JP2015167780A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】被縫製物の色又は柄に影響されることなく、撮影手段により生成された撮影画像データに基づき、撮影手段の撮影可能な領域に照射された光の位置を安定して特定可能なミシンを提供する。【解決手段】ミシンは、レーザ装置と撮像装置とを備える。レーザ装置は、ミシンのミシンベッド上に配置された被縫製物にレーザ光を間欠的に照射する(S13)。撮像装置は、レーザ光が照射される被縫製物の画像を撮影し、撮影画像データを生成する(S15)。撮影画像データに基づいて、レーザ光が照射される位置である被照射位置の座標が特定される(S31)。【選択図】図4
Description
本発明は撮影手段を備えたミシンに関する。
従来、投影手段と撮影手段とを備えたミシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示のミシンでは、作成された投影画像データに基づき、投影手段が被縫製物に投影光を照射し模様を映出する。撮影手段は、被縫製物に映出された模様を撮影した撮影画像データを生成する。ミシンは撮影画像データから模様の位置を特定する。特定された模様の位置は、被縫製物の厚さの算出に用いられる。
しかしながら、色又は柄がある被縫製物の場合、投影光によって映出された模様は、被縫製物の色又は柄と重なる。この場合、被縫製物の色又は柄によっては、ミシンは模様の位置を特定できない可能性がある。
本発明の目的は、被縫製物の色又は柄に影響されることなく、撮影手段により生成された撮影画像データに基づき、撮影手段の撮影可能な領域に照射された光の位置を安定して特定可能なミシンを提供することである。
本発明の一態様に係るミシンは、ミシンベッドと、前記ミシンベッド上の所定位置にレーザ光を照射可能に設置された照射手段と、前記照射手段を制御して、前記レーザ光を間欠的に前記所定位置に照射させる照射制御手段と、前記ミシンベッド上の前記所定位置を含む領域を撮影可能に設置され、撮影された画像のデータである撮影画像データを生成する撮影手段と、前記照射制御手段による前記照射手段の前記所定位置への照射に合わせて、前記撮影手段に前記領域を撮影させ、前記撮影画像データを取得する撮影制御手段と、前記照射手段が前記レーザ光を前記領域内に照射する位置の、前記撮影された画像における座標データである被照射座標を、前記撮影画像データに基づいて、特定する第一特定手段とを備えたことを特徴とする。
本態様のミシンにおいて、被縫製物が所定位置を覆いながらミシンベッドに載置された場合、照射手段は、撮影手段の撮影可能な領域内の位置であって、被縫製物上の特定の位置に、レーザ光を間欠的に照射する。レーザ光を間欠的に照射することで、レーザ光の出力を適切に上げることができる。これより、レーザ光が照射される位置と照射されない領域とのコントラストが大きくなり、第一特定手段は撮影画像データに基づいて被照射座標を安定して特定できる。よって、ミシンは、被縫製物の色又は柄に影響されることなく、撮影手段により生成された撮影画像データに基づき、撮影手段の撮影可能な領域に照射された光の位置を安定して特定可能である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2を参照して、ミシン1の物理的構成について説明する。図1の上下方向、右下側、左上側、左下側、右上側が、各々、ミシン1の上下方向、前方、後方、左方、右方である。ミシンベッド11及びアーム部13の長手方向がミシン1の左右方向であり、脚柱部12が配置されている側が右側である。脚柱部12の伸長方向がミシン1の上下方向である。
図1に示すように、ミシン1は、ミシンベッド11、脚柱部12、アーム部13、及び頭部14を備える。ミシンベッド11は、左右方向に延びるミシン1の土台部である。脚柱部12は、ミシンベッド11の右端部から上方へ立設されている。アーム部13は、ミシンベッド11に対向して脚柱部12の上端から左方へ延びる。頭部14は、アーム部13の左先端部に連結する部位である。
ミシンベッド11は、ミシンベッド11の上面に針板21を備える。針板21は、針穴(図示略)を有する。ミシン1は、針板21の下側(つまり、ミシンベッド11内)に、図示しない送り歯、送り機構、及び釜機構等を備える。送り歯は、刺繍縫製ではない通常の縫製時に、送り機構によって駆動され、加工布等の被縫製物10(図5参照)を所定の移送量で移送する。釜機構は、針板21の下方において上糸(図示略)を下糸(図示略)に絡ませる。
脚柱部12の前面には、液晶ディスプレイ(以下、LCDという)15が設けられている。LCD15には、コマンド、イラスト、設定値、及びメッセージ等の様々な項目を含む画像が表示される。LCD15の前面側には、押圧された位置を検知可能なタッチパネル26が設けられている。ユーザが、指又はスタイラスペン(図示略)を用いてタッチパネル26の押圧操作を行うと、タッチパネル26によって、押圧された位置が検知される。ミシン1のCPU61(図3参照)は、検知された押圧位置に基づき、画像中で選択された項目を認識する。以下、ユーザによるタッチパネル26の押圧操作を、パネル操作と言う。ユーザは、パネル操作によって、縫製したい模様及び実行すべきコマンド等を選択できる。脚柱部12は、内部にミシンモータ81(図3参照)を備える。
アーム部13の上部には、開閉可能なカバー16が設けられている。カバー16の下方、つまりアーム部13の内部には、糸収容部(図示略)が設けられている。糸収容部は、上糸(図示略)が巻回された糸駒(図示略)を収容可能である。アーム部13内部には、左右方向に延びる主軸(図示略)が設けられている。主軸は、ミシンモータ81により回転駆動される。アーム部13の前面左下部には、スタート/ストップスイッチ29を含む各種スイッチが設けられている。スタート/ストップスイッチ29は、ミシン1の運転を開始又は停止させる、即ち、縫製開始又は停止の指示を入力するのに使用される。
