JP2020156831A - 縫製データ処理装置とミシン - Google Patents

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Shinsuke Ozaki
真介 尾▲崎▼
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宏貴 山浦
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【課題】縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体の溝部の精度に依らず、従来よりも安定して縫製できる縫製データ処理装置とミシンを提供すること。【解決手段】縫製時にミシンの縫針が被縫製物に刺さる針落ち点の位置を示す縫製データを処理する縫製データ処理装置は、縫針が挿通可能な溝部を有し被縫製物を保持可能な保持体を撮影した撮影画像に依り保持体に対する溝部の位置を検出する(S24)。縫製データ処理装置は保持体に対応する縫製データを取得し、縫製データが示す複数の針落ち点の各々について、保持体に対する針落ち点の位置と、検出部が検出した保持体に対する溝部の位置を比較し、当該針落ち点を縫製できるかを判断する(S25)。縫製データ処理装置は 判断部が縫製できないと判断した針落ち点の位置を検出部が検出した溝部内の位置に補正する(S25:YES、S26)。【選択図】図7

Description

本発明は、縫製データ処理装置とミシンに関する。
従来のミシンは縫製データに従って保持体が保持する被縫製物に縫製を行う。保持体は溝部、複数の当接部、複数の開口部を有する。溝部は縫製データが示す縫製経路に沿って設けた、ミシンの縫針が挿通する貫通孔である。各当接部は溝部の外周に設け、被縫製物の端面の一部に当接する。各開口部は当接部に当接した状態の被縫製物の端部を露出させる。ミシンはカメラで各開口部付近を撮影し、撮影画像から被縫製物の端位置を検出する。ミシンは検出した端位置に依り被縫製物の端位置を認識し、被縫製物の端位置に合わせて縫製データを作成又は修正する。
特開2014−91008号公報
該ミシンは縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体の溝部の精度が悪い時、被縫製物の端部に依り作成又は修正した縫製データに従って縫製しても、保持体と縫針が干渉する等の不具合が起こる可能性がある。
本発明は縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体の溝部の精度に依らず、従来よりも安定して縫製できる縫製データ処理装置とミシンを提供することを目的とする。
本発明の第一態様に係る縫製データ処理装置は、縫製時にミシンの縫針が被縫製物に刺さる針落ち点の位置を示す縫製データを処理する縫製データ処理装置において、前記縫針が挿通可能な溝部を有し前記被縫製物を保持可能な保持体を撮影した撮影画像に依り前記保持体に対する前記溝部の位置を検出する検出部と、前記保持体に対応する前記縫製データを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記縫製データが示す複数の前記針落ち点の各々について、前記保持体に対する前記針落ち点の前記位置と、前記検出部が検出した前記保持体に対する前記溝部の位置を比較し、当該針落ち点を縫製できるかを判断する判断部と、前記判断部が縫製できないと判断した前記針落ち点の前記位置を前記検出部が検出した前記溝部内の位置に補正する補正部とを備える。第一態様の縫製データ処理装置は、判断部が縫製できないと判断した針落ち点の位置を検出部が検出した溝部内の位置に補正する。故に縫製データ処理装置は縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体の溝部の精度に依らず、従来よりも安定して縫製できる縫製データを提供できる。
第一態様の縫製データ処理装置の前記判断部は、前記針落ち点を含む所定の設定範囲が前記検出部が検出した前記溝部内に収まらない時、当該針落ち点を縫製できないと判断してもよい。該縫製データ処理装置は縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体の溝部の制度に依らず、検出部が検出した溝部内に針落ち点が収まるかに依り針落ち点を縫製できるかを判断する構成よりも安定して縫製できる可能性を高めた縫製データを提供できる。
第一態様の縫製データ処理装置は、前記補正部が補正した前記針落ち点の前記位置と、前記検出部が検出した前記溝部の位置とを比較し、当該補正した針落ち点を縫製できるかを判断する再判断部と、前記再判断部が前記補正した前記針落ち点を縫製できないと判断した時、エラーを報知する報知部とを更に備えてもよい。該縫製データ処理装置は縫針と保持体が衝突する可能性がある縫製データであることを作業者に知らせることができる。縫製データ処理装置は縫針と保持体が衝突する可能性がある縫製データに従ってミシンが縫製を実行することを回避できる。
第一態様の縫製データ処理装置の前記補正部は、前記設定範囲と前記保持体の前記溝部以外の部分との重複量に依り、前記判断部が縫製できないと判断した前記針落ち点の前記位置を、前記検出部が検出した前記溝部内の前記位置に補正してもよい。該縫製データ処理装置は重複量に依り比較的簡単な処理で、判断部が縫製できないと判断した針落ち点の位置を補正できる。
第一態様の縫製データ処理装置の前記設定範囲は、前記ミシンの間欠押えが前記被縫製物と接する範囲を含んでもよい。該縫製データ処理装置は縫製時に間欠押えと保持体が衝突することを回避した縫製データを提供できる。
第一態様の縫製データ処理装置は、前記設定範囲の設定を受け付ける範囲受付部を更に備え、前記判断部は前記範囲受付部が受け付けた前記設定範囲内に、前記検出部が検出した前記溝部以外の部分がある時、前記針落ち点を縫製できないと判断してもよい。該縫製データ処理装置は作業者が設定範囲を設定することを許容する。作業者は間欠押えの大きさ、保持体の溝部の幅等に応じて適宜設定範囲を設定できる。
