JP2014068802A - ミシン - Google Patents

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聡 一柳
Yutaka Nomura
裕 野村
Yoshio Nishimura
吉雄 西村
Yoshinori Nakamura
慶典 中村
Akie Shimizu
明恵 清水
Daisuke Abe
大輔 阿部
Yuki Ihira
祐己 井平
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Abstract

【課題】ユーザは、加工布から手を離すことなく、縫製手段の動作を指示することができる。
【解決手段】
ミシン1は、加工布Wが載置されるベッド部1と、縫針7が下端部に装着される針棒6と、加工布Wを移送する移送手段とを含む縫製手段と、縫製手段の動作を指示する操作項目40を含む投影画像39をベッド部1と加工布Wのうち少なくとも1つに向けて投影する投影手段30と、操作項目40が投影されたベッド部1上の領域に、ユーザの指が触れたことを検出する項目検出手段S25と、操作項目に従って、縫製手段を動作させる制御手段S27と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ユーザが、加工布から手を離すことなく操作可能なミシンに関する。
従来から、スタートボタン、ストップボタン等の各種ボタンがアーム部に設けられたミシンが知られている。
特許文献1に、スタートボタン、ストップボタン等の各種ボタンがアーム部に設けられたミシンが開示されている。ユーザは、ボタンを押圧することにより、所望のタイミングで縫製に関する操作を行うことができる。
特開2010―287381号公報
通常、ユーザは、加工布の縫製予定位置がずれないよう、両手で加工布を軽く保持しながら、加工布を縫製する。しかしながら、ユーザが、スタート、ストップ、返し縫い等の指示を行う際には、加工布から片手を離し、アーム部に配置されたボタンを操作していた。一時的に加工布から片手を離した状態で加工布を縫製するため、加工布が縫製予定の位置からずれてしまい、縫製不良が発生する恐れがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザが、加工布から手を離すことなく、縫製手段の動作を指示することができるミシンを提供することを目的とする。
本発明のミシンは、加工布が載置されるベッド部と、縫針が下端部に装着される針棒と、加工布を移送する移送手段とを有する縫製手段と、前記縫製手段の動作を指示する操作項目を含む投影画像を前記ベッド部と加工布のうち少なくとも1つに向けて投影する投影手段と、前記投影手段によって前記操作項目が投影された前記ベッド部と加工布のうち少なくとも1つの領域において、ユーザの指が触れた前記操作項目を検出する項目検出手段と、前記項目検出手段によって検出された前記操作項目に従って、前記縫製手段を動作させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のミシンは、投影手段によって操作項目が投影されたベッド部と加工布のうち少なくとも1つの領域に、ユーザの指が触れることにより、ユーザが指示した操作項目に従って、縫製手段を動作させる。これにより、ユーザは、加工布から手を離すことなく、縫製手段の動作を指示することができる。
本発明の第1実施形態におけるミシン10の斜視図。 加工布Wをセットした状態で頭部4の一部を切り欠いたミシン10の斜視図。 頭部4の一部を切り欠いたミシン10の左側面図。 プロジェクタ30の概略構成図。 プロジェクタ30により操作項目40が加工布Wに投影されたミシン10の上面図。 ミシン10の電気的構成を示すブロック図。 ミシン10の項目指示処理のフローチャート。 ユーザの指が、操作項目40が投影された加工布Wに触れた状態を示すミシン10の上面図。 本発明の第2実施形態における接触センサ80が設けられたミシン10Bの上面図。
以下、本発明を具体化したミシン10の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定するものではなく、単なる説明例である。
[第1実施形態のミシン10の構成]
