JP2015168533A - エレベータ装置 - Google Patents

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悠至 酒井
Yuji Sakai
悠至 酒井
関谷 裕二
Yuji Sekiya
裕二 関谷
真人 牛村
Masato Ushimura
真人 牛村
薫 平野
Kaoru Hirano
薫 平野
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Abstract

【課題】より簡易的に主ロープの振れを防止し、かつ、位置ずれが容易に発生しないようにした振れ止め体を備えたエレベータ装置を提供する。
【解決手段】第一接続ロープ13A,13Bによって昇降路内につるべ式に吊り下げられた上部ロープ振れ止め体9と上部ロープ振れ止め体10とを設け、上部ロープ振れ止め体9を乗りかご2の上方部に配置し、上部ロープ振れ止め体10をウンターウェイト3の上方部に配置し、乗りかご2が最下階へと移動するときウンターウェイト3との接触によって上部ロープ振れ止め体10が移動されて、上部ロープ振れ止め体9を乗りかご2側に送り出された主ロープ4の中間部に位置するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、主ロープの振れを防止するロープ振れ止め体を有するエレベータ装置に関する。
一般に、地震または強風の際には建築物が揺れることでエレベータ装置の昇降路および昇降路に配置され乗りかごを吊る主ロープに振れが生じる。また、屋外エレベータ装置にあっては、昇降距離が長くなるとロープが風によって煽られて振れが生じる。特に、主ロープの直線距離が最も長くなるのは乗りかごが最上階および最下階に位置するときであり、主ロープの上下中間位置で最も振れ量が大きくなる。このように主ロープに振れが生じると、主ロープが昇降路内に設置される様々な機器に接触して運転不能となる恐れがあることから、エレベータ装置の主ロープの振れを防止する装置が必要となってくる。
本技術分野の背景技術として、特開2007−22673号公報(特許文献1)および特開平11−139718号公報(特許文献2)がある。この特許文献1には、かごの上方に配置され、かご上方の主ロープが押通された第一ロープ案内孔を有する第一振れ止め体と、この第一振れ止め体より一定距離下方となるかごの下方に配置され、かご下方のコンペンロープが押通された第二ロープ案内孔を有する第二振れ止め体と、第一振れ止め体及び第二振れ止め体を懸吊する振れ止めロープと、昇降路内に立設され、かご並びに第一振れ止め体及び第二振れ止め体の昇降方向を案内するかご用ガイドレールと、振れ止めロープを主ロープより低速で移動させるとともに、第一振れ止め体をかごの上方においてかごに連動して昇降させて、第二振れ止め体をかごの下方において第一振れ止め体に連動して昇降させる駆動手段とを備えたエレベータ装置が記載されている。
また特許文献2には、主ロープが巻上機につるべ式に掛けられて昇降路内に吊り下げられ、かご室が主ロープの一側に取り付けられ、吊り合い重りが他側に取り付けられて、巻上機によりかご室および吊り合い重りが昇降路内を昇降移動するエレベータの主ロープ振れ止め装置であって、主ロープが挿通される囲繞部を有し、かご室と巻上機との間に、主ロープを囲繞部内に挿通し、かご室用ガイドレールに案内されて昇降自在に配設された振れ止め体と、巻上機によって駆動され、かご室の昇降移動に連動して、振れ止め体を巻上機とかご室とのほぼ中間位置に位置するように昇降移動させる振れ止め体移動手段とを備えたエレベータ装置が記載されている。
特開2007−22673号公報 特開平11−139718号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されたエレベータ装置は、いずれも主ロープの振れ止めを行う振れ止め体を駆動するために、巻上機に連動する専用の駆動装置を備えているため、構造が複雑で高価なものとなってしまう。また、巻上機に連動する駆動装置を使用しているため、位置ずれが発生した場合に修正することができず、短い周期での点検を必要としていた。