第一態様の縫製データ処理装置は、前記検出部が前記保持体に対する前記溝部の位置を検出する時の閾値を受け付ける閾値受付部を更に備え、前記検出部は前記閾値受付部が受け付けた前記閾値を用いて前記撮影画像を画像処理し、前記保持体に対する前記溝部の前記位置を検出してもよい。該縫製データ処理装置は作業者が閾値を設定することを許容する。作業者は保持体の色と被縫製物の色とのコントラスト等を考慮し、画像処理で用いる閾値を適宜設定できる。
本発明の第二態様に係るミシンは、下端に縫針を装着可能な針棒を有し、被縫製物に縫目を形成可能な縫製部と、前記縫針が挿通可能な溝部を有し、前記被縫製物を保持可能な保持体を移動する移動部と、前記縫針が前記被縫製物に刺さる針落ち点の位置を示す縫製データであって、前記保持体に対応する前記縫製データを取得する取得部とを備えたミシンにおいて、第一態様の縫製データ処理装置と、所定の撮影範囲を撮影可能な撮影部と、前記移動部を制御して、前記取得部が取得した前記縫製データが示す前記針落ち点を含む所定範囲が前記撮影範囲内となる位置に前記保持体を移動する移動制御部と、前記撮影部を制御して、前記移動制御部が移動した前記保持体を撮影する撮影制御部とを備え、前記検出部は前記撮影制御部が撮影した前記撮影画像に依り前記保持体に対する前記溝部の位置を検出する。第二態様のミシンは判断部が縫製できないと判断した針落ち点の位置を検出部が検出した溝部内の位置に補正する。故にミシンは縫製データが示す縫製位置に対する保持体の溝部の精度に依らず、従来よりも安定して縫製できる。
第二態様のミシンの前記移動制御部は、前記補正部が前記針落ち点の前記位置を補正した時、補正した前記針落ち点を含む前記所定範囲が前記撮影範囲内となる位置に前記保持体を移動し、前記補正部が補正した前記針落ち点の前記位置と、前記検出部が検出した前記溝部の位置を比較し、当該補正した針落ち点を縫製できるかを判断する再判断部と、前記再判断部が前記補正した針落ち点を縫製できないと判断した時、エラーを報知する報知部とを更に備えてもよい。該ミシンは縫針と保持体が衝突する可能性がある縫製データであることを作業者に知らせることができる。ミシンは縫針と保持体が衝突する可能性がある縫製データに従ってミシンが縫製を実行することを回避できる。
ミシン1の斜視図。 ミシン1の前端部7の右側面図。 保持体80と保持部70の平面図。 ミシン1の電気的構成を示すブロック図。 縫製データ処理装置として機能するミシンの補正処理の説明図。 縫製処理の流れ図。 縫製データ確認処理の流れ図。 具体例の保持体80と縫製データが示す経路89の説明図。 範囲41を撮影した画像25の説明図。 範囲42を撮影した画像26に依り、針落ち点Pを補正する過程の説明図。 具体例の保持体80と補正済み縫製データに従って形成した縫目90の説明図。
図面を参照し、本発明の第一実施形態のミシン1を説明する。図1の上側、下側、左斜め下側、右斜め上側、左斜め上側、右斜め下側は夫々ミシン1の上側、下側、前側、後側、左側、右側である。
図1〜図4を参照しミシン1の全体構造を説明する。図1に示す如く、ミシン1はベッド部2、脚柱部3、アーム部4を備える。ベッド部2はテーブル95に配置する。ベッド部2は前後方向に延び、内部に垂直釜(垂直回転釜/揺動釜)等を備える。ミシン1はベッド部2の上方に作業台5と移動部6を備える。作業台5は針板29(図2参照)を備える。針板29は針棒10に装着した縫針11直下の位置に縫針11が挿通可能な針穴28を有する。移動部6は保持部70、枠支持部65、昇降部62、押え枠63、エアシリンダ、X軸移動機構、Y軸移動機構を備える。保持部70は左右方向に延び、保持体80を着脱できる。保持体80は縫針11が挿通可能な溝部87を有し、被縫製物を保持できる。枠支持部65は作業台5の後方に位置する。枠支持部65は前方に延びる腕部64を備え、腕部64下方に保持部70を固定する。腕部64は前端にて昇降部62を支持する。エアシリンダは腕部64に設け且つ昇降部62に接続する。移動部6はコンプレッサが供給する空気でエアシリンダを駆動する。エアシリンダは昇降部62を昇降する。昇降部62は下端に押え枠63を連結する。押え枠63は矩形枠状の板部材である。縫針11と保持体80の干渉を防止する為、縫目を形成可能な縫製領域は保持体80の内側の領域よりも小さい。昇降部62が下方に移動すると、押え枠63は下降する。押え枠63は縫製時に保持体80を上方から押さえ、保持体80が作業台5から浮き上がるのを防止する。移動部6は枠支持部65が支持する押え枠63と保持部70をX軸方向(左右方向)とY軸方向(前後方向)に移動する。X軸移動機構とY軸移動機構はベッド部2内部に設ける。X軸移動機構はX軸モータ114(図4参照)を駆動源とし、枠支持部65と保持部70をX軸方向へ移動する。Y軸移動機構はY軸モータ116(図4参照)を駆動源とし、枠支持部65と保持部70をY軸方向へ移動する。
ミシン1はテーブル95上に設けた操作パネル8、操作パネル8に接続した操作箱30を備える。操作パネル8、操作箱30は夫々、各種情報、各種指示を入力する為のキー群と情報表示用のディスプレイを備える。作業者は情報又は指示を入力する時、操作パネル8又は操作箱30を使用する。ミシン1は、テーブル95下方に制御装置100(図4参照)を格納する制御箱を備える。操作パネル8はコードを介して制御箱に接続する。操作箱30はケーブル9を介して操作パネル8に接続できる。
脚柱部3はベッド部2後側から上方に延びる。脚柱部3は内部にミシンモータ112(図4参照)等を備える。アーム部4は脚柱部3上端からベッド部2の上面に対向して前方に延びる。アーム部4は内部に主軸を備える。ミシンモータ112は主軸を回転駆動する。図2に示す如く、ミシン1はアーム部4の前端部7に縫製部35、押え棒12、押え足駆動機構、撮影部50等を備える。縫製部35は下端に縫針11を装着可能な針棒10を有し、被縫製物に縫目を形成できる。針棒10は前端部7の下端から下方へ延びる。押え棒12は針棒10の左方(図2の背面側)で前端部7下端から下方へ延び、下端に押え足13を装着できる。押え足駆動機構は、主軸の回転駆動に伴う針棒10の上下動に同期して押え棒12を上下動する。押え足13は、縫針11が被縫製物から抜ける時に上方から被縫製物を押えることで、被縫製物が上方へ浮き上がるのを防止する間欠押えである。押え足13の下端部は円筒状の筒部131である。筒部131は間欠的に被縫製物と接触する。筒部131の直径は押え足13の種類に依り異なり、例えば3〜8mmである。縫針11は筒部131の貫通穴を通って被縫製物に刺さる。縫針11は筒部131下方の針穴28を通って上下動する。