図2に示すように、頭部14には、針棒6、押え棒8、針棒上下動機構34、レーザ装置53(図1参照)等が設けられている。針棒6及び押え棒8は、頭部14の下端部から下方に延びる。針棒6の下端には、縫針7が着脱可能に装着される。押え棒8の下端部には、押え足9が着脱可能に取り付けられている。針棒上下動機構34は、主軸の回転により針棒6を上下方向に駆動させる。ミシン1は、縫製部33として、針棒6、針棒上下動機構34、及びミシンモータ81(図3参照)を備える。
図1に示すように、レーザ装置53は、頭部14の左前部に設置されている。レーザ装置53は、針板21上(つまりミシンベッド11上)の所定位置24に、赤色のレーザ光を間欠的に照射可能な装置である。より具体的には、レーザ装置53は、内部に備える光源(図示略)を一定の周期で点滅させることで、一秒間の間に複数回に亘ってレーザ光を所定位置24に照射する。以下、レーザ装置53が光源を点滅させる動作を「パルス発光する」という。本実施形態では、レーザ装置53のパルス発光の周期Tは60Hzである。即ち、レーザ装置53は、1/120秒に亘る光源の点灯と、1/120秒に亘る光源の消灯とを交互に繰り返すことでパルス発光する。本実施形態におけるレーザ装置53のレーザ光の出力は15mWである。これにより、ミシン1は、レーザ製品の安全基準(例えば、JIS規格C6802及びIEC60825−1)で定められる規格を満たしたレーザ装置53を採用できる。
図2に示すように、頭部14の内部には、撮影手段としての撮像装置35が設けられている。撮像装置35は、例えば、周知のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを備えたローリングシャッタ方式の撮像装置である。CMOSイメーセンサには、撮像装置35のフレーム画像(以下、第一フレーム画像という)の各画素に対応したフォトトランジスタ(図示略)が設けられる。各フォトトランジスタは、電荷を蓄積可能なキャパシタ(図示略)と接続している。撮像装置35の露光が行われる場合、各フォトトランジスタには受光量に応じた電流が発生し、これにより各フォトトランジスタに対応するキャパシタには電荷が蓄積される。本実施形態における撮像装置35のフレームレートは、60fps(1秒間に60フレーム)である。撮像装置35の露光が行われる場合、各キャパシタは、1/60秒に亘る電荷の蓄積を行う。
撮像装置35は、ミシンベッド11上の所定位置24を含む領域(以下、撮影領域という)20の画像を撮影し(図5参照)、撮影された画像のデータである撮影画像データを生成する。以下、撮像装置35によって撮影された画像を撮影画像という。
撮像装置35は、例えば、絞り及び感度等を切り替えることで、撮影モードを、第一モードと第二モードの何れかに切り替えることが可能な構成となっている。第一モードは、レーザ光が間欠的に照射される場合に設定される撮影モードである。第二モードは、レーザ光の照射が停止される場合(即ちレーザ光は照射されない場合)に設定される撮影モードである。第一モードにおける撮像装置35が撮影時に取得する光量は、第二モードにおける場合に取得する光量と比べて少なくなる。つまり、第一モードで撮像装置35が撮影する場合の撮影画像は、第二モードで撮像装置35が撮影する場合の撮影画像と比較して暗くなる。
図1及び図2を参照し、ミシン1に設定される主な座標系について説明する。ミシン1には、ワールド座標系100(図1参照)、カメラ座標系200(図2参照)、及びレーザ装置座標系300(図1参照)が設定されている。これらの座標系は図1及び図2で模式的に図示される。ワールド座標系100は空間全体を示す三次元座標系である。本実施形態では、ワールド座標系100の原点は所定位置24に定められ、Xw軸方向は左右方向に定められ、Yw軸方向は前後方向に定められ、Zw軸方向は上下方向に定められる。
カメラ座標系200は、撮像装置35の三次元座標系である。カメラ座標系200のZc軸方向は撮像装置35の光軸方向に定められ、Xc軸方向及びYc軸方向は、Zc軸と直交する面内において互いに直交する方向に定められる。レーザ装置座標系300は、レーザ装置53の三次元座標系である。レーザ装置座標系300のZa軸方向はレーザ装置53の光軸方向に定められ、Xa軸方向及びYa軸方向は、Za軸と直交する面内において互いに直交する方向に定められる。
ミシン1の動作を簡単に説明する。所定位置24を覆うようにミシンベッド11上に配置された被縫製物10(図5参照)を、押え足9で上方から押圧した状態で、針棒上下動機構34、送り機構、及び釜機構が駆動される。送り歯(図示略)によって移送される被縫製物10に、縫針7が釜機構と協働して縫目を形成することで、縫製が行われる。
図3を参照して、ミシン1の電気的構成について説明する。ミシン1は、CPU61と、バス65によって各々CPU61に接続されたROM62、RAM63、フラッシュメモリ64、及び入出力インターフェイス(I/O)66とを備えている。
CPU61は、ミシン1の主制御を司り、ROM62に記憶された各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算及び処理を実行する。ROM62は、図示しないが、プログラム記憶エリア、設定記憶エリア、内部変数記憶エリア、外部変数記憶エリア、及び算出式記憶エリアを含む複数の記憶エリアを備える。プログラム記憶エリアには、ミシン1を動作させるための各種プログラムが記憶されている。記憶されたプログラムには、例えば、後述する厚さ特定処理をミシン1に実行させるためのプログラムが含まれる。設定記憶エリアには、撮像装置35の撮影モードが切り替えられる場合に使用される設定値等が記憶されている。内部変数記憶エリア、外部変数記憶エリア、及び算出式記憶エリアについては後述する。
