JP2019058411A - ミシン - Google Patents
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Abstract
【課題】加工布の色合いや材質によらず見やすい模様画像を加工布上に投影することができるミシンを提供する。【解決手段】ミシンのCPUは、模様データに基づく模様画像を仮想表示領域上に描画する。CPUは模様画像から抽出した輪郭線に基づき、模様画像を縁取る縁取画像を描画する。CPUは、模様画像と縁取画像とその背景画像が描画された投影画像を生成し(S13)、加工布上に投影する(S16)。CPUは投影画像を投影した加工布を撮影し(S17)、撮影画像から輪郭線を抽出する(S18)。CPUは投影画像からも輪郭線を抽出して(S15)、両者を比較することで、撮影画像中の投影画像を特定する(S20)。CPUは投影画像が特定できなければ縁取画像の縁取色や縁取幅を変更し、S13〜S20の処理を繰り返して特定を試みる。投影画像が特定できたとき、加工布上には見やすい模様画像が投影されている。【選択図】図4
Description
本発明は、ミシンに関する。
模様画像を加工布上に投影することができる刺しゅう機能付きミシンが知られている(例えば特許文献1参照)。このミシンは、表示データに基づく模様画像を表示光源により投影し、加工布上に模様画像を表示する。これにより、このミシンは、縫製模様の縫製位置を視覚的にユーザに提示することができる。故にユーザは、縫製模様の縫製位置の位置合わせを容易に行うことができる。
しかしながら、加工布の色合いや材質によっては、模様画像は、加工布上で見え難くなる可能性がある。
本発明の目的は、加工布の色合いや材質によらず見やすい模様画像を加工布上に投影することができるミシンを提供することである。
本発明の第一態様によれば、加工布に縫製模様を縫製するための模様データを記憶する記憶部と、画像を投影するプロジェクタと、制御部と、を備え、前記模様データに従って、前記加工布に前記縫製模様を縫製するミシンにおいて、前記制御部は、前記模様データに基づき、前記縫製模様を表す模様オブジェクトと、当該模様オブジェクトの外縁に隣接して配置され、当該模様オブジェクトを取り巻く周囲オブジェクトと、を含む投影画像を生成する投影画像生成手段と、前記プロジェクタを制御し、前記投影画像生成手段が生成した前記投影画像を、前記加工布が搬送されるベッド部の上面へ向けて投影する投影手段と、を備えたことを特徴とするミシンが提供される。
第一態様において、ミシンは、加工布に縫製する縫製模様を表す模様オブジェクトを、加工布が搬送されるベッド部上にプロジェクタで投影する。その際にミシンは、模様オブジェクトの外縁に隣接して配置され、模様オブジェクトを取り巻く周囲オブジェクトを、模様オブジェクトとともに投影することができる。すなわちミシンは、模様オブジェクトの周囲を周囲オブジェクトが取り巻いた投影画像を加工布上に投影する。故にミシンは、加工布の色合いや材質によらず、模様オブジェクトを加工布上で見やすくすることができる。
本発明の第二態様によれば、加工布に縫製模様を縫製するための模様データを記憶する記憶部と、画像を投影するプロジェクタと、制御部と、を備え、前記模様データに従って、前記加工布に前記縫製模様を縫製するミシンにおいて、前記制御部は、前記模様データに基づき、前記縫製模様を表す模様オブジェクトと、当該模様オブジェクトの外縁に隣接して配置され、当該模様オブジェクトを縁取る縁取オブジェクトと、を含む投影画像を生成する投影画像生成手段と、前記プロジェクタを制御し、前記投影画像生成手段が生成した前記投影画像を、前記加工布が搬送されるベッド部の上面へ向けて投影する投影手段と、を備えたことを特徴とするミシンが提供される。
第二態様において、ミシンは、加工布に縫製する縫製模様を表す模様オブジェクトを、加工布が搬送されるベッド部上にプロジェクタで投影する。その際にミシンは、模様オブジェクトの外縁に隣接して配置され、模様オブジェクトを縁取る縁取オブジェクトを、模様オブジェクトとともに投影することができる。すなわちミシンは、模様オブジェクトの周囲を縁取オブジェクトが縁取った投影画像を加工布上に投影する。故にミシンは、加工布の色合いや材質によらず、模様オブジェクトを加工布上で見やすくすることができる。
図面を参照し本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、加工布に縫製模様を縫製するミシンに本発明を適用した場合の一例である。本実施形態における縫製模様とは、実用模様と刺繍模様をいう。実用模様とは、加工布を送り歯で移送しながら縫製し、直線、ジグザグ、裁ち目かがり等、実用的な縫目によって形成される縫製模様である。また、例えば、三角形等の幾何学的な模様、花柄等の模式的な模様等を単位模様とし、連続的に複数個縫製することで形成される、いわゆる飾り模様も、本実施形態の実用模様に含まれるものとする。刺繍模様とは、刺繍データに基づいて縫製し、刺繍によって形成される、例えば文字や図形等の縫製模様である。
ミシン1の物理的構成について、図1、図2を参照して説明する。以下の説明では、図1の上側、下側、左下側、右上側、右下側、左上側が、各々ミシン1の上方、下方、左方、右方、前方、後方である。
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部2、脚柱部3、アーム部4を主に備える。ベッド部2はミシン1の土台部であり、左右方向に延びる。脚柱部3は、ベッド部2の右端部から上方へ延びる。アーム部4は、脚柱部3の上部から左方へ延びる。アーム部4の左端部は頭部5である。
図2に示すように、ベッド部2は上面に針板21を備える。針板21は、頭部5に設けられる針棒51の下方に配設される。針板21は、縫針52が挿通可能な針穴(図示略)を有する。縫製時、針棒51の下端に装着された縫針52の針先が、針棒51の上下動に伴い針穴を挿通する。ベッド部2と針板21の上面には、加工布(図示略)が載置される。ミシン1は、縫製機構10を備える。縫製機構10は、加工布に縫製模様を形成する。縫製機構10は、針棒上下動機構55、釜機構(図示略)、送り機構(図示略)、揺動機構(図示略)、移動機構60を含む。送り機構と揺動機構は、実用模様の縫製時に加工布を移送する。移動機構60は、刺繍模様の縫製時に加工布を移送する。
ミシン1は、ベッド部2内に、送りモータ22(図3参照)、図示しない下軸、送り機構、釜機構等を備える。送り機構は、送り歯を備える。送り歯は、実用模様の縫製を行うときに加工布を移送する。送りモータ22はパルスモータであり、送り機構が加工布を移送する送り量と送り方向を調節する。下軸は主軸(図示略)によって回転駆動される。釜機構は下軸の回転に伴い駆動する周知構成の機構である。釜機構は針棒51の下端に装着された縫針52と協働し、加工布に縫目を形成する。
図1に示すように、移動機構60は針棒51に対して、刺繍枠70に保持された加工布を相対的に移動可能に構成される。移動機構60は、本体部61とキャリッジ62を備える。キャリッジ62は、枠ホルダ(図示略)、Y軸移動機構(図示略)、Y軸モータ64(図3参照)を備える。枠ホルダは、キャリッジ62の右側面に設けられる。枠ホルダには、大きさと形状が異なる複数種類の刺繍枠70の中から選択された1つを着脱可能である。Y軸移動機構は、枠ホルダを前後方向(Y軸方向)に移動させる。Y軸モータ64は、Y軸移動機構を駆動する。
