JP3931318B2 - クランクシャフトの焼き入れ方法及び焼き入れ装置 - Google Patents

クランクシャフトの焼き入れ方法及び焼き入れ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用エンジンのクランクシャフトの焼き入れ方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのクランクシャフトは、気筒数に応じた数のピストンロッドを支持する複数のピン部と2つのピン部の間に位置しクランクシャフト自体の回転がエンジン本体によってこの部分を介して回転支持されるジャーナル部とを備えている。この場合、すべてのジャーナル部の回転軸が共通軸となるようにエンジン本体に回転自在に支持されている。
このジャーナル部とピン部とは、所定間隔だけ隔置しており、その中心軸が互いに平行関係になるように保たれている。ジャーナル部とピン部とはクランクアームによって連結されており、該クランクアームには、適宜カウンタウエイトか設けられている。
このクランクシャフトの最終製造工程においては、ジャーナル部及びピン部を耐摩耗性を向上させるために高周波焼き入れするようになっている。特開平1−319633号公報には、クランクシャフトの高周波焼き入れ工程において、焼き入れ深さが均一になるようにクランクシャフトの回転位置に対応して高周波焼き入れをするように構成したものが開示されている。
【0003】
この焼き入れによって硬化層をジャーナル部及びピン部に形成した後、各ジャーナル部の中心軸が精密に一致するようにクランクシャフトの曲がりの矯正を行工程を経た後、最終製品としてのクランクシャフトを得るようになっている。
すなわち、従来のクランクシャフトの製造方法では、ジャーナル部とピン部の耐摩耗性を向上さてるための焼き入れ工程と、最終製品としてのクランクシャフトの高い仕上げ精度を保証するための曲がりを是正する工程とは別々におこなっていたものである。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかし、焼き入れ工程と、曲がり是正工程を別々に行なうことは、製造工程を複雑にするものであり、これらの工程を結合して単一工程で行なうことができれば、製造工程を簡素化することができるクランクシャフト製造を効率的に行なうことができる。
本発明はこのような事情に鑑みて構成されたもので、クランクシャフトの製造において、焼き入れ工程とクランクシャフトの曲がり是正工程とを結合して単一工程とし、これによってクランクシャフトの製造工程を簡素化、効率化することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、クランクシャフトを回転させながら、該クランクシャフトのジャーナル部を高周波焼き入れする方法であって、
前記クランクシャフトの回転位置を検出し、
該焼き入れのエネルギー量を前記クランクシャフトの回転位置に応じて制御し前記クランクシャフトの曲がり量か最小になるように前記エネルギー量を制御する工程を備えたことを特徴とする。
本発明の目的を達成するためには、クランクシャフトの曲がりを是正するためだけの目的でクランクシャフトに設けられた複数のジャーナル部を制御対象とする必要はなく、少なくとも一部のジャーナル部に焼き入れを施すことよって所期の目的を達成することも可能である。
好ましい態様では、クランクシャフトの曲がり量を焼き入れ前に検出し、該曲がり量に基づいて前記エネルギー量を制御する。
また、クランクシャフトのジャーナル部またはピン部における焼き入れ深さを周方向(軸まわり方向)で変化させることにより、クランクシャフトの曲がりを修正する。
【0006】
さらに、クランクシャフトのジャーナル部またはピン部におけるふィレット部ノ焼き入れ深さを周方向で変化させることにより、クランクシャフトの曲がりを修正する。
さらに、別の態様では、クランクシャフトの前記曲がり量と前記エネルギー量との関係を与えるマップを備えており、該マップに基づいて、前記エネルギー量を決定するようにしてもよい。
また、クランクシャフトは4気筒エンジン用のものである場合には、その第1ジャーナル部ないし第5ジャーナル部を高周波焼き入れを通してクランクシャフトの曲がり量の調整を行なうのが好ましい。
本発明の別の特徴によれば、クランクシャフトのジャーナル部を高周波焼き入れする装置が提供される。本発明にかかるクランクシャフトの焼き入れ装置は、クランクシャフトの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記クランクシャフトを回転させる回転手段と、
