JP2015175048A - クランクシャフトの高周波焼き入れ方法および焼き入れ装置 - Google Patents

クランクシャフトの高周波焼き入れ方法および焼き入れ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波焼き入れを行うクランクシャフトの曲りを抑制し、クランクシャフトの製造歩留まりを向上する。
【解決手段】クランクシャフトのピン部とジャーナル部を高周波焼き入れした後に、ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して曲り傾向を判定し、曲り傾向に応じたジャーナル部とピン部との曲り修正寄与度を判定し、曲り修正寄与度に応じて、次に焼き入れ処理されるクランクシャフトのジャーナル部とピン部とを焼き入れする際の高周波誘導コイルへの出力をフィードバック制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、クランクシャフトのジャーナルとピンを高周波焼き入れするためのクランクシャフトの高周波焼き入れ技術に関する。
ピストンの往復運動を回転運動に変換して駆動輪に回転トルクを出力するためのクランクシャフトは、クランクケースに回転自在に支持されるジャーナル部と、コネクティングロッドが揺動自在に連結されるピン部とを有している。ジャーナル部とピン部には、耐摩耗性等を向上するために、高周波焼き入れ処理と焼き戻し処理が施されている。クランクシャフトに高周波焼き入れ処理等の熱処理を施した後には、熱処理によってクランクシャフトに曲りが発生したか否かを計測している。この計測により曲りが所定値以上となっている場合には、曲りの方向と量に応じてクランクシャフトの曲りが自動矯正される。自動矯正によって曲りが所定値以下に矯正されたクランクシャフトは、仕上げ加工を経て製品化される。
曲りの自動矯正方法としては、クランクシャフトに径方向の外力を加える方法が採用されている。例えば、特許文献1には、高周波焼き入れが行われた軸類の曲り方向を測定し、曲り方向とは反対方向に歪み矯正装置により外力を加えるようにしてクランクシャフトを急冷する高周波焼き入れ変形防止方法が記載されている。また、特許文献2には、焼き入れ処理されたクランクシャフトのフィレットに、ローラによりローリング力を加えてクランクシャフトを矯正するようにした矯正方法が記載されている。
高周波焼き入れ処理後のクランクシャフトの曲りに応じて高周波誘導加熱コイルの加熱条件を変化させるようにする技術が開発されている。例えば、特許文献3には、クランクシャフトのジャーナル部の熱処理後にジャーナル部の振れ量と振れ箇所の位相を検出し、検出値に基づいて半開放形誘導加熱コイルを変調することにより、位相方向に応じた曲りを矯正するようにした矯正方法が記載されている。特許文献4には、センタージャーナル部以外を熱処理し、その変形を測定してセンタージャーナル部の熱処理条件を反映させて曲りを矯正するようにした高周波焼き入れ方法が記載されている。また、特許文献5に記載されるクランクシャフトの焼き入れ方法においては、センタージャーナル部以外のピン部等を高周波焼き入れした後に、クランクシャフトに軸方向の押圧荷重を付与するとともに、センタージャーナル部の両側を直角方向に押圧荷重を加えながらセンタージャーナル部を高周波焼き入れしている。特許文献6には、高周波焼き入れ後の冷却中に、クランクシャフトの中央位置を径方向に押圧し、クランクシャフトに軸方向に押圧するようにした焼き入れ方法が記載されている。
特開平5−171283号公報 特表2008−535665号公報 特開2006−307300号公報 特開平1−152221号公報 特開昭62−174332号公報 特開2002−194437号公報
クランクシャフトのピン部、ジャーナル部、およびフィレット部つまりR部に高周波焼き入れを行った後に、曲りに応じて径方向の外力を加えて曲り量に応じた矯正を行うには、強度限界に応じて矯正量が限られる。このため、曲り量が過大なクランクシャフトは、NG製品として廃棄されており、製品化することができない。
クランクシャフトの熱処理によって発生するクランクシャフトの曲り量が許容値以下となれば、歪み矯正装置やローラを用いてクランクシャフトに外力を加える曲りの自動矯正工程は不要となる。またクランクシャフトの曲り量が少なくなれば、自動矯正の処理時間を短縮することができる。したがって、クランクシャフトの熱処理条件を制御することによって、熱処理後のクランクシャフトの曲り量を少なくすることができれば、量産品であるクランクシャフトの加工時間を短縮することができるとともに、製造歩留まりを向上させることができる。
しかしながら、特許文献3に記載されるように、ジャーナル部の熱処理後にジャーナル部の振れ量と振れ箇所の位相を検出し、検出値に基づいて半開放形誘導加熱コイルを変調するようにした方法や、センタージャーナル部以外を熱処理し、その変形を測定してセンタージャーナル部の熱処理条件を反映させて曲りを矯正するようにした方法では、熱処理後のクランクシャフトの曲りを少なくすることに限度があった。このため、熱処理後の曲り矯正に時間がかかるだけでなく、曲りが許容値を超えることがあり、従来の高周波焼き入れ方法では、クランクシャフトの製造歩留まり向上には限度があった。
その理由は、高周波焼き入れにより発生する曲りには、ジャーナル部のみならず、ピン部の焼き入れによって起因する曲りも含まれており、ジャーナル部の加熱条件を制御するだけでは、曲り量を小さくすることができないからであると考えられる。特に、クランクシャフトの小型軽量化および高精度化に伴い、ピン部とジャーナル部とが熱処理後のクランクシャフトの曲りに大きく影響することが判明した。
本発明の目的は、高周波焼き入れを行うクランクシャフトの曲りを抑制することにある。
本発明の他の目的は、クランクシャフトの製造歩留まりを向上することにある。