RAM63には、CPU61が演算処理した演算結果等を収容する記憶エリアが必要に応じて設けられる。フラッシュメモリ64には、ミシン1が各種処理を実行するための各種パラメータ等が記憶されている。パラメータには、撮影画像における座標系とワールド座標系100とを関連付けるパラメータが含まれる。I/O66には、駆動回路71〜74、タッチパネル26、及びスタート/ストップスイッチ29が接続されている。
駆動回路71には、ミシンモータ81が接続されている。駆動回路71は、CPU61からの制御信号に従って、ミシンモータ81を駆動する。ミシンモータ81の駆動に伴い、ミシン1の主軸(図示略)を介して針棒上下動機構34(図2参照)が駆動され、針棒6が上下動される。駆動回路72には、LCD15が接続されている。駆動回路72は、CPU61からの制御信号に従ってLCD15を駆動することで、LCD15に画像を表示させる。駆動回路73には、レーザ装置53が接続されている。駆動回路73は、CPU61からの制御信号に従って、レーザ装置53にパルス発光をさせる。
駆動回路74には、撮像装置35が接続されている。駆動回路74は、CPU61からの制御信号に従って、撮像装置35の撮影モードを第一モード又は第二モードに設定し、撮影をさせる。撮像装置35が生成した撮影画像データは、RAM63(図3参照)の所定の記憶エリアに記憶される。
ROM62の内部記憶エリアについて説明する。内部変数記憶エリアには、撮像装置35のカメラ内部行列であるAcと、レーザ装置53のカメラ内部行列であるApとがデータとして記憶されている。Acは、3行3列の行列であり、撮像装置35の内部変数が含まれる。撮像装置35の内部変数は、撮像装置35の特性に基づいて定まる焦点距離、主点座標のずれ、及び撮影した画像の歪みを各々補正するためのパラメータであり、具体的には撮像装置35のX軸焦点距離、Y軸焦点距離、X軸主点座標、Y軸主点座標、第一歪み係数、及び第二歪み係数である。X軸焦点距離は、撮像装置35のXc軸方向の焦点距離のずれを示す。Y軸焦点距離は、Yc軸方向の焦点距離のずれを示す。X軸主点座標は、Xc軸方向の主点のずれを示す。Y軸主点座標は、Yc軸方向の主点のずれを示す。第一歪み係数及び第二歪み係数は、各々、撮像装置35のレンズの傾きによる歪みを示す。Acは、例えば、撮像装置35が撮影した画像を正規化画像に変換する処理と、被縫製物10上でレーザ光が照射される位置を特定する処理とで用いられる。正規化画像は、正規化カメラで撮影した画像である。正規化カメラとは、光学中心からスクリーン面までの距離が単位長であるようなカメラである。
Apは、3行3列の行列であり、レーザ装置53の内部変数が含まれるものとして扱われる内部行列である。レーザ装置53はカメラ内部変数を有さない。Apは、被縫製物10の厚さを求める算出式(後述)にて用いられるよう、単位行列として便宜上設定されている。
ROM62の外部記憶エリアについて説明する。外部変数記憶エリアには、撮像装置35の回転行列であるRc、撮像装置35の並進ベクトルであるtc、レーザ装置53の回転行列であるRp、及びレーザ装置53の並進ベクトルであるtpがデータとして記憶されている。Rc及びtcは撮像装置35の外部変数によって定まり、Rp及びtpはレーザ装置53の外部変数によって定まる。撮像装置35の外部変数は、ワールド座標系100に対する撮像装置35の設置状態(位置及び向き)を示すパラメータであり、カメラ座標系200とワールド座標系100とのずれを示す。レーザ装置53の外部変数は、ワールド座標系100に対するレーザ装置53の設置状態(位置及び向き)を示すパラメータであり、レーザ装置座標系300とワールド座標系100とのずれを示すパラメータである。以下、Rc、tc、Rp、及びtpについて説明する。
Rcは、カメラ座標系200の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標にミシン1が変換するための3×3の回転行列である。Rcは、撮像装置35の外部変数であるX軸回転ベクトル、Y軸回転ベクトル、及びZ軸回転ベクトルに基づいて定まる。X軸回転ベクトルは、カメラ座標系200のワールド座標系100に対するXw軸周りの回転を示す。同様に、Y軸回転ベクトルはYw軸周りの回転を、Z軸回転ベクトルはZw軸周りの回転を示す。X軸回転ベクトル、Y軸回転ベクトル、及びZ軸回転ベクトルは、ミシン1がカメラ座標系200の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標へ変換する転換行列及び、ワールド座標系100の三次元座標をカメラ座標系200の三次元座標へ変換する転換行列を決定する場合に用いられる。
tcは、カメラ座標系200の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標にミシン1が変換するための3×1の並進ベクトルである。tcは、撮像装置35の外部変数であるX軸並進ベクトル、Y軸並進ベクトル、及びZ軸並進ベクトルに基づいて定まる。X軸並進ベクトルはワールド座標系100に対するカメラ座標系200のXw軸方向のずれを示す。同様に、Y軸並進ベクトルはYw軸方向のずれを,Z軸並進ベクトルはZw軸方向のずれを示す。X軸並進ベクトル、Y軸並進ベクトル、及びZ軸並進ベクトルは、ミシン1がワールド座標系100の三次元座標をカメラ座標系200の三次元座標へ変換する並進ベクトル及び、カメラ座標系200の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標へ変換する並進ベクトルを決定する場合に用いられる。
