JP2015168257A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱気モジュールによる脱気性能の劣化を低減することができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】制御部は、大気開放弁252を閉じて真空ポンプ249を駆動し、圧力センサー251の検出結果に基づいて、中空糸膜の管内の気圧を所定の脱気運転気圧に維持することにより、脱気モジュール242によるインク中の溶存気体の除去を行う脱気制御と、所定の排出動作条件が成立したときに、圧力センサー251の検出結果に基づいて、中空糸膜の管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに大気開放弁252を開放することにより、中空糸膜の管内に浸潤したインクの排出を行う排出制御と、を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
圧電素子による電気機械変換作用を利用してインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置では、インク中に溶存する気体が気泡となってインク中に残留していると、ノズルからのインクの不吐出等の不具合を発生させる原因となる。
このため、従来のインクジェット記録装置において、インクタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給経路上に脱気モジュールを備えたものが知られている。この脱気モジュールにおいては、中空状の筒状体内に複数本の中空糸膜等の気体透過膜が収容されており、この気体透過膜の少なくとも一端に真空ポンプを接続して気体透過膜内を減圧し、気体透過膜の界面を通過するインク中の溶存気体が気体透過膜を透過することにより除去(脱気)されるように構成された外部還流型の脱気モジュールが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2012−152935号公報
一般に、上記特許文献1に記載のような外部還流型の脱気モジュールは、長時間脱気動作を行うと、気体透過膜の外側を流下するインクに含まれる液体成分や溶媒が気体透過膜に形成されている微細孔を通過して減圧された気体透過膜内部に浸潤する。この浸潤した液体成分等は気体透過膜内部において気化されるのであるが、浸潤量が増加してくると、気体透過膜内で気化しきれず、液状化して気体透過膜内面に付着する。そして、気体透過膜内面に付着した液体により、インク中の溶存気体の透過が阻害され、気体透過膜の脱気性能が低下する。
このようにして、脱気モジュールの長時間の使用により、脱気性能の経時的な劣化が進行すると、脱気が十分行われなくなり、このようなインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出すると、ノズルに不具合が生じ、画質を劣化させる原因ともなり、ひいては、脱気モジュールを交換する必要が生じ、コストがかかってしまう。
本発明の課題は、脱気モジュールによる脱気性能の劣化を低減することができるインクジェット記録装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、インクタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給経路上に設けられてインク中の溶存気体を透過可能な管状の気体透過膜を内部に有する外部還流型の脱気モジュールと、前記気体透過膜の管内の気圧を減圧する真空ポンプとを備え、前記真空ポンプによって前記気体透過膜の管内の気圧を減圧することにより、前記気体透過膜の外部を還流するインク中の溶存気体を除去するインクジェット記録装置において、
前記気体透過膜の一端側は開放弁を介して少なくとも減圧された前記気体透過膜の管内の気圧よりも高い気圧の空間に接続されるとともに、前記気体透過膜の他端側は前記真空ポンプに接続されており、
前記気体透過膜の管内の気圧を検出する圧力センサーと、
前記開放弁を閉じて前記真空ポンプを駆動し、前記圧力センサーの検出結果に基づいて、前記気体透過膜の管内の気圧を所定の脱気運転気圧に維持することにより、前記脱気モジュールによるインク中の溶存気体の除去を行う脱気制御と、前記所定の排出動作条件が成立したときに、前記圧力センサーの検出結果に基づいて、前記気体透過膜の管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに前記開放弁を開放することにより、前記気体透過膜の管内に浸潤したインクの排出を行う排出制御と、を実行する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記排出制御において、前記気体透過膜の管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに、前記真空ポンプの駆動を停止した後に前記開放弁を開放することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、
前記所定の排出動作条件は、前記脱気制御を所定時間実行したことを含むことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記制御部は、ジョブデータの入力に応じて前記インクジェットヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するジョブを実行し、
前記所定の排出動作条件は、実行中のジョブが終了したことを含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記排出動作実行気圧は、前記気体透過膜の管内の気圧よりも高い空間における気圧との差が70k・Pa以上である気圧であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
所定容量の気体を収容可能な減圧タンクを備え、
前記真空ポンプは、前記減圧タンクを介して前記気体透過膜に接続されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のインクジェット記録装置において、
