JP2015174894A - 熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リグニン樹脂を含む熱硬化樹脂組成物において、熱硬化時に反応時間を短くでき、かつ硬化時にガスの発生を抑えることができ、成型物に膨れなどが発生せず、成型物の強度低下や外観不良の少ない、前記熱硬化樹脂組成物とその製造方法の提供。
【解決手段】リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、及びアミン系硬化剤を溶融混合した後、熱硬化させることで得られる熱硬化性樹脂組成物。リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の一部又は全部を溶融混合する工程1と、更に、アミン系硬化剤、硬化助剤の一部又は全部を溶融混合したこと工程2を含む熱硬化性樹脂組成物の製造方法。前記アミン系硬化物が樹脂組成物100重量部に対し、5〜20重量部であり、ヘキサメチレンテトラミンを含むものである熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は熱硬化性樹脂組成物の製造方法に関するものであって、特にリグニン樹脂、およびノボラック型フェノール樹脂を用いた樹脂組成物において、成形時に効率よく熱硬化反応が進行する方法、及び当該方法により製造した成形物に関する。
樹皮、間伐材、建築廃材等の木質系廃材(バイオマス)は、これまでその多くが廃棄処分されている。しかしながら、地球環境保護が重要課題になりつつあり、その観点から、木質系廃材の再利用、リサイクルが検討され始めている。
一般的な木質の主要成分は、セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体およびリグニン誘導体である。
このうち、約30%の割合で含まれるリグニンは、芳香環を豊富に含む構造を有しているため、樹脂原料として利用されている。
しかしながら、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを含む黒液にリグニン誘導体を溶解し、該リグニン誘導体が溶解した黒液からリグニン誘導体を回収して得られたリグニン誘導体の一部は、スルホン化されてしまい、樹脂組成物としての機械的強度が低下するおそれがあった。
このように、リグニン誘導体を使用した樹脂成物の硬化物は、機械的強度が低下して硬度が損なわれたり、外観が損なわれたりするおそれがある。
そこで、フェノール樹脂にリグニン誘導体を加えたフェノール樹脂組成物が開発された(特許文献1)。
ノボラックタイプのフェノール樹脂の硬化剤として使用されるヘキサメチレンテトラアミンの量を変更することなく、樹脂材(ノボラックタイプのフェノール樹脂)の未硬化部分の発生を抑える摩擦材の製造方法が記載されている(特許文献2)。
特開2012-082255号公報 特開2002-012853号公報
リグニン樹脂を含む熱硬化樹脂において、熱硬化時に反応時間を短くしようとすると、硬化剤の量を増やす必要があるが、その結果、硬化時にガスが発生し、成型物に膨れなどが発生し成型物の強度低下や、外観不良の結果となる。
本発明は、下記(1)〜(9)に示す通りである。
(1)熱硬化性樹脂組成物であって、リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、およびアミン系硬化剤を溶融混合した後、熱硬化させることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
(2)前記溶融混合において、さらに硬化助剤を加えた(1)記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3)前記溶融混合時の加熱温度が、樹脂硬化温度未満の温度である(1)または(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(4)(1)記載のリグニン樹脂が、フェノール骨格、2−メトキシフェノール骨格、2,6−ジメトキシフェノール骨格の一種以上を含む樹脂である(1)記載の熱硬化性樹脂組成物
(5)(1)記載のアミン系硬化剤が、樹脂組成物100重量部に対して、5重量部以上、20重量部以下であることを特徴とする(1)ないし(6)いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物
(6)前記アミン系硬化剤が、ヘキサメチレンテトラミンを含む(1)ないし(5)いずれか1項
に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(7)(6)記載のヘキサメチレンテトラミンのアダクト化率が、10%以上である(6)記載の熱硬化性樹脂組成物
(8)前記ヘキサメチレンテトラミンを、最大粒径1000μm以下に粉砕し、溶融混合させる(6)または(7)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(9)(1)ないし(8)いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の一部または全部を溶融混合する工程1と、さらに、アミン系硬化剤、硬化助剤の一部又は全部を溶融混合したこと工程2を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