図1〜図4を参照して、第1実施形態におけるミシン10の物理的構成について説明する。ミシン10は、ベッド部1と、脚柱部2と、アーム部3と、頭部4と、を備える。ベッド部1は、ミシン10の土台部である。ベッド部1は、加工布Wが載置可能な平面を有する。脚柱部2は、ベッド部1から延びる。アーム部3は、ベッド部1に対向して脚柱部2から延びる。頭部4は、アーム部3の先端に設けられる。
第1実施形態における方向について定義する。脚柱部2がベッド部1から延びる方向を、上方向とし、上方向の反対方向を下方向とする。アーム部3が脚柱部2から延びる方向を、左方向とし、左方向の反対方向を右方向とする。左右方向と上下方向とに直交する方向を、前後方向とする。
縫製手段は、釜機構と、送り歯と、布送り機構と、主軸と、針棒6と、針棒上下動機構と、押え上下動機構と、上糸及び下糸を切断する糸切り機構と、を含む。
ベッド部1は、本体部1aと、補助テーブル1bと、を備える。針板11は、本体部1aに設けられる。補助テーブル1bは、本体部1aに着脱可能である。補助テーブル1bは、本体部1aの前側に装着される。
釜機構は、針板11の下部に設けられる。下糸が巻回されたボビンが、釜機構に収容される。送り歯と、布送り機構とは、本体部1aに収容される。送り歯は、縫製対象である加工布Wを所定の送り量で移送する。布送り機構は、送り歯を駆動する。図6に示す送り量調整パルスモータ79は、送り歯による加工布Wの送り量と送り方向を調整する。主軸と同期して回転する下軸が、本体部1aに設けられる。釜機構と、送り機構とは、下軸の回転により駆動される。糸切り機構は、釜機構の左側に隣接して設けられる。糸切り機構は、例えば、特開2006―87811号公報に記載された周知の機構である。糸切り機構は、図6に示す糸切りパルスモータ83の駆動により動作して、上糸及び下糸を切断する。
LCD5は、脚柱部2の前面に設けられる。タッチパネル16が、LCD5の表面に設けられる。LCD5は、例えば、複数種類の刺繍模様、又は縫製条件の入力キーを表示する。ユーザは、LCD5に表示された刺繍模様、又は入力キーに対応するタッチパネル16の位置に触れることにより、刺繍模様、又は縫製条件を選択することができる。スイッチ群20は、アーム部3の前面に設けられる。スイッチ群20は、縫製開始・停止スイッチ21を含む。縫製開始・停止スイッチ21は、図6に示すミシンモータ78の駆動を開始、又は停止させる動作を指示する。
プロジェクタ30は、図5及び図8に示す投影画像39をベッド部1上、又は加工布W上に向けて投影する。プロジェクタ30は、頭部4の左前側に取り付けられる。プロジェクタ30の大部分は、頭部4の内部に収容される。一対の調節ねじ31が、頭部4の外部に突出する。調節ねじ31は、投影される投影画像の焦点を調整するためのねじである。詳しい説明は省略するが、プロジェクタ30は、加工布Wに対して斜め上方から投影画像39を投影するため、投影画像39の歪みが公知の画像補正処理により補正される。
図6に示すミシンモータ78は、脚柱部2に収容される。主軸は、アーム部3に設けられる。ミシンモータ78は、タイミングベルトを介して主軸を回転させる。主軸の回転力は、タイミングベルトを介して下軸に伝達される。
図3を参照して、頭部4の詳細な構成について説明する。針振りパルスモータ80、針棒6、針棒上下動機構、針振り機構、及び押え上下動機構は、頭部4の内部に収納される。針棒6は、上下動可能に頭部4に支持される。縫針7は、針棒6の下端部に装着される。針棒上下動機構は、主軸の回転により針棒6を上下動させる。針棒6が針棒上下動機構により下方へ移動することにより、縫針7が加工布W上の針落ち点Pを貫通する。針振り機構は、図6に示す針振りパルスモータ80の駆動により針棒6を左右方向に揺動させる。押え棒9が、針棒6の後方に設けられる。押え棒9は、上下方向に昇降可能である。押え足8は、押え棒9の下端部に装着される。押え足8は、加工布Wを押さえるために設けられる。押え足8は、布押え部81を備える。布押え部81は、布押え部81の下側にある加工布Wを押圧する。押え上下動機構は、例えば、特開2011―172801号公報に記載された周知の構成である。押え上下動機構は、押え上下パルスモータ82の駆動により動作して、押え棒9、及び押え足8を、上昇位置と降下位置とに亙って移動させる。上昇位置は、押え足8が加工布Wから上方に離間された位置である。降下位置は、押え足8が加工布Wを押える位置である。縫製手段は、押え棒9と、押え足8と、押え棒9を上下動させる押え上下動機構と、を含む。