前記圧力センサーは、前記気体透過膜と前記減圧タンクとの間における気圧を前記気体透過膜の管内の気圧として検出することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置において、
前記減圧タンクは、前記気体透過膜から浸潤したインクを貯留可能であり、
前記減圧タンクに貯留したインクを排出するための排出弁を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、脱気モジュールによる脱気性能の劣化を低減することができる。
本実施の形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す模式図である。 インクの温度上昇及び下降に伴うインクの粘度の変化の例を示す図である。 インクの流路について説明する図である。 脱気モジュールの断面図である。 インクジェット記録装置の機能的構成を示すブロック図である。 脱気制御処理について説明するフローチャートである。 排出制御処理について説明するフローチャートである。 脱気モジュール内の気圧の変化について説明するタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係るインクジェット記録装置について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係るインクジェット記録装置1は、給紙部10と、画像形成部20と、排紙部30と、制御部40(図5参照)と、インク供給部50とを備えている。インクジェット記録装置1では、制御部40の制御に基づいて、給紙部10から画像形成部20に搬送された記録媒体Pに対して、インク供給部50から供給されたインクにより画像形成部20で画像を形成した後、当該記録媒体Pを排紙部30に排出する。
給紙部10は、画像形成が行われる記録媒体Pを保持し、画像形成前に画像形成部20に供給する。給紙部10は、給紙トレー11と、搬送部12とを有する。
給紙トレー11は、1又は複数の記録媒体Pを載置可能に設けられた板状の部材である。給紙トレー11は、載置された記録媒体Pの量に応じて上下動するように設けられており、最上の記録媒体Pが搬送部12により搬送される位置で保持される。
搬送部12は、輪状のベルト123を複数(例えば、2本)のローラー121,122により回転駆動してベルト123上の記録媒体Pを搬送する搬送機構、及び、給紙トレー11に載置された記録媒体Pのうち最上のものをベルト123に受け渡す供給部を有する。搬送部12は、供給部によりベルト123に受け渡された記録媒体Pをベルト123の回転動作に伴って搬送する。
画像形成部20は、記録媒体P上にインクを吐出させて画像を形成する。画像形成部20は、画像形成ドラム21と、受け渡しユニット22と、用紙加熱部23と、ヘッドユニット24と、照射部25と、デリバリー部26とを有している。
画像形成ドラム21は、円筒状の外周面に沿って記録媒体Pを担持し、回転に伴って当該記録媒体Pを搬送する。画像形成ドラム21の搬送面は、用紙加熱部23、ヘッドユニット24及び照射部25に対向し、搬送される記録媒体Pに対して画像形成に係る処理を行う。
受け渡しユニット22は、給紙部10の搬送部12と画像形成ドラム21との間の位置に設けられ、搬送部12により搬送された記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡す。受け渡しユニット22は、搬送部12により搬送された記録媒体Pの一端を担持するスイングアーム部221や、スイングアーム部221に担持された記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡す円筒状の受け渡しドラム222等を有している。受け渡しユニット22は、搬送部12上の記録媒体Pをスイングアーム部221により取り上げて受け渡しドラム222に受け渡すことで記録媒体Pを画像形成ドラム21の外周面に沿う向きに誘導して画像形成ドラム21に受け渡す。
用紙加熱部23は、画像形成ドラム21に担持された記録媒体Pを加熱する。用紙加熱部23は、例えば、赤外線ヒーター等を有し、通電に応じて発熱する。用紙加熱部23は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転による記録媒体Pの搬送方向についてヘッドユニット24の上流側に設けられる。用紙加熱部23は、画像形成ドラム21に担持されて用紙加熱部23の近傍を通過する記録媒体Pが所定の温度となるようにその発熱を制御部40により制御される。
ヘッドユニット24は、画像形成ドラム21に担持された記録媒体Pに対してインクを吐出し、画像を形成する。ヘッドユニット24は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について個別に設けられている。図1では、画像形成ドラム21の回転に伴い搬送される記録媒体Pの搬送方向に対して上流からY、M、C、Kの各色に対応したヘッドユニット24が順番に設けられている。
本実施の形態のヘッドユニット24は、記録媒体Pの搬送方向に垂直な方向(幅方向)について記録媒体Pの全体をカバーする長さ(幅)で設けられている。すなわち、インクジェット記録装置1は、ワンパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。ヘッドユニット24は、複数の記録ヘッド24a(図3参照)を配列してラインヘッドを構成することができる。
照射部25は、本実施の形態のインクジェット記録装置1で用いられるインクが記録媒体P上に吐出された後に当該インクを硬化させるためのエネルギー線を照射する。照射部25は、例えば、低圧水銀ランプ等の蛍光管を有し、当該蛍光管を発光させて紫外線等のエネルギー線を照射する。照射部25は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転による記録媒体Pの搬送方向についてヘッドユニット24の下流側に設けられる。照射部25は、画像形成ドラム21に担持されてインクが吐出された記録媒体Pに対してエネルギー線を照射して当該エネルギー線の作用により記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させる。