リグニン樹脂を含む熱硬化樹脂において、熱硬化時に反応時間を短くし、かつ硬化時にガスの発生を抑えることに成功し、成型物に膨れなどが発生せず、成型物の強度低下や、外観不良の少ない熱可塑性樹脂を提供することができる。
本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、アミン系硬化剤を溶融混合した後、熱硬化させることを特徴とする。
本発明における溶融混合とは、加熱により樹脂を流動する状態にして混合することと定義する。
リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、アミン系硬化剤を溶融混合することにより、各成分の混合状態が均一となり、その状態で熱硬化させることで、硬化時にガスの発生を抑制し、成型物に膨れなどが発生せず、成型物の強度低下や、外観不良の問題を解決することが出来た。
前記の溶融混合物にさらに、硬化助剤を加えて、樹脂硬化を促進してもよい。硬化助剤をさらに追加することにより、硬化反応時間を短くすることが可能となる。
<リグニン樹脂>
まず、リグニン樹脂について述べる。
本発明で述べるリグニン樹脂は、バイオマスを分解して得られるリグニン誘導体、リグニン誘導体の変性物、リグニン誘導体またはリグニン誘導体変性物を重合したもの、リグニン誘導体を重合した後に変性したもの、の一種以上を含むものであり、フェノール骨格、2−メトキシフェノール骨格、2,6−ジメトキシフェノール骨格の一種以上を含むリグニン誘導体を含む樹脂である。
リグニンは、セルロースおよびヘミセルロースとともに、植物体の骨格を形成する主要成分であり、かつ、自然界に最も豊富に存在する物質の1つである。リグニン誘導体は、
フェノール誘導体を単位構造とする化合物であり、この単位構造は、化学的および生物学的に安定な炭素−炭素結合や炭素−酸素−炭素結合を有するため、化学的な劣化や生物的分解を受け難い。このため、リグニン誘導体は、樹脂原料として有用とされる。
一般的にリグニン誘導体は、バイオマスのアルカリ蒸解法によるパルプ廃液からの回収法(特開2012−236811)、フェノール誘導体とバイオマスに酸を加えて分解後に回収する方法(特開2004−210899)、バイオマスの酵素処理残渣から副産物として回収する方法(特開2013−85494)、バイオマスの爆砕処理物や臨界状態での加水分解物からの回収法(WO2011/027389、特開2010−163497)、バイオマスに溶媒を添加し加熱変性した処理物からの回収方法(特開平9−59519)等に記載されているようにバイオマスを分解して得られたものである。バイオマスとは、植物または植物の加工品であるが、これらは光合成の過程で大気中の二酸化炭素を取り込み固定化してなるものであるため、大気中の二酸化炭素の増加抑制に寄与している。このため、バイオマスを工業的に利用することによって、地球温暖化の抑制に寄与することができる。
リグニン誘導体の変性は、反応性官能基を含む化合物をリグニン誘導体と反応させることにより、リグニン誘導体に官能基を導入するようにしてもよい。
反応性官能基を導入する方法としては、例えば、リグニン誘導体と反応性官能基を含む化合物とを混合する方法が用いられ、混合後、必要に応じて触媒等を添加するようにしてもよい。
具体的には、エポキシ基を導入する場合、リグニン誘導体とエピクロロヒドリンと溶媒とを混合し、これに減圧還流下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加すればよい。
また、ビニル基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化アリルまたはハロゲン化ビニルベンジル等のビニル基を含むハロゲン化合物と溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加すればよい。
また、エチニル基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化プロパルギルまたはハロゲン化フェニルアセチレン等のエチニル基を含むハロゲン化合物と溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加すればよい。
また、シアネート基を導入する場合、リグニン誘導体とハロゲン化シアネートと溶媒とを混合し、これに加熱攪拌下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加すればよい。
また、マレイミド基を導入する場合、リグニン誘導体とパラクロロニトロベンゼンとを混合する。これにより、リグニン誘導体のフェノール性水酸基にクロロ基が反応し、エーテル結合を介して結合したポリニトロ化リグニンが得られる。次いで、ポリニトロ化リグニンを還元することで、ポリアミノ化リグニンに変換され、さらに無水マレイン酸と反応させることで、マレイミド基が導入される。
また、イソシアネート基を導入する場合、リグニン誘導体と無水マレイン酸とを混合することで、リグニン誘導体中の水酸基がカルボキシル基に変換される。その後、混合物をジフェニルリン酸アジド存在下で加熱することにより、イソシアネート基が導入される。