イメージセンサ50が、頭部4の内部に取り付けられる。具体的には、イメージセンサ50は、支持フレーム51に固定される。支持フレーム51は、ミシン10の機枠に取り付けられる。イメージセンサ50は、例えば、CMOSセンサと、制御回路と、を備えた周知のCMOSイメージセンサである。なお、イメージセンサ50は、CMOSセンサの代わりに、周知のCCDセンサであってもよい。図2に示すように、イメージセンサ50は、ベッド部1上の所定の撮影領域Rを撮影する。撮影領域Rは、針棒6に装着される縫針7の針落ち点Pより前側のベッド部1上の領域である。イメージセンサ50は、入射した光を電気信号に変換して出力する。
図4を参照して、プロジェクタ30の詳細な構成について説明する。プロジェクタ30は、筐体32と、光源33と、液晶パネル34と、結像レンズ35と、を備える。筐体32は、筒状に形成される。筐体32は、下方に向かって右前方向へ傾斜する姿勢にて、頭部4の機枠に固定される。投光用開口部36が、筐体32に形成される。光源33は、例えば、メタルハライド系の放電ランプである。液晶パネル34は、光源33からの光を変調する。液晶パネル34は、投影画像データに基づき、投影される投影画像光を形成する。結像レンズ35は、投光用開口部36を介して、投影画像光を、焦点位置にあるベッド部1上、又は加工布W上の投影領域Rに結像させる。なお、本実施形態では、プロジェクタ30の投影領域Rと、イメージセンサ50の撮影領域Rとは、一致する。
[投影画像39]
図5を参照して、投影領域Rに投影される投影画像39について説明する。プロジェクタ30は、針棒6に装着される縫針7の針落ち点Pより前側のベッド部1に向けて投影画像39を投影する。投影画像39は、操作項目40を含む。操作項目40は、縫製開始・停止項目41と、返し縫い項目42と、糸切り項目43と、押え上下項目44と、針上下項目45と、を含む。縫製開始・停止項目41は、縫製手段の動作開始又は停止を指示する。即ち、縫製開始・停止項目41は、ミシンモータ78の回転又は停止を指示する。返し縫い項目42は、加工布Wの移送方向を反転させる返し縫いを指示する。縫製動作中、加工布Wは、前方から後方に向かって移送される。返し縫いする場合、加工布Wは、後方から前方に向かって移送される。糸切り項目43は、縫製に供する上糸、及び下糸を切断する糸切り動作を指示する。押え上下項目44は、加工布Wを押圧する押え足8の上下位置を指示する。針上下項目45は、針棒6の上下方向の停止位置を指示する。ユーザがタッチパネル16へタッチすることにより、上記操作項目40に限らず操作項目40の種類、操作項目40の大きさ、及び操作項目40が投影される範囲等の投影条件を変更するようにしてもよい。
[ミシン10の電気的構成]
図6を参照して、ミシン10の電気的構成について説明する。図6に示すように、ミシン10は、制御部60と、カードスロット17と、画像処理回路50aと、を備える。制御部60は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、EEPROM64と、入力インターフェイス65と、出力インターフェイス66と、バス67と、外部アクセスRAM68と、を備える。バス67は、上記ミシン10の電気的構成要素を相互に電気的に接続する。入力インターフェイス65は、縫製開始・停止スイッチ21と、タッチパネル16と、針上下位置センサ89と、画像処理回路50aと、に電気的に接続される。出力インターフェイス66は、駆動回路71〜77と、光源33と、に電気的に接続される。画像処理回路50aは、イメージセンサ50と電気的に接続される。
CPU61は、ミシン10の主制御を司る。CPU61は、ROM62の制御プログラム記憶領域に記憶された制御プログラムに従って、実行する。ROM62は、読み出し専用の記憶素子である。RAM63は、任意に読み書き可能な記憶素子である。RAM63は、CPU61が演算した演算結果を記憶する各種記憶領域を備える。
縫製開始・停止スイッチ21は、ボタン式スイッチである。針上下位置センサ89は、針棒6の上下方向の位置を検出するセンサである。詳細には、針上下位置センサ89は、縫針7が針上位置、及び針下位置にあるとき、検出信号を制御部60に出力する。針上位置は、縫針7の先端が針板11の上面にあり、縫針7が最も上昇した位置である。針下位置は、縫針7の先端が針板11の下面にあり、縫針7が最も下降した位置である。画像処理回路50aは、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像の画像データを画像処理する。