撮影部50はミシン1の機枠に設けた支持部51に固定する。支持部51は針棒10の前方に設ける。撮影部50は例えば周知のCMOSイメージセンサである。撮影部50のレンズは下方に向く。撮影部50は針棒10の前方となる所定範囲を撮影した画像の画像データを出力できる。撮影画像の撮影座標系は世界座標系と予め対応付ける。世界座標系は空間全体を示す座標系であり、撮影対象の重心等の影響がない座標系である。撮影部50の撮影範囲と、撮影座標系と世界座標系との対応は記憶装置94(図4参照)が記憶する。ミシン1はアーム部4の前端部7右側面に上糸55を案内する為の構成として副糸調子器15、糸調子器16、糸案内17、18、天秤19、糸案内20を備える。上糸55はテーブル95(図1参照)に設けた糸駒立てに載置した糸駒から、副糸調子器15、糸調子器16、糸案内17、糸案内18、天秤19、糸案内20を経由し、縫針11の針孔111に挿通する。
図3を参照し、保持体80、保持部70、縫製データを説明する。以下説明にて、保持体80の向きは、図1に示す保持部70が保持体80を保持した時のミシン1の向きに倣う。保持体80は矩形板状の下板81と上板82を備える。本実施形態の下板81、上板82は合成樹脂製である。下板81、上板82は例えば金属製であってもよい。上板82の大きさは下板81の大きさよりも小さい。上板82は中央部に溝部87を有する。溝部87は、上板82を上下に貫通する。溝部87の幅方向の長さは押え足13の筒部131の直径よりも長く、例えば、5〜20mmである。溝部87の幅方向は溝部87の延設方向に対し直交する方向である。溝部87は縫製時に縫針11が通過する経路89を囲う。保持体80を保持部70に装着し、保持体80の上面を押え枠63で押えた時、溝部87は、押え枠63内側の縫製領域内にある。下板81は上板82の下方に配置する。下板81の後端部83は上板82後端の後方に突出する。下板81は後端部83上面に左右方向に延びる金属板84、蝶番85、一対のピン86を備える。上板82は後端の二箇所を蝶番85で下板81の金属板84に固定する。上板82の前端は蝶番85を支点に上下方向に揺動できる。一対のピン86は、金属板84の左右両端部近傍に設ける。一対のピン86は、金属板84上面から上方へ突出する。下板81は中央部に溝部88と窪み部を有する。溝部88は下板81を上下方向に貫通する、縫製時に縫針11が通過する穴である。溝部88の形状は、上板82の溝部87の形状と略一致する。窪み部は下板81上面から下面へ向けて窪んだ、被縫製物の特定形状に対応する形状の部分である。貫通穴は窪み部内に形成する。窪み部は縫製中の被縫製物の位置ずれを防ぐ。保持体80に被縫製物を保持する時、作業者は上板82下面と下板81上面を離して下板81上の窪み部に被縫製物を嵌め込む。作業者は上板82下面と下板81上面を近づけて上板82と下板81の間に被縫製物を挟む。溝部87、88、窪み部の形状、大きさ、配置は保持体80の種類に応じて異なる。
保持部70は本体部71、エアシリンダ73、左右一対の連結部74、左右一対の把持部75、二つのセンサ76を備える。本体部71は左右方向に延びる。本体部71は左右両端部に本体部71を後方に切り欠いた支持溝72を有する。各支持溝72は平面視略U字状であり、前端側が本体部71側面に開放する。エアシリンダ73は本体部71上面の左右方向中央部に設ける。連結部74はエアシリンダ73の左右両端から夫々左右に延びる。左側の連結部74はエアシリンダ73に固定する。右側の連結部74はエアシリンダ73のピストンロッドに固定する。把持部75の一端部は各連結部74の先端部に回動可能に連結する。把持部75の他端部の形状は鉤状である。把持部75は本体部71の左右両端部下方に夫々配置する。把持部75は中央部で本体部71に回動可能に連結する。エアシリンダ73が駆動しピストンロッドが突出すると、左側の連結部74は左方に移動し、右側の連結部74は右方に移動する。エアシリンダ73の駆動に応じて一対の連結部74が夫々左右に移動すると、一対の把持部75は本体部71の連結位置を中心に夫々回動する。左側の把持部75と右側の把持部75は互いに平面視反対方向に回動する。把持部75は開放位置と把持位置の間で回動する。開放位置は、支持溝72が本体部71前方に開放した状態となる位置である。把持位置は支持溝72前端を塞ぐ位置である。二つのセンサ76は夫々、本体部71左右両端部よりも中央側に設ける周知の近接センサである。保持体80を保持部70に装着する時、作業者はエアシリンダ73を駆動して把持部75を開放位置にし、保持体80の各ピン86を対応する支持溝72に嵌める。作業者はエアシリンダ73を駆動して把持部75を把持位置にし、把持部75と支持溝72で保持体80のピン86を把持する。保持体80を保持部70に装着した時、二つのセンサ76はオフ状態からオン状態となる。保持部70は溝部87、88、窪み部の形状、大きさ、配置が互いに異なる複数種類の保持体80の中から選択した1つの保持体80を装着できる。
縫製データは経路89に沿って縫目を形成する為の複数の針落ち点の位置を、針棒10に対する保持体80の相対位置で示すデータである。針落ち点は、針棒10と共に縫針11が下方に移動した時に縫針11が刺さる被縫製物上の予定位置である。本実施形態の針落ち点の位置は、座標系40の座標データで示す。座標系40はX軸モータ114、Y軸モータ116の座標系である。座標系40ではX軸プラス方向はミシン1の左から右に向かう方向である。Y軸プラス方向はミシン1の前から後に向かう方向である。本実施形態では座標系40の原点(X,Y,Z)=(0,0,0)は、保持部70が装着する保持体80の上板82の中心点が縫針11の直下にある位置と定める。座標系40の原点は、保持体80の中心点が針穴28の真上にある位置である。本実施形態の移動部6は縫製中に保持体80をZ方向(ミシン1の上下方向)に移動しない。故に針落ち点の座標データのZ座標は常に零である。座標系40は世界座標系と予め対応付ける。座標系40と世界座標系との対応は記憶装置94(図4参照)が記憶する。故にミシン1は撮影座標系の座標を世界座標系を介して座標系40の座標に変換し、変換した座標に依り各種処理を実行できる。