リグニン誘導体を重合する方法としては、例えば、フェノールとリグニン誘導体とが加熱混合された状態のものに、酸触媒のシュウ酸、反応性官能基を含む化合物としてホルマリン水溶液を順次添加し、還流温度下で反応させることで重合物が得られる。
リグニン誘導体変性物を重合する方法としては、例えば、ビニル基が導入されたリグニン誘導体変性物をラジカル重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを含んだ溶液に溶かし、加熱することでラジカル重合を行い、重合物を得ることが出来る。
リグニン誘導体の重合物を官能基変性する方法としては、例えば、リグニン誘導体をフェノールおよびホルマリンと反応させた重合物と、エピクロロヒドリンと溶媒とを混合し、これに減圧還流下で水酸化ナトリウム等の塩基触媒を添加すればよい。
<ノボラック型フェノール樹脂>
本発明の硬化性樹脂組成物で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、特に限定されないが、フェノール類とアルデヒド類とを、蓚酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸などの酸性触媒の存在下で、フェノール類(P)に対するアルデヒド類(F)の反応モル比(F/P)を0.5〜0.9の範囲として得られるものである。得られるノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1000以上であるものが好ましく、200以上であるものがより好ましい。これにより、硬化時間を短縮した際のガラス転移温度を高める効果を得ることができる。また、重量平均分子量の上限値については特に限定されないが、成形性の観点から30000以下とすることが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂の合成で用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシンなどのフェノール類が挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、コストと成形性の観点から、フェノール、クレゾールを用いることが好ましい。
また、ノボラック型フェノール樹脂の合成で用いられるアルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン等のアルデヒド類、あるいはこれらの混合物であり、これらのアルデヒド類の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することもできるが、コストと成形性の観点から、ホルムアルデヒドを用いることが好ましい。また、このようにして得られたノボラック型フェノール樹脂の形態は特に限定されず、液状、固形、粉末など、いずれの形態のものでも使用することができるが、次工程へのハンドリングの観点から、固形のものが好ましい。
<アミン系硬化剤>
本発明の樹脂組成物には、硬化剤として、アミン系硬化剤を用いることが出来る。
具体的には、ヘキサメチレンテトラミンを好適に用いることができる。
本発明においては、ヘキサメチレンテトラミンを用いることにより、成形性を高めることができる。ヘキサメチレンテトラミンの配合割合は特に限定されないが、リグニン樹脂とノボラック型フェノール樹脂の樹脂混合物100質量部に対して、5質量部以上、25質量部以下であることが好ましく、7質量部以上、18質量部以下であることがより好ましい。上記下限値以上とすることにより、最低限の架橋密度を得ることができる。また、上記上限値以下とすることにより、成形時のガス発生量を低減することができる。
特にヘキサメチレンテトラミンを使用する場合は、粉砕し、最大を1000μm以下、好ましくは500μm以下にしてから、溶融混合させることが好ましい。こうすることで、
溶融混合において混合時間を短縮することができ、混合時の重合反応を抑制しゲル化を
防ぐことが出来る。
粉砕の方法は特に限定するものではないが、ボールミルや、ロッドミル、パワーミル、ヘンシェルミキサー、樹脂粉砕機といった装置を用いることが好適である。さらに、粒径に関しては、メッシュ目開き間隔が1000μmのふるいにかけることで簡単に、最大粒径が1000μm以下のヘキサメチレンテトラミン粒子を得ることが出来る。最大粒径が500μmの場合は、メッシュ目開き間隔を500μmにすればよい。
<硬化助剤>
本発明の硬化性樹脂組成物には、硬化助剤を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において用いられる硬化助剤としては特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン酸、フタル酸などのジカルボン酸、無機塩基性化合物、有機塩基性化合物などの塩基性化合物などが挙げられる。また、これらは単独又は複数を組み合わせて使用することができる。硬化助剤の配合割合としては特に限定されないが、リグニン樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂混合物100質量部に対して、0.5質量部以上、5質量部以下であること、あるいは、リグニン樹脂組成物全体に対して、0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましい。硬化助剤の配合割合が上記下限値以上であれば、樹脂の硬化を十分に促進する効果を得ることができる。一方、上記上限値以下であれば、成形時の流動性を低下させることなく良好な成形性が得られ、硬化物の機械的強度を良好なものとすることができる。