駆動回路71は、ミシンモータ78を駆動させる。ミシンモータ78は、主軸を回転駆動させる。駆動回路72は、送り量調整パルスモータ79を駆動させる。駆動回路73は、針棒6を揺動駆動する針振りパルスモータ80を駆動させる。駆動回路76は、押え上下パルスモータ82を駆動させる。駆動回路77は、糸切りパルスモータ83を駆動させる。縫製手段は、ミシンモータ78と、送り量調整パルスモータ79と、針振りパルスモータ80と、押え上下パルスモータ82と、糸切りパルスモータ80と、駆動回路71〜73、76、77と、を含む。駆動回路74は、LCD5を駆動させる。駆動回路75は、プロジェクタ30の液晶パネル34を駆動させる。
[項目指示処理]
図7を参照して、項目指示処理について説明する。CPU61は、ROM62に記憶された項目指示プログラムに従って、項目指示処理を実行する。ユーザが、タッチパネル16の操作画面から操作項目投影キーをタッチすると、CPU61が、図7に示すフローチャートに示す処理を実行する。フローチャートに示す各ステップは、CPU61の処理を示す。まず、ユーザは、ベッド部1の撮影領域R内の所定位置に設けられたマークの上に指を置く。本実施形態では、マークの上に置かれた指は、左手の親指であるが、これに限らない。マークは、例えば×形状である。
S11では、CPU61は、ユーザによりLCD5に表示された撮影キーが押されたか否かを判断する。CPU61は、撮影キーが押されたと判断した場合(S11:YES)、イメージセンサ50により撮影領域Rが撮影され、S13へ処理を進める。CPU61は、撮影キーが押されていないと判断した場合(S11:NO)、S11の処理を繰り返す。
S13では、CPU61は、イメージセンサ50により、マーク上に置かれたユーザの指の形、及び指の大きさを認識する。画像処理回路50aは、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像の画像データに基づいて、周知の画像処理方法により、ユーザの指の形、及び指の大きさを示す指画像データを生成する。画像処理回路50aは、指画像データをRAM63に出力する。RAM63は、指画像データを記憶する。以下、周知の画像処理方法の一例について説明する。画像処理回路50aは、指の輪郭を抽出するために、撮影画像の画像データをグレースケール画像に変換し、2値化する。その後、画像処理回路50aは、テンプレートマッチング法により、指の形、及び指の大きさを示す指画像データを生成する。次に、ユーザは、加工布Wをベッド部1上に載置する。
S15では、CPU61は、ユーザによりLCD5に表示された撮影キーが押されたか否かを判断する。CPU61は、撮影キーが押されたと判断した場合(S15:YES)、イメージセンサ50により撮影領域Rが撮影され、S17へ処理を進める。CPU61は、撮影キーが押されていないと判断した場合(S15:NO)、S15の処理を繰り返す。
S17では、CPU61は、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像に写る加工布Wの色を検出する。具体的には、画像処理回路50aは、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像の画像データにおける加工布Wの位置に対応する座標のRGB値を取得する。画像処理回路50aは、取得したRGB値より、公知の変換式により、HSV値に変換する。画像処理回路50aは、演算した色相値HをRAM63に出力する。RAM63は、色相値Hを加工布色情報として記憶する。
HSV値について説明する。HSV値は、HSV空間における色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)により定義される。色相とは、赤、青、黄等の色の種類である。色相値Hは、例えば0〜360の範囲である。彩度は、色の鮮やかさである。彩度値Sは、例えば0.0〜1.0の範囲である。明度は、色の明るさである。明度値Vは、例えば0.0〜1.0の範囲である。
