JPH0533041A - 長軸材の表面熱処理方法 - Google Patents
長軸材の表面熱処理方法Info
- Publication number
- JPH0533041A JPH0533041A JP3185080A JP18508091A JPH0533041A JP H0533041 A JPH0533041 A JP H0533041A JP 3185080 A JP3185080 A JP 3185080A JP 18508091 A JP18508091 A JP 18508091A JP H0533041 A JPH0533041 A JP H0533041A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- expansion
- contraction
- amount
- heat treatment
- long shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/25—Process efficiency
Landscapes
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ボールネジ等の焼入れを行う場合において焼
入れ後に仕上げ研磨加工をしなくても使用できる範囲を
拡大する。 【構成】 テンションシリンダによってねじ軸2に軸方
向への張力を付加して曲がりの発生を防止するととも
に、表面熱処理における熱処理深さの要因となる3つの
加熱条件、即ち誘導加熱コイル11に供給する周波数お
よびその電力量,移送するねじ軸2または誘導加熱コイ
ル11の移送速度および誘導加熱コイル11に供給する
電力量,ねじ軸2に施す予熱温度および誘導加熱コイル
11に供給する電力量およびねじ軸2または誘導加熱コ
イル11の移動速度と、前記の張力の値との合計4つの
熱処理条件の内のいずれかの条件または複数の組み合わ
せ条件を用い、焼入れ直後からねじ軸2が内部まで冷却
されて収縮が完了し時効効果により寸法が完全に安定し
て落ち着くまでに伸縮することも考慮してねじ軸2の軸
方向の伸縮変形量を制御する。
入れ後に仕上げ研磨加工をしなくても使用できる範囲を
拡大する。 【構成】 テンションシリンダによってねじ軸2に軸方
向への張力を付加して曲がりの発生を防止するととも
に、表面熱処理における熱処理深さの要因となる3つの
加熱条件、即ち誘導加熱コイル11に供給する周波数お
よびその電力量,移送するねじ軸2または誘導加熱コイ
ル11の移送速度および誘導加熱コイル11に供給する
電力量,ねじ軸2に施す予熱温度および誘導加熱コイル
11に供給する電力量およびねじ軸2または誘導加熱コ
イル11の移動速度と、前記の張力の値との合計4つの
熱処理条件の内のいずれかの条件または複数の組み合わ
せ条件を用い、焼入れ直後からねじ軸2が内部まで冷却
されて収縮が完了し時効効果により寸法が完全に安定し
て落ち着くまでに伸縮することも考慮してねじ軸2の軸
方向の伸縮変形量を制御する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長軸材の熱処理方法に係
り、特に種々の加熱条件の組み合わせ制御によって軸方
向の伸縮変形量の調整を行う長軸材の表面熱処理方法に
関する。
り、特に種々の加熱条件の組み合わせ制御によって軸方
向の伸縮変形量の調整を行う長軸材の表面熱処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】所定の硬度と寸法精度とが要求される軸
材やねじ軸などの表面には、熱処理(焼入れ及び焼戻
し)を施すことによって表面硬化を生成し、軸の強度や
耐摩耗性を向上させている。軸材やねじ軸等への焼入れ
処理を高周波焼入れ、即ち誘導加熱によって実施する場
合、軸材やねじ軸(以下被処理材と記す)の表面の加熱
昇温した部分のみに熱膨張が生じて、次に焼入れのため
に水冷を施した際には同じく表面層だけに急激な収縮が
生じる。
材やねじ軸などの表面には、熱処理(焼入れ及び焼戻
し)を施すことによって表面硬化を生成し、軸の強度や
耐摩耗性を向上させている。軸材やねじ軸等への焼入れ
処理を高周波焼入れ、即ち誘導加熱によって実施する場
合、軸材やねじ軸(以下被処理材と記す)の表面の加熱
昇温した部分のみに熱膨張が生じて、次に焼入れのため
に水冷を施した際には同じく表面層だけに急激な収縮が
生じる。
【0003】そしてこれらの表面層の膨張または収縮に
伴う応力が内部の応力と釣り合うまで被処理材に変形が
生じる。鋼材の表面焼入れにおいては一般に表面層の相
変態による膨張に伴って軸方向については図5の被処理
材の断面に示す応力図で明らかなように表面層に圧縮応
力が発生し、内部に生じる引張応力と全断面で釣り合い
がとれるまで長さ方向に伸びが生じて被処理材の全長が
増加する場合が多い。また被処理材としての長軸材の外
周にねじの冷間転造などの冷間成形加工が施されている
場合には、冷間転造によって被処理材の外周層は圧縮延
伸され、外周部には軸方向に圧縮応力が残留し、内部に
は引張応力が残留している。この状態で被処理材の外周
表面を高周波加熱すると外周層の圧縮残留応力が消失
し、且つ表面層は変形し易くなるので全体は軸方向に縮
む。また被処理材が冷間成形加工を施された鋼材の場合
には、表面焼入れのための外周層の加熱昇温によりまず
上記の軸方向の縮みが起こり、次に表面に水冷による焼
入れを行うと熱処理によって変態して表面層が膨張する
ので軸方向に伸長する。そして最終的に熱処理完了時の
被処理材の変形量は高周波加熱による縮み量と焼入れに
よる伸長量とのどちらが大きいかによって決まるのであ
る。
伴う応力が内部の応力と釣り合うまで被処理材に変形が
生じる。鋼材の表面焼入れにおいては一般に表面層の相
変態による膨張に伴って軸方向については図5の被処理
材の断面に示す応力図で明らかなように表面層に圧縮応
力が発生し、内部に生じる引張応力と全断面で釣り合い
がとれるまで長さ方向に伸びが生じて被処理材の全長が
増加する場合が多い。また被処理材としての長軸材の外
周にねじの冷間転造などの冷間成形加工が施されている
場合には、冷間転造によって被処理材の外周層は圧縮延
伸され、外周部には軸方向に圧縮応力が残留し、内部に
は引張応力が残留している。この状態で被処理材の外周
表面を高周波加熱すると外周層の圧縮残留応力が消失
し、且つ表面層は変形し易くなるので全体は軸方向に縮
む。また被処理材が冷間成形加工を施された鋼材の場合
には、表面焼入れのための外周層の加熱昇温によりまず
上記の軸方向の縮みが起こり、次に表面に水冷による焼
入れを行うと熱処理によって変態して表面層が膨張する
ので軸方向に伸長する。そして最終的に熱処理完了時の
被処理材の変形量は高周波加熱による縮み量と焼入れに
よる伸長量とのどちらが大きいかによって決まるのであ
る。
【0004】上記のように被処理材の表面に熱処理を施
すことによって軸方向に伸縮変形が生じるので一般に被
処理材に対する加工寸法は、予め熱処理によって生じる
変形量を見込んだ成形加工寸法値で実施されているが、
熱処理による変形量は熱処理条件の他に、被処理材の材
質や成分,前工程での熱処理状態,成形加工方法と加工
量などによっても大きく左右されるので、熱処理条件を
一定にしても、なかなか一定の値に安定させることが困
難であった。従って熱処理後の被処理材の寸法を精度良
く揃えることが難しいという問題点があった。特に被処
理材がねじ軸の場合には、熱処理による変形量はピッチ
誤差として生じるため、この変形を修正するための後加
工として研削加工が必要となっていた。
すことによって軸方向に伸縮変形が生じるので一般に被
処理材に対する加工寸法は、予め熱処理によって生じる
変形量を見込んだ成形加工寸法値で実施されているが、
熱処理による変形量は熱処理条件の他に、被処理材の材
