるサンプリング周波数による制約を緩和する技術を提供することにある。
以下に、「発明を実施するための形態」で使用される符号を参照しながら、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明を実施するための形態」との対応関係の一例を示すために付記されたものである。
本発明の一の観点では、模擬目標発生装置(10、10C、10D)が、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成する第1ミキサ(1)と、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータ(12)と、入力波形データ、又は、入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する信号処理器(14、14C、14D)と、レーダ波を反射する物体の速度とローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトするデジタル処理を波形圧縮/伸長データに対して行って周波数シフト後波形データを生成する周波数シフト処理部(15、16)と、周波数シフト後波形データ又は周波数シフト後波形データから得られるデータに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するD/Aコンバータ(17)と、IF出力信号(24)に対してローカル発振信号(22)を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号(25)を生成する第2ミキサ(3)とを具備する。
好適な一実施形態では、物体の速度をV、ローカル発振信号(22)の周波数をf、光速をcとして、周波数シフト処理部(15、16)は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を波形圧縮/伸長データに対して行って周波数シフト後波形データを生成するように構成される。
一実施形態では、信号処理器(14C)は、入力波形データに対して、それぞれ第1乃至第n利得を乗じると共にそれぞれ第1乃至第n遅延時間だけ遅延して第1乃至第n波形データを生成し(nは、2以上の整数)、第1乃至第n波形データを合成して合成波形データを生成し、合成波形データに対して波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するように構成される。
本発明の他の観点では、模擬目標発生装置(10A)が、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、第1ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成する第1ミキサ(1)と、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータ(12)と、入力波形データ、又は、入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する信号処理器(14)と、波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するD/Aコンバータ(17)と、レーダ波を反射する物体の速度と第1ローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を第1ローカル発振信号(22)に対して行って第2ローカル発振信号(27)を生成する周波数シフト処理部(5、6)と、IF出力信号(24)に対して第2ローカル発振信号(27)を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号(25)を生成する第2ミキサ(3)とを具備する。
好適な一実施形態では、物体の速度をV、第1ローカル発振信号(22)の周波数をf、光速をcとして、周波数シフト処理部(5、6)は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を第1ローカル発振信号(22)に対して行って第2ローカル発振信号(27)を生成するように構成される。
本発明の更に他の観点では、模擬目標発生装置(10B)が、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成する第1ミキサ(1)と、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータ(12)と、入力波形データ、又は、入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する信号処理器(14)と、波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するD/Aコンバータ(17)と、IF出力信号(24)に対してローカル発振信号(22)を用いてアップコンバージョンを行って第1RF出力信号(28)を生成する第2ミキサ(3)と、レーダ波を反射する物体の速度とローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を第1RF出力信号(28)に対して行って第2RF出力信号(25)を生成する周波数シフト処理部(5、7)とを具備する。
好適な一実施形態では、周波数シフト処理部(5、7)は、物体の速度をV、ローカル発振信号(22)の周波数をf、光速をcとして、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を第1RF出力信号(28)に対して行って第2RF出力信号(25)を生成するように構成される。