本実施形態の縫製データは、保持体80の溝部87、88の内側となる経路89に沿って縫目を形成する為の、X軸モータ114、Y軸モータ116の夫々の駆動パルス数(回転方向を含む)と「縫製」又は「送り」を示す種別を対応付けて順に並べたデータである。「縫製」は、保持体80を移動し且つ縫針11を針落ち点で被縫製物に刺して縫目を形成する動作である。「送り」は、縫目を形成せず保持体80の移動のみ行う動作である。記憶装置94は保持体80の種類と縫製データを対応付けて記憶する。CPU91は縫製データを順に読み出し、座標データが示す針落ち点が順に縫針11の直下に位置するように保持体80を移動しながら縫製を行う。縫製データは上記例の他、針落ち点の座標データと種別を対応付けたデータでもよい。CPU91は保持体80の移動の都度、座標データに依りX軸モータ114、Y軸モータ116の夫々の回転方向と駆動パルス数を算出してもよい。
図4を参照しミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御装置100はCPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、入出力インターフェース(I/F)106、駆動回路113、115、117、通信I/F127を備える。CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94はバス105を介して入出力I/F106に電気的に接続する。CPU91はミシン1の制御を司り、ROM92が記憶する各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算と処理を実行する。ROM92は各種プログラム、各種初期設定パラメータ、複数の模様(縫目線、縫目模様、刺繍模様等)の縫製データ等を記憶する。縫製データについては後述する。RAM93はCPU91の演算結果、ポインタ、カウンタ等を一時的に記憶する。記憶装置94は、ミシン1が作成した縫製データ、作業者が入力した各種設定情報等を記憶する。
駆動回路113、115、117は入出力I/F106に電気的に接続する。駆動回路113はミシンモータ112に電気的に接続する。CPU91は駆動回路113を介してミシンモータ112を制御する。ミシンモータ112は主軸を回転駆動する。駆動回路115はX軸モータ114に電気的に接続する。駆動回路117はY軸モータ116に電気的に接続する。CPU91は駆動回路115、117を介してX軸モータ114、Y軸モータ116を夫々制御する。X軸モータ114、Y軸モータ116は夫々パルスモータであり、X軸移動機構、Y軸移動機構を駆動することで、保持体80をX軸方向、Y軸方向に移動する。CPU91は縫製時にミシンモータ112を駆動して主軸を回転駆動することで、針棒10、押え棒12の上下動と垂直釜の回転を制御する。CPU91は、ミシンモータ112の駆動と同時に縫製データに依りX軸モータ114、Y軸モータ116を駆動することで、保持体80の位置を制御し、被縫製物上に縫製を行う。
通信I/F127は入出力I/F106に電気的に接続する。通信I/F127は例えばシリアル通信用のインターフェースである。ミシン1は通信I/F127を介して外部機器に接続可能である。本実施形態ではミシン1はケーブル9を介し操作箱30と接続する。X方向原点センサ118、Y方向原点センサ119、起動スイッチ121、操作パネル8、撮影部50、センサ76は夫々制御装置100の入出力I/F106に電気的に接続する。X方向原点センサ118は原点設定用の周知の構成のセンサであり、X軸移動機構に設ける。Y方向原点センサ119は原点設定用の周知の構成のセンサであり、Y軸移動機構に設ける。起動スイッチ121はテーブル95下方に設置し、制御装置100にコードで接続するペダル式スイッチである。作業者はミシン1の各種動作(例えば縫製処理)を開始する時に起動スイッチ121を踏み込む。操作パネル8、撮影部50は前述の通りである。
操作箱30は制御装置300、液晶ディスプレイ(以下、LCDという)32、タッチパネル33、キー群34を備える。制御装置300はCPU301、ROM302、RAM303、入出力I/F306、通信I/F307、駆動回路308を備える。CPU301、ROM302、RAM303はバス305を介して入出力I/F306に電気的に接続する。駆動回路308は入出力I/F306に電気的に接続する。駆動回路308はLCD32に電気的に接続する。キー群34は入出力I/F306に電気的に接続する。
CPU301は操作箱30の制御を司り、ROM302が記憶する各種プログラムとミシン1が送信したデータに従って、LCD32への画像表示、キー群34からの入力受付等の処理を実行する。RAM303はCPU301の演算結果、ポインタ、カウンタ等を一時的に記憶する。通信I/F307は入出力I/F306に電気的に接続する。通信I/F307は例えばシリアル通信用のインターフェースである。操作箱30は通信I/F307を介してミシン1に接続する。LCD32は各種情報を画像表示する。タッチパネル33はLCD32の表面に設ける。タッチパネル33は、作業者が指又は専用のペンで触れたタッチパネル33上の位置(詳細にはLCD32の表示画面に対応するXY座標系の座標)を検出する。ミシン1のCPU91はタッチパネル33が検出した位置を認識可能である。作業者は、LCD32が表示する画像を見ながらタッチパネル33上に触れることで、各種指示の入力を行うことができる。キー群34は作業者が各種情報、指示を入力する為のものである。キー群34は四方向矢印キー、数字キー、機能キー等を含む。CPU91はタッチパネル33、キー群34から入力した情報をミシン1に送信する。
図5〜図7を参照し、ミシン1の縫製データ確認処理の概要を説明する。ミシン1は縫製時にミシン1の縫針11が被縫製物に刺さる針落ち点の位置を示す縫製データを処理する縫製データ処理装置としての機能を有する。具体的にはミシン1のCPU91は保持体80を利用した縫製時、保持体80と、針棒10に装着した縫針11及び押え足13の筒部131とが干渉することを防ぐ為、一針毎に縫製データが示す針落ち点付近の保持体80を縫製前に撮影する(S23)。CPU91は撮影画像を画像処理し、保持体80の溝部87を検出する(S24)。CPU91は例えば撮影画像を二値化処理し、保持体80の上板82を黒色、上板82の溝部87から外部に露出する被縫製物を白色で示す画像を得、白色部分を溝部87として検出する。CPU91は縫製データが示す針落ち点Pを中心とする半径Rの円状の設定範囲Cが、S12で検出した溝部87内に収まるかに依り、針落ち点Pを縫製できるかを判断する(S25)。設定範囲Cはミシン1の押え足13が間欠的に被縫製物と接する範囲を含む。図5(A)に示す画像21は設定範囲C内に黒色で示す部分を含まず、設定範囲Cが溝部87内に収まるので、CPU91は針落ち点Pを縫製できると判断する(S25:NO)。該時CPU91は、縫製データを補正しない。