前記無機塩基性化合物は、アルカリ金属の水酸化物、及び/またはアルカリ土類金属やマグネシウムの水酸化物あることが好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウムを用いることがさらに好ましい。また、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用して用いることもできる。
前記有機塩基性化合物は、脂肪族または脂環族の第一級、第二級または第三級アミン、芳香環を有する脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、含窒素芳香複素環化合物、イミダゾ−ル類、スルフェンアミド類、チアゾ−ル類、アゾ化合物などの複素環式化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
前記有機塩基性化合物は、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノ−ルアミン、n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジプロピルアミン、エチレンジアミン、アニリン、メチルアニリン、1−アミノアダマンタン、4−アミノジフェニルアミン、1−ナフチルアミン、オクタデシルアミン、ジフェニルアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミンであり、イミダゾ−ル類、スルフェンアミド類、チアゾ−ル類、アゾ化合物としては、2−メチルイミダゾ−ル、2−ウンデシルイミダゾ−ル、2−ヘプタデシルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ−ル、1−シアノエチル−2−フェニルイ
ミダゾ−ル、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル
−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)
]− エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチル
イミダゾリル − (1’)] −エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾ−ル、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾ−ル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾ−ル、2−メチル
イミダゾリン、2− フェニルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリ
アジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリンスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)
メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)メルカプトベンゾ
チアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モリホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジアザ
ビシクロウンデセン、キヌクリジン、ピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、環状ポリアミンなどが挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、リグニン樹脂組成物の硬化後の機械的強度が向上する点で、2−メチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、及びジア
ザビシクロウンデセン等の含窒素芳香複素環化合物を用いることが好ましい。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用して用いることもできる。
<溶融混合>