本発明の更に他の観点では、第1乃至第n速度(V〜V)をそれぞれ有する第1乃至第n物体によってレーダ波が反射されて生成される反射波を模擬するようにRF出力信号(25)を生成する模擬目標発生装置(10D)が提供される。模擬目標発生装置(10D)は、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成する第1ミキサ(1)と、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータ(12)と、入力波形データから出力波形データを生成する信号処理器(14D)と、出力波形データに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するD/Aコンバータ(17)と、IF出力信号(24)に対してローカル発振信号(22)を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号(25)を生成する第2ミキサ(3)とを具備する。信号処理器(14D)は、入力波形データに対して、それぞれ第1乃至第n利得(nは、2以上の整数)を乗じると共にそれぞれ第1乃至第n遅延時間だけ遅延して第1乃至第n波形データを生成する第1乃至第n利得可変遅延器(18〜18)と、それぞれ、第1乃至第n波形データに対してドップラーシフトを模擬するデジタル処理を行う第1乃至第nドップラーシフト処理部(20〜20)とを含む。第1乃至第nドップラーシフト処理部(20〜20)のうちの第iドップラーシフト処理部(20)は(iは、1以上n以下の整数)、第i波形データに対して波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って第i波形圧縮/伸長データを生成し、第i速度とローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトするデジタル処理を第i波形圧縮/伸長データに対して行って第i周波数シフト後波形データを生成するように構成される。信号処理器(14D)は、第1乃至第n周波数シフト後波形データを合成して得られる合成波形データを出力波形データとしてD/Aコンバータ(17)に供給する。
好適な一実施形態では、第i物体の速度をVi、ローカル発振信号(22)の周波数をf、光速をcとして、第iドップラーシフト処理部(20)は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を第i波形圧縮/伸長データに対して行って第i周波数シフト後波形データを生成するように構成される。
本発明の更に他の観点では、模擬目標発生方法が、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成するステップと、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するステップと、入力波形データ、又は、入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するステップと、レーダ波を反射する物体の速度とローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトするデジタル処理を波形圧縮/伸長データに対して行って周波数シフト後波形データを生成するステップと、周波数シフト後波形データ又は周波数シフト後波形データから得られるデータに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するステップと、IF出力信号(24)に対してローカル発振信号(22)を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号(25)を生成するステップとを具備する。
本発明の更に他の観点では、模擬目標発生方法が、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、第1ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成するステップと、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するステップと、入力波形データ、又は、入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するステップと、波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するステップと、レーダ波を反射する物体の速度と第1ローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を第1ローカル発振信号(22)に対して行って第2ローカル発振信号(27)を生成するステップと、IF出力信号(24)に対して第2ローカル発振信号(27)を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号(25)を生成するステップとを具備する。
本発明の更に他の観点では、模擬目標発生方法が、レーダ波に対応するRF入力信号(21)に対し、ローカル発振信号(22)を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号(23)を生成するステップと、IF入力信号(23)に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するステップと、入力波形データ、又は、入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するステップと、波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号(24)を生成するステップと、IF出力信号(24)に対してローカル発振信号(22)を用いてアップコンバージョンを行って第1RF出力信号(28)を生成するステップと、レーダ波を反射する物体の速度とローカル発振信号(22)の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を第1RF出力信号(28)に対して行って第2RF出力信号(25)を生成するステップとを具備する。
本発明によれば、サンプリング周波数による制約を緩和しながらドップラーシフトを模擬する処理を行う技術が提供される。
