JPH04218621A - 長軸材の表面熱処理方法 - Google Patents

長軸材の表面熱処理方法

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JPH04218621A
JPH04218621A JP3071302A JP7130291A JPH04218621A JP H04218621 A JPH04218621 A JP H04218621A JP 3071302 A JP3071302 A JP 3071302A JP 7130291 A JP7130291 A JP 7130291A JP H04218621 A JPH04218621 A JP H04218621A
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JP
Japan
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heat treatment
amount
long shaft
induction heating
heating coil
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Pending
Application number
JP3071302A
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English (en)
Inventor
Kunio Arakawa
荒川 邦夫
Masanori Watanabe
渡辺 昌典
Yuji Ishizaka
石坂 雄二
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Chubu Seiki Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Chubu Electric Power Co Inc
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Chubu Seiki Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Chubu Electric Power Co Inc, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd, Chubu Seiki Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長軸材の熱処理方法に係
り、特に種々の加熱条件の組み合わせ制御によって軸方
向の伸縮変形量の調整を行う長軸材の表面熱処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】所定の硬度と寸法精度とが要求される軸
材やねじ軸などの表面には、熱処理(焼入れ及び焼戻し
)を施すことによって表面硬化を生成し、軸の強度や耐
摩耗性を向上させている。軸材やねじ軸等への焼入れ処
理を高周波焼入れ、即ち誘導加熱によって実施する場合
、軸材やねじ軸(以下被処理材と記す)の表面の加熱昇
温した部分のみに熱膨張が生じて、次に焼入れのために
水冷を施した際には同じく表面層だけに急激な収縮が生
じる。
【0003】そして、被処理材が鋼材の場合には、焼入
れに伴う表面の相変態による体積膨張が生じるので、表
面の焼入層において膨張が生じる。
【0004】そしてこれらの表面層の膨張または収縮に
伴う応力が内部の応力と釣り合うまで被処理材に変形が
生じる。鋼材の表面焼入れにおいては一般に表面層の相
変態による膨張に伴って軸方向については図9の被処理
材の断面に示す応力図で明らかなように表面層に圧縮応
力が発生し、内部に生じる引張応力と全断面で釣り合い
がとれるまで長さ方向に伸びが生じて被処理材の全長が
増加する場合が多い。なお、焼戻し処理の場合の変形は
一般的に少ない。
【0005】また被処理材としての長軸材の外周にねじ
の冷間転造などの冷間成形加工が施されている場合には
、冷間転造によって被処理材の外周層は圧縮延伸され、
外周部には軸方向に圧縮応力が残留し、内部には引張応
力が残留している。この状態で被処理材の外周表面を高
周波加熱すると外周層の圧縮残留応力が消失し、且つ表
面層は変形し易くなるので全体は軸方向に縮む。なお熱
間転造や切削加工によって成形された被処理材の場合に
はこのような変形は生じない。また被処理材が冷間成形
加工を施された鋼材の場合には、表面焼入れのための外
周層の加熱昇温によりまず上記の軸方向の縮みが起こり
、次に表面に水冷による焼入れを行うと熱処理によって
変態して表面層が膨張するので軸方向に伸長する。 そして最終的に熱処理完了時の被処理材の変形量は高周
波加熱による縮み量と焼入れによる伸長量とのどちらが
大きいかによって決まるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように被処理材
の表面に熱処理を施すことによって軸方向に伸縮変形が
生じるので一般に被処理材に対する加工寸法は、予め熱
処理によって生じる変形量を見込んだ成形加工寸法値で