S19では、CPU61は、S17により検出された加工布Wの色とは異なる色を投影画像39の色として設定する。加工布Wの色とは異なる色とは、例えば、加工布Wの色に対する補色である。補色とは、色相環において、対象の色に対して180度異なる位置にある色である。補色は、加工布Wの色とのコントラストが大きいため、ユーザが加工布Wに投影された投影画像39を容易に視認することができる。例えば、加工布Wの色が青色であった場合、補色は黄色である。具体的には、CPU61は、加工布Wの色として色相値Hを取得する。CPU61は、色相値Hに180を加算する。CPU61は、180を加算した色相値H´を、投影画像色情報として設定し、RAM63に記憶させる。なお、加工布Wの色が、白色、及び黒色の無彩色である場合、投影画像39の色は、ROM62、又はEEPROM64に予め記憶される色を投影画像色情報として設定する。予め記憶される色は、例えば、加工布Wの色において、明度のコントラストが大きい色である。
S21では、CPU61は、プロジェクタ30から投影画像39の投影を開始するよう、駆動回路75を制御する。プロジェクタ30は、S19によって設定された色の投影画像39を投影する。具体的には、投影画像39の投影のために、CPU61は、投影画像色情報をRAM63から読み出す。CPU61は、予めユーザにより設定された投影条件に対応する投影画像データをRAM63から読み出す。プロジェクタ30は、読み出された投影画像色情報、及び投影画像データに基づき、投影画像39を投影する。図8に示すように、投影画像39は、加工布W上に投影される。投影画像39は、複数の操作項目40を含む。
S23では、CPU61は、複数の操作項目40のうちいずれか1つに、ユーザの指が触れたか否かを判断する。CPU61は、複数の操作項目40のうちいずれか1つに、ユーザの指が触れたと判断した場合(S23:YES)、S25へ処理を進める。CPU61は、複数の操作項目40に、ユーザの指が触れていないと判断した場合(S23:NO)、S23の処理を繰り返す。
S25では、CPU61は、プロジェクタ30によって加工布W上に投影された複数の選択項目40のうち、ユーザの指が触れた加工布Wに投影される操作項目40を検出する。第1実施形態においては、CPU61は、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像に写る投影画像39の位置に対するユーザの指の位置に基づいて、ユーザが指定した操作項目40を検出する。例えば、図8に示すように、ユーザの指が、糸切り項目43が投影された加工布Wに触れたとする。CPU61は、ユーザの指が触れた加工布Wに投影される糸切り項目43を検出する。具体的には、CPU61は、RAM63から指画像データを読み出す。CPU61は、指画像データが示す指と、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像に写る指と、をマッチングする。CPU61がマッチングした結果、指画像データが示す指と、撮影画像に写る指と、が一致すると判断した場合、CPU61は、ユーザの指が加工布Wに触れたことを検出する。さらに、CPU61は、周知の画像処理方法により、ユーザの親指の爪の中心位置Cの位置を特定する。CPU61は、爪の中心位置Cの座標を算出する。CPU61は、爪の中心位置Cの座標と、操作項目40の各操作項目が投影される領域の座標と、を比較する。操作項目40の各操作項目が投影される領域の座標は、予めユーザが設定した投影条件に従って、RAM63に記憶される。CPU61が比較した結果、爪の中心位置Cの座標が存在する操作項目40の領域を判別する。このようにして、ユーザの指が複数の操作項目40のうち糸切り項目43上に存在することを検出する。なお、操作項目40の各操作項目が投影される領域の座標は、デフォルトで設定されていてもよい。
S27では、CPU61は、S25によって検出された操作項目40に従って、操作項目40の種類に応じた動作を実行するよう、縫製手段を制御する。CPU61は、S27終了後、S23へ処理を戻す。以下、具体的に説明する。
ミシンモータ78の回転が停止している時、即ち縫製停止中に、S25によって縫製開始・停止項目41が検出された場合、ミシンモータ78の回転を開始させて、縫製動作を開始させる。主軸の回転を開始する。一方、ミシンモータ78の回転中、即ち縫製動作中に、S25によって縫製開始・停止項目41が検出された場合、ミシンモータ78の回転を停止させて縫製動作を停止させる。
ミシンモータ78の回転中、即ち縫製動作中に、S25によって返し縫い項目42が検出された場合、送り量調整パルスモータの駆動により送り歯の移動方向を反転させ、加工布Wを後方から前方に移送する。一方、ミシンモータ78が停止しているときに、即ち縫製停止中に、S25によって返し縫い項目42が検出された場合、送り量調整パルスモータ79の駆動により送り歯の移動方向を反転させ、かつミシンモータ79の回転を開始させて、加工布Wを後方から前方に移送する。