第1の実施形態における模擬目標発生装置の構成を示すブロック図である。 時間軸方向において波形を伸長する処理を示すグラフである。 時間軸方向において波形を圧縮する処理を示すグラフである。 第1の実施形態の模擬目標発生装置において行われるドップラーシフトの模擬を示す概念図である。 第2の実施形態における模擬目標発生装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態における模擬目標発生装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態における模擬目標発生装置の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態における入力波形と合成波形とを概念的に示すグラフである。 第5の実施形態における模擬目標発生装置の構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら実施形態を説明する。以下の説明において、同一又は対応する構成要素は、同一又は対応する参照符号によって参照することがある。また、同一構成の複数の構成要素が存在する場合、それらを参照符号に添字を付すことによって区別することがある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における模擬目標発生装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態では、模擬目標発生装置10が、ミキサ1と、DRFM2と、ミキサ3と、ローカル発振器4とを備えている。ローカル発振器4の発振周波数は、fである。
ミキサ1には、レーダ波に対応するRF入力信号21が入力される。例えば、レーダ波をアンテナによって受信して得られる信号が、RF入力信号21としてミキサ1に入力される。
ミキサ1は、RF入力信号21に対してローカル発振器4から受け取った発振周波数fのローカル発振信号22を用いてダウンコンバージョンを行い、IF(intermediate frequency)入力信号23を生成する。ローカル発振器4の発振周波数fは、ダウンコンバージョンにより、RF入力信号21の周波数帯域の成分が、IF入力信号23においてDRFM2が処理可能な周波数帯域に移行するように設定される。
DRFM2は、ミキサ1におけるダウンコンバートによって生成されたIF入力信号23を処理し、レーダ波が物体によって反射された反射波を模擬した波形の情報を含むIF模擬信号24を生成するように構成されている。後述のように、本実施形態では、DRFM2が、ドップラーシフトを模擬するIF模擬信号24を生成するように構成されている。
ミキサ3は、DRFM2から出力されるIF模擬信号24に対し、ローカル発振器4から受け取ったローカル発振信号22を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号25を生成する。出力されたRF出力信号25は、例えば、レーダ装置の評価に用いてもよいし、また、増幅した上でアンテナ装置によってレーダ波が飛来している方向に向けて発信してもよい。
DRFM2は、フィルタ11と、A/Dコンバータ12と、メモリ13と、信号処理器14と、正弦波発生器15と、デジタルミキサ16と、D/Aコンバータ17とを備えている。
フィルタ11は、ミキサ1からIF入力信号23を受け取り、IF入力信号23に含まれるエイリアス成分を除去するように構成されている。フィルタ11としては、例えば、低域通過フィルタが用いられ得る。
A/Dコンバータ12は、フィルタ11から出力されるIF信号に対してA/D変換を行って波形データを生成する。
メモリ13は、A/Dコンバータ12によって生成された波形データを受け取って保存する。加えて、メモリ13は、信号処理器14によるデジタル処理のワークエリアとしても用いられる。
信号処理器14は、メモリ13に格納されている波形データに対してデジタル処理を行う。本実施形態では、信号処理器14は、時間軸方向において波形を圧縮し、又は、伸長するデジタル処理を行う。以下においては、時間軸方向において波形を圧縮し、又は、伸長するデジタル処理によって得られるデータを、以下、波形圧縮/伸長データと記載する。信号処理器14によって生成される波形圧縮/伸長データは、メモリ13に格納される。
図2Aは、時間軸方向において波形を伸長するデジタル処理を図示しており、図2Bは、時間軸方向において波形を圧縮するデジタル処理を図示している。図2A、図2Bにおいて、破線は元の波形(A/Dコンバータ12から出力される波形データで示されている波形)を示しており、実線は、波形圧縮/伸長データで示されている波形を示している。時間軸方向において波形を圧縮する処理は、周波数が高くなるように周波数をシフトする処理に相当しており、時間軸方向において波形を伸長する処理は、周波数が低くなるように周波数をシフトする処理に相当している。このような処理によれば、レーダ波が反射する物体の速度に応じて発生するドップラーシフトを模擬することができる。
例えば、A/Dコンバータ12によって時刻tにおいてサンプリングされた波形データをQ(t)とした場合(i=1,2,3,・・・)、時系列データQ(A・(t−tDL))は、波形が時間軸方向にtDLだけ遅延され、且つ、A>1の場合に波形が時間軸方向にA倍に圧縮され、A<1の場合に波形が1/A倍に伸長されたデータになる。時間軸方向において波形を圧縮又は伸長した波形データQ^(t)(k=1,2,3,・・・)は、時系列データQ(A・(t−tDL))から補間により求めることができる。一実施形態では、このようにして算出された時系列データQ^(t)を、波形圧縮/伸長データとして用いてもよい。
留意すべきことは、周波数の最大のシフト量は、A/Dコンバータ12によって元の波形データを取得する際のサンプリング周波数に制約されることである。例えば、元のレーダ波の周波数がfであり、該レーダ波を反射する物体の速度がVである場合、ドップラーシフトによる周波数のシフト量は、概算では、2V・f/cとなるべきである。ここで、cは、光速である。一方で、A/Dコンバータ12に入力されるIF入力信号23の周波数は、周波数fからローカル発振信号22の周波数fを減じたf(=f−f)となり、周波数fのIF入力信号23をサンプリング可能なように、A/Dコンバータ12のサンプリング周波数fsを設定した場合(例えばA/Dコンバータ12のサンプリング周波数fsを2fに設定した場合)、実現可能な周波数のシフト量は、2V・f/cである。よって、時間軸方向において波形を圧縮する処理では、周波数を2V・f/cだけシフトすることが困難である場合が生じる。