実施されているが、熱処理による変形量は熱処理条件の
他に、被処理材の材質や成分,前工程での熱処理状態,
成形加工方法と加工量などによっても大きく左右される
ので、熱処理条件を一定にしても、なかなか一定の値に
安定させることが困難であった。従って熱処理後の被処
理材の寸法を精度良く揃えることが難しいという問題点
があった。特に被処理材がねじ軸の場合には、熱処理に
よる変形量はピッチ誤差として生じるため、この変形を
修正するための後加工として研削加工が必要となってい
た。
【0007】上記のように被処理材に熱処理を施す場合
に生じる軸方向の伸縮変形に対しては、要求される高精
度の仕上げ寸法とするために熱処理後の工程で研磨加工
を加えることにより、製品の精度仕様の確保が行われて
いた。特にねじ軸において発生する軸方向の伸縮変形を
修正する仕上げ加工は、研磨加工装置の加工量が1回の
送り当たり数μm程度で、ねじ溝深さが数mmであれば
、加工量は数mm/数μmとなって1000ステップ程
度の送り量が必要で、1本当たり数mの軸材の仕上げ加
工時間は1日の単位を費やす。
【0008】上記のような被処理材の寸法変化は、熱処
理工程の前工程における処理や加工条件が異なる場合や
、被処理材の製造ロットやメーカーが異なる場合等では
熱処理条件を一定にしても安定することが困難であり、
熱処理後の寸法精度を一定の値で安定に維持すると共に
後工程の仕上げ加工を容易に且つ短縮することができる
熱処理方法が望まれていた。
【0009】また、長軸材である被処理材を熱処理する
と殆どの場合大きな曲がりが生じ、熱処理後に曲がりの
矯正作業を必要とした。しかも曲がりの矯正によって被
処理材には新たな内部応力が発生して残留し、またこの
ために仕上げ加工中に新たな曲がりが生じて精密な寸法
に仕上げることが難しいという問難点も有った。
【0010】本発明は上記の課題に鑑み成されたもので
、被処理材の表面熱処理によって生じる長さの変形量を
一定に制御するとともに曲がりの発生を防止し、熱処理
後の仕上げ加工を省略または容易とする熱処理方法の提
供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段と作用】本発明は誘導加熱
装置の電力制御のみでなく、熱処理条件に関係する種々
の要因の調整を行うことで被処理材の表面からの熱処理
深さを制御するとともに被処理材に張力を加えることに
より、被処理材の長さの変形量を制御しようとするもの
で、具体的手段は、長軸材に軸方向への張力を付加する
とともに、誘導加熱コイルに供給する周波数およびその
電力量と、移送する長軸材または誘導加熱コイルの移送
速度と、長軸材に施す予熱の温度と、長軸材に加える張
力の値との内のいずれかまたは複数の組み合わせ条件を
調節して軸方向の伸縮変形量を制御することを特徴とし
、あるいは、上記の組み合わせ条件と長軸材の軸方向の
伸縮変形量との関係を予め算出して基準伸縮変形量に対
する基準熱処理条件を設定し、熱処理を実施するに当た
って軸方向の伸縮変形量を連続的に検出して、この検出
量と基準伸縮変形量の比較値を制御量として算出し、前
記の熱処理条件の内のいずれかまたは複数の組み合わせ
にもとづいた熱処理条件を自動制御で補正することによ
り軸方向の伸縮変形量を調整することを特徴とする。
【0012】上記手段を用いることにより、長軸材の伸
縮変形量に影響を与える熱処理条件のいずれかまたは複
数の条件を種々に組み合わせて調節する熱処理方法が行
われ、あるいは更に基準として設定した伸縮変形量を設
定値としてフィードバック制御が行われ、熱処理する長
軸材の伸縮変形量は安定した設定範囲に制御することが
できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。最初に本発明の熱処理方法に関係する熱処
理条件について説明する。
【0014】前記、従来の技術において説明したように
軸材やねじ軸等のような長軸材から成る被処理材の外周
面を表面熱処理した場合、長さ方向の伸縮は表面層に生
じた応力が内部の応力と断面全体にわたって平衡するこ
とにより発生するものである。
【0015】従って熱処理層の深さが浅ければ表面層に
生じる応力が断面全体におよぼす影響力は小さく、長さ
方向の伸縮量は少なくなり、逆に熱処理層の深さが深け
れば、長さ方向の伸縮量は大きなものとなる。また、熱
処理に際して長軸材に付加する軸方向の張力の値によっ
ても長さ方向の伸縮量が変化する。
【0016】本発明は被処理材の長さ方向の変形量δ(
mm/m)と、熱処理深度γ(mm)および軸方向の張
力の値の関係を求めて、熱処理深度γや張力の値を制御
することによって長さ方向の変形量δの値を所定の範囲
に収めようとするものである。なお被処理材の強度や耐
久性,寿命等から必要とする熱処理深度γ等の仕様が決
められる場合には、熱処理深度γはその仕様を満足する
範囲内で調整して長さ方向の伸縮変形量を制御するもの
である。
【0017】誘導加熱による熱処理方法では、熱処理深
さγを制御するための加熱条件として次の3つの条件が
考えられる。第1には、誘導加熱コイルに供給する電力
の周波数fの値、第2には被処理材あるいは誘導加熱コ