S25によって糸切り項目43が検出された場合、糸切りパルスモータ83の駆動により、上糸、及び下糸を切断する。
押え足8が加工布Wを押さえる降下位置にあるとき、S25によって押え上下項目44が検出された場合、押え上下パルスモータ82の駆動により、押え足8を加工布Wから上方に離間した上昇位置に移動させる。一方、押え足8が上昇位置にあるとき、S25によって押え上下項目44が検出された場合、押え上下パルスモータ82の駆動により、押え足8を降下位置に移動させる。
縫針7の停止位置が針上位置のとき、S25によって針上下項目45が検出された場合、ミシンモータ78の回転を開始させ、主軸を180度回転させる。主軸の回転により、針棒上下動機構が駆動し、縫針7を針上位置から針下位置に停止させる。一方、縫針7の停止位置が針下位置のとき、S25によって針上下項目45が検出された場合、ミシンモータ78の回転を開始させて、主軸を180度回転させる。主軸の回転により、針棒上下動機構が駆動し、縫針7を針下位置から針上位置に停止させる。
[第2実施形態のミシン10Bの構成]
図9を参照して、第2実施形態におけるミシン10Bについて説明する。第2実施形態のミシン10Bは、概略的には、図9に示すように、接触センサ80を備える点で、第1実施形態のミシン10の構成とは異なる。なお、第1実施形態のミシン10と同じ構成のものについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
接触センサ80は、ユーザの指の押圧位置を検出する。接触センサ80は、補助テーブル1bの上面に設けられる。具体的には、接触センサ80は、第1実施形態のミシン10におけるベッド部1上の投影領域Rと同一位置に設けられる。プロジェクタ30によって投影される複数の操作項目40のベッド部1上の位置と、接触センサ80が設けられる位置とは、一致する。補助テーブル1bが有する接触センサ80は、本体部1aが有する制御部60と電気的に接続される。
接触センサ80は、複数の操作項目40の夫々に対応する位置に設けられる複数のセンサスイッチを備える。接触センサ80は、例えば周知のメンブレンスイッチである。ユーザは、加工布Wの上側から接触センサ80を押圧する。接触センサ80は、ユーザが指で押圧した押圧位置を検出する。押圧位置と、操作項目40とは、予め対応づけられてRAM63に記憶される。
第2実施形態においては、CPU61は、図7に示すS11、S13の処理を行わない。CPU61は、S21に相当する処理において、プロジェクタ30に投影画像39を投影させることを開始させるとともに、接触センサ80がユーザの指の押圧位置を検知可能な状態にする。これにより、ユーザが、操作項目40を操作可能な状態でのみ、ミシン10Bは、操作項目40を検出する。即ち、投影画像39が投影されていないときに、ユーザが接触センサ80を押圧したとしても、ミシン10Bは動作しない。よって、ユーザは、縫製作業を安全に行うことができる。
第2実施形態においては、CPU61は、S25に相当する処理において、プロジェクタ30によって操作項目40が投影された加工布W上の投影領域Rのうち、ユーザの指が触れた加工布Wに投影される操作項目40を検出する。第2実施形態においては、CPU61は、接触センサ80によって検知された押圧位置に基づいて、ユーザが指定した操作項目40を検出する。以上のように構成された第2実施形態のミシン10Bにおいても、第1実施形態のミシン10と同様の効果を奏する。
[本実施形態の効果]
第1実施形態においては、ミシン10は、プロジェクタ30によって投影された加工布W上のどの操作項目40にユーザの指が触れたかを検出する。ミシン10は、ユーザが指定した操作項目40に従って、ミシン10を動作させる。これにより、ユーザは、加工布Wから手を離すことなく、縫製に関する動作をミシン10に指示することができる。
第1実施形態においては、ミシン10は、イメージセンサ50によって撮影された撮影画像に写る投影画像39の位置に対するユーザの指の位置に基づいて、ユーザが指定した操作項目40を検出する。これにより、ユーザが指定した操作項目40を一層正確に検出することができる。