このような問題に対応するために、本実施形態では、正弦波発生器15とデジタルミキサ16とが設けられる。正弦波発生器15とデジタルミキサ16とは、レーダ波を反射する物体の速度Vと、ローカル発振信号22の周波数fとに基づいて、周波数をシフトするデジタル処理を波形圧縮/伸長データに対して行う周波数シフト処理部として動作する。
詳細には、正弦波発生器15は、周波数fDPで正弦波状に変化する正弦波デジタル値を生成する。ここで、周波数fDPは、下記式(1)によって定義される
DP=2V・f/c ・・・(1)
ここで、Vは、レーダ波を反射する物体の速度であり、fは、ローカル発振信号22の周波数であり、cは光速である。
デジタルミキサ16は、正弦波発生器15から受け取った正弦波デジタル値を用いて、fDP(=2V・f/c)だけ周波数をシフトするデジタル処理をメモリ13から受け取った波形圧縮/伸長データに対して行う。デジタルミキサ16から出力される波形データを、以下、周波数シフト後波形データということがある。デジタルミキサ16から出力される周波数シフト後波形データは、波形圧縮/伸長データの周波数成分を、更に周波数fDPだけシフトした波形を表している。例えば、デジタルミキサ16は、メモリ13から受け取った波形圧縮/伸長データに正弦波発生器15から受け取った正弦波デジタル値との積を算出し、更に、エイリアス成分を除去するデジタルフィルタリングを行うように構成されてもよい。
D/Aコンバータ17は、デジタルミキサ16から出力される周波数シフト後波形データに対してD/A変換を行い、IF模擬信号24を生成する。上述のように、IF模擬信号24は、レーダ波が物体によって反射された反射波を模擬した波形の情報を含んでおり、IF模擬信号24に対してミキサ3によってアップコンバージョンが行われて最終的に出力すべきRF出力信号25が生成される。
DRFM2の実際の実装においては、DRFM2に含まれる信号処理器14、正弦波発生器15、及び、デジタルミキサ16は、ASIC(application specific integrated circuit)にモノリシックに集積化されてもよい。この場合、当該ASICとメモリ13とにより、D/Aコンバータ17に供給される周波数シフト後波形データが生成される。
本実施形態の模擬目標発生装置10は、DRFM2に、信号処理器14に加え、正弦波発生器15とデジタルミキサ16とが設けられていることにより、反射波に生じるドップラーシフトを適切に模擬したRF出力信号25を生成することができる。図3は、本実施形態の模擬目標発生装置10において行われるドップラーシフトの模擬を示す概念図である。レーダ波を反射する物体の速度がVであり、レーダ波の周波数がfである場合、ドップラーシフトを適切に模擬するためには、DRFM2において、2V・f/cの周波数シフトを発生させることが望ましい。本実施形態の模擬目標発生装置10は、2V・f/cの周波数シフトを信号処理器14によって発生し、2V・f/cの周波数シフトをデジタルミキサ16で発生することで、全体としては2V・f/cの周波数シフトを発生し、ドップラーシフトを適切に模擬することができる。なお、fは、ローカル発振信号22の周波数であり、fは、f−fである。
また、本実施形態の模擬目標発生装置10は、元のレーダ波の周波数fが未知である場合において、反射波に生じるドップラーシフトを適切に模擬したRF出力信号25を生成する場合にも有用である。元のレーダ波の周波数fが未知である場合、発生させるべき周波数シフト2V・f/cは定まらない。しかしながら、本実施形態の模擬目標発生装置10では、デジタルミキサ16によって2V・f/cの周波数シフトを発生できるので、信号処理器14による調節によって周波数シフトを合わせ込む場合にも、調整幅を小さくすることができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態における模擬目標発生装置10Aの構成を示すブロック図である。第2の実施形態の模擬目標発生装置10Aは、図1に図示されている第1の実施形態の模擬目標発生装置10と類似した構成を有している。ただし、第2の実施形態の模擬目標発生装置10Aの構成は、下記の点で第1の実施形態の模擬目標発生装置10と相違している。
まず、DRFM2Aは、正弦波発生器15とデジタルミキサ16とを含んでいない。本実施形態では、信号処理器14によって生成された波形圧縮/伸長データが、D/Aコンバータ17にそのまま供給され、IF模擬信号24は、波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行うことで生成される。上述のように、信号処理器14によって生成される波形圧縮/伸長データは、時間軸方向に波形を圧縮、又は、伸長するデジタル処理によって得られるデータである。
更に、模擬目標発生装置10Aは、ローカル発振器5とミキサ6とを追加的に備えている。ローカル発振器5は、周波数fDP(=2V・f/c)のローカル発振信号26を生成する。ここで、Vは、レーダ波が反射される物体の速度であり、fは、ローカル発振信号22の周波数であり、cは光速である。ミキサ6は、ローカル発振器4から供給されるローカル発振信号22とローカル発振器5から供給されるローカル発振信号26とから、周波数f+fDP又はf−fDPのローカル発振信号27を生成する。周波数が上昇するドップラーシフトを模擬する場合、ミキサ6は、周波数f+fDPのローカル発振信号27を生成する。逆に、周波数が低下するドップラーシフトを模擬する場合、ミキサ6は、周波数f−fDPのローカル発振信号27を生成する。ミキサ3は、DRFM2から出力されるIF模擬信号24に対し、ミキサ6から受け取ったローカル発振信号27を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号25を生成する。