質や成分,前工程での熱処理状態,成形加工方法と加工
量などによっても大きく左右されるので、熱処理条件を
一定にしても、なかなか一定の値に安定させることが困
難であった。従って熱処理後の被処理材の寸法を精度良
く揃えることが難しいという問題点があった。特に被処
理材がねじ軸の場合には、熱処理による変形量はピッチ
誤差として生じるため、この変形を修正するための後加
工として研削加工が必要となっていた。
【0005】上記のように被処理材に熱処理を施す場合
に生じる軸方向の伸縮変形に対しては、要求される高精
度の仕上げ寸法とするために熱処理後の工程で研磨加工
を加えることにより、製品の精度仕様の確保が行われて
いた。特にねじ軸において発生する軸方向の伸縮変形を
修正する仕上げ加工は、研磨加工装置の加工量が1回の
送り当たり数μm程度で、ねじ溝深さが数mmであれ
ば、加工量は数mm/数μmとなって1000ステップ
程度の送り量が必要で、1本当たり数mの軸材の仕上げ
加工時間は1日の単位を費やす。
に生じる軸方向の伸縮変形に対しては、要求される高精
度の仕上げ寸法とするために熱処理後の工程で研磨加工
を加えることにより、製品の精度仕様の確保が行われて
いた。特にねじ軸において発生する軸方向の伸縮変形を
修正する仕上げ加工は、研磨加工装置の加工量が1回の
送り当たり数μm程度で、ねじ溝深さが数mmであれ
ば、加工量は数mm/数μmとなって1000ステップ
程度の送り量が必要で、1本当たり数mの軸材の仕上げ
加工時間は1日の単位を費やす。
【0006】また、長軸材である被処理材を熱処理する
と殆どの場合大きな曲がりが生じ、熱処理後に曲がりの
矯正作業を必要とした。しかも曲がりの矯正によって被
処理材には新たな内部応力が発生して残留し、またこの
ために仕上げ加工中に新たな曲がりが生じて精密な寸法
に仕上げることが難しいという問難点もある。
と殆どの場合大きな曲がりが生じ、熱処理後に曲がりの
矯正作業を必要とした。しかも曲がりの矯正によって被
処理材には新たな内部応力が発生して残留し、またこの
ために仕上げ加工中に新たな曲がりが生じて精密な寸法
に仕上げることが難しいという問難点もある。
【0007】このため、以下のような長軸材の表面熱処
理方法が先に本願出願人より提案されている(特願平3
−71302)。まず最初に熱処理方法に関係する熱処
理条件について説明する。
理方法が先に本願出願人より提案されている(特願平3
−71302)。まず最初に熱処理方法に関係する熱処
理条件について説明する。
【0008】前記のように軸材やねじ軸等のような長軸
材から成る被処理材の外周面を表面熱処理した場合、長
さ方向の伸縮は表面層に生じた応力が内部の応力と断面
全体にわたって平衡することにより発生するものであ
る。
材から成る被処理材の外周面を表面熱処理した場合、長
さ方向の伸縮は表面層に生じた応力が内部の応力と断面
全体にわたって平衡することにより発生するものであ
る。
【0009】従って熱処理層の深さが浅ければ表面層に
生じる応力が断面全体におよぼす影響力は小さく、長さ
方向の伸縮量は少なくなり、逆に熱処理層の深さが深け
れば、長さ方向の伸縮量は大きなものとなる。また、熱
処理に際して長軸材に付加する軸方向の張力の値によっ
ても長さ方向の伸縮量が変化する。
生じる応力が断面全体におよぼす影響力は小さく、長さ
方向の伸縮量は少なくなり、逆に熱処理層の深さが深け
れば、長さ方向の伸縮量は大きなものとなる。また、熱
処理に際して長軸材に付加する軸方向の張力の値によっ
ても長さ方向の伸縮量が変化する。
【0010】従来の方法は被処理材の長さ方向の変形量
δ(mm/m)と、熱処理深度γ(mm)および軸方向
の張力の値の関係を求めて、熱処理深度γや張力の値を
制御することによって長さ方向の変形量δの値を所定の
範囲に収めようとするものであり、熱処理深さγを制御
するための加熱条件として、第1に誘導加熱コイルに供
給する電力の周波数fの値、第2に被処理材あるいは誘
導加熱コイルの移送速度vの値、第3に被処理材に対し
て熱処理の前に施す予備加熱の値の3条件が考えられ
る。上記の3条件について順に詳細に説明する。
δ(mm/m)と、熱処理深度γ(mm)および軸方向
の張力の値の関係を求めて、熱処理深度γや張力の値を
制御することによって長さ方向の変形量δの値を所定の
範囲に収めようとするものであり、熱処理深さγを制御
するための加熱条件として、第1に誘導加熱コイルに供
給する電力の周波数fの値、第2に被処理材あるいは誘
導加熱コイルの移送速度vの値、第3に被処理材に対し
て熱処理の前に施す予備加熱の値の3条件が考えられ
る。上記の3条件について順に詳細に説明する。
【0011】第1の条件としての誘導加熱コイルに供給
する電力の周波数fの制御については、供給電力の周波
数fと被処理材の表面における電流の浸透深さDとの間
には次の関係式が知られている。即ち、
する電力の周波数fの制御については、供給電力の周波
数fと被処理材の表面における電流の浸透深さDとの間
には次の関係式が知られている。即ち、
【0012】
【数1】
【0013】(但しρ:被処理材の固有抵抗値(μΩ・
cm),μ:被処理材の透磁率)で表される関係式で、
加熱コイルに流れる交番電流の磁束の交鎖によって被処
理材の表面に誘起された電流は表面から深さD(cm)
までの表面部分を流れて抵抗損による発熱を生じる。
cm),μ:被処理材の透磁率)で表される関係式で、
加熱コイルに流れる交番電流の磁束の交鎖によって被処
理材の表面に誘起された電流は表面から深さD(cm)
までの表面部分を流れて抵抗損による発熱を生じる。
【0014】一般的には上記の関係は左縦軸に焼入深度
をとり、横軸に周波数をとった図6に曲線(イ)で示す
ような関係となる。即ち、熱処理深度である焼入深度γ
を、第一義的に誘導加熱コイルに供給する電力の周波数
fの値によって大きく変えることが可能で、焼入深度γ
を制御することができる。
をとり、横軸に周波数をとった図6に曲線(イ)で示す
ような関係となる。即ち、熱処理深度である焼入深度γ
を、第一義的に誘導加熱コイルに供給する電力の周波数
fの値によって大きく変えることが可能で、焼入深度γ
を制御することができる。
【0015】また、周波数fをf3からf1に低くすると
焼入深度がγ1からγ2へと深くなるため、図6に曲線
(ロ)で示すように加熱温度を維持するための供給電力
はP1″からP3″へ増大させる必要がある。
焼入深度がγ1からγ2へと深くなるため、図6に曲線
(ロ)で示すように加熱温度を維持するための供給電力
はP1″からP3″へ増大させる必要がある。
【0016】第2の条件としての焼入れ部分を連続的に
移送する移送速度vの制御については、被処理材の移送
速度vが小さい程内部への熱の伝導量が増加して、被処
理材内部の温度も上昇するので焼入深度γが大となり、
逆に移送速度vが大きい場合には、焼入深度γは浅くな
る。なお、移送速度vを速くした場合には単位時間当た
りの被処理材の加熱長が増加するので、誘導加熱コイル
に供給する電力量を増加させて設定した加熱温度を維持
する必要がある。上記の関係を示したものが図7(a)
であり、左縦軸に焼入深度γをとると共に横軸に移送速
度vをとり、曲線(ハ)で示すように移送速度vをv1
からv3に増加させる一方、これに合わせて曲線(ニ)
で示すように供給電力量PをP1からP3に増加させる
と、焼入深度γはγ3からγ1に浅くなる。
移送する移送速度vの制御については、被処理材の移送
速度vが小さい程内部への熱の伝導量が増加して、被処
理材内部の温度も上昇するので焼入深度γが大となり、
逆に移送速度vが大きい場合には、焼入深度γは浅くな
る。なお、移送速度vを速くした場合には単位時間当た
りの被処理材の加熱長が増加するので、誘導加熱コイル
に供給する電力量を増加させて設定した加熱温度を維持
する必要がある。上記の関係を示したものが図7(a)