図5(B)〜(D)に示す画像22〜24は設定範囲C内に黒色で示す部分を含み、設定範囲Cが溝部87内に収まらないので、CPU91は針落ち点Pを縫製できないと判断する(S25:YES)。該時CPU91は、縫製データを補正する(S26)。具体的には、CPU91は画像22〜24において、針落ち点Pから最も近い保持体80上の点Eの位置を計算する。針落ち点Pが黒色で示す保持体80上にある時、CPU91は針落ち点Pから最も近い保持体80の溝部87の点Eの位置を計算する。CPU91は、針落ち点Pから点Eに向かう方向に、線分PEを延長した線分が設定範囲Cと交わる点Fを計算する。CPU91は、線分EFの長さL分、針落ち点Pを点Eから針落ち点Pに向かう方向に移動した点Qの位置を計算し、点Qを補正後の針落ち点とする。線分EFの長さLは設定範囲Cと保持体80の溝部87以外の部分との重複量を示す。図5(B)、(C)に示す例では、CPU91は点Qの周囲を撮影した撮影画像に依り(S27〜S29)、点Qを中心とする半径Rの円状の設定範囲D内に、黒色で示す部分と重ならないと判断し(S30:NO)、補正後の針落ち点である点Qを縫製できると判断する。図5(D)に示す例では、CPU91は点Qを中心とする半径Rの円状の設定範囲Dが、黒色で示す部分と重なると判断し(S30:YES)、点Qに補正しても縫製できないと判断し、エラーを報知する(S31)。
図6〜図11を参照し、図8の具体例を用い、ミシン1の縫製処理を説明する。図6の縫製処理は、CPU91が縫製処理の実行指示の入力を検知した時に開始する。CPU91はROM92から縫製処理用のプログラムを読み出して縫製処理を実行する。CPU91はセンサ76の出力値に依り保持部70に保持体80が装着済みかを判断する(S1)。CPU91はセンサ76が出力するオン信号を検出する迄、S1の判断を継続する(S1:NO)。作業者は図8に示す被縫製物を配置した保持体80を保持部70に装着する。CPU91はセンサ76が出力するオン信号を検出時(S1:YES)、X軸モータ114、Y軸モータ116を駆動して、保持体80を原点位置に移動して、原点検出を行う(S2)。作業者は操作パネル8又は操作箱30のキーを操作し、保持体80の種類に応じた縫製データと縫製条件を指定する。CPU91は、作業者が指定した縫製データと縫製条件を取得する(S3)。縫製条件は設定範囲Cの初期値と画像処理の閾値を含む。設定範囲Cの初期値は例えば針落ち点Pを中心とする円の半径で表す。画像処理の閾値は、例えば、撮影画像を二値化処理する時の閾値である。閾値は画像処理方法に依り適宜変更してよく、例えば、所定範囲の濃淡値の部分を抽出可能な画像処理フィルタの閾値であってもよい。
CPU91は縫製開始の指示を取得したかを判断する(S4)。作業者は縫製の準備が整ったとき、起動スイッチ121を操作し、縫製開始の指示を入力する。縫製開始の指示を取得しない時(S4:NO)、CPU91は確認開始の指示を取得したかを判断する(S5)。作業者は縫製データ確認処理を実行する為、操作パネル8又は操作箱30のキーを操作し、確認開始の指示を入力する。確認開始の指示を取得しない時(S5:NO)、CPU91は設定範囲Cを受け付けたかを判断する(S7)。作業者は必要に応じて操作パネル8又は操作箱30のキーを操作し、押え足13の筒部131の大きさに応じた設定範囲Cを入力する。CPU91は設定範囲Cを受け付けた時(S7:YES)、設定範囲Cに作業者が入力した値を設定する(S8)。CPU91は設定範囲Cを受け付けない時(S7:NO)、画像処理の閾値を受け付けたかを判断する(S9)。作業者は必要に応じて操作パネル8又は操作箱30のキーを操作し、保持体80の上面の色と、保持体80の溝部87から外部に露出する被縫製物の色に応じた画像処理時の閾値を入力する。CPU91は閾値を受け付けた時(S9:YES)、作業者が入力した値を画像処理時の閾値に設定する(S10)。CPU91は閾値を受け付けない時(S9:NO)、又はS8、S10の後に、処理をS4に戻す。
CPU91は確認開始の指示を取得時(S5:YES)、縫製データ確認処理を実行する(S6)。図7に示す如く、CPU91は変数Nに1を設定する(S21)。変数NはS3で取得した縫製データが含む針落ち点の座標を縫製順に読み出す為の変数である。CPU91は、X軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、縫製順序がN番目の針落ち点が撮影範囲の略中心に位置する位置に、保持体80を移動する(S22)。変数Nが1である時、CPU91は例えば範囲41が撮影範囲となる位置に、保持体80を移動する。CPU91は撮影部50を制御し、N番目の針落ち点付近を撮影した画像データを取得する(S23)。変数Nが1である時、CPU91は範囲41を撮影した画像データを取得する。CPU91は、S23で取得した画像データをS3で取得した閾値又はS10で設定した閾値を用いて画像処理し、保持体80に対する溝部87の位置を検出する(S24)。保持体80に対する溝部87の位置は座標系40で表す溝部87の位置である。CPU91はS24の画像処理により、図9に示す画像25を得る。CPU91は画像25の黒色部分を保持体80の上板82、白色部分を上板82の溝部87から外部に露出する被縫製物として検出する。即ちCPU91は画像25において白色部分を溝部87に収まる部分と検出する。
CPU91は、N番目の針落ち点Pの設定範囲Cが保持体80の溝部87以外の部分と重なるかを判断する(S25)。図9に示す如く、画像25の設定範囲C内には黒色部分はない(S25:NO)。該時CPU91は、N番目の針落ち点Pの座標データを補正せず、処理をS32に移行する。CPU91は、変数NがS3で取得した縫製データの内の最後の針落ち点に対応する数かを判断する(S32)。変数Nが最後の針落ち点に対応する数ではない時(S32:NO)、CPU91は、変数Nに1を加え(S33)、処理をS22に戻す。