第2の実施形態の模擬目標発生装置10Aも、第1の実施形態の模擬目標発生装置10と同様に、反射波に生じるドップラーシフトを適切に模擬したRF出力信号25を生成することができる。本実施形態においても、信号処理器14により、2V・f/cの周波数シフトを発生可能である。加えて、本実施形態では、ミキサ3が、周波数f+fDP又はf−fDPのローカル発振信号27を用いてIF模擬信号24に対してアップコンバージョンを行うので、追加的にfDP(=2V・f/c)の周波数シフトを発生することができる。よって、本実施形態の模擬目標発生装置10Aにおいても、全体としては2V・f/cの周波数シフトを発生し、ドップラーシフトを適切に模擬することができる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態における模擬目標発生装置10Bの構成を示すブロック図である。第3の実施形態の模擬目標発生装置10Bは、図4に図示されている第2の実施形態の模擬目標発生装置10Aと類似した構成を有している。ただし、第3の実施形態の模擬目標発生装置10Bの構成は、下記の点で第2の実施形態の模擬目標発生装置10Bと相違している。
第3の実施形態においても、DRFM2Bは、正弦波発生器15とデジタルミキサ16とを含んでいない。本実施形態では、信号処理器14によって生成された波形圧縮/伸長データが、D/Aコンバータ17にそのまま供給され、IF模擬信号24は、波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行うことで生成される。上述のように、信号処理器14によって生成される波形圧縮/伸長データは、時間軸方向に波形を圧縮、又は、伸長するデジタル処理によって得られるデータである。
更に、ミキサ3は、DRFM2Bから出力されるIF模擬信号24に対し、ローカル発振器4から受け取ったローカル発振信号22を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号28を生成する。
ただし、第3の実施形態では、fDP(=2V・f/c)の周波数シフトを追加して発生するために、模擬目標発生装置10Bが、ローカル発振器5とミキサ7とを追加的に備えている。ローカル発振器5は、周波数fDP(=2V・f/c)のローカル発振信号26を生成する。ここで、Vは、レーダ波が反射される物体の速度であり、fは、ローカル発振信号22の周波数であり、cは光速である。ミキサ7は、ローカル発振器5から受け取ったローカル発振信号26を用いて、周波数をfDPだけシフトする周波数シフトをRF出力信号28に対して行って最終的に出力すべきRF出力信号25を生成する。周波数が上昇するドップラーシフトを模擬する場合、ミキサ7は、周波数をfDPだけ高くする周波数シフトを行ってRF出力信号25を生成する。一方、周波数が低下するドップラーシフトを模擬する場合、ミキサ7は、周波数をfDPだけ低くする周波数シフトを行ってRF出力信号25を生成する。
第3の実施形態の模擬目標発生装置10Bも、第1及び第2の実施形態の模擬目標発生装置10、10Aと同様に、反射波に生じるドップラーシフトを適切に模擬したRF出力信号25を生成することができる。本実施形態においても、信号処理器14により、2V・f/cの周波数シフトを発生可能である。加えて、本実施形態では、ミキサ7により、周波数fDP(=2V・f/c)の周波数シフトを発生することができる。よって、本実施形態の模擬目標発生装置10においても、全体としては2V・f/cの周波数シフトを発生し、ドップラーシフトを適切に模擬することができる。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態における模擬目標発生装置10Cの構成を示すブロック図である。第4の実施形態の模擬目標発生装置10Cは、図1に図示されている第1の実施形態の模擬目標発生装置10と類似した構成を有している。ただし、第4の実施形態の模擬目標発生装置10Cでは、信号処理器14Cが、時間軸方向において波形を圧縮又は伸長するデジタル処理に加え、複雑な波形を生成するデジタル処理を実行可能なように構成されている。
詳細には、本実施形態では、信号処理器14Cが、利得可変遅延器18〜18と、波形圧縮/伸長処理器19とを備えている。
利得可変遅延器18〜18のそれぞれには、遅延時間と利得が設定可能である。以下では、利得可変遅延器18に設定された遅延時間をTi、利得をAiと記載する(ただし、iは、1以上n以下の整数である)。各利得可変遅延器18は、メモリ13に記憶されている波形データ(A/Dコンバータ12によって生成された波形データ)に対して利得Aiを乗じる乗算を行うと共に、遅延時間Tiだけ遅延させて出力する。利得可変遅延器18〜18のそれぞれから出力されるデータを合成して得られる合成波形データ(即ち、利得可変遅延器18〜18のそれぞれから出力されるデータの和のデータ)が、波形圧縮/伸長処理器19に入力される。
図7は、メモリ13に記憶されている波形データに示されている波形(入力波形)と、利得可変遅延器18〜18のそれぞれから出力されるデータを合成して得られる合成波形データに示されている波形(合成波形)を示している。レーダ波に対応するRF入力信号21がパルス波形を有している場合、波形データに示されている波形も、パルス波形となる。一方、合成波形データに示されている波形は、複数のパルス波形が重畳された複雑な波形を有している。
図6に戻り、波形圧縮/伸長処理器19は、利得可変遅延器18〜18のそれぞれから出力されるデータを合成した合成波形データに対し、時間軸方向において波形を圧縮し、又は、伸長するデジタル処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する。波形圧縮/伸長処理器19によって生成された波形圧縮/伸長データは、デジタルミキサ16に入力される。
デジタルミキサ16は、信号処理器14Cの波形圧縮/伸長処理器19によって生成された波形圧縮/伸長データに対し、正弦波発生器15から受け取った正弦波デジタル値を用いて周波数をシフトするデジタル演算を行って周波数シフト後波形データを生成する。デジタルミキサ16から出力される周波数シフト後波形データは、波形圧縮/伸長データの周波数成分を、更に周波数fDP(=2V・f/c)だけシフトした波形を表している。例えば、デジタルミキサ16は、メモリ13から受け取った波形圧縮/伸長データに正弦波発生器15から受け取った正弦波デジタル値との積を算出し、更に、エイリアス成分を除去するデジタルフィルタリングを行うように構成されてもよい。