本発明のクランクシャフトの高周波焼き入れ方法は、クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ方法であって、前記ピン部と前記ジャーナル部の一方を高周波焼き入れする1次焼き入れ工程と、前記ピン部と前記ジャーナル部の他方を高周波焼き入れする2次焼き入れ工程と、前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して曲り傾向を判定し、前記曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との曲り修正寄与度を判定する曲り修正寄与度判定工程と、前記曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御するフィードバック制御工程と、を有する。
本発明のクランクシャフトの高周波焼き入れ方法は、クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ方法であって、前記ピン部と前記ジャーナル部の一方を高周波焼き入れする1次焼き入れ工程と、前記ピン部と前記ジャーナル部の他方を高周波焼き入れする2次焼き入れ工程と、前記1次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して1次の曲り傾向を判定し、前記1次の曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との1次曲り修正寄与度を判定する1次曲り修正寄与度判定工程と、前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する1次フィードバック制御工程と、前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御工程と、を有する。
本発明のクランクシャフトの高周波焼き入れ装置は、クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ装置であって、前記ピン部と前記ジャーナル部の一方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記一方を1次焼き入れした後に、前記ピン部と前記ジャーナル部の他方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記他方を2次焼き入れするコイル駆動部材と、前記クランクシャフトを回転させたときの回転角度を検出する角度センサ、および前記クランクシャフトの回転角度に応じた前記ジャーナル部の曲り量を計測する変位計を備えた曲り計測手段と、前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して曲り傾向を判定し、前記曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との曲り修正寄与度を判定する曲り修正寄与度判定部と、前記曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れと前記2次焼き入れとにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御するフィードバック制御部と、を有する。
本発明のクランクシャフトの高周波焼き入れ装置は、クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ装置であって、前記ピン部と前記ジャーナル部の一方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記一方を1次焼き入れした後に、前記ピン部と前記ジャーナル部の他方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記他方を2次焼き入れするコイル駆動部材と、前記クランクシャフトを回転させたときの回転角度を検出する角度センサ、および前記クランクシャフトの回転角度に応じた前記ジャーナル部の曲り量を計測する変位計を備えた曲り計測手段と、前記1次焼き入れが終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して1次の曲り傾向を判定し、前記1次の曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との1次曲り修正寄与度を判定する1次曲り修正寄与度判定部と、前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する1次フィードバック制御部と、前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記2次焼き入れにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御部と、を有する。
本発明によれば、1つのクランクシャフトのジャーナル部とピン部とを焼き入れした後に、ジャーナル部の曲り傾向に基づいてジャーナル部とピン部との曲り修正寄与度を求めて、次のクランクシャフトのジャーナル部を焼き入れする高周波誘導コイルとピン部を焼き入れする高周波誘導コイルとに対する加熱出力をフィードバック制御するようにしたので、多数のクランクシャフトに対して高周波焼き入れを行う際に、焼き入れ処理後のクランクシャフトの曲りを小さくすることができる。
本発明によれば、ジャーナル部とピン部の一方を焼き入れした後に、ジャーナル部の曲り傾向に基づいてジャーナル部とピン部との曲り修正寄与度を求めて、ジャーナル部とピン部の一方の焼き入れ後に行われる他方の焼き入れを行う高周波誘導コイルに対する加熱出力をフィードフォワード制御するようにしたので、他方の焼き入れに起因するクランクシャフトの曲りを小さくすることができる。
本発明によれば、クランクシャフトの曲りを小さくすることができるので、焼き入れ処理後のクランクシャフトの曲りが許容値を超えていた場合における矯正装置による曲りの矯正を短時間に行うことができるとともに、矯正装置による曲り矯正を不要とする頻度が高くなり、クランクシャフトの製造歩留まりが高められる。