そこで、本発明の目的は、より簡易的に主ロープの振れを防止し、かつ、位置ずれが性能に影響しないようにした振れ止め体を備えたエレベータ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、昇降路内に、主ロープによってつるべ式に吊り下げられた乗りかご及びカウンターウェイトと、前記乗りかごを昇降案内する第一のガイドレールと、前記カウンターウェイトを昇降案内する第二のガイドレールとを配置し、前記主ロープを介して前記乗りかご及び前記カウンタウェイトを昇降駆動する巻上機とを備えたエレベータ装置において、前記昇降路内に、第一接続ロープの一端部に連結されて前記第一のガイドレールによって案内される第一の上部ロープ振れ止め体と、前記第一接続ロープの他端部に連結されて前記第一の上部ロープ振れ止め体に対してつるべ式に吊り下げられ、かつ、前記第二のガイドレールによって案内される第二の上部ロープ振れ止め体とを設け、前記第一の上部ロープ振れ止め体を前記乗りかごの上方部に配置し、前記第二の上部ロープ振れ止め体を前記カウンターウェイトの上方部に配置し、前記乗りかごが最下階へと移動するとき前記ウンターウェイトとの接触によって前記第二の上部ロープ振れ止め体が移動されて、前記第一の上部ロープ振れ止め体を前記乗りかご側に送り出された主ロープの中間部に位置するように構成した。
本発明のエレベータ装置によれば、より簡易的に主ロープの振れを防止し、かつ、位置ずれが性能に影響しないようにした振れ止め体を備えたエレベータ装置を提供することができる。なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例によるエレベータ装置の概略構成を示す正面図である。 図1に示したエレベータ装置における乗りかごが最下階に位置した状態を示す正面図である。 図1に示したエレベータ装置における乗りかごが昇降路内の中間近傍に上昇した状態を示す正面図である。 図1に示したエレベータ装置における乗りかごが昇降路内の最上階に位置した状態を示す正面図である。 図1に示したエレベータ装置における乗りかごが昇降路内の中間近傍まで下降した状態を示す正面図である。 本発明の他の実施例によるエレベータ装置の概略構成を示す正面図である。 図6に示したエレベータ装置における乗りかごが最上階に位置した状態を示す正面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例によるエレベータ装置の概略構成を示す正面図である。
エレベーター装置は、昇降路1内を昇降移動する乗りかご2およびカウンターウェイト3とを備えている。乗りかご2とカウンターウェイト3は、昇降路1の上方部に形成された機械室11に配置された巻上機5に巻き掛けられ、かつプーリ6を使用した主ロープ4によりつるべ式に吊り下げられており、巻上機5の回転により昇降路1内を互いに異なる方向へと昇降移動するよう構成されている。また乗りかご2とカウンターウェイト3は、昇降路1内に固定された対を成すガイドレール7A,7Bとそれぞれ係合するガイド装置8A,8Bを備えており、ガイドレール7A,7Bに沿って昇降移動することになる。
巻上機5と乗りかご2の間には、乗りかご2側に発生する主ロープ4の振れを抑える上部ロープ振れ止め体9が配置され、巻上機5とカウンターウェイト3の間には、カウンターウェイト3側に発生する主ロープ4の振れを抑える上部ロープ振れ止め体10が配置されている。
乗りかご2の上方に配置された上部ロープ振れ止め体9は、中央部に主ロープ4が貫通する通し穴15Aが形成されており、両側にはガイドレール7Aに沿って昇降移動可能に係合したガイド装置8Cが備えられている。通し穴15Aには、乗りかご2を吊り下げている主ロープ4が通されており、通し穴15Aは乗りかご2の昇降移動に伴う主ロープ4の移動を妨げることはないが、主ロープ4が水平方向に振れようとするのを抑制するように作用する。
カウンターウェイト3の上方に配置された上部ロープ振れ止め体10は、上部ロープ振れ止め体9と同様に、中央部に主ロープ4が貫通する通し穴15Bが形成されており、両側にはガイドレール7Bに沿って昇降移動可能に係合したガイド装置8Dが備えられている。通し穴15Bには、カウンターウェイト3を吊り下げている主ロープ4が通されており、通し穴15Bはカウンターウェイト3の昇降移動に伴う主ロープ4の移動を妨げることはないが、主ロープ4が水平方向に振れようとするのを抑制するように作用する。
上部ロープ振れ止め体9と上部ロープ振れ止め体10は、機械室11に配置された複数の振れ止め体用プーリ14にそれぞれ掛けられた第一接続ロープ13A,13Bの端部にそれぞれ設けられた接続ロープ取付部12によって結合されて、つるべ式に吊り下げられている。