刺繍枠70は、内枠部材71、外枠部材72と取付部75を有する。内枠部材71と外枠部材72は、加工布を挟んで保持する。刺繍枠の種類に応じて刺繍枠70の内側に設定される縫製可能領域74は、ミシン1が縫目を形成可能な領域である。取付部75は、枠ホルダに装着される部位である。
本体部61は、X軸移動機構(図示略)とX軸モータ63(図3参照)を内部に備える。X軸移動機構は、キャリッジ62を左右方向(X軸方向)に移動させる。X軸モータ63は、X軸移動機構を駆動する。移動機構60は、キャリッジ62(詳細には、枠ホルダ)に装着された刺繍枠70を、固有のXY座標系(刺繍座標系)で示される位置に移動可能である。
脚柱部3の前面には、液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)31が設けられる。LCD31には、コマンド、イラスト、設定値、メッセージ等の様々な項目を含む画像が表示される。LCD31の前面側には、接近、接触又は押圧された位置を検知可能なタッチパネル32が設けられる。タッチパネル32は、指又は専用のタッチペン等を用いた操作の入力を受け付ける。ミシン1のCPU81(図3参照)は、検知された位置に基づき、画像中で選択された項目を認識する。以下、ユーザによるタッチパネル32の操作を、パネル操作と言う。ユーザはパネル操作によって、縫製したい模様と実行すべきコマンド等を選択できる。
脚柱部3は、内部にミシン1の制御部80(図3参照)とミシンモータ33(図3参照)を備える。ミシンモータ33は、アーム部4内に設けられる主軸(図示略)を回転駆動する。主軸と下軸はタイミングベルト(図示略)で連結される。主軸の回転が下軸に伝達され、主軸と下軸は同期して回転する。
アーム部4の上部には、開閉可能なカバー42が設けられる。カバー42の下方には、糸収容部45が設けられる。糸収容部45には、上糸が巻回された糸駒20が収容される。縫製時、糸駒に巻回された上糸は、糸駒から、頭部5に設けられた所定の経路を経由して、針棒51に装着された縫針52に供給される。アーム部4内部には、左右方向に延びる主軸が設けられる。主軸は、ミシンモータ33により回転駆動される。主軸はミシンモータ33の駆動力を、頭部5内に設けられた針棒上下動機構55(図2参照)に伝達する。アーム部4の前面左下部には、スタート/ストップスイッチ43を含む各種スイッチが設けられる。スタート/ストップスイッチ43は、ミシン1の運転を開始又は停止させる。即ち、スタート/ストップスイッチ43は、縫製開始又は縫製停止の指示の入力に使用される。
図2に示すように、頭部5には、針棒51、押え棒53、針棒上下動機構55、イメージセンサ57、プロジェクタ58、揺動機構(図示略)等が設けられる。針棒51の下端には、縫針52を装着可能である。押え棒53の下端部には、押え足54が着脱可能に取り付けられる。針棒51は、針棒上下動機構55の下端に設けられる。針棒上下動機構55は、主軸の回転により針棒51を上下方向に駆動させる。揺動機構は、針棒51を左右方向に揺動させる。揺動機構は、揺動モータ56(図3参照)によって駆動される。針棒51は、縫製時に縫針52が針穴(図示略)の左端部を通過する左針落ち位置と、右端部を通過する右針落ち位置との間で揺動する。
イメージセンサ57は、例えば、主走査方向に並ぶ複数の撮像素子が、副走査方向に複数列で配置された公知のエリアセンサである。撮像素子は、例えば、周知のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)が使用される。本実施形態では、主走査方向と副走査方向は各々、ミシン1のX軸方向(左右方向)とY軸方向(前後方向)に相当する。イメージセンサ57は、ベッド部2上の所定の範囲(撮影範囲)を撮影する。
プロジェクタ58は、ベッド部2上の所定の範囲(投影範囲)に画像を投影する。プロジェクタ58は、筐体内に、液晶パネル58A、光源58B(図3参照)、結像レンズ(図示略)を備える。筐体は筒状を呈する。筐体は頭部5内の機枠に固定される。光源58BにはLEDが使用される。液晶パネル58Aは、光源58Bからの光を変調し、投影画像を表す画像データに基づき、投影される画像の画像光を形成する。結像レンズは、液晶パネル58Aによって形成された画像光を、ベッド部2上の投影範囲に結像する。詳細な説明は省略するが、プロジェクタ58は、ベッド部2上の加工布に対して斜め上方から投影画像を投影するので、投影画像には画像の歪みを補正する処理がされているものとする。なお、プロジェクタ58の投影範囲は、イメージセンサ57の撮影範囲と略同じ範囲となるように調整され、その大きさ(例えば縦×横のドット数)が予めフラッシュメモリ84に記憶されている。
図3を参照し、ミシン1の電気的構成について説明する。ミシン1の制御部80は、CPU81、ROM82、RAM83、フラッシュメモリ84、入出力インターフェイス(I/F)85を備える。CPU81はバス86を介してROM82、RAM83、フラッシュメモリ84、入出力I/F85と接続される。
CPU81は、ミシン1の主制御を司り、ROM82に記憶された各種プログラムに従って、縫製、撮影、投影に関わる各種演算と処理を実行する。ROM82は、図示しないが、プログラム記憶エリアを含む複数の記憶エリアを備える。プログラム記憶エリアには、ミシン1を動作させるための各種プログラムが記憶される。例えば、後述する模様投影処理等のプログラムは、プログラム記憶エリアに記憶される。RAM83には、CPU81が演算処理した演算結果等を収容する記憶エリアが設けられる。フラッシュメモリ84には、ミシン1が模様を縫製するための模様データが記憶される。模様データは、実用模様や刺繍模様の針落ち位置の座標データを含む。刺繍模様の場合、模様データは糸色を指定する糸色データを含む。また、フラッシュメモリ84には、ミシン1が各種処理を実行するための各種パラメータが記憶される。
入出力I/F85には、駆動回路91〜97、タッチパネル32、スタート/ストップスイッチ43、イメージセンサ57、プロジェクタ58の光源58Bが接続される。駆動回路91はミシンモータ33に接続し、CPU81からの制御信号に従ってミシンモータ33を駆動する。ミシンモータ33の駆動に伴い、ミシン1の主軸を介して針棒上下動機構55が駆動し、針棒51を上下動する。駆動回路92は送りモータ22に接続し、CPU81からの制御信号に従って送りモータ22を駆動する。実用模様の縫製時、送りモータ22の駆動に伴い、送り歯が駆動し、ベッド部2上で加工布を移送する。駆動回路93は揺動モータ56に接続し、CPU81からの制御信号に従って揺動モータ56を駆動する。実用模様の縫製時、揺動モータ56の駆動に伴い、揺動機構が駆動し、針棒51を左右方向に揺動する。
駆動回路94はX軸モータ63に接続し、CPU81からの制御信号に従ってX軸モータ63を駆動する。駆動回路95はY軸モータ64に接続し、CPU81からの制御信号に従ってY軸モータ64を駆動する。刺繍模様の縫製時、X軸モータ63とY軸モータ64の駆動に伴い、制御信号に応じた移動量だけ、移動機構60に装着された刺繍枠70が左右方向(X軸方向)と前後方向(Y軸方向)に移動する。
駆動回路96は、CPU81からの制御信号に従ってLCD31を駆動し、LCD31に画像、操作画面等を表示させる。LCD31の前面側に設けられたタッチパネル32は、指又は専用のタッチペン等を用いた操作の入力位置を示す座標データをCPU81に出力する。CPU81は、タッチパネル32から取得した座標データに基づき、LCD31に表示した操作画面において選択された項目を認識し、対応する処理を実行する。スタート/ストップスイッチ43は、ミシン1に対する操作の入力をタッチパネル32とは別に受け付けて、CPU81に出力する。CPU81は、スタート/ストップスイッチ43に対する操作の入力を受け付けた時、縫製動作を開始又は停止するように制御信号を出力する。