ジャーナル部とピン部とを有するクランクシャフトの一例を示す正面図である。 高周波焼き入れが施される部分を示すクランクシャフトの縦断面図である。 高周波焼き入れ装置によりピン部を焼き入れ処理する際のクランクシャフトと高周波誘導コイルとの位置関係を示す概略図である。 高周波焼き入れ装置によりジャーナル部を焼き入れ処理する際のクランクシャフトと高周波誘導コイルとの位置関係を示す概略図である。 クランクシャフトの曲りを矯正する自動矯正装置を示す概略図である。 高周波焼き入れ装置の制御回路を示すブロック図である。 一実施の形態である高周波焼き入れ装置による焼き入れ制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 図7に示された曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 他の実施の形態である高周波焼き入れ装置による焼き入れ制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 図9に示された1次曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 図9に示された2次曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 図9に示された最終曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 さらに他の実施の形態である高周波焼き入れ装置による焼き入れ制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。 図1の左側面図であり、クランクシャフトの先端面を示す。 本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。 本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。 本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。 本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。 本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。 本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すクランクシャフト10は、4気筒エンジンに適用され、ピストンの往復運動を回転運動に変換して駆動輪に回転トルクを出力する。クランクシャフト10の一端部つまり前端部11は出力端部となっており、回転中心軸Oを中心にクランクケースに回転自在に支持されるジャーナル部1J〜5Jを有している。各ジャーナル部の相互間には、回転中心軸Oから偏心した位置にピン部1P〜4Pが設けられており、それぞれのピン部にはピストンロッドの端部が揺動自在に連結される。
クランクシャフト10は、鋼材を鍛造加工や切削加工等の機械加工により、図1に示す形状に前加工された後に、焼き入れ処理される。焼き入れ処理される部位は、それぞれのジャーナル部、ピン部、およびピン部とジャーナル部の端部に連なって形成されたR部つまりフィレット部である。ジャーナル部を焼き入れ処理することにより、それに連なって形成されたR部も焼き入れ処理され、ピン部を焼き入れ処理することにより、それに連なって形成されたR部も焼き入れ処理される。
図3は高周波焼き入れ装置によりピン部を焼き入れ処理する際のクランクシャフトと高周波誘導コイルとの位置関係を示す概略図であり、図4は高周波焼き入れ装置によりジャーナル部を焼き入れ処理する際のクランクシャフトと高周波誘導コイルとの位置関係を示す概略図である。
高周波焼き入れ装置20は、クランクシャフト10の前端部11に当接する支持センタ21と、クランクシャフト10の後端部12を把持するチャック22とを有している。チャック22は回転部材つまり回転軸23に設けられており、回転軸23は図示しないモータにより回転駆動され、回転軸23によりチャック22を介してクランクシャフト10は回転駆動される。支持センタ21と回転軸23は、図示しない架台に支持部材を介して支持されている。クランクシャフト10を回転軸により回転駆動したときに、クランクシャフト10の回転角度を検出するために、回転軸23には回転ディスク24aが設けられ、回転ディスク24aの外周面に対向して非接触式の角度センサ24bが架台に設けられている。角度センサ24bとしては、例えば、レゾルバ等を用いることができる。
高周波焼き入れ装置20は、図3に示されるように、ピン部1P〜4Pに向けてクランクシャフト10の径方向に接近離反移動自在の高周波誘導コイル25と、図4に示されるように、ジャーナル部1J〜5Jに向けて径方向に接近離反移動自在の高周波誘導コイル26とを有している。高周波誘導コイル25は、図3において矢印で示すように、クランクシャフトの回転運動に倣って往復動される。同様に、高周波誘導コイル26は、図4において矢印で示すように、クランクシャフトの回転運動に倣って往復動される。それぞれのアクチュエータ27,28は、コイルの押し付け力を所定の力で調整するためにスプリングや空気圧シリンダにより構成される。
ピン部1P〜4Pを焼き入れするときには、高周波誘導コイル25をピン部に接触させた状態として、クランクシャフト10を回転させるとともに高周波誘導コイル25を往復動させながら、高周波誘導コイル25に電力を供給する。一方、ジャーナル部1J〜5Jを焼き入れするときには、高周波誘導コイル26をジャーナル部に接触させた状態として、クランクシャフト10を回転させながら、高周波誘導コイル26に電力を供給する。
ジャーナル部1J〜5Jを焼き入れする装置のアクチュエータ28には変位計29が設けられており、変位計29はジャーナル部の曲り量、つまり回転中心軸Oに対する偏心量を検出する。変位計29と角度センサ24bは、ジャーナル部の曲り量をクランクシャフト10の回転角度に応じて計測する曲り計測手段を構成している。