紫外線を発する蛍光管としては、低圧水銀ランプの他、数百Pa〜1MPa程度の動作圧力を有する水銀ランプ、殺菌灯として利用可能な光源、冷陰極管、紫外線レーザー光源、メタルハライドランプ、発光ダイオード等が挙げられる。これらの中で、紫外線をより高照度で照射可能であって消費電力の少ない光源(例えば、発光ダイオード等)がより望ましい。また、エネルギー線は紫外線に限らず、インクの性質に応じてインクを硬化させる性質を有するエネルギー線であればよく、光源もエネルギー線の波長などに応じて置換される。
デリバリー部26は、照射部25によりエネルギー線が照射された記録媒体Pを画像形成ドラム21から排紙部30に搬送する。デリバリー部26は、輪状のベルト263を複数(例えば、2本)のローラー261,262により回転駆動してベルト263上の記録媒体Pを搬送する搬送機構や、記録媒体Pを画像形成ドラム21から当該搬送機構に受け渡す円筒状の受け渡しドラム264等を有する。デリバリー部26は、受け渡しドラム264によりベルト263に受け渡された記録媒体Pをベルト263により搬送して排紙部30に送り出す。
排紙部30は、デリバリー部26により画像形成部20から送り出された記録媒体Pを格納する。排紙部30は、板状の排紙トレー31等を有し、この排紙トレー31上に画像形成後の記録媒体Pを載置する。
インク供給部50は、インクを貯留して、当該インクを画像形成部20のヘッドユニット24に供給し、各色のインクをヘッドユニット24のノズルから吐出可能とする。
本実施の形態のインクジェット記録装置1で用いられるインクは、特に限られないが、例えば、紫外線(UV)硬化型のインクである。このUV硬化型インクは、UVが照射されない状態では、温度に応じてゲル状態と液体(ゾル)状態との間で相変化する。例えば、このインクは、所定の温度、例えば、40℃〜100℃程度の相変化温度を有し、この相変化温度以上に加熱上昇されることで一様に液化(ゾル化)する。一方、このインクは、通常の室温程度(0℃〜30℃)を含む当該所定の温度以下ではゲル化する。
図2には、上述のインクの温度上昇及び下降に伴うインクの粘度の変化の例を示す。破線L1は、温度上昇時におけるインクの粘度の変化例を示し、実線L2は、温度下降時におけるインクの粘度の変化例を示す。
このインクは、粘度が100mPa・s以上のゲル状態と、粘度が100mPa・sより小さい(主に10mPa・s未満)の液体(ゾル)状態との間で相変化する。このとき、温度上昇時のインクの粘度の変化曲線(破線L1)と、温度下降時のインクの粘度の変化曲線(実線L2)とは、異なる。温度上昇時において、インクの温度が60℃以上の場合にインクの粘度が100mPa・sを下回る。一方、温度下降時には、インクの温度が45℃未満に低下した場合にインクの粘度が100mPa・sを上回る。すなわち、このインクの例では、インクの温度が60℃(T1:第1温度)以上の場合には、温度の上昇又は下降に拘わらず、粘度が100mPa・sを下回って液状となり、45℃(T2:第2温度)未満の場合には、温度の上昇又は下降に拘わらず、粘度が100mPa・sを上回ってゲル状となる。
このインクの製造方法は、例えば、特開2013−23063号公報等に開示されている。
次に、図3を参照して、インクジェット記録装置1におけるインクの流路について説明する。
本実施の形態のインクジェット記録装置1では、インク供給部50のインクタンク51から供給ポンプ53によって汲み出されたインクは、インク流路24bを介して各記録ヘッド24aに供給される。また、各記録ヘッド24aで吐出されなかったインクを、必要に応じてインク流路24bに戻すことが可能な構成となっている。
インク流路24bは、第1サブタンク241と、脱気モジュール242と、送液ポンプ243と、逆止弁244と、第2サブタンク245とを備えている。
これら記録ヘッド24a及びインク流路24bは、ヒーターやヒーターからの熱を伝える伝熱部材等のインク加熱部270によって加熱、保温されて、インクの温度が適切な温度に保たれるようになっている。このインク加熱部270のヒーターとしては、例えば、電熱線が用いられ、通電されることによりジュール熱を生じる構成となっており、第1サブタンク241や第2サブタンク245の側壁に接触、固定されている。伝熱部材としては、熱伝導率の高い部材、例えば、アルミ合金等で形成された部材が用いられ、インク流路24bの配管に熱を伝えている。
また、脱気モジュール242には、脱気モジュール242内の気圧を減圧するための真空ポンプ249と、真空ポンプ249と脱気モジュール242の一端側とを繋ぐ真空経路250aと、真空経路250a上に設けられて、所定容量の気体を収容可能であるとともに、脱気モジュール242から漏洩して真空経路250aに浸入したインクを貯留することができる減圧タンク254と、真空経路250a内における気圧を計測する圧力センサー251と、脱気モジュール242の他端側と大気とを接続する真空経路250bと、真空経路250b内に設けられ、脱気モジュール242内を気密状態と大気開放状態とに切り替え可能な大気開放弁252とが接続されている。
第1サブタンク241は、供給ポンプ53によりインクタンク51から汲み出されたインクを貯留する1又は複数のインクタンク51より容積の小さいインク室である。第1サブタンク241には、第1フロートセンサー241aが設けられ、当該第1フロートセンサー241aによる液面位置の検出データに基づいて制御部40が供給ポンプ53を動作させることにより所定量のインクが貯留されるようになっている。
脱気モジュール242は、例えば、円筒状に形成されており、流入したインク中の溶存気体を除去(脱気)し、脱気されたインクを排出する。脱気モジュール242は、図4に示すように、円筒状の外形をなすケーシング242aの内部に、気体透過膜としての管状の中空糸膜242bが多数、束状となってケーシング242aの軸方向に延びて配設されている。中空糸膜242bは、その両端が隔壁242c,242dで支持されている。ケーシング242aの内部の中央部分は、隔壁242c,242dにより密閉されてインク流通室242eが形成されている。インク流通室242eは、一端側がインク流入口242fに接続されて第1サブタンク241からのインクの流入を許容し、他端側がインク流出口242gに接続されてインク流通室242e内のインクを流出する。