前記クランクシャフトの前記ジャーナル部に高周波焼き入れを施す焼き入れ手段と、
該焼き入れ手段のエネルギー量を前記クランクシャフトの回転位置に応じて制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記クランクシャフトの曲がり量か最小になるように前記エネルギー量を制御するようになったことを特徴とする。
【0007】
【発明を実施するための形態】
本発明者は、上記クランクシャフトのジャーナル部及びピン部の表面部に硬化層を得るために焼き入れ工程の際に、クランクシャフトに一定の曲がり現象が生じること発見した。そして、この曲がり量とジャーナル部に付加される焼き入れエネルギー量とは、相関関係があり、焼き入れエネルギーを適宜調整するとによってクランクシャフトの曲がり量を制御することができることを見い出した。
クランクシャフトに焼き入れする場合には、焼き入れするジャーナル部及びピン部に高周波焼き入れのコイルを接近状態に配置し、クランクシャフトを回転させながら高周波を該当部に入力して、発熱させて溶融せしめ、その後所定の冷却操作を行なうことによって、所定の焼き入れ深さを有する硬化層をジャーナル部及びピン部の表面部に形成する。この場合、クランクシャフトの回転位置は常に監視されているので、この回転位置に応じて焼き入れエネルギー量が設定される。上記のようにエネルギー量とクランクシャフトの曲がり方向、曲がり量とは、一定の相関関係があるので、クランクシャフトの所定の角度位置において、焼き入れエネルギー量を制御することによって当該角度方向におけるクランクシャフトの曲がり量を制御することができる。
【0008】
上記したように、好ましい態様では、エネルギー量とクランクシャフトの曲がり量とその曲がりの方向性との関係を与えるデータが予め実験等によって求められている。この関係は、通常はマップの形式で、制御装置のメモリ(ROM等)に格納されており、クランクシャフトの回転角度位置及び、矯正すべき曲がり量を知ることによってエネルギー量を求めることができる。この求められたエネルギー量になるように高周波焼き入れ装置のコイルへの入力電力が設定される。そして、この電力量が、クランクシャフトの回転位置に対応して高周波焼き入れコイルに供給される。これによって、クランクシャフトの特定方向の曲がり量の制御が可能となる。
このように焼き入れ工程において、クランクシャフトの曲がり量の精密な制御が可能になったことによって、従来の独立した曲がり量の是正工程は不要となりクランクシャフトの製造工程の効率化を推進することができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1を参照すると、本発明によるクランクシャフトの焼き入れ装置1の概略構成図が示されている。また、図2及び図3には、クランクシャフト焼き入れ装置の特にクランクシャフト2の保持構造及び高周波印加用コイルの配置状態を示す概略図が示されている。
図2のクランクシャフト2は、4気筒エンジン用のものであって、各気筒に対応したピストンとの間を連結するコンロッド(図示せず)を回動自在に支持する4つのピン部1P、2P、3P及び4Pを備えている。さらにクランクシャフト2にはそれぞれのピン部1P、2P、3P及び4Pの間にジャーナル部1J、2J、3J、4J及び5Jが形成されており、このジャーナル部1J、2J、3J、4J及び5Jを介して、クランクシャフト2は、エンジン本体に回動自在に支持される。各ピン部とジャーナル部との間は、クランクアーム部2aによって結合されており、ピン部の中心軸と、ジャーナル部の中心軸とは、所定の間隔を有し、且つ互いに平行関係に維持されている。また、上記クランクアーム2aには、ピン部とのバランスをとるようにカウンタウエイト2bが設けられる。
【0010】
クランクシャフト2の一方のジャーナル部の先端には、フライホイール(図示せず)が取付られ、この端部からエンジンの出力が取り出される。クランクシャフト2の両端の第1ジャーナル1J部及び第5ジャーナル部5Jが両側からチャック3a、3bによって把持されて固定されている。