繰り返し実行するS22において、CPU91が範囲42が撮影範囲となる位置に、保持体80を移動した時(S22)、CPU91は撮影部50を制御し、N番目の針落ち点付近を撮影した画像データを取得する(S23)。CPU91は、S23で取得した画像データをS3で取得した閾値又はS8で設定した閾値を用いて画像処理し、図10(A)に示す画像26を得る(S24)。画像26は設定範囲C内に黒色部分を含むので、CPU91は設定範囲Cが保持体80と重なると判断する(S25:YES)。該時CPU91はN番目の針落ち点Pの位置を補正する(S26)。図10(B)に示すように、CPU91は、針落ち点Pから最も近い黒色部分の点Eの位置を計算する。CPU91は、針落ち点Pから点Eに向かう方向に、線分PEを延長した線分が設定範囲Cと交わる点Fを計算する。CPU91は、線分EFの長さLを計算する。CPU91は、長さL分、針落ち点Pを点Eから針落ち点Pに向かう方向に移動した点Qの位置を計算し、点Qの位置を補正後の針落ち点の位置とする。
CPU91は、X軸モータ114、Y軸モータ116を制御して、S14で補正したN番目の針落ち点Qが撮影範囲の略中央となる位置に保持体80を移動する(S27)。CPU91はS23〜S25と同様に、撮影部50を制御し、N番目の針落ち点付近を撮影した画像データを取得し(S28)、S28で取得した画像データをS3で取得した閾値又はS8で設定した閾値を用いて画像処理して、保持体80に対する溝部87の位置を検出し(S29)、補正後のN番目の針落ち点Qの設定範囲Dが保持体80の溝部87以外の部分と重なるかを判断する(S30)。補正後のN番目の針落ち点Qの設定範囲Dが保持体80の溝部87以外の部分と重なる場合(S30:YES)、CPU91はLCD32を制御し、エラーメッセージを表示して、エラーを報知する(S31)。CPU91は縫製データ確認処理を以上で終了し、縫製処理に戻る。
図10(C)の画像27に示す如く、補正後のN番目の針落ち点Qの設定範囲Dが保持体80の溝部87以外の部分と重ならない時(S30:NO)、CPU91は補正後のN番目の針落ち点Qを縫製できると判断し、処理をS32に移行する。CPU91は、変数Nは最後ではないと判断し(S32:NO)、変数Nに1を加えた後(S33)、処理をS22に戻す。変数Nが最後の数である時(S32:YES)、CPU91は以上で縫製データ確認処理を終了し、縫製処理に戻る。
縫製開始の指示を取得した時(S4:YES)、CPU91は変数Nに1を設定する(S11)。CPU91は、X軸モータ114、Y軸モータ116を駆動し、縫製順序がN番目の針落ち点が針棒10の下方となる位置に、保持体80を移動する(S12)。CPU91は、ミシンモータ112を駆動して、N番目の針落ち点Pを縫製する(S13)。CPU91は、変数NがS3で取得した縫製データの内の最後の針落ち点に対応する数かを判断する(S14)。変数Nが最後の針落ち点に対応する数ではない時(S14:NO)、CPU91は、変数Nに1を加え(S15)、処理をS12に戻す。変数Nが最後の数である時(S14:YES)、CPU91は以上で縫製処理を終了する。上記縫製処理により、ミシン1は図8の経路89に沿って縫製する為の縫製データを補正し、図11の縫目90で示す縫目が形成する。縫目90は、溝部87内にあり、保持体80の溝部87以外の部分と重ならない。
上記実施形態において、ミシン1は本発明の縫製データ処理装置、ミシンの一例である。S12を実行するCPU91は本発明の検出部の一例である。S3を実行するCPU91は本発明の取得部の一例である。S25を実行するCPU91は本発明の判断部の一例である。S26を実行するCPU91は本発明の補正部の一例である。S30を実行するCPU91は本発明の再判断部の一例である。S31を実行するCPU91は本発明の報知部の一例である。S7を実行するCPU91は本発明の範囲受付部の一例である。S9を実行するCPU91は本発明の閾値受付部の一例である。針棒10、縫製部35、移動部6、撮影部50は本発明の針棒、縫製部、移動部、撮影部の一例である。S22を実行するCPU91は本発明の移動制御部の一例である。S23を実行するCPU91は本発明の撮影制御部の一例である。S23を実行するCPU91は本発明の縫製制御部の一例である。
上記実施形態のミシン1はS25で縫製できないと判断した針落ち点の位置をS24で検出した溝部87内の位置に補正する(S25:YES、S26)。故にミシン1は縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体80の溝部87の精度に依らず、従来よりも安定して縫製できる縫製データを得ることができる。ミシン1は縫製データが示す針落ち点の位置に対する保持体80の溝部87の精度に依らず、従来よりも安定して縫製できる。
CPU91はN番目の針落ち点Pを含む所定の設定範囲Cが、S13で検出した溝部87内に収まらない時、N番目の針落ち点Pを縫製できないと判断する(S25:YES)。故にミシン1は縫製データが示す針落ち点Pの位置に対する保持体80の溝部87の精度に依らず、撮影画像から検出した溝部87内に針落ち点Pが収まるかに依り針落ち点Pを縫製できるかを判断する構成よりも安定して縫製できる可能性を高めた縫製データを得ることができる。本例の設定範囲Cは押え足13の筒部131が被縫製物と接触する範囲を含む範囲である。故にミシン1は保持体80と縫針11、押え足13が干渉することを回避するように縫製データを補正し、補正した縫製データに依り縫製できる。
CPU91はS14で補正した針落ち点Qの位置と、撮影画像から検出した溝部87の位置とを比較し、補正した針落ち点Qを縫製できるかを判断する(S30)。CPU91は、S30で補正した針落ち点Qを縫製できないと判断した時(S30:YES)、エラーを報知する(S31)。故にミシン1はS3で取得した縫製データが縫針11と保持体80が衝突する可能性がある縫製データであることを作業者に知らせることができる。ミシン1は縫針11と保持体80が衝突する可能性がある縫製データに従って縫製を実行することを回避できる。