イメージセンサ57は、撮像素子が撮影した撮影画像のデータをCPU81に出力する。駆動回路97は、CPU81からの制御信号に従ってプロジェクタ58の液晶パネル58Aを駆動し、液晶パネル58Aに投影画像を表示させる。光源58BはCPU81からの制御信号に従って点灯し、液晶パネル58Aに表示される投影画像をベッド部2上で移送される加工布上に投影する。
本実施形態のミシン1のCPU81は、模様投影処理を実行し、縫製予定の縫製模様(実用模様又は刺繍模様)を加工布上に投影する。以下、図4〜図7を参照し、模様投影処理について説明する。
ユーザがミシン1の電源を入れると、CPU81は、ホーム画面(図示略)をLCD31に表示させる。ホーム画面において、CPU81は、実用模様(飾り模様を含む)を縫製する実用縫いモードと、刺繍模様を縫製する刺繍モードを選択する操作の入力を受け付ける。実用縫いモードを選択する操作の入力を受け付けた場合、CPU81は、ベッド部2上に加工布を配置する作業をユーザに促す画面を表示し、模様投影処理を実行する。
模様投影処理は、CPU81によってROM82から読み出され、RAM83に展開されて、CPU81が他に実行するプログラムと並行して実行される。CPU81は、模様投影処理を実行すると、RAM83に変数、フラグ、カウンタ等、各種データの記憶領域を確保する。
図4に示すように、CPU81は、LCD31に、模様選択画面を表示し、模様を選択する入力を受け付ける(S1)。フラッシュメモリ84には、実用データと刺繍データが、予め複数記憶されている。実用データは、実用模様を構成する1単位の縫目を縫製する針落ち位置の座標データからなる模様データである。実用データは、LCD31に実用模様の全体像を表示するための複数単位分の縫目を示すサムネイル画像を含む。刺繍データは、刺繍模様を縫製するため糸色ごとに分かれた針落ち位置の座標データと糸色データからなる模様データである。刺繍データは、LCD31に刺繍模様の全体像を表示するためのサムネイル画像を含む。
刺繍モードの場合における処理の流れについては後述する。ユーザが実用縫いモードを選択した場合、CPU81は、フラッシュメモリ84から実用データのサムネイル画像を読み出し、LCD31に表示する。CPU81は、LCD31に表示するサムネイル画像を変更する操作と、サムネイル画像の選択によって縫製する模様を決定する操作を受け付ける。
ユーザの操作に応じて模様が選択された場合、CPU81は、選択されたサムネイル画像に対応する模様データ(実用データ)を、フラッシュメモリ84から取得する(S2)。CPU81は、背景フラグをオフに設定し、色変更回数と幅変更回数を0に設定する(S3)。背景フラグは、刺繍モードにおいてプロジェクタ58の投影範囲に刺繍模様の全体が収まらなかった場合に、刺繍模様の背景を白にした投影画像を加工布上に投影するためのフラグである。色変更回数と幅変更回数は、実用模様又は刺繍模様を縁取りした投影画像を作成する際に、縁取の色と幅の変更回数に制限を設けるため、変更回数を計数するカウンタである。
実用縫いモードの場合(S5:NO)、CPU81は糸色を取得する(S6)。CPU81は、LCD31に糸色を選択又は入力する画面を表示し、タッチパネル32によるユーザの入力によって、糸色の取得を行う。ユーザによる入力がなければ、CPU81は、デフォルトで設定されている色(例えば赤色)をROM82から取得する。CPU81は、取得した糸色を、模様画像D(図8参照)に設定する模様色として特定する(S7)。模様画像Dは、縫製後の模様の全体像を示す画像である。
CPU81は、投影画像生成処理を実行する(S13)。図7に示すように、投影画像生成処理において、CPU81は、模様色に設定がある場合に(S71:YES)、模様画像Dの色を模様色に設定する(S72)。すなわち、実用模様の色が模様色に設定される。処理はS73に進められる。
CPU81は、模様画像Dを生成する(S73)。CPU81は、RAM83上に投影範囲に相当する大きさの仮想表示領域V(図8参照)を確保する。なお、仮想表示領域Vに生成される画像は、ラスタ画像である。CPU81は、S2で取得した実用データに従って針落ち位置を読み込み、それら針落ち位置を模様色の線で結ぶことによって、実用模様の模様画像Dを仮想表示領域V上に描画する。図8に示すように、実用模様の場合、複数の縫目により形成される所定形状の単位模様を予め決められた複数単位分(例えば6単位分)連結した模様画像Dが生成される。
図7に示すように、CPU81は、背景フラグがオンか否か判断する(S75)。背景フラグは刺繍モードにおいてオンになる場合がある。実用縫いモードでは、背景フラグがオフであるので(S75:NO)、CPU81は処理をS77に進める。
CPU81は、模様画像Dに対して例えばラプラシアンフィルタ等を適用した公知の輪郭抽出処理を施し、模様画像Dの輪郭線を抽出する(S77)。CPU81は、縁取幅と縁取色を設定し(S78、S80)、仮想表示領域V上に縁取画像F(図8参照)を描画する(S81)。縁取幅は、模様画像Dの周囲を取り囲んで縁取る縁取画像Fの幅であり、縁取色は、縁取画像Fに着色される色である。CPU81が設定する縁取幅と縁取色は、予め設定されたデフォルトの幅と色である場合も含む。縁取幅のデフォルト値は、例えば1ドットであり、縁取色のデフォルト色は、例えば白色である。なお、縁取幅と縁取色は、後述するS43、S47の処理等において変更可能である。S43及びS47において縁取幅と縁取色が変更された場合、S78及びS80では、S43及びS47において変更された縁取幅と縁取色が、縁取画像Fの縁取色と縁取幅として設定される。縁取画像Fは、例えば、輪郭線を縁取幅分外向きにオフセットした外形線と、輪郭線との間の領域を縁取色で塗りつぶすことによって生成される。つまり、縁取画像Fは、模様画像Dの外縁を示す輪郭線に隣接した状態で生成される。図8に示すように、仮想表示領域Vには、模様画像Dと、模様画像Dを縁取幅で縁取り、縁取色を呈する縁取画像Fとが生成される。
図7に示すように、CPU81は、背景フラグがオンか否か判断する(S82)。実用縫いモードでは、背景フラグがオフであるので(S82:NO)、CPU81は模様画像Dの背景色を黒色に設定し(S83)、処理をS86に進める。なお、プロジェクタ58は、液晶パネル58Aに表示される投影画像P(図8参照)のうち、黒色の部分を結像しない。従って、背景色が黒色の場合、ベッド部2上の投影範囲には、模様画像Dと縁取画像Fが投影され、背景部分は投影されない。CPU81は、仮想表示領域Vの背景部分を黒色とする投影画像Pを生成する(S86)。図8に示すように、仮想表示領域Vには、模様画像Dと、縁取画像Fと、模様画像D及び縁取画像Fの背景として黒色を呈する背景画像Bが描画された投影画像Pが生成される。CPU81は、処理を模様投影処理に戻す。
図4に示すように、CPU81は、投影画像Pに対して輪郭抽出処理を施す(S15)。図9に示すように、投影画像Pから、模様画像Dを縁取る輪郭線G1と、縁取画像Fを縁取る輪郭線H1が抽出される。輪郭線G1と輪郭線H1を抽出した輪郭抽出画像Q1はラスタ画像であり、RAM83に記憶される。図4に示すように、CPU81はプロジェクタ58を駆動し、投影画像Pを加工布C(図10参照)上に投影する(S16)。加工布C上には、模様画像Dと縁取画像Fが結像される。CPU81は、投影画像Pを投影した加工布Cの撮影範囲を、イメージセンサ57で撮影する(S17)。前述したように、イメージセンサ57の撮影範囲は、プロジェクタ58の投影範囲と略同じ範囲である。図10に示すように、撮影範囲を撮影した撮影画像Rには、加工布Cと、加工布C上に結像する模様画像Dと縁取画像Fとが写り、黒色の背景画像Bは結像されないので写らない。撮影画像Rはラスタ画像であり、RAM83に記憶される。