であり、左縦軸に焼入深度γをとると共に横軸に移送速
度vをとり、曲線(ハ)で示すように移送速度vをv1
からv3に増加させる一方、これに合わせて曲線(ニ)
で示すように供給電力量PをP1からP3に増加させる
と、焼入深度γはγ3からγ1に浅くなる。
【0017】第3の条件として、被処理材に施す予備加
熱の制御については、例えば図8に示す誘導加熱による
焼入装置要部に備えたように、焼入れを施す誘導加熱コ
イル11の左側に予熱用の誘導加熱コイル15を設けて
被処理材2に施す予備加熱量を調整することにより焼入
深度γを制御するものである。
熱の制御については、例えば図8に示す誘導加熱による
焼入装置要部に備えたように、焼入れを施す誘導加熱コ
イル11の左側に予熱用の誘導加熱コイル15を設けて
被処理材2に施す予備加熱量を調整することにより焼入
深度γを制御するものである。
【0018】即ち、予備加熱を行うことにより焼入深度
γは大となり、予備加熱温度が高いほど焼入深度γを大
きくすることができる。上記の関係を示したものが図7
(b)であり、左縦軸は一定温度での予備加熱を施した
被処理材の焼入深度γを表し、横軸は被処理材の移送速
度vを表している。図7(b)の曲線(ホ)と予備加熱
のない図7(a)の曲線(ハ)とを比較すると、移送速
度vが同じ場合でも、γ1<γ1'(速度がv3の場合),
γ3<γ3'(速度がv1の場合)で示されるように、焼入
深度γは予備加熱有りの被処理材の方が深くなることが
明らかである。図7(b)の曲線(ヘ)は供給電力量を
示す。
γは大となり、予備加熱温度が高いほど焼入深度γを大
きくすることができる。上記の関係を示したものが図7
(b)であり、左縦軸は一定温度での予備加熱を施した
被処理材の焼入深度γを表し、横軸は被処理材の移送速
度vを表している。図7(b)の曲線(ホ)と予備加熱
のない図7(a)の曲線(ハ)とを比較すると、移送速
度vが同じ場合でも、γ1<γ1'(速度がv3の場合),
γ3<γ3'(速度がv1の場合)で示されるように、焼入
深度γは予備加熱有りの被処理材の方が深くなることが
明らかである。図7(b)の曲線(ヘ)は供給電力量を
示す。
【0019】次に被処理材の焼入れ処理における被処理
材の表面から内部に向かっての硬度分布(焼入深度)と
加熱条件との関係を示したものが図9(a),(b)で
あり、焼入深度と被処理材の伸縮変形量との関係を示し
たものが図10(a),(b)である。図9(a),
(b)は縦軸に被処理材の焼入れ後の硬度H、横軸に被
処理材の表面からの距離(深さ)γをとって、被処理材
断面における硬度分布を表したもので、硬度H0が焼入
層としての限界硬度値を示す。
材の表面から内部に向かっての硬度分布(焼入深度)と
加熱条件との関係を示したものが図9(a),(b)で
あり、焼入深度と被処理材の伸縮変形量との関係を示し
たものが図10(a),(b)である。図9(a),
(b)は縦軸に被処理材の焼入れ後の硬度H、横軸に被
処理材の表面からの距離(深さ)γをとって、被処理材
断面における硬度分布を表したもので、硬度H0が焼入
層としての限界硬度値を示す。
【0020】図9(a)は上記の加熱条件の移送速度v
の調整による焼入深度γの制御方法で、被処理材の移送
速度vをv1,v2,v3に変化させた場合に相当し、移
送速度vが小さい程(v1)焼入深度γは大となり硬度
Hの分布の傾斜が変化する。図10(a)は縦軸に被処
理材の伸縮変形量δ、横軸に焼入深度γをとって、図9
(a)の場合の被処理材の焼入深度γと伸縮変形量δの
関係を示したもので、焼入深度γが増加する程伸縮変形
量δが増大することがわかる。従って、図10(a)は
移送速度v,供給電力量P,伸縮変形量δとの関係に置
き換えることもできる。
の調整による焼入深度γの制御方法で、被処理材の移送
速度vをv1,v2,v3に変化させた場合に相当し、移
送速度vが小さい程(v1)焼入深度γは大となり硬度
Hの分布の傾斜が変化する。図10(a)は縦軸に被処
理材の伸縮変形量δ、横軸に焼入深度γをとって、図9
(a)の場合の被処理材の焼入深度γと伸縮変形量δの
関係を示したもので、焼入深度γが増加する程伸縮変形
量δが増大することがわかる。従って、図10(a)は
移送速度v,供給電力量P,伸縮変形量δとの関係に置
き換えることもできる。
【0021】一方、図9(b)は上記の加熱条件の供給
電力の周波数fの調整による焼入深度γの制御方法で、
誘導加熱コイルに供給する電力Pの周波数fをf1,
f2,f3に変化させた場合に相当し、周波数fが高くな
る程(f3)、焼入深度γは小さくなる。図10(b)
は図9(b)の場合の焼入深度γと被処理材の伸縮変形
量δの関係を示すもので、図10(a)と同様に焼入深
度γが大きくなる程伸縮変形量δが増大する。従って図
10(b)は供給する電力の周波数fとその電力量Pと
伸縮変形量δとの関係に置き換えることができる。
電力の周波数fの調整による焼入深度γの制御方法で、
誘導加熱コイルに供給する電力Pの周波数fをf1,
f2,f3に変化させた場合に相当し、周波数fが高くな
る程(f3)、焼入深度γは小さくなる。図10(b)
は図9(b)の場合の焼入深度γと被処理材の伸縮変形
量δの関係を示すもので、図10(a)と同様に焼入深
度γが大きくなる程伸縮変形量δが増大する。従って図
10(b)は供給する電力の周波数fとその電力量Pと
伸縮変形量δとの関係に置き換えることができる。
【0022】上記のように第1の条件としての熱処理深
さγと誘導加熱コイルに供給する周波数fおよび電力量
Pとの関係、第2の条件としての熱処理深さγと移送速
度vおよび電力量Pとの関係、第3の条件としての熱処
理深さγと予熱温度および電力量P,移送速度vとの関
係のうちのいずれかまたは複数の関係について予め求め
ておくことができる。また熱処理後の軸方向の伸縮変形
量δと熱処理深さγとの関係も予め求めておくことがで
きる。この関係式を利用して後述する伸縮変形量δを一
定の範囲内に収める制御を行うものである。
さγと誘導加熱コイルに供給する周波数fおよび電力量
Pとの関係、第2の条件としての熱処理深さγと移送速
度vおよび電力量Pとの関係、第3の条件としての熱処
理深さγと予熱温度および電力量P,移送速度vとの関
係のうちのいずれかまたは複数の関係について予め求め
ておくことができる。また熱処理後の軸方向の伸縮変形
量δと熱処理深さγとの関係も予め求めておくことがで
きる。この関係式を利用して後述する伸縮変形量δを一
定の範囲内に収める制御を行うものである。
【0023】一方、熱処理を行うと長軸材は殆どの場合
曲がりを生じるが、長軸材に軸方向の張力を付加しなが
ら熱処理を施すと曲がりを防止することができる。張力
と曲がりとの関係を図10(c)に示す。張力が小さい
と曲がりが生じ、ある程度大きくすれば曲がりを防止す
ることができる。曲がり量bが0.1mm/m以下とな
るように張力Tの値を決めることができる。
曲がりを生じるが、長軸材に軸方向の張力を付加しなが
ら熱処理を施すと曲がりを防止することができる。張力
と曲がりとの関係を図10(c)に示す。張力が小さい
と曲がりが生じ、ある程度大きくすれば曲がりを防止す
ることができる。曲がり量bが0.1mm/m以下とな
るように張力Tの値を決めることができる。
【0024】また、張力を加えながら熱処理を行うと当
然に長軸材に伸びが生じるので、第4の条件として、長
軸材に付加する軸方向の張力の値は伸縮変形量δを制御
する要素にもなりうる。張力Tの大きさと伸縮量δとの
関係を図10(d)に示す。図に示される伸縮量δは、
張力Tを付加しない場合に対して付加した場合の差分を
示すものである。従ってまた種々の値の張力Tを付加し
た場合について、図10(a)および図10(b)と同
様の焼入深度と伸縮量の関係を予めそれぞれ求めておく
ことができる。そして第4の条件としての張力の値を変
化させることによっても伸縮変形量δの制御を行うもの