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物の溶融混合について説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、リグニン樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂と、ヘキサメチレンテトラミンと、硬化助剤とを、均一に溶融混合させる方法により得ることができる。本発明の樹脂組成物において、均一に溶融混合するとは、リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン、硬化助剤が融解し、流動する状態において、リグニン樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂との反応、又はフェノール樹脂のヘキサメチレンテトラミンによる硬化反応が実質的に起きない状態で、均一に混合することである。溶融混合させる方法として好ましい一例を挙げると、所定量のリグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン及び硬化助剤を混練装置に仕込み、溶融混合することにより得られる。溶融混合時の温度は、樹脂組成物樹脂が、溶融はするが硬化は開始しない温度が適当である。混練装置としては特に限定されないが、ニーダー、三軸押出機機、二軸押出機、単軸押出機、ロール混錬機、セグメントミキサ、プラネタリーミキサー、などの混練機が適当である。リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン、硬化助剤を通常の混錬機を用いて混合を行うと、樹脂粘度の増加、又はゲル化反応が進行することなどの理由により、安定して混合することが困難である場合は、加圧二―ダー、オズマニック(加圧混練装置)、ミラクルK.C.Kなどの
加圧式の混練装置を用いることにより、リグニン樹脂、フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン、硬化助剤を均一に分散させること、ヘキサメチレンテトラミンアダクト化率を10%以上とすることが可能となる。ヘキサメチレンテトラミンのアダクト化率が10%以上となることにより、リグニン樹脂、フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとの間の分子間距離が小さくなり、両者の反応性を向上させることができる。
溶融混合時の加熱温度は、樹脂硬化温度未満の温度で行わないと樹脂硬化が進んでしまう。
また、通常の混錬機での溶融混合時に樹脂粘度上昇が起きる樹脂組成物の場合には、上記溶融混合時に加圧することで、混合を早くでき、ゲル化前に均一に混合することが可能となる。
本発明において定義するアダクト化したヘキサメチレンテトラミンとは、イオン交換水によって抽出されないヘキサメチレンテトラミンをいう。ここで、水の温度は25±1℃とする。通常、単にフェノール樹脂に粉砕混合させただけのヘキサメチレンテトラミンは、水によって容易に抽出されるが、アダクト化した、即ち、フェノール樹脂中に微分散したヘキサメチレンテトラミンは、微細化した粒子一つ一つがフェノール樹脂で内包されるため、水で抽出されない。このことから、ヘキサメチレンテトラミンのアダクト化率(アダクト化したヘキサメチレンテトラミンの割合)は、次の式から求められる。
アダクト化率=〔(A−B)/A〕×100(%)
A:全ヘキサメチレンテトラミンの質量
B:イオン交換水で抽出されたヘキサメチレンテトラミンの質量
なお、Aはケルダール法、液体クロマト法又は元素分析法などによって求められる。また、Bはイオン交換水で抽出したヘキサメチレンテトラミンの質量について滴定法によって求められる。測定に際して、試料の粒径は500μm以下とし、もし粒径が粗い場合は、試料の粒径を500μm以下に粉砕してから測定するものとする。
本発明の樹脂組成物は特に限定するものではないが、遊離フェノールの含有量が5質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがさらに好ましい。遊離フェノールの含有量が前記上限値を超えると、硬化性に悪影響を与える場合があり、また、溶融混練した場合、フェノール成分が揮発し作業環境上好ましくないという問題を生じる場合がある。尚、遊離フェノールの含有量については、フェノール樹脂を生産する段階で高真空で遊離フェノールを除去する等の方法によって使用するフェノール樹脂中の遊離フェノール量を低減することにより、樹脂組成物における遊離フェノールの含有量を低減することができる。
本発明においては、ヘキサメチレンテトラミンアダクト化率は、10%以上であることが望ましい。
この範囲において、樹脂と硬化剤であるヘキサメチレンテトラミンとの分子間距離が近くなり、硬化反応が効率的に進行するという効果が得られる。
次に、本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物の製造方法に関して、一例を説明する。
本発明の溶融混合においては、リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミンを一度に混合溶融させる方法と、まずリグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の一部または全部を溶融混合する工程1と、さらに、工程1の産物に、ヘキサメチレンテトラミンを溶融混合する工程2を続けて実施する方法がある。
さらに硬化剤を入れる場合は、後者の場合、工程2においてヘキサメチレンテトラミンと同時に加えて溶解混合することが望ましい。
また、本発明において溶融混合であるので溶媒を加えることはしない。
次に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
(1)リグニン樹脂(A)の作製