上部ロープ振れ止め体10は、カウンターウェイト3の下方部に配置されたウェイト下部干渉部材16を有しており、このウェイト下部干渉部材16の両側にはガイドレール7Bに沿って昇降移動可能に係合したガイド装置8Eが備えられている。また上部ロープ振れ止め体10とウェイト下部干渉部材16間は、複数本の第二接続ロープ18A,18Bの端部にそれぞれ設けた接続ロープ取付部17によって連結されている。上部ロープ振れ止め体10とウェイト下部干渉部材16の対向側には、カウンターウェイト3と干渉したときに衝撃を抑えるための干渉ばね19A,19Bがそれぞれ備えられている。これに対して、カウンターウェイト3には、干渉ばね19A,19Bと対応する位置に受け板20A,20Bがそれぞれ備えられている。
図2は、上述したエレベータ装置における乗りかご2が最下階に位置した状態を示す正面図である。
同図は、乗りかご2が最下階に位置した状態におけるカウンターウェイト3、上部ロープ振れ止め体9、上部ロープ振れ止め体10およびウェイト下部干渉部材16の位置関係を示している。乗りかご2が最下階に位置しているとき、カウンターウェイト3は昇降路の最上部近傍に位置するように主ロープ4の長さが選定されている。乗りかご2側の上部ロープ振れ止め体9は、同状態で、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4に対して、全長のほぼ1/2に相当する中間に配置されている。一方、上部ロープ振れ止め体10は、カウンターウェイト3の上方における昇降路の天井に衝突することのない位置に配置されている。言い換えると、昇降路の最上部付近に上部ロープ振れ止め体10を位置させたとき、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4に対して、全長のほぼ1/2に相当する中間に上部ロープ振れ止め体9を位置させる長さの第一接続ロープ13A,13Bによって、上部ロープ振れ止め体9と上部ロープ振れ止め体10間を連結している。
またカウンターウェイト3側で上部ロープ振れ止め体10とウェイト下部干渉部材16間を連結した第二接続ロープ18A,18Bは、昇降路1の高さの半分程度の長さに選定されている。従って、図2の状態で上部ロープ振れ止め体10が昇降路の最上部付近に位置されているとき、ウェイト下部干渉部材16は昇降路1の高さの半分程度の所に位置している。
上述した各部の位置関係をこのように選定することによって、上部ロープ振れ止め体9および上部ロープ振れ止め体10による主ロープ4に対する振れ止め効果を、複数の乗りかご2の位置に分けて考えることができる。つまり、乗りかご2が図2に示した最下階から、上部ロープ振れ止め体9の下部近傍まで上昇するときの第一の上昇行程と、乗りかご2が上部ロープ振れ止め体9の下部近傍から最上階まで上昇するときの第二の上昇行程とに分けて考えることができる。
図3は、上述したエレベータ装置における乗りかご2が昇降路内の中間近傍まで上昇した状態を示す正面図である。
図2の状態から乗りかご2が上方へと移動されて図3に示した位置に達すると、第二接続ロープ18A,18Bの長さが昇降路1の高さの半分程度に調整されているため、カウンターウェイト3が上部ロープ振れ止め体10から離れて下方へと移動されてウェイト下部干渉部材16と干渉する。このとき、カウンターウェイト3の下部に配置した受け板20Bがウェイト下部干渉部材16の上面に配置した干渉ばね19Bに接触して衝撃が吸収される。
この第一の上昇行程において、上部ロープ振れ止め体9および上部ロープ振れ止め体10は、乗りかご2およびカウンターウェイト3との連結関係を有していないため、図2の位置に保持されている。第二接続ロープ18A,18Bの長さが上述のように設定されているため、受け板20Bが干渉ばね19Bに接触したとき、乗りかご2と上部ロープ振れ止め体9とは非接触状態であり、両者の間には所定の対向距離が保持されている。
乗りかご2が最下階近傍に位置した状態では、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが最大となる。この状態で、主ロープ4に振れが発生したとしても、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の中間部、つまり同側主ロープ4の長さの1/2に相当する位置に上部ロープ振れ止め体9が配置されており、上部ロープ振れ止め体9によって主ロープ4の振れが効果的に抑制される。
第一の上昇行程として図2の状態から乗りかご2が上方へと移動されると、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが徐々に短くなり、同側主ロープ4の長さの1/2に相当する位置から外れるものの、依然として主ロープ4の中間部に上部ロープ振れ止め体9が配置されているため、上部ロープ振れ止め体9が主ロープ4の振れを抑制し続ける。