Rpは、レーザ装置座標系300の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標にミシン1が変換するための3×3の回転行列である。Rpは、レーザ装置53の外部変数であるX軸回転ベクトル、Y軸回転ベクトル、及びZ軸回転ベクトルに基づいて定まる。X軸回転ベクトルは、レーザ装置座標系300のワールド座標系100に対するXw軸周りの回転を示す。同様に、Y軸回転ベクトルはYw軸周りの回転を、Z軸回転ベクトルはZw軸周りの回転を示す。X軸回転ベクトル、Y軸回転ベクトル、及びZ軸回転ベクトルは、ミシン1がレーザ装置座標系300の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標へ変換する転換行列及び、ワールド座標系100の三次元座標をレーザ装置座標系300の三次元座標へ変換する転換行列を決定する場合に用いられる。
tpは、レーザ装置座標系300の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標にミシン1が変換するための3×1の並進ベクトルである。tpは、レーザ装置53の外部変数であるX軸並進ベクトル、Y軸並進ベクトル、及びZ軸並進ベクトルに基づいて定まる。X軸並進ベクトルはワールド座標系100に対するレーザ装置座標系300のXw軸方向のずれを示す。同様に、Y軸並進ベクトルはYw軸方向のずれを,Z軸並進ベクトルはZw軸方向のずれを示す。X軸並進ベクトル、Y軸並進ベクトル、及びZ軸並進ベクトルは、ミシン1がワールド座標系100の三次元座標をレーザ装置座標系300の三次元座標へ変換する並進ベクトル及び、レーザ装置座標系300の三次元座標をワールド座標系100の三次元座標へ変換する並進ベクトルを決定する場合に用いられる。
ROM62の算出式記憶エリアについて説明する。算出式記憶エリアには被縫製物10(図5参照)の厚さを特定するための算出式が記憶されている。被縫製物10の厚さとは、ミシンベッド11上に載置される被縫製物10のZw軸方向の寸法である。つまり、被縫製物10の厚さは、ミシンベッド11上面から被縫製物10の上面までのZw方向における距離である。なお、被縫製物10の厚さが特定されるための算出式は、ミシンベッド11上に載置された被縫製物10の位置が変更されないことを前提としている。
レーザ装置53が被縫製物10にレーザ光を照射する位置(以下、被照射位置25という)の撮影画像上の座標データである被照射座標が特定され、その被照射座標がワールド座標系100における三次元座標に変換されることで、被縫製物10の厚さが特定される。被照射位置25は被縫製物10上の特定の位置である。レーザ装置53がレーザ光を照射する位置は、ミシンベッド11上に被縫製物10が載置されていない場合には所定位置24であり、被縫製物10が載置されている場合には被照射位置25である。
算出式記憶エリアに記憶される算出式について説明する。被照射座標のワールド座標系100における三次元座標は、2つの異なる位置に配置されたカメラによって撮影された対応点の三次元座標を、2つのカメラ間の視差を利用して算出する方法を応用することで算出される。視差を利用した算出方法では、以下のようにカメラ座標系の三次元座標が算出される。異なる位置に配置された2つのカメラによって撮影された対応点の画像座標m=(u,v)Tと、m′=(u′,v′)Tとが既知であれば、方程式(1)と、方程式(2)とが得られる。
smav=PMwav ・・・・式(1)
s′mav′=P′Mwav ・・・・式(2)
smav=PMwav ・・・・式(1)
s′mav′=P′Mwav ・・・・式(2)
式(1)と式(2)とにおいて、Pは、画像座標m=(u,v)Tを得たカメラの射影行列であり、P′は、画像座標m′=(u′,v′)Tを得たカメラの射影行列である。射影行列は、カメラの内部変数と、外部変数とを含む行列である。mavは、mの拡張ベクトルである。mav′は、m′の拡張ベクトルである。Mwavは、Mwの拡張ベクトルである。Mwは、ワールド座標系100の三次元座標である。拡張ベクトルは、与えられたベクトルに対して要素1を加えたものである。例えば、m=(u,v)Tの拡張ベクトルは、mav=(u,v,1)Tである。sと、s′とは、スカラーを表す。
式(1)と式(2)とから、式(3)が導かれる。
BMw=b ・・・・式(3)
式(3)において、Bは4行3列の行列であり、Bのi行j列の要素Bijは式(4)で示される。bは式(5)で示される。
(B11,B21,B31,B41,B12,B22,B32,B42,B13,B23,B33,B43)=(up31−p11,vp31−p21,u′p31′−p11′,v′p31′−p21′,up32−p12,vp32−p22,u′p32′−p12′,v′p32′−p22′,up33−p13,vp33−p23,u′p33′−p13′,v′p33′−p23′) ・・・・式(4)
b=[p14−up34,p24−vp34,p14′−u′p34′,p24′−v′p34′]T ・・・・式(5)
式(4)と式(5)とについて、pijは、Pのi行j列の要素であり、pij′は、P′のi行j列の要素である。[p14−up34,p24−vp34,p14′−u′p34′,p24′−v′p34′]Tは、[p14−up34,p24−vp34,p14′−u′p34′,p24′−v′p34′]の転置行列である。
よってMwは、式(6)で表される。
Mw=B+b ・・・・式(6)
式(6)において、B+は、行列Bの擬似逆行列を表す。
BMw=b ・・・・式(3)