チャックは、回転軸部材4a、4bの先端に取付られており、図示しないモータ等の動力源によってクランクシャフト2を把持した状態で回転する。この場合、クランクシャフト2がエンジンに搭載された場合と同じ状態で回転するようにセットされている。すなわち、上記回転部材4a、4bの回転軸と、クランクシャフト2の回転軸とが一致するようにクランクシャフト2は位置決めされてチャック3a、3bに把持される。
このように把持されたクランクシャフト2の上方には、ジャーナル部、ピン部に高周波を印加して加熱して表面を溶融するための電磁コイル5が配置される。コイルはチェーン6によって、焼き入れ硬化層を形成する各ジャーナル部、及びピン部に対応して、上方から懸架されて配置される。そして、図2に示すように、クランクシャフト2のジャーナル部1J、2J、3J、4J及び5Jまたはピン部1P、2P、3P及び4Pの周囲には、ガイド用チップ7、8、9がジャーナル部またはピン部の周方向に隔置して配置されており、チェーンが緩められてコイルが所定の位置までクランクシャフトに付けられたとき、ガイド用チップに当たって焼き入れを行なうべきクランクシャフトの部所に対して所定位置に位置決めされる。
【0011】
クランクシャフト2がチャック3a、3bに挟持された状態において、クランクシャフト2に曲がりがない場合には、すべてのジャーナル部1J、2J、3J、4J及び5Jは単一の回転軸を有するとともに、すべてのピン部1P、2P、3P及び4Pは、同一の旋回軌道を有するはずである。しかし、実際のクランクシャフトは、通常、製造時にわずかにジャーナル部の軸がずれており、従来では、クランクシャフトの焼き入れ工程後にこのジャーナル部の軸ずれを矯正する工程を設けていた。本例では、上記のような状態でクランクシャフト2がチャック3a、3bに把持された状態になっているとき、動力源を起動して回転し、計測器10によって各ジャーナル部の回転ズレ、振れ、曲がりを検出する。なお、この測定器10はピン部1P、2P、3P、4Pの振れを検出するようにしても配設してもよい。
各ジャーナル部は、すべて真円の外形を有するように仕上げられているので、軸ズレが無い場合には、外形線の変化は生じない。しかし、ジャーナル部の中心軸がチャックに把持されて回転するクランクシャフト2の回転軸とずれていると、ジャーナル部の回転にともなってその外形線にブレが生じる。本例では、計測器10によってこのジャーナル部の回転時の外形線のズレの最大値を計測して、このズレが発生しないように焼き入れ工程を通じてクランクシャフト2の軸ズレを矯正するようにしている。
【0012】
図1には、本発明の1実施例にかかるクランクシャフト2の曲がり是正機能を伴う焼き入れ装置の概略構成図が示されている。
本例の焼き入れ装置は、上記の計測器10からの回転にともなって生じるクランクシャフト2のジャーナル部1J、2J、3J、4J及び5Jのズレ量すなわち、クランクシャフトの曲がり量のデータを受入れ、これを処理する演算装置を備えている。また、クランクシャフトの回転角度を検出する回転センサ9が設けられており、この回転センサからの信号も上記演算装置12に入力される。演算装置12では、上記の計測器10からの信号と回転角度センサ11からの信号とを処理してクランクシャフトのどの方向においてどれぐらいのズレがあるかを算出するようになっている。また、本例の焼き入れ装置は、演算装置12からの信号によって高周波発生電力量が調節されるようになった、電磁コイル5を備えており、この電磁コイル5は配線14を介して図示しない電源に接続されている。
【0013】
以下本例の焼き入れ装置1の制御について説明する。
図4には、焼き入れ装置の制御の概略フローチャートが示されている。演算装置12は、まず、上記したようにクランクシャフトの軸ズレ量すなわちクランクシャフトの曲がり量を検出する。この場合、回転センサからの信号を処理することによって軸ズレの方向と量が検出される。つぎに、演算装置10は、上記の軸ズレを矯正するために必要な焼き入れのための電力量を決定する。この場合、本例では予め焼き入れ動作とこの操作に伴って生じるクランクシャフト2の軸ズレすなわち曲がり量との相関関係を示す実験データを有しており、このデータを用いて上記検出したような曲がり(初期曲がり)がある場合において、上記実験データに照らして、焼き入れ動作に伴って不可避的に発生する曲がり(焼き入れ曲がり)を積極的に利用して上記初期まがりを打ち消すように焼き入れを実施するようになっている。この焼き入れ曲がりは、図5図の斜線部で示す焼き入れ部13がジャーナル部1J、2J、3J、4Jまたは5Jあるいはピン部1P、2P、3Pまたは4Pおよびその両端部のフィレットR部における周方向(軸まわり)における焼き入れ深さが変わることによって生じることがこの度知られた。