第一の上昇行程が完了した図3の状態では、乗りかご2と上部ロープ振れ止め体9間が最も接近し、所定の対向距離となる。
図4は、上述したエレベータ装置における乗りかご2が昇降路内の最上階に位置した状態を示す正面図である。
図3の状態から乗りかご2がさらに上方へと移動されて図4に示した最上階に達するまでの第二の上昇行程では、カウンターウェイト3の受け板20Bが干渉ばね19Bと接触した状態のまま下方へと移動される。ウェイト下部干渉部材16には第二接続ロープ18A,18Bによって上部ロープ振れ止め体10が連結されているため、第二の上昇行程では、上部ロープ振れ止め体10も下方へと移動される。この上部ロープ振れ止め体10には、第一接続ロープ13A,13Bによって上部ロープ振れ止め体9が連結されているため、第二の上昇行程では、上部ロープ振れ止め体9も乗りかご2との上方部に所定の対向距離を保持したまま上方へと移動される。
従って、図3の状態から図4に示した状態となるまでの第二の上昇行程では、上部ロープ振れ止め体9が乗りかご2との間に一定距離を保持したまま移動することになるが、乗りかご2側に位置した主ロープ4の長さが昇降路の高さの半分に対し短かくなっているため、問題とはならない。乗りかご2が最上階に達したとき、その上方部に昇降路天井までの間に十分な距離がある場合は、乗りかご2と上部ロープ振れ止め体9との間の所定の対向距離を少し大きくして、上部ロープ振れ止め体9で主ロープ4の振れ止め効果を生じるようにすることもできる。いずれの場合も、上述したように乗りかご2が最上階に達したとき、上部ロープ振れ止め体9が昇降路天井に衝突することはない。
一方、第二の上昇行程で、第二接続ロープ18A,18Bによりウェイト下部干渉部材16に連結された上部ロープ振れ止め体10は、カウンターウェイト3との間に昇降路の高さの半分程度の対向距離を保持しながら下降へと移動する。
従って、第二の上昇行程で、カウンターウェイト3側に送り出されている主ロープ4の長さが増大して行くが、上部ロープ振れ止め体10がカウンターウェイト3との間に昇降路の高さの半分程度の対向距離を保持することになり、同側の主ロープ4の中間部で効果的に振れが抑制される。
図5は、上述したエレベータ装置における乗りかご2が昇降路内の中間近傍まで下降した状態を示す正面図である。
乗りかご2が最上階から下方へと移動する場合、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが徐々に増大されながら、乗りかご2が昇降路内の中間近傍に達する。このときまで、乗りかご2の上部に位置した上部ロープ振れ止め体9は図4に示した位置に保持されている。
乗りかご2のこの動きに対して、上部ロープ振れ止め体10とカウンターウェイト3とは連結関係を有していないため、カウンターウェイト3はウェイト下部干渉部材16を図4に示した位置に残したまま上昇する。上述したように第二接続ロープ18A,18Bの長さが昇降路1の高さの半分程度に調整されているため、カウンターウェイト3がウェイト下部干渉部材16から離れて図5に示した昇降路のほぼ中間位置に達すると、カウンターウェイト3が上部ロープ振れ止め体10と接触する。このとき、カウンターウェイト3の上部に配置した受け板20Aが、上部ロープ振れ止め体10の下面に配置した干渉ばね19Aに接触して衝撃が吸収される。
しかし、この状態から乗りかご2がさらに下方へと移動すると、カウンターウェイト3の上昇に伴って上部ロープ振れ止め体10と、第二接続ロープ18A,18Bによって連結されたウェイト下部干渉部材16とが共に同方向に移動される。このため上部ロープ振れ止め体10およびウェイト下部干渉部材16と第一接続ロープ13によってつるべ状に連結された上部ロープ振れ止め体9は、下降を開始する。上部ロープ振れ止め体9と乗りかご2との間には、図5に示したカウンターウェイト3とウェイト下部干渉部材16との間に形成された対向距離に相当する昇降路の高さの半分程度の対向距離が形成されて保持される。
従って、図5の状態よりも乗りかご2が下方へと移動することによって、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが増大しても、振れが発生したとき主ロープ4の中間部に配置された上部ロープ振れ止め体9によって効果的に振れが抑制される。