図5は、クランクシャフト10の曲りを矯正する自動矯正装置30を示す概略図である。この自動矯正装置30は、クランクシャフト10を高周波焼き入れした後に、クランクシャフト10の曲りが許容値を超えていた場合に、それを矯正するために使用される。
自動矯正装置30は、クランクシャフト10の前端部11に当接する支持センタ31と、クランクシャフト10の後端部12に当接する支持センタ32とを有しており、両方の支持センタ31,32によりクランクシャフト10は支持される。一方の支持センタ32は、図示しないモータにより回転駆動され、支持センタ32によりクランクシャフト10は回転駆動される。両方の支持センタ31,32は、図示しない架台に支持部材を介して支持されている。クランクシャフト10を支持センタ32により回転駆動したときに、クランクシャフト10の回転角度を検出するために、支持センタ32には、回転ディスク24aと同様に回転ディスク33aが設けられ、回転ディスク33aの外周面に対向して角度センサ24bと同様に非接触式の角度センサ33bが架台に設けられている。この角度センサ33bは、クランクシャフト10の曲り方向を検出するための曲り方向検出手段を構成している。
自動矯正装置30は駆動ユニット34を有し、駆動ユニット34には油圧シリンダ35がそれぞれのジャーナル部に対応させて設けられている。油圧シリンダ35により軸方向に駆動されるロッド36には、ジャーナル部を押圧する押圧部材37が設けられている。
図6は、図3および図4に示した高周波焼き入れ装置20と、図5に示した自動矯正装置30の制御回路を示すブロック図である。回転軸23の回転角度を検出する角度センサ24bと、支持センタ32の回転角度を検出する角度センサ33bの検出信号は、制御ユニット41に送られる。さらに、ジャーナル部の曲り量を検出するための5つの変位計29の検出信号は、それぞれ制御ユニット41に送られる。
それぞれの高周波誘導コイル25,26は、出力調整器42に発振器43a,43bを介して接続されており、制御ユニット41からの制御信号により出力調整器42が制御され、それぞれの高周波誘導コイル25,26に対する電圧値と電流値つまり供給電力値が制御される。
制御ユニット41は、制御信号を演算するマイクロプロセッサと、制御プログラム、演算式、マップデータ等が格納されるメモリ等を有している。
高周波誘導コイル25,26に供給される電力は、ピン部とジャーナル部の焼き入れ厚さが所定の許容値となる範囲に設定されている。ピン部を焼き入れした後におけるジャーナル部の曲りと、ジャーナル部を焼き入れした後におけるジャーナル部の曲りとには、相関関係があることが見出された。つまり、クランクシャフト10を焼き入れして、ジャーナル部の曲り量と曲り方向とを検出して曲り傾向を判定すると、その曲り傾向に影響を与えたピン部に対する電力量と、ジャーナル部に対する電力量の比率を判定することができる。この電力量つまり加熱出力の比率は、制御ユニット41内のメモリに演算式またはマップデータとして格納されている。この電力量の比率に基づいて、曲りを修正するための曲り修正寄与度を演算して判定することができる。この曲り修正寄与度は演算式等の形態でメモリに格納されている。
したがって、1つのクランクシャフト10に対する焼き入れが行われた後に、そのクランクシャフト10のジャーナル部の曲り傾向を判定し、曲り傾向の判定に基づいて曲り修正寄与度を演算することにより、次のクランクシャフト10に対する焼き入れのために、高周波誘導コイルに対して供給される電力量を変更することにより、次に焼き入れ処理されるクランクシャフト10の曲りを少なくすることができる。
ピン部とジャーナル部との焼き入れが終了した後に、ジャーナル部の曲り傾向を再度測定し、ジャーナル部の曲りが許容範囲内であれば、そのまま後の仕上げ工程を行うことができる。また、ジャーナル部の曲りが許容範囲を超えているときには、図5に示した自動矯正装置30により曲りを矯正することになるが、曲りを少なくすることができるので、自動矯正装置30による曲り矯正操作を短時間に行うことができる。
このように、ピン部を焼き入れした後におけるジャーナル部の曲りと、ジャーナル部を焼き入れした後におけるジャーナル部の曲りとの相関関係の知見に基づいて行うようにした焼き入れ方法としては、基本的に以下の方式がある。
1つの焼き入れ方式としては、1つのクランクシャフト10のピン部とジャーナル部との双方を焼き入れした後に、ジャーナル部の曲り傾向から、次のクランクシャフト10に焼き入れする際の高周波誘導コイルに対する電力量つまり加熱出力をフィードバック制御する方式がある。フィードバックされた電力量の値は、それぞれメモリに格納されて前の電力量の値は修正される。
他の焼き入れ方式としては、1次焼き入れとして、クランクシャフト10のピン部を高周波誘導コイル25により焼き入れした後に、ジャーナル部の曲り傾向から、そのクランクシャフト10のジャーナル部を2次焼き入れとして、引き続いて焼き入れするための高周波誘導コイル26に対する電力量をフィードフォワード制御する方式がある。フィードフォワードされた電力量の値は、メモリに格納される。このフィードフォワード制御とともに、ピン部を焼き入れした後のジャーナル部の曲り傾向から、次に焼き入れされるクランクシャフト10のピン部を焼き入れするための高周波誘導コイル25に対する電力量をフィードバック制御すると、次のクランクシャフトの曲りを小さくすることができる。この焼き入れ方式においては、ジャーナル部の焼き入れが終了した後に、ジャーナル部の曲り傾向から、次のクランクシャフト10に焼き入れする際の高周波誘導コイル25,26に対する電力量をフィードバック制御すると、次のクランクシャフトの曲りをより小さくすることができる。この焼き入れ方式には、ピン部を先に焼き入れ処理した後にジャーナル部を焼き入れ処理する場合と、ジャーナル部を1次焼き入れとして先に焼き入れ処理した後に、ピン部を焼き入れする場合とがある。