すなわち、焼き入れ組織は、通常の焼き入れされていない組織に対して、その体積が大きくなるため、ピン部またはジャーナル部の周方向における焼き入れ深さを変えることによって、クランクアーム部2aとピン部またはジャーナル部との間に角度変化を生じ、この角度変化を利用してクランクシャフトの曲がりを修正するものである。特に、クランクピン部またはジャーナル部とは図5に示すようにその側部に半径方向に湾曲するフィレット部Rを有し、このフィレット部の周方向における焼き入れ深さを変えることによってクランクアーム部2aとクランクピン部またはジャーナル部部との間の角度変化を生じ、この角度変化を利用してクランクシャフト2の曲がりを修正することができる。
【0014】
図5において、ピン部1Pを例にとって説明すると、ピン部1PにおけるフィレットR1Pにおいて、図5における上側(トップ)焼き入れ深さを下側(ボトム)焼き入れ深さより大きくすると、その両側のクランクアーム2aのジャーナル部側が互いに接近するように曲がりが生じる。したがって、初期曲がりを測定し焼き入れ電磁コイル5への電力量を調節することによって焼き入れ曲がりの量と方向を制御しこれによって、クランクシャフト2の最終製品における曲がりが最小となるように焼き入れ工程をことが可能となる。
この目的のために、本例では図6ないしあるいは図7に示すような曲がりの方向と量及び所定の焼き入れ部の角度間における焼き入れの深さの比あるいは、コイルへの投入エネルギーとの関係を示すグラフをマップにして演算装置のメモリに格納している。たとえば、図8では、0°と180°のクランクシャフト角度位置における焼き入れ深さの比と曲がりとの関係が、図7では図8で示すような角度範囲をそれぞれ有するθ1及びθ2におけるコイルへの投入エネルギーと曲がりとの関係が示されている。図6及び図7において、縦軸は、第2、第3ピン部方向への曲がり量が下方に目盛られ、第1、第4ピン部方向への曲がり量が上方に向かって目盛られている。したがって、この方向における焼き入れへの投入エネルギーの比を与えることよってよって図の斜線で示す領域範囲内の曲がりの状態が発生することがわかる。
【0015】
本例では、上記初期曲がりの量と方向に基づく検出値に照らして、演算装置12に格納された所定のクランクシャフト角度位置における曲がりと投入エネルギーとの関係を突き止めることによって、コイルへ5の電力量を決定する。つぎに、演算装置12は、この決定された電力量に応じた信号をコイル5に供給する。焼き入れ工程においてクランクシャフト2は回転しながらコイル5によって高周波加熱されて表面が加熱され、この後冷却水またはオイルで急冷して焼き入れするようになっている。この場合、たとえば、クランク角度で図1のθ1で示す領域では、θ2で示す領域に比べてコイルへの投入エネルギーが減少される。これによって、焼き入れ曲がりが当該焼き入れ部の両側のクランクアーム2aを接近させるように生じるので、初期曲がりが所定位置よりも開いている場合には有効に初期曲がりを除去することができる。コイルへ5の通電による加熱時間の間にクランクシャフト2は所定回転するようになっており、上記の焼き入れ曲がり制御を行なう対象となったジャーナル部1J(2J、3J、4Jまたは5J)またはピン部1P(2P、3Pまたは4P)においては所定のクランク角度範囲において上記したようにコイル5への電力量が変更制御される。
【0016】
つぎに、焼き入れ装置はコイルへ5の通電が終了したのち所定の温度勾配となるように加熱部8の水ないしオイルでの冷却が行われ、この冷却工程にて焼き入れされ、そののち最終クランクシャフト2が得られる。
焼き入れ曲がりを生成するように焼き入れの投入エネルギーを変更するかどうかは、初期まがりが存在するかどうかによって決まる。このようにすべての焼き入れ処理部においてコイルへの投入エネルギーを変更制御する必要はないとともに、初期曲がりの解消を当該曲がりの存在する焼き入れ部への制御のみによって是正するように制御しなくてもよい。すなわち、初期曲がりはジャーナル部において行なうが、初期曲がりの矯正のための焼き入れ曲がりの制御すなわち、コイルへの電力量の制御は、ジャーナル部またはピン部を介して行なうことができる。このような制御量は、あらかじめ実験によって上記図6あるいは図7でしめされるような焼き入れ深さあるいは電力量と、特定のジャーナル部における曲がりの発生の方向と量を求めておき、これを格納しておくことによって決定することができる。