イルの移送速度vの値、第3には被処理材に対して熱処
理の前に施す予備加熱の値である。上記の3条件につい
て順に詳細に説明する。
【0018】第1の条件としての誘導加熱コイルに供給
する電力の周波数fの制御については、供給電力の周波
数fと被処理材の表面における電流の浸透深さDとの間
には次の関係式が知られている。即ち、
【0019】
【数1】
【0020】(但しρ:被処理材の固有抵抗値(μΩ・
cm),μ:被処理材の透磁率)で表される関係式で、
加熱コイルに流れる交番電流の磁束の交鎖によって被処
理材の表面に誘起された電流は表面から深さD(cm)
までの表面部分を流れて抵抗損による発熱を生じる。具
体例として被処理材が常温を含む磁気変態点以下の温度
では磁性を示す鉄鋼材の場合について示すと、周波数f
(Hz)と誘導電流の深さD(cm)と表面層の温度θ
(℃)の関係は次のように表される。(但し約780℃
の磁気変態点以上では非磁性となる)
【0021】
【表1】
【0022】一般的には上記の関係は左縦軸に焼入深度
をとり、横軸に周波数をとった図3に曲線(イ)で示す
ような関係となる。即ち、熱処理深度である焼入深度γ
を、第一義的に誘導加熱コイルに供給する電力の周波数
fの値によって大きく変えることが可能で、焼入深度γ
を制御することができる。
【0023】また、周波数fをf3 からf1 に低く
すると加熱深さ従って焼入深度がγ1 からγ2 へと
深くなるため、図3に曲線(ロ)で示すように加熱温度
を維持するための供給電力はP1″からP3″へ増大さ
せる必要がある。なお、周波数を可変とすると電源の設
備費は増加することとなる。
【0024】第2の条件としての焼入れ部分を連続的に
移送する移送速度vの制御については、誘導加熱コイル
を流れる交番電流によって誘起されて被処理材の表面か
ら深さD(cm)迄の表面部分を流れる誘導電流による
直接的なジュール加熱によって表面層が昇温するが、同
時にまた内部に対して熱の伝導が生じて時間と共に内部
への熱の拡散浸透が行われて内部の温度も上昇する。従
って被処理材の移送速度vが小さい程内部への熱の伝導
量が増加して、被処理材内部の温度も上昇するので焼入
深度γが大となり、逆に移送速度vが大きい場合には、
焼入深度γは浅くなる。なお、移送速度vを速くした場
合には単位時間当たりの被処理材の加熱長が増加するの
で、誘導加熱コイルに供給する電力量を増加させて設定
した加熱温度を維持する必要がある。上記の関係を示し
たものが図4(a)で、左縦軸に焼入深度γをとり横軸
に移送速度vをとって、移送速度vをv1からv3に増
加して(曲線(ハ))、これに見合って供給電力量Pを
P1 からP3 に増加する(曲線(ニ))ことにより
、焼入深度γはγ3 からγ1 に浅くなる。移送速度
vを制御する方法として、被処理材を移送するのではな
く、誘導加熱コイルを移送してもよい。
【0025】第3の条件として、被処理材に施す予備加
熱の制御については、例えば図7に示す誘導加熱による
焼入装置要部に備えたように、焼入れを施す誘導加熱コ
イル11の左側に予熱用の誘導加熱コイル15を設けて
被処理材2に施す予備加熱量を調整することにより焼入
深度γを制御するものである。
【0026】即ち、予備加熱を行うことにより焼入深度
γは大となり、予備加熱温度が高いほど焼入深度γを大
きくすることができる。上記の関係を示したものが図4
(b)で、左縦軸に一定温度での予備加熱を施した被処
理材の焼入深度γを表し、横軸に被処理材の移送速度v
を表している。図4(b)の曲線(ホ)と予備加熱のな
い図4(a)の曲線(ハ)とを比較すると、移送速度v
が同じ速度の場合でも、γ1<γ1’(速度がv3の場
合),γ3<γ3’(速度がv1の場合)で示されるよ
うに、焼入深度γは予備加熱有りの被処理材の方が深く
なることが明らかである。図4(b)の曲線(ヘ)は供
給電力量をしめす。なお図4(b)は1種類の予熱温度
で予備加熱を行った場合についての代表例を示したもの
であるが、予熱温度を変えた場合についても同様の関係
を求めることにより熱処理(焼入)深さγと予熱温度お
よび供給電力量P等との関係を求めておくことができる
【0027】次に被処理材に加えた焼入れ処理における
被処理材の表面から内部に向かっての硬度分布(焼入深
度)と加熱条件との関係を示したものが図1(a),(
b)であり、焼入深度と被処理材の伸縮変形量との関係
を示したものが図2(a),(b)である。図1(a)
,(b)は縦軸に被処理材の焼入れ後の硬度H、横軸に
被処理材の表面からの距離(深さ)γをとって、被処理
材断面における硬度分布を表したもので、硬度H0 が
焼入層としての限界硬度値を示す。
【0028】図1(a)は上記の加熱条件の移送速度v
の調整による焼入深度γの制御方法で、被処理材の移送
速度vをv1,v2,v3 に変化させた場合に相当し
、移送速度vが小さい程(v1)焼入深度γは大となり
硬度Hの分布の傾斜が変化する。図2(a)は縦軸に被
処理材の伸縮変形量δ、横軸に焼入深度γをとって、図
1(a)の場合の被処理材の焼入深度γと伸縮変形量δ
の関係を示したもので、焼入深度γが増加する程伸縮変
形量δが増大することがわかる。従って、図2(a)は