第1実施形態においては、プロジェクタ30は、加工布Wの色とは異なる色を投影画像39の色として加工布Wに投影する。投影画像39の色と加工布Wの色とが異なるため、ユーザは、投影画像39を確実に視認することができる。
第2実施形態においては、ミシン10Bは、ベッド部1上に設けられ、ユーザの指の接触位置を検知する接触センサ80を備える。これにより、ユーザの指がベッド部1、又は加工布Wに触れたことを一層正確に検出することができる。
第1実施形態において、プロジェクタ30は、針棒6より前側のベッド部1に向けて操作項目40の投影画像39を投影する。これにより、ユーザは、ユーザの指の移動距離を極力小さく、縫製に関する動作をミシン10に指示することができる。
[変形例]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
第1実施形態においては、プロジェクタ30の投影領域と、イメージセンサ50の撮影領域とが一致していたが、一致していなくてもよい。プロジェクタ30は、ベッド部1と加工布Wのうち少なくとも一つに向けて投影可能であればよい。例えば、プロジェクタ30は、ベッド部1に向けて投影画像39を投影しても良い。また、例えば、プロジェクタ30は、投影領域の左側のみに加工布Wが置かれ、投影領域の右側にベッド部1が露出された状態で、投影画像39を投影してもよい。イメージセンサ50は、ベッド部1上の投影領域を含む所定範囲を撮影可能であればよい。また、イメージセンサ50が、加工布W上に添えられたユーザの左手と右手の位置を検出する。プロジェクタ30が、イメージセンサ50によって検出されたユーザの左手と右手の位置に基づいた投影領域に投影画像を投影してもよい。ユーザの左手と右手の位置に基づいた投影領域とは、例えばユーザの左手と右手との間の領域である。
本実施形態においては、操作項目40は、縫製開始・停止項目41と、返し縫い項目42と、糸切り項目43と、押え上下項目44と、針上下項目45と、を含む。しかしながら、操作項目40は、上記項目に限らず、縫製手段による縫製速度を指示する縫製速度調整項目を含んでも良い。ユーザが、縫製速度調整項目が投影される加工布Wに触れることにより、ユーザの手を加工布Wから離すことなく、縫製速度、具体的にはミシンモータ78の回転速度を調整することができる。また、プロジェクタ30は、上記項目に限らず、ミシン10の状態に応じて操作可能な項目のみを投影してもよい。例えば、ミシン10が縫製中の場合のみ、ミシン10は、縫針7の上下位置、及び押え足8の上下位置の変更操作を行うことができるよう設定される。このため、ミシン10が縫製中の場合、プロジェクタ30は、押え上下項目44、及び針上下項目45を除いた投影画像39を投影するようにしてもよい。これにより、ユーザは、操作可能な項目のみを選択することができる。また、ミシン10が縫製中の場合、プロジェクタ30は、縫製開始・停止項目41が投影される領域に「ストップ」と表示するようにしてもよい。また、ミシン10が縫製を停止している場合、縫製開始・停止項目41が投影される領域に「スタート」と表示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、操作項目40を間違うことなく認識することができる。
第1実施形態において、CPU61は、S19では、加工布Wの色とは異なる色として、加工布Wの色の補色を設定した。しかしながら、補色に限らず、加工布Wの色に対して色相が異なっていればよい。
第2実施形態において、接触センサ80は、補助テーブル1bに設けられた。しかしながら、補助テーブル1bに限らず、接触センサ80は、大きな加工布Wを載置するためのワイドテーブルに設けられていてもよい。
なお、上述したプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、又はDVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
第1実施形態、及び第2実施形態では、操作項目40が投影された加工布Wにユーザの指が触れたことを検出する項目検出手段と、操作項目40に従って縫製手段を動作させる制御手段と、撮影画像に写るベッド部1と加工布Wのうち少なくとも1つの色を検出する色検出手段と、ベッド部1と加工布Wのうち少なくとも1つの色とは異なる色を投影画像39の色として設定する設定手段とを、CPU61が実行するソフトウェアにより実現したが、各手段をハードウェアにより実現してもよい。
〔本発明と実施例との対応関係〕