である。
然に長軸材に伸びが生じるので、第4の条件として、長
軸材に付加する軸方向の張力の値は伸縮変形量δを制御
する要素にもなりうる。張力Tの大きさと伸縮量δとの
関係を図10(d)に示す。図に示される伸縮量δは、
張力Tを付加しない場合に対して付加した場合の差分を
示すものである。従ってまた種々の値の張力Tを付加し
た場合について、図10(a)および図10(b)と同
様の焼入深度と伸縮量の関係を予めそれぞれ求めておく
ことができる。そして第4の条件としての張力の値を変
化させることによっても伸縮変形量δの制御を行うもの
である。
【0025】図11(a)に従来の熱処理装置の要部を
示し、図11(b)には制御信号の流れ図を示す。最初
に図11(a)を参照して熱処理装置の要部の構成を説
明する。
示し、図11(b)には制御信号の流れ図を示す。最初
に図11(a)を参照して熱処理装置の要部の構成を説
明する。
【0026】ここでは被処理材をねじ軸として、その表
面に焼入れの熱処理を施す場合について説明する。熱処
理を行う焼入装置1はねじ軸2の左端をチャック3で着
脱自在に保持する一方、右端も回転駆動しながら引張力
を付加できるようになっている。補助軸4の左端がチャ
ック4cによってねじ軸2の右端と連結される。補助軸
4におけるフランジ部4aの右側には延長軸4dが形成
される。このフランジ部4aは連結部材21によって回
転自在に支持され、連結部材21は支持部21aと引張
部21bとを結合して構成される。引張部21bは移動
ベッド6に固定されたテンションシリンダ22のロッド
22aに結合されて補助軸4の軸心方向へは移動自在で
あるが、ストッパ21cにより回転が拘束される。引張
部21bの内部には移動ベッド6に固定してモータ5b
が設けられ、モータ5bの出力軸と延長軸4dとがスプ
ライン結合により相対的に軸心方向へ移動自在に連結さ
れる。モータ5bはねじ軸2の左端に連結されたモータ
5aと電気的に同期回転するように運転される。ねじ軸
2の両端にモータを連結するかわりに、ねじ軸2の一端
のみにモータを連結するとともに、このモータと機械的
に連動連結された回転駆動機構を他端に連結してねじ軸
2の両端を同期して回転駆動するようにしてもよい。
面に焼入れの熱処理を施す場合について説明する。熱処
理を行う焼入装置1はねじ軸2の左端をチャック3で着
脱自在に保持する一方、右端も回転駆動しながら引張力
を付加できるようになっている。補助軸4の左端がチャ
ック4cによってねじ軸2の右端と連結される。補助軸
4におけるフランジ部4aの右側には延長軸4dが形成
される。このフランジ部4aは連結部材21によって回
転自在に支持され、連結部材21は支持部21aと引張
部21bとを結合して構成される。引張部21bは移動
ベッド6に固定されたテンションシリンダ22のロッド
22aに結合されて補助軸4の軸心方向へは移動自在で
あるが、ストッパ21cにより回転が拘束される。引張
部21bの内部には移動ベッド6に固定してモータ5b
が設けられ、モータ5bの出力軸と延長軸4dとがスプ
ライン結合により相対的に軸心方向へ移動自在に連結さ
れる。モータ5bはねじ軸2の左端に連結されたモータ
5aと電気的に同期回転するように運転される。ねじ軸
2の両端にモータを連結するかわりに、ねじ軸2の一端
のみにモータを連結するとともに、このモータと機械的
に連動連結された回転駆動機構を他端に連結してねじ軸
2の両端を同期して回転駆動するようにしてもよい。
【0027】このようにして、テンションシリンダ22
によりねじ軸2に引張力を付与しながら、モータ5a,
5bによりねじ軸2の両端を同期回転駆動する。このよ
うにすることにより、加熱が行われる熱処理中にもねじ
軸2にはねじり力が加わらず、比較的軸径の小さいねじ
軸であってもねじり変形が生じず、良好な寸法精度が得
られる。そしてテンションシリンダー22内にてロッド
22aに加えられる流体圧力を検出することによってね
じ軸2に付加される引張力の値を検知できると共に、流
体圧力を変化せしめることによって引張力(張力)の値
を制御できるようになっている。またねじ軸2に加える
誘導加熱を円周方向に均一なものとするために、チャッ
ク3は減速機構を直結したモータ5aによって回転駆動
される。
によりねじ軸2に引張力を付与しながら、モータ5a,
5bによりねじ軸2の両端を同期回転駆動する。このよ
うにすることにより、加熱が行われる熱処理中にもねじ
軸2にはねじり力が加わらず、比較的軸径の小さいねじ
軸であってもねじり変形が生じず、良好な寸法精度が得
られる。そしてテンションシリンダー22内にてロッド
22aに加えられる流体圧力を検出することによってね
じ軸2に付加される引張力の値を検知できると共に、流
体圧力を変化せしめることによって引張力(張力)の値
を制御できるようになっている。またねじ軸2に加える
誘導加熱を円周方向に均一なものとするために、チャッ
ク3は減速機構を直結したモータ5aによって回転駆動
される。
【0028】また焼入装置1には、ねじ軸2をその軸方
向に移送するための移送手段が設けられる。即ち、移送
手段は移動ベッド6の一端部と螺合する送りねじ軸7
と、減速機を介してこの送りねじ軸7を回転駆動する移
送用モータ8によって形成される。この移送用モータ8
にはパルスエンコーダ9が設けられ、移送用モータ8の
回転数はパルス列に変換されて出力され、パルス数のカ
ウントにより被処理材のねじ軸2の移送距離が検出され
る。また移動ベッド6の右側の一端部と補助軸4の中間
部に形成した大径部4bの間には、ねじ軸2の伸縮変形
量を計測するための検出センサ10が設けられる。
向に移送するための移送手段が設けられる。即ち、移送
手段は移動ベッド6の一端部と螺合する送りねじ軸7
と、減速機を介してこの送りねじ軸7を回転駆動する移
送用モータ8によって形成される。この移送用モータ8
にはパルスエンコーダ9が設けられ、移送用モータ8の
回転数はパルス列に変換されて出力され、パルス数のカ
ウントにより被処理材のねじ軸2の移送距離が検出され
る。また移動ベッド6の右側の一端部と補助軸4の中間
部に形成した大径部4bの間には、ねじ軸2の伸縮変形
量を計測するための検出センサ10が設けられる。
【0029】ねじ軸2の外周には誘導加熱コイル11
と、その右方に焼入れ用の冷却液を放出する冷却リング
12が配設され、誘導加熱コイルは可変電圧の機能を備
えた電源装置13に接続される。また誘導加熱コイルに
よる加熱部には温度検出センサ14を設けて、ねじ軸2
の表面温度の検出を連続的に実施する。そして前記の移
動手段によってねじ軸2を図中に矢印で示すように左か
ら右方向に移動せしめながら軸方向に順次表面焼入れを
施す。焼入装置には演算処理部を備えた制御装置20が
設けられている。
と、その右方に焼入れ用の冷却液を放出する冷却リング
12が配設され、誘導加熱コイルは可変電圧の機能を備
えた電源装置13に接続される。また誘導加熱コイルに
よる加熱部には温度検出センサ14を設けて、ねじ軸2
の表面温度の検出を連続的に実施する。そして前記の移
動手段によってねじ軸2を図中に矢印で示すように左か
ら右方向に移動せしめながら軸方向に順次表面焼入れを
施す。焼入装置には演算処理部を備えた制御装置20が
設けられている。
【0030】上記のように構成された焼入装置1におけ
る前記の第2の条件または第4の条件を用いた焼入れ熱
処理方法を説明する。
る前記の第2の条件または第4の条件を用いた焼入れ熱
処理方法を説明する。
【0031】被処理材であるねじ軸2には、焼入れ処理
によって軸方向に生じる伸縮変形量を予め基準変形量と
して見込んだうえで成形加工、即ち冷間転造加工等が施
されている。次に成形加工されたねじ軸2はロット毎に
試し焼入れが、上記の構成から成る焼入装置1によって
実施される。その際のねじ軸の伸縮変形量,供給電力
値,表面温度,移送速度,ねじ軸の張力等を計測するこ