移送速度v,供給電力量P,伸縮変形量δとの関係に置
き換えることもできる。
【0029】一方、図1(b)は上記の加熱条件の供給
電力の周波数fの調整による焼入深度γの制御方法で、
誘導加熱コイルに供給する電力Pの周波数fをf1,f
2,f3 に変化させた場合に相当し、周波数fが高く
なる程(f3 )、焼入深度γは小さくなる。そしてこ
の場合には図1(a)に示す場合と異なり、周波数fの
値に拘わらず硬度分布の傾斜は変わらずにほぼ平行移動
することが特徴である。図2(b)は図1(b)の場合
の焼入深度γと被処理材の伸縮変形量δの関係を示すも
ので、図2(a)と同様に焼入深度γが大きくなる程伸
縮変形量δが増大する。従って図2(b)は供給する電
力の周波数fとその電力量Pと伸縮変形量δとの関係に
置き換えることができる。
【0030】上記のように第1の条件としての熱処理深
さγと誘導加熱コイルに供給する周波数fおよび電力量
Pとの関係、第2の条件としての熱処理深さγと移送速
度vおよび電力量Pとの関係、第3の条件としての熱処
理深さγと予熱温度および電力量P,移送速度vとの関
係のうちのいずれかまたは複数の関係について予め求め
ておくことができる。また熱処理後の軸方向の伸縮変形
量δと熱処理深さγとの関係も予め求めておくことがで
きる。この関係式を利用して後述する伸縮変形量δを一
定の範囲内に収める制御を行うものである。
【0031】一方、熱処理を行うと長軸材は殆どの場合
曲がりを生じるが、長軸材に軸方向の張力を付加しなが
ら熱処理を施すと曲がりを防止することができる。張力
と曲がりとの関係を図2(c)に示す。張力が小さいと
曲がりが生じ、ある程度大きくすれば曲がりを防止する
ことができる。曲がり量bが0.1mm/m以下となる
ように張力Tの値を決めることができる。
【0032】また、張力を加えながら熱処理を行うと当
然に長軸材に伸びが生じるので、第4の条件として、長
軸材に付加する軸方向の張力の値は伸縮変形量δを制御
する要素にもなりうる。張力Tの大きさと伸縮量δとの
関係を図2(d)に示す。図に示される伸縮量δは、張
力Tを付加しない場合に対して付加した場合の差分を示
すものである。従ってまた種々の値の張力Tを付加した
場合について、図2(a)および図2(b)と同様の焼
入深度と伸縮量の関係を予めそれぞれ求めておくことが
できる。そして第4の条件としての張力の値を変化させ
ることによっても伸縮変形量δの制御を行うものである
【0033】図6(a)に第1実施例の熱処理装置の要
部を示し、図6(b)には第1実施例における制御信号
の流れ図を示す。最初に図6(a)を参照して第1実施
例の熱処理装置の要部の構成を説明する。
【0034】第1実施例は被処理材をねじ軸として、そ
の表面に焼入れの熱処理を施す場合について説明する。 熱処理を行う焼入装置1はねじ軸2の左端をチャック3
で着脱自在に保持する一方、右端には回転自在な状態で
引張力を付加できるようになっている。即ち、回転自在
かつ軸方向へ移動自在に支持された補助軸4の左端がね
じ軸2に結合され、補助軸4の右端に形成されたフラン
ジ部4aが分割式の連結部材21の内部で回転自在に保
持される。そして、移動ベッド6に固定されたテンショ
ンシリンダ22のロッド22aの先端が連結部材21に
結合される。そしてテンションシリンダー22内にてロ
ッド22aに加えられる流体圧力を検出することによっ
てねじ軸2に付加される引張力の値を検知できると共に
、流体圧力を変化せしめることによって引張力(張力)
の値を制御できるようになっている。またねじ軸2に加
える誘導加熱を円周方向に均一なものとするために、チ
ャック3は減速機構を直結したモータ5によって回転駆
動される。
【0035】また焼入装置1には、ねじ軸2をその軸方
向に移送するための移送手段が設けられる。即ち、移送
手段は移動ベッド6の一端部と螺合する送りねじ軸7と
、減速機を介してこの送りねじ軸7を回転駆動する移送
用モータ8によって形成される。この移送用モータ8に
はパルスエンコーダ9が設けられ、移送用モータ8の回
転数はパルス列に変換されて出力され、パルス数のカウ
ントにより被処理材のねじ軸2の移送距離が検出される
。また移動ベッド6の右側の一端部と補助軸4の中間部
に形成した大径部4bの間には、ねじ軸2の伸縮変形量
を計測するための検出センサ10が設けられる。検出セ
ンサとしてはダイヤルゲージや圧力検知式のものやその
他変位量を測定できるものであればよい。
【0036】ねじ軸2の外周には誘導加熱コイル11と
、その右方に焼入れ用の冷却液を放出する冷却リング1
2が配設され、誘導加熱コイルは可変電圧の機能を備え
た電源装置13に接続される。また誘導加熱コイルによ
る加熱部には温度検出センサ14を設けて、ねじ軸2の
表面温度の検出を連続的に実施する。そして前記の移動
手段によってねじ軸2を図中に矢印で示すように左から
右方向に移動せしめながら軸方向に順次表面焼入れを施
す。本実施例の焼入装置には演算処理部を備えた制御装
置20が設けられている。
【0037】上記のように構成された焼入装置1におけ
る前記の第2の条件または第4の条件を用いた焼入れ熱
処理方法を説明する。