式(3)において、Bは4行3列の行列であり、Bのi行j列の要素Bijは式(4)で示される。bは式(5)で示される。
(B11,B21,B31,B41,B12,B22,B32,B42,B13,B23,B33,B43)=(up31−p11,vp31−p21,u′p31′−p11′,v′p31′−p21′,up32−p12,vp32−p22,u′p32′−p12′,v′p32′−p22′,up33−p13,vp33−p23,u′p33′−p13′,v′p33′−p23′) ・・・・式(4)
b=[p14−up34,p24−vp34,p14′−u′p34′,p24′−v′p34′]T ・・・・式(5)
式(4)と式(5)とについて、pijは、Pのi行j列の要素であり、pij′は、P′のi行j列の要素である。[p14−up34,p24−vp34,p14′−u′p34′,p24′−v′p34′]Tは、[p14−up34,p24−vp34,p14′−u′p34′,p24′−v′p34′]の転置行列である。
よってMwは、式(6)で表される。
Mw=B+b ・・・・式(6)
式(6)において、B+は、行列Bの擬似逆行列を表す。
ここで、上記2つのカメラのうちの一方を撮像装置35とし、他方をレーザ装置53とする。被照射位置25を対応点とし、撮像装置35が撮影した画像における被照射位置25の画像座標をm=(u,v)Tとする。また、レーザ装置座標系300の被照射位置25の座標をm′=(u′,v′)Tとする。式(1)のPに、撮像装置35の射影行列を設定する。撮像装置35の射影行列は、式(7)で表される。同様に、式(2)のP′に、レーザ装置53の射影行列を設定する。レーザ装置53の射影行列は、式(8)で表される。
P=Ac[Rc,tc] ・・・・式(7)
P′=Ap[Rp,tp] ・・・・式(8)
Apは単位行列であるので、式(8)は式(9)に置き換えることができる。
P′=[Rp,tp] ・・・・式(9)
P=Ac[Rc,tc] ・・・・式(7)
P′=Ap[Rp,tp] ・・・・式(8)
Apは単位行列であるので、式(8)は式(9)に置き換えることができる。
P′=[Rp,tp] ・・・・式(9)
以上から得られたm、m′、P、及びP′を用いた、式(6)に基づきワールド座標系100の三次元座標Mwが算出される。被照射位置25のワールド座標系100の三次元座標Mw(Xw,Yw,Zw)のうち、Zwは被縫製物10の厚みを表す。上記の算出式(以下、厚さ算出式という)が、被照射座標とミシンベッド11の上面からの距離とが対応づけられたデータとして、算出式記憶エリアに記憶されている。
次に図4〜図6を参照し、ミシン1で実行される厚さ特定処理について説明する。厚さ特定処理は、ユーザがミシンベッド11上に被縫製物10(図5参照)を配置しパネル操作によって開始の指示を入力した場合に実行される。ミシンベッド11上に配置される被縫製物10は、所定位置24を覆う。本実施形態においては、被縫製物10のうち撮影領域20に配置される部分には、花柄の模様が形成されているとする(図5参照)。
CPU61は、パネル操作による開始の指示を検知すると、ROM62のプログラム記憶エリアを参照し、厚さ特定処理を実行するためのプログラムをRAM63に読出し、プログラムに含まれる指示に従って、以下に説明する各ステップの処理を実行する。処理の過程で得られた各種データは、適宜RAM63に記憶される。
CPU61は、駆動回路74を制御して、撮像装置35の撮影モードを第一モードに設定する(S11)。CPU61は、レーザ装置53を制御して、レーザ光を間欠的に被照射位置25に照射させる(S13)。レーザ装置53はパルス発光を開始する。図5に示すように、本実施形態では被照射位置25は被縫製物10上の模様と重なっており、所定位置24の略上方に位置する。
図4に示すように、CPU61は、駆動回路74を制御することで、レーザ装置53の被照射位置25への照射に合わせて撮像装置35に撮影領域20の撮影をさせ、生成された撮影画像データを取得する(S15)。
CPU61は、レーザ装置53がパルス発光を開始するのと同時に、撮像装置35に撮影を開始させる。撮像装置35の撮影が開始されると、第一フレーム画像の各画素に対応した露光が行われる。具体的には、各画素における露光開始のタイミングが互いに異なり、且つ露光時間が互いに略同一になるようにして、撮像装置35の露光は行われる。各画素に対応するフォトトランジスタには受光量に応じた電流が発生し、これにより各フォトトランジスタに対応するキャパシタには電荷が蓄積される。蓄積された電荷はCPU61によって読み出される。
ここで、第一フレーム画像を構成する画素が全部でN個あるとする。これらN個の画素に対して順番に番号を付し、第n番目の画素(以下、第n画素という)に被照射位置25が含まれるとする。第n画素は複数の画素であってもよい。図6においては、これらN個の画素において露光が開始されるタミングと、レーザ装置53がパルス発光するタイミングとを示している。第n画素における露光が開始されたときに、レーザ光が被照射位置25に照射されていない(光源が消灯されている)場合であっても、露光は1/60秒に亘って行われる。従って、2回目のパルス発光においてレーザ光が被照射位置25に照射されている(光源が点灯している)時間の少なくとも一部は、第n画素における露光がなされる時間と重なる。撮像装置35の露光が開始されるタイミングが、1回目のパルス発光が開始されるタイミングとずれて設定される場合であっても、第n画素における露光時間と、レーザ光が被照射位置25に照射される時間とは確実に重なる。従って、レーザ光が被照射位置25へ照射されるタイミングに関わらず、撮像装置35は、被照射位置25に照射されるレーザ光を撮影できる。よって、ミシン1は撮像装置35の露光が開始されるタイミングを柔軟に設定できる。