また、ケーシング242aの内部のインク流通室242eの両端側には、隔壁242c,242dを介して、真空経路250aに接続される第1真空室242hと、真空経路250bに接続される第2真空室242iとがそれぞれ形成されている。中空糸膜242bは、その両端が第1真空室242h及び第2真空室242iに臨むように配置されているので、第1真空室242h及び第2真空室242iは、中空糸膜242bを介して連通されている。すなわち、中空糸膜242bは、一端側が大気開放弁252を介して大気に接続されるとともに、他端側が真空ポンプ249に接続されている。なお、本実施の形態では、中空糸膜242bと真空経路250bを介して接続される空間を大気としたが、少なくとも減圧された中空糸膜242bの管内の気圧よりも高い空間に接続されていればよく、例えば、一定の気圧である空間を形成する高圧タンクに接続される態様であってもよい。
中空糸膜242bは、多数の中空状の微細糸構造であり、その膜面は、気体透過性を有する。脱気モジュール242は、上述したように構成されているので、真空ポンプ249の駆動により、中空糸膜242b内の大気が吸引されて気圧が減圧される。この状態で、中空糸膜242bの膜面にインクが接触することで、インク中の溶存気体が選択的に膜面を透過してインクが脱気される。中空糸膜242bを通過した溶存気体は、真空経路250aを流下する。
本実施の形態では、上述したようにして構成された外部還流型の脱気モジュール242が採用されている。脱気モジュールの形態は問わないが、例えば、複数の中空糸膜を互いに編目状に編み込んだシートにすると、中空糸膜の目が細かく、全てのインクが中空糸の目を通過しやすいことから、脱気効率を高めやすいこと、柔軟な中空糸からでも一定以上の強度が得られやすいことなどから、好ましい。
なお、中空糸膜242bは、上述したように構成されていることから、インクに含まれるわずかな液体成分や溶媒が膜面を通過して管内に浸潤することがある。
真空ポンプ249は、伸縮可能なダイヤフラムを備えたポンプチャンバーと、当該ポンプチャンバーの容積が拡縮するようにダイヤフラムを動作させる駆動源とを備えるダイヤフラムポンプである。そして、ポンプチャンバーには、外部からの流体の流入のみを許容する逆止弁を備えた吸入口と、内部からの流体の排出のみを許容する逆止弁を備えた排出口とを備えている。
このダイヤフラムポンプは、ダイヤフラムや逆止弁へインク成分が付着すると、ポンプ性能が低下し、劣化し、故障するおそれがある。
圧力センサー251は、真空経路250a内の気圧を測定してこれを中空糸膜242bの管内の気圧として検出し、その結果を制御部40に出力する。制御部40は、圧力センサー251からの検出結果に基づいて、真空ポンプ249及び大気開放弁252を駆動制御する。
大気開放弁252は、制御部40からの動作指令に従って閉塞状態と開放状態とに切り替え可能な電磁弁である。
減圧タンク254は、所定容量の気体を収容可能に構成されており、真空ポンプ249の脈動による中空糸膜242b内の圧力変動を抑制することができる。また、後述するように、減圧タンク254内の気圧が充分に減圧されることで、中空糸膜242bの管内に浸潤したインクの排出動作を安定して実施することができるようになっている。さらに、減圧タンク254は、中空糸膜242bの管内に浸潤したインクが真空経路250a内に浸入しても、これを捕捉して内部に貯留するインクトラップとしての機能を有し、真空ポンプ249へのインクの到達を防ぐことができるようになっている。これにより、真空ポンプ249がインクによって性能が低下し、劣化し、故障するのを防止することができる。また、減圧タンク254には、インク排出弁256が設けられたインク排出管255が接続されており、インク排出弁256を開放することにより、減圧タンク254に貯留されたインクを外部に排出することができるようになっている。インク排出弁256は、例えば、電磁弁により構成されており、制御部40からの動作指令に従って切り替え可能となっている。このとき、例えば、減圧タンク254にフロートセンサー等の減圧タンク254内の液量を検出するセンサーを設け、このセンサーの検出結果に応じてインク排出弁256を開放するように制御してもよい。
送液ポンプ243は、脱気モジュール242のインク流出口242gからのインクを第2サブタンク245に送る。送液ポンプ243と第2サブタンク245との間には、逆止弁244が設けられており、一度第2サブタンク245に送られたインクが逆流するのを防止している。
第2サブタンク245は、脱気モジュール242で脱気されたインクが一時的に貯留される小型のインク室であり、特に限定されないが、第1サブタンク241と略同一程度の容量である。第2サブタンク245のインクは、各記録ヘッド24aのインレット240aに接続されて、ノズルから吐出されるインク量に応じたインクが当該各記録ヘッド24aに供給される。第2サブタンク245には、第2フロートセンサー245aが設けられ、当該第2フロートセンサー245aによる液面位置の検出データに基づいて制御部40が送液ポンプ243を動作させることにより所定量のインクが貯留されるようになっている。
記録ヘッド24aのノズルから吐出されなかったインクは、アウトレット240bから回収路241b及びバルブ241cを介して第1サブタンク241に戻すことが可能となっている。例えば、記録ヘッド24aのメンテナンス時などにインク流路24bからインクを抜く必要がある場合、バルブ241cを開放することで、記録ヘッド24aのインクを廃棄することなく回収することができる。
次に、インクジェット記録装置1の機能的構成について、図5を参照しながら説明する。