CPU81は、撮影画像Rに対して輪郭抽出処理を施す(S18)。図11に示すように、撮影画像Rから、模様画像Dを縁取る輪郭線G2と、縁取画像Fを縁取る輪郭線H2が抽出される。輪郭線G2と輪郭線H2を抽出した輪郭抽出画像Q2はラスタ画像であり、RAM83に記憶される。また、撮影画像Rには、加工布Cも写る。故に輪郭抽出画像Q2には、輪郭線G2と輪郭線H2に加え、加工布Cの織り目やシワの陰影を縁取った輪郭線K1も抽出される。
CPU81は、投影画像Pから生成した輪郭抽出画像Q1と、撮影画像Rから生成した輪郭抽出画像Q2とを比較し、撮影画像R中の投影画像Pを特定する処理を行う(S20)。具体的に、CPU81は、輪郭抽出画像Q1をテンプレートとし、輪郭抽出画像Q2の中から輪郭抽出画像Q1の輪郭線G1と輪郭線H1に似た部分(輪郭線G2と輪郭線H2)を探す、公知のテンプレートマッチングを行う。CPU81は、テンプレートマッチングによって輪郭抽出画像Q2中で輪郭抽出画像Q1の位置、向き、大きさを検出し、輪郭抽出画像Q1を輪郭抽出画像Q2に重ねる。CPU81は、輪郭抽出画像Q2において輪郭線G1及び輪郭線H1に対応する部分(輪郭線G2と輪郭線H2)と、輪郭線G1及び輪郭線H1との一致率を求める。一致率は、輪郭線G1と輪郭線H1を画素単位で輪郭抽出画像Q2と比較し、対応する画素同士が所定の類似範囲にあれば一致するものと判断することによって求められる。CPU81は、画素全体の一致率が、所定割合(例えば75%)以上であれば、撮影画像Rにおいて投影画像Pを特定できたものと判断する。
例えば、縁取画像Fの縁取色と加工布Cの色とが近似している場合、撮影画像Rにおいて縁取画像Fと加工布Cとの境界が明確に特定できないことがある。この場合、撮影画像Rから抽出される縁取画像Fの輪郭線H2は、投影画像Pから抽出される輪郭線H1とは大きく異なることになり、一致率は低くなる。また、例えば、縁取画像Fの縁取幅が小さく、且つ模様画像Dの模様色と加工布Cの色とが近似する場合、撮影画像Rからは縁取画像Fを特定することができず、模様画像Dと加工布Cとの境界が明確に特定できないことがある。この場合にも、抽出される輪郭線G2と輪郭線H2は、輪郭線G1と輪郭線H1とは異なることとなり、一致率は低くなる。これらのように一致率が低い場合、すなわち、投影画像Pが投影された加工布C上で、投影画像Pを特定できない場合は、縁取画像Fもしくは模様画像Dの輪郭が明確ではないため、ユーザは模様画像Dを加工布C上で見難い状態であるといえる。
図5に示すように、投影画像Pを特定できた場合(S31:YES)、CPU81は、処理をS51(図6参照)に進める。投影画像Pを特定できなかった場合(S31:NO)、CPU81は、RAM83に、現在設定されている縁取色と、縁取幅と、S22で求めた一致率を記憶する(S32)。幅変更回数が5未満であり(S33:NO)、色変更回数が5未満の場合(S41:NO)、CPU81は縁取色を変更する(S47)。CPU81は、イメージセンサ57で撮影した撮影画像Rから加工布Cの色を判別し、判別した色の補色又は補色の近似色を、S80で縁取画像Fに設定する新たな縁取色として、現在の縁取色から変更する。CPU81は色変更回数に1を加算し(S48)、処理をS13に戻す。
S13〜S20の処理を行い、投影画像Pを特定できなかった場合(S31:NO)、CPU81は、現在設定されている縁取色と、縁取幅と、S22で判断した一致率とを記憶する(S32)。CPU81は、色変更回数が5回になるまで(S33:NO、S41:NO)、加工布Cの色の補色、又は補色の近似色のうち、未選択の色を新たな縁取色として変更する(S47)。CPU81は、S13〜S20の処理を行い、再度、投影画像Pの特定を試みる。投影画像Pを特定できないまま(S31:NO)、色変更回数が5回以上になった場合(S41:YES)、CPU81は、縁取画像Fに設定するための縁取色をデフォルト色に変更する(S42)。CPU81は、S78で縁取画像Fに設定するための縁取幅を、1ドット分大きな幅に変更する(S43)。CPU81は幅変更回数に1を加算し(S45)、色変更回数を0に設定して(S46)、処理をS13に戻す。
縁取幅が大きくなった縁取画像Fにおいて、CPU81は上記同様に、S13〜S20の処理で投影画像Pの特定を試みる。図12に示すように、撮影範囲を撮影した撮影画像R1には、加工布Cと、加工布C上に結像する模様画像Dと、縁取幅が大きくなった縁取画像F1とが写り、黒色の背景画像Bは結像されないので写らない。図13に示すように、撮影画像R1から、模様画像Dを縁取る輪郭線G3と、縁取画像F1を縁取る輪郭線H3が抽出された輪郭抽出画像Q3が生成される。また、輪郭抽出画像Q3には、加工布Cの織り目やシワの陰影を縁取った輪郭線K2も抽出される。
図5に示すように、投影画像Pを特定できなかった場合(S31:NO)、CPU81は、色変更回数が5回になるまで(S33:NO、S41:NO)、加工布Cの色の補色、又は補色の近似色のうち、未選択の色を新たな縁取色として変更し(S47)、S13〜S20の処理で投影画像Pの特定を試みる。投影画像Pを特定できないまま(S31:NO)、色変更回数が5回になった場合(S41:YES)、CPU81は、縁取幅を、更に、1ドット分大きな幅に変更し(S43)、幅変更回数を1加算して(S45)、上記同様、投影画像Pの特定を試みる。
投影画像Pを特定できないまま(S31:NO)、幅変更回数が5回以上になった場合(S33:YES)、CPU81は、縁取画像Fの縁取色と縁取幅を、RAM83に記憶した一致率のうち、最も大きな一致率に対応する縁取色と縁取幅に変更する(S35)。CPU81は、投影画像生成処理を実行し(S36)、模様画像Dと、S35で変更した縁取色と縁取幅を設定した縁取画像Fと、背景画像Bが描画された投影画像Pを生成する。CPU81はプロジェクタ58を駆動し、投影画像Pを加工布C上に投影すると(S37)、処理をS51に進める。
図6に示すように、CPU81は、LCD31に複数の処理の実行指示を受け付ける画面を表示し、処理を待機する(S51:NO、S63:NO、S65:NO、S51)。実行指示の一つは、ユーザが縁取画像Fの縁取色と縁取幅、模様画像Dの模様色を、ユーザが手動で変更する指示である(S51)。手動とは、ユーザの操作に基づいて、縁取色、縁取幅又は模様色をユーザが所望する状態に変更する動作である。実行指示の一つは、刺繍モードにおいて刺繍模様の投影位置を変更する指示である(S63)。実行指示の一つは、投影対象の模様データ(ここでは実用データ)に基づく縫製模様(ここでは実用模様)の縫製を開始する指示である(S65)。縫製模様の縫製を開始する指示は、スタート/ストップスイッチ43の操作によって行われる。
ユーザが縁取画像Fの縁取色と縁取幅、模様画像Dの模様色を手動で変更する指示を行った場合(S51:YES)、CPU81は、LCD31に、縁取色、縁取幅、模様色の変更指示と、手動で変更する処理の終了指示を受け付ける画面を表示し、処理を待機する(S52:NO、S55:NO、S57:NO、S62:NO、S52)。