図4に示すように、CPU61は、S15で取得した撮影画像データに基づいて、被照射座標を特定する(S31)。被照射座標は、公知技術の画像処理が行われることにより、特定される。例えば、撮影された画像にハフ変換が施され、ハフ変換画像が作成される。次に、ハフ変換画像に対して非極大抑制処理が行われ、ハフ変換画像のうち局所的に(マスク内で)明るい点が抽出される。結果、被照射座標が特定される。
ここで、レーザ装置53は、レーザ光を間欠的に照射するので、レーザ光の出力の平均値を低減することができる。結果、レーザ装置53は、レーザ製品の安全基準に定められる規格を満たしつつ、撮像装置35が被照射位置25を認識し易い程度までレーザ光の出力を適切に上げることができる。また、レーザ装置53は被照射位置25のみをレーザ光で照射する。被照射位置25が被縫製物10の模様と重なる場合であっても、撮影領域20内において、被照射位置25と、レーザ光が照射されない領域とのコントラストが大きくなるので、被照射位置25は特定され易い。さらに、第一撮影モードの撮像装置35が撮影する撮影画像は暗くなるので、レーザ光はより認識され易くなる。よって、撮影画像における被照射位置25はさらに特定され易くなる。
CPU61は、ROM62を参照し、厚さ算出式を取得する(S32)。CPU61は、S31で取得した被照射座標、S32で取得した厚さ算出式と、ROM62を参照することで取得したAc、Ap、Rc、tc、Rp、及びtpとに基づいて、被縫製物10の厚さを算出する(S33)。
CPU61は、駆動回路73を制御して、レーザ装置53のパルス発光を終了させる(S35)。CPU61は、駆動回路74を制御して、撮像装置35の撮影モードを第二モードに設定する(S37)。これにより、撮像装置35が撮影時に取得する光量は増大する。CPU61は、駆動回路74を制御して、第二モードに設定された撮像装置35に撮影領域20の撮影をさせ、生成された撮影画像データを取得する(S39)。
CPU61は、S39で取得した撮影画像データに基づいて、駆動回路72を制御して撮影画像をLCD15に表示させる(S41)。その後、CPU61は厚さ特定処理を終了させる。第二モードで撮影した撮像装置35の撮影画像は、第一モードにおける撮影画像よりも明るくなる。従って、LCD15に表示される撮影画像を明るくすることができる。
ミシン1において、レーザ装置53は本発明の照射手段に相当し、撮影領域20は本発明の領域に相当し、被照射位置25が本発明の照射する位置に相当し、厚さ算出式が対応データに相当する。図4のS11,S37を実行するCPU61は、本発明の撮影設定手段として機能する。S13を実行するCPU61は、本発明の照射制御手段として機能する。S15、S39を実行するCPU61は、本発明の撮影制御手段として機能する。S31を実行するCPU61は、本発明の第一特定手段として機能する。S32を実行するCPU61は、本発明の第三取得手段として機能する。S33を実行するCPU61は、本発明の第二特定手段として機能する。
以上説明したように、ミシン1においては、被照射位置25の撮影画像における座標データである被照射座標が特定される(S31)。即ち、ミシン1は、被縫製物10の色や柄に影響されることなく、撮影画像データに基づき、被照射座標を安定して特定可能である。
また、撮像装置35は、ローリングシャッタ方式の撮像装置であるので、レーザ光が照射されるタイミングに関わらず、照射されるレーザ光を撮影できる。そのため、被照射座標を特定するための撮影画像が撮影される場合に、撮像装置35の露光が開始されるタイミングを比較的自由に設定できる。
また、ミシン1は、レーザ光が被照射位置25に間欠的に照射される第一モードと、レーザ光の被照射位置25への照射が停止される(つまり、照射されない)第二モードとの何れかに、撮像装置35の撮影モードを切り替えることができる(S11,S37)。従って、ミシン1は、被縫製物10の厚さを特定する場合と、被縫製物10を撮影してLCD15に表示させる場合の夫々に適した撮影を撮像装置35にさせることができる。
また、ミシン1は、S31で特定された被照射座標と、S32で取得された算出式とに基づいて、被縫製物10の厚さを特定する(S33)。従って、ミシン1は、被縫製物10の色や柄に影響されることなく、撮影画像データに基づき、被縫製物10の厚さを安定して特定可能である。
次に、図7及び図8を参照し、ミシン1の変形例に係るミシン2について説明する。ミシン2は、撮像装置35に代えて撮像装置135を備える。撮像装置135は、グローバルシャッタ方式の撮像装置である。撮像装置135は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを備え、所定位置24が含まれる撮影画像のデータである撮影画像データを生成する。本実施形態における撮像装置135のシャッタスピードは1/120秒であり、レーザ装置53が1周期あたりにレーザ光を照射する時間と同じである。撮像装置135の露光が行われる場合、撮像装置135のCCDイメージセンサが備える各フォトトランジスタは、同時に1/120秒に亘る受光を行う。
撮像装置135は、撮像装置35と同様に撮影モードを第一モード又は第二モードに切替えることが可能な構成となっている。フラッシュメモリ64が有する記憶エリア(図示略)には、レーザ装置53がレーザ光を照射する周期T(1/60秒)及び撮像装置35のシャッタスピード(1/120秒)が記憶されている。
図示しないが、撮像装置135には、CPU61からの制御信号に従って撮像装置135の撮影モードを第一モード又は第二モードに設定し、撮影をさせる駆動回路が接続されている。また、ミシン2は、CPU61と接続するタイマ(図示略)を備える。