スギ木粉(60メッシュアンダー)500gと、純水からなる溶媒2000gとを混合し、これを5Lオートクレーブに導入した。そして内容物を300rpmで攪拌しながら、前処理として室温で15分間撹拌を行い、スギ木粉と溶媒とを十分になじませた後、300℃、10MPaで60分間処理して、スギ木粉を分解した。
次いで、得られた分解物を濾過し、濾別された固形成分を回収した。
次いで、得られた固形成分をアセトン1000mlに12時間浸漬した。これを濾過し、アセトン可溶成分を回収した。
次いで、前記アセトン可溶成分からアセトンを留去し、乾燥することで、リグニン樹脂(A)49gを得た。本操作を必要回数繰り返すことにより実施に必要なリグニン樹脂(A)を得た。
(2)リグニン樹脂の熱分解GC−MS評価
前記の方法で得られたリグニン樹脂(A)について、熱分解GC−MS測定により、構造分析を実施した。熱分解GC−MS測定には、「熱分解ユニットにDOUBLE―SHOTPYROLYZER PY―2020iD(フロンティア・ラボ製)を、GCユニッ
トに6890N NETWORK GCSYSTEM(Agilent Technologies製)を、GCカラムにUA5−30M−0.25F(フロンティア・ラボ製)を、MSユニットに5975INERT XL MASS SELECTIVE DETECTOR(AgilentTechnologies製)を備え付けた装置」を用いた。測定条件は、キャリアガスにHeを用い、試料量0.5mgを熱分解ユニットに投入して、500℃で熱分解させ、発生したガスをGCカラムへ誘導し、GCカラムの昇温条件を70℃にて1分保持後に4℃/分で250℃まで昇温させて、GCカラムで成分分離した後、MS部で検出を行った。得られたMSスペクトルの解析はNISTデータベースを用いてラ
イブラリ検索により実施した。評価の結果、リグニン樹脂(A)には、2−メトキシフェノール骨格が主に含まれていた。
(3)樹脂硬化温度の評価
樹脂と硬化剤との硬化温度の評価はDSC(示差走査熱量測定)にて行った。
DSC測定には、DSC6220高感度型示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス製)を用い、試料量10mg、窒素雰囲気下、温度プログラムは開始温度30℃、昇温速度10℃/分にて300℃まで昇温させた。
DSC評価用の試料はリグニン樹脂(A)とヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)とヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)、リグニン樹脂(A)とノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)とヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)の組合せで表1(実施例1)記載の配合比で作製した。分析の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
(4)樹脂及び硬化剤の混合
リグニン樹脂(A)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)、ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)の各々を粉砕し、目開き1000μmのふるいを通した後に、表1(実施例1記載の樹脂部)記載の比率で温度80℃、スクリュー回転数50rpmに制御された少量小型二軸混錬機装置HAAKEMiniCTW(Thermo FisherScientific製)に投入し、出口より溶融混合さ
れた固形の樹脂組成物を得た。混合時にゲル化は起きなかった。得られた樹脂組成物をワーリングブレンダー7011HS型(WARING社)にて粉砕し、粉末の熱硬化性樹脂組成物(A)を得た。
<実施例2>
(5)樹脂硬化温度の評価
リグニン樹脂(A)とヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)及びサリチル酸(キシダ化学製)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)とヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)及びサリチル酸(キシダ化学製)の組合せで表1(実施例2)記載の配合比で各樹脂と硬化剤及び硬化助剤の各々の組合せで樹脂硬化温度の評価用のDSC評価用試料を作製した。DSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
(6)樹脂及び硬化剤の混合
リグニン樹脂(A)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)、ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)、サリチル酸(キシダ化学製)の各々を粉砕し、目開き間隔1000μmのふるいを通した後に、表1(実施例2記載の樹脂
部)記載の比率にて、ロール表面温度を80℃に制御したφ6"×15"L テストロール(関
西ロール株式会社)にてロール回転数10rpmで10分間混合を行い、固形の樹脂組成物を得た。混合時にゲル化は起きなかった。得られた樹脂組成物をワーリングブレンダー7011HS型(WARING社)にて粉砕し、粉末の熱硬化性樹脂組成物(B)を得た。