図7は、一実施の形態である高周波焼き入れ装置による焼き入れ制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。図8は図7に示された曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
焼き入れされるクランクシャフト10は、鍛造加工や切削加工等の機械加工により図1に示される形状に前加工され、高周波焼き入れ装置20にセットされる。高周波焼き入れ装置20において、クランクシャフト10は、前端部11が支持センタ21に当接し、後端部12がチャック22により回転軸23に固定される。ジャーナル部1J〜5Jの焼き入れに先行して、ピン部1P〜4Pを焼き入れする場合には、図3に示されるように、ピン部に高周波誘導コイル25を接触させる。ピン部を焼き入れするピン焼き入れを行うときには、制御ユニット41のメモリに格納された焼き入れ条件の電力データを読み出し、読み出された電力データに基づいて設定された出力電力が高周波誘導コイル25に対して供給され、ピン焼き入れが行われる(ステップS1,S2)。
ピン焼き入れ時には、図3に矢印で示すように、クランクシャフト10を回転させると、回転に同期・追従させて高周波誘導コイル25を往復動させることにより、4箇所のピン部の外周面に所定の深さの焼き入れ層が形成される。ピン焼き入れが終了すると、高周波誘導コイル25はアクチュエータ27によりピン部から離れる。
次いで、ジャーナル部1J〜5Jの焼き入れ処理を行うために、図4に示されるように、ジャーナル部に高周波誘導コイル28を接触させる。ジャーナル焼き入れを行うときには、メモリに格納された焼き入れ条件の電力データを読み出し、読み出された電力データに基づいて設定された出力電力が高周波誘導コイル26に対して供給され、ジャーナル焼き入れが行われる(ステップS3,S4)。
ジャーナル焼き入れ時には、図4に矢印で示すように、クランクシャフト10を回転させることにより、5箇所のジャーナル部の外周面に所定深さの焼き入れ層が形成される。ピン焼き入れとジャーナル焼き入れが終了すると、クランクシャフト10は焼き戻し処理される(ステップS5)。
焼き戻し処理された後のクランクシャフト10には、ステップS6の曲り計測が実行され、クランクシャフト10に発生している曲りが許容値を超えている場合には、図5に示した自動矯正装置30により曲りを矯正する(ステップS6〜S8)。矯正後のクランクシャフト10の曲りを再度計測し、曲りが所定の許容値以内となっているか否かを判定して、許容値以内のクランクシャフト10に仕上げ加工が施される(ステップS9〜S10)。なお、ステップS6の曲り計測により、焼き戻し後のクランクシャフト10の曲りが許容値以内となっている場合には、そのまま仕上げ加工される。
ステップS6の曲り計測は、クランクシャフト10の全てのジャーナル部について曲り方向と曲り量とを計測する(ステップS11,S12)。曲り量は、図4に示すように、変位計29からの出力信号に基づいて計測され、曲り方向は角度センサ24bからの出力信号に基づいて計測される。変位計29は、高周波誘導コイル26を往復動するためのアクチュエータ28に設けられており、ジャーナル部に接触した高周波誘導コイル26の径方向の移動に伴ってジャーナル部の曲りに応じた検出信号を出力する。変位計29と角度センサ24bからの出力信号に基づいて、制御ユニット41のマイクロプロセッサは、曲り方向と曲り量とを演算し、曲り傾向を判定する(ステップS13)。
曲り傾向は、曲り影響を与えたピン部に対する電力量と、ジャーナル部に対する電力量の比率により判定することができる。曲り傾向の判定に基づいて、ステップS14の修正寄与度判定工程において、ジャーナルとピンの曲り修正寄与度が判定される。曲り修正寄与度は、メモリに格納された演算式やマップデータに基づいて、ピン焼き入れの電力量とジャーナル焼き入れの電力量とを変更することにより演算される。
曲り修正寄与度に基づいて、次に焼き入れ処理されるクランクシャフトに対するピン焼き入れ条件とジャーナル焼き入れ条件とが、フィードバック制御工程S15,S16においてフィードバック制御され、メモリの焼き入れ条件が書き換えられる。制御ユニット41のマイクロプロセッサは、曲り傾向を判定して、ピン部とジャーナル部の曲り修正寄与度を判定する機能と、焼き入れ条件をフィードバック制御する機能とを有しており、曲り修正寄与度判定部とフィードバック制御部とを構成している。
量産品であるクランクシャフトを連続的に焼き入れ処理する場合に、雰囲気温度の変化等により焼き入れ状態が変化しても、上述して焼き入れ方法を実行すると、曲りが少ないクランクシャフトを製造することができる。高周波誘導コイルが経年変化したり、交換されたりしても、曲りが少ないクランクシャフトを製造することができる。なお、ジャーナル焼き入れをピン焼き入れよりも先に行うようにしても良い。
図9は、他の実施の形態である高周波焼き入れ装置による焼き入れ制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。図10は、図9に示された1次曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。図11は、図9に示された2次曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。図12は、図9に示された最終曲り計測制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
クランクシャフト10には、1次焼き入れとしてピン部に対する焼き入れが、ステップS21,S22により実行される。1次焼き入れが終了すると、ステップS23において第1次曲り計測が実行される。この第1次曲り計測工程においては、図10に示されるように、ジャーナル部の1次曲り方向の計測と、ジャーナルの1次曲り量の計測とが、上述したステップS11,S12と同様にして行われる(ステップS33,S34)。さらに、ジャーナルの1次曲り傾向の判定と、ジャーナルとピンの1次曲り修正寄与度の判定とが、上述したステップS13,S14と同様にして行われる(ステップS35,S36)。