図8を参照し、ミシン2が実行する厚さ特定処理について説明する。なお、ミシン1が実行する厚さ特定処理(図4参照)と同様のステップについては、同じステップ番号を付し、説明を簡略化する。CPU61は、撮像装置135と接続する駆動回路(図示略)を制御して、撮像装置135の撮影モードを第一モードに設定する(S11)。CPU61は、レーザ装置53にパルス発光をさせる(S13)。パルス発光のタイミングと同時にCPU61は、タイマに計時を開始させる。
CPU61は、フラッシュメモリ64を参照することで、周期Tを取得する(S21)。CPU61は、パルス発光するレーザ装置53が被照射位置25(図5参照)への照射を開始するタイミング(以下、発光開始タイミングという)を取得する(S23)。CPU61は、S21で取得した周期T(1/60秒)に0以上の整数を乗じることによって発光開始タイミングを取得する。例えば、発光開始タイミングは、タイマが0秒、1/60秒、2/60秒、3/60秒を計時したときである。
CPU61は、S21で取得した周期Tと、S23で取得した発光開始タイミングに基づいて、撮像装置135が撮影を開始するタイミング(以下、撮影開始タイミングという)を決定する(S25)。CPU61は、被照射位置25への照射がなされている間に撮像装置135の露光が開始されるように、撮影開始タイミングを決定する。例えば、CPU61は、タイマが3/60秒を計時したとき(4回目のパルス発光が開始されたとき)に撮影を開始することを決定する。
CPU61は、駆動回路(図示略)を制御して、撮像装置135に撮影を開始させ、生成された撮影画像データを取得する(S27)。例えば、CPU61は、タイマが3/60秒を計時したときに、撮像装置135に撮影を開始させる。撮像装置135は、撮像装置135のフレーム画像(以下、「第二フレーム画像」という)における画素間での露光開始のタイミング及び露光時間を、互いに略同一にしつつ、撮影を行う。
シャッタスピードと、1周期当たりにレーザ光が被照射位置25に照射されている時間とは同じである。従って、4回目のパルス発光において、レーザ光の被照射位置25への照射が停止されるのと同時に、撮像装置135の露光は終了する。ここで、第二フレーム画像を構成する画素が全部でN'個であるとする。これらN'個の画素に対して順番に番号を付し、第n'番目の画素(以下、第n'画素という)に被照射位置25が含まれるとする。図9においては、これらN'個の画素において露光が開始されるタミングと、レーザ装置53がパルス発光するタイミングとを示している。N'個の画素全てにおける露光が同時に開始されるので、タイマが3/60秒から7/120秒(=3/60秒+1/120秒)までを計時するまでの間に、第n'画素に対応するフォトトランジスタは、レーザ光の光を受光する。
撮像装置135の露光がなされる間において、つまり、撮影領域20(図5参照)が撮影されている間において、レーザ光が被照射位置25へ照射されている時間(本実施形態では1/120秒)が、被照射位置25への照射が一時的に停止されている時間(本実施形態では0秒)を上回る条件で、CPU61は撮像装置135に撮影をさせる。このため、撮像装置135が撮影する場合に取得するレーザ光の光量は多くなる。
図8に示すように、CPU61は、第一実施形態に係るミシン1の厚さ特定処理と同様に、S31からS37までのステップを実行した後、S39と同様に撮像装置135に撮影をさせ(S40)、LCD15に撮影画像を表示させ(S41)、ミシン2の厚さ特定処理を終了させる。
ミシン2において、図8のS11,S37を実行するCPU61は本発明の撮影設定手段として機能する。S21を実行するCPU61は、本発明の第二取得手段として機能する。S23を実行するCPU61は、本発明の第一取得手段として機能する。S27,S40を実行するCPU61は、本発明の撮影制御手段として機能する。
以上、説明したように、第二実施形態に係るミシン2においては、レーザ装置53がレーザ光を被照射位置25に照射している間に、撮像装置135の露光は開始される。撮像装置135は被照射位置25に照射されたレーザ光の光を取得し易くなる。よって、ミシン2はレーザ光の位置を安定して特定可能である。
また、撮影領域20が撮影されている間において、レーザ光が被照射位置25へ照射されている時間が、レーザ光の被照射位置25への照射が一時的に停止されている時間を上回る条件で、撮像装置135による撮影は実行される。このため、撮像装置135が撮影する場合に取得するレーザ光の光量が多くなる。よって、ミシン2はレーザ光の位置をより安定して特定可能である。
本発明のミシンは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。撮像装置35,135は、レーザ光が照射される被縫製物10に対しての撮影に適した単一の撮影モードのみが設定されていてもよい。この場合、厚さ特定処理において、撮像装置35は、第一モード又は第二モードに設定されることなく、単一の撮影モードのみで撮影した撮影画像を生成する。
また、撮像装置35,135は、レーザ光が照射される被縫製物10を複数回に亘って撮影してもよい。この場合、撮像装置35,135が撮影した複数の撮影画像のうち、取得されたレーザ光の光量が最も多い撮影画像をCPU61が選択し、選択された撮影画像に基づき被照射座標が特定されてもよい。
また、ミシン1,2は、ネットワークを介して外部の情報端末と通信可能な通信手段を備えていてもよい。この場合、CPU61は、通信手段が受信した厚さ算出式に関するデータを参照することで、厚さ算出式を取得する。また、厚さ算出式は、被縫製物10の厚さを算出するための一例としての算出式である。例えば、被照射座標と、所定位置24の撮影画像における座標データとから被縫製物10の厚さを算出可能である。つまり、CPU61は、所定位置24の座標データと、被照射座標とを特定し、さらにこれら2点の座標と被縫製物10の厚さとが予め対応付けられたデータテーブルを参照することで、被縫製物10の厚さを特定してもよい。