<実施例3>
実施例2記載のサリチル酸(キシダ化学製)を水酸化カルシウム(キシダ化学製)に変更した以外は実施例2と同様に実施し、粉末の熱硬化性樹脂組成物(C)を得た。混合時にゲル化は起きなかった。樹脂硬化温度の評価でのDSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
<実施例4>
(7)樹脂及び硬化剤の混合
リグニン樹脂(A)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)、ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)の各々を粉砕し、目開き間隔1000μmのふるいを通した後に、表1(実施例3記載の樹脂部)記載の比率にて、80℃に制御したMS式小型加圧ニーダーDS3-10型(モリヤマ製)にてブレード回転数10rpmで10分混合することにより、固形の樹脂組成物を得た。混合時にゲル化は起きなかった。得られた樹脂組成物をワーリングブレンダー7011HS型(WARING社)にて粉砕し、粉末の熱硬化性樹脂組成物(D)を得た。実施例1同様の樹脂硬化温度の評価でのDSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
<比較例1>
リグニン樹脂(A)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)、ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)を購入した形状のまま粉砕する事無く、表1(比較例1記載の樹脂部)記載の比率にて、室温下、ステンレス棒で混合し熱硬化性樹脂組成物(E)を得た。混合時にゲル化は起きなかった。実施例1同様の樹脂硬化温度の評価でのDSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
<比較例2>
リグニン樹脂(A)、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)、の各々をワーリングブレンダー7011HS型(WARING社)にて粉砕し、目開き1000μmのふるいを通した後に、表1(実施例1記載の樹脂部)記載の比率で温度80℃、スクリュー回転数50rpmに制御された少量小型二軸混錬機装置HAAKEMiniCTW(Thermo FisherScientific製)に投入し、出口より溶融混
合された固形の樹脂組成物を得た。混合時にゲル化は起きなかった。得られた樹脂組成物を粉砕し、粉末の樹脂組成物(X)を得た。
ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)を購入した形状のまま粉砕する事無く、
溶融混合された粉末の樹脂組成物(X)と表1(比較例1記載の樹脂部)記載の比率にて、室温下、ステンレス棒で混合して、熱硬化性樹脂組成物(F)を得た。混合時にゲル化は起きなかった。実施例1同様の樹脂硬化温度の評価でのDSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
<比較例3>
リグニン樹脂(A)、ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)、の各々をワーリングブレンダー7011HS型(WARING社)にて粉砕し、目開き1000μmのふるいを通した後
に、表1(実施例1記載の樹脂部)記載の比率で温度80℃、スクリュー回転数50rpmに制御された少量小型二軸混錬機装置HAAKEMiniCTW(Thermo Fi
sherScientific製)に投入し、出口より溶融混合された固形の樹脂組成物を得た。混合時にゲル化は起きなかった。得られた樹脂組成物を粉砕し、粉末の樹脂組成物(Y)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)を購入した形状のまま粉砕する事無く、溶融混合された粉末の樹脂組成物(Y)と表1(比較例1記載の樹脂部)記載の比率にて、室温下、ステンレス棒で混合して、熱硬化性樹脂組成物(G)を得た。混合時にゲル化は起きなかった。実施例1同様の樹脂硬化温度の評価でのDSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
<比較例4>
ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製PR−53195)、ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学製)、の各々をワーリングブレンダー7011HS型(WARING社)にて粉砕し、目開き1000μmのふるいを通した後に、表1(実施例1記載の樹脂部)記載の比率で温度80℃、スクリュー回転数50rpmに制御された少量小型二軸混錬機装置HAAKEMiniCTW(Thermo FisherScientific製)に
投入し、出口より溶融混合された固形の樹脂組成物を得た。混合時にゲル化は起きなかった。得られた樹脂組成物を粉砕し、粉末の樹脂組成物(Z)を得た。