【0038】被処理材であるねじ軸2には、焼入れ処理
によって軸方向に生じる伸縮変形量を予め基準変形量と
して見込んだうえで成形加工、即ち冷間転造加工等が施
されている。次に成形加工されたねじ軸2はロット毎に
試し焼入れが、上記の構成から成る焼入装置1によって
実施される。その際のねじ軸の伸縮変形量,供給電力値
,表面温度,移送速度,ねじ軸の張力等を計測すること
によって、予め求めておいた、図2(a),(c),(
d)および図4(a)に図示される関係式からねじ軸の
曲がり量を所定の極めて小さい値以下とするとともに、
焼入れ後の伸縮変形量を基準変形量とするための焼入深
度γおよびそのための移送速度v,供給電力値Pと張力
Tを知ることができる。
【0039】上記のようにして求められた各データ値が
そのロットに対する基準熱処理条件となる。この場合周
波数fは一定である。このようにしてロットに対する代
表値としての基準熱処理条件は決められるが、同一ロッ
ト内にあっても1本づつのねじ軸2の伸縮変形量に差異
が生じるので、さらにねじ軸2の夫々の個体別に熱処理
条件の補正を行いながら焼入れ処理を行う。この焼入れ
処理方法は、まず予め設定した上記の基準変形量および
加熱温度(省略しても可)と、予め求めたねじ軸2の図
2(a),(d),[または張力Tを付加した場合の図
2(a)に相当する関係式]および図4(a)の関係式
を制御装置20に設けた記憶部に記憶させる。次に試し
焼入れによって求めてある基準熱処理条件の移送速度v
,供給電力量P,張力Tの値により1本毎の焼入れ処理
を開始する。この場合にねじ軸2の移送量はパルスエン
コーダ9により連続的に検出され、伸縮変形量は検出セ
ンサ10により検出され、加熱表面温度は温度検出セン
サ14によっていずれも連続的に計測検出されて制御装
置20に入力される。
【0040】まず前記の第2の条件を補正する場合につ
いて説明する。制御装置20内では計測検出された移送
量(加熱位置)毎のねじ軸2の伸縮変形量を、設定され
た基準変形量における移送量毎の伸縮変形量と比較演算
し、その差を演算処理部によって算出する。差が生じた
場合には、その差値を補正するための焼入深度の補正値
Δγが図2(a)に示す関係により算出される。続いて
焼入深度をΔγだけ変化させるための移送速度vの補正
値Δvおよび電力量の補正値ΔPが図4(a)の関係か
ら算出される。この場合温度センサ14の検出するねじ
軸2の加熱表面温度が、設定した温度と一定以上の差が
有るときは、温度差を補正するために電力量の補正値Δ
PはΔP′に再補正される。この設定温度は一義的には
ねじ軸2の材質により決定されるものであるが、材質以
外に更に焼入深度γに対応して設定温度を変化すること
により、より精度の高い制御をすることができる。次に
移送速度の補正値Δvから移送用モータ8の回転数が求
められて、移送速度の補正制御が行われると共に、誘導
加熱コイルへの供給電力量は補正値ΔPまたはΔP′に
よる補正制御が行われる。
【0041】次に、第4の条件を補正する場合について
説明する。前記と同様にして焼入れ処理中に連続的に検
出されたねじ軸2の伸縮変形量と基準変形量における伸
縮変形量との間に差が生じた場合には、その差値を補正
するための張力の補正値ΔTが図2(d)に示す関係等
により算出されると共にテンションシリンダ22におけ
る流体圧力の補正値に換算される。そしてこの補正値に
従って、テンションシリンダ22内にてロッド22aに
加えられる流体圧力は図示を省略した流体圧力調節装置
によって補正制御が行われる。
【0042】以上の繰り返しによるフィードバック制御
が加えられる中で、表面焼入れ処理が実施されるので、
設定した基準変形量の範囲内でねじ軸1本1本の焼入れ
を実施することができるのである。
【0043】従って、焼入れ後のねじ軸のねじピッチを
一定の設定値の範囲内の変動幅とすることができるので
、焼入れ処理後の研磨仕上げ加工に要する工数と費用を
大きく低減することができる。また精度ランクの低い製
品としてのねじ軸には、焼入れ処理後の仕上げ加工は省
略することも可能である。なお、前記の第2の条件とし
ての移送速度と第4の条件としての張力値を組合せて補
正制御を行ってもよい。
【0044】次に本発明の第2実施例について説明する
。図7は第2実施例の焼入れ方法を実施する焼入装置1
aの要部の構成を示した図である。以下第2実施例の説
明にあたって、上記第1実施例と重複する部材、方法に
ついては説明を省略する。従って図7の焼入装置の図に
おいて、図6と同一部分は図示を省略する。
【0045】第2実施例では焼入れ用の誘導加熱コイル
11の左側にもう1個の予熱用の誘導加熱コイル15と
、仕上げ転造ロール17を配設している点が、第1実施
例の焼入装置1の構成と異なる点である。誘導加熱コイ
ル15に電源16より電力を供給して、ねじ軸2を所定
温度に加熱し、ねじ軸2と同期して回転している一対の
仕上げ転造ロール17により、ねじ軸2のねじ部に仕上
げ温間転造加工を施す。続いて誘導加熱コイル11によ
って加熱昇温した後、冷却リング12から放出される冷
却液により急冷して表面焼入れを施す。上記誘導加熱コ
イル15による加熱部にも表面温度を検出する温度セン