【0017】
なお上記の例では、クランクシャフトの上下方向すわなち0°及び180°方向についての実験データに基づく場合を示したが、実験データを様々の角度位置において作成して置くことにより焼き入れ工程におけるさらに正確な曲がり是正制御を行なうことができる。
また、上記の例では、電力量をクランクシャフトの角度位置に対応して変更するように制御しているが、クランクシャフトの回転速度をクランクシャフトの角度位置に対応して変更することによって焼き入れ深さの制御すなわち、クランクシャフトの曲がり量の制御を行なうことも可能であり、この場合には、コイルの電力量を変更制御する必要はない。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、焼き入れ工程において、クランクシャフトに不可避的に生じる軸ズレあるいは曲がりを矯正することができるので、特別に曲がり除去のための工程を設ける必要がなくなる。このため、クランクシャフトの製造工程を簡素化することができ、効率的にクランクシャフトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかる焼き入れ装置の概略構成図、
【図2】クランクシャフトの把持状態を示す正面図、
【図3】クランクシャフトの把持状態を示す側面図、
【図4】クランクシャフトの焼き入れ工程を示すフローチャート、
【図5】クランクシャフトのピン部の焼き入れ硬質層を示す断面図、
【図6】クランクシャフトの曲がりと方向と焼き入れ深さの比率との関係を示すグラフ、
【図7】クランクシャフトの曲がりと方向とコイルへの投入エネルギーの比率との関係を示すグラフ、
【図8】クランクシャフトの角度位置とコイルへの投入エネルギーとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 焼き入れ装置、
2 クランクシャフト、
3 チャック、
4 回転軸部材、
5 コイル、
10 マイクロメータ、
11 回転角度センサ、
12 演算装置、
13 焼き入れ部、
14 配線。

Claims (2)

  1. クランクシャフトを回転させながら、該クランクシャフトのジャーナル部またはピン部を高周波焼き入れする方法であって、
    前記クランクシャフトの回転位置を検出し、
    前記クランクシャフトの曲がり量を焼き入れ前に検出し、
    前記クランクシャフトの曲がり量と焼入れのエネルギー量との関係を与える実験により予め作成されたマップに基づいて前記クランクシャフトの曲がり量が最小になるように前記焼き入れのエネルギー量をクランクシャフト角度位置に対応して決定し、
    前記クランクシャフト角度位置に対応して、クランクシャフトのジャーナル部またはピン部におけるフィレット部の焼き入れ深さを周方向で変化させるように前記決定された焼入れのエネルギー量を投入することを特徴とするクランクシャフトの焼き入れ方法。
  2. クランクシャフトのジャーナル部またはピン部を高周波焼き入れする装置であって、
    前記クランクシャフトを回転させる回転手段と、
    前記クランクシャフトの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記クランクシャフトの曲がり量を焼き入れ前に検出する検出手段と、
    前記クランクシャフトの曲がり量と焼入れのエネルギー量との関係を与える実験により予め作成されたマップに基づいて前記クランクシャフトの曲がり量が最小になるように前記焼き入れのエネルギー量をクランクシャフト角度位置に対応して決定するエネルギー量決定手段と、
    前記クランクシャフトの前記ジャーナル部またはピン部に高周波焼き入れを施す高周波焼き入れ手段と、
    前記エネルギー量決定手段に基づいて決定されたエネルギー量になるように前記高周波焼き入れ手段のエネルギー量を前記クランクシャフトの回転位置に応じて制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は前記クランクシャフト角度位置に対応して、クランクシャフトのジャーナル部またはピン部におけるフィレット部の焼き入れ深さを周方向で変化させるように前記決定された焼入れのエネルギー量を投入するようになったことを特徴とするクランクシャフトの焼き入れ装置。
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