とによって、予め求めておいた、図10(a),
(c),(d)および図7(a)に図示される関係式か
らねじ軸の曲がり量を所定の極めて小さい値以下とする
とともに、焼入れ後の伸縮変形量を基準変形量に一致さ
せるための焼入深度γおよびそのための移送速度v,供
給電力値Pと張力Tを知ることができる。
によって軸方向に生じる伸縮変形量を予め基準変形量と
して見込んだうえで成形加工、即ち冷間転造加工等が施
されている。次に成形加工されたねじ軸2はロット毎に
試し焼入れが、上記の構成から成る焼入装置1によって
実施される。その際のねじ軸の伸縮変形量,供給電力
値,表面温度,移送速度,ねじ軸の張力等を計測するこ
とによって、予め求めておいた、図10(a),
(c),(d)および図7(a)に図示される関係式か
らねじ軸の曲がり量を所定の極めて小さい値以下とする
とともに、焼入れ後の伸縮変形量を基準変形量に一致さ
せるための焼入深度γおよびそのための移送速度v,供
給電力値Pと張力Tを知ることができる。
【0032】上記のようにして求められた各データ値が
そのロットに対する基準熱処理条件となる。この場合周
波数fは一定である。このようにしてロットに対する代
表値としての基準熱処理条件は決められる。焼入れ処理
方法は、まず予め設定した上記の基準変形量および加熱
温度(省略しても可)と、予め求めたねじ軸2の図10
(a),(d),[または張力Tを付加した場合の図1
0(a)に相当する関係式]および図7(a)の関係式
を制御装置20に設けた記憶部に記憶させる。次に試し
焼入れによって求めてある基準熱処理条件の移送速度
v,供給電力量P,張力Tの値により1本毎の焼入れ処
理を開始する。この場合にねじ軸2の移送量はパルスエ
ンコーダ9により連続的に検出され、伸縮変形量は検出
センサ10により検出され、加熱表面温度は温度検出セ
ンサ14によっていずれも連続的に計測検出されて制御
装置20に入力される。
そのロットに対する基準熱処理条件となる。この場合周
波数fは一定である。このようにしてロットに対する代
表値としての基準熱処理条件は決められる。焼入れ処理
方法は、まず予め設定した上記の基準変形量および加熱
温度(省略しても可)と、予め求めたねじ軸2の図10
(a),(d),[または張力Tを付加した場合の図1
0(a)に相当する関係式]および図7(a)の関係式
を制御装置20に設けた記憶部に記憶させる。次に試し
焼入れによって求めてある基準熱処理条件の移送速度
v,供給電力量P,張力Tの値により1本毎の焼入れ処
理を開始する。この場合にねじ軸2の移送量はパルスエ
ンコーダ9により連続的に検出され、伸縮変形量は検出
センサ10により検出され、加熱表面温度は温度検出セ
ンサ14によっていずれも連続的に計測検出されて制御
装置20に入力される。
【0033】まず前記の第2の条件を補正する場合につ
いて説明する。制御装置20内では計測検出された移送
量(加熱位置)毎のねじ軸2の伸縮変形量を、設定され
た基準変形量における移送量毎の伸縮変形量と比較演算
し、その差を演算処理部によって算出する。差が生じた
場合には、その差値を補正するための焼入深度の補正値
Δγが図10(a)に示す関係により算出される。続い
て焼入深度をΔγだけ変化させるための移送速度vの補
正値Δvおよび電力量の補正値ΔPが図7(a)の関係
から算出される。この場合温度センサ14の検出するね
じ軸2の加熱表面温度が、設定した温度と一定以上の差
が有るときは、温度差を補正するために電力量の補正値
ΔPはΔP′に再補正される。次に移送速度の補正値Δ
vから移送用モータ8の回転数が求められて、移送速度
の補正制御が行われると共に、誘導加熱コイルへの供給
電力量は補正値ΔPまたはΔP′による補正制御が行わ
れる。
いて説明する。制御装置20内では計測検出された移送
量(加熱位置)毎のねじ軸2の伸縮変形量を、設定され
た基準変形量における移送量毎の伸縮変形量と比較演算
し、その差を演算処理部によって算出する。差が生じた
場合には、その差値を補正するための焼入深度の補正値
Δγが図10(a)に示す関係により算出される。続い
て焼入深度をΔγだけ変化させるための移送速度vの補
正値Δvおよび電力量の補正値ΔPが図7(a)の関係
から算出される。この場合温度センサ14の検出するね
じ軸2の加熱表面温度が、設定した温度と一定以上の差
が有るときは、温度差を補正するために電力量の補正値
ΔPはΔP′に再補正される。次に移送速度の補正値Δ
vから移送用モータ8の回転数が求められて、移送速度
の補正制御が行われると共に、誘導加熱コイルへの供給
電力量は補正値ΔPまたはΔP′による補正制御が行わ
れる。
【0034】次に、第4の条件を補正する場合について
説明する。前記と同様にして焼入れ処理中に連続的に検
出されたねじ軸2の伸縮変形量と基準変形量における伸
縮変形量との間に差が生じた場合には、その差値を補正
するための張力の補正値ΔTが図10(d)に示す関係
等により算出されると共にテンションシリンダ22にお
ける流体圧力の補正値に換算される。そしてこの補正値
に従って、テンションシリンダ22内にてロッド22a
に加えられる流体圧力は図示を省略した流体圧力調節装
置によって補正制御が行われる。
説明する。前記と同様にして焼入れ処理中に連続的に検
出されたねじ軸2の伸縮変形量と基準変形量における伸
縮変形量との間に差が生じた場合には、その差値を補正
するための張力の補正値ΔTが図10(d)に示す関係
等により算出されると共にテンションシリンダ22にお
ける流体圧力の補正値に換算される。そしてこの補正値
に従って、テンションシリンダ22内にてロッド22a
に加えられる流体圧力は図示を省略した流体圧力調節装
置によって補正制御が行われる。
【0035】以上の繰り返しによるフィードバック制御
が加えられる中で、表面焼入れ処理が実施されるので、
設定した基準変形量の範囲内でねじ軸1本1本の焼入れ
を実施することができるのである。
が加えられる中で、表面焼入れ処理が実施されるので、
設定した基準変形量の範囲内でねじ軸1本1本の焼入れ
を実施することができるのである。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の従来
の方法によって長軸材の表面焼入れ処理を行った場合、
熱処理装置上で表面焼入れ処理を完了した直後の長軸材
の伸縮変形量と、熱処理装置から取り外して更に中心部
まで完全に冷却する等のための時間が経過して安定した
状態となった後の完成品としての長軸材の伸縮変形量と
では厳密には同一でないという問題点があった。
の方法によって長軸材の表面焼入れ処理を行った場合、
熱処理装置上で表面焼入れ処理を完了した直後の長軸材
の伸縮変形量と、熱処理装置から取り外して更に中心部
まで完全に冷却する等のための時間が経過して安定した
状態となった後の完成品としての長軸材の伸縮変形量と
では厳密には同一でないという問題点があった。
【0037】即ち、表面焼入れ処理が完了した直後の長
軸材にはまだ張力が付加されたままであり、また軸心部
を含めた全体がまだ常温まで冷却しきっていない状態で
ある。このため、張力が除かれ、全長にわたって軸心部
までの冷却が完了し、また時効現象等を伴う寸法の変化
も安定した状態の完成品となるまでにはやや時間を要
し、表面焼入れ処理完了直後とではその伸縮変形量に厳
密には変化を生じていた。
軸材にはまだ張力が付加されたままであり、また軸心部
を含めた全体がまだ常温まで冷却しきっていない状態で
ある。このため、張力が除かれ、全長にわたって軸心部
までの冷却が完了し、また時効現象等を伴う寸法の変化
も安定した状態の完成品となるまでにはやや時間を要
し、表面焼入れ処理完了直後とではその伸縮変形量に厳
密には変化を生じていた。
【0038】そして、この表面焼入れ処理完了直後から
安定した状態となるまでの間に生じる前記の変形量は比