インクジェット記録装置1は、制御部40と、搬送駆動部41と、ヘッド駆動部42と、通信部43と、操作表示部44と、用紙加熱部23と、照射部25と、インクヒーター駆動部27と、第1フロートセンサー241aと、第2フロートセンサー245aと、供給ポンプ53と、送液ポンプ243と、真空ポンプ249と、圧力センサー251と、大気開放弁252と、インク排出弁256とが、バス49に接続されて互いに信号を送受信可能に構成されている。制御部40は、これら各部から計測信号や状態信号等を受け取って、各部に適切な動作を行わせる制御信号を送信する。
制御部40は、インクジェット記録装置1の各部の動作を制御し、全体の動作を統括する。制御部40は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403等を備える。制御部40では、ROM402に記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムが読み出されてRAM403に展開され、RAM403に展開されたプログラムがCPU401によって実行されることにより、例えば、後述する脱気制御処理や排気制御処理等の種々の制御処理が実行される。
搬送駆動部41は、搬送部12、受け渡しユニット22、画像形成ドラム21、デリバリー部26等の記録媒体Pの搬送に係る各種駆動源である。
ヘッド駆動部42は、記録ヘッド24aのノズル毎に設けられた圧電素子である。圧電素子を駆動することにより、ノズルからインクを吐出することができる。
通信部43は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や携帯端末等の外部の機器と通信線を介して通信可能に接続されたネットワークインターフェースカード(NIC:Network Interface Card)等を有し、外部の機器から送信された画像データ等を受信する等、各種の通信を行う。制御部40は、通信部43を介して取得されたジョブデータに応じてインクジェット記録装置1の各部の動作を制御し、記録媒体P上に画像を形成するジョブを実行する。
操作表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部40から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。LCDの表示画面上は、透明電極を格子状に配置して構成された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルで覆われており、手指やタッチペン等で押下された位置座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部40に出力する。また、操作表示部44は、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を制御部40に出力する。
インクヒーター駆動部27は、インク加熱部270のヒーターの通電状態を切り替えてインク加熱部270を適切な温度に保ち、各記録ヘッド24a及びインク流路24bを加熱することで、インクを液体(ゾル)状態に相変化させて維持する。このインクヒーター駆動部27は、例えば、インク加熱部270の各部に設けられた温度センサーの計測する温度に基づいて通電状態が切り替えられる。
以上のように構成されたインクジェット記録装置1の制御部40にて実行される脱気制御処理について、図6を参照しながら説明する。
まず、制御部40は、大気開放弁252を閉塞して中空糸膜242b内を気密状態にする(ステップS101)。
制御部40は、圧力センサー251からの検出結果を入力して、中空糸膜242b内の気圧Aを特定する(ステップS102)。
制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の上限気圧H以上であるか否かを判定する(ステップS103)。制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の上限気圧H以上であると判定したときは(ステップS103:Y)、真空ポンプ249の駆動を開始して中空糸膜242b内の気圧を減圧する(ステップS104)。一方、制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の上限気圧H以上であると判定しないときは(ステップS103:N)、ステップS104の処理を実行することなくステップS105の処理を実行する。
続いて、制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の下限気圧L以下であるか否かを判定する(ステップS105)。制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の下限気圧L以下であると判定したときは(ステップS105:Y)、真空ポンプ249の駆動を停止した後(ステップS106)、ステップS102の処理を実行する。この状態では、中空糸膜242b内の気圧は、中空糸膜242bを透過した溶存気体により徐々に上昇するようになる。一方、制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の下限気圧L以下であると判定しないときは(ステップS105:N)、ステップS106の処理を実行することなくステップS102の処理を実行する。
本実施の形態では、このように制御されることで、中空糸膜242b内の気圧が上限気圧Hとなると、下限気圧Lとなるまで真空ポンプ249が駆動し続け、下限気圧Lとなると、溶存気体が流入して上限気圧Hとなるまで真空ポンプ249の駆動が停止される。本実施の形態では、このようにして、中空糸膜242bの管内の気圧を所定の脱気運転気圧に維持することができる。
脱気モジュール242の中空糸膜242bは、上述したように構成されているため、通常の脱気動作において、減圧された管内にインクが浸潤することがある。この浸潤したインクが中空糸膜242bの管内に滞留し、インク中の溶存気体の透過が阻害され、中空糸膜242bの脱気性能が低下する要因となる。本実施の形態では、以下のようにして、中空糸膜242b内に浸潤して滞留したインクを除去することができる。
次に、制御部40にて実行される排出制御処理について、図7を参照しながら説明する。排出制御処理は、例えば、1秒毎に実行されるタイマー割込み処理である。