縁取色を変更する指示を受け付けた場合(S52:YES)、CPU81はLCD31に縁取色の候補となる色を、例えば色相環図を用いて表示し、選択を受け付ける。CPU81は、ユーザがタッチパネル32により選択した色を、縁取画像Fに設定する縁取色として変更し(S53)、処理をS60に進める。CPU81は、投影画像生成処理(図7参照)を実行し、模様画像Dと、ユーザが選択した縁取色で着色された縁取画像Fと、背景画像Bが描画された投影画像Pを生成する(S60)。CPU81はプロジェクタ58を駆動して投影画像Pを加工布C上に投影し(S61)、処理をS62に進めて待機状態に戻る。
縁取幅を変更する指示を受け付けた場合(S55:YES)、CPU81はLCD31に縁取幅を設定する画面を表示し、入力を受け付ける。CPU81は、ユーザがタッチパネル32により設定した幅を、縁取画像Fに設定する縁取幅として変更し(S56)、処理をS60に進める。CPU81は、投影画像生成処理を実行し、模様画像Dと、ユーザが設定した縁取幅にした縁取画像Fと、背景画像Bが描画された投影画像Pを生成する(S60)。CPU81はプロジェクタ58を駆動して投影画像Pを加工布C上に投影し(S61)、処理をS62に進めて待機状態に戻る。
模様色を変更する指示を受け付けた場合(S57:YES)、CPU81はLCD31に模様色の候補となる色を、例えば色相環図を用いて表示し、選択を受け付ける。CPU81は、ユーザがタッチパネル32により選択した色を、模様画像Dに設定する模様色として変更し(S58)、処理をS60に進める。CPU81は、投影画像生成処理を実行し、ユーザが設定した模様色で着色された模様画像Dと、縁取画像Fと、背景画像Bが描画された投影画像Pを生成する(S60)。CPU81はプロジェクタ58を駆動して投影画像Pを加工布C上に投影し(S61)、処理をS62に進めて待機状態に戻る。
手動で変更する処理の終了指示を受け付けた場合(S62:YES)、CPU81は処理をS63に進める。CPU81は、LCD31に複数の処理の実行指示を受け付ける画面を表示し、処理を待機する(S51:NO、S63:NO、S65:NO、S51)。刺繍モードにおいて刺繍模様の投影位置を変更する指示(S63)については後述する。ユーザがスタート/ストップスイッチ43を操作した場合(S65:YES)、CPU81は実用模様の縫製を開始し(S66)、模様投影処理の実行を終了する。なお、CPU81は、ミシン1の駆動を制御するためのプログラムを実行し、実用データに従ってミシンモータ33、送りモータ22、揺動モータ56を駆動して、加工布Cを搬送しながら実用模様を縫製する。ユーザが再度、スタート/ストップスイッチ43を操作すると、CPU81は実用模様の縫製を終了する。
次に、刺繍モードにおける処理の流れについて説明する。図4に示すように、ホーム画面においてユーザが刺繍モードを選択した場合、CPU81は、加工布Cを保持した刺繍枠70を移動機構60のキャリッジ62に装着する作業をユーザに促す画面を表示し、模様投影処理を実行する。実用縫いモードと同様に、CPU81は刺繍データのサムネイル画像をフラッシュメモリ84から読み出してLCD31に表示し、選択を受け付ける(S1)。ユーザの操作に応じて模様が選択された場合、CPU81は、選択されたサムネイル画像に対応する刺繍データを、フラッシュメモリ84から取得する(S2)。CPU81は、背景フラグをオフに設定し、色変更回数と幅変更回数を0に設定する(S3)。
刺繍モードの場合(S5:YES)、CPU81は処理をS8に進める。CPU81は、刺繍模様の大きさが、プロジェクタ58の投影範囲の大きさより大きいか否か判断する(S8)。なお、刺繍模様の大きさの情報は、便宜上、刺繍データに含まれるものとする。或いは、CPU81は、刺繍データから針落ち位置の座標を読み出して、最大値と最小値とに基づき、刺繍模様の大きさを判断してもよい。刺繍模様の大きさが投影範囲の大きさ以下である場合(S8:NO)、CPU81は処理をS13の投影画像生成処理に進める。
刺繍模様の大きさが投影範囲の大きさより大きい場合(S8:YES)、CPU81は、背景フラグをオンにする(S10)。図14に示すように、CPU81は、LCD31に刺繍データのサムネイル画像SSを表示し、更に、投影範囲に相当する枠線Wをサムネイル画像SSに重ねて表示する。枠線Wは、ユーザによるパネル操作によって位置を移動することができる。図4に示すように、CPU81は、刺繍模様のうち加工布Cに投影する部分(部分模様)を指定する指示を、枠線Wの位置によって受け付ける(S11)。ユーザが枠線Wを動かして刺繍模様の投影位置を指示すると、CPU81は、刺繍データから、投影位置に対応する針落ち位置の座標データを取得し(S12)、処理をS13の投影画像生成処理に進める。
図7に示すように、刺繍モードにおける投影画像生成処理において、CPU81は、模様色に設定があるか否かを判断する(S71)。刺繍モードにおいて、模様色は、S52〜S62の処理によって、ユーザの指示によって設定される場合がある。模様色の設定がなければ(S71:NO)、模様画像Dには、刺繍データに含まれる糸色データが適用される。この場合、加工布Cに投影される模様画像Dの色合いが、元の模様データに基づく色合いとなるため、ユーザは、加工布Cに投影される投影画像Pと、加工布Cに縫製される刺繍模様との間で違和感を生じにくい。
CPU81は、実用模様と同様に、刺繍データに基づいて刺繍模様の模様画像Dを生成する(S73)。背景フラグがオンの場合(S75:YES)、CPU81は、S12で取得した座標データに基づき、模様画像Dから、部分模様に対応する部分の画像である部分画像DD(図15参照)を、針落ち位置の座標データに基づいて切り出す(S76)。
CPU81は、部分画像DDから上記同様に輪郭線を抽出し、縁取画像Fを生成する(S81)。刺繍模様の大きさが投影範囲の大きさより大きく背景フラグがオンの場合(S82:YES)、CPU81は部分画像DDの背景画像Bを白色に設定する(S85)。CPU81は、部分画像DDと縁取画像Fと背景画像Bとが描画された投影画像Pを生成する(S86)。なお、背景画像Bが白色であるので、背景部分は投影対象である。CPU81は、処理を模様投影処理に戻す。
図4に示すように、CPU81は、投影画像Pに対して輪郭抽出処理を施し(S15)、輪郭抽出画像Q1を生成する。CPU81はプロジェクタ58を駆動し、投影画像Pを加工布C上に投影する(S16)。図15に示すように、加工布C上には、部分画像DDと縁取画像Fと、白色の背景画像Bが結像される。図4に示すように、CPU81は、投影画像Pを投影した加工布Cの撮影範囲をイメージセンサ57で撮影する(S17)。CPU81は撮影画像Rに対して輪郭抽出処理を施し(S18)、輪郭抽出画像Q2を生成する。CPU81は、輪郭抽出画像Q1と輪郭抽出画像Q2を比較し、撮影画像R中の投影画像Pを特定する(S20)。
図5に示すように、CPU81は、投影画像Pを特定できなければ(S31:NO)、実用縫いモードと同様に、S32〜S48とS13〜S20の処理を繰り返す。図6に示すように、投影画像Pの特定後、CPU81は、S51〜S62の処理を行うことによって、縁取色、縁取幅、模様色の変更を受け付ける。S63の処理で、刺繍模様の投影位置を変更する指示を受け付けた場合(S63:YES)、CPU81は色変更回数と幅変更回数に0を設定し(S67)、処理をS11に戻す。CPU81は、ユーザが枠線Wを動かして刺繍模様の投影位置を指示すると(S11)、刺繍模様の模様画像Dから、投影位置に対応する部分模様の部分画像DDを切り出し、部分画像DDをもとに投影画像Pを生成し(S13)、加工布C上に投影する(S16)。