較的僅かであることから従来の方法ではこれを無視し
て、表面焼入れ処理完了直後の伸縮変形量を基準伸縮変
形量に合致せしめるように制御していた。
安定した状態となるまでの間に生じる前記の変形量は比
較的僅かであることから従来の方法ではこれを無視し
て、表面焼入れ処理完了直後の伸縮変形量を基準伸縮変
形量に合致せしめるように制御していた。
【0039】しかし、このためねじ軸等の表面焼入れ処
理の場合、高い寸法精度を必要とするものについてはな
お焼入れ後に仕上げ研磨加工をしなければならないとい
う問題点があった。
理の場合、高い寸法精度を必要とするものについてはな
お焼入れ後に仕上げ研磨加工をしなければならないとい
う問題点があった。
【0040】そこで本発明は、焼入れ処理後の寸法精度
を高めてねじ軸等における仕上げ研磨加工を要しない範
囲を高精度側へ拡大することを目的とする。
を高めてねじ軸等における仕上げ研磨加工を要しない範
囲を高精度側へ拡大することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段及び作用】斯かる目的を達
成するための本発明の構成は、焼入れ途中の被処理材の
伸縮量を計測して焼入れ完了後の基準伸縮変形量との偏
差を認識し、この偏差を解消するに足る焼入れのための
移送速度等を推論し制御する表面熱処理方法において、
焼入れが完了した後、更に時間が経過し寸法が完全に安
定して落ち着いた状態になるまでの間に生じる伸縮変化
量をも見込んで制御するようにしたことを特徴とする。
成するための本発明の構成は、焼入れ途中の被処理材の
伸縮量を計測して焼入れ完了後の基準伸縮変形量との偏
差を認識し、この偏差を解消するに足る焼入れのための
移送速度等を推論し制御する表面熱処理方法において、
焼入れが完了した後、更に時間が経過し寸法が完全に安
定して落ち着いた状態になるまでの間に生じる伸縮変化
量をも見込んで制御するようにしたことを特徴とする。
【0042】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。なお、本実施例は従来の長軸材の表面
熱処理方法の一部を改良したものなので、従来と同一部
分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分のみ
を説明する。
詳細に説明する。なお、本実施例は従来の長軸材の表面
熱処理方法の一部を改良したものなので、従来と同一部
分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分のみ
を説明する。
【0043】被処理材の焼入れが完了した直後の伸縮量
をδ1とし、その後更に時間が経過して完全に安定した
状態になったときの伸縮量をδ2とすると、δ1は未だ張
力が付加されており全長に亘って内部まで常温に冷却さ
れていない状態での伸縮量であり、δ2はこれらの張力
の解放と全長に亘り内部まで常温になるまでの収縮が完
了し、更に寸法が完全に安定して落ち着く(時効効果)
までの時間が経過した状態での伸縮量である。従来は寸
法が完全に落ち着くまでの時間の経過と焼戻し処理がさ
れる場合のことを考慮しなかったが、本発明ではこれら
の点も考慮して制御するものである。
をδ1とし、その後更に時間が経過して完全に安定した
状態になったときの伸縮量をδ2とすると、δ1は未だ張
力が付加されており全長に亘って内部まで常温に冷却さ
れていない状態での伸縮量であり、δ2はこれらの張力
の解放と全長に亘り内部まで常温になるまでの収縮が完
了し、更に寸法が完全に安定して落ち着く(時効効果)
までの時間が経過した状態での伸縮量である。従来は寸
法が完全に落ち着くまでの時間の経過と焼戻し処理がさ
れる場合のことを考慮しなかったが、本発明ではこれら
の点も考慮して制御するものである。
【0044】被処理材の伸縮量を調整するには、焼入れ
途中に伸縮量を計測するとともに完成後の伸縮変形量を
演算処理によって予測し、この値と予め設定してある完
成後の基準伸縮変形量δ2との偏差を絶えず零に修正す
るように焼入れ条件を調整する。この焼入れ条件の調整
は、前記従来の4条件の組み合わせからなる熱処理条件
について、予め基準伸縮変形量に対する基準熱処理条件
を設定し、更に熱処理途中で連続的に計測した伸縮量と
基準伸縮変形量との比較値に基づいてこれらの熱処理条
件を自動補正する。
途中に伸縮量を計測するとともに完成後の伸縮変形量を
演算処理によって予測し、この値と予め設定してある完
成後の基準伸縮変形量δ2との偏差を絶えず零に修正す
るように焼入れ条件を調整する。この焼入れ条件の調整
は、前記従来の4条件の組み合わせからなる熱処理条件
について、予め基準伸縮変形量に対する基準熱処理条件
を設定し、更に熱処理途中で連続的に計測した伸縮量と
基準伸縮変形量との比較値に基づいてこれらの熱処理条
件を自動補正する。
【0045】以下に本発明に係る長軸材の表面熱処理方
法を具体的に説明する。図1は被処理材の長さが変化す
る様子を示したものであり、図中の斜線部分を除いた部
分がねじ軸におけるねじの部分に相当する。ねじ加工さ
れたときには(L−δ2)であった被処理材のねじ部分
が焼入れ直後には(L−δ2+δ1)となり、完全冷却後
の安定状態ではLになる。そして、焼入れする際におい
てはxの位置まで焼入れ処理を行ったときの伸縮量の計
測値がδxであり、全長に亘って焼入れ処理を完了した
直後の予測伸縮量をδ11とすると、δ11=δx・(L−
δ2+δx)/xとなる。
法を具体的に説明する。図1は被処理材の長さが変化す
る様子を示したものであり、図中の斜線部分を除いた部
分がねじ軸におけるねじの部分に相当する。ねじ加工さ
れたときには(L−δ2)であった被処理材のねじ部分
が焼入れ直後には(L−δ2+δ1)となり、完全冷却後
の安定状態ではLになる。そして、焼入れする際におい
てはxの位置まで焼入れ処理を行ったときの伸縮量の計
測値がδxであり、全長に亘って焼入れ処理を完了した
直後の予測伸縮量をδ11とすると、δ11=δx・(L−
δ2+δx)/xとなる。
【0046】また完全に冷却し安定状態となった完成後
の伸縮変形量の予測値をδ21とするとδ21=K・δ11=
K・δx・(L−δ2+δx)/xとなる。そこで焼入れ
途中での伸縮変形量δxを連続的に計測するとともに完
成後の伸縮変形量の予測値δ21の値を演算処理により求
め、この値と完成後の基準伸縮変形量δ2との偏差を絶
えず零に修正するように焼入れ条件を自動補正する。上
式における常数Kの値は被処理材としての長軸材につい
て例えばロットごとに予め試し焼入れを行う等により求
めておくものである。
の伸縮変形量の予測値をδ21とするとδ21=K・δ11=
K・δx・(L−δ2+δx)/xとなる。そこで焼入れ
途中での伸縮変形量δxを連続的に計測するとともに完
成後の伸縮変形量の予測値δ21の値を演算処理により求
め、この値と完成後の基準伸縮変形量δ2との偏差を絶
えず零に修正するように焼入れ条件を自動補正する。上
式における常数Kの値は被処理材としての長軸材につい
て例えばロットごとに予め試し焼入れを行う等により求
めておくものである。
【0047】焼入れ途中での伸縮変形量の制御は、図1
の(2)aで示す焼入れ途中における実際の伸縮変形量
δxを検出し、図2,図3に示す手順でドライバ回転数
(移送用モーターの回転数)を増減して長軸材の移送速
度を補正して焼入れ深度の微調整を行うと共に、これに
合わせてインバータ電力(電源装置から誘導加熱コイル
に供給する電力)を増減して入熱量を調整し加熱温度の
一定制御を行う。
の(2)aで示す焼入れ途中における実際の伸縮変形量
δxを検出し、図2,図3に示す手順でドライバ回転数
(移送用モーターの回転数)を増減して長軸材の移送速
度を補正して焼入れ深度の微調整を行うと共に、これに
合わせてインバータ電力(電源装置から誘導加熱コイル