まず、制御部40は、所定の排出制御開始時間が経過したか否かを判定する(ステップS201)。具体的には、制御部40は、上述した脱気制御処理による脱気が開始されてから所定時間(例えば、1時間)が経過したときに、所定の排出制御開始時間が経過したと判定する。すなわち、制御部40は、脱気を所定時間実行したことを排出動作条件の一つとして判定する。なお、排出制御開始時間は任意の時間に設定することができる。
制御部40は、排出制御開始時間が経過したと判定したときは(ステップS201:Y)、ジョブの実行中であるか否かを判定する(ステップS202)。すなわち、制御部40は、ジョブが実行中である場合には、実行中のジョブが終了したことを排出動作条件の一つとして判定する。一方、制御部40は、排出制御開始時間が経過したと判定しないときは(ステップS201:N)、排出動作条件が成立していないとして、この処理を終了する。
制御部40は、ジョブの実行中であると判定しないときは(ステップS202:N)、真空ポンプ249が駆動中であるか否かを判定する(ステップS203)。ここでは、脱気制御において中空糸膜242b内を減圧するために真空ポンプ249が駆動している場合に、真空ポンプ249の駆動中と判定される。一方、制御部40は、ジョブの実行中であると判定したときは(ステップS202:Y)、排出動作条件が成立していないとして、この処理を終了する。
制御部40は、真空ポンプ249が駆動中であると判定しないときは(ステップS203:N)、真空ポンプ249の駆動を開始する(ステップS204)。一方、制御部40は、真空ポンプ249が駆動中であると判定したときは(ステップS203:Y)、ステップS204の処理を実行することなくステップS205の処理を実行する。
制御部40は、圧力センサー251からの検出結果を入力して、中空糸膜242b内の気圧Aを特定する(ステップS205)。
制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の排出動作実行気圧P以下であるか否かを判定する(ステップS206)。ここで、排出動作実行気圧Pは、大気圧と一定の気圧差に設定されるものであり、本実施の形態では、大気圧よりも70k・Pa〜95k・Pa低い気圧に設定されている。なお、排出動作実行気圧Pは、任意に設定することができるが、中空糸膜242bに接続された空間(本実施の形態では大気)における気圧よりも70k・Pa以上低い気圧とすると、中空糸膜242bの内面に付着したインクを効率よく除去することができるので好ましい。仮に、中空糸膜242bに接続された空間(本実施の形態では大気)における気圧よりも70k・Pa以上低くない場合でも効果は得られるが、大気開放弁252から脱気モジュール242までの容量をD(図3参照)、大気開放弁252から真空ポンプ249までの容量をC(図3参照)とした場合、D/C以上の空気を真空ポンプ249で排出する必要がある。これは、脱気モジュール242内に残された液体を、大気開放弁252から流入させた空気と置換するために最低限必要な条件となる。
制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の排出動作実行気圧P以下であると判定しないときは(ステップS206:N)、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の排出動作実行気圧P以下となるまで、ステップS205及びステップS206の処理を繰り返し実行する。
制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが所定の排出動作実行気圧P以下であると判定したときは(ステップS206:Y)、真空ポンプ249の駆動を停止した後(ステップS207)、ウェイト時間をセットする(ステップS208)。ウェイト時間は、任意の時間に設定することができるが、真空ポンプ249の駆動を停止してから、中空糸膜242b内の気圧が安定するまでに十分な時間に設定されるのが好ましい。なお、ウェイト時間を設定しない態様であってもよい。
制御部40は、設定したウェイト時間が経過したことを判定した後(ステップS209)、大気開放弁252を開放する(ステップS210)。これにより、中空糸膜242b内に大気が一気に入り込み、その気流の大きさによって、中空糸膜242bの内面に付着したインクを除去することができる。
その後、制御部40は、圧力センサー251からの検出結果を入力して、中空糸膜242b内の気圧Aを特定する(ステップS211)。
制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが大気圧以上であるか否かを判定する(ステップS212)。制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが大気圧以上であると判定しないときは(ステップS212:N)、中空糸膜242b内の気圧Aが大気圧以上となるまで、ステップS212の処理を繰り返し実行する。一方、制御部40は、中空糸膜242b内の気圧Aが大気圧以上であると判定したときは(ステップS212:Y)、大気開放弁252を閉塞した後(ステップS213)、この処理を終了する。
このように、本実施の形態では、圧力センサー251によって中空糸膜242b内の気圧を正確に監視して、中空糸膜242b内の気圧Aと大気圧との圧力差を十分にして中空糸膜242b内に大気を流入させることができるので、粘度の高いインクが中空糸膜242bの内面に付着しても、これを確実に排出させることができる。
さらに、本実施の形態では、インクに加温できる構成としているため、インクの粘度を下げることができ、その結果、中空糸膜242b内面に付着したインクをより一層除去しやすくすることができる。
上述したように構成された脱気モジュール242における脱気動作について、図8を参照しながら説明する。
まず、t1のタイミングとなって脱気制御が実行されると、大気開放弁252を閉塞(Off)して、真空ポンプ249の駆動を開始(On)する。その後、t2のタイミングで中空糸膜242b内の気圧Aが上限気圧Hとなって脱気が開始される。このとき、上述した排出制御開始時間となるまでの時間(T1)が設定されて計測が開始される。