D/Aコンバータ17は、デジタルミキサ16から出力される周波数シフト後波形データに対してD/A変換を行い、IF模擬信号24を生成する。IF模擬信号24に対してミキサ3によってアップコンバージョンが行われて最終的に出力すべきRF出力信号25が生成される。
第4の実施形態の模擬目標発生装置10Cも、第1乃至第3の実施形態の模擬目標発生装置10、10A、10Bと同様に、反射波に生じるドップラーシフトを適切に模擬したRF出力信号25を生成することができる。詳細には、本実施形態においても、信号処理器14Cの波形圧縮/伸長処理器19により、2V・f/cの周波数シフトを発生可能であり、また、2V・f/cの周波数シフトをデジタルミキサ16で発生することができる。よって、本実施形態の模擬目標発生装置10Cは、全体としては2V・f/cの周波数シフトを発生し、ドップラーシフトを適切に模擬することができる。
加えて、本実施形態では、利得可変遅延器18〜18が設けられていることにより、複雑な波形を有するRF出力信号25を発生可能である。これは、レーダ波が、物体によって複雑に反射される場合の反射波を模擬するために好適である。
なお、第4の実施形態の模擬目標発生装置10Cにおいて用いられる信号処理器14Cは、第2の実施形態の模擬目標発生装置10A(図4参照)、第3の実施形態の模擬目標発生装置10B(図5参照)にも適用可能である。第4の実施形態において用いられる信号処理器14Cが第2の実施形態の模擬目標発生装置10A又は第3の実施形態の模擬目標発生装置10Bに適用される場合、信号処理器14Cによって生成された波形圧縮/伸長データが、D/Aコンバータ17に入力される。
(第5の実施形態)
図8は、第5の実施形態における模擬目標発生装置10Dの構成を示すブロック図である。第5の実施形態の模擬目標発生装置10Dは、図1に図示されている第1の実施形態の模擬目標発生装置10と類似した構成を有している。ただし、第5の実施形態の模擬目標発生装置10Dでは、信号処理器14Dによって行われるデジタル処理が変更される。
詳細には、第5の実施形態では、信号処理器14Dが、利得可変遅延器18〜18とドップラーシフト処理部20〜20とを備えている。
利得可変遅延器18〜18のそれぞれには、遅延時間と利得が設定可能である。以下では、利得可変遅延器18に設定された遅延時間をTi、利得をAiと記載する(ただし、iは、1以上n以下の整数である)。各利得可変遅延器18は、メモリ13に記憶されている波形データ(A/Dコンバータ12によって生成された波形データ)に対して利得Aiを乗じる乗算を行うと共に、遅延時間Tiだけ遅延させて出力する。
ドップラーシフト処理部20〜20は、それぞれ利得可変遅延器18〜18から出力されたデータに対し、ドップラーシフトを模擬するデジタル処理を行う。ドップラーシフト処理部20〜20には、それぞれ、物体#1〜#nの速度V1〜Vnが設定される。ドップラーシフト処理部20は、速度Viの物体#iによる反射によって生じるドップラーシフトを模擬する演算を行う。
各ドップラーシフト処理部20は、波形圧縮/伸長処理器31と、正弦波発生器32とデジタルミキサ33とを備えている。
波形圧縮/伸長処理器31は、利得可変遅延器18から出力されるデータに対して時間軸方向において波形を圧縮し、又は、伸長するデジタル処理を行い、波形圧縮/伸長データを生成する。
正弦波発生器32は、周波数fDPiで正弦波状に変化する正弦波デジタル値を生成する。ここで、周波数fDPiは、下記式(2)によって定義される
DPi=2V・f/c ・・・(2)
ここで、Vは、レーダ波を反射する物体#iの速度であり、fは、ローカル発振器4によって発生されるローカル発振信号22の周波数であり、cは光速である。
デジタルミキサ33は、波形圧縮/伸長処理器31から受け取った波形圧縮/伸長データに対し、正弦波発生器15から受け取った正弦波デジタル値を用いて周波数をシフトする演算を行って周波数シフト後波形データを生成する。デジタルミキサ33から出力される周波数シフト後波形データは、波形圧縮/伸長処理器31から受け取った波形圧縮/伸長データの周波数成分を、更に周波数fDPiだけシフトした波形を表している。
ドップラーシフト処理部20〜20のそれぞれから出力される周波数シフト後波形データが合成され、合成波形データが生成される。生成された合成波形データは、信号処理器14Dから出力され、メモリ13に保存される。
信号処理器14Dから出力され、メモリ13に保存された合成波形データは、RF出力信号25の波形を示す出力波形データとしてD/Aコンバータ17に供給される。D/Aコンバータ17は、該出力波形データに対してD/A変換を行い、IF模擬信号24を生成する。IF模擬信号24に対してミキサ3によってアップコンバージョンが行われて最終的に出力すべきRF出力信号25が生成される。
第5の実施形態の模擬目標発生装置10Dでは、並列に接続された利得可変遅延器18〜18とドップラーシフト処理部20〜20とによって生成された合成波形データが、、RF出力信号25の波形を示す出力波形データとして使用されるので、レーダ波が多数の物体によって反射されて生じる複雑な反射波を適切に模擬することができる。このとき、ドップラーシフト処理部20の波形圧縮/伸長処理部31によって2V・f/cの周波数シフトを発生し、正弦波発生器32とデジタルミキサ33とによって2V・f/cの周波数シフトを発生し、ドップラーシフト処理部20の全体としては2V・f/cの周波数シフトを発生させることができるので、ドップラーシフトを適切に模擬することができる。
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されない。本発明が種々の変更と共に実施され得ることは、当業者には理解されよう。
10、10A〜10D:模擬目標発生装置
1 :ミキサ
3 :ミキサ
4、5 :ローカル発振器
6、7 :ミキサ
11 :フィルタ
12 :A/Dコンバータ
13 :メモリ
14、14C、14D:信号処理器
15 :正弦波発生器
16 :デジタルミキサ
17 :D/Aコンバータ