また、S57の処理で模様色を変更する指示を受け付けた場合(S57:YES)、CPU81は、ユーザが選択した色を模様色とし(S58)、投影画像生成処理で生成した投影画像Pを加工布Cに投影する(S16)。図16に示すように、部分画像DD(投影範囲に刺繍模様の全体が収まる場合は模様画像D)は単一色で色づけられたシルエット状に投影される。
図6に示すように、ユーザがスタート/ストップスイッチ43を操作すると(S65:YES)、CPU81は刺繍模様の縫製を開始し(S66)、模様投影処理の実行を終了する。刺繍データの最後の針落ち位置を縫い終えると、CPU81は刺繍模様の縫製を終了する。
以上説明したように、ミシン1は、加工布Cに縫製する縫製模様を表す模様画像Dを、加工布Cが搬送されるベッド部2上にプロジェクタ58で投影する。その際にミシン1は、模様画像Dの外縁に隣接して配置され、模様画像Dを取り巻く縁取画像Fや背景画像Bを、模様画像Dとともに投影することができる。すなわちミシン1は、模様画像Dの周囲を縁取画像Fや背景画像Bが取り巻いた投影画像Pを加工布C上に投影する。故にミシン1は、加工布Cの色合いや材質によらず、模様画像Dを加工布C上で見やすくすることができる。
縁取画像Fは模様画像Dを目立った状態に際立たせることができる。故にミシン1は、加工布Cの色合いや材質によらず、模様画像Dを加工布C上で見やすくすることができる。
投影画像生成処理において、ミシン1は、縁取色を変更することによって、加工布C上で縁取画像Fをより見やすくすることができる。縁取色の変更は、ユーザが任意の色を選択することによって行ってもよいし、加工布C上に投影画像Pを投影した上で撮影した撮影画像Rにおいて、投影画像Pを特定できなかった場合に、縁取色を変更してもよい。故にミシン1は、縁取画像Fが縁取る模様画像Dを、より目立った状態に際立たせ、加工布Cの色合いや材質によらず、加工布C上で見やすくすることができる。
投影画像生成処理において、ミシン1は、縁取幅を変更することによって、加工布C上で縁取画像Fをより見やすくすることができる。縁取幅の変更は、ユーザが任意の幅を設定することによって行ってもよいし、加工布C上に投影画像Pを投影した上で撮影した撮影画像Rにおいて、投影画像Pを特定できなかった場合に、縁取幅をより大きな幅に変更してもよい。故にミシン1は、縁取画像Fが縁取る模様画像Dを、より目立った状態に際立たせ、加工布Cの色合いや材質によらず、加工布C上で見やすくすることができる。
加工布Cの色合いや材質によって投影画像Pが加工布Cに埋没した状態となった場合、撮影画像Rにおいて投影画像Pを呈する部分を特定することは難しい。故にミシン1は、撮影画像Rと投影画像Pの各々から抽出された輪郭抽出画像Q1と輪郭抽出画像Q2を比較する。これにより、ミシン1は、撮影画像Rにおける投影画像Pを呈する部分が特定できるか否かを判断できるようになる。特定できない場合は、縁取色又は縁取幅の変更を適切に行うことができる。
実用模様は単一色の糸によって縫製するので、加工布Cの色合いや材質によっては、ほとんど見えなくなる可能性がある。ミシン1は、実用模様の模様画像Dを縁取画像Fとともに投影することができるので、加工布Cの色合いや材質によらず、実用模様の模様画像Dを加工布C上で見やすくすることができる。
ミシン1は、模様色を変更することができるので、加工布Cの色合いや材質によらず、実用模様の模様画像Dを加工布C上で、より見やすくすることができる。
刺繍模様は複数色の刺繍糸によって縫製するが、ミシン1は、刺繍模様の模様画像Dを1つの模様色で形成することもできる。単一色の模様画像Dを加工布C上に投影することで、ミシン1は、加工布Cの色合いや材質によらず、刺繍模様の模様画像Dを加工布C上で見やすくすることができる。故にユーザは、刺繍模様の全体形状や大きさを容易に把握しやすくなる。
ミシン1は、投影画像Pに背景画像Bを含むことによって、模様画像Dを、より目立った状態に際立たせ、加工布Cの色合いや材質によらず、加工布C上で見やすくすることができる。また、刺繍模様の場合は、背景画像Bによって、縫製模様において部分模様が示す部分に対応する部分画像DDを明示することができるので、ユーザは、縫製模様の全体を把握しやすい。
上記実施形態に対して種々の変更を加えることが可能である。S6の処理で、CPU81はユーザの入力によって糸色を取得した。糸色の取得方法は、これに限らない。例えば、ミシン1に糸駒20を撮影するイメージセンサを設け、CPU81は、イメージセンサが撮影した画像の解析によって糸色を取得してもよい。
CPU81は、S2の処理で、フラッシュメモリ84から模様データを読み出し、取得した。これに限らず、例えばミシン1は、USBメモリ等の外部記憶装置を接続可能なUSBリーダライタを備え、USBリーダライタを介してUSBメモリから模様データを読み出し、取得してもよい。或いは、ミシン1は、有線又は無線でネットワークに接続し、ネットワークに設けられたサーバから模様データをダウンロードし、取得してもよい。
刺繍モードにおいて、CPU81は、S85の処理で、投影画像Pの背景画像Bを白色に設定した。これに限らず、例えば投影画像Pの外周部分を縁取る枠線状の画像を背景画像Bとし、加工布C上に投影範囲を示してもよい。また、背景画像Bの色は白色に限らず、黒以外の色であればよい。
S63の処理で、刺繍模様の投影位置を変更する指示は、例えば指示を受け付けるボタン等の操作による場合に限らず、枠線Wをタッチし、ドラッグすることで枠線Wを動かすパネル操作であってもよい。このようにすれば、CPU81は、枠線Wの位置が変更されるのに合わせて、加工布Cに投影する投影画像Pをシームレスに更新することができる。
S41の判断における色変更回数の上限は5回に限らず、適宜変更可能である。同様に、S33の判断における幅変更回数の上限は5回に限らず、適宜変更可能である。S43の処理では、CPU81は、縁取画像Fの縁取幅を処理の度に1ドットずつ大きくしたが、2ドット以上大きくしてもよい。S20の処理で、CPU81は、輪郭線G1及び輪郭線H1と輪郭抽出画像Q2の一致率が、例えば75%以上であれば、撮影画像Rにおいて投影画像Pを特定できたものと判断したが、これに限らず、任意の一致率を基準としてもよい。縁取画像Fは、必ずしも所定幅の線に限らず、例えば点線であっても鎖線であっても、或いは飾り線であってもよい。
S73の処理で、CPU81は模様画像Dを模様データ(実用データ)から読み込んだ針落ち位置に基づいて仮想表示領域Vに描画した。これに限らず、模様データが予め模様画像Dの画像データを含んでおり、CPU81は、CPU81は模様データから模様画像Dの画像データを読み込んで仮想表示領域Vに描画してもよい。
縁取画像Fは、模様画像Dの周囲を取り囲んで縁取るが、模様画像Dに接した状態であってもよいし、或いは間に間隙があって近接した状態であってもよく、すなわち隣接する状態であれば足りる。縁取画像Fは、模様画像Dから抽出した輪郭線をオフセットした外形線と、輪郭線との間を塗りつぶして生成するが、これに限らず、例えば、模様画像Dから抽出した輪郭線を外向きに縁取幅分太くし、縁取色で塗りつぶすことによって生成してもよい。或いは、縁取画像Fは、模様画像Dから抽出した輪郭線を外方に拡大し、内部を縁取色で塗りつぶした画像から、模様画像Dが占める領域を差し引いた画像として生成してもよい。
S20の処理で、CPU81は、投影画像Pから生成した輪郭抽出画像Q1と、撮影画像Rから生成した輪郭抽出画像Q2とを画素単位で比較した一致率により、撮影画像R中の投影画像Pを特定した。これに限らず、例えば公知の背景差分法により、CPU81は、投影画像Pを投影する前の撮影画像と、投影画像Pを投影した後の撮影画像とを比較して、撮影画像R中の投影画像Pを特定してもよい。