その後、t3のタイミングで中空糸膜242b内の気圧Aが下限気圧Lとなると、真空ポンプ249の駆動を停止(Off)する。すると、脱気によって中空糸膜242bを透過した溶存気体により中空糸膜242b内の気圧が徐々に上昇する。その後、t4のタイミングで中空糸膜242b内の気圧Aが上限気圧Hとなると、真空ポンプ249の駆動を再び開始(On)する。その後は、中空糸膜242b内の気圧が上限気圧Hから下限気圧Lの間を維持するように、真空ポンプ249の駆動と停止を繰り返す(t5〜t9)。
上述したようにして脱気制御が実行されているときに、t10のタイミングで排出制御開始時間となると、ジョブの実行中であるか否かが判定される。ジョブの実行中である場合には、t11のタイミングで実行中のジョブが終了すると、排出制御が実行されて、真空ポンプ249の駆動を開始(On)する。その後、t12のタイミングで中空糸膜242b内の気圧Aが、大気圧との気圧差がRである排出動作実行気圧Pまで低下すると、真空ポンプの駆動を停止(Off)し、ウェイト時間が経過するまで待機する。そして、ウェイト時間が経過してt13のタイミングとなると、大気開放弁252を開放(On)する。すると、中空糸膜242b内に大気が一気に流入して気圧が急激に上昇し、中空糸膜242b内に気流が発生して中空糸膜242b内インクの除去が行われる。
その後、t14のタイミングで中空糸膜242b内の気圧が大気圧にまで上昇すると、大気開放弁252を閉塞(Off)して排出制御が終了する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、脱気モジュール242は、インクタンク51から記録ヘッド24aにインクを供給するインク流路24bに設けられてインク中の溶存気体を透過可能な管状の中空糸膜242bを内部に有する。真空ポンプ249は、中空糸膜242bの管内の気圧を減圧する。中空糸膜242bは、一端側が大気開放弁252を介して少なくとも減圧された中空糸膜242bの管内の気圧よりも高い気圧の空間(大気)に接続されるとともに、他端側が真空ポンプ249に接続されている。圧力センサー251は、中空糸膜242bの管内の気圧を検出する。制御部40は、大気開放弁252を閉じて真空ポンプ249を駆動し、圧力センサー251の検出結果に基づいて、中空糸膜242bの管内の気圧を所定の脱気運転気圧に維持することにより、脱気モジュール242によるインク中の溶存気体の除去を行う脱気制御と、所定の排出動作条件が成立したときに、圧力センサー251の検出結果に基づいて、中空糸膜242bの管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに大気開放弁252を開放することにより、中空糸膜242bの管内に浸潤したインクの排出を行う排出制御と、を実行する。その結果、気体透過膜の管内に浸潤して内面に付着したインクを排出することができるので、脱気モジュールによる脱気性能の劣化を低減することができる。また、圧力センサーによって気体透過膜の管内の気圧を監視できるので、インクを排出するための十分な気圧差を発生させることができ、その結果、気体透過膜の管内におけるインクを確実に排出させることができるようになる。
また、本実施の形態によれば、制御部40は、排出制御において、中空糸膜242bの管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに、真空ポンプ249の駆動を停止した後に大気開放弁252を開放するので、気体透過膜の管内から排出されたインクが真空ポンプに流入して不具合が生じるのを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、脱気制御を所定時間実行したことを所定の排出動作条件に含んでいるので、気体透過膜の管内におけるインクを定期的に排出することができ、高い脱気性能を維持することができる。
また、本実施の形態によれば、制御部40は、ジョブデータの入力に応じて記録ヘッド24aからインクを吐出して記録媒体Pに画像を形成するジョブを実行する。そして、実行中のジョブが終了したことを所定の排出動作条件に含んでいるので、排出制御が実行されて気体透過膜の管内の気圧が上昇し、脱気性能が低下した状態で画像形成が行われることによる画質の低下を抑制することができる。
中空糸膜242bの管内の気圧よりも高い空間における気圧との差が70k・Pa以上である気圧を排出動作実行気圧としたので、気体透過膜の管内に十分な気流を発生させることができ、気体透過膜の管内におけるインクをより確実に排出することができるようになる。
また、本実施の形態によれば、減圧タンク254は、所定容量の気体を収容する。真空ポンプ249は、減圧タンク254を介して中空糸膜242bに接続されている。その結果、真空ポンプの脈動による影響を減圧タンクがバッファになってこれを緩和することができるので、気体透過膜の管内における圧力変動を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、圧力センサー251は、中空糸膜242bと減圧タンク254との間における気圧を中空糸膜242bの管内の気圧として検出するので、真空ポンプの脈動による影響の少ない位置で気圧を検出できるので、気体透過膜の管内における気圧をより正確に測定することができる。
また、本実施の形態によれば、減圧タンク254は、中空糸膜242bから浸潤したインクを貯留する。インク排出弁256は、減圧タンク254に貯留したインクを排出する。その結果、減圧タンクに貯留したインクを容易に排出することができるので、減圧タンクのメンテナンスが容易となる。
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係るインクジェット記録装置の一例であり、これに限定されるものではない。インクジェット記録装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