18〜18:利得可変遅延器
19 :波形圧縮/伸長処理器
20〜20:ドップラーシフト処理部
21 :RF入力信号
22 :ローカル発振信号
23 :IF入力信号
24 :IF模擬信号
25 :RF出力信号
26 :ローカル発振信号
27 :ローカル発振信号
28 :RF出力信号
31〜31:波形圧縮/伸長処理器
32〜32:正弦波発生器
33〜33:デジタルミキサ

Claims (12)

  1. レーダ波に対応するRF入力信号に対し、ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成する第1ミキサと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータと、
    前記入力波形データ、又は、前記入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する信号処理器と、
    前記レーダ波を反射する物体の速度と前記ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトするデジタル処理を前記波形圧縮/伸長データに対して行って周波数シフト後波形データを生成する周波数シフト処理部と、
    前記周波数シフト後波形データ又は前記周波数シフト後波形データから得られるデータに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するD/Aコンバータと、
    前記IF出力信号に対して前記ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号を生成する第2ミキサ
    とを具備する
    模擬目標発生装置。
  2. 請求項1に記載の模擬目標発生装置であって、
    前記物体の速度をV、前記ローカル発振信号の周波数をf、光速をcとして、
    前記周波数シフト処理部は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を前記波形圧縮/伸長データに対して行って前記周波数シフト後波形データを生成するように構成された
    模擬目標発生装置。
  3. 請求項1又は2に記載の模擬目標発生装置であって、
    前記信号処理器は、前記入力波形データに対して、それぞれ第1乃至第n利得を乗じると共にそれぞれ第1乃至第n遅延時間だけ遅延して第1乃至第n波形データを生成し(nは、2以上の整数)、前記第1乃至第n波形データを合成して合成波形データを生成し、前記合成波形データに対して波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って前記波形圧縮/伸長データを生成するように構成された
    模擬目標発生装置。
  4. レーダ波に対応するRF入力信号に対し、第1ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成する第1ミキサと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータと、
    前記入力波形データ、又は、前記入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する信号処理器と、
    前記波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するD/Aコンバータと、
    前記レーダ波を反射する物体の速度と前記第1ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を前記第1ローカル発振信号に対して行って第2ローカル発振信号を生成する周波数シフト処理部と、
    前記IF出力信号に対して前記第2ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号を生成する第2ミキサ
    とを具備する
    模擬目標発生装置。
  5. 請求項4に記載の模擬目標発生装置であって、
    前記物体の速度をV、前記第1ローカル発振信号の周波数をf、光速をcとして、
    前記周波数シフト処理部は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を前記第1ローカル発振信号に対して行って前記第2ローカル発振信号を生成するように構成された
    模擬目標発生装置。
  6. レーダ波に対応するRF入力信号に対し、ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成する第1ミキサと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータと、
    前記入力波形データ、又は、前記入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成する信号処理器と、
    前記波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するD/Aコンバータと、
    前記IF出力信号に対して前記ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行って第1RF出力信号を生成する第2ミキサと、
    前記レーダ波を反射する物体の速度と前記ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を前記第1RF出力信号に対して行って第2RF出力信号を生成する周波数シフト処理部
    とを具備する
    模擬目標発生装置。
  7. 請求項6に記載の模擬目標発生装置であって、
    前記物体の速度をV、前記ローカル発振信号の周波数をf、光速をcとして、
    前記周波数シフト処理部は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を前記第1RF出力信号に対して行って前記第2RF出力信号を生成するように構成された
    模擬目標発生装置。
