JP2000202525A - 棒状体の矯正方法 - Google Patents

棒状体の矯正方法

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JP2000202525A
JP2000202525A JP11004210A JP421099A JP2000202525A JP 2000202525 A JP2000202525 A JP 2000202525A JP 11004210 A JP11004210 A JP 11004210A JP 421099 A JP421099 A JP 421099A JP 2000202525 A JP2000202525 A JP 2000202525A
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chuck
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JP11004210A
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Keizo Hori
惠造 堀
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱処理によって生じる不均一伸びがボールねじ
のリードを不均一にする変形を矯正して、前工程を容易
にする。 【解決手段】例えばボールねじ等の棒状体ワーク1の両
端部をチャック2、3で把持し、何れかのチャック3を
回転して弾性変形範囲内でワーク1に捩り応力を与え、
その状態でコイル7によってワーク1の非チャック部分
を均一な温度まで加熱する。この加熱温度と加える捩り
応力,即ちトルクに応じて、ワーク1に生じている不均
一伸びを除去し、リードを均一化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばボールねじ
のように外周面に螺旋状の凹凸が設けられた棒状体の矯
正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、ボールねじに使用されるねじ軸は
浸炭焼入や高周波焼入等の熱処理が施される。特に長尺
物のねじ軸については、被熱処理物であるねじ軸を、長
手方向が鉛直になるようにして、宙吊りにした状態で熱
処理されている。宙吊り状態で熱処理されるねじ軸の全
長は、熱処理中にその自重によって伸びる。しかしなが
ら、吊下げられているねじ軸の上部と下部では、伸びる
割合に差があり、自重の影響をより多く受ける吊下げ上
部の方が吊下げ下部よりもより多く伸びる。その結果、
吊下げ上部と吊下げ下部とでリード(ねじの進み,図5
参照)が異なってしまう。そこで、従来は、この熱処理
時のリードの不均一伸びを予測して、熱処理の前工程で
ある旋削工程で、例えば吊下げ上部に相当するねじのリ
ードを吊下げ下部に相当するねじのリードより短くする
といったように、補正した寸法でリードを加工すること
により、熱処理後のリードが公差の範囲内になるように
工夫している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の技術では、材質や旋削時の加工の微妙な相違等によ
り、熱処理後のリードの不均一伸びが一定に現れず、リ
ードを確実に公差内に収めるには、膨大な試行錯誤を必
要とする。このような問題は、ボールねじに限らず、例
えば歯が捩れているスプライン軸や歯車軸などでも同様
に発生する。
【0004】本発明は前記諸問題を解決すべく開発され
たものであり、熱処理後に棒状体を捩じりながら加熱す
ることで、例えばリードの不均一伸びなどの変形を矯正
して、それを公差内に収めるようなことができる棒状体
の矯正方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる諸問題を解決する
ために、本発明に係る棒状体の矯正方法は、外周面に螺
旋状の凹凸が設けられた棒状体の矯正方法であって、弾
性変形範囲内で棒状体に捩り応力を加えながら加熱する
ことを特徴とするものである。この発明では、弾性変形
範囲内で捩り変形を与えながら加熱することにより、そ
の焼戻し時に生じる塑性によって、ねじ軸等の棒状体に
残留歪みが生じ、螺旋状凹凸のリードを大きくしたり小
さくしたりすることができるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本実施形態の棒状体の矯正方法を実
施化する矯正装置の概要である。この実施形態では、ボ
ールねじを対象物、つまりワークとし、そのリードを矯
正することを目的としている。
【0007】ワーク1の図示右方端部は固定チャック2
のチャック爪2aで、ワーク1の図示左方端部は駆動チ
ャック3のチャック爪3aで、夫々把持される。駆動チ
ャック3のチャック爪3aは、オイルポンプ4から駆動
チャック3内に供給される油圧によって開閉されるよう
になっている。また、駆動チャック3は一対の歯車対5
を介して油圧モータ6に連結されており、当該油圧モー
タ6を回転駆動すると駆動チャック3全体が回転され
る。従って、前記固定チャック2と駆動チャック3とで
ワーク1の両端部を把持して、油圧モータ6を回転駆動
すると、ワーク1には捩り応力が加えられて捩り変形が
生じることになる。
【0008】また、ワーク1の一部を取り囲むように誘
導加熱用コイル7が配置されている。また、この誘導加
熱用コイル7を挟んで、ワーク1の長手方向両側には、
ワーク1にエアを吹き付けるエアーノズル8が配設され
ている。また、ワーク1のうち、前記誘導加熱用コイル
7で加熱される部分の温度を検出する放射温度計9も配
設されている。そして、これら誘導加熱用コイル7、エ
アーノズル8、放射温度計9は、夫々、ワーク1と一定
の距離を保ったまま、図示されない移動手段によってワ
ーク1の長手方向に所望の速度で移動できるようになっ
ている。
【0009】この矯正装置では、ワーク1の両端部を前