1次曲り修正寄与度の判定結果に基づいて、次に焼き入れ処理されるクランクシャフトのピン焼き入れ条件がステップS37においてフィードバック制御され、この1次フィードバック制御工程によりメモリの焼き入れ条件が書き換えられる。さらに、1次曲り修正寄与度の判定結果に基づいて、ピン焼き入れが終了したクランクシャフトに対するジャーナル部の焼き入れ条件が、ステップS38のフィードフォワード制御工程においてフィードフォワード制御される。つまり、ピン焼き入れが終了した後のクランクシャフトに2次焼き入れとして行われるジャーナル焼き入れの焼き入れ条件が変更される。このように、制御ユニット41のマイクロプロセッサは、焼き入れ条件をフィードフォワード制御する機能を有しており、フィードフォワード制御部を構成している。
変更された焼き入れ条件に基づいて、引き続き、ステップS24,S25によりジャーナル焼き入れが行われ、ジャーナル焼き入れが終了すると、ステップS26の2次曲り計測が行われる。この第2次曲り計測工程においては、図11に示されるように、ジャーナル部の2次曲り方向の計測と、ジャーナルの2次曲り量の計測とが、上述したステップS33,S34と同様にして行われる(ステップS39,S40)。さらに、ジャーナルの2次曲り傾向の判定と、ジャーナルとピンの2次曲り修正寄与度の判定とが、上述したステップS35,S36と同様にして行われる(ステップS41,S42)。
2次曲り修正寄与度の判定結果に基づいて、次に焼き入れ処理されるクランクシャフトのピン焼き入れ条件と、ジャーナル焼き入れ条件とがフィードバック制御され、メモリの焼き入れ条件が書き換えられる(ステップS43,S44)。それぞれのステップS43,S44は、2次フィードバック制御工程を構成している。
このように、2次焼き入れ前に2次焼き入れとしてのジャーナル焼き入れ条件をフィードフォワード制御するとともに、ピン焼き入れとジャーナル焼き入れが終了した後に、次に焼き入れするためのクランクシャフトのジャーナル焼き入れ条件をフィードバック制御すると、クランクシャフトの曲りを小さくすることができる。これにより、焼き入れ処理後のクランクシャフトの曲りを許容値以内とすることが高められるので、自動矯正を不要としたり、自動矯正量を少なくしたりすることができ、自動矯正工程を含めた焼き入れ処理工程を効率的に行うことができる。
ステップS26の2次曲り計測が終了したクランクシャフトは、焼き戻し処理が行われた後に、最終曲り計測が行われる(ステップS27,S28)。最終曲り計測工程においては、図12に示されるように、ステップS26の2次曲り計測と同様の処理が行われる(S45〜S50)。ステップS49,S50は、最終フィードバック制御工程となっている。この焼き入れ方法においては、焼き戻し工程により発生したクランクシャフトの曲りをも計測することができる。最終曲り計測が終了した後は、ステップS29〜S32が実行されて、クランクシャフトの製造が完了する。
図13は、さらに他の実施の形態である高周波焼き入れ装置による焼き入れ制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
この焼き入れ方法においては、ピン焼き入れ後の1次曲り計測と、ジャーナル焼き入れ後の2次曲り計測とが、図9に示した焼き入れ方法と同様に行われる(ステップS21〜S26)。2次曲り計測が終了したクランクシャフトは、曲りが許容範囲内となっているか否かのOK・NG判定(ステップS51)を行った後に、曲りが許容範囲内となっているクランクシャフトのみに焼き戻し処理が実行され、仕上げ加工される(ステップS52,S53)。この焼き入れ方法においては、1次計測と2次計測により焼き入れ条件を調整することによって、最終曲り計測および自動矯正工程を省略することができる。
図14は、図1の左側面図であり、クランクシャフト10の先端面を示す。図14においては、ピン部1Pを0°として、時計方向に90°毎に円周方向の角度を示す。
図15〜図20は、本発明の焼き入れ方法の実験結果を示すデータである。それぞれの図においては、焼き入れ条件変更前の曲り量と曲り方向とが黒い四角で示され、焼き入れ条件変更後の曲り量と曲り方向とが白い四角で示されている。
図15は、ピン焼き入れした後のジャーナル部1J〜5Jの曲り傾向と、これに基づいてピン焼き入れ条件をフィードバック制御した後におけるジャーナル部の曲り傾向とを示す。ピン焼き入れのための高周波誘導コイル25に対する出力は、39kW/85kWから28kW/72kWに変更された。変更前は、ジャーナル部3Jが0°側に変位していたが、ピン焼き入れ条件をフィードバック制御して変更することにより、全てのジャーナル部の変位つまり曲りを修正することができ、特にジャーナル部3Jの曲りを大きく修正することができた。なお、ピン焼き入れは、ピンのトップ側つまりクランク外周側と、クランクの軸中心側とでは入熱特性が違うため、トップ側は39kWから28kWに変更され、クランクの軸中心側は85kWから72kWに変化された。変更前は、ジャーナル部3Jが0°側に変位していたが、ピン焼き入れ条件をフィードバック制御して変更することにより、全てのジャーナル部の変位つまり曲りを修正することができ、特にジャーナル部3Jの曲りを大きく修正することができた。
図16は、ピン焼き入れした後のジャーナル部1J〜5Jの曲り傾向と、これに基づいてジャーナル焼き入れ条件をフィードフォワード制御した後におけるジャーナル部の曲り傾向とを示す。ジャーナル焼き入れのための高周波誘導コイル26に対する出力は、ジャーナル部3Jについて63kWから60kWに変更され、ジャーナル部1Jについて62kWから70kWに変更された。変更前は、ジャーナル部1J〜3Jが180°側に変位していたが、ジャーナル焼き入れ条件をフィードフォワード制御して変更することにより、特にジャーナル部1J〜3Jの曲りを大きく修正することができた。
図17は、焼き戻し後のジャーナル部1J〜5Jの曲り傾向と、これに基づいてピン焼き入れ条件をフィードバック制御した後におけるジャーナル部の曲り傾向とを示す。ピン焼き入れのための高周波誘導コイル25に対する出力は、28kW/72kWから39kW/85kWに変更された。