投影画像生成処理では、模様画像Dと縁取画像Fと背景画像Bとを含む投影画像Pを生成したが、これに限らない。例えばミシン1は、縁取画像Fを含まず、模様画像Dと背景画像Bのみを含む投影画像Pを生成してもよい。この場合の背景画像Bは、黒色以外の色であり、模様画像Dに隣接して配置される。この場合、CPU81は、S77〜S85の処理に替えてS85の処理を実行し、S15〜S65の処理に替えて、以下の処理を実行するとよい。すなわち、CPU81は、プロジェクタ58を駆動し、投影画像Pを加工布C上に投影する。CPU81は、投影画像Pを投影した加工布Cの撮影範囲をイメージセンサ57で撮影し、得られた撮影画像Rから模様画像Dの輪郭線を抽出する。CPU81は、投影画像Pから模様画像Dの輪郭線を抽出し、撮影画像Rから抽出された模様画像Dの輪郭線との一致率を求め、撮影画像R中の投影画像Pを特定する処理を行う。撮影画像R中に投影画像Pが特定できない場合、CPU81は背景画像Bの色を変更した投影画像Pを生成し、再度、投影、輪郭抽出、一致率の算出処理を含む一連の処理を行う。この一連の処理を行う度に、CPU81は、一致率と背景画像Bの色をRAM83に記憶する。一連の処理を所定回数繰り返しても撮影画像R中に投影画像Pが特定できない場合、CPU81は、一致率が最も高い色に背景画像Bの色を設定した投影画像Pを生成し、加工布Cに投影する。また、撮影画像R中に投影画像Pが特定できた場合でも、CPU81は、ユーザのパネル操作による背景画像Bの色の変更を受け付ける。背景画像Bの色が変更された場合、CPU81は、変更された色の背景画像Bを含む投影画像Pを加工布C上に投影する。
刺繍モードにおいて、刺繍模様の大きさがプロジェクタ58の投影範囲より大きい場合、CPU81は、枠線Wに含まれる部分模様から生成した部分画像DDを含む投影画像Pを投影した。枠線Wの移動に伴い、再度生成される投影画像Pにおいて、縁取画像Fの縁取色は、最初に生成された縁取画像Fの縁取色に設定されるようにしてもよい。この場合、RAM83に初回フラグを設け、例えば図4のS3の処理で、初回フラグをオンに設定する。S13の処理において、CPU81は、図17に示す、投影画像生成処理を実行してもよい。なお、図17の投影画像生成処理では、本実施形態の投影画像生成処理(図7参照)と同じ処理については同一のステップ番号を付し、本変形例のために追加された処理については新たなステップ番号を付すものとする。
図17に示すように、刺繍モードにおける投影画像生成処理において、CPU81は、模様色又は刺繍データの糸色データに基づいて、模様画像Dを生成する(S73)。刺繍模様の大きさがプロジェクタ58の投影範囲より大きい場合、背景フラグがオンであるので(S75:YES)、CPU81は、模様画像Dから投影位置に対応する部分の画像である部分画像DDを切り出し(S76)、輪郭線を抽出する(S77)。CPU81は縁取幅を設定し(S78)、初回フラグがオンであれば(S91:YES)、本実施形態と同様に縁取色を設定する(S80)。CPU81は縁取画像を生成すると(S81)、設定した縁取色をRAM83に記憶して(S82:YES、S96:YES、S97)、初回フラグをオフにする(S98)。CPU81は、部分画像DDと縁取画像Fと、白色の背景画像Bとが描画された投影画像Pを生成する(S85、S86)。
ユーザが枠線Wを動かして刺繍模様の投影位置を変更すると、CPU81は、投影位置に対応する部分を切り出した部分画像DDを生成する(S76)。縁取画像Fを生成する際に、初回フラグがオフであるので(S91:NO)、CPU81は、RAM83に記憶された縁取色を設定する(S92)。また、初回フラグがオフであるので(S96:NO)CPU81は、縁取色を上書き記憶することなく、投影画像Pを生成する(S86)。なお、CPU81は、図5のS41の判断では、初回フラグがオフであれば色変更回数の如何によらず、S43に処理を進めるものとする。また、CPU81は、図6のS52の判断では、初回フラグがオフであれば縁取色の変更を受け付けず、S55に処理を進めるものとする。このように、ミシン1は、部分模様に指定する部分が変更されても、縁取色をあらためて設定する必要がないので、縁取色を設定するための演算の負荷を減らすことができる。
本実施形態では、フラッシュメモリ84が本発明の「記憶部」に相当する。模様画像D又は部分画像DDが本発明の「模様オブジェクト」に相当する。縁取画像F又は背景画像B或いはその両方が本発明の「周囲オブジェクト」に相当する。S86の処理を行うCPU81が本発明の「投影画像生成手段」に相当する。S16の処理を行うCPU81が本発明の「投影手段」に相当する。
輪郭線G1〜G3が本発明の「輪郭部」に相当する。S77の処理を行うCPU81が本発明の「輪郭抽出手段」に相当する。縁取画像Fが本発明の「縁取オブジェクト」に相当する。S78の処理を行うCPU81が本発明の「縁取幅設定手段」に相当する。S80の処理を行うCPU81が本発明の「縁取色設定手段」に相当する。S47又はS53の処理を行うCPU81が本発明の「縁取色変更手段」に相当する。イメージセンサ57が本発明の「撮影部」に相当する。S17の処理を行うCPU81が本発明の「撮影手段」に相当する。S20の処理を行うCPU81が本発明の「特定手段」に相当する。S43又はS56の処理を行うCPU81が本発明の「縁取幅変更手段」に相当する。
輪郭線G1〜G3,H1〜H3,K1,K2が本発明の「境界部」に相当する。S15及びS18の処理を行うCPU81が本発明の「境界抽出手段」に相当する。S58の処理を行うCPU81が本発明の「模様色変更手段」に相当する。背景画像Bが本発明の「背景オブジェクト」に相当する。S11の処理を行うCPU81が本発明の「指定受付手段」に相当する。S8の処理を行うCPU81が本発明の「判断手段」に相当する。S97の処理を行うCPU81が本発明の「縁取色記憶手段」に相当する。
1:ミシン、2:ベッド部、57:イメージセンサ、58:プロジェクタ、80:制御部、81:CPU、84:フラッシュメモリ、B:背景画像、C:加工布、D:模様画像、F:縁取画像、P:投影画像、R:撮影画像
Claims (16)
- 加工布に縫製模様を縫製するための模様データを記憶する記憶部と、
画像を投影するプロジェクタと、
制御部と、
を備え、前記模様データに従って、前記加工布に前記縫製模様を縫製するミシンにおいて、
前記制御部は、
前記模様データに基づき、前記縫製模様を表す模様オブジェクトと、当該模様オブジェクトの外縁に隣接して配置され、当該模様オブジェクトを取り巻く周囲オブジェクトと、を含む投影画像を生成する投影画像生成手段と、
前記プロジェクタを制御し、前記投影画像生成手段が生成した前記投影画像を、前記加工布が搬送されるベッド部の上面へ向けて投影する投影手段と、
を備えたことを特徴とするミシン。 - 前記制御部は、
前記模様オブジェクトの前記外縁部分である輪郭部を抽出する輪郭抽出手段と、
前記輪郭抽出手段が抽出した前記輪郭部に隣接して前記模様オブジェクトを縁取る縁取オブジェクトの幅である縁取幅を設定する縁取幅設定手段と、
前記縁取オブジェクトの色である縁取色を設定する縁取色設定手段と、
を更に備え、
前記周囲オブジェクトは、前記縁取幅設定手段が設定した前記縁取幅で、前記縁取色設定手段が設定した前記縁取色を呈する前記縁取オブジェクトを含むこと
を特徴とする請求項1に記載のミシン。 - 前記制御部は、