サ18が設けられ、温度センサの検出温度は制御装置2
0に制御データとして入力される。
【0046】上記のように構成された焼入装置1aにお
ける前記の第3の条件を用いた焼入れ熱処理方法につい
て説明する。
【0047】第1実施例の場合と同様に、ロット毎の試
し加工および焼入れを実施して、その場合の伸縮変形量
,電力値,温度センサ18の検出する予備加熱温度、温
度センサ14の検出する焼入れ加熱温度、ねじ軸の張力
、および移送速度を計測検出することによって、図2(
a),(d)の関係から、焼入れ処理後の伸縮変形量を
基準変形量に制御するための張力Tおよび焼入深度γの
値が算出される。
【0048】更に予め求めておいた夫々の予備加熱温度
における図4(b)の関係により焼入深度をγとするた
めの予備加熱温度および移送速度v,電力値Pが算出さ
れ、張力Tとともに基準熱処理条件として設定される。 この場合周波数fは一定である。次に実際に各個別にね
じ軸を1本づつ焼入れ処理するに当たっては、予め設定
した基準変形量および焼入れ加熱温度と、予め求めた図
2(a),(d)および予熱温度の変化を含めた図4(
b)の関係式を制御装置内に記憶させる。
【0049】以下第1実施例と同様にねじ軸を1本毎に
基準熱処理条件の移送速度v,電力量Pおよび予熱温度
にて予備加熱,仕上げ転造加工および表面焼入れ処理を
施すと共に伸縮変形量を連続的に計測し、計測結果を設
定値と比較演算して、その結果をフィードバックして焼
入深度γの補正を行う。この場合には予熱温度および移
動速度vと電力量Pを変化させて焼入深度を補正しても
よく、または予熱温度と移送速度v,または予熱温度と
電力量Pを変化させて焼入深度を補正してもよく、ある
いは予熱温度だけ(焼入れ時の加熱温度が多少変動する
が)または移動速度vと電力量Pだけを変化させて焼入
深度の補正を行って、伸縮変形量の安定化を図ってもよ
い。更に、これらに加えて引張力を補正してもよい。
【0050】上記の焼入れ熱処理方法を用いることによ
り、ねじ軸各1本毎に伸縮変形量を設定範囲内に制御す
ることができて、仕上げ研磨加工の低減あるいは省略が
可能となる。
【0051】次に第3実施例について説明する。図5は
第3実施例の焼入れ方法を実施する焼入装置の要部の構
成を示した図である。第1実施例と第2実施例と重複す
る説明は省略して説明する。第3実施例に用いる焼入装
置1bは前記の第1実施例の焼入装置1(図6(a),
(b))または第2実施例の焼入装置1a(図7)にお
ける伸縮変形量や移送量,張力などの検出センサおよび
熱処理中に熱処理条件の補正を行う制御装置を省略した
構成に相当し、被処理材のねじ軸2を保持する移動ベッ
ド6aおよびねじ軸2を加熱する誘導加熱コイル11と
電源13と焼入れ用冷却リング12と、移動ベッド6a
を移送するねじ軸7を備えた移送手段と、図6(a)に
示したテンションシリンダ22等とから成る簡易な構成
である。なお図中に一点鎖線で示した予熱用の誘導加熱
コイル15および電源16を誘導加熱コイル11の左側
に配設してもよく、更に前記の第2実施例(図7)にて
説明した仕上げ転造ロール17を誘導加熱コイル15と
11との間に配設してもよい。
【0052】第3実施例の焼入れ方法は被処理材のねじ
軸が個々の間に大きな材質等の差異がなく、従って熱処
理による変形量の差異も大きくない場合や、熱処理後の
寸法精度の許容値が大きい場合の熱処理方法として用い
られる。即ち、求めた焼入深度と移送速度,供給電力量
,周波数,予熱温度,ねじ軸の張力等の要因と伸縮変形
量との関係から、ロット別ではなく共通の基準熱処理条
件を設定するか、または前工程でのロット毎に行った試
し熱処理における伸縮変形量と、上記の要因の間に予め
算出されている関係から導き出された伸縮変形量からロ
ット毎の基準熱処理条件を設定して、これらの設定条件
で熱処理を実施するものである。この場合には熱処理中
のねじ軸2の伸縮変形量や移送量などの検出や,それら
の検出結果にもとづく熱処理条件の補正は行わないので
、焼入装置1bには各種検出センサや演算処理部を有す
る制御装置は不要となり、図5に示した焼入装置の構成
で実施することができる。
【0053】最後に第4実施例を示す。図6(a)に示
すようにねじ軸2に張力を与えながらねじ軸2の片側の
みを回転駆動すると軸径が比較的小さい場合には熱処理
時にねじ軸2にねじり変形が生じ、熱処理後にねじり変
形が残留して寸法精度の高度性が要求される製品では寸
法上の不都合が生じるという問題がある。第4実施例は
ねじ軸2の両端を回転駆動することによってこの問題を
解決したものであり、図8に示すように補助軸4の近傍
のみが図6(a)と異なる。以下に異なる部分のみを説
明する。補助軸4の左端がチャック4cによってねじ軸
2の右端と連結される。補助軸4におけるフランジ部4
aの右側には延長軸4dが形成される。このフランジ部
4aは連結部材21によって回転自在に支持され、連結
部材21は支持部21aと引張部21bとを結合して構
成される。引張部21bは移動ベッド6に固定されたテ
ンションシリンダ22のロッド22aに結合されて補助
軸4の軸心方向へは移動自在であるが、ストッパ21c