CPU91は設定範囲Cと保持体80の溝部87以外の部分との重複量Lに依り、S13で縫製できないと判断した針落ち点Pの位置を、撮影画像から検出した溝部87内の位置に補正する(S26)。ミシン1は重複量Lに依り比較的簡単な処理で、S25で縫製できないと判断した針落ち点Pの位置を補正できる。ミシン1は重複量Lにより、設定範囲Cが溝部87内となる点の内、補正前の針落ち点Pになるべく近い点を補正補の針落ち点Qとすることができる。
設定範囲Cはミシン1の押え足13が被縫製物と接する範囲を含む。ミシン1は押え足13と保持体80が衝突することを回避した縫製データを提供できる。
CPU91は、設定範囲Cの設定を受け付ける(S7)。CPU91はS5で受け付けた設定範囲C内に、撮影画像から検出した溝部87以外の部分がある時、針落ち点を縫製できないと判断する(S25:YES)。ミシン1は作業者が設定範囲Cを設定することを許容する。作業者は押え足13の大きさ、保持体80の溝部87の幅等に応じて適宜設定範囲Cを設定できる。
CPU91は、S12で保持体80に対する溝部87の位置を検出する時の閾値を受け付ける(S9)。CPU91は、S7で受け付けた閾値を用いて撮影画像を画像処理し、保持体80に対する溝部87の位置を検出する(S24)。ミシン1は作業者がS24で用いる閾値を設定することを許容する。作業者は保持体80の色と被縫製物の色とのコントラスト等を考慮し、S24の画像処理で用いる閾値を適宜設定できる。
CPU91は、S26でN番目の針落ち点Pの位置を補正した時、補正後の針落ち点Qを含む所定範囲が撮影範囲内となる位置に保持体80を移動し(S27)、S26で補正した針落ち点Qの位置と、S29で検出した溝部87の位置を比較し、補正後の針落ち点Qを縫製できるかを判断する(S30)。CPU91は、補正後の針落ち点Qを縫製できないと判断した時(S30:YES)、エラーを報知する(S31)。ミシン1はS27〜S30の処理を行わない構成よりも補正後の針落ち点Qを安定して縫製できる。
本発明は上記実施形態の他に種々の変更が可能である。図6、図7の処理の一部は、縫製データ処理装置で実行してもよい。該時縫製データ処理装置は、専用の装置であってもよいし、PC等の汎用の装置であってもよい。保持体80の大きさ、形状、色等は適宜変更してよい。溝部87、88、窪み部の形状、大きさ、配置等は適宜変更してよい。供給装置が保持体80を保持部70に供給してもよい。
図6、図7の処理を実行させる為の指令を含むプログラムは、CPU91がプログラムを実行するまでに、ミシン1(縫製データ処理装置)の記憶機器に記憶すればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。CPU91が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、不揮発性メモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
ミシン1(縫製データ処理装置)の縫製処理の各ステップは、CPU91が実行する例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理してもよい。縫製処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。ミシン1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU91からの指令に依りメイン処理の一部又は全部を行う態様も、本開示の範囲に含まれる。例えば、縫製処理に以下の変更を適宜加えてもよい
S7、S8の処理は省略してよい。該時設定範囲はS3で取得した初期値であってもよい。ミシン1が押え足13を撮影可能である時、ミシン1は撮影画像から押え足13の筒部131の大きさを取得し、取得した大きさに応じて設定範囲Cを自動で設定してもよい。設定範囲Dは円状の他、例えば針落ち点を含む楕円状の範囲、多角形状の範囲であってもよい。ミシン1は設定範囲Dを設定しなくてもよい。S9、S10の処理は省略してよい。該閾値はS3で取得した初期値であってもよい。針落ち点Pの補正方法は適宜変更してよく、例えば、溝部87の幅方向の略中央となる位置の内針落ち点Pから最も近い点に針落ち点Pを補正してもよい。設定範囲Cと保持体80の溝部87以外の部分との重複量の算出方法は適宜変更してよく、例えば、CPU91は点Eから最も近い設定範囲Cの境界上の点を計算し、点Eと当該境界線上の点の長さを重複量としてもよい。該時CPU91は、当該長さ分、当該境界線上の点から点Eに向かう方向に針落ち点Pを移動した点を補正後の針落ち点としてもよい。
S31の処理は省略してよい。CPU91はS31でエラーメッセージをLCD32でなく操作パネル8のディスプレイに表示してもよい。CPU91はS31でブザーの警告音発信又はランプの発光でエラーを報知してもよい。エラーメッセージを表示する表示部は操作パネル8に設けてもよいし、ミシン1の本体(例えば、アーム部4の上部)に設けてもよい。保持部70はエアシリンダ73で駆動したが、モータ、アクチュエータ等を用いて電動で駆動してもよい。撮影部50の種類、配置、撮影範囲、撮影画像の大きさ等は適宜変更してよい。実施形態で挙げた各種数値は単なる例示であり、適宜変更できる。ミシン1はS27〜S30の処理を省略し、S26の後S32を実行してもよい。ミシン1はS26の後S24の検出結果に依りS30の判断を行ってもよい。ミシン1はK針毎にS23〜S25の判断を行ってもよい。該時Kは適宜設定すればよい。同一の保持体80を使用して、複数回連続して縫製処理を行う時、CPU91は1回目の縫製処理では縫製を開始する前に、縫製データ確認処理を行い、2回目以降の縫製処理では1回目の補正結果に依り縫製した縫製データを用い、縫製データ確認処理を行わないで縫製を開始してもよい。CPU91は縫製データ確認処理で補正した縫製データを保持体80と対応付けて記憶装置94に記憶し、次回以降のS3では保持体80に対応する、補正した縫製データを取得してもよい。