このように本エレベータ装置は、第一接続ロープ13A,13Bによって昇降路内につるべ式に吊り下げられた上部ロープ振れ止め体9と上部ロープ振れ止め体10とを設け、上部ロープ振れ止め体9を乗りかご2の上方部に配置し、上部ロープ振れ止め体10をウンターウェイト3の上方部に配置し、乗りかご2が最下階へと移動するときウンターウェイト3との接触によって上部ロープ振れ止め体10が移動されて、上部ロープ振れ止め体9を乗りかご2側に送り出された主ロープ4の中間部に位置するように構成されている。
従って、上部ロープ振れ止め体9は、乗りかご2が最下階に位置して乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが最も大きくなっているとき、主ロープ4の中間部を上部ロープ振れ止め体9によって振れ止めすることができる。この主ロープ4の中間部は、第一接続ロープ13A,13Bの長さによって決定されるので、常に望ましい位置で振れ止めを行うことができる。仮に調整が必要だとしても、第一接続ロープ13A,13Bの端部に設けた接続ロープ取付部12によって容易に調整することができる。
しかも、上部ロープ振れ止め体9および上部ロープ振れ止め体10を駆動するために、従来のように巻上機5に連動する専用の駆動装置を使用していないので、簡単な構成で、安価なエレベータ装置とすることができる。また従来のように巻上機5に連動する専用の駆動装置を有していないため、乗りかご2が最下階以外の位置にあるときは、上部ロープ振れ止め体9が主ロープ4の中間位置から外れて行くが、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが減少するので、振れの問題は減少して行く。
図6は、本発明の他の実施例によるエレベータ装置の概略構成を示す正面図である。
先の実施例との同等物には同一符号を付けて説明を省略し、構成の異なる部分について説明する。
本実施例のエレベータ装置は、一端を乗りかご2の下部に連結し他端をカウンターウェイト3の下部に連結されて、乗りかご2の移動に伴う主ロープ4の重量アンバランスを補正するコンペンロープ21を有している。コンペンロープ21は、昇降路下部のピットに可回転的に配置された張り車26に巻き掛けられている。この張り車26は、一つに限らず分散して配置した複数個であっても良い。
乗りかご2の下方には上部ロープ振れ止め体9と同一構成の下部ロープ振れ止め体22が配置されている。この下部ロープ振れ止め体22の中央部にはコンペンロープ21が挿通された通し穴23が形成され、またその両側にはガイドレール7Aに沿って昇降移動可能に係合したガイド装置8Fが備えられている。乗りかご2の上方に配置された上部ロープ振れ止め体9と、乗りかご2の下方に配置された下部ロープ振れ止め体22とは、乗りかご2と干渉しない位置に配置され、かつその両端部にそれぞれ接続ロープ取付部25を有した複数本の第三接続ロープ24A,24Bによって連結されている。この第三接続ロープ24A,24Bは、第二接続ロープ18A,18Bの長さと同様に昇降路1の高さの半分程度の長さを有している。
一方、カウンターウェイト3の下方に配置されていたウェイト下部干渉部材16は、その中央部にコンペンロープ21が挿通された通し穴27が形成されて下部ロープ振れ止め体28に変更されている。
図7は、上述したエレベータ装置における乗りかご2が昇降路内の最上階に位置した状態を示す正面図である。
乗りかご2が最上階に達した状態で、乗りかご2側では、上部ロープ振れ止め体9は乗りかご2の上部で昇降天井に衝突することのない位置にあり、下部ロープ振れ止め体22は昇降路の高さの1/2程度の中間部に配置されている。一方、カウンターウェイト3側では、上部ロープ振れ止め体10は昇降路の高さの1/2程度の中間部に配置され、下部ロープ振れ止め体28は昇降路の下部近傍に位置したカウンターウェイト3の下部に配置されている。
これらの位置関係から分かるように、上部ロープ振れ止め体9、上部ロープ振れ止め体10、下部ロープ振れ止め体28におけるウェイト下部干渉部材16としての機能は、先の実施例と同様に働くことが分かる。
一方、昇降路の高さの中間部に配置された下部ロープ振れ止め体22は、その中央部に形成した通し穴23にコンペンロープ21が挿通されている。この状態でのコンペンロープ21は、乗りかご2側に送り出されている長さが最も大きくなっているため、振れが発生した場合、中間部が最も大きな振れとなるが、下部ロープ振れ止め体22によって効果的に抑制される。