  8. 第1乃至第n速度をそれぞれ有する第1乃至第n物体によってレーダ波が反射されて生成される反射波を模擬するようにRF出力信号を生成する模擬目標発生装置であって、
    前記レーダ波に対応するRF入力信号に対し、ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成する第1ミキサと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するA/Dコンバータと、
    前記入力波形データから出力波形データを生成する信号処理器と、
    前記出力波形データに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するD/Aコンバータと、
    前記IF出力信号に対して前記ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号を生成する第2ミキサ
    とを具備し、
    前記信号処理器は、
    前記入力波形データに対して、それぞれ第1乃至第n利得を乗じると共にそれぞれ第1乃至第n遅延時間だけ遅延して第1乃至第n波形データを生成する第1乃至第n利得可変遅延器と(nは、2以上の整数)、
    それぞれ、前記第1乃至第n波形データに対してドップラーシフトを模擬するデジタル処理を行う第1乃至第nドップラーシフト処理部
    とを含み、
    前記第1乃至第nドップラーシフト処理部のうちの第iドップラーシフト処理部は(iは、1以上n以下の整数)、前記第i波形データに対して波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って第i波形圧縮/伸長データを生成し、前記第i速度と前記ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトするデジタル処理を前記第i波形圧縮/伸長データに対して行って第i周波数シフト後波形データを生成するように構成され、
    前記信号処理器は、前記第1乃至第n周波数シフト後波形データを合成して得られる合成波形データを前記出力波形データとして前記D/Aコンバータに供給する
    模擬目標発生装置。
  9. 請求項8に記載の模擬目標発生装置であって、
    前記第i物体の速度をVi、前記ローカル発振信号の周波数をf、光速をcとして、
    前記第iドップラーシフト処理部は、2V・f/cだけ周波数をシフトするデジタル処理を前記第i波形圧縮/伸長データに対して行って前記第i周波数シフト後波形データを生成するように構成された
    模擬目標発生装置。
  10. レーダ波に対応するRF入力信号に対し、ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成するステップと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するステップと、
    前記入力波形データ、又は、前記入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するステップと、
    前記レーダ波を反射する物体の速度と前記ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトするデジタル処理を前記波形圧縮/伸長データに対して行って周波数シフト後波形データを生成するステップと、
    前記周波数シフト後波形データ又は前記周波数シフト後波形データから得られるデータに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するステップと、
    前記IF出力信号に対して前記ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号を生成するステップ
    とを具備する
    模擬目標発生方法。
  11. レーダ波に対応するRF入力信号に対し、第1ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成するステップと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するステップと、
    前記入力波形データ、又は、前記入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するステップと、
    前記波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するステップと、
    前記レーダ波を反射する物体の速度と前記第1ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を前記第1ローカル発振信号に対して行って第2ローカル発振信号を生成するステップと、
    前記IF出力信号に対して前記第2ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行ってRF出力信号を生成するステップ
    とを具備する
    模擬目標発生方法。
  12. レーダ波に対応するRF入力信号に対し、ローカル発振信号を用いてダウンコンバージョンを行ってIF入力信号を生成するステップと、
    前記IF入力信号に対してA/D変換を行って入力波形データを生成するステップと、
    前記入力波形データ、又は、前記入力波形データに対して所定のデジタル演算を行って得られる波形データに対して、波形を時間軸方向に圧縮又は伸長する処理を行って波形圧縮/伸長データを生成するステップと、
    前記波形圧縮/伸長データに対してD/A変換を行ってIF出力信号を生成するステップと、
    前記IF出力信号に対して前記ローカル発振信号を用いてアップコンバージョンを行って第1RF出力信号を生成するステップと、
    前記レーダ波を反射する物体の速度と前記ローカル発振信号の周波数とに応じて周波数をシフトする処理を前記第1RF出力信号に対して行って第2RF出力信号を生成するステップ
    とを具備する
    模擬目標発生方法。
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