本実施形態における加工布Wは、本発明における加工布の一例である。
本実施形態におけるベッド部1は、本発明におけるベッド部の一例である。
本実施形態における送り歯は、本発明における移送手段の一例である。
本実施形態における針棒6は、本発明における針棒の一例である。
本実施形態における縫製手段は、本発明における縫製手段の一例である。
本実施形態における操作項目40は、本発明における操作項目の一例である。
本実施形態におけるプロジェクタ30は、本発明における投影手段の一例である。
本実施形態における制御部60、及びS25は、本発明における項目検出手段の一例である。
本実施形態における制御部60、及びS27は、本発明における制御手段の一例である。
本実施形態におけるイメージセンサ50は、本発明における撮影手段の一例である。
本実施形態における制御部60、及びS17は、本発明における色検出手段の一例である。
本実施形態における制御部60、及びS19は、本発明における設定手段の一例である。
本実施形態における接触センサ80は、本発明における押圧検知手段の一例である。
本実施形態におけるミシン10は、本発明におけるミシンの一例である。
10、10B ミシン
1 ベッド部
2 脚柱部
3 アーム部
4 頭部
6 針棒
7 縫針
30 プロジェクタ
50 イメージセンサ
80 接触センサ

Claims (6)

  1. 加工布が載置されるベッド部と、
    縫針が下端部に装着される針棒と、加工布を移送する移送手段とを含む縫製手段と、
    前記縫製手段の動作を指示する操作項目を含む投影画像を前記ベッド部と加工布のうち少なくとも1つに向けて投影する投影手段と、
    前記投影手段によって前記操作項目が投影された前記ベッド部と加工布のうち少なくとも1つの領域において、ユーザの指が触れた前記操作項目を検出する項目検出手段と、
    前記項目検出手段によって検出された前記操作項目に従って、前記縫製手段を動作させる制御手段と、を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記ベッド部上を撮影可能な撮影手段を備え、
    前記項目検出手段は、
    前記撮影手段によって撮影された前記撮影画像に写る前記投影画像の位置に対するユーザの指の位置に基づいて、ユーザが指定した前記操作項目を検出することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記撮影手段によって撮影された前記撮影画像に写る前記ベッド部と加工布のうち少なくとも1つの色を検出する色検出手段と、
    前記色検出手段によって検出された前記ベッド部と加工布のうち少なくとも1つの色とは異なる色を前記投影画像の色として設定する設定手段と、を備え、
    前記投影手段は、
    前記設定手段によって設定された色の前記投影画像を投影することを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記投影手段によって前記操作項目が投影される前記ベッド部上の領域に設けられ、押圧位置を検知する押圧検知手段を備え、
    前記項目検出手段は、
    前記押圧検知手段によって検知された押圧位置に基づいて、ユーザが指定した前記操作項目を検出することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  5. 前記投影手段は、
    前記移送手段による加工布の移送方向に対して、前記針棒より上流側の前記ベッド部に向けて前記投影画像を投影することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のミシン。
  6. 前記操作項目は、
    前記縫製手段の動作開始、又は停止を指示する項目と、
    加工布の移送方向を反転させる返し縫いを指示する項目と、
    縫製に供する上糸、及び下糸を切断する糸切りを指示する項目と、
    加工布を押圧する押え足の上下位置を指示する項目と、
    前記針棒の停止位置を指示する項目と、
    前記縫製手段による縫製速度を指示する項目と、
    のうち少なくとも1つの項目を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のミシン。
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