により回転が拘束される。引張部21bの内部には移動
ベッド6に固定してモータ5bが設けられ、モータ5b
の出力軸と延長軸4dとがスプライン結合により相対的
に軸心方向へ移動自在に連結される。モータ5bはねじ
軸2の左端に連結されたモータ5aと電気的に同期回転
するように運転される。ねじ軸2の両端にモータを連結
するかわりに、ねじ軸2の一端のみにモータを連結する
とともに、このモータと機械的に連動連結された回転駆
動機構を他端に連結してねじ軸2の両端を同期して回転
駆動するようにしてもよい。
【0054】このようにして、テンションシリンダ22
によりねじ軸2に引張力を付与しながら、モータ5a,
5bによりねじ軸2の両端を同期回転駆動する。このよ
うにすることにより、加熱が行われる熱処理中にもねじ
軸2にはねじり力が加わらず、比較的軸径の小さいねじ
軸であってもねじり変形が生じず、良好な寸法精度が得
られる。
【0055】このほか、図7に示す第2実施例や図5に
示す第3実施例においても、第4実施例の場合と同様に
ねじ軸2の両端を同期回転駆動させれば第4実施例の場
合と同様の効果が得られる。
【0056】本発明の実施にあたっては、上記実施例に
限定されるものではなく例えば被処理材の移送速度vや
加熱位置の検出は、前記以外の別の検出センサを用いて
も良く、また時間のカウントにより移送量(加熱位置)
を算出してもよい。また焼入れ加熱温度や予熱温度を設
定値の範囲に維持するために、これらの温度の検出結果
による供給電力量の制御を、焼入深度の制御系と切り離
して別系統にて設定して、焼入深度の制御系の出力値に
加算したり、またフィードバック制御により供給電力量
の制御を行ってもよい。更に予め被処理材のロット間に
材質その他の差異が少なかったり、熱処理迄の前工程の
加工経歴が同じであることが明らかであったりして熱処
理による伸縮変形量のロット間での差違が少ない場合や
、製品の寸法精度の許容値の大きい被処理材の場合には
、ロット毎の試し熱処理によるロットごとの基準熱処理
条件の算出手順は省略して、予め求めた焼入深度と移送
速度,供給電力量,周波数,予熱温度や張力等の要因と
伸縮変形量との関係から基準伸縮変形量を得るための熱
処理条件を求め、それを共通の基準熱処理条件として前
記の各実施例にて示した熱処理方法による熱処理を実施
するようにしてもよい。
【0057】また前記の第1実施例〜第4実施例にて説
明した図6(a),図7,図5,図8における電源13
を可変周波数および可変電圧の機能を備えた電源設備と
して、前記の第1の条件を用いて誘導加熱コイルに供給
する周波数と電力量を調整することによって、または周
波数と電力量,移動速度および予熱温度のうちのいずれ
かまたは複数の組み合わせ条件を調整することによって
熱処理深さを制御して被処理材の軸方向の伸縮変形量を
制御するようにしてもよい。更に、これに加えてねじ軸
の張力を制御するようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は長軸材の
表面熱処理において予め求めておいた長軸材に発生する
曲がり量と張力値の関係に従って設定した所定値以上の
軸方向の張力を長軸材に付加するとともに、表面熱処理
における4つの条件、即ち誘導加熱コイルに供給する周
波数およびその電力量,移送する被処理材または誘導加
熱コイルの移送速度および誘導加熱コイルに供給する電
力量,長軸材に施す予熱温度および誘導加熱コイルに供
給する電力量と被処理材または誘導加熱コイルの移動速
度,被処理材に付加する張力の内のいずれかの条件また
は複数の組み合わせ条件を用いて調整して、被処理材の
軸方向の伸縮変形量を制御し、あるいは上記のいずれか
の条件または複数の組み合わせ条件による熱処理条件と
軸方向の伸縮変形量との関係を予め算出して基準熱処理
条件を設定し、熱処理の実施に当たって軸方向の伸縮変
形量を連続的に検出し、基準値と比較した値を制御量と
して3つの加熱条件又はこれに張力を加えた4つの熱処
理条件の内のいずれかまたは複数の組み合わせから成る
熱処理条件を補正して自動制御することにより、第1に
は熱処理を施した部材の曲がりを常に極めて小さい値以
下とすることができると共に、長さ方向の寸法精度のバ
ラツキが少なくなり、またねじれ変形の発生もなく品質
の安定や精度の向上が得られると共に、熱処理前の経歴
に応じて処理条件を試し熱処理において対応できるので
、安定的な熱処理が実施できてロット不良等は生じない
【0059】第2には熱処理後の曲がりの矯正作業や仕
上げ加工を完全省略できるか、仕上げ加工代を軽減する
ことができる。これに伴って曲がりの矯正や仕上げ加工
工数は不要となるかまたは大幅に削減されて加工人件費
も低減されると共に、曲がりの矯正や仕上げ加工のため
の機械を削減または台数を低減することができて機械の
ための設備費用や償却費を大幅に低減することができる
【0060】第3には上記によるコストの低減と合わせ
て受注から納品までの納期を大幅に短縮することができ
る。
【0061】以上のような大きな効果を奏するのである
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は被処理材の移動速度と焼入れ後の