このようにして、上部ロープ振れ止め体9は、乗りかご2が最下階に位置して乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが最も大きくなっているとき、その中間部で効果的に振れを抑制する。従来のように上部ロープ振れ止め体9の移動を専用の駆動系によって行って、常時、乗りかご2の移動に連動させる構成ではないため、その他の乗りかご2の位置では、上部ロープ振れ止め体9は主ロープ4の中間位置から外れて行くが、乗りかご2側に送り出されている主ロープ4の長さが減少するので、振れの問題は減少して行く。
また下部ロープ振れ止め体22は、乗りかご2が最上階に位置して乗りかご2側に送り出されているコンペンロープ21の長さが最も大きくなっているとき、その中間部で効果的に振れを抑制することができる。下部ロープ振れ止め体22の移動を専用の駆動系によって行って、常時、乗りかご2の移動に連動させる構成ではないため、その他の乗りかご2の位置では、下部ロープ振れ止め体22はコンペンロープ21の中間位置から外れて行くが、乗りかご2側に送り出されているコンペンロープ21の長さが減少するので、振れの問題は減少して行く。
尚、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。またある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1 昇降路
2 乗りかご
3 カウンターウェイト
4 主ロープ
5 巻上機
7A,7B ガイドレール
9 上部ロープ振れ止め体
10 上部ロープ振れ止め体
13A,13B 第一接続ロープ
16 ウェイト下部干渉部材
18A,18B 第二接続ロープ
21 コンペンロープ
24A,24B 第三接続ロープ

Claims (4)

  1. 昇降路内に、主ロープによってつるべ式に吊り下げられた乗りかご及びカウンターウェイトと、前記乗りかごを昇降案内する第一のガイドレールと、前記カウンターウェイトを昇降案内する第二のガイドレールとを配置し、前記主ロープを介して前記乗りかご及び前記カウンタウェイトを昇降駆動する巻上機とを備えたエレベータ装置において、
    前記昇降路内に、第一接続ロープの一端部に連結されて前記第一のガイドレールによって案内される第一の上部ロープ振れ止め体と、前記第一接続ロープの他端部に連結されて前記第一の上部ロープ振れ止め体に対してつるべ式に吊り下げられ、かつ、前記第二のガイドレールによって案内される第二の上部ロープ振れ止め体とを設け、前記第一の上部ロープ振れ止め体を前記乗りかごの上方部に配置し、前記第二の上部ロープ振れ止め体を前記カウンターウェイトの上方部に配置し、前記乗りかごが最下階へと移動するとき前記ウンターウェイトとの接触によって前記第二の上部ロープ振れ止め体が移動されて、前記第一の上部ロープ振れ止め体を前記乗りかご側に送り出された主ロープ4の中間部に位置するように構成したことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記カウンターウェイト側に配置した前記第二の上部ロープ振れ止め体は、前記乗りかごが最上階に位置したとき前記カウンターウェイト側に送り出された前記主ロープの中間部に配置され、前記第二のガイドレールによって案内されるウェイト下部干渉部材を前記カウンターウェイトの下方部に設け、前記ウェイト下部干渉部材は、前記乗りかごが最下階に位置したとき前記昇降路の中間部に位置するよう前記第二の上部ロープ振れ止め体へ第二接続ロープによって連結したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記第一接続ロープは、前記乗りかごが最下階に位置したときに前記乗りかご側に送り出された前記主ロープの長さの約半分に相当する前記中間部に前記第一の上部ロープ振れ止め体が位置する長さとしたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  4. 前記乗りかごの下部と前記カウンターウェイトの下部との間を前記乗りかごの移動に伴う前記主ロープの重量アンバランスを補正するコンペンロープで連結し、前記第一のガイドレールによって案内される下部ロープ振れ止め体を前記乗りかごの下方部に設け、前記下部ロープ振れ止め体は、前記乗りかごが最上階に位置したとき前記昇降路の中間部に位置するように前記第一の上部ロープ振れ止め体へ第三接続ロープによって連結したことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
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