図18は、焼き戻し後のジャーナル部1J〜5Jの曲り傾向と、これに基づいてジャーナル焼き入れ条件をフィードバック制御した後におけるジャーナル部の曲り傾向とを示す。ジャーナル部3Jについて68kWから63kWに変更された。
図19は、焼き戻し後のジャーナル部1J〜5Jの曲り傾向と、これに基づいてピン焼き入れ条件およびジャーナル焼き入れ条件をフィードバック制御した後におけるジャーナル部の曲り傾向とを示す。ピン焼き入れのための出力は39kW/85kWから28kW/72kWに減少され、ジャーナル部3Jの焼き入れのための加熱出力は、63kWから60kWに変更された。
図20は、焼き戻し後のジャーナル部1J〜5Jの曲り傾向と、これに基づいてピン焼き入れ条件およびジャーナル焼き入れ条件をフィードバック制御した後におけるジャーナル部の曲り傾向とを示す。ピン焼き入れのための出力は減少され、ジャーナル部3Jの焼き入れのための出力は63kWから60kWに変更され、ジャーナル部1Jの焼き入れのための加熱出力は62kWから70kWに変更された。
図17〜図20に示すように、焼き戻し後の曲り傾向に基づいて、焼き入れ条件をフィードバック制御することにより、焼き入れ処理によるクランクシャフトの曲りを少なくすることができた。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図9および図13に示す焼き入れ方法においては、ピン焼き入れとジャーナル焼き入れの一方であるピン焼き入れを1次焼き入れとし、他方であるジャーナル焼き入れを2次焼き入れとしているが、ジャーナル焼き入れを先に行い、その後にピン焼き入れを行うようにしても良い。
10 クランクシャフト
11 前端部
12 後端部
20 高周波焼き入れ装置
22 チャック
23 回転軸
24a 回転ディスク
24b 角度センサ
25,26 高周波誘導コイル
27,28 アクチュエータ
29 変位計
30 自動矯正装置
33a 回転ディスク
33b 角度センサ
34 駆動ユニット
35 油圧シリンダ
41 制御ユニット
42 出力調整器
1J〜5J ジャーナル部
1P〜4P ピン部

Claims (11)

  1. クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ方法であって、
    前記ピン部と前記ジャーナル部の一方を高周波焼き入れする1次焼き入れ工程と、
    前記ピン部と前記ジャーナル部の他方を高周波焼き入れする2次焼き入れ工程と、
    前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して曲り傾向を判定し、前記曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との曲り修正寄与度を判定する曲り修正寄与度判定工程と、
    前記曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御するフィードバック制御工程と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ方法。
  2. 請求項1記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ方法において、前記曲り修正寄与度の判定を、焼き戻し処理後に行うようにした、クランクシャフトの高周波焼き入れ方法。
  3. クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ方法であって、
    前記ピン部と前記ジャーナル部の一方を高周波焼き入れする1次焼き入れ工程と、
    前記ピン部と前記ジャーナル部の他方を高周波焼き入れする2次焼き入れ工程と、
    前記1次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して1次の曲り傾向を判定し、前記1次の曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との1次曲り修正寄与度を判定する1次曲り修正寄与度判定工程と、
    前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する1次フィードバック制御工程と、
    前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御工程と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ方法。
  4. 請求項3記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ方法において、
    前記2次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して2次の曲り傾向を判定し、前記2次の曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との2次曲り修正寄与度を判定する2次曲り修正寄与度判定工程と、
    前記2次曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する2次フィードバック制御工程と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ方法。
  5. 請求項3または4記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ方法において、
    前記ピン部と前記ジャーナル部を焼き戻し処理した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して最終曲り傾向を判定し、前記最終曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との最終曲り修正寄与度を判定する最終曲り修正寄与度判定工程と、