リグニン樹脂(A)を購入した形状のまま粉砕する事無く、溶融混合された粉末の樹脂組成物(Z)と表1(比較例1記載の樹脂部)記載の比率にて、室温下、ステンレス棒で混合して、熱硬化性樹脂組成物(H)を得た。混合時にゲル化は起きなかった。実施例1同様の樹脂硬化温度の評価でのDSC測定の結果、すべてのDSC評価用試料に於いて、DSC発熱ピーク(樹脂硬化温度)は110℃よりも高温側に観察された。
実施例1〜3、比較例1〜4で得た熱硬化性樹脂組成物(A)〜(H)について次の評価を行った。
<樹脂組成物の評価方法>
・ ヘキサメチレンテトラミンのアダクト化率
ヘキサメチレンテトラミンのアダクト化率(アダクト化したヘキサメチレンテトラミンの割合)は、式(1)から求めた。

アダクト化率[%]=[(A−B)/A]x100 (1)
A:全ヘキサメチレンテトラミンの質量
B:イオン交換水で抽出されたヘキサメチレンテトラミンの質量
Aはケルダール法により求めた。Bはイオン交換水で抽出したヘキサメチレンテトラミンの質量について滴定法によって求めた。測定に際して、試料の粒径は150μm以下に調整したものを用いた。結果を表1に示す。
(2)遊離フェノール含有量
GCカラムDB−WAX(Agilent Technologies製)を装着したガスクロマトグラフGC−2014(島津製作所製)を用いて、得られた樹脂組成物中の遊離フェノール含有量を測定した。遊離フェノール含有量の算出に際しては、予め作成したフェノール検量線を用いた。結果を表1に示す
<樹脂組成物の成形材料評価方法>
(1)実施例1〜3、比較例1〜4で作製した熱硬化性樹脂組成物(A)〜(H)について、以下に示す方法で成形物の作製及び評価を行った。
樹脂組成物40重量部、補強材としてのガラス繊維60重量部を配合し、室温にて乳鉢で
磨り潰し混錬することにより成形材料を得た。成形材料をタブレット化した後、タブレットを圧縮成形用の金型に投入して、175℃、20MPa、3分という条件で圧縮成形を行った。更に180℃8hの後硬化処理を行い、外観評価及び、JIS K6911に従った室温での曲げ強度を測定した。結果を表1に示す。比較例1〜4は硬化物の外観が膨れていため、曲げ強度の測定は行わなかった。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、従来法よりも少量のヘキサメチレンテトラミン、硬化助剤での成形が可能であることから、これらの硬化反応の際に発生するガス量も少なくな
り、成形物中の発生ガス起因によるフクレが抑制される。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は樹脂とヘキサメチレンテトラミン、硬化助剤同士が近傍に均一分散されていることから、従来法に対して硬化時間及び後硬化時間を短縮しても諸特性を低下させることなく、ガラス転移温度、曲げ強度が高く耐熱性に優れた成形物を得る事ができる。

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂組成物であって、
    リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、およびアミン系硬化剤を溶融混合した後、熱硬化させることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記溶融混合において、さらに硬化助剤を加えた請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記溶融混合時の加熱温度が、樹脂硬化温度未満の温度である請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1記載のリグニン樹脂が、フェノール骨格、2−メトキシフェノール骨格、2,6−ジメトキシフェノール骨格の一種以上を含む樹脂である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物
  5. 請求項1記載のアミン系硬化剤が、樹脂組成物100重量部に対して、5重量部以上、20重量部以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物
  6. 前記アミン系硬化剤が、ヘキサメチレンテトラミンを含む請求項1ないし5いずれか1項
    に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項6記載のヘキサメチレンテトラミンのアダクト化率が、10%以上である請求項6記載の熱硬化性樹脂組成物
  8. 前記ヘキサメチレンテトラミンを、最大粒径1000μm以下に粉砕し、溶融混合させる請求項6または7に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、
    リグニン樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の一部または全部を溶融混合する工程1と、さらに、アミン系硬化剤、硬化助剤の一部又は全部を溶融混合したこと工程2を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
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