縫製データ確認処理は縫製データ処理装置で実行してもよい。該時、縫製データ処理装置はS1、S2、S22、S23、S27、S28、S32を省略し、S3で縫製条件として、被縫製物を保持する保持体80を撮影した画像データを取得する(S3)。画像データは外部機器から取得してもよい。画像データは十分な解像度を有し、画像データが表す保持体80は座標系40を検出する為の標識を含むことが好ましい。縫製データ処理装置はS3で取得した画像データから、標識を利用して座標系40を検出し、N番目の針落ち点の周囲となる範囲を抽出して、保持体80に対する溝部87の位置を検出する(S24)。設定範囲Cが保持体80の溝部87以外の部分と重なる時(S25:YES)、縫製データ処理装置は上記実施形態と同様にN番目の針落ち点Pの位置を補正し、補正後の針落ち点Qの位置を記憶する(S26)。縫製データ処理装置はS3で取得した画像データの内、補正後のN番目の針落ち点Qの周囲となる範囲を抽出して、溝部87を検出し(S29)、S30の処理を行う。設定範囲Cが保持体80の溝部87以外の部分と重なる時(S30:YES)、縫製データ処理装置はエラーを報知する(S31)。設定範囲Cが保持体80の溝部87以外の部分と重ならない時(S25:NO、S30:NO)、縫製データ処理装置は、S32の処理を行う。S32で変数Nが最後であると判断した後(S32)、縫製データ処理装置は、S25の判断に応じて補正した縫製データを出力する。ミシン1は、縫製データ処理装置が出力した縫製データを取得し、N番目の縫製データに従い、縫製データを補正する処理を行わない通常の縫製処理に依り縫製を行ってもよい。上記縫製データ処理装置は例えば操作箱30である。該時、操作箱30のCPU301が縫製データ確認処理を実行する。
1 :ミシン
6 :移動部
10 :針棒
11 :縫針
12 :押え棒
13 :押え足
30 :操作箱
32 :LCD
33 :タッチパネル
35 :縫製部
50 :撮影部
80 :保持体
81 :下板
82 :上板
87、88 :溝部
91 :CPU
92 :ROM
93 :RAM
94 :記憶装置

Claims (9)

  1. 縫製時にミシンの縫針が被縫製物に刺さる針落ち点の位置を示す縫製データを処理する縫製データ処理装置において、
    前記縫針が挿通可能な溝部を有し前記被縫製物を保持可能な保持体を撮影した撮影画像に依り前記保持体に対する前記溝部の位置を検出する検出部と、
    前記保持体に対応する前記縫製データを取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記縫製データが示す複数の前記針落ち点の各々について、前記保持体に対する前記針落ち点の前記位置と、前記検出部が検出した前記保持体に対する前記溝部の位置を比較し、当該針落ち点を縫製できるかを判断する判断部と、
    前記判断部が縫製できないと判断した前記針落ち点の前記位置を前記検出部が検出した前記溝部内の位置に補正する補正部と
    を備えることを特徴とする縫製データ処理装置。
  2. 前記判断部は前記針落ち点を含む所定の設定範囲が前記検出部が検出した前記溝部内に収まらない時、当該針落ち点を縫製できないと判断することを特徴とする請求項1に記載の縫製データ処理装置。
  3. 前記補正部が補正した前記針落ち点の前記位置と、前記検出部が検出した前記溝部の位置とを比較し、当該補正した針落ち点を縫製できるかを判断する再判断部と、
    前記再判断部が前記補正した前記針落ち点を縫製できないと判断した時、エラーを報知する報知部と
    を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の縫製データ処理装置。
  4. 前記補正部は前記設定範囲と前記保持体の前記溝部以外の部分との重複量に依り、前記判断部が縫製できないと判断した前記針落ち点の前記位置を、前記検出部が検出した前記溝部内の前記位置に補正することを特徴とする請求項2に記載の縫製データ処理装置。
  5. 前記設定範囲は前記ミシンの間欠押えが前記被縫製物と接する範囲を含むことを特徴とする請求項2又は4の縫製データ処理装置。
  6. 前記設定範囲の設定を受け付ける範囲受付部を更に備え、
    前記判断部は前記範囲受付部が受け付けた前記設定範囲内に、前記検出部が検出した前記溝部以外の部分がある時、前記針落ち点を縫製できないと判断することを特徴とする請求項2、4及び5の何れかの縫製データ処理装置。
  7. 前記検出部が前記保持体に対する前記溝部の位置を検出する時の閾値を受け付ける閾値受付部を更に備え、
    前記検出部は前記閾値受付部が受け付けた前記閾値を用いて前記撮影画像を画像処理し、前記保持体に対する前記溝部の前記位置を検出することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の縫製データ処理装置。
  8. 下端に縫針を装着可能な針棒を有し、被縫製物に縫目を形成可能な縫製部と、
    前記縫針が挿通可能な溝部を有し、前記被縫製物を保持可能な保持体を移動する移動部と、
    前記縫針が前記被縫製物に刺さる針落ち点の位置を示す縫製データであって、前記保持体に対応する前記縫製データを取得する取得部と
    を備えたミシンにおいて、
    請求項1、2、及び4〜7の何れかに記載の縫製データ処理装置と、
    所定の撮影範囲を撮影可能な撮影部と、
    前記移動部を制御して、前記取得部が取得した前記縫製データが示す前記針落ち点を含む所定範囲が前記撮影範囲内となる位置に前記保持体を移動する移動制御部と、
    前記撮影部を制御して、前記移動制御部が移動した前記保持体を撮影する撮影制御部と
    を備え、
    前記検出部は前記撮影制御部が撮影した前記撮影画像に依り前記保持体に対する前記溝部の位置を検出することを特徴とするミシン。
  9. 前記移動制御部は、前記補正部が前記針落ち点の前記位置を補正した時、補正した前記針落ち点を含む前記所定範囲が前記撮影範囲内となる位置に前記保持体を移動し、
    前記補正部が補正した前記針落ち点の前記位置と、前記検出部が検出した前記溝部の位置を比較し、当該補正した針落ち点を縫製できるかを判断する再判断部と、
    前記再判断部が前記補正した針落ち点を縫製できないと判断した時、エラーを報知する報知部とを更に備えることを特徴とする請求項8に記載のミシン。
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