    前記最終曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程および前記2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する最終フィードバック制御工程と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ方法において、
    前記1次焼き入れ工程は前記ピン部を高周波焼き入れし、前記2次焼き入れ工程は前記ジャーナル部を高周波焼き入れする、クランクシャフトの高周波焼き入れ方法。
  7. クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ装置であって、
    前記ピン部と前記ジャーナル部の一方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記一方を1次焼き入れした後に、前記ピン部と前記ジャーナル部の他方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記他方を2次焼き入れするコイル駆動部材と、
    前記クランクシャフトを回転させたときの回転角度を検出する角度センサ、および前記クランクシャフトの回転角度に応じた前記ジャーナル部の曲り量を計測する変位計を備えた曲り計測手段と、
    前記1次焼き入れ工程と前記2次焼き入れ工程が終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して曲り傾向を判定し、前記曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との曲り修正寄与度を判定する曲り修正寄与度判定部と、
    前記曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れと前記2次焼き入れとにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御するフィードバック制御部と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ装置。
  8. 請求項7記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ装置において、前記曲り修正寄与度の判定を、焼き戻し処理後に行うようにした、クランクシャフトの高周波焼き入れ装置。
  9. クランクシャフトのピン部とジャーナル部とを高周波誘導コイルにより焼き入れするクランクシャフトの高周波焼き入れ装置であって、
    前記ピン部と前記ジャーナル部の一方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記一方を1次焼き入れした後に、前記ピン部と前記ジャーナル部の他方に前記高周波誘導コイルを当接させて前記他方を2次焼き入れするコイル駆動部材と、
    前記クランクシャフトを回転させたときの回転角度を検出する角度センサ、および前記クランクシャフトの回転角度に応じた前記ジャーナル部の曲り量を計測する変位計を備えた曲り計測手段と、
    前記1次焼き入れが終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して1次の曲り傾向を判定し、前記1次の曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との1次曲り修正寄与度を判定する1次曲り修正寄与度判定部と、
    前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する1次フィードバック制御部と、
    前記1次曲り修正寄与度に応じて、前記2次焼き入れにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードフォワード制御するフィードフォワード制御部と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ装置。
  10. 請求項9記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ装置において、
    前記2次焼き入れが終了した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して2次の曲り傾向を判定し、前記2次の曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との2次曲り修正寄与度を判定する2次曲り修正寄与度判定部と、
    前記2次曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れおよび前記2次焼き入れにおける前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する2次フィードバック制御部と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ装置。
  11. 請求項9または10記載のクランクシャフトの高周波焼き入れ装置において、
    前記ピン部と前記ジャーナル部を焼き戻し処理した後に、前記ジャーナル部の曲り方向と曲り量とを計測して最終曲り傾向を判定し、前記最終曲り傾向に応じた前記ジャーナル部と前記ピン部との最終曲り修正寄与度を判定する最終曲り修正寄与度判定部と、
    前記最終曲り修正寄与度に応じて、前記1次焼き入れ工程および前2次焼き入れ工程における前記高周波誘導コイルの加熱出力をフィードバック制御する最終フィードバック制御部と、
    を有するクランクシャフトの高周波焼き入れ装置。
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