記固定チャック2及び駆動チャック3で把持した後、前
記油圧モータ6で駆動チャック3を回転することにより
ワーク1に捩り応力を加える。この状態で、前記誘導加
熱用コイル7でワーク1を加熱するのであるが、ワーク
1の非チャック部分が均一に加熱されるように、前記放
射温度計9でワークの温度を計測しながら、前記誘導加
熱用コイル7、エアノズル8、放射温度計9をワーク1
の長手方向に一定の速度で移動する。また、ワーク1は
軸方向に移動でき(図1の破線と矢印)、駆動チャック
3で把持又は把持を解放しつつ、ワーク1に捩り応力を
加える場所を軸方向に任意に選択できる。
【0010】この矯正装置によって与えられるトルクと
ワーク、つまりボールねじの軸径との関係を図2に示
す。図は、ワークを所望の捩り角まで捩じってワークに
捩り応力を付与した後に、円周方向の残留歪みの有無を
調査した結果である。なお、ワークは長さ1000mm
のSUJ2製の焼入れ焼戻し品(焼入れ:840℃×3
0min→60℃油中急冷,焼戻し:160℃×90m
in)を用いた。図中の白丸は残留歪みが生じなかった
ものであり、黒丸は残留歪みが生じたものである。従っ
て、白丸は弾性変形範囲に、黒丸は塑性変形範囲に夫々
属し、両者の境界が図中の曲線になる。そのため、白丸
のワークに円筒研削を施しても変化はないが、黒丸のワ
ークでは、加工前より変形が大きくなった。即ち、塑性
変形領域までワークを捩ると、ワークに残留応力が内在
してしまい、その後の研削加工の際に、その残留応力が
開放されて、新たな変形の原因になると考えられる。従
って、ワークに付与する捩り応力は弾性変形範囲内であ
る必要がある。
【0011】図3には、螺旋状の凹凸が設けられたワー
ク、つまりボールねじに前記矯正装置で変形の矯正を行
った結果を示す。図中の横軸は熱処理パラメータθであ
り、縦軸はリード加工率である。熱処理パラメータθは
下記1式で、リード加工率は下記2式で与えられる。 θ=(273+T)・(log(t)+17) ……… (1) 但し、 T:ワークの最高到達温度(℃) t:加熱開始から最高到達温度に到達するまでの時間+
最高到達温度保持時間である。
【0012】リード加工率=(LB −LA )/LB 但し、 LB :矯正処理前のリード LA :矯正処理後のリード である。
【0013】ここでは、前記長さ1000mm,外径φ
10mmのワークをトルク10kgf・mで捩りながら
加熱した。図3より、熱処理パラメータθが約8500
でリード加工率は0でなくなり、矯正効果が現れ始め
る。そこから、熱処理パラメータθが大きくなるにつれ
て、リード加工率が徐々に大きくなり、熱処理パラメー
タθが約10500あたりから、リード加工率は著しく
大きくなる。従って、本実施例では、熱処理パラメータ
θが8500以上の条件で加熱することが望ましい。
【0014】次に、図4には、前記図3でプロットされ
たワークの硬さを調べた結果を示す。図の横軸は前記熱
処理パラメータθであり、縦軸は、表面下0.2mmの
位置でのマイクロビッカース硬さ(Hv)である。同図
より、熱処理パラメータθの増加に伴って硬さが低下し
ており、熱処理パラメータθが10500で硬さは60
3Hvとなっている。ボールねじのねじ軸に要求される
硬さは603Hvであるから、SUJ2製のワークに適
用する場合には、熱処理パラメータθの上限は1050
0となる。従って、熱処理パラメータθを10500以
下の領域で加熱する必要がある。従って、望ましい熱処
理パラメータθの領域は8500〜10500となる。
【0015】なお、前記実施形態で変形矯正されたワー
クの断面硬さは、中央部よりも表面の方が硬さが低い
が、表面から最大剪断応力深さまで、所望の硬さが得ら
れていればよい。また、前記実施形態では、SUJ2を
焼入れ焼戻ししたボールねじについてのみ説明したが、
ウオーム歯車、軸方向及び周方向に捩れた歯を持つヘリ
カル歯車等にも適用でき、対象とするワークの材質や熱
処理の種類、或いは対象そのものもこれらに限定される
ものではない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、螺旋状凹凸を有す
る棒状体の矯正方法によれば、弾性変形範囲内で棒状体
に捩り変形を与えながら加熱することにより、その焼戻
し時に生じる塑性によって、ねじ軸等の棒状体に残留歪
みが生じ、螺旋状凹凸のリードを大きくしたり小さくし
たりすることができ、リードの不均一伸びなどの変形を
矯正して、それを公差内に収めるようなことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の棒状体の矯正方法の一実施形態を示す
矯正装置の概略構成図である。
【図2】トルクに対する弾性変形範囲と塑性変形範囲と
の説明図である。
【図3】熱処理パラメータとリード加工率との関係を示
す説明図である。
【図4】熱処理パラメータと硬さとの関係を示す説明図
である。
【図5】ボールねじのねじ軸のリードの説明図である。
【符号の説明】
1はワーク(ボールねじ軸) 2は固定チャック 3は駆動チャック 4はオイルポンプ 5は歯車対 6は油圧モータ 7は誘導加熱用コイル 8はエアノズル 9は放射温度計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に螺旋状の凹凸が設けられた棒状
    体の矯正方法であって、弾性変形範囲内で棒状体に捩り
    応力を加えながら加熱することを特徴とする棒状体の矯
    正方法。
JP11004210A 1999-01-11 1999-01-11 棒状体の矯正方法 Pending JP2000202525A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102198457A (zh) * 2010-03-26 2011-09-28 广西玉柴机器股份有限公司 曲轴弯曲变形的校直方法及校直工装
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