また、撮像装置35,135は、レーザ装置53がレーザ光の照射を一時的に停止している間に撮影を開始してもよい。この場合であっても、撮像装置35,135の露光がなされている時間と、レーザ装置53の照射がなされている時間の一部とが互いに重なるのであれば、撮像装置35,135は、被照射位置25に照射されるレーザ光を含んだ撮影画像の撮影画像データを生成できる。
また、上記実施形態のミシン1においては、撮像装置35のフレームレートは、60fpsとは異なる値であってもよい。この場合、第n画素における1回目の露光が行われる間、レーザ光が被照射位置25に照射されなかったときには、CPU61は第n画素に対応するキャパシタに蓄積された電荷をリセットし、再び電荷を蓄積させればよい。これにより、第n画素における2回目以降の露光が行われる時間と、レーザ光が被照射位置25に照射される時間の少なくとも一部が重なるので、撮像装置35は、被照射位置25に照射されるレーザ光を確実に撮影できる。
また、上記実施形態のミシン2においては、CPU61は、発光開始タイミングに代えて、レーザ光の照射が一時的に停止されるタイミング(以下、発光停止タイミング)を取得してもよい。この場合、CPU61は、発光停止タイミングと周期Tとに基づいて、撮影開始タイミングを決定できる。
また、上記実施形態のミシン2においては、CPU61はフラッシュメモリ64を参照することで、周期Tを取得するが、これに限られない。これに代えて、CPU61は、タイマの出力信号に基づいて、レーザ光の照射が開始されてから、照射が一時的に停止されるまでの時間を計測することで、周期Tを取得してもよい。
上述の厚さ特定処理(図4、図8参照)は、CPUによって実行される例に限定されず、他の電子部品(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。また、厚さ特定処理は、複数の電子機器(つまり、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。例えば、厚さ特定処理の一部は、パーソナルコンピュータに接続されているサーバで実行されてもよい。
1,2 ミシン
11 ミシンベッド
20 撮影領域
24 所定位置
25 被照射位置
35,135 撮像装置
53 レーザ装置
61 CPU
11 ミシンベッド
20 撮影領域
24 所定位置
25 被照射位置
35,135 撮像装置
53 レーザ装置
61 CPU
Claims (6)
- ミシンベッドと、
前記ミシンベッド上の所定位置にレーザ光を照射可能に設置された照射手段と、
前記照射手段を制御して、前記レーザ光を間欠的に前記所定位置に照射させる照射制御手段と、
前記ミシンベッド上の前記所定位置を含む領域を撮影可能に設置され、撮影された画像のデータである撮影画像データを生成する撮影手段と、
前記照射制御手段による前記照射手段の前記所定位置への照射に合わせて、前記撮影手段に前記領域を撮影させ、前記撮影画像データを取得する撮影制御手段と、
前記照射手段が前記レーザ光を前記領域内に照射する位置の、前記撮影された画像における座標データである被照射座標を、前記撮影画像データに基づいて、特定する第一特定手段と
を備えたことを特徴とするミシン。 - 前記撮影手段は、ローリングシャッタ方式の撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記撮影手段は、グローバルシャッタ方式の撮像装置であり、
前記照射制御手段が前記所定位置への前記照射を前記照射手段に開始させるタイミング及び前記所定位置への前記照射を一時的に停止させるタイミングのうち少なくとも一方のタイミングを取得する第一取得手段と、
前記照射手段が前記所定位置へ照射する周期を取得する第二取得手段と、
前記撮影制御手段は、前記第一取得手段が取得した前記タイミングと、前記第二取得手段が取得した前記周期とに基づいて、前記所定位置への前記照射がなされている間に前記撮影手段の露光を開始させることを特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記領域が撮影される間において、前記レーザ光が前記所定位置へ照射されている時間が、前記所定位置への前記照射が一時的に停止されている時間を上回る条件で、前記撮影制御手段は、前記撮影手段に撮影させることを特徴とする請求項3に記載のミシン。
- 前記撮影制御手段は、前記照射制御手段が前記照射手段に前記照射をさせる場合に、前記撮影手段の撮影モードを第一モードに設定し、且つ前記照射制御手段が前記照射手段に前記照射をさせない場合に、前記撮影手段の前記撮影モードを前記第一モードとは異なる第二モードに設定する撮影設定手段を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のミシン。
- 前記被照射座標と前記ミシンベッドからの距離とが対応付けられたデータである対応データを取得する第三取得手段と、
前記第一特定手段が特定した前記被照射座標と、前記第三取得手段が取得した前記対応データとに基づいて、前記ミシンベッド上の前記所定位置に配置された被縫製物の厚さを特定する第二特定手段とを備えたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のミシン。
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