表面からの硬度分布(焼入深度)との関係を示すグラフ
、図1(b)は加熱電力の周波数と被処理材の表面から
の硬度分布(焼入深度)との関係を示すグラフ。
【第2図】図2(a),(b)は被処理材の伸縮変形量
と焼入深度との関係を示すグラフ、図2(c),(d)
は被処理材の曲がり量,伸縮量と張力との関係を示すグ
ラフ。
【図3】焼入深度と誘導加熱コイルに供給する周波数お
よび電力量との関係を示すグラフ。
【図4】図4(a),(b)は予熱なしおよび予熱あり
の夫々の場合の焼入深度と被処理材の移送速度および誘
導加熱コイルに供給する電力量との関係を示すグラフ。
【図5】第3実施例に用いた焼入装置の構成図。
【図6】図6(a)は第1実施例に用いた焼入装置の構
成図、図6(b)は第1実施例の焼入れ処理方法の制御
信号の流れ図。
【図7】第2実施例に用いた焼入装置の構成図。
【図8】第4実施例に用いた焼入装置の構成図。
【図9】被処理材の表面層および内部における応力を示
した断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b…焼入装置、2…ねじ軸(被処理材)、
3…チャック、4…補助軸、8…移送用モータ、9…パ
ルスエンコーダ、10…伸縮量検出センサ、11,15
…誘導加熱コイル、12…焼入れ用冷却リング、13,
16…電源、14,18…温度センサ、17…仕上げ転
造ロール、21…連結部材、22…テンションシリンダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  長軸材の軸方向に長軸材または誘導加
    熱コイルを移送して長軸材の表面に熱処理を施す長軸材
    の表面熱処理方法において、長軸材に軸方向への張力を
    付加するとともに、第1の条件としての誘導加熱コイル
    に供給する周波数およびその電力量,第2の条件として
    の移送する長軸材または誘導加熱コイルの移送速度およ
    び誘導加熱コイルに供給する電力量,第3の条件として
    の長軸材に施す予熱の温度および誘導加熱コイルに供給
    する電力量および長軸材または誘導加熱コイルの移動速
    度,第4の条件としての張力の値の内のいずれかの条件
    または複数の組み合わせ条件を調整し、熱処理によって
    発生する軸方向の伸縮変形量を制御することを特徴とし
    た長軸材の表面熱処理方法。
  2. 【請求項2】  長軸材の軸方向に長軸材または誘導加
    熱コイルを移送して長軸材の表面に熱処理を施す長軸材
    の表面熱処理方法において、長軸材に軸方向への張力を
    付加するとともに、第1の条件としての誘導加熱コイル
    に供給する周波数およびその電力量,第2の条件として
    の移送する長軸材または誘導加熱コイルの移送速度およ
    び誘導加熱コイルに供給する電力量,第3の条件として
    の長軸材に施す予熱の温度および誘導加熱コイルに供給
    する電力量および長軸材または誘導加熱コイルの移動速
    度の3条件の内のいずれかまたは複数の組み合わせから
    なる熱処理条件と、長軸材の熱処理深さおよび軸方向の
    伸縮変形量との関係を予め算出して基準伸縮変形量に対
    する基準熱処理条件を設定し、熱処理を実施するに当た
    って軸方向の伸縮変形量を連続的に検出して、この検出
    量と基準伸縮変形量の比較値を制御量として算出し、前
    記3条件の熱処理条件の内のいずれかまたは複数の組み
    合わせから成る熱処理条件を補正して熱処理深さを自動
    制御することにより軸方向の伸縮変形量を調整すること
    を特徴とした長軸材の表面熱処理方法。 【請求3】  長軸材の軸方向に長軸材または誘導加熱
    コイルを移送して長軸材の表面に熱処理を施す長軸材の
    表面熱処理方法において、長軸材に軸方向への張力を付
    加するとともに、第1の条件としての誘導加熱コイルに
    供給する周波数およびその電力量,第2の条件としての
    移送する長軸材または誘導加熱コイルの移送速度および
    誘導加熱コイルに供給する電力量,第3の条件としての
    長軸材に施す予熱の温度および誘導加熱コイルに供給す
    る電力量および長軸材または誘導加熱コイルの移動速度
    ,第4の条件としての張力の値の4条件の内のいずれか
    または複数の組み合わせからなる熱処理条件と、長軸材
    の軸方向の伸縮変形量との関係を予め算出して基準伸縮
    変形量に対する基準熱処理条件を設定し、熱処理を実施
    するに当たって軸方向の伸縮変形量を連続的に検出して
    、この検出量と基準伸縮変形量の比較値を制御量として
    算出し、前記4条件の熱処理条件の内のいずれかまたは
    複数の組み合わせから成る熱処理条件を自動制御で補正
    することにより軸方向の伸縮変形量を調整することを特
    徴とした長軸材の表面熱処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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