に供給する電力)を増減して入熱量を調整し加熱温度の
一定制御を行う。
【0048】なお、図2,図3の手順に従って焼入れ途
中での計測値δxから完成後の伸縮変形量の予測値δ21
を演算により求めて完成後の基準伸縮変形量δ2と比較
演算する代わりに、完成後の基準伸縮変形量δ2から焼
入れ完了直後の基準伸縮変形量δ1を演算により求めて
おいて、この値と計測値δxから演算により求められる
焼入れ完了直後の伸縮変形量の予測値δ11とを比較演算
して両者の偏差を零に修正するように焼入れ条件を自動
補正する等としてもよい。
中での計測値δxから完成後の伸縮変形量の予測値δ21
を演算により求めて完成後の基準伸縮変形量δ2と比較
演算する代わりに、完成後の基準伸縮変形量δ2から焼
入れ完了直後の基準伸縮変形量δ1を演算により求めて
おいて、この値と計測値δxから演算により求められる
焼入れ完了直後の伸縮変形量の予測値δ11とを比較演算
して両者の偏差を零に修正するように焼入れ条件を自動
補正する等としてもよい。
【0049】また、焼入れ処理後に焼戻し熱処理が施さ
れる場合には、完成後の基準伸縮変形量δ2の設定およ
び完成後の伸縮変形量の予測値δ21の演算に当たってい
ずれもこの焼戻し熱処理に伴う伸縮変形量をも含めて設
定および演算を行うのがよい。
れる場合には、完成後の基準伸縮変形量δ2の設定およ
び完成後の伸縮変形量の予測値δ21の演算に当たってい
ずれもこの焼戻し熱処理に伴う伸縮変形量をも含めて設
定および演算を行うのがよい。
【0050】なお、長軸材表面での誘導加熱される部分
の加熱温度の検出に当たっては図4に示すように温度セ
ンサによる測温値から長軸材の移送速度,外部からの外
光,焼入れの際の水量(水蒸気発生量)等の種々の外乱
要因の影響による外乱値を除いて真温度を得ると共に、
この真温度に基づいて誘導加熱コイルに供給する電力量
の自動制御を行うようにするとよい。
の加熱温度の検出に当たっては図4に示すように温度セ
ンサによる測温値から長軸材の移送速度,外部からの外
光,焼入れの際の水量(水蒸気発生量)等の種々の外乱
要因の影響による外乱値を除いて真温度を得ると共に、
この真温度に基づいて誘導加熱コイルに供給する電力量
の自動制御を行うようにするとよい。
【0051】なお、またこの加熱温度の一定制御や前記
の焼入れ途中での伸縮変形量の制御に当たってはファジ
ー推論を採り入れたファジー制御とすることがよい。
の焼入れ途中での伸縮変形量の制御に当たってはファジ
ー推論を採り入れたファジー制御とすることがよい。
【0052】このほか、移送速度と温度との関係は3段
階に変更し、熟練者に焼入れ適正温度となるようにマニ
ュアル入熱セッティングしてもらうことで長軸材の移送
速度と入熱の関係を自動学習する。また、ネジ径が大,
中,小の三種のものの焼入れをマニュアル運転すること
で夫々のサイズの移送速度−温度−入熱の関係を自動学
習すると同時に中間サイズについての移送速度−温度−
入熱の関係をファジー推論する。更に、温度調整は温度
設定をステップ状に変えてその応答具合から自動チュー
ニングを行うことがよい。
階に変更し、熟練者に焼入れ適正温度となるようにマニ
ュアル入熱セッティングしてもらうことで長軸材の移送
速度と入熱の関係を自動学習する。また、ネジ径が大,
中,小の三種のものの焼入れをマニュアル運転すること
で夫々のサイズの移送速度−温度−入熱の関係を自動学
習すると同時に中間サイズについての移送速度−温度−
入熱の関係をファジー推論する。更に、温度調整は温度
設定をステップ状に変えてその応答具合から自動チュー
ニングを行うことがよい。
【0053】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明に
よる長軸材の表面熱処理方法によれば、焼入れ完了直後
から更に時間が経過して寸法が完全に安定するまでの長
さの変化量も考慮して熱処理を行うので、焼入れ処理後
のネジ精度などの寸法精度を一層高めることができ、焼
入れ後の仕上げ研磨加工を要しない範囲を低精度ランク
から中精度ランクまで拡大できる。これにより仕上げ加
工機械の台数を少なくしたり省略できる。また、受注か
ら納入までの加工日数が短縮でき、価格競争,品質性能
競争,納期短縮競争の競争力が向上する。更に製品の品
質のバラツキがなくなる。
よる長軸材の表面熱処理方法によれば、焼入れ完了直後
から更に時間が経過して寸法が完全に安定するまでの長
さの変化量も考慮して熱処理を行うので、焼入れ処理後
のネジ精度などの寸法精度を一層高めることができ、焼
入れ後の仕上げ研磨加工を要しない範囲を低精度ランク
から中精度ランクまで拡大できる。これにより仕上げ加
工機械の台数を少なくしたり省略できる。また、受注か
ら納入までの加工日数が短縮でき、価格競争,品質性能
競争,納期短縮競争の競争力が向上する。更に製品の品
質のバラツキがなくなる。
【図1】本発明に係り、被処理材の伸縮量の変化を示す
説明図。
説明図。
【図2】本発明に係り、熱処理条件の制御手順を示す流
れ図。
れ図。
【図3】本発明に係り、熱処理条件の制御図。
【図4】本発明に係り、転送面の温度推論のための説明
図。
図。
【図5】被処理材の内部応力を示す説明図。
【図6】周波数と焼入れ深度との関係を示すグラフ。
【図7】移送速度と焼入れ深度との関係を示すグラフ。
【図8】予備加熱を行う焼入れ装置の要部を示す構成
図。
図。
【図9】焼入れ深度と硬度との関係を示すグラフ。
【図10】焼入れ深度と伸縮量との関係を示すグラフ。
【図11】焼入装置の構成図。
1,1a,1b…焼入装置、2…ねじ軸(被処理材)、
3…チャック、4…補助軸、8…移送用モータ、9…パ
ルスエンコーダ、10…伸縮量検出センサ、11,15
…誘導加熱コイル、12…焼入れ用冷却リング、13,
16…電源、14,18…温度センサ、17…仕上げ転
造ロール、21…連結部材、22…テンションシリン
ダ。
3…チャック、4…補助軸、8…移送用モータ、9…パ
ルスエンコーダ、10…伸縮量検出センサ、11,15
…誘導加熱コイル、12…焼入れ用冷却リング、13,
16…電源、14,18…温度センサ、17…仕上げ転
造ロール、21…連結部材、22…テンションシリン
ダ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 長軸材の軸方向に長軸材または誘導加熱
コイルを移送して長軸材の表面に熱処理を施す長軸材の
表面熱処理方法であって、 長軸材に軸方向への張力を付加するとともに、 第1の条件としての誘導加熱コイルに供給する周波数お
よびその電力量,第2の条件としての移送する長軸材ま
たは誘導加熱コイルの移送速度および誘導加熱コイルに
供給する電力量,第3の条件としての長軸材に施す予熱
の温度および誘導加熱コイルに供給する電力量および長
軸材または誘導加熱コイルの移動速度,第4の条件とし
ての張力の値の4条件の内のいずれかまたは複数の組み
合わせからなる熱処理条件と、長軸材の軸方向の伸縮変
形量との関係を予め算出して基準伸縮変形量に対する基
準熱処理条件を設定し、熱処理を実施するに当たって軸
方向の伸縮変形量を連続的に検出して、この検出量と基
準伸縮変形量の比較値を制御量として算出し、前記4条
件の熱処理条件の内のいずれかまたは複数の組み合わせ
から成る熱処理条件を自動制御で補正することにより軸
方向の伸縮変形量を調整するようにした長軸材の表面熱
処理方法において、 表面熱処理した長軸材の長さが安定した状態となった後
の伸縮量に基づいて基準伸縮変形量を設定すると共に、
加熱途中の伸縮量の検出量と基準伸縮変形量との偏差を
修正するように前記の熱処理条件を補正制御するように