前記投影画像生成手段により前記投影画像が生成された場合、当該投影画像に含まれる前記縁取オブジェクトの前記縁取色を変更する縁取色変更手段
を更に備え、
前記縁取色変更手段により前記縁取色が変更された場合、前記縁取色設定手段は、前記縁取色を前記縁取色変更手段が変更した色に設定すること
を特徴とする請求項2に記載のミシン。 - 前記ベッド部の上面を撮影する撮影部を更に備え、
前記制御部は、
前記撮影部を制御し、前記ベッド部の上面に配され、前記プロジェクタによって前記投影画像が投影されている前記加工布を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された撮影画像において前記投影画像を呈する部分を特定する特定手段と、
を更に備え、
前記縁取色変更手段は、前記特定手段が前記投影画像を呈する部分を特定できなかった場合、前記縁取色を変更すること
を特徴とする請求項3に記載のミシン。 - 前記制御部は、
前記投影画像生成手段により前記投影画像が生成された場合、当該投影画像に含まれる前記縁取オブジェクトの前記縁取幅を変更する縁取幅変更手段
を更に備え、
前記縁取幅変更手段により前記縁取幅が変更された場合、前記縁取幅設定手段は、前記縁取幅を前記縁取幅変更手段が変更した幅に設定すること
を特徴とする請求項2又は3に記載のミシン。 - 前記ベッド部の上面を撮影する撮影部を更に備え、
前記制御部は、
前記撮影部を制御し、前記ベッド部の上面に配され、前記プロジェクタによって前記投影画像が投影されている前記加工布を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された撮影画像において前記投影画像を呈する部分を特定する特定手段と、
を更に備え、
前記縁取幅変更手段は、前記特定手段が前記投影画像を呈する部分を特定できなかった場合、前記縁取幅をより大きな幅に変更すること
を特徴とする請求項5に記載のミシン。 - 前記制御部は、
前記投影画像生成手段により前記投影画像が生成された場合、当該投影画像に含まれる前記縁取オブジェクトの前記縁取幅を変更する縁取幅変更手段
を更に備え、
前記縁取幅変更手段により前記縁取幅が変更された場合、前記縁取幅設定手段は、前記縁取幅を前記縁取幅変更手段が変更した幅に設定すること
を特徴とする請求項4に記載のミシン。 - 前記縁取幅変更手段は、前記特定手段が前記投影画像を呈する部分を特定できなかった場合、前記縁取幅をより大きな幅に変更することを特徴とする請求項7に記載のミシン。
- 前記制御部は、
前記撮影画像及び前記投影画像の各々から、色で区分される領域の境界部を抽出する境界抽出手段
を更に備え、
前記特定手段は、前記撮影画像から抽出された前記境界部と前記投影画像から抽出された前記境界部とを比較することで、前記撮影画像における前記投影画像を呈する部分を特定すること
を特徴とする請求項4、6〜8のいずれかに記載のミシン。 - 前記縫製模様は、複数の縫目により形成される所定形状の模様を単位模様として、当該単位模様を繰り返して縫製する実用模様であり、
前記模様データは、前記実用模様を構成する一の前記単位模様を縫製するデータであり、
前記投影画像生成手段は、前記一の単位模様が複数連続するオブジェクトを前記模様オブジェクトとして前記投影画像を生成すること
を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のミシン。 - 前記制御部は、
前記投影画像生成手段により前記投影画像が生成された場合、当該投影画像に含まれる前記模様オブジェクトの色である模様色を変更する模様色変更手段
を更に備え、
前記模様色変更手段により前記模様色が変更された場合、前記投影画像生成手段は、前記模様色変更手段が変更した前記模様色を呈する前記模様オブジェクトを含む前記投影画像を生成すること
を特徴とする請求項10に記載のミシン。 - 前記縫製模様は、複数の色の刺繍糸で模様を縫製する刺繍模様であり、
前記制御部は、
前記模様オブジェクトの色である模様色を変更する模様色変更手段
を更に備え、
前記模様色変更手段により前記模様色が変更された場合、前記投影画像生成手段は、前記模様色変更手段が変更した前記模様色のみからなる前記模様オブジェクトを含む前記投影画像を生成すること
を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のミシン。 - 前記周囲オブジェクトは、前記プロジェクタが前記投影画像を投影可能な範囲である投影範囲の全体において前記模様オブジェクトを取り囲む背景を示す背景オブジェクトを含むことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のミシン。
- 前記縫製模様は、複数の色の刺繍糸で模様を縫製する刺繍模様であり、
前記周囲オブジェクトは、前記プロジェクタが前記投影画像を投影可能な範囲である投影範囲の全体において前記模様オブジェクトを取り囲む背景を示す背景オブジェクトを含み、
前記制御部は、
前記縫製模様が前記投影範囲よりも大きいかを判断する判断手段と、
前記縫製模様が前記投影範囲よりも大きいと前記判断手段が判断した場合に、前記縫製模様のうち前記投影範囲内に収まる部分である部分模様の指定を受け付ける指定受付手段と、
を更に備え、
前記投影画像生成手段は、前記部分模様を表す前記模様オブジェクトと、前記背景オブジェクトと、を含む前記投影画像を生成すること
を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のミシン。 - 前記縫製模様は、複数の色の刺繍糸で模様を縫製する刺繍模様であり、
前記周囲オブジェクトは、前記プロジェクタが前記投影画像を投影可能な範囲である投影範囲の全体において前記模様オブジェクトを取り囲む背景を示す背景オブジェクトを含み、
前記制御部は、
前記縫製模様が前記投影範囲よりも大きいかを判断する判断手段と、
前記縫製模様が前記投影範囲よりも大きいと前記判断手段が判断した場合に、前記縫製模様のうち前記投影範囲内に収まる部分である部分模様の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記縁取色設定手段が設定した前記縁取色を記憶する縁取色記憶手段と、
を備え、
前記投影画像生成手段は、前記部分模様を表す前記模様オブジェクトを含む前記投影画像を生成し、
前記指定受付手段は、前記縫製模様の部分のうち前記部分模様に指定する部分を変更可能であり、
前記縁取色設定手段は、前記縁取色記憶手段によって前記縁取色が記憶されている場合、前記指定受付手段で変更された前記部分模様を表す前記模様オブジェクトを縁取る前記縁取オブジェクトの色として、記憶された前記縁取色を設定すること
を特徴とする請求項2から9のいずれかに記載のミシン。 - 加工布に縫製模様を縫製するための模様データを記憶する記憶部と、
画像を投影するプロジェクタと、
制御部と、
を備え、前記模様データに従って、前記加工布に前記縫製模様を縫製するミシンにおいて、
前記制御部は、
前記模様データに基づき、前記縫製模様を表す模様オブジェクトと、当該模様オブジェクトの外縁に隣接して配置され、当該模様オブジェクトを縁取る縁取オブジェクトと、を含む投影画像を生成する投影画像生成手段と、
前記プロジェクタを制御し、前記投影画像生成手段が生成した前記投影画像を、前記加工布が搬送されるベッド部の上面へ向けて投影する投影手段と、
を備えたことを特徴とするミシン。
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