また、本実施の形態では、排出制御を行うときに、脱気運転気圧よりも低い気圧である排出動作実行気圧まで真空ポンプ249を駆動して中空糸膜242b内の気圧を低下させるようにしたが、排出動作実行気圧と脱気運転気圧を同一にしてもよく、この場合、真空ポンプ249を駆動することなく大気開放弁252を開放して中空糸膜242b内のインクの排出を行うようにしてもよい。このとき、脱気運転気圧は、中空糸膜242b内のインクの排出を行うのに十分な気圧に設定されるのが好ましい。
また、本実施の形態では、排出制御において、真空ポンプ249の駆動を停止した後に大気開放弁252を開放するようにしたが、真空ポンプ249の駆動停止と大気開放弁252の開放を同時に行ってもよく、また、大気開放弁252の開放を行った後に真空ポンプ249の駆動を停止させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、脱気を所定時間実行する毎に排出制御を行うようにしたが、例えば、ユーザーの指示に応じて実行する態様であってもよい。また、インクジェット記録装置1のウォーミングアップ時や、シャットダウン時など、特定のタイミングにおいて実行するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、排出制御を行うときに実行中のジョブがあったときには、実行中のジョブが終了した後に排出制御を行うようにしたが、ジョブの実行中において排出制御を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、減圧タンク254を備える形態としたが、減圧タンク254を備えない形態であってもよい。
また、本実施の形態では、脱気モジュール242と真空ポンプ249の間の真空経路250a上に圧力センサー251を設けるようにしたが、中空糸膜242b内の気圧を測定できる位置であれば、何れの位置であってもよい。
また、本実施の形態では、減圧タンク254をインクが貯留可能な形態としたが、インクを貯留しない形態であってもよい。
また、本実施の形態では、インク排出弁256を設けて減圧タンク254に貯留したインクを外部に排出できるような形態としたが、インク排出弁256を備えない形態であってもよい。
また、本実施の形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
1 インクジェット記録装置
20 画像形成部
24a 記録ヘッド(インクジェットヘッド)
24b インク流路(インク供給経路)
40 制御部
51 インクタンク
242 脱気モジュール
242b 中空糸膜(気体透過膜)
249 真空ポンプ
251 圧力センサー
252 大気開放弁(開放弁)
254 減圧タンク
256 インク排出弁(排出弁)

Claims (8)

  1. インクタンクからインクジェットヘッドにインクを供給するインク供給経路上に設けられてインク中の溶存気体を透過可能な管状の気体透過膜を内部に有する外部還流型の脱気モジュールと、前記気体透過膜の管内の気圧を減圧する真空ポンプとを備え、前記真空ポンプによって前記気体透過膜の管内の気圧を減圧することにより、前記気体透過膜の外部を還流するインク中の溶存気体を除去するインクジェット記録装置において、
    前記気体透過膜の一端側は開放弁を介して少なくとも減圧された前記気体透過膜の管内の気圧よりも高い気圧の空間に接続されるとともに、前記気体透過膜の他端側は前記真空ポンプに接続されており、
    前記気体透過膜の管内の気圧を検出する圧力センサーと、
    前記開放弁を閉じて前記真空ポンプを駆動し、前記圧力センサーの検出結果に基づいて、前記気体透過膜の管内の気圧を所定の脱気運転気圧に維持することにより、前記脱気モジュールによるインク中の溶存気体の除去を行う脱気制御と、前記所定の排出動作条件が成立したときに、前記圧力センサーの検出結果に基づいて、前記気体透過膜の管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに前記開放弁を開放することにより、前記気体透過膜の管内に浸潤したインクの排出を行う排出制御と、を実行する制御部と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記制御部は、前記排出制御において、前記気体透過膜の管内の気圧が所定の排出動作実行気圧となったときに、前記真空ポンプの駆動を停止した後に前記開放弁を開放することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記所定の排出動作条件は、前記脱気制御を所定時間実行したことを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記制御部は、ジョブデータの入力に応じて前記インクジェットヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するジョブを実行し、
    前記所定の排出動作条件は、実行中のジョブが終了したことを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記排出動作実行気圧は、前記気体透過膜の管内の気圧よりも高い空間における気圧との差が70k・Pa以上である気圧であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 所定容量の気体を収容可能な減圧タンクを備え、
    前記真空ポンプは、前記減圧タンクを介して前記気体透過膜に接続されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記圧力センサーは、前記気体透過膜と前記減圧タンクとの間における気圧を前記気体透過膜の管内の気圧として検出することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記減圧タンクは、前記気体透過膜から浸潤したインクを貯留可能であり、
    前記減圧タンクに貯留したインクを排出するための排出弁を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置。
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