したことを特徴とする長軸材の表面熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185080A JPH0533041A (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 長軸材の表面熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3185080A JPH0533041A (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 長軸材の表面熱処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533041A true JPH0533041A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16164473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3185080A Pending JPH0533041A (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 長軸材の表面熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0533041A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0792038A (ja) * | 1993-09-28 | 1995-04-07 | Hitachi Ltd | 応力評価方法およびその装置 |
JP2005054213A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-03 | High Frequency Heattreat Co Ltd | 底つき筒体の筒部の内表面の焼入れ方法 |
KR100516414B1 (ko) * | 1996-08-16 | 2005-11-25 | 캐타필라 인코포레이티드 | 부싱열처리방법및장치 |
EP1985716A2 (en) * | 2007-04-27 | 2008-10-29 | Chun Young Park | Apparatus and method for continuously processing long bar by heat treatment using induction heating |
CN112638616A (zh) * | 2018-08-27 | 2021-04-09 | 住友重机械工业株式会社 | 注射成型机 |
-
1991
- 1991-07-25 JP JP3185080A patent/JPH0533041A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0792038A (ja) * | 1993-09-28 | 1995-04-07 | Hitachi Ltd | 応力評価方法およびその装置 |
KR100516414B1 (ko) * | 1996-08-16 | 2005-11-25 | 캐타필라 인코포레이티드 | 부싱열처리방법및장치 |
JP2005054213A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-03 | High Frequency Heattreat Co Ltd | 底つき筒体の筒部の内表面の焼入れ方法 |
EP1985716A2 (en) * | 2007-04-27 | 2008-10-29 | Chun Young Park | Apparatus and method for continuously processing long bar by heat treatment using induction heating |
JP2008274433A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Chun Young Park | 誘導加熱によるロングバーの連続熱処理方法及び装置 |
EP1985716A3 (en) * | 2007-04-27 | 2012-02-29 | Chun Young Park | Apparatus and method for continuously processing long bar by heat treatment using induction heating |
CN112638616A (zh) * | 2018-08-27 | 2021-04-09 | 住友重机械工业株式会社 | 注射成型机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6327883B1 (en) | Method of flattening metal strip | |
US4872923A (en) | Die-less drawing method and apparatus | |
CN105264321B (zh) | 用于退火炉的炉窑 | |
US20220074008A1 (en) | Method and system of manufacturing coiled tubing | |
CN105593384A (zh) | 环状构件的热处理方法以及环状构件的热处理设备 | |
JPH0533041A (ja) | 長軸材の表面熱処理方法 | |
US3429164A (en) | Method of processing ferrous strip | |
CN105170692A (zh) | 一种高强度铝合金管材应力控制生产工艺 | |
RU2738270C1 (ru) | Способ и устройство последующей обработки коленчатого вала | |
CN107900144B (zh) | 一种酸洗在线平整机的延伸率复合控制方法 | |
JP2574869B2 (ja) | 長軸材の表面熱処理方法 | |
JPH04218621A (ja) | 長軸材の表面熱処理方法 | |
US5104462A (en) | Scanning induction hardening process by using radially moving induction coil | |
US5433800A (en) | Scanning induction hardening | |
US4459164A (en) | Method and apparatus for compensating for axial deformation of screw shafts due to heat treatment | |
JP2001038421A (ja) | 長尺部材の曲がり矯正装置 | |
SE508222C2 (sv) | Förfarande för sträckning av profilelement vid induktionshärdning | |
JPH07305151A (ja) | 高力アルミニウム合金の成形方法 | |
KR950007182B1 (ko) | 강의 주사유도경화처리에 있어서 직선도의 제어방법 | |
US3557592A (en) | Apparatus for and method of producing strip metal | |
JP2000273543A (ja) | 高周波焼入装置およびこれに用いられる焼入制御方法 | |
JP2002224750A (ja) | 棒状体の矯正方法 | |
JP2538261B2 (ja) | 高周波誘導加熱熱処理方法 | |
CN109943703A (zh) | 用于制造连续管的方法和系统 | |
US20170094730A1 (en) | Large billet electric induction pre-heating for a hot working process |